2020年開催の東京オリンピックは私たちに一体何をもたらす?
「東京一極集中は悪であり、地方との格差をなんとしても是正すべきだ」という意見は、日本人のなかに強く根を張っています。
けれども、「本当にそれだけでいいのだろうか」と疑問を投げかけるのは、『東京一極集中が日本を救う』(市川宏雄著、ディスカヴァー・トゥエンティワン)の著者。
数十年の歳月を都市政策研究に捧げ、第一線の海外の研究者と議論を重ねてきた専門家だそうです。そしてそんな立場から、誰も口にしたがらないことを明らかにする責任を感じているのだとか。
資源を持たず、少子高齢化で労働力さえ失われつつある日本が今後も国際競争を勝ち抜いていくには、ヒト・モノ・カネを東京に集中するしかないということ。
地方にまわすお金が枯渇しつつあるいま、東京が世界的に競争力のある都市になり、率先して稼いでいかなければ、地方にとっても得はなくて当然。東京が沈めば、地方が沈み、日本が沈んでしまうというわけです。
だとすれば、すぐに思い浮かぶのが、2020年の東京オリンピック、パラリンピックの経済効果です。
このことについて、著者はどう考えているのでしょうか?
■2020年の五輪は「成熟型」
2020年に開催される東京オリンピック、パラリンピックと1964年大会とは、どのような違いがあるのでしょうか?
この問いについて、著者は「進化」