繰り返される恋愛パターンの意外な影響〜『海街diary』【伊藤さとりの映画で恋愛心理学 第31回】
ただ、自分自身も、父が犯した罪である「不倫」をしているのは、彼女の潜在意識のどこかに、両親が続けられなかった結婚への恐れがあるのかもしれず。
次女は、両親の姿を長女よりもっと客観的に見ていました。
両親のどちらに対しても否定的な感情を持たない彼女は、二人のようにはなりたくないと思いながらも、父親が自分に愛情を注ぐ事も無く去ってしまったため、どうすれば異性に愛されるのかがわからない。心のどこかで「父に捨てられた」という思いが、自分の女としての自信のなさに繋がっているのかも。
それで、甘い言葉を囁く男性に対して、純粋に愛されていると信じ込み、彼の繋ぎ止め方がわからないから、お金を貸すことも愛情の一貫と思ってしまう。
三女は当時、幼なすぎ、家を出て行った父との記憶はない。ただ、姉との会話の節々から父への好奇心や憧れを抱くようになった。彼女が歳の離れた穏やかな男性を選んだのは、どこかで父性を求めているから?
そんな風に考えてみると、初めて接した異性=父親の影響は、とても大事。
まだひとり立ち出来ない幼い子供の場合、本能が生きていく為に身近な大人に順応して成長させようとするものなんです。
長女は、父親に似ているかもしれない不倫相手を愛することは出来るものの 、それが幸せか?と言われるとそうとも思えません。