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Aさんの友人Bさん(20代・男性)は、ある女性と婚約していましたが、さまざまな理由で「婚約破棄」を決意したそうです。いくら理由を聞いても口を割らないため、わからないのですが、Bさんは大金を叩いて購入し、女性に渡した「結婚指輪」を返してほしいと考えていますが、相手は返す素振りも見せないそう。Aさんに「どうすればいいのか」相談があったとのことです。「そんなん知らん!」と言いたいところですが、長年の付き合いもあり、何とかしてあげたいそう。返してもらうことはできるのでしょうか?秋葉原よすが法律事務所の近藤美香弁護士に見解を伺いました!婚約指輪を取り返すことはできる?近藤弁護士:「婚約指輪を返してほしいと請求しても、返してくれない場合は、裁判での返還請求を検討することになります。もし、所有権がTさんにあるなら、返還請求が認められますが、所有権がなければ認められません。それでは、所有権は誰にあるのでしょうか。法律的に考えると、婚約指輪を渡す行為は、贈与に該当します。贈与するということは、簡単に言えば、あげてしまうことなので、所有権は彼女のものになると考えられます。ただし、Tさんと彼女との間に「いったん渡しても入籍しない場合には返却する」という趣旨の合意があったと判断されるような場合は、入籍しない場合は所有権がTさんに戻ると考えられる余地もあります。また、婚約指輪は入籍を前提とするものだから入籍しない場合は返還すべき、という考えが社会通念上当たり前といえるような場合は、2人の間に返還の合意があったと認定されることがあるかもしれません。」 費用を別途請求できるケースも近藤弁護士:「微妙な判断になりますが、今の日本において、そこまでの社会通念があるとまではいえないのではないでしょうか。したがって、何も言わず婚約指輪を渡した場合に、そのような合意があったと判断される可能性は小さいのではないかと思います。以上より、彼女が自由意思で返してくれる場合はともかく、そうでない場合に取り返すのは難しいのではないでしょうか。したがって、彼女が指輪を質に入れたりして売ってしまったとしても、自分の財産を処分したにすぎないと考えられるため、罪にはならないでしょう。なお、彼女が不合理な理由で婚約破棄をしたような場合には、婚約破棄に対する慰謝料を別途請求できる余地があります。その場合は、婚約指輪の購入費用も損害と認められる可能性があります。」 遠慮せず行動を婚約破棄というケース自体がそう多くはないと思いますが、仮にそうなった場合、指輪を購入した側が「返してほしい」と考えるのは当然のこと。しかし、実際に返還される可能性は、残念ながら低いようです。ただ、不合理な婚約破棄の場合は、購入費用を損害として別途請求できる余地はあるとのこと。男性の場合、「男らしくない」という目を向けられてしまうかもしれませんが、理不尽な措置を受けた場合は、弁護士に相談の上、しかるべき措置を取りましょう! *取材協力弁護士: 近藤美香(秋葉原よすが法律事務所。家事事件を専門的に取り扱い、500件以上の家事事件を取り扱った経験を持つ。JADP認定の夫婦カウンセラーの資格を保持している。)*取材・文:櫻井哲夫(本サイトでは弁護士様の回答をわかりやすく伝えるために日々奮闘し、丁寧な記事執筆を心がけております。仕事依頼も随時受け付けています)取り返せると思ったのに!婚約破棄したときの婚約指輪の行方はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。取り返せると思ったのに!婚約破棄したときの婚約指輪の行方はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。
2018年12月13日かつて放送されていた「昼ドラ」のようなドロドロとした恋愛物語では、望まない結婚を親から強要された女性が結婚式の前日や当日に、ひそかに付き合っていた男性と逃げてしまうシーンがよくありました。「そんなことあり得ない」と思ったりもしますが、そこはテレビの世界。仮に自分が被害者になってしまった場合、損害賠償などを求めたくなります。そこで今回は「ドラマコンプライアンスチェック」。秋葉原よすが法律事務所の近藤美香弁護士に「結婚式当日に逃げ出す行為」を弁護士目線で検証してもらいました!Q.ドラマなどで目にする結婚式前日や当日に花嫁が逃げる行為。本当にやったら違法?A.結婚式から逃げる行為自体は罪にはなりません近藤弁護士:「結婚式をすっぽかすこと自体は犯罪にはなりません。しかし、もっと早くに挙式を断ればキャンセル料ぐらいで済んだのに、あえて当日に逃げ出す方法を選択したことよって、多額の結婚式や披露宴の費用が発生したような場合は、当該費用を損害として逃げた花嫁に請求すれば、認められる可能性があります。ただし、列席者からいただいたお祝い金などがある場合は、そのお祝い金分は損害が補填されるという考えもあり得ます。一方で、主役が逃げたことによって結婚式が台無しになってしまった以上、お祝い金は受け取れないとして、返還した場合は補填は認められないでしょう。また、このような場合は、結婚式をすっぽかされたことで受けた精神的苦痛に対する損害賠償(慰謝料)を請求することも可能な場合があるでしょう。ただし、原因が逃げられた側にあるような場合などは、逃げた側だけが損害額を負担するという結論にならないこともあるでしょう。」逃げる行為が犯罪になることはありませんが、逃げた側への損害賠償請求は認められる可能性が高いようです。実際にこのようなことが起こらないよう、願いたいものです。 *取材協力弁護士: 近藤美香(秋葉原よすが法律事務所。家事事件を専門的に取り扱い、500件以上の家事事件を取り扱った経験を持つ。JADP認定の夫婦カウンセラーの資格を保持している。)*取材・文:櫻井哲夫(本サイトでは弁護士様の回答をわかりやすく伝えるために日々奮闘し、丁寧な記事執筆を心がけております。仕事依頼も随時受け付けています)ドラマコンプライアンスチェック!婚前逃亡の花嫁は罪になるのか弁護士が解説はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。ドラマコンプライアンスチェック!婚前逃亡の花嫁は罪になるのか弁護士が解説はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。
2018年12月13日風俗店やキャバクラ・ホストクラブなどの飲食店においては、キャスト(従業員)やホストなどの出勤を確保するために、独自のルールを設けている場合が多く見られます。本日は夜の世界で特に多く見受けられる「罰金制度」について、その適法性と罰金を請求されたときの対応方法についてお話いたします。 1罰金制度について風俗店やキャバクラ・ホストクラブなどの飲食店において、罰金制度は従業員の出勤を確保する役割を果たしております。上記のような店では、お店というよりも従業員にお客さんがついていることが多く、その従業員が出勤しなければお客さんが来ず、お客さんが来なければ売上が上がらないという構造になっているため、お店としてはいかに従業員に出勤してもらうかという点を考える必要があるのです。ここで多くのお店が、来てくれたらお金を払うよというインセンティブをつける方式で出勤の確保を図るのであれば問題はないのですが、来なければペナルティを与えるという方式で出勤の確保を図ろうとしているため、問題になります。具体的には、遅刻、早退、当日欠勤、無断欠勤に対して、賃金のカットや罰金を払わせるといった負担を課すことが多く行われています。 2罰金制度の適法性こういった罰金などのペナルティに法的な問題はないのでしょうか。労働をしていない時間について賃金を払う必要は原則ありませんので(ノーワーク・ノーペイの原則)、遅刻や早退により労働をしていない時間分の賃金は払う必要がありません。それではペナルティとして、遅刻をしたのでその日の給料は半分にするとか、無断欠勤をしたので、その日の賃金相当額を罰金として払えといった取り扱いは認められるのでしょうか。皆さんも感覚的には分かるかと思いますが、そのようなペナルティは違法になります。具体的には「使用者は、労働契約の不履行について違約金を定め、又は損害賠償額を予定する契約をしてはならない。」と規定する労働基準法第16条に違反します。そして、労働基準法に違反する罰金制度は無効となります。以上のとおり、仮に無断欠勤をしたとしても「罰金」という形で金銭を支払う義務を負うものではなく、仮に支払ってしまった金銭があれば取り戻すことが可能になります(なお、無断欠勤によって、お店などに損害が発生したときに、この損害の賠償を従業員に請求することは一定範囲で認められる可能性があります。)。 3罰金を請求されたり、支払ったりしてしまったときの対応法上記のとおり、法的には支払を拒否することができますし、支払済みの金銭については返金を求めることができます。ですが、実際には強く支払いを迫られて断ることができなかった、支払わなければクビにすると言われて支払ってしまった、本来であればもっと多くの金銭を請求できるところ罰金で我慢してやっていると言われた、などご自身で交渉をしても、なかなか支払を拒否したり、返金を実現したりすることができないケースが多いようです。風俗店や飲食店における罰金の問題に限ったことではありませんが、勤務を継続しながら、使用者と交渉することは簡単なことではありません。そのような場合には、最悪、退職することを覚悟する必要がありますが、弁護士など専門家に相談し、代理での交渉を依頼するほうが良いかと思います。その際には、店側と言った言わないという言い争いになることを回避するために、出来る限り証拠を保全(LINEやメールなどのやり取りを保存しておく、電話での会話を録音するなど)しておきましょう。職を失うリスクや負担を考えると、そう簡単にはアクションを起こせないという現実はあるかと思います。ただ、当たり前のように違法なルールが業界内に存在し、ペナルティに追い立てられながら勤務するという現状を変えて、働きやすい環境を作っていくためには、一人一人が諦めずに、おかしいことはおかしいと言い続けていく必要があるでしょう。 *執筆弁護士:若井 亮(若井綜合法律事務所。「迅速対応」「分かりやすい説明」「徹底した報告」をモットーとしている。不当要求への対応、詐欺被害への対応を多く経験している)*画像はイメージです(pixta)払わなきゃいけない?キャバクラ・風俗の罰金制度はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。払わなきゃいけない?キャバクラ・風俗の罰金制度はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。
