とっても育てやすい子でした!11年前に生まれてきてくれた長女ゆい。何の問題もなく、すくすくと成長していきました。首が座って、お座り、ハイハイ、つかまり立ち…普通に夜泣きがあって、普通にイヤイヤ期があって。そして普通に時期が来ればおさまっていたので、特に心配することもなかったです。性格は大人しめで発語も問題なく、年齢ごとの健診で指摘されることも何もありませんでした。母子手帳の発達項目にはすべて「できる」に○をつけて「悩みは特にない」って書いてたっけ。まさに育児書通り、平均的な成長をしていたと思います。…といっても、私はかなり大雑把な性格だから、いろいろなサインを見落としてた可能性は大いにあるけどね。勉強の遅れが目立ち始めて…Upload By 吉田小学校3年生あたり、勉強の難易度が上がってきてからどんどん授業についていけなくなりました。国語は特に漢字が苦手で、書く文章はほとんどひらがなでした。先生にも「文字というよりカタチでとらえて書いている感じがします」と言われたことがあります。算数は、文章問題を前にフリーズするようになりました。いったい何を問われているのか、意図が読み取れないといった感じです。テストは真っ白で提出することが多くなっていました。参観日に算数の授業を受ける姿を観たときは、先生の話を明らかに聞いておらずボーっとしていたので焦りました。今思えば、サボっているのではなく先生が何を言っているのか理解できなかったんですよね。呑気すぎる私もちょっと焦りだして、通信教育や個別指導塾に行かせてみたけどあまり効果はなかったな…。そして小学4年生になったとき、担任の先生に呼び出され、「発達検査を受けてみませんか?」と言われて…調べてもらったところ、○軽度知的障害○ASD○場面緘黙(ばめんかんもく)があると教えていただきました。周りは厳しい…Upload By 吉田診断が出て、将来のことがものすごく不安になっちゃいました。なにか社会的支援はあるの?仕事ってどんなものがあるの?そこからは、スマホにかじりついて検索する日々。LITALICO発達ナビも、このときに読みまくっていました。私は焦っていましたが、家族は…Upload By 吉田夫はこんなんだし、Upload By 吉田義理の両親はこんな感じ…ついにはお世話になっているスクールカウンセリングの先生に「先のことを考えすぎですよ(苦笑)」と言われて、一旦立ち止まることにしました。Upload By 吉田そんなゆいですが、学校や本人と話し合い、小学校5年生から算数だけ通級へ通っています。勉強についていけず自分に自信をなくしていたゆいに元気が戻ってきたのが一番の収穫でした。でもこれから先、もっといろんな壁が出てくるだろうし、親としてはいつまでも心配してしまうけど、これはきっとどんな家庭でも同じことだよね。わが家も勉強や今後の進路、将来の就労はどうなるんだろうと不安は尽きませんが、たくさん悩み、笑いながら成長していきたいと思います。それには夫の協力も欲しいところだね(単身赴任で月イチの帰宅しかできないけど…)そんな日々をここでつづっていけたらと思いますのでよろしくお願いします。執筆/吉田いらこ(監修:三木先生より)子どものこととなるとついつい先のことまで心配してしまうのが親というものです。でも、先を見すぎて今を見失うことが往々にしてありますよね。スクールカウンセラーさんのコメントでそれに気づけたことはとても良かったと思います。そしていらこさんがおっしゃるように、実は子育ての悩みの本質は「どの家庭でも同じ」なんですよね。障害があるといろいろとそのせいだと考えてしまいがちなのですが、とってもフラットで素晴らしい視点だと思います。
2022年01月28日神奈川県児童発達支援事業所Upload By 発達ナビ施設情報2022年2月1日オープン予定のてらぴぁぽけっと横浜阪東橋教室では、「たくさん、小さく、確実に」を大切にしながら、825項目の基準ステップを基に個別療育と集団療育の両方を取り入れ、お子さん一人ひとりに合わせセラピーしています。1クラスは2時間制です。その中でリズムウォーク、はじめの会、個別療育、かえりの会などを行い、お子さんが今必要とする力の獲得にマンツーマンで取り組んでいいます。セラピストの研修を受けた教員免許、保育士、幅広い年代の職員が在籍。多角的な視点でお子さんと関わることを大切にしている施設です。Upload By 発達ナビ施設情報障害児通所支援事業所ステラでは、尊重し合える関係性を育むお手伝いをしながら社会性の形成につなげる支援をしています。毎日のミーティングでは、お子さん一人ひとりに対する支援をスタッフが考え、個性に合わせた個別療育や集団療育を提供しています。お子さんの興味を引出し、失敗や成功する「体験」をしながら、自信につなげることを大切にしています。将来に対する保護者の不安にも寄り添い、卒業後も就職先にスタッフが定期的に訪問。お子さんの大事な一生を安心して過ごせるように相談などを実施している施設です。Upload By 発達ナビ施設情報ステラプレナでは、保育士・相談支援専門員・教員・児童指導員でさまざまな資格を保持したスタッフ在籍しています。一人ひとりの個性に合わせた個別療育、集団療育を提供しています。お子さん自身や家庭でのさまざまな心配ごとや悩みごとなど聞き、個別支援計画を作成しています。支援や療育の場でもまずは「できた!」と思う気持ちを大事にし、意欲的に取り組めることを大切にしています。こちらでは、この先大人になっていく子どもたちの日常生活がより良いものとなるよう体験や体感を多く経験する機会を提供し、お子さんの自立をサポートをしています。神奈川県の児童発達支援事業所をもっとみる茨城県児童発達支援事業所Upload By 発達ナビ施設情報音楽特化型児童発達支援・放課後等デイサービスおとでは、音楽と感覚統合を融合した「発達支援リトミック」の集団療育のほか、発語リズムやピアノレッスンなどの個別支援の音楽療法を行っている施設です。音楽の教員免許を持つスタッフや、コンクール、音高・音大受験に携わるスタッフのほか、保育士、幼稚園教諭が在籍しています。音楽によってさまざまな感覚を刺激し、リズムと音程により認知力を高め、発語の基盤をつくり、1音節、2音節語の発語、1語・2語文・多語文へ。また、数字・図形・時間・金銭などへとつなげて生活自立を目指した支援を行う施設です。茨城県の児童発達支援事業所をもっとみる大阪府放課後等デイサービスUpload By 発達ナビ施設情報ユニシアは2022年4月オープン予定の放課後等デイサービスです。集団療育による基本的生活習慣・社会性を育みながら、制作・運動・プログラミング・クッキング・外出などのさまざまな体験を通して興味・関心の幅を広げ、お子さんの新たな発見のきっかけづくりを行っています。小学校教諭、保育士・幼稚園教諭、児童指導員や言語聴覚士、作業療法士、理学療法士などスタッフが支援・療育を担当し、お子さんだけではなく保護者や地域の方、学校や園など、施設に関わる全てのみなさんが幸せになって欲しいという想いを大切にしている施設です。大阪府の放課後等デイサービスをもっとみる大阪府児童発達支援事業所Upload By 発達ナビ施設情報Imuaはさまざまな遊具を使った感覚統合療育、運動療育に取り組んでる児童発達支援事業所と放課後等デイサービスです。こちらの施設では、人間の7つの感覚、触覚・視覚・聴覚・味覚・嗅覚・固有受容覚・前庭覚がしっかり機能することで発達が促されると考え、ボルダリングやトランポリンなど数種類の「感覚統合遊具」を活用しています。子どもたちが遊びながら身体を動かすことで、バランス、姿勢保持、認識力、状況判断などの感覚を養い、適応する力を育てる支援を行っています。現在こちらの施設では未就学のお子さんを募集中です。Upload By 発達ナビ施設情報ユニシアは2022年4月オープン予定の児童発達支援事業所です。言葉の遅れや体幹のふらつき、手先の動かし方や衣服の着脱などの「苦手」に対して言語聴覚士、理学療法士、作業療法士がそれぞれのアプローチで訓練・支援を行い、「苦手」を「できた!」に変えるサポートしています。またこの施設では、集団療育では自分の荷物は自分で片づける・身のまわりの整理整頓といった「身辺自立」、集団活動ではおもちゃの貸し借りや自分の気持ちを言葉で伝えることなどの「社会性」を育む支援を提供しています。大阪府の児童発達支援事業所をもっとみる「もっと施設の情報を詳しく知りたい!」「見学をしてみたい!」と思ったら、WEBからもお問い合わせが可能です。施設情報ページでは、掲載されている施設の情報を地域ごとに検索して見ることができますよ。
2022年01月27日「お片づけ収納ラック」の商品開発モニターに発達ナビ×フェリシモコラボの、発達が気になるお子さんや保護者さまが便利に快適に過ごせるためのグッズづくり。『ひとまとめで持ち運び!整理らくちんお片づけ収納ラック』の商品開発モニターを担当しましたので、レポートをお届けします。※詳細ボタンをクリックすると発達ナビのサイトから株式会社フェリシモのサイトに遷移します勉強やゲームに仕事などの途中でも、このラックにひとまとめすれば、探し物やなくし物を防げてすぐに再開。部屋の移動もスムーズです。オープンタイプのラックなので、視覚的に分かりやすく、広いスペースにはA4が入って書類やタブレットも収納できます。Upload By 丸山さとこ私は、ADHDがあるためなのか物を管理することが苦手です。「あったハズなんだけど…どこにあるの?」が起きないように、できるだけ物の量を減らして暮らしています。そんな風に「物がなければ散らからない」という力業で片づけに関する困りごとを減らしているわが家ですが、それでも”室内をさまよいがちなアイテム”はいくつもあります。Upload By 丸山さとこ・私が絵を描くときに使っているタブレットとペンとUSBメモリ・「ドリルやプリントを持ち帰ったか」「全部終わったか」をチェックしたい息子の宿題・読みかけの本数冊などなど…”いちいちしまうほどではないけれど、机やソファーに置きっぱなしになっていると紛失しやすい物たち”があちこちに散らばりやすい状態でした。ささいな『あれ?どこだっけ?』も、積み重なれば大きなストレスになります。「使いかけだけど”その辺に放置”ではない置き方」ができたらな~!と思っていました。フェリシモさんが商品開発中の「お片づけ収納ラック」のサンプルが到着したので、息子のコウと一緒にいろいろな使い方を試してみました!使い勝手など、検証結果をフェリシモさんに伝えて改善してもらいます。仕事道具のタブレットやペンを入れたりコウの宿題を入れたりして「書類などの一時収納としてはどうかな?」「宿題とゲームはラックごと交換してみたらどうだろう?」などと話し合った結果を、企画担当者さんにお伝えしました。また、形状や模様や色、アイコンの種類などのさまざまな要素についてもサンプルを見せていただき、「木目にするのであれば、節がない方が気が散らないかも?」「ビタミンカラーは元気が出るけど、視覚の過敏があると目に痛いかも?」などの意見を交換していきました。わが家流!「お片づけ収納ラック」活用方法物の管理が苦手な私は、物の量を減らした上で”出したらしまう・使ったら戻す”を意識しながら暮らしています。ですが、そうして自分なりに工夫をして暮らしているつもりでも、読みかけの本やタブレットなど「中断を挟みながら作業する物」が散らかりやすく困っていました。Upload By 丸山さとこそんな私の困りごとに、お片づけ収納ラックはぴったりでした。使っている物の一時的な置き場所に”持ち運び機能”がプラスされたことで、休憩をはさみながらの移動先での作業がしやすくなりました!収納ラックにしまう習慣があれば、ひょいっと床に置いたタブレットを踏む危険性もなくなりますし、いつか起こりそうだった「ポケットに入れたUSBメモリを服ごと洗濯機にin」という悲劇を防げそうなのも嬉しいところです。学校から帰宅したら開口一番「ゲームやっていい?」と言うコウに「先に宿題をしよう」と促すことの多いわが家ですが、宿題の壁はゲームだけではありません。おやつを食べ終わり、いざ宿題をしようとしたところで「あ、ドリル学校に置いてきちゃった…」「あれ?宿題のプリントもらってないかも?」と慌てることもしばしばなので、帰宅したら”宿題の材料”を即チェックするようにしています。Upload By 丸山さとこ無事に材料も揃って机に向かい、「宿題終わったよー!ゲームやっていい?」と言われても油断はできません。・プリントの裏面が白紙・漢字書き取りノートの下段が空白・やるべき範囲が間違っている…という”コウあるある”を防ぐため、ここでも親からのチェックが欠かせません。そんなわが家の宿題事情でしたが、お片づけ収納ラックを使うことで「帰ったら宿題の材料を親に見せること」「終わったら親に渡すこと」がスムーズになりました。Upload By 丸山さとこお片づけ収納ラックを2個使って「今日の宿題セット」と「ゲームセット」を用意し、”宿題が終わったらラックを交換”というシステムを始めてから3ヶ月。宿題→ゲームのルーティンができるようになった上に、親からのチェックも行いやすくなりました!先のことをイメージしにくい傾向がありつつ、視覚優位の特性が強い息子にとって、「セットの交換システム」は分かりやすかったようです。執筆/丸山さとこUpload By 丸山さとこUpload By 丸山さとこUpload By 丸山さとこ【NEW】LITALICO×CCP ひとまとめで持ち運び! 整理らくちんお片づけ収納ラックの会月1個¥2,200(+10% ¥2,419)→うち10円は「CCPチャレンジド応援基金」として運用されます。(基金部分は非課税)【NEW】LITALICO×CCP ひとまとめで持ち運び! 整理らくちんお片づけ収納ラックの会(WEB限定組み立て済)月1個¥2,450(+10% ¥2,694)※毎月1回、3種類の中から、1種類ずつお届けします。(全種類届くと、以降はストップします。/ 1回だけのお届けでストップも可)
2022年01月27日ASDのある息子、小5のころUpload By スガカズ発達に凸凹のある長男は小4まで通常学級に在籍しており、小学校で特別支援教室に通えるようになったのは小5からです。学校では大人しいタイプなので、つらいことがあっても我慢することが多く、変化に気づいてもらえないということがよくありました。そのため、何かあった際にありのままの自分を受け入れてもらえるような居場所を学校に限らず確保しておいた方がいいと、私は思っています。長男は小4から小5まで集団塾に通っていました。通塾に至ったきっかけは、小学校での勉強のつまずきでした。「勉強のつまずきを減らし、学校生活を楽しく送ってもらうこと」が本来の目的ですが、習い事を通じて関わる人が増えることで、例えば同じ塾で友達ができて悩みを共有できたり、本人を理解してくれる先生に出会うなどの経験ができるかもしれません。自分の居場所を増やせるかもしれないといった思いもありました。ですが、義務教育の中では得られやすい発達障害のある子どもへの理解は、学校の外の世界では同じように得られない場合もあるのだと、痛感しました。「普通の子だったらできる」「長男くんを見てもうちの塾はまったく利益にならない」…やめた塾の塾長から言われたこと通っていた集団塾を体験するときに、予め長男に発達障害があることや特性を説明し、学習する様子を見ていただきました。塾長からは、「集中力はない方ですが、大人しいタイプですし、声をかければ続行は可能なので、うちの塾でも大丈夫だと思います」「20年間子どもたちを指導していますが、今まで発達障害のある子をたくさん見てきましたよ」と言われ、「この先生のもとなら大丈夫かもしれないな」と感じました。月謝を追加することで机を一番前にしたり、声かけを増やす対応ができるというのである程度の配慮は可能です。本人も塾の雰囲気から「この塾に通いたい」と希望しました。実際に通ってからは、ときどき情報共有の場を設けていただきました。普段からそうすることで、何か問題が起きたときに話をしやすくなるだろうと思います。通って1年ほどは、先生から温かい目で見守っていただいたと思います。ですが、長男の時間の概念の弱さ故の遅刻、コミュニケーションが円滑にとれないことが目立つようになり、先生の考えは少しずつ変化していきました。小5の終わりごろには、長男の遅刻が多いことで塾長が呆れている様子がうかがえたため、退塾を申し出ることにしました。長男も連れて謝罪と退塾を伝えることにしました。そのとき、塾長から厳しい言葉を言われたのですが、言われた私は複雑な気持ちでいっぱいになりました。Upload By スガカズUpload By スガカズUpload By スガカズ塾長の言い分は、一般論として分かっているつもり…だけど親としては悔しい…私はこのとき、塾側の言い分も理解できるので、黙って話を聞き、最後に「迷惑をかけてしまったこと」「だけど、2年近く文句も言わず長男が通い続けたことは褒めたいこと」「時間についてはこれからも親として注意していくこと」を塾長に伝えて終わりました。塾をあとにし、帰宅する際に、悔しさや悲しさ、ふがいなさでいっぱいになりました。「何も長男の目の前で言わなくてもよいのに…」「もう辞めると言っているのになんで最後の最後で言うんだろう?」「こんな結果になる前に気持ちを言ってくれたなら、もっと早くに辞めることだってできたのに…」「とは言っても、配慮がなかったわけではないし、感謝しないと…」いろいろな考えで頭がいっぱいになりました。発達障害のある子どもを育てる上で、「人に迷惑をかけている」と感じる機会は多かれ少なかれ、あると思います。それが例えば学校のクラスメイトの保護者の方から言われたのなら、誠心誠意謝り、相手の方とも話を続けやすいのですが、学校以外の環境だと話は変わってきますし、子どもを教育する塾の先生からの発言に、悲しくなってしまいました。見た目では障害があることは気づかれにくい長男。私は周りとの摩擦がなるべくおきないようにできる限り支援してきたつもりでしたが、それも「徒労だったのでは?」と思えてしまい、ただただ世の中の「普通」との壁を感じました。考えても仕方ないことが頭によぎりました。「この子はこの先も同じような経験を何度もするのだろうな…」「今は私がいるから大丈夫かも知れないけど、この子は同じような経験を一人で経験したときに、乗り越えられるのだろうか?」年月が経った今だから思うことUpload By スガカズ私は当時、長男の周りの人(主に大人)に対して、子どものことを理解してほしいという気持ちの方が大きかったのだろうと思います。当時の私に足りなかったこと…それは「相手の気持ちが変化していくこと」や、「変化することでどういった結果に至るか」を予め予想できていなかったのだと思います。そのため、塾長から言われた厳しい言葉に感情が追いつかなかったのでしょう。塾長から厳しい言葉を言われた当初は、しばらく落ち込みました。ですが、長男は私のように落ち込んでいる様子は見受けられませんでした。そんな長男に励まされたこともあり、気持ちも復活!今では「塾長にハッキリ言ってもらえて良かった」と思っています。「迷惑に感じた相手の気持ち」をハッキリと知ることができたので、「障害のある子どもの母」という視点だけでなく、視野が広がりフラットに物事を考えられるようになりました。また、子どもの進路、環境整備についてより深く考え、行動するきっかけになりました。執筆/スガカズ(監修:三木先生より)塾の先生が仰ることは至極当然なのですが、でも子どもに関わる立場として、お子さんや保護者の前で口にすべきではない発言ですね。企業の論理はもちろん十二分に理解できますし、私も子どもと関わる大人に対して無理は言わない方ですが、それでもこのコメントは企業内に留めておいていただきたかったです。スガカズさんだから良い経験として昇華できただけで、場合によっては「もう頼るのはやめよう」と絶望してしまう親御さんが出てしまうかもしれない事例でした。実際問題として「支援する大人たち」「支援職ではないけどこういった子どもに関わる大人たち」の側にもそれぞれの苦悩があることは間違いありません。そこでの解決策として、スガカズさんがおっしゃるように「もっと手前の段階でコミュニケーションを取る」ことはできたかもしれません。隙間を埋めるコミュニケーションのあり方について、支援者も保護者も共に考えていく必要があるのではないかという、とても良い問題提起をいただいたように思います。医師・カウンセラーとしての助言・コメントの範疇をこえた、非常に個人的な感情も織り交ぜたものとなってしまうかもしれませんが、重要な示唆、問題提起となるコラムだと感じ、コメントをさせていただきました。
2022年01月26日6周年を迎えた発達ナビUpload By 発達ナビ編集部発達ナビは、2022年1月26日で6周年を迎えます。会員数は24万人をこえ、多くの方に訪れていただけるサイトに成長しました。保護者を中心に、支援者や当事者のみなさんも訪れるサイトに発達ナビは、発達が気になるお子さまの保護者を中心に、さまざまな方にご活用をいただいています。2021年12月から2022年1月にかけて行ったユーザーアンケートでは、約80%が保護者、約11%が支援者、6%が当事者と言う結果でした。Upload By 発達ナビ編集部お子さまの年齢については、小学生が約半数、未就学21%、中学生が17%となっています。0歳から成人まで、さまざまな年代のお子さまの保護者のみなさんに訪れていただいています。Upload By 発達ナビ編集部また、発達が気になるお子さまの特性については、ASD(自閉スペクトラム症)が449人、ADHDが260人、LDが86人、知的障害が107人などとなっています(診断されている、もしくは傾向がある場合も含む)。Upload By 発達ナビ編集部※一人のお子さまに複数の特性がある場合がある/一人の回答者が複数のお子さまについて回答しているため、合計値が回答者数を超えています※特性について、傾向がある場合も含むどんなことに困っている?ユーザーの悩みとは発達が気になるお子さんを育てる保護者の方は、どんなことに困難を感じているのでしょうか。Upload By 発達ナビ編集部アンケート結果から1、お子さまと周囲とのコミュニケーション(75.4% )2、お子さまの癇癪・パニック(50.5%)3、忘れ物・なくし物など持ち物の管理(48.9%)4、勉強の遅れ(37.7%)5、偏食(36.9%)という結果でした。周囲とのコミュニケーションや持ち物の管理、勉強など、学校や園など集団生活の中で感じている困りごとに加え、癇癪やパニックなど気持のコントロール面や、偏食など食生活での悩みなど多岐にわたっています。活用いただいているサービスこうした悩み、不安の解決のヒントを得られる場所としても、発達ナビをご活用いただいていることが、アンケートから垣間見られました。Upload By 発達ナビ編集部体験談から基礎知識まで、毎日配信しているコラムは、80%以上の方にご覧いただいています。発達が気になるお子さまの育児にまつわるさまざまな情報を、簡単に手に入れられるコンテンツとして活用いただけているのではないかと思われます。また、ユーザーのみなさま同士で質問し合えるQ&Aも、約34%の方に活用をいただけていました。悩みを書き込むと、同じように悩んだり試行錯誤をしてきた仲間から、あたたかなヒントをもらえるオンラインコミュニティの存在は、発達ナビならでは。また、2020年度にスタートした、専門家による勉強会やオンラインの特別支援教材などが利用できる有料サービス「発達ナビPLUS」をご利用いただいている方も増えています。専門家に悩みを相談できるケース相談サービスもあります。発達ナビPLUSとは「あなたにとって発達ナビとは?」ユーザーのみなさんからの声先日実施した、発達ナビのアンケートでは、ユーザーのみなさんからのコメントも寄せていただきました。Upload By 発達ナビ編集部気になる行動があった時に「同じような経験をしたことのある人がいないか」「どのように対処しているのか知りたい時」に利用しています。(MMさん)小学校の教諭です。通常級の担任をしていましたが、支援級担任を希望しました。もちろん新支援級担当教諭には研修があります。でも、「リタリコ発達ナビ」では、ご家庭の困り感を知ることができます。一緒の目線になって保護者の方とお話が出来ることがあるので、エピソードを読むことで参考にさせていただいています。(Hiromimomさん)(略)本当に心の拠り所です。仲間たちが巣立っていくのも目にしつつ、私はずっとつながったままです。離れるなんて考えられない。かきこめないときも、見るだけでも、ここを巣立つことはできないと思います。ここにたどり着いたばかりは、本当に心がボロボロで壊れてた。実社会ではやはり仲間たちって巡り合いにくいし。孤独になりがち。支援学校へ子供が通うようになって、情報や地域のことを得られるようになりました。同じ学校のお子さんを持つ保護者さんたちと出会う機会もできました。でも、やはりここが一番。実社会ではやっぱりここまで出し切れないし、仮面(アイコン)をかぶっているから?より素直になれるような?親友よりもより添えあえるし、わかりあえることもあるような。あとは、直接の個人のやり取りではないから、個々人の都合のままに書き込んでおくこともできるので、相手にもそれ以上は求めないし、いい距離感でいられる気がします。本当に救われています。支えです。ずっと続けてください!!(ちひさん)息子が小学校に入り色々悩んでいる時に主人に教えてもらいこちらに来ました。そんな息子も今年は6年生になります!!長い間居座らせてもらっています(笑)相変らず、息子の癇癪と付き合いながらやられながら日々を過ごしております。ここで色々な方と関わらせてもらい何とか乗り越えて行けています!!本当にありがとうございます!!長い間いるので色々な方と話させてもらいました。何度も何度も元気を沢山もらいました。色々な事を教えてもらえました。沢山吐かせてもらいました。もうこちらに顔を出されていない方も沢山います。お子さん、もう中学校卒業だよねとか・・・。みんなどうしているかな?元気かな?と思います。元気で頑張ってくれていたら嬉しいなと思います。(略)(HARUKAさん)年も進化する発達ナビに2022年も発達ナビはよりサービスを進化させていきたいと考えています。ぜひみなさんの居場所として、欠かせないポータルサイトとしてご活用をいただけたらうれしいです。LITALICO発達ナビ無料会員は発達障害コラムが読み放題!
