くらし情報『なぜ人間の脳は0.6秒で「いいたい単語」を見つけられるのか?』

なぜ人間の脳は0.6秒で「いいたい単語」を見つけられるのか?

が出てきたときには630ミリ秒と、どんどん反応速度が遅くなっていったのです。

すべて同じ動物なのに、どうしてこんなことが起きるのでしょう?

■使えば使うほど単語の優先順位が上がる

この秘密が、先ほど挙げた「辞書の再編成と最適化」です。

「毛が生えている」「四速歩行」「尻尾がある」などの要素を持つ「犬」という単語を使うと、同じ要素を持つ「馬」「猫」といった単語に干渉が起き、優先順位が下がりすぐ出てこなくなるのです。

逆に「犬」という単語を使い続ければ、どんどん優先順位が上がりより反応速度は速くなっていくだろうと予想されています。

つまり、すぐに言葉が出てくるのは、常に単語の優先順位を変えて最適化しているからだといえそうです。オッペンハイム博士によると、こうした研究は事故に遭った場合の言語障害の治療などに役立てられるそうです。

いつも何気なく使っている単語も、常に優先順位が上がったり下がったりしていると思うとおもしろいですね。「えーと、アレ、なんだっけ?」とすぐに出てこない単語は、ひょっとしたら日ごろ使っていないために優先順位が低いのかもしれません。
いまでも脳内では、単語がどんどん最適化されているのです。

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