虹は本当に7色?この問いの答えを探すためにまず考えるべきこと
著者がこの話をすると、「それって『定義』をしているということでしょうか?」と指摘を受けるのだといいます。
その問いに対しての著者の答えは、「それは正しい」というもの。なぜなら「これはAである」という定義は、「これ」という現実に対して、言葉「Aで境界線を入れる行為だからです。
そもそも英語の「定義(definition)」という言葉そのものが、本来的に境界線としての意味を持っているのだといいます。
「定義する(define)」の語源となっているラテン語の動詞「definio」はもともと、接頭辞「de-(十分に)」と「finis(終局、境界)」からきており、もともとは「境界線をはっきりさせる」というニュアンスを持っているのだそうです。
■言葉をはっきりさせて考える
また、日本語の「ことば」の語源は、「ことのは(言の葉/言の端)」。一方で「現実の一端しか表していない」という解釈もあるといいます。
しかし、著者の解釈は少し違います。
現実を切り取る端の部分、つまり「境界線」こそが言葉だという考え方もできるのではないかというのです。
もちろん決定的な答えはありませんが、どうあれ著者はこう結論づけています。