2022年01月26日年中の冬、初めての就学相談で…Upload By ゆきみ発声が不明瞭、マイワールド、大きな音が苦手、衝動のままに行動…など、けんとのさまざまな特性を考えていくと「通常学級で過ごすのは厳しいだろうなぁ~」と思い、年中の3月に予約を取り、一緒に市の就学相談に行きました。私の希望としては特別支援学級か、特別支援学校。以前、発達支援センターで行われた学習会で特別支援学校の見学会へ行ったとき、少人数、手厚さ、たくさんの知識をもつ先生方の指導に感動し、入学も考えていました。私の住んでいる市の就学相談は、母子分離。別室で臨床心理士さんが子どもの様子を見たり、いくつかのテストを行ったりします。その間にママは担当の方から、子どもについての聞き取りが行われました。Upload By ゆきみ3歳で自閉スペクトラム症の診断名がついたこと、発達支援施設に通っていること、こども園での様子、最新の新版K式発達検査の結果など伝えました。3歳で取得した療育手帳の話になったとき。最新の発達検査の結果では「療育手帳を更新できない可能性がある」と病院の先生に言われたことを伝えると、私の住んでいる地域では、知的障害が認められないと特別支援学校への入学ができないと告げられました。(お住まいの地域によって状況は異なるようです)「病院でWISC-IV知能検査を受けてきてください」と言われ、初めての就学相談を終えました。WISC-IVを受け、再び就学相談へかかりつけの児童精神科でWISC-IVを受け、結果を持って再び就学相談へ行きました。凸凹がありつつも、総合で平均点以上。療育手帳を持っているものの、現在は知的障害が認められなかったため、特別支援学校が対象外となりました。手厚く、少人数でみていただける環境も考えていただけに不安になりましたが、通級指導教室は考えていなかったので特別支援学級の1択となり私の心は決まりました。しかし、就学相談で特別支援学級を希望する場合の今後の流れを聞いてみると…私が住んでいる地域では親が希望を出したとしても、医師が「必要ない」と判断すると特別支援学級に入れないというのです。「うちの子は絶対に必要ある」と心の中で叫びましたが、医師の判断を受けないと仕方ないので、「まずは秋に行われる就学時健診を受けてから判断しましょう」ということで2度目の就学相談は終わりました。Upload By ゆきみ年長になって特別支援学級の見学と就学時健診へ年長の夏。特別支援学級の見学に行かせていただきました。しっかり集団行動ができていて、椅子に座って先生のお話しをしっかり聞けている子どもたちばかり。「ここは本当に特別支援学級なの?けんとはやっていけるのかな?」と、とても心配になりました。が、社会のルールを丁寧に教えていた先生の姿と、楽しそうに過ごす子どもたちの様子を見学できて、「ここで成長してくれたら嬉しいな」と、けんとの未来の姿を想像し泣けてきました。Upload By ゆきみそして、秋。校区の小学校にて就学時健診が行われました。内科健診くらいで終わるのかな~と気軽に行ってみると、想像以上に健診する項目が多くビックリ!予めどんな健診があるのか聞いて、けんとに伝えておけばよかったと、心から後悔。しかも母子分離だったので、待っている間、気が気ではありません。そして悪い予感は的中…。苦手な健診をたくさん頑張ってママのもとへ帰ってきたけんとは、限界。私の顔を見た瞬間「早く帰るモード」に突入してしまい、パニック&癇癪で大暴れしてしまいました。健診のあと、個別で面談があったのですが、パニックけんとの姿を見て「特別支援学級をご希望ですよね?」と言われ「はい。(ご覧の通りですので)希望します」とお伝えすると、「その方がいいと思います」と言われました。Upload By ゆきみ現在はサポートブックづくり。不安いっぱいです特別支援学級に入れるかが決まる面談のときにタイミング悪く風邪をひいてしまい、まだ決定とはなっていないのですが、診断名がついているし、就学時健診の様子からも入れると確信しています。入学に向けて、少しでも先生に子どものことを知っていただきたく、LITALICOジュニアのサイトにあった「サポートブック」をダウンロードして書き始めました。意外と記入することが多く、入学前にお渡しするのを目標に、毎日少しずつ進めています。ジュニアのサポートブックまずは最初の関門!入学式から不安です。慣れない場所。気になるものを見つけてはあちこち歩きまわり、大きな声で「ママ」と駆け寄ってきてしまいそうだなと、今から想像しています。入学してからも先生としっかり情報交換ができるようにして、親、子ども、先生の抱えている不安を少しでも取り除き、とにかく本人が楽しく学校生活を送れますようにと願っています。Upload By ゆきみ執筆/ゆきみ(監修:井上先生より)就学先の決定は、就学前の親御さんにとって非常に大きな悩みになります。また、地域によってシステムが多少異なるので、戸惑う方も多いかもしれません。先輩の親御さんなどから地域の情報を得ておけるとよいでしょう。就学先として選んだ環境は、小学校の間ずっと同じでなければいけないわけではなく途中で変更することも可能です。学校と適宜コミュニケーションをとりながら、考えていくことが大切です。
2022年01月25日なかなか勉強モードになれない息子Upload By かなしろにゃんこ。Upload By かなしろにゃんこ。ADHDと広汎性発達障害(自閉スペクトラム症)がある息子のリュウ太。小学生のころは、感覚過敏があって教室にいることがつらかったり、教室での勉強に集中できないことがほとんどでした。中学校では、遊びほうけていました。せっかく通っている塾をさぼったり、テスト勉強をいっさいやらなかったり…。高校受験を控えているにも関わらず勉強することを真剣に考えていないようでした。それは、将来のことがぼんやりしていて、イメージできていないことや、特性によって勉強に集中できないという理由があったようです。現在はそんな息子も23歳。最近になって息子に聞いてみると、将来のことに目を向けて勉強にちゃんと取り組めるようになったのは18歳のとき。専修学校高等課に通っていたころからだったと言います。(遅っ!!)Upload By かなしろにゃんこ。なぜそれまで勉強に取り組めなかったのか。特に中学校のころ、一般的に将来について考え始めるようになる高校受験の時期に、どうして受験勉強に真剣に取り組めなかったのかを息子に聞くと、こんな答えがかえってきました。1、学校の勉強と塾の勉強と学校の宿題の3つは気持ち的にキツイ。学校に行くだけで疲れてしまっていた。「ボー――っと音楽を聴いたりくだらない動画を見て自分を癒したいって思っていたんだよね。勉強はそのうちやればいいだろうって後回しにしてた」2、イヤなことは追い詰められないとできない。追い詰められてもできない。逃げたくなる。「勉強ってどこまでやったら記憶できるか、分からなかった。できるまでやるには相当な努力をしなくちゃいけないのか?と疑問に思ってた。自分はそこまでの努力をしたことがないから、全く分からなかった」だから、親に促されて勉強をしてもパフォーマンスに留まり、身になる学習には結びつかなかったというわけでした。Upload By かなしろにゃんこ。当時を振り返って「勉強法が分からなかったから勉強なんてやったってムダだと思っていたし、いくつもの熟語や単語を暗記しても覚えたそばから忘れていく。本当にちゃんと忘れずに覚えてるだろうか?って再度確認するっていう勉強法が面倒くさかったんだよね」と言う息子。短期記憶や作業記憶など苦手という特性があったこともあり、思うように記憶ができず勉強につまずいていたのだなと思いました。成果が出ないとヤル気もなかなか起こらないというのは分かります。Upload By かなしろにゃんこ。「結局、『コツコツと覚えていく』『一つひとつ積み重ねていく』方法しかないんだって納得できるくらいの経験値が少なかったから、真剣に勉強に取り組めるようになるまで何年もかかってしまった」と息子は言います。「みんなはもっと簡単に覚えているんだろうと思っていた」とも言っていました。自分だけがスゴイ努力が必要なんじゃないかと思っていて、それをやるのは面倒くさいな…と感じていたそうです。周りのみんなも繰り返し暗記して覚えているんだと、あとになってから分かっていったようでした。Upload By かなしろにゃんこ。18歳のとき、息子が発見した「勉強モード」になる方法Upload By かなしろにゃんこ。そんな息子は、好きな動画を見て、楽しく気持ちのいい時間を味わいながら勉強を始めるとスルリと勉強に入っていけるんだと専修学校の高等課3年のときに自分で発見!「自分は好きなものと勉強を結びつけてスタートさせるとやりやすいと分かったんだ」と言っていました。Upload By かなしろにゃんこ。また、「勉強しているのに『お風呂入りなさい』とか『学校からの手紙出しなさい』とか声かけられると調子よく勉強モードをつくった雰囲気が台なしになるから声をかけないでほしいって思ったね!」とも言われました。22時ごろになると声をかけて、就寝の準備を促していたのが息子にとっては勉強の妨げになっていたと知り、母は反省です…。息子は、自分なりのやり方を見つけてから勉強への苦手感が少しずつ軽減・解消されていったのではないかと思います。Upload By かなしろにゃんこ。調子よく勉強できるようになる脳年齢があるのか?精神年齢と関係があるのか?知りたいところです。現在息子は23歳となり、車の整備士から異業種に転職して再度資格取得に向けて専門の講習などを受けています。学生のころと変わらず周りについていくのが大変のようですが自分なりの集中法で毎日机に向き合うことができるようになっています。執筆/かなしろにゃんこ。(監修:井上先生より)お子さん自身が自分のやりたいことや、自分に合った勉強法を見つけることができたのはとてもすばらしいですね。思春期以降にこのことに気づけることは、とても重要だと思います。義務教育の間はどうしても周りの人がしていることを同じペースで学ばなければいけないので、学習面に凸凹がある子どもたちにとっては時として苦痛になることもあると思いますし、好きなことに出合わないと、勉強する意味もわからず、やる気も起きないことが多いかもしれません。将来やりたいことや、学びたいこと、好きなことがあれば、大学を待たずに先にかじってみるのもいいかもしれません。自分が『やりたいこと』をやるには、「どの分野を学習すればよいのか、自分には今何の分野の学習が足りないのか」が分かることで、苦手と感じる分野であっても勉強する意欲につながったというケースも実際にあります。また、現在の専門学校や大学、大学院の制度は柔軟になっています。特定の領域だけが得意だというお子さんにも、チャンスはあります。勉強が好きになる時期に脳年齢というのがあるわけではありません。むしろ今の息子さんは「何歳までに○○を勉強しないといけない」というものに縛られず、『好きなこと、やりたいこと』を見つけ、それを学習することの価値を見つけられたのだと思います。本来の学ぶ喜びに出会えた息子さんは、新しい価値観や人生にこれから出合えていくのではないでしょうか。
2022年01月25日おうちで手軽にできる方法が、療育あそびを気長に続けられるコツこんにちは。『発達障害&グレーゾーン子育てから生まれた楽々かあさんの伝わる! 声かけ変換』ほか、著者・楽々かあさんこと、大場美鈴です。今回のコラムは、おうちでできる親子あそび・療育あそびのうち、特に、指先などの感覚を育てるのに役立つ、寒い冬にオススメの手軽で楽しい手探りあそびをご紹介しますね。うちの子たちが幼かったころは、身近に頻繁に通いやすい療育施設などがなかったこともあり、私は独学で「感覚統合」に関する書籍等を参考に(※)、子どもの興味・関心や、親の都合やライフスタイル、住宅事情などに合わせて、家庭でできる療育あそびを無理なくできる範囲で取り組みやすいようにアレンジし、手軽に楽しみながらできる工夫を試行錯誤して気長に続けてきました。おかげで、「発達障害」の診断のある子もない子も、いつの間にかできることが増えたり、落ち着きやすくなったり、学校で得意分野での実力が発揮しやすくなったりして、総合的な適応力が次第に高まっていったように思います。ただし、うちの経験上、「療育」というのは、そんなにすぐに結果がでるようなものではないように思います。そして、親のほうも毎日慌ただしい中で、まとまった時間を療育のために確保するのは負担やプレッシャーに感じてしまうこともあるでしょう。ですから、療育は日常生活の延長線上に、自然な形で「あそび」として組み込んでしまうのが、親子で負担なく、長期間根気よく、楽しみながら続けられるコツだと思っています。ちなみに、うちの「療育あそび」の実践モットーは、「さり気なく」「ついでに」「いつの間にか」なので、3人の子どもたちは「療育されている」ということに、全く気づいていませんでした。……とはいえ、実は「療育」は、そんなに特別なことではありません。私自身は、「世の中の大半のあそびは、何かしらの療育になっている」と考えているほどですが、家庭で実践する際の2大ポイントは、・興味の幅の狭い子に「楽しみながらいろんな動きを継続的に経験させていくこと」・子どもがあそびに興味を持ったら「できるだけ気長につき合って(または見守って)あげること」でした。(※参考書籍:『感覚統合をいかし適応力を育てよう1.発達障害の子の感覚遊び・運動遊び』監修・木村順/講談社、『発達障害のある子どもの運動と感覚遊びを根気よくサポートする!』監修・木村順/日東書院、ほか多数)触覚過敏のある子や不器用な子には、手探りあそびがオススメ!では、うちで実際にやってきたたくさんの療育あそびのアイデアのうち、今回は「手探りあそび」をピックアップ。手探りあそびは、どんな子にとっても楽しいあそびだと思いますが、特に、肌が敏感で触るのが苦手な素材がある子や、手先が不器用でおはしやコンパスがうまく使えない子などにオススメです。うちの次男も、小さなころは、本当は工作が大好きなのにのりや絵の具が触れませんでしたが、(このあそびだけで全てが緩和・改善したわけではないものの)いつの間にか、触れても大丈夫になったものが増えたように思います。では、毎日の日常生活の延長線上で手軽にできる、寒い冬にオススメな楽しい手探りあそびを紹介します。Upload By 楽々かあさんおやつタイムを「お菓子くじ」形式にするだけで、毎日楽しく手探りあそびができます。もし、おうちにケーキやお歳暮の空き箱などがあれば、簡易的な「くじ引きBOX」にリメイクするのはどうでしょう。【作り方】箱の上面を丸くくり抜いて、不透明クリアファイルなどを三角形に切って、裏側から両面テープで貼り付けるそして、個包装のアメやクッキー、おせんべいなどの小さなお菓子などを沢山入れて、「1人3個まで、取っていいよ」などとすると、自分の好きなお菓子をなんとか探り当てようと、真剣に指先の感覚を研ぎ澄ませて手探りしてくれます(欲しいものを間違って取ると泣いちゃう場合は、あとからきょうだいや親のお菓子とトレードOKにすると、ついでに交渉力もUPするのでGood!)。この「お菓子くじ」は、うちにあそびに来た子どものお友達にも大人気で、みんなで盛り上がっていました。ほかにも、ガチャガチャで集めたモンスターのミニフィギュアなど、その子が大好きなものを入れて、どのキャラクターか手探り当てっこゲームをしたり、スーパーボールなどを詰めて、その中から小さな人形をレスキューごっこしたりと、「くじ引きBOX」を1回作っておくと、子ども自身のアイデアで勝手にいろんなあそびに発展していくことも。また、「工作は苦手」「作るのが面倒」という方は、巾着袋やナップザックなどでも同様のことができます。それから、たとえば荷物で両手がふさがっているときなどに、「ママのポケットから、カギを取ってくれない?」など、日常生活の中で、ちょっとした手探りを促す声かけを意識してみるだけでも、いつかはチリも積もれば山となるかもしれません。小さなお子さんとのお風呂タイムも、不透明の入浴剤などを入れるだけで、手探りあそびがついでにできてしまいます。ただし、感覚が敏感な場合には、ニオイや色、素材などに抵抗感がないものを選んでいただければと思います。水の中が見えないとお子さんが不安になる場合は、最初は半透明の入浴剤から始めて、ゆっくり慣らしていくといいでしょう。そして例えば、うちでは……・お風呂の中に沈んでいったおもちゃや石鹸などを、手探りでつかまえる・指などを動かして、水中かくれんぼ(ときどき、水面からチラッと見せると盛り上がるかも)……などを、親・きょうだい同士でときどきやっていました。最近は、いろんな種類のバスボム・バスボールも市販されていて、中に小さなおもちゃやマスコットの入ったものや、カラフルなもの、泡がいっぱいでるものなどもありますし、簡単にできる手作りキットなどもあるので、お風呂があんまり好きじゃないお子さんも、あそんでいるうちに、ゆっくり湯船で体の芯まで温まることができるかもしれませんね。また、お風呂ついでにできる、「なーんて書いた?」と、背中に文字を書いて当てるクイズや、いろんな素材で身体を洗ってみることなども、触覚の過敏さを緩和し、ボディイメージを育ててくれるようです。ただし、もし、お子さんが、こういった触れ合いあそびに抵抗感があったり、刺激が強過ぎてしまう場合には、無理のないところからで構いません。最初は「パパの背中に落書きしていいよ」などと、お子さんのほうから自分のタイミングで触ってもらい、あそび自体に慣れてから、目で確認できる手のひらなど、大丈夫な場所からゆっくり始めたり、服を着ているときにちょっとだけトライしてみるのもテだと思います。日本の冬といえば、コタツとお茶とみかん、ですよね。コタツの中は、闇鍋のようなブラックボックスの空間となっているので、ぬくぬくタイムのついでのついでに、指先だけでなく、全身でちょっとした感覚あそびをするのにうってつけではないでしょうか。例えば、うちでは……・足の指先で、子どもにちょんと触れて「だれの足かな〜?」「これは、〇〇ちゃんのどこだろね?」と当てっこ・「はい、みかん、受け取って」などと、コタツの下をくぐらせて、手探りでものを渡す・足の裏などをこちょこちょする、くすぐり遊び(刺激を強く感じる場合は、くつ下をはいてる時から慣らすとGood!)……などと、ちょっとしたあそびのヒントやきっかけを与えると、今度は子どものほうから、いろんな方法でタッチングクイズのアイデアを次々と考えてくれました。とはいえ、昨今コタツのないご家庭も多いでしょうし、見えないことへの不安感が強いお子さんなどは「コタツに入るのが怖い」という場合もあるでしょう。