2023年1月12日 15:00
法政大学島野教授の研究チームが、八重山諸島(石垣島と西表島)に生息する日本最大のヤスデであるヤエヤママルヤスデを新種記載
(4) 学名の由来は、ヤスデが「馬陸(やすで)」とよばれること、本種が赤と黒の体色の美麗種であること、そして赤馬節として歌に歌われる八重山諸島の民話に由来している。
ヤエヤママルヤスデ(写真:島野 智之)
法政大学 島野智之教授は、2023年に日本最大のヤスデであるヤエヤママルヤスデ(ヤスデ綱)を京都大学などのチームと共に新種として記載しました。ヤスデ(ヤスデ綱)は、ムカデなどと共に多足亜門を構成しています。ムカデは一般に他の小動物を捕食するため顎肢に毒をもつことが多いです。しかし、ヤスデは落ち葉などの腐植などの有機物を餌としており、動きも比較的ゆっくりで毒をもつ顎肢を持たず咬まれることはありません。
ヤスデの英名はmillipedeであり、ラテン語で千(milli)の脚(ped)に由来するように、多足亜門の中でも体節が多く、1節あたり2対の脚をもっているのが特徴です。これまで和名「ヤエヤママルヤスデ」と呼ばれてきたマルヤスデ属Spirobolusの未記載種は、沖縄県・八重山諸島の石垣島と西表島、およびその間にある小浜島から記録されており、環境省版レッドリストに掲載され、絶滅危惧II類(VU)