「彼氏と金銭感覚が合わない…」長続きカップルになるために「作るべきルール」
「……」何も返せない。
週末、正人とのお花見デート。シートを敷いて、パン屋で調達したサンドイッチと
缶ワイン。
正人は、あれからずっと、葵の同僚との飲み会のことが気になって焦っていた。あのピース野郎は葵を狙ってんじゃないかと。こんなシートデートでいいのかよ。
華やかな場が好きな葵だ。もっともっとバイトしてお金を稼いで、いい店に連れていかないと。
ってことで、月末にがんばった。
「えっ、お店予約してくれたの? ありがと」
桜が見えるテラス席。春らしいパステルツイードのワンピースに身を包んだ葵が、にっこり微笑む。ちょっと無理してでも連れてきてよかった。
そう思った正人だったけれど…。
食事のあと葵に聞かれた。
「ねえ、正人、お金ないんじゃないの?」
ちょっと機嫌が悪そうだ。いい店で喜んでくれてると思ったのに。
「いや、葵が同期とすげーいい店行ってただろ。それ見て俺、焦っちゃって。だから最近、バイトがんばってた」
「頑張るとこ違ってない?いい会社に就職しないと奨学金も返せないよ。金銭感覚一緒でないとやっていけない」
せっかくのスプリングデートが台無しだ。
【三松さんからのコメント】
就活、大変なのはよくわかります。