そんなときは、使い慣れた毛布やひざ掛けなどを使っても同様のことができるので、無理のない範囲で、ちょっとしたスキマ時間に「ついでに」「楽しく」、タッチングクイズのチャンスを見つけていくといいと思います。現在は、子ども達もすっかり大きくなって、家族みんなでコタツに入ると足を伸ばすスキマもなくなってしまいましたが、今でも毎年コタツを出すと「ワクワク感」があるようなので、小さなころの楽しいコタツあそびの思い出が記憶に根づいているのかもしれません。おうちでの療育あそびは、子どもが笑えばOK!感覚過敏の中でも、特に触覚過敏の問題は、親子の愛着関係や周りへの興味などの発達にも影響があるようなので、私はうちの子たちの発達面の課題の中でも優先順位を高くして、家庭でできるときにできる範囲で、手軽な感覚あそびを続けてきました。また、療育あそび以外にも、日頃から日常生活の中で、自然な流れでちょっとしたタッチやスキンシップをキモチ多めに取るようにも意識してきました。触覚の過敏さが少しでも緩和されると、子どもが落ち着きやすくなり、お世話もラクになるので、子育ての上でもメリットが多かったように思います。ただし、療育はなかなか結果が出ないと不安や焦りが強くなりますし、子どももプレッシャーを感じ取ってしまうと、どんなに良い方法でも、主体的に気長に続けられなくなってしまうかもしれません。ですから、親のほうも「トレーニングしなくては!」「改善しなくては!」などと気負わずに、家庭での療育は、あそびの延長として、「子どもが笑ったら効果あり!」くらいの気持ちでいると、たとえお子さんが期待通りに取り組めなかった場合でも、気長に続けられるのではないでしょうか。そして、温かいイメージと一緒に刻んだ、毎日の生活の中での親子のちょっとしたふれあいの思い出は、子どもが成長して少々取り扱いが難しい時期になってからも、その子の心や親子関係の根っこを支えてくれるのだと、私は最近よく実感するようになりました。たとえスグに結果がでなくても、あれこれと親がやってみたことは、ちゃんとお子さんの成長の栄養になっていますからね。文:大場美鈴(楽々かあさん)(監修・井上先生より)大場さんの書いておられるように、触覚あそびの中でのアタッチメントは親子の関係性を深めるのに有効なやり方だと思います。 療育やトレーニングは、自然なあそびのなかに入れ込んで行えることもたくさんあります。ソーシャルスキルトレーニングなどで行うロールプレイなども、日常生活の中で自然な形で機会をつくることができます。日常生活の中での機会設定は、般化しやすいというメリットもあります。わが家では、子どもが小さいころは「宝探しゲーム」をよく行っていました。絵や文章を手掛かりにおもちゃを探すゲームです。ヒントの出し方によっては概念理解も進む(例えば、「れいぞうこの下」という空間概念など)あそびです。子どももわくわくしながら一緒にあそんでいましたよ。(新型コロナ等の影響で)家から出られないときの遊びとしてもお勧めです。大場美鈴(著),『発達障害&グレーゾーン子育てから生まれた 楽々かあさんの伝わる! 声かけ変換』あさ出版, 2020.6.27
2022年01月24日場面緘黙かもと次女に伝えることは特に悩まなかった次女が小学校1年生のときに、話せない様子を見て場面緘黙を疑い学校に相談、スクールカウンセラーにも「場面緘黙かもしれない」と言われていました。学校でずっと話せない次女。その姿を見ていて一番心配していたのは、次女自身が「話せないなんて、私ってダメだな…」と自分自身を責めて、自信を失ってしまうのではないかということ。「話せないこと」はもちろん本人にとってはとてもつらく苦しい大きな事実ですが、それは次女自身の一部であって、それがすべてではないことを知ってほしいと思っていました。すべて自分自身のせいではなくて、そういう病気があって、助けが必要なこともあるし、実際改善している人も居ると知ることは、本人が暗中模索の中で場面緘黙と共に過ごしていく中での道しるべになると思いました。なので、本人に言うか言わないかは特に悩むことなく、「場面緘黙について正しい知識をつけてほしい」という気持ちで、本人に伝えることにしました。実際にどう伝えたか次女が小学校2年生になり、病院を受診する前には本人に場面緘黙について話していました。私自身、説明が下手だしうまく伝えられる自信も無かったので、子ども向けに場面緘黙について書かれている本を長女と次女と一緒に読むことに。Upload By まりまり次女の反応はどうだったか私が説明しながら、3人で本を読み進めるといった感じでした。次女より、長女の方が興味深く見ていた気がします。Upload By まりまり次女自身は「なんでか分からないけど学校で話せない」ということは自覚していたので、「ほかにもこういう人いるんだね?」と、本の説明から話せない理由については少し理解してくれたかなという感じがしました。その後もその本は手が届くところに置いておいて、たまに引っ張り出して見ていました。まだ小学校2年生だったので完全に理解したという感じではありませんでしたが、「自分が話せないのは場面緘黙というもので、そういう人も世の中にはいる」程度の理解はできたのかな?と思いました。「場面緘黙」って知ってよかった?あのころは伝えるのが当たり前くらいで迷いなく次女に場面緘黙について伝えましたが、今思うと「本当にそれで良かったのかな」という気持ちもわいてきました。そこで、次女に直接聞いてみました。Upload By まりまりUpload By まりまりUpload By まりまりこんな反応でした。次女にとっては、「病気については嫌だけど、聞いておいてよかった」という感じのようでした。告知することを迷わずに伝えてしまったけど、わが家の場合は、結果として言って良かったようです。私から見ても次女が、場面緘黙に対して、そして自分自身に関しても、少し客観的な視点で見られるようになったかなという気がしています。執筆/まりまり(監修:井上先生より)告知に対して悩まなかったとは言え、子どもへ告知をすることは親御さん自身にも勇気がいることです。タイミングや伝え方の工夫などもされ、がんばって伝えましたね。次女ちゃんの理解にも繋がり良かったです。「告知は何歳位までにしなければならないでしょうか」という質問をよくもらいますが、適切なタイミングはお子さん一人ひとりで違います。まりまりさんの体験のように、きょうだい一緒の方がいいか、時期や場面をずらして伝えた方がいいかなども大きな課題です。告知をする前の条件としては、お子さんの好きなことや得意なこと、そして苦手なことがあることを親子で共有・理解できていることが重要です。告知をする前に親御さんが、診断に関する適切な知識を身につけておくことも必要です。また一度で理解できない場合も多いので何度かに分けて理解しやすいように伝えていくいくことが大切かと思います。
2022年01月24日マンガで自閉症スペクトラム(ASD)を学ぼう!マンガで分かりやすく発達障害が学べる『マンガで学ぶ発達障害』シリーズ。自閉スペクトラム症(ASD)について分かりやすく解説した3つのコラムをまとめてご紹介します。主に社会性と対人関係、コミュニケーションの困難、行動や興味の偏りなどの特徴があると言われている自閉スペクトラム症。その特徴の詳しい説明や、自閉スペクトラム症の診断や治療方法、困りごとを解消するために行いたい療育について、強いこだわりがある場合が多いASDのある子への接し方など、公認心理師の井上先生の解説とともに詳しく解説します。自閉スペクトラム症(ASD)は先天的な発達障害の一つで、・社会性と対人関係・コミュニケーションの困難・行動や興味の偏りの2つの特徴があると言われています。このコラムでは自閉スペクトラム症の特徴や原因について解説します。自閉スペクトラム症の医学的な治療の話や療育方法を解説します。自閉スペクトラム症の特性に合わせてトレーニングをしたり、環境調整をすることで、困りごとを改善したり、得意なことを伸ばしたりできるのが療育です。そんな療育の原則『SPELL』についても詳しく説明!自閉スペクトラム症のある子どもは、強いこだわりや特性などを持つことが多いです。どのように接すればいいのか、9つのポイントとともに解説します。まとめ自閉スペクトラム症のある子は、ものしりだけど、興味の対象が独特だったり、知識に偏りがあることが多く、一人で遊ぶのが好きでお友達に関心をしめさない、初めてのことが苦手で不安にもなりやすいです。ですが、そのユニークな感性を尊重し、接することで、唯一無二の個性となっていきます。まずは自閉スペクトラム症のある子どもそれぞれが抱える苦手なこと、困っていることを知って、その世界を一緒に楽しむことが成長や生きやすさにつながっていくはずです。
2022年01月23日登園日の朝はママだけバタバタUpload By まる昨年11月、自閉スペクトラム症の診断を受けた3歳の息子リュウ。今回は、リュウと過ごす1日について書いてみたい。保育園へ行く日の朝。ママは朝ゆったりとした時間がないとダメなタイプなので最低でも家を出る1時間半前には目覚ましをかけている。目覚ましが鳴ってもすやすやと気持ちよさそうに眠っている息子。とりあえず先に起きて部屋を温めたり朝ごはんの支度を少し進めたりして30分くらいしたら起こすために寝室のドアを開けると…ガバッ!!︎と起きてくる。夜中ぐっすり眠っているときにはドアを開けても一切起きないのに朝だけは飛び起きるのだ。「おいていかれる!」とでもいうように大慌ての半泣きでついて来る。ドアを開ける音が息子にとって何よりの目覚ましになっている。リビングに来たがまだまだ眠い息子は、ぼーっとしていてなかなか動いてくれない。朝はこうしている間に10分、20分とすぐに時間がすぎてしまう。息子は食いしん坊で基本的になんでも食べるのだが、朝はバタバタとごはんを用意して「早く食べてね!」と息子に伝えても、まぁ食べる気がない。つい数ヶ月前に保育園から「リュウくんは、朝ごはんがパンだとお昼までもたなくて不機嫌になってしまうので、お米を食べさせてください」と言われてしまった。しかし、どちらを出してもなかなか食べてくれない。お腹すいたら保育園に迷惑がかからないかな…と私も気が気じゃない中、息子はゆっくりゆっくりぼーっとしながら1時間ほどかけて半分ほどごはんを食べる。ママはその間ずっとドタバタと支度をしたり家事をしたり…。ごはんを食べ終えたらすぐにパジャマを着替えさせて出発する。休日の日中は電車を見に行くUpload By まる保育園のない休みの日。朝ごはんが終わるとすぐに始まる「デンシャ!デンシャ!!」の言葉。電車のDVDが見たくてしっかりとリモコンを持って「デンシャ!デンシャ!!︎」と訴えてくる。「電車、見たい、って言うんだよ」と毎回教えているが、なかなか2語文を引き出すのは難しい。以前、「興味のあるところから発語に繋げていきましょう」と療育の先生から言われた。、確かに「デンシャ、キター!」の2語文が出てきたので、同じように電車から「デンシャ、ハヤイ」や「デンシャ、カッコイイ」など言葉が増えてほしいなと思っている。DVDを流すとおとなしく見ててくれるので家事がはかどるのだが、ヘタすると数時間DVDを見せ続けてしまうことになるので、休日はできるだけ外に出かける。息子はあまり自然のものに触れることが好きではない。子どもといえば、道でいろんなものを拾ってきたりどんぐりを集めたりするものだと思っていたが、息子は落ち葉や石も拾わないしドングリも触らない、砂場なんて今までで2~3回ほどしか入っているのを見たことがない。これも特性なのか性格なのか…。遊具は好きなのだがブランコ、滑り台くらいの通常の公園ではすぐに飽きてしまうのと、ママも公園があまり得意ではないため、休日はもっぱら電車を見に駅に出かける。家から近い駅だとあまり電車の本数が多くないため、数駅先の大きい駅でいつも電車を見るのだが、じっくり時間をかけて見ることができない。2~3本電車を見送ったら手を引っ張って移動したいと言う。すぐに駅から出てごはんを食べてアイスを食べて…ウロウロして電車を見て帰る、がいつものお決まりのコースだ。数時間同じ場所でひたすら電車を見るのもつらいけど、どうせならもう少し見れば?と思ってしまう。まだまだ先の見えないトイレトレーニングUpload By まる現在息子は3歳8ヶ月。同じ歳の子がどんどんパンツになっていっている中、もちろんまだまだオムツが取れる様子はない。試しにトレパンを購入して履かせてみたが、パンツが濡れてもなんのその。たまーに気が向いたときだけ「チッチ!」や「ウッチー!」と言ってしたあとに教えてくれるのはとても嬉しいが、毎回ではないのでまだまだ長い道のりになりそうだなぁと思っている。ただ、保育園の先生からのお話で、おままごとで人形をトイレに座らせて「チッチー」と言っているらしく、トイレですることの意味は分かっているようだ。保育園の先生も療育の先生も「来年度、頑張ろう!!︎」と言ってくれているので、今は私もあまり気にしてはいない。保育園から帰宅するUpload By まる仕事が終わって、保育園から帰宅。ママは、すぐに夕飯の準備。息子はもう慣れているのか、自分でおもちゃをたくさん出して一人遊びをしてくれている。このバタバタの帰宅後はDVDを見せて!とは言わないでおもちゃで楽しく遊んでくれている。夕ごはんは、朝とは違いバクバク食べてくれる(おかずにもよるが…)気にいるとママのおかずに手を伸ばしてきたり、お茶碗を持ち上げておかわりを要求してきたり…。こんなに食べさせていいのか…?と不安にもなる。息子は現在107センチ24.5キロ。子どもが食べなくて悩んでいる人が多い中、食べすぎて悩んでいるというとあまり悩みを共有できなく孤独感を感じることも多い。夕飯を食べさせ終えたら後片付け、保育園の洗濯物を軽く手洗いし(米粒などついているエプロンなどだけ)、お風呂掃除、干しっぱなしの洗濯物をしまい、明日の保育園の準備、歯磨きなどをさせているとあっという間に寝る時間が近づいてくる。お風呂に入れて出てくるころにはもう21時前後。わが家は21時には寝室に行きたいのだが、なかなか難しい日も多い。眠る前に大はしゃぎUpload By まるまだ保育園でお昼寝があるため、お昼寝をしてきた日は寝室に行ってもだいたい21時には寝てくれない。寝ない日は寝室で数時間、飛び跳ね、叫び、転がり大はしゃぎだ。不機嫌ではなく楽しそうなのでそれはいいのだが、ママも家事や仕事があるし、明日仕事で早かったりする。早く寝てくれ。大はしゃぎも2時間になると、さすがにママもイライラしてくる。だいたいリミットは23時…。23時になるとママに鬼が降臨し、「いい加減にして!」と大きな声で言ってしまうこともたまにはある。だいたい23時に叱ると、息子も実は眠かったのか、そのまま静かになって寝てくれることも多い。ちなみに休日は1日外に出ているため、お昼寝はしないことが多いのだが、そうなると20時前とか普段よりだいぶ早くウトウトしてしまう。まだお昼寝は必要なようだ。執筆/まる(監修:初川先生より)慌ただしい日常のレポートをありがとうございます。子育ては、時間に追われずにその子のペースに合わせてやれるなら、どれほど親のイライラは軽減されるだろうか…と思うくらいに、「早くして」「もう〇時だから!」という思いで動く場面って多いですよね。発達障害のあるお子さんを育てていると、おそらくそれは特性なのか、性格なんのか何なんだろうという視点は常にあるのだと思いますし、ほかのお子さんと比べたり、ご自身の子ども観との違いを感じたりすると、より一層そこが気になるのではと思います。ただ、そもそも未就学児の時代はかなり個人差が大きく、また好きな遊びや興味関心は子どもによってさまざまだと感じます。何か新しく習得することに関しても、積極的にやってみる子、みんなができたのをずっと見て最後にできるようになる子、どうにもそのことには手を出さない子など本当にさまざまです(公園の遊具への取り組み方はまさにそれで、身体の発達、運動の発達とも関係して興味関心の持ち方や取り組み方が変わりますね)。今はまだその段階じゃないのだな、それでも興味関心が出てきている段階ではあるな、など細やかな目盛りでお子さんの成長を見られるといいなと思いますし、そこにはほかの大人の目もあるといいのかもしれませんね(トイレトレーニングにおける、保育園での様子を聞けたことはよかったですね!)。何時に何をする、特に朝晩のルーティンに関しては苦手とするお子さんは多いです。自律神経的な調整が難しく、どうしても朝ぼーっとしてしまう、夜はどうしても寝るモードにならないというのはまさによくあることです。そういう意味では、ルーティンとして儀式的に何らかやってみる(朝は音楽を流す、短いテレビ番組に合わせて行動する、夜は読み聞かせやマッサージ、部屋を暗くするなど)ということがそうした面へ役に立つかもしれません。
