2016年10月11日 18:00
すれ違いの恋は「幸せな記憶」に変わる:よろず女子百景(3)
ちょっと待って! 朝のぎゅうぎゅうの満員電車で、彼と私もぎゅうぎゅうに!?
と、ドキドキ・・・・・・。でも嬉しくて!
そうして、毎朝の通学時間が、恋する女子高生には彼との嬉しいデートのひとときとなった。
だけどまさか。そんな嬉しい約束が、はかないすれ違いのきっかけになってしまうとは・・・・・・。
■■なぜ? 追い掛けられなかった彼の背中
彼は、背も体も大きくて汗だらけ泥まみれのラグビー部員。かと思えば、文学と音楽を愛する素朴な青年で、そんな彼の風貌とギャップに私は、入学当初から好意を寄せていた。
携帯電話などなかった当時。LINEで告白・・・・・・なんかできるはずもなかった私たちは、手紙か家の電話か、さもなければ直接対決しかアプローチの方法はなくて。
だから私も、ある日の放課後に突然、彼の背中を追い掛けて行って、「一緒に帰ろう!」と声を掛け、急接近したのだった。
そうして天から降って湧いたように「男子と朝一緒に登校する女子」というステータスを突如手に入れた私♪
クラスの中で決して一軍女子ではなかった”くすぶり地味め女子”にとっては、奇跡のような展開だった。
まぁ結局、ぎゅうぎゅう過ぎる車内は人が多すぎて、彼とチョー密接! なんてことはなかったけど・・・・・・。