間違えたら4000万円の損!なぜ戸建住宅購入で失敗するのか?
こういった場合、買い手の心理にはアンカリングが働いています。
アンカリングとは、特定の数値や情報が印象に残り、それが基準点(アンカー)となって、その後の判断が揺れ動く心理現象のこと。
インパクトのあった価格や雰囲気よりも安かったり高級感があったりすれば「よりよい」という感想になるし、反対に高かったり安っぽかったりすれば「より悪い」というイメージとして残るのです。
一般的に、その物件が掘り出しものであるかどうかは、買い手が実際に住んでみないことには判定できません。「掘り出しものであるかどうか」は、買い手とその家族の皮膚感覚や五感が決めることだからです。
しかし、不動産は「お試し」ができません。そのため、営業マンのセリフひとつで買い手の印象が変わるのです。
価格や雰囲気などにより一度大きなインパクトを受けると、その後、いくら見学をしてもすべてアンカリングが働くことになります。
もしかしたら、本当は相性のいい戸建かもしれないのに、アンカリングのために「ここはダメ」と切り捨ててしまうことも生じます。
また、アンカリングにハマりすぎて、実際に住みはじめたら思ったほどよくなかった、トラブルが続発した……というケースも少なくありません。