2018年12月07日ヤラセ問題が浮上した、日本テレビ系人気バラエティ番組『世界の果てまでイッテQ!』。宮川大輔が世界の祭りに参加する企画で、「現地の祭り」と紹介したものについて、「実は番組が作ったものではないか」という疑惑が持たれました。2018年11月15日付で、番組側は「ヤラセ」そのものの意図は否定した上で、祭り開催の経緯などの説明が不十分だったり、誤りがあったりしたと発表しています。過去にも、あるテレビ番組の「出演者に対し意図的なコメントを言わせる」「偶然発生したように見せかけて実は台本通りだった」などのヤラセが発覚したことがあります。「演出」という声もありますが、テレビの影響力の大きさを考えると、軽々しく片付けることはできないでしょう。このような行為は法律違反にならないのでしょうか?虎ノ門法律経済事務所池袋支店の齋藤健博弁護士に見解をお伺いしました。Q.テレビ番組のヤラセ問題…法律違反になる?A.刑事罰にはなりません齋藤弁護士:「放送事業者は、NHK・民間双方で構成されているBPO(放送倫理・番組向上機構)という第三者機関による事実上の監督を受けています。この機関は、放送倫理検証委員会、放送と人権等権利に関する委員会、放送と青少年に関する委員会などの機能を持ち、設置の目的は、放送が公共的なもの、社会的影響力の重大さを有している放送の性質に応じて、適切な放送内容であることを担保する機関です。実は、ヤラセなど明確に虚偽である放送であっても、表現の自由の保護の対象とはなり得るものですが、社会的な影響力を考えると、一律に排除することはできないのが実情です。ご紹介したBPOは、あくまでも第三者機関であって、刑事罰を行使するような権限は有していません。ただし、ご指摘の番組ですと、放送倫理検証委員会より、日本テレビに対して報告書の提出を要請し、その放送内容について調査する意向を明確にしています。罰則とは言わないまでも、問題視していることは事実なのでしょう。」放送機関として問題があることは確かですが、「刑事罰」にはなり得ないようです。もちろん、刑事罰にならないからといって、必ずしもヤラセが許容されるわけではありません。 *取材協力弁護士: 虎ノ門法律経済事務所池袋支店齋藤健博弁護士(弁護士登録以降、某大手弁護士検索サイトで1位を獲得。LINEでも連絡がとれる、超迅速弁護士としてさまざまな相談に対応。特に離婚・男女問題には解決に定評。今日も多くの依頼者の相談に乗っている。弁護士業務とは別の顔として、慶應義塾大学において助教も勤める。) *取材・文:櫻井哲夫(本サイトでは弁護士様の回答をわかりやすく伝えるために日々奮闘し、丁寧な記事執筆を心がけております。仕事依頼も随時受け付けています)【弁護士が解説】『世界の果てまでイッテQ!』のヤラセ問題は法律違反になり得る?はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。【弁護士が解説】『世界の果てまでイッテQ!』のヤラセ問題は法律違反になり得る?はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。
2018年12月05日最近、ホストクラブでのトラブルについて、ご相談を受ける機会が増えてまいりました。年末に向かうなか、ホストクラブにおいてさまざまなイベントが開かれることを考えると、トラブルの件数も増えていくものと予想されます。そこで、本日は、ホストクラブでのトラブルのうち、相談の多い類型とその対処法についてお話ししたいと思います。 トラブル1料金が高額にのぼることがある【トラブルの内容】ホストクラブの料金は、初回は数千円というお試し料金だったりするのですが、2回目以降の利用で料金が高額化することがあります。担当ホストから高額なボトルを入れて欲しいと強引に迫られ、断り切れずオーダーしてしまった、後でボトル分のお金は返すからと言われてオーダーしてしまったなど、料金をめぐるトラブルは後を絶ちません。ホストクラブ側は後にトラブルになったときのことを考え、伝票をきちんと作成しておくなど最低限の対応をしています。他方、オーダーした際の状況(例えば、強引に迫られた、騙されたといった事情)については何ら証拠がなく、後にこちらの言い分を主張しても、言い合いになってしまうことが多々あります。この場合、飲食の料金が発生していると証拠を見る限りは言えるので、料金の支払いを後から拒否するのは簡単ではありません。【対応方法】まず、強引に高額のボトルを入れるよう迫られたようなときは、店の責任者を呼んでもらうようにしましょう。それでも十分な対応をしてもらえないようなら、すぐに精算にして店を出るようにしてください。つかまれたり、押されたりしたときは、110番通報してください。後で料金の支払いを拒むことができると考えるのは危険です。いかにオーダーをせずにその場を離れるかという点を第一に考えましょう。次に、後でボトル分のお金は返すからとホストから一時的な立て替えを依頼されたときですが、店との関係では皆さんが支払い義務を負うことに変わりはなく、後で本当にボトル分のお金を返してくれるかはわからないので、立て替えは危険です。証拠がなければ「そんな約束をした覚えはないなど」後から何とでも言えてしまいます。後で返してもらえるという期待はせず、立て替えは拒否しましょう。上記のように対応するのがベストですが、それでもオーダーをしてしまったというときには、速やかに弁護士にご相談ください。ご事情を伺い、証拠があれば拝見して、対応策を考えていくことになります。時間が経てば経つほど戦いにくくなりますので、速やかにご相談いただくことが重要です。 トラブル2売掛金の支払いスケジュールで揉める【トラブルの内容】ホストクラブの料金が高額化する傾向にあることはお話しをした通りです。この料金について、一括で支払うことができればよいのですが、数十万からときに数百万にものぼる料金を一括で支払うことができず、いわゆる売掛金(「うりかけ」「かけ」などと呼んでいます)として、支払いを一定期間待ってもらうという取り扱いをしているケースが多くあります。この売掛金については、担当ホストの責任において管理を行い、回収ができなければ店側に自ら立て替えて支払わなければならないという取り扱いにしていることが多いようです。そのため、売掛金を回収するために担当ホストは必死になるわけです。過去にご相談いただいたケースでは、「頻繁に脅しのようなメールや電話が入る」「実家や職場に連絡が入る」「手を上げられる」といった事案がありました。追い詰められて、消費者金融や親族からお金を借りさせられたり、風俗店で働かされたりと、売掛金の支払いを行うためにつらい思いをされている方がいらっしゃいます。もちろん飲食の代金であるため、原則的には支払い義務を負うものではありますが、上記のようなかなり強引な取り立てに遭遇すれば、追い詰められることによって自身の健康や生活が必要以上に害されることになります。【対応方法】担当ホストは、こちらが折れるまで電話やメールで連絡してきたり、職場や自宅、実家に来たりするなど、回収のためにさまざまな揺さぶりをかけてきます。ときには「支払えないのであれば、無銭飲食なので警察に対応してもらうしかない」などと話してくることもあります。冷静に話をすることができるのであれば、支払いスケジュールを交渉すればよいのですが、上記のような揺さぶりをかけられているとしたら、ご自身で対応するのは危険かもしれません。そのようなときは速やかに弁護士にご相談ください。窓口となって無理のない支払いスケジュールとするために交渉いたします。また、弁護士が介入した後にも担当ホストがしつこく連絡をしてくることがあります。基本的には無視をしていただければいいですが、不安を煽ったり、情に訴えかけたりと、ここでもさまざまな揺さぶりをかけてきます。この場合、相手方の対応が度を越したものであれば、警察に対応を要請する場合もあります。何よりご自身だけで抱えないことが重要です。 トラブル3手を上げられるなど暴力をふるわれることがある【トラブルの内容】担当ホストからの営業はときに強引になることがあり、ご相談いただいたケースのなかには殴られた、蹴られたというケースもあります。これらの行為は少なくとも暴行罪に該当しますし、怪我の程度によってはより重い傷害罪、お金の要求などと合わされば恐喝罪や強要罪に該当することもあります。このような行為を受けると、怖くて断ることができなくなり、さらに債務額が拡大してくという形で、事態の悪化を招くこともあるでしょう。【対応方法】まず証拠を保全することが大事です。少なくとも診断書は速やかに取るようにしましょう。可能であれば、担当ホストが暴行を自認する旨の発言を、LINEやメール上で残せれば、なおプラスです。また、警察にはすぐに被害相談をしてください。日数が経過すると、その後事件化をしたくても、証拠が散逸しているなどの事情により、警察が介入できなくなってしまうことがあります。その上で、直接やり取りをするのは危険なため、弁護士にご相談いただくのがよいでしょう。暴行などに対する損害賠償請求のほか、暴行が関係する形でホストクラブを利用したのであれば、料金の支払い義務を免れることができる可能性もあります。また、脅され続けることでさらに債務が拡大してしまうという状況から脱することもできるかと思います。 以上、ホストクラブでのトラブルとその対処法に触れてきましたが、共通して言えることは、お一人での対応は危険であるということです。弁護士や警察のほか、友人や家族でも構いませんので、まずはどなたかに相談しましょう。 楽しくお酒を飲むだけなら問題はありません。ただ、ホストクラブはどうしてもトラブルが起きやすい場所であると言えます。その点を十分頭に置いて、怖くなったら、すぐに誰かに相談して早期に対処をするということを忘れないようにしてください。 *執筆弁護士:若井 亮(若井綜合法律事務所。「迅速対応」「分かりやすい説明」「徹底した報告」をモットーとしている。不当要求への対応、詐欺被害への対応を多く経験している)*画像はイメージです(pixta)【弁護士が教える!】売掛金や高額請求…注意すべきホストでのトラブルとその対処法はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。【弁護士が教える!】売掛金や高額請求…注意すべきホストでのトラブルとその対処法はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。