2022年01月23日春には中学生になる予定のコウですUpload By 丸山さとこついこの間小学生になったような気がするのに、気がつけば春には中学生になるコウです。相変わらず工作とゲームとおしゃべりが好きで、学校のことから最近興味を示している歴史の話まで「少し静かタイムにしない?」と言いたくなるくらい毎日あれこれと話してくれます。そんな風に毎日を一緒に過ごしていると「もうじき中学生になるのに変わらないな~」と感じてしまうコウですが、ここ半年間で身長も私を越えて声も低くなり、急に”中学生間近な雰囲気”になってきました。スクールカウンセラーの先生は、コウの現状を見て『今は落ち着いて過ごしていても、中学になってからはいろいろな壁にぶつかる可能性は高い』とおっしゃいます。Upload By 丸山さとこ「6年間の小学校生活で大体のクラスメイトは『丸山君はこういう人だな』ということをだいたい分かっているので、学校生活の中でのちょっとしたズレは助けたり流したりすることができています。ですが、中学になれば環境の変化と忙しさで、みんな自分のことだけで手一杯になることが多いです」「中学ではこの小学校以外からの生徒の割合が多くなります。丸山君を知らないお子さんが多い状態になると、今のように周囲からそのまま受けいれてもらうことは難しくなるかもしれません」…と、スクールカウンセラーの先生は現時点で予測される今後の可能性についてお話ししてくださいました。厳しい予想ですが、『今までのコウを見てるとな~実際そんな感じだろうな~…!』と私も思います。「そのときどきで対応していこう」と夫婦で話し合い思わず五七五でボヤきたくなるくらい、コウの中学校生活がどうなるか予想できない今現在の私です。先輩保護者の声を聞いても”コウと似ている児童のケース”ではないので、あまり参考にはならなさそうです。Upload By 丸山さとこ今分かることもいくつかはあります。小学校よりずっと忙しくなること、持ち帰り用具と提出物の「あっ、忘れてた!」が今よりさらに増えそうなこと、指示に対して「え、こういう意味だと思ってた!」などの勘違いが増えそうなこと、など…必ずそうなるとは限りませんが、このままの流れでいくとトラブル増加の予感です。Upload By 丸山さとこ一方、小学校の6年間を振り返ってみると「できなかったこと・できたこと・できるようになったこと全て、理由も含めて長期的な見通しはつかないものだな」と思います。忘れ物一つとっても、コウのコンディションが関係してくるほか、クラスメイトの何気ない一言や先生方の対応などなど、いろいろな要素が絡むことで思いがけない展開になることはありました。先の展開は読めないとはいっても、何も予測を立てず準備もせず…というわけにはいきません。「見通しは立てつつ、そのときどきでこまめに現状を反映しながら動いていこう」と夫と話し合いました。小学校の入学前も、「肉が食べられないけど『一口でも頑張ろう』って応援してくれる先生だった場合はどうする?」「プリント持ち帰れるかな…」「コウが登校を拒否したらどうしようか?」などと、いろいろな気がかりについて夫と話したことを思い出します。Upload By 丸山さとこ先日のスクールカウンセリングにて、前述のような”中学入学にあたっての気がかり”について相談したところ、『小学校からも申し送りはあると思うが、現在通っている病院のドクターに一筆書いてもらうのも一つの方法』というアドバイスをいただきました。コウや周囲の状況が急に大きく変わる可能性はあまり見込めない今、「コウや周囲の状況が今すぐ変わらなくてもできることがある」という選択肢はとても嬉しいものでした。「あんなことが起きたらどうしよう」と身構えず、「今考えても分からないし」と投げ出さず…スクールカウンセリングなどの場で相談しながら、”コウと親それぞれができること”を探していきたいと思います。(監修:鈴木先生より)高校は選べますが中学は私立に行かない限り選べません。自治体によっては公立でも小中一貫となっている地域もあってスムーズに移行できる場合が増えていますが、今回のケースのように地域で違いがあります。今回の丸山さんのような場合は、必ず特性や留意してほしい点などを文書で申し送りをするよう保護者にアドバイスしています。言った・言わないなど、あとで問題となることが多いからです。中学入学後も不安なら、ドクターとは医療支援ファイル(担任からの問題点に対して主治医が答え、保護者が見てサインをする)を通じて教員と連携をとることをおすすめします。今後日本でも神経発達症(発達障害)に理解の深い小中高の一貫校ができることを祈願しています。
2022年01月22日偏食はなぜ起こる? 子どもの好き嫌いは「防衛本能」って本当?特定の食品への好き嫌いを極端にはっきり示すことを、一般に「偏食」といいます。偏食のある人の食事風景を目にすると、「わがまま」「親のしつけが悪かったんだろう」「食わず嫌いでは?」などと眉をひそめる人が多いかもしれません。けれど、発達途中の子どもの食に目をうつせば、偏食は決して珍しいことではなく、多くの子どもが通る道です。偏食はなぜ起こるのでしょう?大人にとっては、食事は栄養補給の手段であると同時に楽しみの一つ。「おいしいものを食べるために頑張っている!」という人も多いでしょう。でも、幼い子どもたちにとっては、食べることは不安を伴う行為でもあります。食べるということは、体の中に異物を入れるということ。もし腐っていたり、毒物だったりすれば、命が危険にさらされてしまいます。食べたことのない食材を警戒するのは、「本当に食べていいのか分からない」と本能が危険シグナルを発するから。「青い色は未熟でおいしくない?」「酸味は腐敗のサイン?」「苦味やえぐみは毒の可能性がある?」こうした本能的感覚は、体が未熟で免疫力も低い子どもにとっては、生き抜くために大切なもの。さまざまな味や食感を楽しめるようになるには、経験と学習を積み重ねることが必要です。ぺっと吐き出したり、見るだけで食べなかったりすることも、乳幼児期の子どもにとっては「本当に安全?」と確かめるための大切な経験なのです。好き嫌いをなくそうと「全部残さず食べなさい!」と叱ったり、「どうして食べられないの?」と責めたりするのは、逆効果になることも。怒られながら食べる食事が楽しいはずはありませんね。嫌な記憶と結びついて、ますます偏食が進んでしまう恐れもあります。子どもの偏食が気になるとき、大人はどんなアプローチをするといいのか。発達段階別にポイントを見ていきましょう。離乳食期の偏食克服は、「食べにくさ解消」が最大のカギ「同じものばかり食べたがる」「苦手な食材があるとお皿のはじによけたり、口からペッと出したりする」離乳食が進んで3回食になるころから、こうしたお悩みがよく聞かれるようになります。離乳初期はスムーズに食べていた赤ちゃんでも、成長するにしたがって「緑の野菜が苦手」「お肉を食べたがらない」など、特定の食材への好き嫌いをはっきり示すようになることも少なくありません。乳幼児期は、まだかむ力が弱く、消化機能も未熟です。奥歯まで生えそろっていなければ、繊維質の野菜や肉をすりつぶして食べることはできません。また加熱しすぎてパサパサした魚や肉は飲み込みづらく、口の中にいつまでも残ってしまうことも。離乳食には、発達段階に合わせたかたさ・大きさの目安がありますが、目安どおりに調理しても食べにくそうな場合は、より小さめ、やわらかめを意識するとスムーズに食べられるようになるでしょう。離乳食期をすぎたあとも、食べづらそうにしている食材やメニューがあれば、小さく刻んだり、とろみをつけたり、やわらかく煮込んだりするといいでしょう。食べ慣れていない食材や調理法は、赤ちゃんにとっては未知のもの。信頼する大人が食べている姿を見ることで、「これは食べても安全なんだ!」と確認でき、「食べてみよう」という意欲につながります。3回食になり、食べられる食材が増えてきたら、大人の食事と同じ食材で離乳食をつくり、いっしょに食卓を囲むのもおすすめです。赤ちゃんの偏食は、「見慣れていないから」「食べたことがなくて不安だから」という可能性も高いものです。ペッと出されたり、残されたりするのはがっかりしてしまうものですが、めげずに何度も食卓に登場させてみましょう。たとえ食べられなかったとしても、ほかの人が食べる姿を見るだけでも、赤ちゃんにとっては大きな経験になります。何度も繰り返し目にするうちに、ふとしたタイミングでパクッと食べられるようになることも。ただし、「食べなさい」と無理強いするのはNG。「食べられたらラッキー!」くらいのおおらかな気持ちでトライしてみましょう。幼児期の偏食克服のポイントは?気分を乗せる声かけも大切!離乳食を卒業すると、幼児食へとステップアップします。幼児期も、まだかむ力や味覚は発達途上。いろいろな味や食感を体験しながら、食の世界を広げていく段階にあります。なじみのない食材、はじめて目にするメニューには、警戒心を抱いたり、進んで食べようとしないことも当然あります。また自己主張が強くなり、「これはイヤ!」「○○は食べたくない!」と断固として拒否することもあるでしょう。子どもの食べる様子を観察しながら、食事を楽しみながら好き嫌いを少なくできるよう、工夫してみましょう。「もぐもぐと咀嚼するけれど、飲み込めずに出してしまう」「口に入れるけれど、かみにくそうな表情をしている」。こんなときは、かたさや大きさを見直してみましょう。ほとんどの食材が食べられるようになっていますが、咀嚼力は大人と同等とはいきません。大人と同じメニューでも、子ども用はこまかく刻んでやわらかく火を通す、食べやすくカットするなどの工夫が必要です。苦手な野菜はこまかく刻んでホットケーキやハンバーグにまぜたり、具だくさんのシチューに入れてよく煮込み、素材の味を分かりにくくしたりと、「嫌い!」と意識せずに食べられるように調理すると食べられるようになることも。また、好きなキャラクターのお皿に盛りつけたり、かわいい型で抜いて見た目を楽しく演出するのもよいでしょう。見た目の楽しさが、子どもの「食べてみたい」という気持ちを後押ししてくれます。ひと口でも苦手な食材を食べられたら、「すごい!」「食べられたね」と大げさなくらいほめてあげましょう。ほめられたことが自信となり、「次も食べてみよう」という意欲につながります。また、「お肉、おいしいね」「野菜の色、きれいだね」と好奇心を刺激するような声かけをしていくのもポイントです。偏食が気になると、つい「全部食べられるかどうか」にばかり意識が向いてしまいますが、自分が食べる姿をじーっと見つめられながらの食事は子どもにとっても気詰まりなはずです。「そのうち食べられるようになる」と気楽に考え、会話を楽しみながら食事をしましょう。学童期の偏食克服には「いっしょにつくる」もおすすめ学童期に入ると、かむ力もぐんと発達し、経験の積み重ねで「苦手だった食材が食べられるようになった」ということも出てくるでしょう。その一方で、嫌いな食材については、本人にも苦手意識が強くなり、どんなに調理法に工夫をしても頑として食べようとしない、ということもあるかもしれません。苦手な食材を出すときは、完食しやすいようにあらかじめ量を少なくします。頑張って完食できたら「お皿、ピカピカになったね!」「がんばったね!」とたっぷりほめてあげましょう。もちろんひと口だけでも食べられたら、大きな一歩! 完食することを無理強いせず、食べてみようと思ったことをほめてあげましょう。いっしょに買い物にいったり、調理をしたりするのも、子どもの食の世界を広げる体験です。苦手な食材でも「自分で選んだ」と思うと、どんな味なのかが気になったり、少しでも食べてみようと興味がわくものです。また、調理をいっしょにするのもおすすめ。食材の色の変化を見たり、においをかいだり、グツグツ、ジュージューという音を聞いたりと、調理は五感への刺激にあふれています。できあがった料理には、愛着もひとしお。喜んで食べてくれる家族の顔をみれば、ますます「自分も食べてみよう」という気持ちが動かされるはずです。挑戦する料理は、難しいものである必要はありません。野菜をちぎってサラダにするだけでも十分! 子どもがつくってみたいと思うもの、簡単にできそうなものからトライしてみましょう。苦手なメニューでも、いつもとは違う雰囲気のなかでなら、思わず楽しく食べられることもあります。たとえばお弁当を持って公園でピクニックをしたり、友達を招いてホームパーティをしたりなど、気分が盛り上がるイベントの中のメニューに苦手食材も入れておくのも一案。食べられたら、しっかりほめて達成感を感じられるようにするのもポイントです。発達障害がある子どもには、偏食の悩みが多い?発達障害や感覚過敏がある場合は、新しいものや知らないことに不安や緊張を感じやすく、偏食がひどくなりやすい傾向があります。(ただし、偏食があるからといって必ずしも発達障害があるとは限りません)また、感覚過敏があると、苦みやえぐみ、酸味などを強く感じて、食事がおいしいと感じにくいこともあるほか、食材の色がどぎつく見えたり、食感が気持ち悪いと感じて食べられなくなるケースもあります。たとえばトマトの種のつぶつぶが目に飛び込んできて「こわい」と感じたり、揚げ物の衣が口にささって「痛い」と感じたり、感じ方はさまざまです。食べ物の食感や味わいだけでなく、金属製のスプーンやフォークの冷たさにびっくりしてしまったり、口当たりが気になってしまって、食事に集中できないという子もいます。また、「白いごはんは食べられないけれど、混ぜごはんなら食べられる」「学校では食べられないけれど、家なら食べられる」、反対に「白いごはんしか食べない」「学校以外では食べられない」など、その子なりのこだわりが強いケースもあります。発達障害は外見からは障害の有無が分かりにくいため、なかなか理解が得られにくい障害です。発達障害の特性によって出ている偏食についても、「そんなの嘘だ」「家で食べられるなら、学校でも食べられるはずだ!」と責められてしまうことが懸念されます。学校の給食で毎日「好き嫌いなく食べなさい」という指導を受けつづけた結果、学校に行くこと自体が難しくなってしまうこともあります。ただ、発達障害があるときの偏食は、単なる好き嫌いではなく、「痛み」「恐怖」「堪えがたい不快感」などと結びついていることも少なくありません。無理やり食べさせようとすれば、ますます不安や緊張が強くなり、食べられる食材や量がいっそう狭まったり、食べること自体に嫌悪感を持つようになってしまうことも考えられます。偏食が激しいと、「栄養不足になるのでは」「成長に影響が出てしまう」と心配になるのも当然ですが、焦りは禁物。子どものペースに合わせて、ゆっくり少しずつ食べられるものを増やしていくことが大切です。こだわりや特性に合わせたメニューで「食べられた!」を増やそう発達障害の特性によって偏食が起きている場合は、まずは子どもが安心できることを最優先に考えましょう。偏食があっても食べられるもの、食べられる場所は、その子にとって安心できるもの。経験を重ねることで、安心を増やしていくことが大事です。たとえば、感覚過敏があってかたいものやサクサクしたものが口内に刺さるように感じられる場合も、しっとり煮たり、蒸したりすればおいしく食べられることもあります。「野菜の種や葉脈がこわい」という場合は、ポタージュスープのようにすれば不安がぐっとやわらぐかもしれません。えぐみや苦みを敏感に感じ取ってしまう場合は、葉野菜や肉類は下ゆでしてアクを抜いたり、トマト味やクリーム味など、好きな味に調味して食べやすくするのもいいでしょう。子どもの声を聞きながら、不安を取り除き、不快感なく食べられるメニューにアレンジしていきましょう。どうしても難しく特定の栄養がとりにくい場合には、サプリメントや栄養補助食品やジュースなどで補うなど、取り方を変える方法もあります。買い物に行ったり、調理をしているところを見せたり、お手伝いをしてもらうのもおすすめです。食べることに直結しなくても、食べ物にまつわる経験を重ねることで、食に関する認知力が少しずつ上がり、ふとした瞬間に「食べてみよう」という意欲を持つことにつながります。ベランダ菜園で野菜を育てたり、食べ物が登場する絵本を読んだりするのもいいでしょう。大人数での食事がプラスになるお子さんもいる半面、大人数だと食べられないお子さんもいます。食事をとる環境によって食べられるものや食べられないものが変わってくることもあるので学校や園と情報交換をすることが大事です。文部科学省では、「偏食により食事量が極端に少ない、反対に特定の食品の食べ過ぎにより成長や栄養の摂取状況に問題がある児童生徒」を個別的な指導の対象としています。学級担任や栄養教諭、養護教諭が、子どもの達成感や自信につながるような指導をすることを目指すもので、ほかにも特別支援教育コーディネータ、学校医などが連携することもあります。一方では過度な偏食指導によって園や学校に行くことが苦痛になる子どももいます。園や学校での偏食指導においては先生方と相談・連携することが大切です。極端に全体の食事量が少ない場合の偏食指導は、慎重に進める必要があります。また、地域の児童発達支援センターや子ども発達支援センター、児童相談所、発達障害者支援センターなどの専門機関に相談してみるのもよいでしょう。食事は毎日のこと。親子だけで抱え込むと、日々の食事が大きな負担になってしまうこともあります。専門家からのアドバイスを受けることで、新しいアプローチ法が見つかることもあるはずです。参考:食に関する指導の手引第6章 第6章個別的な相談指導の進め方:文部科学省スモールステップで少しずつアプローチを!偏食が激しい子どもも、食に関する経験を重ねていくことで、だんだんと食べられるものが増え、食の世界を広げていきますし、偏食は時間が経てば解決する場合もあります。偏食のことを考え、工夫してつくった食事を食べてもらえなかったり、早く片づけたいのに食事に時間がかかってしまうなどすると親としてもストレスが溜まりますよね。食事の時間が親も子も苦痛に感じてしまう場合には、一度偏食指導を休憩するのも一つの手です。頭ごなしに「食べなさい!」と怒るばかりでは、食への拒否反応はさらに強まってしまいます。偏食克服にはある程度の時間がかかるものとおおらかに構え、「においをかげただけでもOK!」「ぺろっとなめるだけでも成長!」とスモールステップを大切に、子どもが達成感を得られるようにサポートしていきましょう。
