繰り返される恋愛パターンの意外な影響〜『海街diary』【伊藤さとりの映画で恋愛心理学 第31回】
次女は次女で、恋人が父のように去って行ったら…という恐れから“貢ぐ女”と化し、やはり幸せとは言えない恋をしている。
こういった状況を見ると、幼い頃の異性の親との関係が恋愛に大きな影響を与えているのは事実…。
結局、大切なのはその相手と付き合っている自分が、心から幸せだと思えるか?それだけ。
そこを気にかけて映画を観ると、ラスト、彼女たちが下した決断を、あなた自身の幸せ探しに役立てられるかも知れません。
あらすじ:
まぶしい光に包まれた夏の朝、三姉妹に届いた父の訃報。
十五年前、父は女と出て行き、その後、母も再婚して家を去った。三姉妹を育てた祖母もとうに亡くなり、広くて古い鎌倉の家には、彼女たちだけが残った。
両親へのわだかまりを抱えた、しっかり者の長女の幸と、そんな姉と何かとぶつかる次女の佳乃、マイぺースな三女の千佳。
三人は父の葬儀で、腹違いの妹すずと出会う。頼るべき母も既に亡くし、それでも気丈に振る舞う、まだ中学生のすず。そんな彼女の涙を見て、幸は、別れ際に「いっしょに暮さない?」と誘う。
そして、秋風とともに、すずが鎌倉へやって来る。四人で始める新しい生活。それぞれの複雑な想いが浮かび上がる――。