97歳のエッセイストが教えてくれる「自立したお一人様の極意」
そのため、ひとりが寂しいなんて思う暇もないそうです。
■自立したいなら人も認めること
先に触れたように、著者が意識しているのは「老いてこそ自立して生きたい」ということ。
ただし、そこで自分の権利だけを主張してもうまく生きてはいけないもの。自分が自立したいのなら、人のことも認めるべきだと著者は主張しています。
■自分に厳しくできることも自立
人にはお節介を焼いて厳しいのに、自分に甘かったとしたら、それは自立とはいえません。
人はどうしても自分に甘くなるもの。だからこそ、いつも自戒が必要。もちろん、自分に甘くなるというのは、ある程度は仕方がないこと。
でも、すべてがそうではまずい。
自分に厳しくできることも、自立のひとつではないかと、著者は思っているのだといいます。これだけでもわかるように、著者のいう「自立」についての考え方は、どの世代にとってもあてはまるはず。
だからこそ、深みとともに説得力を投げかけてくるのです。しかも文体が柔らかなので、読んでいるだけで温かい気持ちになれるでしょう。
(文/印南敦史)
【参考】
※吉沢久子(2015)『ほんとうの贅沢』あさ出版