2018年12月04日女子高校で教師をしているAさん(男性)は、生徒の対応に頭を悩ませています。非常に反抗的で、体育の授業後などに教室に入ろうとすると「まだ着替え中」などと入室を拒否され、授業が30分以上遅れることもあるそうです。教師によるわいせつ事件が横行する現在では、強行突入することも難しい状況。仮に教室内に入った場合、罪となるのでしょうか? 高島総合法律事務所の高島秀行弁護士にお聞きしました! 教室に入ったら罪になる?高島弁護士:「着替えをのぞく行為となり、軽犯罪法違反となります。」やはり着替えている最中に教室に入り、着替えているところを見てしまうと、罪になってしまうのですね。 着替えが嘘だった場合は?着替えが終わっているにもかかわらず、「着替え中」と生徒が嘘をついている場合、罪になるのでしょうか?高島弁護士:「着替えが終わっているにもかかわらず、着替えが終わらないなどと嘘を言って授業を妨害した場合は、偽計業務妨害罪となります。」 言うことを聞かない生徒を殴ったら?仮に着替えが嘘で、日常的に嘘をつき続けられ、再三注意してもやめない場合、誤って教師が体罰に至る可能性もゼロではありません。正当な理由がある場合でも認めてもらえないのでしょうか?高島弁護士:「体罰で殴れば、暴行罪、けがをすれば傷害罪となります。」いかなる理由があろうとも、暴力は犯罪になってしまうようです。 どうすればいい?教師を下に見て、一向に言うことを聞かない生徒たち。教師はどうすればいいのでしょうか? 高島総合法律事務所の高島秀行弁護士に見解を伺うと…高島弁護士:「上記の解決方法としては、ほかの教員などの協力が必要となります。まず、体育の授業が終わってから次の授業開始まで、十分に着替えられる時間が確保されているかの確認が必要です。移動時間や体育用具の片付け時間などもあります。時間が確保されている場合、着替えが終わらない理由を確認する必要があります。着替えについては、女性教員などの女性職員が着替えの終了を確認する体制が必要かもしれません。上記を含め、生徒が言うことを聞かないのであれば、時間を割いて生徒と話し合う必要があります。それでも言うことを聞かないのであれば、親に協力を求めることになるかと思います。」 体罰に情状酌量の余地はない高島弁護士:「生徒にからかわれていると思うので、教員側の対応が真剣ではないことから生徒もまた同じことを繰り返すのであって、教員側がからかわれていると思っても、事実関係や原因を調査し、それを解決する方法がないかなど、真摯に問題に向き合えば、そのようなことは起きなくなると思います。そのような教育や指導で解決する問題であって、(特に学校では)着替え中に男性教員が教室に入ったり、言うことを聞かないから体罰を加えたりしてよいということにはなりません。いずれの行為も男性教員が行えば、犯罪となり、情状酌量の余地はないと思います。情状酌量は、問題解決に向けて、男性教員が努力をしたにもかかわらず、生徒たちが言うことを聞かずに反抗的な態度を取ったような場合だと思いますが、上記のような解決の具体的方法を取っても、生徒たちが反抗するということはあまりないと思います。質問者は教育者なのですから、生徒にからかわれて頭にきたからといって、どうしたらやり返せるかを考えるのではなく、生徒がそのような問題行動を取らないためには、どのように教育したらよいかを考えるべきということになります。」いかなる理由があろうとも、着替え中と主張する女子生徒がいる教室への男性教師の突入や暴力は犯罪行為。学校全体で問題に取り組み、解決していくことが求められます。 *取材対応弁護士:高島秀行(高島総合法律事務所。相続・遺産分割をする前に読む本」「訴えられたらどうする!!」等の著作もあり、相続・遺産分割問題について詳しいベテラン弁護士。ブログ「資産を守り残す法律」を連載中)*取材・文:櫻井哲夫(本サイトでは弁護士様の回答をわかりやすく伝えるために日々奮闘し、丁寧な記事執筆を心がけております。仕事依頼も随時受け付けています)反抗的な生徒に苦しむ女子高の男子教師「指導」の体罰でも罪になるのか?はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。反抗的な生徒に苦しむ女子高の男子教師「指導」の体罰でも罪になるのか?はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。
2018年11月26日30代男性のAさんは、妻から「離婚してほしい」と迫られ、困惑しています。その理由は、「妻に離婚したいワケ」を聞いても、言おうとしないからだそう。Aさんは「仕事で家を空けることが多く寂しい思いをさせてしまったのは事実だが、収入もそれなりにあり、幸せな生活を送っていると思っていたのに。もしかすると不倫しているのでは?」と憤りを覚えています。結婚生活を続けたいAさんですが、妻は「できない」の一点張り。「せめて理由を教えろ」と言っているのですが…。このような場合、離婚は認められるのでしょうか?法律事務所アルシエンの日高義允弁護士に見解を伺いました。 Q.妻が離婚を申し出ているが、理由を言わない。離婚することはできる?A.裁判離婚まで進むと、理由を説明しないで離婚することはできません日高弁護士:「離婚は、協議、調停、訴訟と段階的に進んでいきます。協議や調停は話し合いで解決する場ですので、夫側が離婚に応じない限り、離婚は成立しません。そのため、妻側としては、夫が協議ないし調停離婚に応じないのであれば、離婚訴訟をする必要があります。離婚訴訟では、離婚を求める妻側で離婚原因を主張立証しなければならず、理由を明らかにしないまま訴訟で離婚を求めることは困難になります。そのため、夫側がどうしても理由を知りたいのであれば、理由を説明しない限り離婚に応じないと頑なになってしまえば、妻側は、遅くとも裁判をして離婚原因を明らかにするか、裁判自体をあきらめる(=離婚自体をあきらめる)かということになります。もっとも、裁判で明らかにしなければならない「離婚原因」というのは、不貞など民法で列挙されている事情に限ります。明かにされる理由は、その限度ですので、例えば、「ほかに好きな人ができた」とか「性格が合わない」とかいったように、民法の離婚原因に該当しにくい理由については、必ずしも明らかになるわけではないですし、本音が分かるわけではありません。」「理由は言えないけど離婚したい」という希望を聞くことはありますが、裁判まで進むのは心理的にも、時間的にも負担がかかります。円満な離婚を望むのであれば、できる限り理由をきちんと説明して、相手の納得を得ることが望まれます。*取材対応弁護士:日高義允(法律事務所アルシエンIT法務と刑事事件に注力しています。IT法務では、システム開発、アプリ開発、WEBサービス等をめぐる紛争や契約書・利用規約作成等に対応しています。また、刑事事件では、若手経営者からの依頼も多く、経営周りも含めたサポートを心がけています)*取材・文:櫻井哲夫(本サイトでは弁護士様の回答をわかりやすく伝えるために日々奮闘し、丁寧な記事執筆を心がけております。仕事依頼も随時受け付けています)妻が「離婚したい」と一点張りで理由の説明を一切拒否!これで離婚できるの?はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。妻が「離婚したい」と一点張りで理由の説明を一切拒否!これで離婚できるの?はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。
2018年11月26日Aさん(50歳男性)は、現在怒りに震えています。ある日、家に帰ってみると妻が3歳の子供を放置し、「出ていきます」と書き置きを残して去ってしまったのです。突然子供と2人の生活を強いられたAさんは、母の協力を仰ぎ、必死に子育てと仕事を両立させます。子供は母親がいないことに戸惑いを見せることも多く、申し訳ない気持ちでいっぱいだったそう。 妻が別の男と暮らしていた子供の手がかからなくなってきたある日、知人から「妻が別の男とある場所で暮らしている」と情報が入りました。見に行ってみると、そこにはまるで夫婦のように振る舞う妻の姿が。自分と子供を捨て、別の男に走った妻に未練はありませんが、苦労を強いられたこと、子供に寂しい思いをさせたことについては腹立たしく思っており、慰謝料を請求したいと考えています。このような場合、夫から妻に慰謝料を請求することは可能なのでしょうか?高島総合法律事務所の理崎智英弁護士に見解を伺いました。 慰謝料の請求は可能なのか?理崎弁護士:「夫が妻に対して慰謝料を請求する理由としては、夫婦の同居義務違反が考えられます。法律上、夫婦は同居して生活しなければならない義務を負っています(民法752条)。妻がこの義務に違反して、正当な理由もなく長期間別居している場合には、夫婦の同居義務違反として、慰謝料の対象となる可能性があります。正当な理由とは、単身赴任による別居や、配偶者の暴力から逃れるための別居などですが、本件では、妻は子どもを置いて突然蒸発したということなので、別居には正当な理由はないと思います。」 長時間の別居は離婚事由にもなる理崎弁護士:「また、正当な理由がない長期間の別居は、「悪意の遺棄」(民法770条1項2号)あるいは「婚姻を継続し難い重大な事由」(民法770条1項5号)として、離婚理由にもなり得ますので、妻の別居が理由で夫婦が離婚することになった場合、妻は離婚による慰謝料を支払う義務も負うことになります。さらに、夫婦の収入にもよりますが、妻の別居中、夫が子の養育監護をしていますので、原則として、夫は、妻に対して婚姻費用の請求をすることができます。もし夫婦が離婚して、夫が子の親権者になった場合には、夫は、妻に対して子の養育費を請求することができます。」 迷わず行動を慰謝料と聞くと妻から夫に請求するものというイメージがあり、男性は尻込みするケースもあるようですが、Aさんのように相手の蒸発という自分勝手な行動に耐え頑張ってきたのなら、やはりもらうものはもらうべきでしょう!もちろん女性もですが、結婚相手が蒸発してしまった場合は、弁護士のアドバイスなどを聞きながら、行動に出ましょう。 *取材対応弁護士: 理崎智英(高島総合法律事務所。弁護士登録以来、離婚や不倫問題を中心に取り扱っており、多数の解決実績がある)*取材・文:櫻井哲夫(本サイトでは弁護士様の回答をわかりやすく伝えるために日々奮闘し、丁寧な記事執筆を心がけております。仕事依頼も随時受け付けています)自分と子供を捨て蒸発した妻が別の男と暮らしていた! 慰謝料を請求することは可能?はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。自分と子供を捨て蒸発した妻が別の男と暮らしていた! 慰謝料を請求することは可能?はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。