2022年01月22日むっくんのことを抱きしめたい子どもを抱きしめて、隙間なく体をくっつける。ぬくもり、肌のやわらかさ、シャンプーの匂い、背中にまわる小さな手のひら。安心して体を預けてくれる様子に子どもからの信頼を感じ、愛おしさが育くまれていく大切な抱っこの時間。だけどむっくんは小さなころから抱っこが苦手な子どもでした。私はこのかわいらしい子をぎゅうっと抱きしめてしまいたいのに、抱きしめるとのけぞって逃げ出したり、癇癪を起こしてしまったり…。むっくんが私の腕の中でじっとしてくれるのは、ぐっすり眠る真夜中だけでした。眠ったことを見計らって抱きしめて、私は寂しさを埋めていました。「スキンシップを大切に」は育児のセオリーなのに、それができないこの子にどう愛情を伝えたらいいか分からず、私はよく途方に暮れたものでした。Upload By ウチノコ「感覚の違い」によるすれ違い私は当時「子どもは抱っこが好き」と思い込んでいたため、抱っこを嫌がるむっくんは私を必要としていないと悲観していました。だけど、むっくんと付き合っていくうちにその背景には感覚過敏や多動ちゃんならではの理由があって「抱っこ嫌い=私を嫌っている」ではないと理解できるようになりました。Upload By ウチノコ「感覚の受け取り方」「感覚によって与えられる感情」というさまざまなことを理解する上での「基盤」がむっくんと私は違います。抱っこ一つとっても、そこから受け取るさまざまな感覚が私にとっては「心地よいもの」ですが、むっくんにとっては「不快なもの」。抱っこをしないほうがむっくんにとっては「安心」で、私にとっては「寂しい」。私たちは親子なのに感覚や感情を共有しにくく、小さなすれ違いが起こりやすい親子です。そんなすれ違いを防ぐために、いつからか意識するようになったことがあります。それは「感覚や感情を余すことなく言葉にして伝える」ということです。感覚も感情も見えないし聞こえません。感じ方が異なる以上、私の感じ方を、動いていく心を、意識して伝えなければ伝わりようがないと思い至ったのです。言葉を尽くして伝えるむっくんが抱っこが好きではないことは知っていますが、私はやっぱり抱きしめたい気持ちを抑えられないときがあります。だって私は大好きなむっくんをぎゅうっと抱きしめる幸せを感じたいからです。そこで、ときどきむっくんに抱っこの許可をもらった上で抱っこさせてもらいます。そのときはむっくんがつらくないように、できる限り言葉を使って具体的に感覚と感情を伝えることを心がけています。Upload By ウチノコ心を言葉で実況中継すると、むっくんは抱っこ中にいくらか安心した表情を見せてくれることに気がつきました。言葉で伝えはじめたころはとにかく恥ずかしく感じたものですが、以前よりも今の方がむっくんに私の気持ちや幸せが伝わっている感じがするのです。また、伝える言葉を紡ぐため、私も自分と向き合う必要があり自己理解まで深まった気がして、言葉を尽くす清々しさに目覚めた気分です。さらに、意識して言葉で気持ちを伝え続けるうちに、むっくんにも変化が…。私と同じように、むっくんも言葉を使って感覚や感情を伝えてくれることが増えてきたのです!Upload By ウチノコ気持ちを伝えてくれながら、恥ずかしそうに抱っこを求める様子はひたすら愛おしくって。私たちはこれまでスキンシップで育めなかったものを、今言葉を使って育んでいるようにも感じています。ひょっとしたら感覚の受け取り方は違っていても「言葉を使うことが得意」「言葉で感覚を共有しやすい」という部分が私とむっくんは似ているのかもしれません。Upload By ウチノコ自分を知って、人を知る特性の有無は関係なく、人それぞれ感覚の感じ方、感情の動き方、伝わりやすい方法などは違って当たり前です。だけど、私は息子と出会うまで、自分がどんなふうに感覚を受け取り、その感覚から何を感じ取って生きてきたのかを言語化できるほど考えたことはありませんでした。また、目の前の人がどんなふうに感覚を感じ、どのように感情が動くのか、また理解しやすい方法が何なのか、なんて真剣に考えたこともありませんでした。それらを意識せず、ただ漠然と人と関わっていた私の生き方は、他者とのすれ違いを生み、大切な人を傷つけていたのだろうと思います。だから、自分と相手は「心地よい感覚や感情の動き、伝わりやすい方法」が違うのではないか?という視点を持つことがとても大切だと思うようになりました。それに気づくことができれば、明日から見える景色は大きく変わるかもしれません。むっくんのおかげで、私の世界は外に内にどんどん広がっていくように感じています。息子を通して世界と自分を知る。こんなにも面白い経験をさせてくれるむっくんにただただ感謝です。執筆/ウチノコ(監修:初川先生より)抱きしめることをめぐるプロセス、素敵な気づきのシェアをありがとうございました。読みながら、うぉぉぉ…なんと素晴らしい…!!!と心の中で声にならない声をあげながら拝読しました。可愛いわが子を抱きしめたいのにそれを拒絶されるつらさ、いかばかりだったかと思います。「私を必要としていない」と思い至ってしまう面は、多くの保護者の方で何らか思い当たる節があるのではないでしょうか。(赤ちゃんのころなど何をしても泣き止まないときに途方に暮れつつ悲しくなったご経験をお持ちの方は多くいらっしゃるのでは)感覚の受け取り方が違うのだと頭では理解していてもそれでも苦しかったことと思います。しかしながら、そこからウチノコさんが言葉で伝えながら抱きしめるという方法を実践されてゆきますね。むっくんが言葉の理解が得意だった面もよかったのかなと推察しますし、何よりお母さんがむっくんに安心してもらおうと一生懸命説明しながら関わる、そして嫌だと思う前に撤退する、ということ。そこから、むっくんとウチノコさんの2人が納得し満足するあり方を模索していかれている…。そこが本当に素敵です。コミュニケーションというものは、相手を理解して付き合うということは本来そういうプロセスだったんだろうな、という基本に立ち戻らせていただいた気持ちになります。さらに、むっくんはむっくんで自分の気持ちや抱きしめてもらいたいときのこと、強さについて言語化していることにも驚きです。すごい。お互いの歩み寄り、2人で心地よい距離感を探る。素敵です。最後の【自分を知って、人を知る】にて書かれていること、私もまさにそうだと思いますし、そこを自らのご経験から気づき、学び、語られているというところで感心するばかりです。いろんな方に今回の記事を読んでもらいたい!と勝手に興奮しています(笑)。プロセスと気づきのシェアをありがとうございました。
2022年01月21日新発売の3アイテムをご紹介発達ナビとフェリシモCCPがコラボし、暮らしの中の困りごとをサポートする商品づくり第3弾。「LITALICO発達ナビ」の1,100名を超えるユーザーへアンケート調査を行い、発達ナビライターさんによるサンプルモニター調査や試作を重ねさまざまな声をカタチにしたアイテムです。発達障害の特性による困りごとやニーズに寄り添うことで、障害の有無に関わらず、みんなが便利に使えるやさしいグッズになりました。Upload By 発達ナビ編集部・座り姿勢をサポートする「両面すべり止めクッション&足もとマット」・うっかり忘れ対策に役立つ「1週間ToDoタスクチェックリストボード」・片づけが苦手な人のための「整理らくちん お片づけ収納ラック」※詳細ボタンをクリックすると発達ナビのサイトから株式会社フェリシモのサイトに遷移しますコラボグッズ1.両面すべり止めクッション&足もとマット座り姿勢をサポートする座面クッションと、正しい足の位置がひと目で分かる足もとマットのセットです。サンプルモニターや試作を繰り返し行い開発しました。右足と左足と、おしりの3点で体重を正しい位置で支えて、姿勢をキープしてくれます。「ちゃんと座りなさい」と曖昧に注意するのではなく、目に見えて足の位置を具体的に指摘することができます。クッションは両面すべり止めつきなので、体幹が弱い子どもでも安定感が持続します。Upload By 発達ナビ編集部角度つきの座面クッションが自然と骨盤をサポート。両面すべり止めつきなので、すべりやすい服を着ていてもおしりが安定するのもポイントです。Upload By 発達ナビ編集部クッションのベルトは、太ももに巻いて足をそろえるために使うほかに、いすの座面に固定することもできます。Upload By 発達ナビ編集部【商品の特徴】・両足とおしりの3点で体重を支えて正しい姿勢をキープできる。・ベルトで太ももをそろえることで、より姿勢の安定感が増す。・角度付きクッションが自然と骨盤をサポートする。・足もとマットで両足の正しい位置が目に見えて分かりやすい。・両面すべり止め付きなので、安定感が持続する。【NEW】LITALICO×CCP 3点で姿勢を支える! 両面すべり止めクッション&足もとマット1セット¥3,280(+10% ¥3,607)→うち5円は「CCPチャレンジド応援基金」として運用されます。(基金部分は非課税)※この商品は、お申し込みいただいた月だけお届けしますコラボグッズ2.1週間ToDoタスクチェックリストボード服薬の管理や子どもの支度、持ち物チェックや家事、勉強の目標など、曜日ごとに異なるルーティンワークを可視化し、ワンタッチでチェックできるタスクボードです。見えるところに貼っておけば、やり忘れの防止や家族のコミュニケーションにも役立ちます。Upload By 発達ナビ編集部完了したらボタンを右へスライドするだけなので、楽しく管理できます。Upload By 発達ナビ編集部予定をイラストで描けば、子どもにも分かりやすく伝えることができます。裏面にはマグネットもついているので、壁掛けのほかに、冷蔵庫など見やすい位置に貼ることもできます。Upload By 発達ナビ編集部Upload By 発達ナビ編集部【商品の特徴】・習慣化したいルーティンワークを書き込んでチェックすると色が変わり、次にやることが明確になる。・習いごとやごみ捨てなど、曜日ごとに異なる予定を書き込んでチェックして管理することができる。・おしゃれなテイストにアレンジしたり、イラストを描いたり、使う人ごとに合わせてカスタマイズできる。・お部屋になじみやすいシンプルなデザイン仕様。・服薬管理や、ペットのごはんの有無など、家族のコミュニケーションとしても使える。・子どももワンタッチでスライドできる簡単仕様。・セット内容は、チェックボードと、油性ペンで書き込めるシールつき【NEW】LITALICO×CCP できたらチェック! 色が変わるから一目瞭然 1週間ToDoタスクチェックリストボード1セット¥2,980(+10% ¥3,277)→うち5円は「CCPチャレンジド応援基金」として運用されます。(基金部分は非課税)※この商品は、お申し込みいただいた月だけお届けしますコラボグッズ3.整理らくちんお片づけ収納ラックラックの中に必要なものをひとまとめにしておけば、探し物やなくし物を防げて、中断していた作業を再開するときや、お部屋の移動などもスムーズに行えます。オープンタイプのラックで引き出しや仕切りがついているので、視覚的に分かりやすいのもポイントです。広いスペースには、A4サイズが入って、書籍やタブレットも収納できます。在宅ワークや勉強、ゲーム道具などの整理や、郵便物の仕分けや家計簿、コスメ用品など、ライフスタイルに合わせて使い方はいろいろです。Upload By 発達ナビ編集部デザインは〈ミストブルー〉〈アイスグリーン〉〈テラコッタ〉の3種類。Upload By 発達ナビ編集部組み立て式ですが、自分で組み立てるのが苦手な方のために、組み立て済みのバージョンも販売しています。Upload By 発達ナビ編集部Upload By 発達ナビ編集部【商品の特徴】・まとめて収納することで、探し物やなくし物を防げる。・持ち手つきなので、部屋を移動するときに、そのまま持って行ける。・オープンタイプのラックなので、中身が見やすい。・引き出しや仕切り、ペンやスマホも立てられるミニBOXが付いているので、整理しやすい。・A4サイズの大きなものも入れられる。【NEW】LITALICO×CCP ひとまとめで持ち運び! 整理らくちんお片づけ収納ラックの会月1個¥2,200(+10% ¥2,419)→うち10円は「CCPチャレンジド応援基金」として運用されます。(基金部分は非課税)【NEW】LITALICO×CCP ひとまとめで持ち運び! 整理らくちんお片づけ収納ラックの会(WEB限定組み立て済)月1個¥2,450(+10% ¥2,694)※毎月1回、3種類の中から、1種類ずつお届けします。(全種類届くと、以降はストップします。/ 1回だけのお届けでストップも可)今回発売した3アイテム以外にも、さまざまなコラボ商品があります。ぜひご覧ください!
2022年01月20日保育園の参観日しのくんは3歳8ヶ月。発達障害グレーゾーン、視覚優位タイプの男の子です。その日は、保育園の参観日。子どもたちは保育園の教室で先生のピアノに合わせてダンスをしていました。私は、(しのくん、できるかな?)と、ドキドキして見守っていました。しかし…Upload By keikoUpload By keikoUpload By keikoUpload By keiko参観をする保護者の中から私を発見するなり、すぐ側に来てしまい、そのまま私のところにいようとする、しのくん。クラスのほかの子どもたちは、先生のピアノに合わせて踊っていて、保護者の元へ来たのはしのくんだけでした。しのくんに「みんな踊ってるよ。しのくんも行っておいで」と声をかけると、そのときは教室の中へ戻りますが…すぐにまた「ママー!」と言って、私の元へ戻るというのを繰り返していました。参観ではしのくんが保育園でみんなと過ごしている様子を見たかったのですが、この日はそれが見られず残念だったので、後日、私は言葉の教室の先生にこの出来事を相談しました。後日、言葉の教室の先生に相談すると…Upload By keikoUpload By keiko先生に「こっそり見てみるのはどう?」と言われ、目から鱗が落ちました。「ママのことが大好きだから、そりゃママの側に来ちゃいますよ。そんなときは物陰からこっそり見るといいかもしれません」という先生の言葉に(なるほど~)と思いました。私は子どもから隠れて参観日に参加するということを考えてもみなかったので、「しのくんがママを見つけなければ、ママのところに駆け寄ってはこない」という、当たり前の事実に気づくことができませんでした。言葉の先生に助言をいただき、次からの参観は「こっそり物陰から見てみよう!」と思いました。そして、次の保育園行事は運動会今回はしのくんの様子を「こっそり物陰から見る」という作戦だったのですが…Upload By keikoなんと運動会は座席指定でした。しかも…Upload By keiko私の席は保護者席の最前列だったのです!!そのため、「こっそり物陰から見る」ということができませんでした。運動会ではこの作戦はできませんでしたが、保育園の先生にも相談して次こそ「こっそり物陰から見る」というのをしてみたいなと思っています。いつか、しのくんが保育園のみんなと過ごしている様子を最初から最後まで参観できる日を楽しみにしています。執筆/keiko(監修:初川先生より)お母さんの姿が目に入ったら、そちらに来てしまう。まさにそうですね。そもそも参観日の様子がいつもの様子であるかどうか、というところもだいぶ怪しくはありますね。参観日の様子はあくまでも「参観日の様子」です。保護者がたくさん見に来ている状態で、いつもと同じ様子になる子もいますが、そうではなくて、いつもより頑張ってしまう子も多くいるものです。お子さんの様子を見ようとしたときに、保護者の方ご自身が「刺激」となって、いつもとは違う様子を見せる場合は往々にしてあることです。「こっそり見る」ことの良さはできるだけいつもの環境を保った中で、様子を見るということですね。ぜひこっそり見に行ってみてください。
2022年01月20日気温がコロコロ変わる沖縄の、難しい体温調整。広汎性発達障害(自閉スペクトラム症)の娘は、小学5年生。私たち家族は、沖縄県に住んでいます。沖縄は、南国というイメージ通りで基本的に一年中暖かく過ごしやすいですが、寒くなるときは突然。夏からいきなり寒くなり、冬になるという感じ。秋がありません。また、冬になり一度寒くなっても、次の日には気温が24度まで上がったりするので、昨日は長袖+上着だったのに、今日は半袖一枚という日もあります。今の時期も、一日の中でコロコロ気温が変わるので、朝と夜は寒いけど、昼間は暑いなんて日もしょっちゅうです。Upload By SAKURA暑くないのに、クーラー・・・?沖縄の夏は長いため、だいたい5月から10月下旬までは、クーラーが必要不可欠。わが家も夏場は、クーラーをつけています。昼間はリビングだけつけ、寝るときは、クーラーの冷風が届かない、娘が寝る部屋もつけるようにしています。そして、娘の部屋のクーラーは、いつも娘が寝る前に自分でつけ、それからベッドはいるというのが夏の間の日課でした。Upload By SAKURAその日課が、5月から10月下旬まで続いていたある日…もうクーラーは必要ないかな~と感じるようになったので、昼間もクーラーを切り、家中の窓を開けて扇風機だけで過ごしていました。Upload By SAKURA夜になり、娘は、寝るために自分の部屋に向かいました。しばらくして様子を見に、部屋に行くと…Upload By SAKURA娘は、窓全開で、クーラーをつけていました。Upload By SAKURA最初は、つい間違えたのかと思ったのですが、翌日の夜・・・Upload By SAKURAまたクーラーをつけていた娘。今度は窓を閉めてはいましたが、涼しいときはクーラーをつけないでほしい・・・。私は、提案のような言い方ではなく、今度は「つけないで」とはっきり伝え、具体的な方法も伝えました。しかし、さらに翌日の夜…Upload By SAKURA娘はクーラーをつけていました。Upload By SAKURAパターンを覚えるのが早く、習慣化しやすい娘なので、長く続いた習慣が抜けきれず、ついついクーラーのリモコンを手に取ってしまうのかもしれない…。そう思ったので、結局クーラーのリモコンを娘の部屋に置かないようにしました。寒いのに、扇風機!?それから扇風機だけの日々が続きましたが、ある日…肌寒さが突然やってきました。窓を少し開けるだけで十分で、扇風機をつけると寒すぎると感じる気温。その夜、娘が寝たかどうか部屋に様子を見に行くと…Upload By SAKURA娘は、窓を全開にし扇風機を強にして、ガタガタ震えていました。Upload By SAKURA行動を選ぶこと、組み合わせることが苦手。娘は、体感で「暑い」「寒い」は感じることができますが、そう感じたあとの行動が、分からないようでした。自分が感じた気温から、「窓を開ける(閉める)」「扇風機をつける(消す)」「クーラーをつける(消す)」など、いくつもある選択肢の中から、自分の暑さのレベルに合わせて、ぴったりの行動を選んだり組み合わせたりするということが、娘にとってはとても難しいのです。Upload By SAKURA今までは、その日の気温に合わせて、寝る部屋の環境は、私たちが整えてあげていました。そのあとに、娘が「暑い~」とか「寒い~」とか、言ったときは微調整もしてあげていたので、まさか自分の体感で判断することがここまで苦手だとは思いませんでした。改めて、娘の苦手に気がついた出来事でした。この苦手は、なんとかするべきだろうか…そう考えていたとき。私たちは、もう一つの娘の苦手に気がついたのです…。執筆/SAKURA(監修:井上先生より)感覚過敏性や感覚鈍麻性があって、暑い・寒いの感覚がほかの人と違っているお子さんもいます。感覚の違いというのは多くの親御さんにとって自分の感覚にないことなので悩ましいと思います。また、あーさんと同じように暑い・寒いが感じられたとしても、適切な対処をすること、例えば厚着をしたり服を脱いだりする、扇風機とクーラーと窓の3つを使い分ける、などが難しいお子さんもいます。適切な水分補給なども難しいという子がいます。手立ての一つとして、「〇度以上になったらスイッチを入れる」「〇度~〇度の間は、窓を開けて扇風機にする」といったように、肌感覚ではなく具体的な数字、温度や時間を手掛かりに推奨される行動を決めて紙に書いて「見える化」するなどがあります。もちろん、体調が悪いときなどは融通をきかせないといけませんが、一旦は獲得しておいて、普段こうだけど体調や状況に合わせて変えようというのはその次と考えるのも手かと思います。こだわりも関係していると思うので、自分で判断や調節するのが難しい場合も、大人になるとできるようになることも多いようです。
