「旅行先でフラれました…」26歳女性の「失恋からの立ち直り方」
すると。
「そういうのやめろよ」
いつになく語気の強い友哉に、ビクッとして離れる舞。何よりハグを拒否されたことがショックだった。
「ここ1年くらい、舞と一緒にいてもそういう気になれない」
「それって」
「今日は無理して旅行来たけど、俺たち、これ以上うまくいく気がしない」
別れ話?沖縄で?最近、うっすらそんな気はしていた。
だからこそ今回の旅行で挽回しようと思ってたのに、ここで言う?
結婚式のための貯金だって、ずいぶん前から2人でしてたのに。
結局、沖縄旅行を早々に切り上げることに。共同貯金をはんぶんこして友哉とは別れた。
舞は思う。
わたしって魅力ないのかな。SNSフォロワーは男性多いんだけどな。
考えれば考えるほど自信がなくなり、将来への不安が募っていく。
ある日の会社帰り。駅ナカの書店で一冊の本が舞の目に留まった。手にとって少し読んでみると「フラれた女は海外留学へ行け!」という趣旨のエッセイ本だった。本に書かれたカナダでの生活に思いが飛んでゆく。高校時代、ホームステイをする友達を見て羨ましかったことも思い出す。
結婚の予定もなくなったわけだし、式のために貯めていたお金で海外行ってもいいかも。