虹は本当に7色?この問いの答えを探すためにまず考えるべきこと
でもアメリカでは、6色だといわれているのだそうです。
しかし著者は、「虹は7色だ」と語るアメリカ人に会ったこともあるそうで、また他の地域や時代によっては8色、5色、3色、2色などバラバラなのだといいます。
では、どれが正しいのかといえば、答えはシンプル。
正解はないのです。
なぜなら虹は、赤外線と紫外線の間の光の波長。つまり実際にはすべてが切れ目なくつながっているから。
つまり私たちが「虹は7色だ」というとき、私たちは色を表す言葉を用いて、そこに境界線を入れているわけです。
■グラデーションにマジックが
虹のなかでも、私たちが「橙(だいだい)」と呼ばれている部分には、赤に近い部分もあれば、黄色に近い部分もあります。
本来なら、そこに明確なギャップはないはずです。グラデーションを媒介して、すべてが成り立っているわけです。
ところが私たちはそこに「橙」という言葉を加えることによって、「橙の部分」と「そうでない部分」とに境界線を入れているということ。だとすれば、その分け方は「言葉次第」だということになります。極端な話をするなら「30色だ」といってもいいし、「2色だ」といっても間違いではないことになるということ。