2018年11月20日結婚後、子供が生まれてから離婚し、再婚するケースは増えています。子連れ婚をする人もいることでしょう。50代男性のAさんもその1人。40代で妻に先立たれ寂しい思いをしていましたが、ようやく春が訪れ再婚することになったそうです。 思わぬ障害が幸せな結婚と思いきや、予期せぬ障害が発生しました。前妻との間に設けた2人の子供が再婚に反対しているのです。Aさんは社会地位が高く財産もあるため、子供たちは「財産を新妻に取られてしまうのでは」と不安を感じているようです。Aさんも新妻も財産には興味がなく、大半を子供に残したいと考えています。懐疑心を持っている子供たちに信じてもらうためにはどうしたらいいのか、頭を悩ませています。なにか方法はないのでしょうか?秋葉原よすが法律事務所の近藤美香弁護士に見解を伺いました! なにか方法がある?「再婚後にAさんまたは新妻が高収入を得るなどして資産を形成したとすれば、その分は財産分与の対象となります。Aさんが死亡した際の相続については、何もなければ原則として遺産の2分の1が新妻の取り分になります。これを避けるためには、すべての財産を子供に残す旨の遺言を作成しておく方法が考えられます。ただ、その場合でも配偶者には遺留分(4分の1)がありますので、財産はすべて子供に譲るという遺言を残したとしても、新妻から子供たちを相手に遺留分減殺請求がなされたら、遺産の4分の1を渡さざるを得ないことになります。なお、『子供たちに生前贈与することで遺産や新妻の遺留分を小さくできるのでは?』とお考えの方もいらっしゃるかもしれません。しかし民法では、当事者双方が遺留分権利者に損害を加えることを知って贈与をしたときは、1年以上前の贈与であっても遺留分を算定するための財産として考慮する、という規定があります(民法1044条)。つまり、遺留分減殺請求を避けるために生前贈与しても、新妻から遺留分減殺請求がなされれば,遺留分として遺産の4分の1を渡さざるを得ないといえます。逆に言えば、遺言を残しておけば残り4分の3の遺産については子供たちに残せるわけですから、遺言を残す意味はあるといえるでしょう。ただし、新妻が本気で遺留分さえいらないと考えているのであれば、再婚後に、新妻が遺留分の放棄の手続きを取れば子供たちも安心するかもしれません。ちなみに、遺留分や相続権があるのは、あくまで婚姻届を出した正式な配偶者です。内縁や事実婚カップルには、遺留分も相続権もありません。ただし、内縁や事実婚カップルであっても相続人のない場合は、家庭裁判所の審判によって特別縁故者として相続財産を受け取ることができる可能性はあります(民法958条の3)。」 法律のプロである弁護士なら、Aさんのような悩みを完璧に解決してくれます。一人で悩まず、気軽に相談してみましょう! *取材協力弁護士: 近藤美香(秋葉原よすが法律事務所。家事事件を専門的に取り扱い、500件以上の家事事件を取り扱った経験を持つ。JADP認定の夫婦カウンセラーの資格を保持している。)*取材・文:櫻井哲夫(本サイトでは弁護士様の回答をわかりやすく伝えるために日々奮闘し、丁寧な記事執筆を心がけております。仕事依頼も随時受け付けています)再婚したいのに子供に新妻を「財産目当て」と批判され猛反対!解決方法を弁護士が解説!はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。再婚したいのに子供に新妻を「財産目当て」と批判され猛反対!解決方法を弁護士が解説!はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。
2018年11月20日付き合った相手が「実はとんでもない奴だった」ということはよくありますよね。20代女性のAさんもその1人。Aさんの彼氏は嫉妬深く、何かにつけて干渉してくるモラハラ男でした。Aさんが撮影してSNSに投稿した写真が「変」と感じれば「消せ」と迫る、Aさんの服が気に入らなければ叱りつける…。Aさんは執拗な干渉に耐えきれず、遂に別れることになったのですが、鬱状態になってしまいました。人生を滅茶苦茶にされたと感じているAさんは、元彼に損害賠償を請求したいと考えています。医師から診断書を貰い、後は訴えるだけなのですが、主張が認められるかどうか不安に感じているそうです。実際のところどうなのでしょうか?秋葉原よすが法律事務所の近藤美香弁護士に見解をお伺いしました。 Q.モラハラ元彼のせいで鬱に… 損害賠償を要求することはできる? A.認められない可能性が高い「損害賠償請求が認められるためには、民法709条の定める要件に該当することが必要です。具体的には、権利ないし法律上保護される利益を侵害するような加害行為があった相手に故意・過失があった損害が発生した侵害行為と損害との間に因果関係があったの4点です。ご質問のケースでまず問題となるのは、『①権利ないし法律上保護される利益を侵害する加害行為があった』に当てはまるかどうかでしょう。つまり、『元彼の言動が、他人を鬱病にさせることがある程度確実なほど悪質なものだったかどうか』という点です。元彼の言動が、写真を消すことを要求したり、衣服などのセンスについて小言を言う程度でしたら、残念ながら、権利ないし法律上保護される利益を侵害する加害行為があったとまでは言えないでしょう。全ての人には、憲法で「表現の自由」が保障されていますので、元彼にも、他人の権利を侵害しない範囲で好きな言葉を発する権利があるのです。今回の元彼の発言は、道徳的な問題はあるのかもしれませんが、法的に人の権利などを侵害するものとまでは言えないでしょう。元彼の言動が気に入らなかったのであれば、即別れを告げて今後会わないようにする、という選択肢もあったはずです。そのような選択をせず、敢えて交際を続けた結果として鬱病になってしまったとしても、元彼に対する損害賠償請求は認められないと考えられます」Aさんが不憫に感じられるかもしれませんが、元彼にも権利があります。損害賠償は、認められません。 *取材協力弁護士: 近藤美香(秋葉原よすが法律事務所。家事事件を専門的に取り扱い、500件以上の家事事件を取り扱った経験を持つ。JADP認定の夫婦カウンセラーの資格を保持している。)*取材・文:櫻井哲夫(本サイトでは弁護士様の回答をわかりやすく伝えるために日々奮闘し、丁寧な記事執筆を心がけております。仕事依頼も随時受け付けています)元彼のモラハラでうつ病になって…絶対許せない!損害賠償請求は可能?はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。元彼のモラハラでうつ病になって…絶対許せない!損害賠償請求は可能?はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。
2018年11月20日ある会社に勤めているAさんは、海外旅行のため1ヶ月前に有給休暇を申請。会社から承認され、飛行機やホテルの手配も終え、期日を待つばかりとなっていました。ところが出発の1週間前になり、会社から「忙しいから出て。承認取消」と通告を受けたのだそう。Aさんは当然怒りに震え、「そんなものは無効だ!旅行にも予定通り向かう」と息巻いています。しかしAさんには、「通告に逆らったらクビにされるのではないか…」という不安もあるとのこと。このような直近での「休暇承認取消」は有効なのでしょうか?弁護士法人エースの竹内省吾弁護士に見解を聞いてみました! Q.一ヶ月前に承認した有給休暇を直前に取り消し…これは認められる? A.認められません竹内弁護士:「有給休暇は労働基準法で決められた権利で、かつ、その労働者の日時指定により決定されるものです。会社は、社員の有給休暇について時季変更権を有してはいますが、このケースのように一度承認している場合、時季変更権は行使できなくなります。承認は社員が休む権利を認めるものではありませんが、承認があると、原則として休暇を動かすことはできなくなります。特別休暇でも、一度承認した以上は、一方的に会社側から取り消すことはできず、あくまで、お願いベースということになります」一度承認した有給休暇は、時季変更権を有している会社であっても動かすことは難しいとのこと。話し合いは必要になりますが、Aさんのようにすべての休暇予定を組んでしまっている場合は、「無理です」と断りましょう。 *取材協力弁護士:竹内 省吾(弁護士法人エース。企業法務・交通事故・不倫問題・残業代請求をはじめ、多岐分野に対応。弁護士とパラリーガルの緊密な連携により最短ルートで最善の解決へ。)*取材・文:櫻井哲夫(本サイトでは弁護士様の回答をわかりやすく伝えるために日々奮闘し、丁寧な記事執筆を心がけております。仕事依頼も随時受け付けています)旅行のため1ヶ月前に有給休暇を取得したのに突然の取消通告!怒りの反論は通用する?はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。旅行のため1ヶ月前に有給休暇を取得したのに突然の取消通告!怒りの反論は通用する?はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。