2022年01月19日自閉スペクトラム症と知的障害のあるほぺろうの就学時健診ほぺろうは、来年春から特別支援学校の1年生。昨年の秋に就学時健診に行ってきました。就学時健診とは、次年度に初等教育を受けるお子さんに対して行われる健康診断で、実施についてはお住まいの地域の自治体よりお知らせが来ます。おおよそ内科検診、歯科検診、視力検査、聴力検査が行われ、地域によっては知力検査も含まれる場合もあるようです。わが家の息子ほぺろうは、自閉スペクトラム症があるゆえに慣れない状況に癇癪を起こしやすく、知的障害があるゆえに健診をよく理解していません。何度も予告したり「痛いことはされないよ、こんなことをするよ」と説明しても、病院や医者っぽい雰囲気を察しただけで反射的に号泣してしまいます。とは言え、今回の就学時健診は「行き慣れた場所」「保育園のお友達も一緒」「内科医は行きつけの先生」という好条件で、身体検査自体も保育園で毎月実施してくれているので抵抗は少ないだろうと思い、「たかが就学時健診、まぁなんとかなるだろう」と私は深く考えませんでした。しかしこれが間違いで、ほぺろうにとっては好条件も一蹴するほど「たかが就学時健診」ではなかったのです。Upload By ぼさ子まず、視力検査・聴力検査は完全お手上げ自閉スペクトラム症と知的障害のあるほぺろうにとって、内科検診・歯科検診など「医師が一方的に診てくれる系」はまだ何とか受けられます(身体を抑えておくのが大変だけど)。しかし、視力検査・聴力検査など「自己申告系」は完全にお手上げ!Upload By ぼさ子就学時健診の視力検査は大人と同じく、片目を隠して指定された図形を答えるというスタンダードなものでしたが、ほぺろうは指示も分からなければ、発語がないので質問に答えることもできません。私はこのときようやく、「ハッ!ほぺろうにはこの検査はできない」と気づき、自分を悔やみました。職員さんに検査ができない旨を説明しお詫びすると、5~6歳児の中で検査ができない子どもがいるとは想定外だったのでしょう。「え…ええええ……、どどどどどうしましょう……?」と声が震えるほど動揺させてしまいました。とにもかくにも検査できないものは仕方ないので、その場は免除になりました。そして聴力検査はヘッドホンを装着して質問に答えるもので、視力検査同様に職員さんを戸惑わせ、こちらも免除になりました。Upload By ぼさ子また、ほぺろうは待合ロビーに入った時点で号泣スイッチが入り、待ち時間も健診中もずっと大爆音で泣いていました。体は年長さんの体格なので声量がすごく、会場に逃げ場もなく、泣き声で周りの人は検査内容が聞こえないなど多大な迷惑をかけてしまいました。皮肉なことに待ち時間はとても長く、その時間はずっとほぺろうの癇癪と周りへの申し訳なさで押し潰され、謝ってばかりいました。また、癇癪で擦り減った私の精神には、1歳半健診や3歳健診のときより開いている周りの子との差は堪えるものがありました。自分の備えのなさのせいで健診側の方たちや周りに迷惑をかけただけでなく、ほぺろうにも負担をかけ、何時間も待ったのに検査できない項目もあったり、ほかの子との差を痛感したり…。いろんな思いが重なって、いい大人なのに帰りに泣いてしまいました。事前の相談が鍵!健診が難しい場合の対策今回の経験は同じ境遇の方から体験談を教えていただける機会に恵まれたので、そのお話と自分の反省をもとに「こうしたら良かった」という対策をまとめてみました。あくまで私が思う対応策なので、自治体や特別支援学校等にお話を聞けたらもっと正しい情報が得られたかもしれません。就学時健診のお知らせが来たら…1.まずは進学先の特別支援学校等に相談集団健診が難しいお子さんのために、入学後学校側で健診してくれるところもあるそうです。そうであれば、自治体の集団健診は欠席の旨を伝えたら良いと思います。それでもやはり、自治体で健診してくださいとなった場合は…2.自治体に相談お子さんの困りごとを伝えた上で、・できない項目は免除してもらう・順番をなるべく最初にしてもらう(待たなくて済む)・集団を避けるように日程をずらしてもらう・個別に医療機関で検査してもらうなど…Upload By ぼさ子近年、発達障害のあるお子さんは増加傾向にあると言われていますが、大きな視野で見ると発達障害に限らずいろいろな事情を抱えたお子さんはほかにもいるはずです。そのため、自治体側も詳しい説明がなければどのような配慮が必要かなど分かりにくいかもしれません。診断名や療育手帳の内容を伝えると良いと思いますし、お世話になっている園や発達サポートから話を通してもらうのも一つの方法だと思います。また私もそうでしたが、就学時健診は『任意』であることを知らず、必ずほかの子と同じことをさせなければ…と頑張った結果、つらい思いをしてしまった方も少なくないという印象を受けました。どうしても難しそうであれば「いっそ休む」という選択肢もありますし、自治体によっては希望通りとはいかないかもしれませんが、相談することで少しでも配慮をお願いできることを祈っています。発達が気になる子も楽しく就学準備をしたい発達に心配を抱えるお子さんの就学準備は、進路に迷うという悩みだけでもストレスがあるのではないかとお察しします。私の中では、就学準備の中でも就学時健診がある意味思い出深いものになってしまいましたが、やっぱり就学準備は子どものために希望いっぱい明るく楽しく行いたいもの。情報提供や配慮は、自治体や学校によってバラつきが出てしまいますが、親だけでなく当のお子さんの負担を少しでも軽くするために、自分の経験を情報共有できたらいいなと思いました。※就学時健診の場所や流れは自治体や進学予定先によっても異なることがあります。不安なときは、お住まいの自治体の担当窓口に相談をしましょう。Upload By ぼさ子執筆/ぼさ子(監修:鈴木先生より)神経発達症(発達障害)のあるお子さんの保護者の方には、新年度になったら早めに個別で教育委員会へ相談することをおすすめしています。自閉スペクトラム症のあるお子さんは一般の健診のような集団は苦手なことが多く、なかなか落ち着いて多くの相談をすることもできにくいと思われるからです。小学校入学が一番教育環境の変化するタイミングになります。神経発達症(発達障害)のあるお子さんは、ほかの幼稚園や保育園から来た子と一緒になるなど教育の場所や環境が変わったときには注意が必要です。いじめを予防するためにも入学式の後に担任&校長とよく相談することが大事です。入学後も不安なら、主治医とは医療支援ファイル(担任からの問題点に対して主治医が答え、保護者が見てサインをする)を通じて教員と連携をとることをおすすめめします。
2022年01月19日お気に入りの本や壁紙を破ると言うこだわりUpload By みんみん(以下、――):P(次男)は年長6歳、自閉スペクトラム症、知的障害(中度よりの重度)があります。手に感覚を入れたがる傾向があり、以前は私の腕や首などをつねっていたのですが、今は成長と共に少し落ち着いて、置き換えで絵本や壁紙を破ってしまうようになりました。不思議とお気に入りのものや好きなページから破ってしまい、細かく破って部屋中散乱している状態に…。できるだけ古本などを与え、破ったものは本人にも片づけをさせていますが、家ではその行為をOKとしてしまっているので、本屋さん、友達の家など破ってはいけない場所で破いてしまったらどうしようという不安があります。Pの心の安定のために破かせても良いのでしょうか?「本を破く」ということはそもそもダメな行為なので止めさせるべきでしょうか?三木先生:リスクゼロにするとなると監視が必要ですね。どの程度監視し許容するのか?破ってよい、よくないをどう教えていくのか?今は説明して本人は分かりそうですか?――分からないと思います。でも破ったら叱られるし、ダメなことだというのは何となく分かっていそうなのですが、いくら注意してもやめられないので、もう衝動的に破ってしまう癖のようなものに近いと思います。私の腕をつねる回数は減り絵本に置き換わったので、今回も将来的には絵本から何かほかの物に置き換えていきたいのですが…Upload By みん絵本から置き換えられるような物がほかにはないか?考えてみる。三木先生:何に置き換えられるか?悩みますね。プチプチできる梱包材のおもちゃ的なものや、つねることができるようなものも良いですが、一番身近ないいものとして新聞紙はどうでしょう?――新聞紙自体にあまり興味がないのでうまくいかないかもしれません…好きな絵や柄が書いてあるものの方がいいかもしれません。三木先生:好きなページをカラーコピーしたり、スキャンデータをとっておいていつでもプリントできるようにしてみては?そうやって本から少し離していき、本じゃないものにしていければ良いのですが…試してみないと分からないですが、紙質など本人の手ごたえも重要ですよね?それからお友達の家へ行く場合も、了解をとって破ってもいい本をあらかじめお友達の家に置いておいてもらうのはどうでしょう?それを破るのはOKとし、もし破らなかったらほかの家では破るのNGだと思って場所をわきまえてはいる?ということになりますが、リスクゼロにするにはやはり見せない触らせないなど完全に監視するしかないですね、でもそれではお母さんも大変ですよね。――そうなんです。破るという行為はできればやめて欲しいのですが、もしやめさせるならやはり何か他のものに置き換える必要がありますよね。今までもいろいろと置き換わって来ているので何か良い方法を探したいと思っています。Upload By みん問題となる行動を、問題としないようにする方法三木先生:やっても差し支えない範囲内でやってもらうように置き換えて…梱包の紙など、荷物が届いたらご褒美的な感じでやってみたらどうでしょう?華やかさが必要なら梱包の紙にお子さんの好きな絵を描いてみたり…。一日のご褒美タイムで破ってもらえるようにしてもいいのではないでしょうか。外で破くのを我慢できて、そのご褒美として家で自由に破ることができるという流れにできれば、外で破るリスクは減ると思います。もう少し大きくなったら…ちぎり絵など作品づくりに置き換えるのもいいのでは?――そうですね!色紙などをちぎらせて集めておいて、それを使ってちぎり絵などの作品を作ることに挑戦してみるのも面白いかもしれないです!今はただ破るだけですが、破ったものをまた新たに遊びに使うのは目的のある行為にもつながって良いと思います。そんな風に移行するのは時間がかかるかもしれませんが、一つのアイデアとしてとても参考になりました。Upload By みん感想絵本を破るなどの問題行動は、できればやめて欲しかったのですが、Pは絵本が大好きですし、破るという行為を楽しんでいて精神安定にもつながっていたので、物理的に絵本を与えないという選択はなるべく避けたいと思っていました。今回三木先生に相談して、実害のないものに上手く「置き換えていく」方法や、問題行動を問題行動としないようにする考え方やアドバイスをいただき、一見すると困った行動も、こちらの導き方によって困った行動ではなくなるようにできる場合もあることを学びました。執筆/みん
2022年01月18日マンガでADHDを学ぼう!マンガで分かりやすく発達障害が学べる『マンガで学ぶ発達障害』シリーズ。今回はADHDについてご紹介!主な症状として挙げられるのが、『不注意(集中力がない)』、『多動性(じっとしていられない)』、『衝動性(考えずに行動してしまう)』の3つ。ほかにも症状が出る年齢、ADHDの診断基準や診断までの流れ、ADHDのある子どもへの関わり方など、公認心理師の井上先生の解説とともに詳しく解説します。ADHDは先天性の発達障害です。「人の話をじっと聞けない」「集中力が続かない」「気になることがあると、後先を考えずに行動してしまう」、こうした行動は、多くの子どもに見られるものですが、本人が努力してもなかなか改善が難しいため、だんだんと集団生活に困難を感じたり、生きづらさを抱えたりするようになることも少なくありません。そんなADHDの3つの症状を詳しく説明します。ADHDは、学習や対人関係、社会生活に困難を抱えることが多いため、ある程度成長するまではなかなか障害に気づきにくいのも特徴の一つです。そんな症状を幼少期から学童期、思春期と、年代別に変化する症状や困りごとについても解説します。「ADHDかもしれない」と感じたら、早めに専門機関に相談すると共に、早い時期に専門医の診断を受けましょう。この記事では、相談できることや専門機関の特徴についてまとめました。ADHDの診断にはどんな検査項目があるのか、診断を受けるために必要な持ち物や年齢の目安など、医療機関を受診する前に知っておきたいことをまとめました。まとめADHDのある子どもが生き生きと過ごしていくためには苦手なところをサポートし、いいところを伸ばしていってあげることが重要です。そのために周りがADHDの特性を知り、家庭や保育園、学校などで協力し、子ども自身が自分の気持ちをコントロールできるように支えてあげられるとよいですね。
2022年01月16日障害のある作家たちの異彩をさまざまな形で届けるヘラルボニーが池袋サンシャインシティ内の仮囲いで「UPCYCLE ART MUSEUM」を開催中。3月31日(木)までUpload By 発達ナビニュース東京・池袋にあるサンシャインシティでは、工事に伴い設置した仮囲いで株式会社ヘラルボニーが主催する「UPCYCLE ART MUSEUM(アップサイクルアートミュージアム)」が開催されています。ヘラルボニーは「異彩を、放て。」をミッションに掲げる福祉実験ユニット。日本全国の主に知的障害のある作家・福祉施設とアートライセンス契約を結び、2,000点以上のアートデータを軸に作品をプロダクト化するアートライフブランド「HERALBONY」、建設現場の仮囲いに作品を転用する「全日本仮囲いアートミュージアム」など、福祉領域の拡張を見据えた多様な事業を展開しています。今回の「UPCYCLE ART MUSEUM」では、池袋のランドマークである「サンシャインシティ」を構成する「太陽」「海」「自然」「空」を表したアート作品全13点を仮囲いに展示。異彩を放つ作品の数々が2022年3月31日(木)まで開催されています。ぜひ足を運んでみてください。〈詳細〉【期間】:2021年12月1日(水)~2022年3月31日(木)【料金】:無料【場所】:サンシャイシティ ワールドインポートマートビル 1F( 東京都豊島区東池袋3丁目1−3)障害のある方のための特別鑑賞会「ドレスデン国立古典絵画館所蔵フェルメールと17世紀オランダ絵画展」東京都美術館で3月14日(月)に開催、事前申込は1月24日(月)までUpload By 発達ナビニュース東京都美術館では、「障害のある方のための特別鑑賞会」を開催しています。普段、美術館は行きづらいと感じている人も、この特別鑑賞会は、特別展の休室日に事前申込制で行われるため、ゆっくり過ごせるので安心です。また当日は、とびらプロジェクトで活動するアート・コミュニケータ(とびラー)が受付や移動のサポートをします。参考:「とびらプロジェクト」とは?美術館を拠点にアートを介してコミュニティを育むソーシャルデザインプロジェクト2022年3月14日(月)の特別鑑賞会は、「ドレスデン国立古典絵画館所蔵フェルメールと17世紀オランダ絵画展」。大規模な修復プロジェクトによってキューピッドの画中画が現れ、フェルメールが描いた当初の姿となった《窓辺で手紙を読む女》が公開されます。ドレスデン国立古典絵画館でのお披露目後、公開されるのは東京都美術館での公開が世界初となります。ほかにも同館が所蔵するレンブラント、メツー、ファン・ライスダールなどオランダ絵画の黄金期を彩る珠玉の名品約70点も展示。事前申込の期間は2022年1月5日(水)~2022年1月24日(月)まで。この機会にぜひ、チェックしてみてください。〈詳細〉【日時】:2022年3月14日(月)10:00~16:00(入室は時間指定制)【対象】:療育手帳・精神障害者保健福祉手帳・身体障害者手帳・愛の手帳・被爆者健康手帳などをお持ちの方400名とその介助者(1名まで) ※対象人数を超過した場合は抽選【会場】:東京都美術館(東京都台東区上野公園8−36)【観覧料】:無料(※介助者1名までを含む)【申込方法】:申込フォーム、メールまたは郵送【申込期間】:2022年1月5日(水)~2022年1月24日(月)※申込フォームとメールの場合は締切当日24:00まで、郵送の場合は当日消印有効の受付となります。※「ドレスデン国立古典絵画館所蔵フェルメールと17世紀オランダ絵画展」は、1月22日(土)からの開催を予定しておりましたが、開幕日の延期を決定しました。詳しくは下記をご覧ください。東京都美術館|お知らせニューバランスとパラリンアートアーティストがコラボレーションしたグラフィックTシャツ「9BOX」Upload By 発達ナビニュース“Fun for Sport, Fun for NB”をコンセプトにニューバランスが2019年よりスタートしたグラフィックTシャツコレクション「9BOX(ナインボックス)」。2021年秋には、パラリンアートアーティストたちがデザインした9つのTシャツが生まれました。パラリンアートとは、「障がい者がアートで夢を叶える世界を作る」を理念に、障害のある人たちの社会参加と経済的自立を推進する取り組みです。今回Tシャツのデザインを手掛けたのは、そのパラリンアートでアーティストとして活躍する9人。ニューバランスとのコラボレーションのために描き下ろしました。スポーツブランドだからこその日常でもスポーツでも快適に過ごせる柔らかな風合いと汗もさらりと吸収してくれる機能性と、アーティストたちの想いのこもったデザインが組み合わさって生まれた、唯一無二のTシャツコレクション。サイズは、XXSサイズからXLまでなので、お子さんから大人まで選べます。購入はニューバランスの店舗かオンラインショップで。着るだけで笑顔になれるグラフィックTシャツをぜひチェックしてみてください。障害のある子どもたちと東京藝術大学の学生による共創アートギャラリー「一緒につくる。展」有楽町マルイで開催中、2022年2月28日(月)までUpload By 発達ナビニュース障害のある子どもたちの「”やりたくてもできない”を0にする」をミッションにする株式会社エラフルーは、特別支援学校の小学生向けのアートイベントやアトリエ教室を運営しています。そのエラフルーが主催する「一緒につくる。展」。子どもたちが創造した爆発的なアートと東京藝術大学の学生が共創したアート作品が並びます。心を動かされる独創的な作品の数々をご覧ください。〈詳細〉【会期】:2021年12月11日(土)~2022年2月28日(月)【時間】:11:00~20:30(有楽町マルイ営業時間に伴います)【料金】:無料【会場】:〒100-0006 東京都千代田区有楽町2丁目7-1 有楽町マルイ 8F共有スペース【主催】:株式会社エラフルーLITALICO発達ナビ無料会員は発達障害コラムが読み放題!
