もし家族がバスで事故に遭ったら損害賠償金はいくら請求できる?
旅行代理店には、色とりどりの観光ツアーのチラシが置いてありますよね。なかでもバスツアーは、食べ放題やお土産もついてお手ごろな料金なので人気です。
しかし、今年2016年1月15日、そんな楽しいはずのツアーで、スキー客を乗せたバスが軽井沢付近を走行中に崖から転落。乗客・乗員合わせて15名死亡、26名負傷という大事故になりました。ニュースでも連日大きく取り上げられていたので、ご存知の方も多いと思います。
もしバスツアーで死亡事故が発生した場合、被害者一人あたりの損害賠償金はどれくらいになるのでしょうか?
■誰が「事故の責任」を問われるのか?
罪に問われるのは、運転手とバス運行会社です。それぞれに、民事上・刑事上の責任を負う可能性があります。
(1)民事上の責任とは
まず民事上としては、運転手に過失がある場合、民法709条の不法行為(他人に損害を与える行為)にあたるとして被害者や遺族に対して損害賠償責任を負うことになります。
また、民法715条の使用者責任や商法590条の旅客に対する責任に基づき、バス運行会社も使用者として損害賠償責任を負う可能性も十分に考えられます。会社が車両を所有していて、従業員が業務時間中に事故を起こしたからです。