日本では理解が低い「1000人に1人誕生するダウン症」の真実
■2012年開始の新型出生前診断に物申す
世界的にみても1,000人に1人の割合で産まれるダウン症は、決して珍しい障害ではありません。近年、その数は増加傾向にありますが、2012年に始まった新型出生前診断は、ダウン症を含む胎児の染色体異常が高い確率でわかるということばかり、大きく取り上げられました。
実際、2014年の検査結果によると、胎児の異常がわかった119人の妊婦のうち、113人、つまり95%が中絶を選んだというのです。
姫路さんによると、出生前診断のニュースに心を痛める、ダウン症の子どもを持つお母さんたちは少なくなかったそうです。
姫路さんは、「出生前診断は、生まれてくる子どもに障害があることがわかった場合、本来、その子どもが生まれた後に生きる道を照らしてあげるための検査であるはずなのに、生きる道を閉ざすための検査になっている」と指摘しています。
■生きやすい社会の「お手本」は海外にある
なぜ日本では、ダウン症を含めた障害への強い抵抗のようなものがあるのでしょうか。
姫路さんは、まず、ダウン症自体への理解が低いことを挙げています。
ダウン症=短命である、と思っている人は少なくありません。