2018年11月02日昨今、社員の健康管理などの観点から「ストレスチェック」を実施している企業があるようです。予め用意された質問に答えることで「自分にかかっているストレス」を計測するものです。Aさん(20代・女性)は、3ヶ月に1回、会社から半ば強制的にストレスチェックを促されていますが、「自分のパーソナルな情報を会社に知られたくない」「セキュリティーが不安」と感じていて、できれば拒否したいと考えています。若い女性の場合は、データを悪用されかねないと不安になるのも当然ですよね。ストレスチェックを拒否することはできないのでしょうか?弁護士法人エースの竹内省吾弁護士に真相を聞いてみました! Q.会社がストレスチェックを半ば強制的に受けるよう指示してくる。断っても問題ない?A.問題ありません竹内弁護士:「そもそもストレスチェックは、事業者に対し、従業員への受検を“勧めることができる”ものとされています。したがって、従業員が受検を強制されるいわれはありません。そもそも法的に受検義務がないので、断ることは可能です」少々勇気がいるかとは思いますが、ストレスチェックは義務ではありません。嫌な場合は、きっぱりと断りましょう。 *取材協力弁護士:竹内 省吾(弁護士法人エース。企業法務・交通事故・不倫問題・残業代請求をはじめ、多岐分野に対応。弁護士とパラリーガルの緊密な連携により最短ルートで最善の解決へ。)*取材・文:櫻井哲夫(本サイトでは弁護士様の回答をわかりやすく伝えるために日々奮闘し、丁寧な記事執筆を心がけております。仕事依頼も随時受け付けています)会社のストレスチェックが嫌すぎて逆にストレス!断っても問題無い?はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。会社のストレスチェックが嫌すぎて逆にストレス!断っても問題無い?はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。
2018年11月02日夫の不倫は妻にとって許せるものではありません。なかには、思いもよらない過激な復讐を行う妻もいます。例えば…実際に賞味期限切れのイカを食べた夫は、会社を早退し病院に駆け込んだそうです。また、夫の使うタオルを少量の洗剤で、足ふきマットと一緒に洗ったり、夫の使うお皿は水でさっと流したりしただけ、なんて復讐話もあります。 ネットで見る分には、ある種、笑い話しともいえますが、友人や身近な人がこんなことをしていたら、正直筆者はドン引きします。 このような夫は何も知らないまま、不衛生な環境で生活していることになります。いつ病気になってもおかしくないですよね。 妻がこのような行為をした場合、夫の不倫が原因であっても、夫からの離婚請求は認められるのでしょうか? このような復讐が行われていた夫婦の離婚について、【虎ノ門法律経済事務所の齋藤弁護士】に聞いてみました。 Q1:夫の不倫が原因とはいえ、故意に不衛生な環境で夫を生活させることは違法ですか?齋藤弁護士違法行為になり得ます。不衛生な環境を積極的に作り出す行為そのものは、「夫婦だから」といって許されるものではありませんよね。 これが継続的であれば、場合によっては、不法行為(故意に他人の権利や利益を違法に侵害する行為)が成立する余地はあるといえるでしょう。 これが進行していくと、民法770条1項5号(婚姻を継続し難い重大な事由があるとき)における離婚原因にもなりえます。 故意にそうした環境を作った場合に限らず、あまりに度が過ぎるのであれば、傷害罪になる可能性があります。ただし、実際に傷害罪として、捜査や起訴に至るとは考えにくいところではあります。 Q2:このような妻の行為は、夫の不倫を理由に妻が慰謝料請求した場合、減額などの影響が出ますか?齋藤弁護士不倫とは不法行為の質、態様が違います。ただし、場合によっては相殺の対象となる可能性があります。とはいえ、そのような行為を証拠に、夫婦関係が破綻していると主張(抗弁)し、慰謝料請求に対する反論の一要素に使うことはできるでしょうね。 Q3:妻のこのような行為に関する証拠を集めるとしたら、どのようなものが有効ですか?齋藤弁護士夫婦関係破綻の抗弁は、慰謝料請求に対する一種の反論ですから、生活の実態を浮き彫りにしていく必要があります。その意味で、日記をつけたり、けんかなどに至った場合には会話内容を録音したり、LINEのやり取りを残したり、日々の痕跡が重要になってきます。 ただ、これらは軽微なものだと思って、捨ててしまう人が多いです。 Q4:妻のこのような行為を理由に、不倫した夫は離婚を切り出せますか?齋藤弁護士ありえるでしょうね。夫婦関係は破綻していると認識できます。もちろん、夫の歯ブラシでの排水溝掃除や賞味期限のイカだけが決定的な理由になることは難しいでしょう。 そうではなくて、イカの例が象徴するように、そのほかにも夫婦の破綻に関するエピソードなど一つひとつの積み重ねが、離婚理由になると考えられます。 弁護士は、それを一つひとつ丹念にヒアリングしています。 まとめ根本的な原因が夫の不倫であっても、感情に任せて復讐をしてしまうと、夫婦関係の修復が不可能になるだけではなく、離婚を決意した場合、妻が損をすることになります。 そもそも、民法の概念として『自力救済の禁止』というものがあります。これは、権利侵害の被害に遭った人が、司法手続きを取らずに自己の力(物理に限らない)で権利を回収することを禁止する概念です。 要するに、『不倫』という権利侵害を受けたからといって、復讐することは根本的に禁止されているのです。不倫をされた場合は、損をしないためにも民法に則り、慰謝料を請求しましょう。 *取材協力弁護士: 虎ノ門法律経済事務所池袋支店齋藤健博弁護士(弁護士登録以降、某大手弁護士検索サイトで1位を獲得。LINEでも連絡がとれる、超迅速弁護士としてさまざまな相談に対応。特に離婚・男女問題には解決に定評。今日も多くの依頼者の相談に乗っている。弁護士業務とは別の顔として、慶應義塾大学において助教も勤める。) *執筆・取材:アシロ シェア法編集部(シェア法を盛り上げようと日々奮闘中。執筆いただける弁護士先生募集中です。)不倫夫への復讐で腐ったイカを食べさせる妻…「夫が悪い」で許される?はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。不倫夫への復讐で腐ったイカを食べさせる妻…「夫が悪い」で許される?はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。
2018年10月31日9月30日、関東地方に台風24号が接近。これを受けたJR東日本は、同日午後20時から一部の路線で全面運転見合わせの措置を取りました。 経営者からは不満も…この件については「早く帰れた」「事前予告で対策が立てやすくなった」とおおむね好評でしたが、スーパーや飲食店の経営者からは「売上が減った」と不満が上がりました。駅前の商業施設は、電車が止まってしまえば当然人が来なくなってしまいます。小さな飲食店になると、「売上ゼロ」なんてことにもなりかねません。いくら台風だからとはいえ、勝手に運行を止めてしまうのは、納得がいかないもの。JR側に損害を請求することはできないのでしょうか?虎ノ門法律経済事務所池袋支店の齋藤健博弁護士に見解をお伺いしました。 JRに損害賠償を請求できる?齋藤弁護士:「実は運送契約を締結すると、約款といって、自動的に適用される規則があります。運送契約締結では、約款に記載された事項を事前に承諾していることを前提としています。JRの場合、この約款は旅客営業規則という名で定められています。旅客営業規則によると、各種乗車券を使った乗車に対する対価として運賃が必要であることが読み取れます。これを踏まえると、台風による運休の際には損害賠償請求できて然るべきとも思われるかもしれません。しかし、旅客営業規則には、運行不能・遅延に関する以下の規則も定められています。(列車の運行不能・遅延等の場合の取扱方)第282条旅客は、旅行開始後又は使用開始後に、次の各号の1に該当する事由が発生した場合には、事故発生前に購入した乗車券類について、当該各号の1に定めるいずれかの取扱いを選択のうえ請求することができる。ただし、定期乗車券及び普通回数乗車券を使用する旅客は、第284条に規定する無賃送還(定期乗車券による無賃送還を除く。)、第285条に規定する他経路乗車又は第288条に規定する有効期間の延長若しくは旅客運賃の払いもどしの取扱いに限って請求することができる。(1)列車が運行不能となったときイ第282条の2に規定する旅行の中止並びに旅客運賃及び料金の払いもどしロ第283条に規定する有効期間の延長ハ第284条に規定する無賃送還並びに旅客運賃及び料金の払いもどしニ第285条に規定する他経路乗車並びに旅客運賃及び料金の払いもどしホ第287条に規定する不通区間の別途旅行並びに旅客運賃及び料金の払いもどしヘ第288条に規定する定期乗車券若しくは普通回数乗車券の有効期間の延長又は旅客運賃の払いもどし(2)列車が運行時刻より遅延し、そのため接続駅で接続予定の列車の出発時刻から1時間以上にわたって目的地に出発する列車に接続を欠いたとき(接続を欠くことが確実なときを含む。)又は着駅到着時刻に2時間以上遅延したとき(遅延することが確実なときを含む。)イ第282条の2に規定する旅行の中止並びに旅客運賃及び料金の払いもどしロ第283条に規定する有効期間の延長ハ第284条に規定する無賃送還並びに旅客運賃及び料金の払いもどし(3)車両の故障その他旅客の責任とならない事由によって、当該列車に乗車することができないときイ第282条の2に規定する旅行の中止並びに旅客運賃及び料金の払いもどしロ第283条に規定する有効期間の延長2旅客は、旅行開始前又は使用開始前に、前項各号に定める事由が発生したため、事故発生前に購入した乗車券類(定期乗車券及び普通回数乗車券を除く。)が不要となった場合は、これを駅に差し出して、すでに支払った旅客運賃及び料金の払いもどしを請求することができる。ただし、乗車券、自由席特急券、特定特急券、普通急行券及び自由席特別車両券にあっては、その乗車券類が、有効期間内(前売のものについは、有効期間の開始日前を含む。)のものであるときに限る。上記のとおりです。よって、一定の場合の払い戻しはできるとしても、因果関係や損害の立証などの観点から、損害賠償請求は難しいでしょう」不満に思う気持ちも理解はできますが、損害賠償を請求することは不可能なのですね。 まとめJRは今後も台風などによって運行に支障が出る場合は、「計画運休をする可能性ある」と話しています。そのことを踏まえた営業計画を練るほかありませんね。 *取材協力弁護士: 虎ノ門法律経済事務所池袋支店齋藤健博弁護士(弁護士登録以降、某大手弁護士検索サイトで1位を獲得。LINEでも連絡がとれる、超迅速弁護士としてさまざまな相談に対応。特に離婚・男女問題には解決に定評。今日も多くの依頼者の相談に乗っている。弁護士業務とは別の顔として、慶應義塾大学において助教も勤める。)*取材・文:櫻井哲夫(本サイトでは弁護士様の回答をわかりやすく伝えるために日々奮闘し、丁寧な記事執筆を心がけております。仕事依頼も随時受け付けています)不満の声も出たJR東日本の計画運休売上減の経営者が損害賠償を請求することはできる?はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。不満の声も出たJR東日本の計画運休売上減の経営者が損害賠償を請求することはできる?はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。
