日本のミスマッチ定義は異常!3年で3割が離職する説は嘘だらけ
企業が求める能力を有していない学生は就職の選択肢が狭くなり、希望する職に就くことができないため、ミスマッチが起こりやすくなっているというのです。
■実は採用のミスマッチなど存在しない
厚生労働省の「新規学卒就職者の在職期間別離職率の推移」では、昭和62年から平成26年度までの離職率データを確認できます。
これによると、規模・職種にかかわらず、過去と現在の数値はさほど変わりありません。大学卒で見ても、30%台前後で推移していることがわかります。
ミスマッチは、昭和40年代の高度経済成長時代から社会問題として取り上げられていました。昭和40年代ですから40年以上前になりますが、当時の数値と現在の数値にそれほどの乖離は見られないのです。
しかし就職情報会社は、「3年で3割も辞めるんです。だからミスマッチです!」と強調します。
では、この数値を検証してみましょう。ソースは2010年以降のものを参照します。アメリカ労働統計局によれば、大卒者が32歳までに平均8回転職することが明らかになっています。
イギリス国家統計局のデータでは、大卒者が入社4年以内に3回以上の転職をする割合は「男性22.7%、女性26.4%」