くらし情報『「植物は自身を分解することでリン酸欠乏に即座に対応する」』

2022年4月1日 11:45

「植物は自身を分解することでリン酸欠乏に即座に対応する」

明治大学 農学部 生命科学科・環境応答生物学研究室の吉竹悠宇志(助教)、篠崎大樹(博士後期課程2年兼日本学術振興会特別研究員)、吉本光希(教授)の研究グループは、リン酸欠乏の早期段階でオートファジーが小胞体(注1)を分解し、細胞内のリン酸をリサイクルしていることを発見しました。オートファジーとは、酵母や動物、植物など真核生物に広く保存されている細胞内成分の分解機構の一つで、細胞内の不要な成分や古くなった成分を分解することで、細胞の品質維持や、栄養成分のリサイクルに重要な役割を果たしています。

■ 本件のポイント
■植物の三大栄養素の一つ・リン酸の欠乏早期段階において、植物オートファジーが小胞体を特異的に分解することで、小胞体に含まれるリン酸をリサイクルしていることを発見しました。
■この小胞体分解機構は、これまで知られていたリン酸欠乏応答機構より早く応答するため、「早期リン酸欠乏応答機構」という新たなリン酸欠乏応答機構を提唱しました。
■植物はリン酸欠乏ストレスに対して、早期および後期の応答機構を使い分けることで、時空間的に不均一なリン酸濃度環境に適応していると考えられました。
■この適応メカニズムを理解することで、場所・時期によって欠乏の度合いが異なる世界中のリン酸欠乏土壌において、それぞれの環境に適した作物を栽培する技術等の開発が期待されます。

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