ただし、それは裁判官の裁量として考慮されているだけです。
養育費や面会交流のように、権利として認められているわけではありません。
あくまで、ペットを引き続き飼うことになった当事者が、責任をもって世話をする、ということになります。財産分与で自動車を受け取った当事者が、ガソリン代を支払い、税金を支払い、メンテナンスを行う、ということと同じです。
なお、例外として、結婚前から飼っていたペットは、もとの飼い主のものになります。“特有財産”といって、そもそも財産分与の対象になりません。
ペットがいる場合には、できるだけ話し合いでまとめた方がよいといえます。
それ以前に、せっかくペットがいるのであれば、ペットと過ごす時間を通じてパートナーとも時間を共有し、良好な夫婦関係を築いていくのが最善です」(高野倉弁護士)
ペットがいる場合は、予め話し合っておくことがベストであるよう。
お互いが権利を主張しどうしようもなくなった場合は、やはり弁護士の力を借りたほうがよさそうですね。
*取材協力弁護士:高野倉勇樹(あすみ法律事務所。民事、刑事幅広く取り扱っているが、中でも高齢者・障害者関連、企業法務を得意分野とする)