2018年10月29日飲食店に勤めるMさんは、最近ストーカーに苦しんでいます。ある日、Mさんがアルバイトをしていると、3年前に別れた男が店に来て、自分を見ていることに気付きました。「まじキモい!無理!」と感じていると、さらに悲劇が。その元彼のSNSを見ると、「彼女の写真♡」などという身の毛もよだつコメントとともに、自分の写真が上がっていたのです…!元彼の気持ちが悪すぎる行いに、命の危険を感じています。 困り果てる女性元彼がストーカーになってしまった原因は何だったのでしょうか。女性は「『他に好きな人ができた』と一方的にメールを送り付け、連絡を絶ち行方をくらませたからではないか」と分析しています。話を聞く限り、自業自得な感じもするのですが、ストーカー行為は重大犯罪の危険性をもあるため、このままでいいはずがありません。女性は今後どうすればいいのでしょうか?虎ノ門法律経済事務所池袋支店の齋藤健博弁護士に見解をお伺いしました。 どうすればいいのか?齋藤弁護士:「ストーカー被害は深刻で、場合によっては被害者に命の危険を感じさせるなど、大きな不安を植えつけます。SNSに勝手に写真を上げる行為などは当然ながら、プライバシー権の侵害になります。差し止めや損害賠償請求の対象となりますが、まずは内容証明郵便などで相手に対して明確な警告を出してください。相手は自分の行為が権利侵害行為、不法行為であると自覚していないことがほとんどなので、法に則った制裁措置も考えていることを示してやる必要があるのです。ストーカー行為があまりにもひどい場合には、民事保全手続きや訴訟などの法的手段も考えられます。しかし私としては、そのような行為が他人の権利を侵害していることを、相手に明確に自覚させることが先決だと思っています。お互いに、ことを荒立てたくないという気持ちもあるでしょう。ただし、ある意味では毅然とした態度をとる必要もあります。そのため、上記手段はあり得ますね」しっかりとした手順を踏み、それでも改善しない場合は、法的手段に出ることもできるようです。 毅然とした態度をストーカー行為をしている人は、「無意識」であることも多いもの。まずは相手に「権利を侵害されて迷惑している」ということを明確にするなど、「毅然とした態度」をとることが被害を防ぐ第一歩になります。また、ご自身へ一方的に好意を寄せる人や交際相手をストーカー化させない努力も大事。別れを切り出す際には、相手を刺激しないよう注意したほうがいいかもしれませんね。 *取材協力弁護士: 虎ノ門法律経済事務所池袋支店齋藤健博弁護士(弁護士登録以降、某大手弁護士検索サイトで1位を獲得。LINEでも連絡がとれる、超迅速弁護士としてさまざまな相談に対応。特に離婚・男女問題には解決に定評。今日も多くの依頼者の相談に乗っている。弁護士業務とは別の顔として、慶應義塾大学において助教も勤める。)*取材・文:櫻井哲夫(本サイトでは弁護士様の回答をわかりやすく伝えるために日々奮闘し、丁寧な記事執筆を心がけております。仕事依頼も随時受け付けています)元彼がキモすぎるストーカーに変貌!女性はどう対処するべきなの?はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。元彼がキモすぎるストーカーに変貌!女性はどう対処するべきなの?はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。
2018年10月29日とんでもない離婚騒動も、今回でひとまず最終回です。最後に、よし夫に慰謝料を請求した場合、まゆこはどのくらいの慰謝料をもらえそうか、【高島総合法律事務所 理崎弁護士】にお聞きしました! そもそも慰謝料はどうやって決まる?慰謝料は、配偶者から受けた精神的苦痛に対し、償いの意味を込めて支払う金銭です。そのため、実際に受けた被害の状況、夫婦が抱える問題や事情などを考慮して計算されます。 慰謝料計算で考慮されるポイントとして、以下のようなものがあると考えられています。 婚姻期間の長さ被害を受けていた期間被害の状況加害者側の事情夫婦関係が悪化する前の夫婦関係 では、散々な目に遭ったまゆこの慰謝料はいくらになるのでしょうか。 慰謝料に考慮されそうなまゆことよし夫のアレコレまず、まゆことよし夫(元)夫婦の状況を整理してみました。【夫婦の状況】まゆこ:現在42歳で、正社員で働いている。初婚。よし夫:現在45歳で、正社員で働いている。再婚。婚姻期間:10年離婚原因:よし夫が一方的に家を出て行った。よし夫の主張は「まゆこからのDV、家事・育児放棄」だそうです。悪化する前の夫婦関係:良好。直前の休日には、2人で映画を見に行くほど…。 【よし夫が家を出た後の夫婦の状況】まゆこの承諾なしに離婚届を提出した。共同口座の預金をすべてよし夫が持って行ったため、まゆこは今までの生活水準を保てず、苦しい生活を送ることになった(よし夫は高収入なので、十分な資産を持っている)。家を出てから子供に一切会わせてもらえなかった。よし夫は、結婚時に離婚届を書かせたり、家事を放棄していたと証明するための写真(部屋が荒らされている)を撮っていたりしたことから計画的だったと考えられる。 見れば見るほど、よし夫はとんでもない男ですよね。慰謝料はいったいどのくらいになるのでしょうか…。 【高島総合法律事務所 理崎弁護士に聞いた!】まゆこの慰謝料額はいくら?Q.まゆこの慰謝料はいくらになりそうですか? A.理崎弁護士:よし夫に婚姻関係破たんの原因がある場合、判決で認められる慰謝料は200~300万円です。この金額は、よし夫がまゆこに無断で離婚届を提出していること、まゆこが家事を放棄していることなどが考慮されています。 Q.証拠(よし夫が撮影した、家事を放棄していたと証明するための写真など)が偽造でもこの金額ですか? A.理崎弁護士:証拠の偽造と慰謝料の増額はストレートには結び付きませんが、裁判官のよし夫に対する心証が悪化するので、慰謝料増額の判断に傾く可能性はあるかもしれません。 まとめできれば、よし夫からもっと高額な慰謝料を獲得したかったまゆこ。とはいえ、増額判断に傾く可能性もあるので、期待したいところです。 また、理崎弁護士に、まゆこに離婚取消しをできる可能性があるのかを聞いてみたところ、 「離婚届に勝手に手を加えられて提出された場合には、家事を放棄したとか関係なく、それだけで婚姻無効の原因にはなります」 との回答がありました。なんだか希望が見えてきた気がします…。 まゆこの戦いはまだ続いています。今後も何か動きがあれば番外編として、配信していこうと思います!…つづく?*監修弁護士:理崎智英弁護士(高島総合法律事務所。弁護士登録以来、離婚や不倫問題を中心に取り扱っており、多数の解決実績がある。)【最終回!】私の知らぬ間に離婚が成立していた!? 元夫との壮絶法廷記④はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。【最終回!】私の知らぬ間に離婚が成立していた!? 元夫との壮絶法廷記④はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。
2018年10月17日子供がほしいと考えている人は多いでしょう。しかし、さまざまな事情で妊娠することが難しくなることがあります。そのようなとき、どうしても子供がほしいという人は、別れるという選択肢が浮かぶかもしれません。一方、「別れたくない」という感情から、不妊を抱えている側はそれを隠したいと思うこともあり得ます。 後に不妊が発覚するケースも少なくない事例として、不妊であることを隠し婚約し、後に発覚してしまうケースがあります。こうなると、事実を知った側は少なからずショックを受けてしまい、婚約の破棄を検討することもあるでしょう。さらに「許せない」と感じた場合は、慰謝料の請求なども検討したいところ。そのようなことは可能なのでしょうか? 高島総合法律事務所の理崎智英弁護士に見解を伺いました。 正当な理由があれば婚約破棄は可能理崎弁護士:「一度有効に成立した婚約であっても、その後絶対に破棄することが出来ないということはありません。ただし、婚約解消に「正当な理由」がなければ、相手に対して慰謝料を支払う義務が生じます。正当な理由は、離婚事由(民法770条1項)と同じように考えればよいでしょう。すわなち、婚約者が浮気をしたとか、婚約者に暴力をふるわれたとか、婚約者が回復不能な精神病にかかったなどの事実があれば、婚約破棄の正当な理由として認められると考えます」 不妊は「正当な理由に」該当する?理崎弁護士:「それでは、配偶者の不妊は、婚約破棄の「正当な理由」として認められるのでしょうか。この点、古い裁判例ですが、婚約成立後、男性が性的に不能であることが判明したため、女性のほうから婚約を解消したことに対して、男性が女性に婚約の不当破棄を理由に慰謝料の支払いを求めた事案において、裁判所は、婚約の解消には正当な理由があるとして、男性からの慰謝料請求を認めませんでした(千葉地裁佐倉支部昭和28年1月23日判決)。