10代の情緒不安定は経験値&年齢の上昇とともに緩和すると判明
女子は男子とくらべ、幸せと悲しみの浮き沈みが大きい傾向は見られましたが、それでも思春期を通じての変化の率は男女ともほぼ同じだったということです。
研究を行った調査員は、「思春期初期における感情の浮き沈みの激しさは、人生で初めて経験する出来事が多く、それらにどう対処していいかわからないことに起因するのではないか」といいます。
日本でいうと中学1年生くらいの年齢から、たとえば初恋、勉強に関する親との対立など、感情が乱されてしまう経験に遭遇することが増えます。しかし歳を経ていくと、こうしたことに対処する方法を学んでいくことになります。そうして、感情の浮き沈みが安定していくということです。
■なかでも「心配」だけは不安定さが残る
ただし上記4つの感情のうち、「心配」だけは「年齢が上がると安定する」というパターンに当てはまらないそうです。なぜなら年齢が上がると、卒業や進学、就職など、これまでとくらべて責任が大きくなるから。研究ではそう説明しています。
とはいうものの、この研究では、最終的には思春期の気分の浮き沈みは概してそのうちなくなる、と結論づけています。もし年齢が上がっても気分のムラに変化がみられなかったりむしろひどくなったりする場合は、個人的な問題を抱えている可能性があるため、その子をきちんと観察する必要がある、としています。