2022年01月15日ダウン症のあるきいちゃんと、大変だけど笑いのある日々!初めまして。漫画家の星きのこです。わが家は6歳になるダウン症のある男の子、きいちゃんと私とパパの3人家族です。きいちゃんはダウン症の合併症である『心房中隔欠損症』(生まれつき心臓に穴が空いている。根治手術済み)そして『甲状腺機能低下症』という病気も一緒に持って生まれてきました。2歳くらいまではそれはそれは病弱で、何度も肺炎にかかり、入退院を繰り返していたのですが、6歳の今ではとってもやんちゃになり、元気に保育園に通う毎日です。そんなダウン症のあるきいちゃんと大変だけど笑いのある日々と、ダウン症ってどんな障害?という疑問について発信していけたらと思います。Upload By 星きのこそもそも『ダウン症』とは?みなさんは『ダウン症』と聞いて何を思い浮かべますか…?「知的障害がある」くらいまではみなさんご存知かもしれません。ダウン症は正しくは『ダウン症候群』といい、21番目の染色体が通常2本のところ、3本ある『染色体異常』のあることをいいます。そのため、21トリソミー※と呼ばれることもあります。(※注:トリソミーとは、ある染色体が1本余分に存在し、合計で3本になった状態のことです。)トリソミーはダウン症が有名ですが、13番目の染色体が1本多い13トリソミー(パドウ症候群)、また18番目の染色体が1本多い18トリソミー(エドワーズ症候群)など、ほかにもいろいろな染色体異常がある子どもがいます。また逆に、染色体の数が1本少ないモノソミーという染色体異常がある子どももいます。告知は青天の霹靂で…ちょっと難しい話をしてしまいました。何が言いたかったのかというと、ダウン症を始め、染色体の本数が違う子どもは確率の差こそあれ、どのお母さんからも生まれてくる可能性があります。ダウン症はその中でも約1/1000という比較的高い確率で生まれてくるため、ほかの染色体異常のある子どもたちより少しだけ有名なのかもしれません。でもまさか自分がダウン症のある子どもを産むとは思いませんよね…?恥ずかしながら私もその一人でした。染色体異常のある赤ちゃんの多くはその特徴から生まれてすぐに障害があることがわかるのがほろんどです。そんな私も産後1週間で「ダウン症の可能性があります」と医師から告知をうけました。いやもう、青天の霹靂というか、予想だにしなかったというか、金槌で頭打たれるほどショックで頭真っ白になるとはこのことかー!と思ったほどでありますよ、はい。Upload By 星きのこUpload By 星きのこ「本当の幸せ」を子どもに教えてもらっています私がそうだったように、産後すぐに「自分の子どもに障害がある」と告げられるママさん、パパさんの多くは危機的な状況に陥ります。愛する子どもは「健康で生まれてきてほしい」と願うのが親心なのですから。じゃあ、健康でない、障害のある子の子育てが不幸なのかというと、全くそんなことはありません!もちろん、ちょっぴり大変なことはありますが、それ以上に楽しく、幸せなことがいっぱい待っています。だからどうかこれを読んでくださっているママさんは悲観しないでと伝えたいです。今では「ダウン症という障害があってもなくても、きいちゃんがわが家に生まれてきてくれて本当によかった…!」としみじみパパと話しているほどです。ゆっくりでも確実に成長していく『ダウン症のあるわが子』に勇気づけられ、感動させられ、そして「本当の幸せとは何か?」ということを日々教えてもらっています。そういったいわば最近は『私の心の師匠』にもなりつつあるダウン症のあるきいちゃんと私たち家族のお話を少しずつこの場を借りてお話させて頂ければと思います。どうぞよろしくお願い致します。Upload By 星きのこ執筆/星きのこ(監修:鈴木先生より)私がまだ研修医なりたての1985年に、「ダウン症の健康手帳」がダウン症児の親の集いである「こやぎの会」から発行され始めました。その1ページ目には「天国の特別な子ども」と題した以下のようなポエムが載っています。「会議が開かれました。(途中略)神様に向かって天使たちは言いました。“この子は特別の赤ちゃんでたくさんの愛情が必要でしょう。(途中略)この子の生涯が幸せなものとなるように、どうぞ神様、この子のためにすばらしい両親をさがしてあげてください。(途中略)天から授けられたこの子によって、ますます強い信仰と豊かな愛をいだくようになることでしょう。神から送られたこの子を育てることによって。柔和でおだやかなこのとうとい授かりものこそ天から授かった特別な子どもなのです”」ダウン症の患者さんを診るたびにこのポエムを思い出しています。
2022年01月15日「学校変えて」と涙のミミミミは、小学2年生。その日、暗い表情で帰宅したミミは私のところに来て「あのね、まだ誰にも言ってないの」と話し始めました。「学校変えて」と涙を流しながら言うミミ。私は「そんなにすぐは変えられないけど、学校を変えたいくらい悲しいことがあったのね」となだめました。ミミによると、クラスメイトのE君が突然ボールを投げてきたとのこと。2回ボールをぶつけられ、E君は笑い、ミミは泣いたそう。学校の校庭での出来事ではあるけれど、放課後ということもありミミは、先生にも誰にもこのことを話さずに帰ってきたそうです。E君とは以前、ミミがパンチの打ち合いに誘われて断ったのに一方的にパンチされた、という話を聞いたことがありました。それから日が浅いので、もしかしてミミはときどきからかわれているのかも?と、ちょっと心配になりました。Upload By taeko小さい揉めごとなんて日常茶飯事と分かっていても、大きなことになる前に先生に出来事を伝えようと思い、いつ・どこで・誰と、など具体的に紙に書き、「2人のことを少し気にかけてほしい」と要望も書いてみました。翌朝、ミミに「ボールの件を先生に伝えようと思うけどどう思う?伝えていい?」と聞くと、伝えてほしいと言ったので、授業前にその紙を先生に渡しました。Upload By taeko夕方(ミミが帰宅する前)担任の先生から私のところに電話があり、それぞれの子ども(ミミ、E君、見ていた子)に聞き取りをした内容を報告してくれました。E君はミミにボールをぶつけたことを正直に答えてくれて、ミミに謝りたいと思っているということ。先生はそのことをミミに伝えたが、ミミは頑なに拒否したこと。先生は、「今すぐ無理に仲良くする必要はないけど、授業で関わらないというのはナシにしよう」とミミと話したことを教えてくださいました。先生が素早く丁寧に対応してくれたことに感動しました!Upload By taekoいつもは1人帰りのミミですが、少し心配だったので、先生からの電話のあと学童にミミを迎えに行きました。するとミミは、E君も一緒に8人くらいの子どもたちで遊んでいました。二人に積極的な関わり合いはないようでしたが、E君と一緒の輪の中で遊んでいて私は拍子抜け。学童の職員さんにも今回の事情を話し今日の様子を聞いてみましたが、学童での二人の間に特に問題はなかったようでした。帰りに「E君と遊ぶの嫌じゃないの?」と聞くと「そうでもなくなった」とミミは言いました。先生に悲しかった気持ちなどを聞いてもらえて落ち着いたのかもしれません。Upload By taekoミミが話をしてくれた日、「ボールをぶつけられて嫌だったことを教えてくれてありがとうね、私は何があってもミミの味方だからね」と伝えていました。Upload By taekoこれからもお友達とのことで悲しくなってしまうこともあるかもしれないけど、自分気持ちを話せるようになったこと、環境をいきなり変えるのではなくお友達とのやりとりの中で「まあ、いいか」と思えるようになったことにミミの成長を感じた出来事でした。執筆/taeko(監修:鈴木先生より)一般に神経発達症(発達障害)のお子さんは嫌なことがあると我慢して慣れようとはせずにその状況から離れるという選択をすることが多いのです。大人は職場を変えることができますが、子どもは学校を簡単には変えられません。そして、担任や周りの友人の理解がない場合、自分に嫌なことがあったり思い通りにいかなかったりしたことが続くと、登校渋りから不登校になってしまうケースがよくあります。ただ、今回のケースのように先生が丁寧に素早く対応してくれれば問題がすぐに解決することがあります。大事なのは親も教員もお子さんの話に耳を傾け、親と教員とでよく話し合うことではないでしょうか。
2022年01月14日塾通いのきっかけは授業でわからない単元が出てきたことUpload By スガカズ小学校生活を送る上で、定型発達のお子さんでも小3から小4にかけて学習につまずいてしまうことが多いと聞いたことがあります。わが家の発達に凸凹がある長男も同様で、小4で割り算の筆算につまずいていました。長男は大人しい性格で、人に「助けて」と言うのが苦手です。先生の状況を見て質問するタイミングをはかること、その場に合った適切な言葉で質問することができなかったようです。学校生活の中だけでは学習の分からないところが解決せず、理解できていないまま授業が進むのがつらいようでした。一方で私自身は子どものころから計算が得意で、小学生のころは暗算が楽しくて家でも繰り返し計算問題に取り組んでいるような子どもだったので、宿題以外で復習する習慣がない長男に合った指導が家庭でできず悩みました。そんなある日、長男は下校してから宿題に取り組もうとするものの、問題の解き方が分からず、「算数が分からないから学校に行きたくない」と泣きながら私に訴えてきました。Upload By スガカズ「分からないままだと長男の学校生活がもっとつらくなってしまうなぁ」「学校そのものは嫌いじゃないし、人と関わることが嫌なわけじゃないもんね…」と、どうしたものかと悩んでいました。そのうちに、「私が教えてあげることができないのなら、普段から子どもに勉強を教えているプロから学んだほうが長男にとって良いのでは?」と気がつきました。泣いている長男に、「勉強が分からないのなら、塾に通ってみるのはどうかな?」と提案しました。泣きながら床に寝そべっていた長男は、体を持ち上げ「そうか!授業で分からないことが減って、学校が楽しくなるかもしれないね。オレ、塾に通う!」と、言いました。こうして、発達に凸凹のある長男に合った塾探しが始まりました。家庭教師、集団塾、個別塾…いろいろあるけど、長男にあった環境はどれ?Upload By スガカズ発達に凸凹のある子どもを育てる家庭は、その子の特性にもよりますが、家庭教師や個別指導塾を選ぶことが多いということを耳にしていました。しかし、わが家は4人きょうだい。当時下のきょうだいたちは、2歳と1歳でまだまだ手がかかる時期でした。そのため家庭教師の方にお願いしても、下の子たちが長男の勉強中に部屋に入ってしまうのではないかという不安がありました。そうすると結果的に長男が集中して学習に取り組めない状況をつくってしまいます。また、発達障害のある子ども向けの塾もありますが、わが家に関しては県をまたいで通わないといけないため、難しいと判断しました。加えて、長男はインドアの遊びが大好きで、自分から外遊びをすることはほとんどありません。体力に不安があり、当時は自転車で坂道がうまく登れませんでした。そのため、通うルートの勾配が少なく、自宅から2キロ圏内のところにある集団塾と個別指導塾を中心に、見学と体験をすることにしました。見学と体験を通していくつもの塾の見学、体験を通して分かったことは、「習い事はさまざまな前提条件が重なるため、発達に凸凹のある子どもにぴったりな塾を探すのは難しい」ということでした。家との距離、開始時間、指導方法、人数、先生との相性などなど…条件に優劣をつけて決める必要がありますし、場合によってはなかなか見つからないこともあるのかもしれないと思いました。体験の際には、塾の先生に必ず長男の障害や特性について伝え、学習に取り組む様子を見ていただきました。実際に体験してみると、進学塾ではないものの、子どもの能力を選別した結果入塾を断るところもありましたし、個別指導塾で私は長男に合っていそうと思っても、長男自身がしっくり来なかったという場合もありました。塾探しをはじめて1ヶ月経ったころ、最終的に、長男の意向を尊重する形で「集団塾」に通うことに決めました。Upload By スガカズその塾に通う前に一つ不安なことがありました。決めた塾は、平日の午後4時半までに塾に到着していないといけないルールだということ。午後3時半に小学校から下校して、40分後には家を出ないといけません。そのためには私が長男に「塾に行く時間だよ」と促す必要があるので、塾の予定に合わせ私の予定も見直しました。実際に通い始めてみて分かる、発達に凸凹のある子どもの「習い事」の大変さUpload By スガカズいよいよ長男の塾通いが始まりました。長男は自閉スペクトラム症とADHDがあり、特に時間の概念が弱いところがあります。また、工作など自分が好きなことに取り組んでいるときは目をキラキラと輝かせ、2時間でも3時間でも没頭し続けます。そんな長男が、例えば「やっと学校終わった~!!」と、喜々としながら工作に取り掛かり始めると大変です。塾に遅れないように時間の確認、声かけ、送迎をしようと私は試みますが、長男自身「やりたいこと」に取り組んでいるので、何度声をかけても長男には届きません。長男が塾に向かうころには私自身がぐったり…。始めのころは週3回の通塾予定でしたが、お互いに無理をしすぎないほうがよいと判断し、週1〜2回に減らすことにしました。工夫をしたものの常に臨機応変に対応することは難しく、ほかのお子さんに比べて長男は塾の遅刻が多い状況でした。その点に関して塾の先生は「長男くんは時間を守れない、時間にルーズな子だ」と呆れていたようでした。それでも長男なりに頑張って塾に通ってくれたので、小学校でのつまずきは目立たなくなりました。気づけば「学校に行きたくない」とは言わなくなってたので、(もうここで学ぶのは十分かもしれないな)と思い、長男と相談して小5の終わりごろに約2年間通った塾の退塾を決めました。辞める際、塾長からは私たち親子に厳しい言葉がありました。長男は、「もう辞める塾だから」と思っていたのか黙って先生の言葉を受け入れていましたが、私は「ただ長男が生きやすくなればよいと思って塾に通わせたし長男も頑張っていたけど、残念な終わり方になってしまったな」と、複雑な気持ちでした。「塾に遅刻する」という経験を通じて分かったことUpload By スガカズ集団塾を辞める少し前に、私は長男に「マイペースなあなたに合う塾がほかにあるはずだから、塾を変えない?」と提案しました。すると長男は、「通ってみて分かったんだけど…」と、自分の気持ちを話し始めました。「オレは今まで、学校から帰ったらまず遊ぶのが、ずっとクセになっているから、遊ぶ時間が少ないと『頑張るぞ!』って気持ちにならないんだ」どうやら、体験を通して「『やりたいこと』の時間を確保できたら『やるべきこと』に取り掛かる意欲がわく」という自分自身の法則に気がついたようです。また、私自身も長男の優先すべき条件が把握できたため、今後違う習い事を決める際に通い始めてからのイメージもつきやすく、周りとの摩擦も起きづらい環境を選ぶことができるようになりました。親子で大変なことも多く、辞めるときは複雑な気持ちになった習い事でしたが、長男も私も失敗を通じて気づきを得られた貴重な経験になりました。執筆/スガカズ(監修:三木先生より)学校って学習がメインの時間なので、勉強が分からないのは実はかなりつらいことなんですよね。それを解消するためにじっくりといろんな選択肢を検討して取り組まれたことは良かったと思います。また、長男くんが自分の行動パターンに気がついたのもすごいことですね。こうやって時間がかかっても「鳥の目で見た」自分の気づきが増えてくると良いですね。
2022年01月13日天候の変化で片頭痛、眠気やだるさ生理が来るようになると、天気の悪い日にはときどき片頭痛が出るようになりました。片頭痛が出ない日でも、天気が悪いと眠気やだるさに拍車がかかる。身体が砂袋のように重たく感じられました。発達障害と片頭痛の明確な関連はわかっていないようですが、片頭痛の一つの原因として脳の過敏があげられているので、私に発達障害があることと片頭痛持ちであることにはなんらかの関連があるかもしれないと個人的には思っています。冬の時期の冷えのぼせと感覚過敏私にはもともと体温調節が苦手で、暑さ寒さに敏感なところがありました。中学高校は通学にトータルで片道2時間近くかかる私立一貫校に通っていて、慢性的に過労状態だったことから、今思えば自律神経の状態はガタガタでした。それで、ひどい冷えのぼせが起きていたのです。暖房のきいた室内で上半身は暑くてしょうがなく、顔は真っ赤で、みんなセーターを着ている中ひとりでブラウス1枚になって腕まくり。襟のボタンも開けて下敷きで顔を扇いでいました。許されるものなら下着一枚になっていたことでしょう。暑くてたまらないのに汗がうまく出ない。こんなとき、下半身は触っても感覚がないほど冷たくなっていました。「まだ思春期なのにもう更年期みたいな感じだな」と思っていた当時。私の発達障害に気づいている人は私も含め誰一人いなかったので、ただひたすらに耐えるばかりでした。制服の冬服はウールを使った比較的高価なものでしたが、私の感覚過敏の症状からすると耐え難く、セーターもスカートもコートの襟の部分もチクチクしました。コートはいい生地でできていましたが鎧を着ているように硬くて重く、着ているだけで疲労困憊してしまう。でもみんなが同じつらさに耐えているんだと思っていましたから、やはりこれもひたすらに我慢していました。冷えのぼせと感覚過敏のつらさが重なって、通学電車で気持ち悪くなってしまうこともよくありました。厳しすぎる校則で倒れそうなほど空腹私の通っていた私立の中高一貫校は保守的なお嬢様校で、どうしてこんな校則が存在しているんだろうと首をかしげるような、厳しすぎる校則がたくさんありました。昼食は保護者の手作りのお弁当でなければならない。買ってきた惣菜などはギリギリ認めるが、形だけでもお弁当箱に詰め替えなければいけない。お菓子などの持参はいっさい禁止で、早弁も禁止。結果として昼休みまで間食はダメ。ジュースなどの飲み物も禁止で、「水筒に入れたお茶」しか飲んではいけない。朝6時ぐらいに朝食を済ませた、もともと自律神経系の不安定な成長期まっただなかの子どもが、昼の1時近くまでいっさいカロリーをとってはいけないわけです。なんなら1時間目ぐらいから小腹がすいてきて、2時間目ぐらいからはひたすら空腹との戦い。4時間目ぐらいになるともう頭がもうろうとしてフラフラになり、呂律も回らなくなってきます。1分1秒を数えるようにしてお弁当にありつき、あっという間にかっこんでからしばらく机に突っ伏して、15分ぐらいすると頭がはっきりしてくる…いま思えば、空腹すぎて頭がぼうっとするとか舌がまわらないなどといった症状が出ていたのは、いわゆる低血糖という状態になっていたのでしょう。あまりの生理痛のためトイレで卒倒私はもともと生理痛が重いタイプでしたが、徐々に痛みでいつものような活動がままならない状態になりました。出血量の多い日などは強い痛みと下痢で(痛み物質が大量に放出されると下痢が起こるそうです)トイレに籠もり、悪心と脂汗の中でしばらく気を失ってしまうことがありました。慢性的に自律神経の状態が悪かったのに加え、冬場はスカートに薄いハイソックスかデニール数の指定されたストッキングしか許されず、冷えがひどかったのも生理痛が強くなったひとつの原因だったのではと思います。のちのち、生理時のトイレでの卒倒は迷走神経反射といって、あまりに強い痛みのために身体がショック状態のようになって失神するものらしいとわかりました。30歳を過ぎてからようやく信頼できる婦人科医に出会い、子宮内膜症の可能性を指摘されて低用量ピルで治療して劇的によくなりましたが(※)、当時は周囲の大人がみんな「生理痛は自然現象なんだから我慢するもの。痛み止めも癖になるからよくない」という考え方だったため、私もひたすら我慢していました…※毎回痛み止めが必要だったりと、生理のときに生活に支障があるほどの症状がある場合は婦人科系疾患の可能性があります。この場合は病院での治療対象なので、我慢せず病院に行くことをおすすめします。ひどい生理痛を起こすひとつの原因である子宮内膜症は、放置すると命に関わることもあるそうです。特性が判明していたら… 健康を最優先に考えてくれていたら…今になって思うのは、当時自分の発達障害が判明していたら… 生徒の健康を最優先に考えてくれる校則であったら… ということです。厳しい校則には学校側の生徒管理の負担を軽減する役割があることも理解できますが、校則に従わせることが生徒の健康に悪影響を及ぼすのであれば、学校側が校則を見直したり、合理的配慮をしたりしてしかるべきです。例えば、手作りのお弁当や水筒に詰めたお茶しか持ってきてはいけないという校則には、生徒間で競争が起きてはいけない、食べ物や飲み物を買うために生徒が寄り道(これも校則違反)することになってはいけない、という事情もあったようです。それなら、校内に商品の値段を揃えた菓子パンやジュースを売る自販機を設置して、一定の緩めのルールのもと使わせる、といったような形にしてもよかっただろうと思います。(書きながら、そういえば私が高校の後半になってようやくジュースの自販機が設置されたことを思い出しました)制服もやはり、特定の生徒に合理的配慮として指定外のものを許可するとか、そもそも指定自体を大幅に緩めるとかしてほしかった。思い返すと、足に疾患がありスニーカーで通学する特例を認めてもらっている生徒はいました。最近は制服のバリエーションとしてスラックスを作る学校も出てきていますが、すごく羨ましいです。ルールも大切だけれど、健康的な生活がまず守られるべき教育の中で子どもに校則を守らせることの中には、彼らが社会に出たときに一定のルールを守れる人になれるよう鍛える意味もあるでしょう。けれど個人的には、これほど社会全体が多様化・不安定化している中で、「画一的なルールを守れる」ということ以上に、大事な成長期の健康のほうが大切なのではないかと感じます。進学する学校選びの際、その学校が生徒の健康を重視した柔軟な校則運用をしているかどうかを確認することは、学校選びの際のひとつの大事なポイントだなと思います。文/宇樹義子(監修・初川先生より)季節による不調、生理による不調を細やかにお伝えいただきありがとうございます。まさにそういう不調真っただ中にいる子どもたちはまだそれを言語化できないことも多く、こうした発信を読むことで、「そうそう、それそれ」と思うでしょうし、保護者からしたら、「もしかしてうちの子もこんな不調を?」と思う視点を得ることができます。さて、学校はこれまで、「管理」することで不都合や不平等を無くそうとしてきたのだろうということは校則や制服をめぐるいろいろを見ていると感じるところです。そして、体調管理は子ども本人に任されるところで、ざっくり言えば「気合いで何とかしろ」みたいな感じだったんだろうなと思います。体調管理するのも学校生活のうち、みたいなきれいな言葉で見えなくなっていたものが多かっただろうなと思います。季節や寒暖、女性の周期による不調などについて、発達障害やそうした特性のある子は特に自律神経の調整の難しさを抱えやすいとは言われていますが、そうでなくてもいわゆる「頭痛持ち」、「生理が重い」といった人は多くいることでしょう。そうしたことについて、相談しやすい学校・社会であるといいなぁと思います。不調を押して授業を受けていても、上の空になってしまうわけで、どうしたら学習や学校生活にもっと取り組みやすくなるのかという視点から、さまざま見直されるといいなと感じます。
