「10円玉が丸い」は思い込み?日本人に欠けている他者意識とは
『出口汪の論理的に考える力が身につく本』(出口汪著、SBクリエイティブ)の著者は、数々のベストセラーを生み出してきたカリスマ予備校講師。
最新刊となる本書では、タイトルにあるとおり「論理的な考え方」をさまざまな角度から掘り下げています。
きょうはそのなかから、特に印象的な部分を引き出してみたいと思います。
■論理力をつくる「他者意識」とは?
論理力をつくる「他者意識」が、「和」を重んじてきた日本人には欠けているのだと著者はいいます。
この場合の「他者」とは「他人」という意味ではなく、「根本のところではどうやってもわかり合えない存在」だということ。
「根本のところではわかり合えない」からこそ、他者とコミュニケーションし、自分の意見を理解させるために「論理力」が不可欠だということです。
■「10円玉が丸い」なんて思い込み?
そして重要なのは、人間が基本的には主観でしかものを捉えることができないという事実。
たとえば「10円玉はどんなかたちをしている?」と質問されたら、ほとんどの人が「丸い」と答えるはず。
でも、それはあくまで真上から見たときの10円玉のかたち。斜めから見たり、真横から見たりしたら、丸くは見えないはずです。