また『個性』がわかれば、現地に行った際に世界遺産を壊すようなこともなくなるでしょう。是非これからは、『登録基準』で世界遺産を見てほしいですね」
「危機遺産」と私たちがやるべきこと
世界遺産に登録されたものの、なんらかの理由で「個性」が壊れてしまった遺産があるのも現状です。そんな世界遺産を「危機遺産」と言います。
©ASEAN-Japan Centreコルディリェーラ山脈の棚田(フィリピン)
危機遺産の原因のほとんどは「人間の行い」。内戦や観光開発、都市開発、密漁などがその原因です。人間の勝手な行動が、せっかく登録された世界遺産を危機遺産に変えてしまっているのです。
「日本でも富士山や富岡製紙場が世界遺産登録され盛り上がっていますが、その一方で『これから世界遺産を保全するための大きな責任と義務が、日本国民に生じた“スタート”』であるということを忘れてはいけません。世界遺産の本来の意味、向き合い方を知り、みんなで世界遺産を守っていかなければなりません」
※東南アジアの危機遺産はコルディリェーラ山脈の棚田(フィリピン)とスマトラの熱帯雨林遺跡(インドネシア)の2つ(2014年12月現在)