2022年01月13日お兄ちゃんの料理は科学実験気分?ちょっと意外なのですが、タケルは料理が得意で、人が料理をつくっている動画などもよく見ています。幼いころは、おばあちゃんに教えてもらってパンやお菓子をつくっていたことも。粉ものや液体を測って化学反応させるのが面白かったらしく、今でも料理をする様子はどこか理科実験ぽいです。料理をすること自体には問題がないタケル。でも、例えば自分で「お昼に食べよう」と考えて、ごはんをつくることはできません。私が、タケルのご飯の用意を忘れて出かけていたりすると、帰ってくるまで何も食べずに待っています。Upload By 寺島ヒロ材料を並べて「カレーつくってくれる?」といえばつくってくれるのですが、キッチンのあちこちに散在する材料から、食べたいものを選んで、その材料にふさわしい調理をして、美味しく食べられるようにするということは、『隠れている工程が多すぎて、とてもムリ!』と感じるようです。また、普段は朝と夜は私が先んじて料理をしてしまうこともあり、タケルが料理をするチャンスは昼ぐらい。それも少しもたつくと「もう行かなきゃいけないから、ラーメンでいいよ!」となってしまい、なかなか掘り下げられません。Upload By 寺島ヒロ子どもは料理をしないもの?いっちゃんのこだわり一方、妹いっちゃんは、なかなか料理に興味を持つことがなく、10歳ぐらいまでナイフを持つこともありませんでした。手先の動きが今ひとつ器用ではないということもあり、私も積極的に食材を切ったり、お皿を運んだりということはやらせていなかったので、いつしか「子どもは料理をしないもの」と思いこんでしまったようです。頼めばお箸ぐらいは取ってきてくれるのですが、それ以上の台所働きをすることはありませんでした。変化があったのは、小学校の高学年になってから。学校の調理実習で「包丁がかり」をやったことをきっかけに「子どもでも料理していいんだ!お兄ちゃんは変わり者だと思ってた!」と意識改革があったらしく、それからはちょいちょい、料理をしていると寄ってきて「やらせてー」と言うようになりました。中学生になってからはさらに進化し、たまにですが「ママさん忙しい?何かつくってあげようか?」と言って、つくってくれるようにもなりました!めでたしめでたし…かと思いきや…Upload By 寺島ヒロUpload By 寺島ヒロ材料を見て料理を思い浮かべられる妹と、何をつくるか決めてもらえば料理は正確につくれる息子。その力、足して2で割れないかなあ…と思う母です。。執筆/寺島ヒロ(監修:三木先生より)必要な能力を兄妹で分けてしまった感じなんですね(笑)。それぞれ「段取りを網羅的に整理するための段取り構築」と、「思いついた作業を着実に遂行する練習」ができると良いのかもしれませんね。ぜひ次は「二人で協力してつくったら…」というエピソードを読んでみたいものです。
2022年01月12日バスが乗れず家から駅まで50分歩く日々娘は2歳のころ、乗り物で癇癪を起こすことがしょっちゅうでした。中でも特にバスが苦手でした。電車よりも人の密度が高いからかもしれません。バスで癇癪を上げてしまうと逃げ場がないし、電車よりも狭い空間なのでより目立ってしまいます。私は娘とバスに乗るのを諦めて、駅まで歩いていました。しかし家から駅までおよそ50分。足早でも40分。途中で坂道も多いので、ベビーカーを押しながら毎回汗ダラダラでした。Upload By とまぱんママ友親子と遊んでも早めに帰る入園前はいつも娘と2人っきり。なので、ママ友親子と久しぶりに遊ぶ日はとても楽しみにしていました。しかし親しくしていたママ友は少し遠くに住んでいたため、お互いの中間地点までバスや電車を使う必要がありまた。まず駅まで50分かけてベビーカーを押し、電車の中では癇癪を起こさないかずっとソワソワ。途中で癇癪を起こし、持ってきたおもちゃを電車の中でぶちまけたことが何度もありました。待ち合わせ場所に着くころには恐らく老け込んだ顔になっていたことでしょう。そして問題は帰宅時間。夕方近くになってくると電車も混み始め、人混みが嫌いな娘は癇癪を起こす可能性が高くなります。人混みの中のベビーカーを想像するだけでもゾッとするのですがそこに癇癪が加わるともうこの世の終わり。そして駅から家までまた50分かけて歩かなくてはいけません。ママ友親子には悪いと思いながらも、私はだいぶ早めに帰っていました。Upload By とまぱん「動画ばかり見せてたら成長によくないらしいよ」電車で癇癪を起こしたときに一番効果的だったのは、スマホの動画でした。音量はオフにしていたものの、外で子どもに動画を見せるのは多少なりとの罪悪感はありました。しかしこれが周りに迷惑をかけない一番の方法。とある日、娘がいつものようにぐずり、スマホで動画を見せていたときのこと。Upload By とまぱんUpload By とまぱん向かいに座っていたおばあさんは、目の前にいる私たちを見ながら話していました。私の視線に気づき、気まずそうにおばあさんの話しを止めるおじいさん。娘はこの時期とても言葉がゆっくりだったため、おばあさんの「動画ばかり見せたら成長によくないらしいよ」という言葉が、ずっと頭の中でグルグルしていました。Upload By とまぱん双子の女の子たちに心が救われるいつものように電車で娘が癇癪を起こしていたときのこと。おもちゃを出してもおさまらない娘。動画を見せたいけど、この間みたいに誰かに言われたら…どうしようと焦っていたそのとき。Upload By とまぱん前に座る双子の女の子たちが、娘を見て「赤ちゃん可愛い」と話していました。恐らく娘は身長が低いので、2歳でも赤ちゃんに見えたのでしょう(笑)女の子たちは8、9歳くらいだったかと思います。そんな言葉を言ってくれるなんて、なんて心優しい女の子たちなんだ…!と感動しました。女の子たちの言葉にとても心が救われたのを覚えています。バスに乗れなかった娘は今そんな娘も、3歳を過ぎたころから大人しく電車やバスに乗れるようになりました。駅まで時間をかけて歩いていた日々。今となっては懐かしいです。大人しく乗れるようになったものの、4歳になった今も混んでる電車やバスは少し苦手なよう。そのため今も帰宅はなるべく早くしたり、混みがちな急行より各停を使ったりしています。また、人の目線を敏感に感じとってしまう娘。電車で向かいの席に座っているおばあちゃんが温かい目で娘を見ていても、それが恐怖に感じるようでよく自分の顔を手で隠しています。娘にとってのストレスは多少なりともまだありますが、もう激しい癇癪はなくなり、動画やおもちゃは必要なくなりました。娘が幼かったころ、双子の女の子がかけてくれたような優しい声かけや席を譲っていただいたことが度々ありました。私も小さなお子さんを抱えているパパママがいたら少しでも気づいてお手伝いできたらと思います。執筆/とまぱん(監修:三木先生より)お子さんもお母さんも、二人とも大変な思いをしてこれまでやってこられたんですね。凸凹のある子どもたちは、自分に向けられている視線に敏感だったりします。人が多いところが苦手な理由は、たくさんの刺激以外にそういうところにあるのかもしれませんね。世の中の人がみんなその双子の女の子たちみたいだったら、もう少し過ごしやすくなるかもしれません。そういう社会になっていくことを願ってやみません。
2022年01月11日成長と共にオムツ交換スペースを利用しずらくなってくる自閉スペクトラム症のあるPが、3歳のころの話です。外出先でオムツ交換スペースを利用したくても、「ベビールーム」「赤ちゃん休憩室」と書かれている場合が多く、3歳になり身長も大きくなったもう赤ちゃんではないPが、赤ちゃんや小さな子たちと同じスペースでオムツを交換するという行為が気になるようになりました。3歳になったPは自分より小さな子たちに「お兄ちゃんまだオムツなの?」と言われたり、不思議な目で見られたりしてしまうこともありました。Pは自分の気持ちを言葉にすることがまだまだ難しく、3歳を過ぎてもオムツ交換スペースへ行くと言うことをP自身がどのように考えているのかまでは分かりませんでした。実際本人は全く気にもしていなかったかもしれません。それでもPの立場になって考えて想像してみると、やはりもう赤ちゃんではないPがオムツ交換スペースを利用するのは本人にとっても恥ずかしいことなんじゃないかな?と考えるようになりました。Upload By みんオムツ交換スペースの次に利用し始めた場所は?それからはなるべく車の中でオムツを交換するようにしていましたが、すぐに駐車場へは戻れない場合や、身長が高くなってからは車の中では狭くて交換しにくい場合もあり、なかなか不便なことも多かったです。そこで新たに利用するようになったのは「多目的的トイレ」です。多目的トイレにはオムツ交換のしやすいベッドもあったりするので、多目的トイレがある場合はそこに入るようになりました。それまで多目的トイレは「本当に必要な人を待たせてしまうことにつながる」のでなるべく利用しないようにしていました。でもPのオムツが外れてトイレを利用できるようになってからも、変わらず多目的トイレを利用させていただいています。Pが5歳を過ぎたあたりからは、夫や長男と男子トイレに一緒に行けるようになりました。ですが、私と2人だけで出かけたときなど、一緒に女子トイレにつれていくのはPと同じくらいの歳の女の子への配慮を考えるとやはり難しいです。でもPをトイレの外で待たせて、私だけが女子トイレへ入ることは絶対にできません。逆に、Pを一人で男子トイレに行かせることもまだまだ難しく、外出先で私もPも両方が安心してトイレを利用するためには多目的トイレが1番使いやすいのです。Upload By みん利用しずらかった多目的的トイレを、私たちが利用するためには…今まで多目的トイレは、車椅子の人、オストメイトが必要な人の為のトイレだと思っていたので、なるべく利用しないようにしていましたが、私たちのような親子にとっても外出の際にはとても大切で必要な場所となりました。今ではどこにでもあって当たり前のようになってきた多目的トイレですが、昔は限られた場所にしかなく、トイレ問題が壁になり外出したい場所へ自由に行くことのできない障害のある方や困った方も多かったと思います。しかし、車椅子、お年寄り、赤ちゃん連れの人など見た目で分かりやすい場合は堂々と利用ができても、私たち親子のように一見見た目では何に困っていて多目的トイレを使うのかが分からない場合は、「必要ないのに使っている人がいる」と誤解されてしまう場合もあります。そんな誤解を避けるために、外出するときには普段からPにヘルプマークをつけるようにしています。(※ヘルプマークとは、義足や人工関節を使用している方、内部障害や難病の方、または妊娠初期の方など、外見からは分からなくても援助や配慮を必要としている方々が、周囲の方に配慮を必要としていることを知らせることで、援助を得やすくなるよう、作成したマークです。)ヘルプマークで、外見だけでは分からない障害などがあることを知らせ、周りの人へ多目的トイレの使用を理解してもらうことも必要だと感じています。そして同時に、一見普通の親子連れに見えるかもしれませんが、そのような理由があり、多目的トイレを使う場合もあることを少しでも覚えておいてもらえると嬉しいです。参考:東京都福祉保健局 ヘルプマークUpload By みん執筆/みん(監修:三木先生より)これは難しい問題なのですが、「本当に必要な人」にP君は含まれているように思います。見た目では何が困るのか、ご本人以外には分からないこともあります。ヘルプマークをつけるのは周りの理解を得るために良い方法の一つに思えますが、そういったものがなくても「きっと何かあるんだろうな」とお互いに思える社会になると良いですね。
2022年01月09日もう頑張らなくて大丈夫。ーー『「しなくていいこと」を決めると、人生が一気にラクになる――精神科医が教える「生きづらさ」を減らすコツ』いくら努力しても、いろいろ工夫しても周りの人と同じようにうまくできない。頑張らなければいけないと思えば思うほどつらくなる…。この本はそのような思いを抱えている方のための本です。「苦手を克服する方法」ではなく、「生きやすくなる方法」を考えてみませんか?この本には、NHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」でも紹介された精神科医・医学博士の本田秀夫さんによる「生きづらさ」を減らすコツ、自分らしく生きるヒントがたっぷり詰まっています。「やるべきこと」を手放すと、「やりたいこと」が見えてくる! 頑張りすぎるみなさんに肩の力を抜いて読んでほしい、明日からの日々がラクになる一冊です。コンプレックスを軽減する考え方が分かるーー『2E 得意なこと苦手なことが極端なきみへ: 発達障害・その才能の見つけ方、活かし方』発達障害があるというと「うまくできないこと・苦手なこと」に注目してしまうかもしれません。でも、実は「得意なこと」が隠れているかも。この本の著者は、ADHDの正しい知識の普及と、ADHDを持つ人々を支援している団体「えじそんくらぶ」代表の高山恵子さん。コンプレックスを軽減する考え方、得意の見つけ方、自分らしく生きるためのヒントが具体的に紹介されています。また、弱点の活かし方や、自分自身が力を発揮できる条件なども知ることができます。「得意なこと苦手なことが極端」なために悩みを抱えている方、子どもの能力や良さを引き出したいのにどうしたらいいのか分からないと悩んでいる保護者や支援者の方におすすめの一冊です。「勉強に関する困った」がなくなる!ーー『ちょっとしたことでうまくいく 発達障害の人が上手に勉強するための本』LD(学習障害)やディスレクシア(読み書きの困難)という言葉があるように、障害の特性により学習の困難を抱えている人は多くいます。この本では、そうした状況に悩む人のために、スケジュールの立て方や講義の受け方、自習の仕方や試験本番の対処法など、日頃の勉強法を改善できるポイントを具体的に解説しています。著者のキズキ代表・安田祐輔さんは、発達障害・不登校・中退などの方のための学習塾「キズキ共育塾」などの事業を展開しています。著者自身も当事者であり「特性の強い自分に合った、効率のよい勉強方法を見つけること」は人生を通じて大きな課題だったと言います。著者の経験や、学習支援の現場から生まれたノウハウを詰め込んだメソッド本。デジタルを使ったやり方や、100円ショップのアイテムで実践できる内容など、今すぐやりたくなるアイデアがいっぱいです! 勉強に関する困りごとを抱えるみなさんにおすすめの一冊です。聞こえているのに、「聞き取れない」のはなぜ?ーー『マンガでわかるAPD 聴覚情報処理障害』“「聴力検査」では異常がないのに、うまく聞き取ることができない”という困難を抱えてはいませんか?もしかしたら「APD(聴覚情報処理障害)」を知ることが解決の糸口になるかもしれません。APDは、主に脳の特性が背景要因にあるのではないかと考えられています。この本では、耳鼻咽喉科での診療を行っている医師によるAPDの基礎知識や、現在分かっている対処法について、マンガを交えて分かりやすく解説しています。「聞こえているのに聞き取れない」という困難がある子ども、大人それぞれによくある困りごとの対処法やおすすめのトレーニングも紹介。もしかしてAPDかも?と思ったらぜひ手にとってほしい一冊です。多様な子どもの姿をポジティブな視点で次年度に伝えよう!ーー『配慮を必要とする子どもの「要録」文例集: 幼稚園、保育所、認定こども園対応』保育所、幼稚園、認定こども園などで子どもに関する情報を共有し、子どもの育ちを支えるための資料となる「要録」。「発達が気になる」「外国にルーツをもつ」「特徴ある家庭環境」など、 さまざまな配慮を必要とする子どもについて、その「要録」をどのように書けばよいのでしょうか。この本では、要録について具体的な子どもの状態像からポイントを文例で掲載しています。子どもに必要な理解と支援を引き継ぐための配慮や支援のノウハウとしての文例としてだけでなく、子どもとのあたたかな関係づくりにも役立ちます。幼稚園、保育所、認定こども園に関わる方、支援者の方におすすめの一冊です。9つの涙、9つの笑顔ーー『自閉症うーちゃんのカラフルサイン 高機能自閉症当事者が描く十人十色の世界』発達障害当事者である高校2年生の著者が「発達障害の特性を、誰にでも分かる文章にしてみたい」という想いでつづったショートストーリー集。この本には、感覚過敏とこだわりの特性があるうさぎのうーちゃん、コミュニケーションが苦手なナマケモノのなっちゃん、多動・衝動の特性があるチーターのちーくんがそれぞれ主人公になった9つのお話が収録されています。絵本のように優しい言葉で書かれているストーリーから、当事者の視点で見た発達障害の特性について知ることができます。実体験をもとに書かれたそれぞれストーリーには、「パニックはどんなときに起きてしまうのか。そのとき、当事者は何を考え、感じているのか。 周りの人はそんなとき、どのように対応したらよいのか」など著者自身の解説がついています。子どもから大人までおすすめの一冊です。LITALICO発達ナビ無料会員は発達障害コラムが読み放題!
2022年01月08日子どもを褒めて伸ばすのがよいと言うけれどUpload By かなしろにゃんこ。ADHDと広汎性発達障害(自閉スペクトラム症)の診断を受けたのは小4のときでした。息子の療育などを通して、褒めることで自己肯定感が育まれることを知り「なるべく気をつけて声をかけよう」とは思っていました。ですが、だんだんと反抗期に突入していった息子はイライラしていることが多く、特性から忘れ物やなくし物も多いことで私もイライラしてしまい、息子を素直に褒められないことが多くありました。Upload By かなしろにゃんこ。「褒め方が分からない」「褒めるところが分からない」と思っていた私でしたが、クリニックでペアレントトレーニングを受けていたときに「君は息を吸って吐いているだけで完ぺきなんだ、生きているだけで素晴らしい」という究極の褒めに達したお母さんもいるんですよ!と教えてもらいました。それを聞いてからは「なんだ、どんな些細なことでも褒めちゃっていいのね!」と思い、素直に息子を褒められるようになっていったと思います。(自画自賛ですけど、笑)Upload By かなしろにゃんこ。そんなとき、発達障害の自助会で出会った当事者の先輩から親や周りの大人から受ける傷つく言葉に「こんなふうに言われたら嫌!」とか、逆に「親からこう伝えられていたら変わったかもしれない」など、いろいろな話を聞きました。(※事前に掲載の許可をいただいております)そこで聞いたこんな意見が印象に残りました。「子どもの意見になんでも反対しないでほしい」「親の言う通りの進路を歩めないからといって全否定しないでほしい」「わざとらしく褒めないでほしい」「偉人=発達障害というケースを比べて自分に期待しないでほしい」大人が放った言葉一つで心が大きく揺れてしまうことがあるのだと知り、息子への声かけにも応用してみようと思いました。息子に合った「自己肯定感を育む関わり方」とはUpload By かなしろにゃんこ。そして、息子が小5年生くらいのときから自己肯定感を育むために「リュウ太の意見尊重しますよ!」作戦をスタートしました。それは、息子が言った「意見」に乗っかること。夕飯何が食べたいか聞いて「オムライスがいい」と言ったら、私は「リュウ太のそのアイデアいいね!オムライスにしよう!」と息子に夕飯のメニューなどを決めてもらうことにしました。意見に賛成する言葉を伝えると息子は嬉しそうでした。また、それまで褒めるとき私は手をたたいて褒めていたのですが「その言い方マジキモイ」と息子に言われてしまったので、高学年になった息子に合わせてクールな、さりげない言い方に変更しました。「お!ソレいいじゃん」や「カッコイイね」とか「へ~うまいじゃない、やるね~」など。そのほうが本心で肯定している感じに伝わると思いました。Upload By かなしろにゃんこ。息子が大人になってから言っていたのですが「大げさに褒める言い方は、オレにヤル気を出させるために褒めてる感が伝わってきて本心じゃないなって思ってた」と。年齢や性格によっては、絶賛よりも同意程度がいいのね~と息子から教わりました(笑)当事者の先輩の意見であった「偉人=発達障害と比べられたくない」というものに対しては、私はあえて使ってみることにしました。息子に偉人のようになれ!とは思っていないので、「こんな人もいるんだって」程度に起業する社長さんや研究者、芸能界などアイデアや瞬発力が必要な分野で活躍している発達障害がある先輩たちの話をしました。Upload By かなしろにゃんこ。ADHDがあるから失敗を恐れず再チャレンジができることや、豊かな発想を発信できること、好奇心旺盛で気になったらコツコツ探求、研究ができる能力があることなど、発達障害のいいところをたくさん伝えました。息子が誇らしげに聞いてくれたことが嬉しかったです。子どもを褒めようと意識するようになったときに、(うちの子、褒めるところがこんなに少ないなんて…)って思ってこともありましたが、息子と話しているうちに「この子にもいいところいっぱいあったわ!」と気がついていきました。Upload By かなしろにゃんこ。Upload By かなしろにゃんこ。細かいことを気にしないで失敗しても「いっけね☆」とクヨクヨしないところなどは、本来いいところ! 忘れ物なくし物が多いマイナス面と同じくらいいいところもある!今では、「発達障害がいけないわけじゃない、世の中に発達障害があるからこそ新しい物づくりや産業が栄えたかもしれないよね!」なんて話も親子でしています。初めのうちは発達障害の悪いところばかり見てしまったいた私ですが、徐々に考えを改めて息子自身のいいところに注目できるようになっていったような気がします。息子の自己肯定感も中学からはそんなに下がることがなく、明るくのびのびと好きなことを好きなだけやる人に成長できたんじゃないかな~って思います。執筆/かなしろにゃんこ。(監修:井上先生より)思春期になると、褒め方も年齢に合わせて変わっていきますよね。子どもの話を最後まで聞き、受け止めることはすばらしいことです。たとえ、子どもの意見が間違っていたとしても一旦最後まで聞き受け止めることが「褒めること」以上に大切だと思います。また、かなしろさんのように見方を変えることで子育ても随分楽になると思います。子どもが言われて嫌なことは障害があってもなくても同じかもしれません。子育てをする保護者みなさんが応用できることだと思いました。
2022年01月08日