2020年開催の東京オリンピックは私たちに一体何をもたらす?
生産誘発額7兆5,042億円
計:16兆3,913億円の生産誘発額
■日本の経済成長率がアップする
したがって、オリンピック、パラリンピック全体の経済波及効果を見るには、両者を足せばいいということになります。その結果、2兆9,609億円+16兆3,913億円=19兆3,522億円ということになります。
これらの粗付加価値誘発額は合計で9兆7,346億円になり、1年あたりで計算すると1兆3,907億円。この数値は、2014年度の実質GDP525兆8,664億円のおよそ0.26%。
つまり2020年のオリンピック、パラリンピック開催は、日本の経済成長率を0.26%程度押し上げてくれるというのです。
GDPを0.26%も上昇させることは、政府がどれだけ優れた政策を用いたとしても容易なことではありません。つまり、この効果は非常に大きいということになります。
*
ここで取り上げた五輪問題のみならず、本書では様々な角度から東京一極集中がもたらすものの影響の大きさを説いています。
今後の日本のあり方を見極めるためにも、ぜひ読んでおきたい内容だといえるでしょう。
(文/印南敦史)
【参考】
※市川宏雄(2015)『東京一極集中が日本を救う』ディスカヴァー・トゥエンティワン