上記裁判例の判断に従えば、本件でも女性の不妊が判明した以上、男性からの婚約解消には「正当な理由」が認められ、女性の男性に対する慰謝料請求は認められないように思われます。この点、今から自分の子孫を残す、ということは婚姻生活において重要な要素の一つだと考えられますので、婚約相手の不妊が判明した以上、婚約を破棄するだけの正当な理由にはなり得ると思います。ただし、上記裁判例が出たのは今から65年も前のものであり、その後、夫婦の結婚観、子ども観は相当変化しておりますので、上記裁判例の判断が現在でもそのまま通用するとは言えないと思います。また、婚約者が結婚に期待することは人それぞれですので、婚約者の不妊が判明したことだけで、即婚約破棄の正当理由とすることは妥当ではないと考えます」「不妊での婚約破棄」が正当な理由になるか否かについては、判例が少ないだけに意見の分かれるところであるようです。不妊が発覚した場合でも、交際相手を愛するのが「真の愛情」のように思えますが、事情は人それぞれ。悩んでいる場合は弁護士に相談してみるとよいかもしれませんね。 *取材対応弁護士: 理崎智英(高島総合法律事務所。弁護士登録以来、離婚や不倫問題を中心に取り扱っており、多数の解決実績がある)*取材・文:櫻井哲夫(本サイトでは弁護士様の回答をわかりやすく伝えるために日々奮闘し、丁寧な記事執筆を心がけております。仕事依頼も随時受け付けています)婚約後、相手の不妊が発覚!慰謝料の請求は可能?はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。婚約後、相手の不妊が発覚!慰謝料の請求は可能?はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。
2018年10月09日前回【私の知らぬ間に離婚が成立していた!? 元夫との壮絶法廷記②】では、元夫のよし夫に、離婚を白紙に戻す調停を申立てたまゆこ。有利に見えた調停は、よし夫のとんでもない主張で一転してしまい、勝つか負けるかわからない紙一重の戦いを強いられることになるのでした。 長引く調停の中、よし夫や調停委員・裁判官の立会のもと、まゆこは子供との『試行的面会交流(しこうてきめんかいこうりゅう)』を果たすのでした。 まゆこと子供の交流は、親権獲得に影響を与えるのでしょうか。1年半の間、問題なく養育してきたよし夫。監護実績のあるまゆこ。裁判所が見極める『親権者としてふさわしい親』の判断基準とは、どのようなものなのでしょうか? まゆこが行う『試行的面会交流』とは『試行的面会交流』は別居期間が長く、その間に一度も面会交流が行われなかった場合や、一方の親が面会交流に反対している場合に行われ(まゆこの場合、両方の理由が当てはまります…)、実際に面会交流をして子供に影響はないか、交流に問題はないかを確認します。 面会交流の様子は、調停委員や裁判官、親権者(よし夫)が見守ります。これは、子供が嫌がったり、親が不相応な態度(暴力など)を取ったりした場合に、注意・中断するためです。 また、今後の面会交流の回数や方法を決める基準になったり、親権について争っている場合には、よりふさわしい親権者がどちらかなのかを判断する1つの要因になったりします。 泣くことは許されない!?面会時のルールとは強制的に子供を引き離されて以来、1年半以上話すことすらできなかったまゆこは、子供の姿を遠目に見るだけでも涙があふれそうです。 しかし、泣くことはできません。試行的面会交流が始まる前、まゆことよし夫は『子供の前で泣かない』と約束していたからです。 約束を破った場合、調停委員や裁判官に注意・中断されてしまうかもしれません。最悪、子供への悪影響を懸念され、今後の面会交流の回数や方法が厳しく制限されたり、親権獲得が不利になったりする可能性もあります。 親権獲得へ影響を少しでも小さくするため、歯を食いしばって泣くのを耐えるまゆこ。子供は、幼いながらにまゆこを母親と覚えており、面会交流は無事終了しました。 裁判所が見極める『親権者としてふさわしい親』の判断基準とは裁判所が親権者を決める基準として、以下のようなものがあると考えられます。 子供の監護実績が多い経済的に安定している身体的・精神的に健全である今後の子育ての計画がしっかりしている今までの監護で子供の成長に悪影響を与えていない子供が両親の愛情を感じられるように、適切な面会交流をする意思がある 日本では、『母親である』ということは、親権を争う上で有利になる大きな条件の1つです。理由は様々ですが、子供が幼い内は、父親より母親と一緒にいることが望ましいと考えられていることが大きいでしょう。 また、特別な事情(母親がすぐに働き出した、父親が専業主夫など)がない限り、日本では母親が一日中子供の傍で世話をします。そのため、自ずと母親は監護実績を積むことになりますので、監護実績の長さという側面からみても、母親は有利になるのです。 その他、親権の判断基準について、高島総合法律事務所の理崎 智英弁護士にお聞きしました。 理崎弁護士:裁判所は、子供の幸せを1番に考えていますので、その他にも子供に対する態度も重要になります。例えば、子供に対する虐待などはもちろんですが、一方がもう一方の親の悪口を子供に吹き込んだり、子供がもう一方の親のもとに行かないように、目の前で泣いたりするなど、両親の間で子供が板挟みになってしまうような行いは、親権者としてふさわしくないと判断される可能性があります。 まとめ理想的ともいえる面会交流を行ったまゆこに、よし夫は危機感を覚えます。面会交流を重ねて、子供が母親と住むことを望み、離れたくないという想いが強くなれば、調停で離婚が白紙になったときに親権獲得するのも夢ではないかもしれません。 次回はいよいよ最終回。よし夫の今までの行いを金額にすると、どれくらいの慰謝料を請求できそうか、弁護士に聞いてみました! 次回につづく… *監修弁護士:理崎智英弁護士(高島総合法律事務所。弁護士登録以来、離婚や不倫問題を中心に取り扱っており、多数の解決実績がある。)私の知らぬ間に離婚が成立していた!? 元夫との壮絶法廷記③はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。私の知らぬ間に離婚が成立していた!? 元夫との壮絶法廷記③はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。
2018年10月09日2018年9月3日、日本体操協会の塚原光男副会長と妻の千恵子女子本部長が、『週刊文春』(文藝春秋社)に掲載された自身の記事が不適切として、東京地裁に「掲載禁止の仮処分命令の申し立て」を行ったことが話題になりました。このような出版物の掲載禁止要求は極めて異例で、対応が注目されましたが、東京地裁は5日に「差し止めの要件を充足しない」として却下しています。犯罪行為や不貞など、掲載された内容が真実ならば致し方ない部分もありますが、事実と異なる場合はやはり掲載を差し止めたいもの。そのようなことは可能なのか。また、過去に事例はあるのか。パロス法律事務所の櫻町直樹弁護士に見解をお伺いしました。 ■差し止めは可能なのか?櫻町弁護士:「名誉毀損にあたる記事が公表されそうなときに、これを一般の目に触れないようにするための法的手段としては、今回のような「出版物(週刊誌等)への記事掲載差し止め」という形のほか、出版(製本)差し止め、頒布(販売、配布)差し止めといった形があります。このような「事前の」差し止めが認められるかについてのリーディングケースとしては、最高裁昭和61年6月11日判決(民集40巻4号872頁)があります。この最高裁昭和61年判決は、「人の品性、徳行、名声、信用等の人格的価値について社会から受ける客観的評価である名誉を違法に侵害された者は、損害賠償(民法七一〇条)又は名誉回復のための処分(同法七二三条)を求めることができるほか、人格権としての名誉権に基づき、加害者に対し、現に行われている侵害行為を排除し、又は将来生ずべき侵害を予防するため、侵害行為の差し止めを求めることができるものと解するのが相当」として、「人格権としての名誉権に基づく差止請求」を肯定しました(なお、この裁判自体は、差し止めの可否が直接的に争われたものではなく、雑誌出版差止めを裁判所が認めたことは違法だとして、雑誌の発行会社が国などに対して損害賠償を求めたものです)。ただし、こうした事前差し止めは、表現が一般に伝わる前に制限してしまうものであり、「表現の自由」(憲法21条)に対する重大な制約であることから、差し止めが認められるべきかどうかについては、慎重に判断しなければならないとされています。 ■裁判所の判断は…櫻町弁護士:「この点について上記最高裁昭和61年判決は、「表現行為に対する事前抑制は、新聞、雑誌その他の出版物や放送等の表現物がその自由市場に出る前に抑止してその内容を読者ないし聴視者の側に到達させる途を閉ざし又はその到達を遅らせてその意義を失わせ、公の批判の機会を減少させるものであり、また、事前抑制たることの性質上、予測に基づくものとならざるをえないこと等から事後制裁の場合よりも広汎にわたり易く、濫用の虞があるうえ、実際上の抑止的効果が事後制裁の場合より大きいと考えられるのであつて、表現行為に対する事前抑制は、表現の自由を保障し検閲を禁止する憲法二一条の趣旨に照らし、厳格かつ明確な要件のもとにおいてのみ許容されうる」として、「厳格かつ明確な要件」を満たす場合にのみ、差止請求が認められるとしました。そして、その「厳格かつ明確な要件」について、具体的には「表現内容が真実でなく、又はそれが専ら公益を図る目的のものでないことが明白であつて、かつ、被害者が重大にして著しく回復困難な損害を被る虞があるときは、当該表現行為はその価値が被害者の名誉に劣後することが明らかであるうえ、有効適切な救済方法としての差し止めの必要性も肯定されるから、かかる実体的要件を具備するときに限つて、例外的に事前差し止めが許されるものというべき」としています。今回、文春オンラインの記事によれば、「塚原氏側の代理人弁護士から東京地裁に「掲載禁止の仮処分命令の申し立て」、事実上の出版の事前差し止め請求がなされた。」