日本では理解が低い「1000人に1人誕生するダウン症」の真実
本書に出てくる松原祐哉くんのご両親は、裕哉くんの成長が他の子どもとくらべて遅いことについて次のようにいっています。「うちはゆっくり子どもの成長をみつめられる分、幸せだなぁとしみじみ思います」
たしかに、子育てにおいては、つい過度な期待を抱いたり、よその子どもとくらべたりして、その子自身を見失ってしまうことがないわけではありませんよね。
また、ダウン症の子どもを産んだことを、次のように表現するお母さんもいました。「1,000人に1人ってすごい確率でしょ!つまり私、”当たり”やん!」
そのお母さんは、出産後すぐに医師からダウン症の説明を受けているときから、「『知的障害で言葉が遅い』っていうたら、『じゃあ、ちょっとでも早く喋れたらがんばったなぁって褒めてあげよう』」と思ったそうです。また、ダウン症の子どもを育てている人のなかには、社会で孤立している人もいるかもしれません。そういった方へのアドバイスを聞いてみました。
「まず先輩の話を聞くことをおすすめしたいですね。また、いまはSNSがありますから、人とつながることは難しくなくなってきていると思います」
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本を出すまでは紆余曲折で、企画の段階では10社以上の出版社に断られたそうです。