2016年9月20日 11:05
鏡リュウジ×寺山マル×田波有希~タロット×漫画『サングリアル』座談会vol.2【恋占ニュース】
これが今のトランプの語源で、「切り札」「勝ち札」といった意味があります。
鏡:トランプは英語では「プレイング・カード」と呼ばれ、「トランプ」と言って通じるのは日本だけです。要するに江戸時代、ポルトガル人が「UNO」のように「トランプ、トランプ」と言っていたのを聞いた日本人が、「なるほど、これはトランプと言うのか」と勘違いしたわけです。
寺山:面白いですね!
鏡:あと、ルネッサンス期にフランチェスコ・ペトラルカという詩人がいたのですが、彼は「トリオンフィ」という詩を書いています。その詩には、最初に「愛」が登場するのですが、「愛」は「死」に負けちゃうんです。でも「死」は「名声」に負ける。
瀬尾:「死」は「名声」に負けるんですか?
鏡:「死」の後に「名声」が残るじゃないですか。
一同:あー!
鏡:「名声」の後には「時」が出てきます。
「名声」も「時」には負けてしまう。そのように順番に勝っていくんですよ、というシリーズがあるんです。
寺山:すごい哲学的ですね!
鏡:そこに出てくるモチーフが、ほぼタロットと共通しているんです。タロットには「隠者」のカードがありますが、昔あのカードには「時間」