報道の仕方で自殺は「80%も」減らせる?自殺報道のあるべき姿
では、日本のメディアは自殺件数を減らすためにどのような報道をすればいいのでしょうか?
■WHOによる勧告から何を学ぶべきか
上記のことを踏まえて、WHOは「自殺予防 メディア関係者のための手引き」を発表しました。2000年に発表されたこの勧告では、メディアが自殺をどう報道する際の注意点がまとめられています。
日本のメディアもでもこれを基に報道をしていますが、徹底できているか疑問が残ります。
「自殺を問題解決法として扱わない」ことは、いじめ問題の報道の際に気をつけたいことのひとつでしょう。
いじめを受けている学生が、「自殺すれば救われる」と考えないようにするのもメディアの役目です。数年前から学生が自殺するニュースが後を絶たないのは、報道の仕方に問題があるからかもしれません。
また、日本の報道は遺族に関する配慮も欠けている可能性があります。事実、遺族へのインタビューや、自殺した方の卒業文集を報道することに対する批判をよく耳にします。
特に著名人やいじめによる自殺を報道する際には、遺族への配慮はもちろん、見出しのつけ方やセンセーショナルに報道しないことを徹底すべきでしょう。
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メディアがどこまで報道していいのかというのは、非常に難しい問題です。