とありますが、名誉権に基づく差止請求であったのかどうかは不明です(ただし、当該記事が、塚原氏らのパワーハラスメント等について取り上げたものであったとすれば、記事の内容が名誉毀損にあたるとして、名誉権に基づく差止請求として申し立てたものと推測されます)。東京地裁は、この仮処分申請を「差し止めの要件を充足しない」として却下したということですから、差止めが認められる要件を充足していなかったため、裁判所は塚原氏らの差止請求を認めなかったということになりますが、東京地裁が、最高裁昭和61年判決の示した厳格かつ明確な要件、すなわち、「表現内容が真実でなく、又はそれが専ら公益を図る目的のものでないことが明白であつて、かつ、被害者が重大にして著しく回復困難な損害を被る虞があるとき」という要件を用いたとすれば、この要件をクリアするハードルは非常に高いといえます。仮処分の申立てが認められるかどうかも重要ですが、申立てをすること(そして、それを公表すること)によって文春側を牽制するという意図もあったのかもしれませんね」 ■書いたもの勝ちにはならない「表現の自由」に配慮し慎重に判断する必要はあるものの、「厳格かつ明確な要件」を満たしている場合には、出版物の差し止めが認められることもあるようです。「書いたもの勝ち」にならない法律も、しっかりと用意されているのですね。*取材協力弁護士:櫻町直樹(パロス法律事務所。弁護士として仕事をしていく上でのモットーとしているのは、英国の経済学者アルフレッド・マーシャルが語った、「冷静な思考力(頭脳)を持ち、しかし温かい心を兼ね備えて(cool heads but warm hearts)」です。)*取材・文:櫻井哲夫(本サイトでは弁護士様の回答をわかりやすく伝えるために日々奮闘し、丁寧な記事執筆を心がけております。仕事依頼も随時受け付けています)塚原夫妻が『週刊文春』に「掲載差し止め」を要求するも却下認められたことはあるの?はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。塚原夫妻が『週刊文春』に「掲載差し止め」を要求するも却下認められたことはあるの?はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。
2018年10月09日1.厳罰に処すべきか?女性タレントが飲酒運転の上、ひき逃げをしたとされる事件で、そのときの状況が映っていたドライブレコーダーの映像が公開されました。実際にどのような経緯で公開されることになったのかはわかりませんが、仮に運送会社などの車に取り付けたドライブレコーダーのデータが会社から警察に提供され、警察からマスコミに公開されたのであれば、特に大きな問題はないでしょう。それでは、会社の車に取り付けた会社のドライブレコーダーのデータを、従業員が会社に無断で持ち出し、世間の注目を浴びるため、あるいは金銭受領目的で週刊誌などに持ち込んだというようなケースでは、会社との関係では何らかの処分を受けることになるでしょうか?このようなケースにおいて、会社としてはどう対応すべきなのか、考えてみたいと思います。会社のドライブレコーダーのデータは会社の保有する情報ですから、従業員が勝手にこれを持ち出したり、第三者に漏洩したりすることはできません。仮に世間の注目を浴びることが目的であったり、金銭目的であったりした場合には、会社のものを勝手に売って利益を得たということになります。普通に考えれば、厳罰に処するべきということになりそうです。 2.会社の受ける損害は?もう少しよく考えてみましょう。このようなケースでは、会社にどのような損害が発生するでしょうか。ドライブレコーダーのデータは、通常は特に事故などがなければ上書きされていき、消えてしまうものです。会社にとって、それ自体に財産的価値があるわけではありません。会社が受ける損害として考えられるのは、会社に対する社会的評価の低下です。報道されたようなケースでは、データを勝手に売ってしまうような従業員が勤めている会社である、それでも処分もしない会社である、と評価される危険があります。また、職場秩序を維持する必要もあります。このようなケースで厳しく処分しなければ、ほかの従業員も、「相当なお金がもらえる上にクビにならないのであればやった方が得」と考えるかもしれません。このようなことでは、職場秩序を維持できなくなってしまいます。 3.行為の必要性は?一方、このような行為を行う必要性はあるでしょうか。事実を公にするという意味では、公益に資する面はあるかもしれません。しかし、会社がもみ消そうとしているような場合でもない限り、会社に無断ということはあってはならないことですし、データの提供先も警察とすべきでしょう。上記のケースでは、世間の注目を浴びたり、金銭を受け取ったりすることが目的ということですから、目的も不正なものといえます(そもそも、そのような目的を認定できるかどうか、という問題がありますが、会社に無断で、マスコミに提供し、実際に金銭を受領していたという事実が認定できれば、目的も認められると考えます)。 4.会社が取るべき対応は?このように考えると、行為の必要性は認められない一方、会社の職場秩序を維持するためには、懲戒解雇を検討せざるを得ないように思います。ただし、会社に実害はないのではないか、このようなケースはレアケースではないか、一度出勤停止などの懲戒処分をして改善の機会を与えるべきではないか、といった反論(会社にとっては無効リスク)もあり得るので、退職勧奨して退職してもらう、という対応も実務的にはあり得るところかと思います。 筆/杜若経営法律事務所 岡正俊(【使用者側専門40年の圧倒的な実績】【市ヶ谷駅徒歩3分】【弁護士9名在籍】【総合力とチームワーク】杜若経営法律事務所は使用者側労働問題の解決に圧倒的な自信がございます。)【弁護士が解説!】営業車のドラレコ映像を無断でマスコミに提供したら懲戒処分を受ける?はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。【弁護士が解説!】営業車のドラレコ映像を無断でマスコミに提供したら懲戒処分を受ける?はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。
2018年10月03日最近多くの反響をいただいている、シェアしたくなる法律相談所の【実録】シリーズ!今回は、私の友人から聞いたトンデモ話をご紹介します! ことのはじまりSさんは結婚して4年目。やり手個人事業主の旦那さん(以下、Aさん)と息子の3人で、何不自由自由無い暮らしをしていました。しかし、とあるきっかけで知人男性(以下Bさん)とダブル不倫の関係に発展してしまいます。 SさんとBさんのダブル不倫は半年以上継続し、しばらくするうちに「お互い今の相手と離婚して結婚しよう」という誓いを立てました。 …その後、ある日SさんはひょんなことからAさんに不倫関係がバレてしまいます。Sさんはその際に離婚話を切り出すととともに家を出て、Bさんのもとへ向かいました。そして、Aさんに不倫を打ち明けたこと、離婚したいと切り出したことを話しました。 ですが、Bさんの回答は、「やっぱり僕には今の家内と離婚して、君と結婚する決断はできない…」と、結婚を断られてしまいます。 かくしてSさんは、旦那のAさんにも不倫相手のBさんにも見捨てられてしまいました。専業主婦だったSさんには手持ちのお金もありません。男も子供もすべてを失い茫然自失。しばらくの間、実家に戻って空虚な生活を送っていましたが…。1週間経ったある日、Aさんから連絡がありました。 「君がやり直す気があるのであれば、戻ってきてほしい、子供もお母さんに会いたがっているよ」 …と。 Aさんのイケメン具合ヤバくないですか!?こんなにいい旦那さんがいるのに、不倫するなんてけしからんですよまったく!! この連絡に、Sさんはもちろん大喜び。急いで家に戻り、今ではまるで新婚さんかのようにAさんとの惚気話をするほどまで関係修復できたようです。 …しかし、話はこれだけで終わらないのです! その後、トンデモ展開が待っていた!!ここで終わってしまったら、「ただただAさんがイケメンだった」で終わってしまう話なんですよ。 本題はここから…。なんとAさんとSさんのふたりは、「Bさんを訴える!」と言いはじめたそうです。「あたしと旦那の仲を引き裂こうとたぶらかしたんだから慰謝料払え!」って、いちゃもんをつけている訳ですね。自分たちが幸せになっただけでは満足いかず、Bさんを訴えようとしているそのお前らの神経なんなんだよ!! …さて、今回のケースで、SさんとAさんは訴訟を起こして果たして勝てるのでしょうか!?そもそも、SさんとAさんは、Bさんを訴えることができるのでしょうか? 高島総合法律事務所の理崎智英弁護士に見解をお伺いしました! 理崎弁護士:まず、Sさんは不貞行為の当事者(加害者)なので、Bさんを訴えることはできません。Aさんは、Bさんに対して不貞行為を理由とする慰謝料請求をすることができます。次に、Sさんとしては、婚約破棄を理由とする慰謝料請求をすることが考えられます。しかし、SさんとBさんが結婚を約束したのは、ダブル不倫中であり、そのような約束は法的には保護されないので(婚約が成立したとは言えない)、婚約破棄を理由とする慰謝料請求をすることも難しいでしょう。 ――やはり、加害者であるSさんは訴えることができないようですね。ただ、被害者であるAさんは訴えることができるみたいです。ただ、Bさんの妻から反撃を食らうのではないかという可能性も浮上してきたので、こちらに関しても聞いてみました。 編集部:訴えることによって、Bさんの妻から、Sさんが不倫慰謝料請求をされてしまうといった状況も考えられるかと思います。その他、訴えることによってどのようなことが起こるのでしょうか。 理崎弁護士:Bさんの妻としても、AさんがBさんに対してするのと同様に、Sさんに対して慰謝料請求をすることができます。AさんがBさんを訴えたことによって、SさんとBさんの不貞行為がBさんの妻に発覚してしまい、不貞の慰謝料請求のきっかけを与えてしまうということは十分にあり得る話です。SさんもBさんも離婚はしないということであれば、AさんがBさんから慰謝料の支払いを受ける一方、Bさんの妻がSさんから慰謝料の支払いを受けるということは、結局、Sさん夫婦が受け取ったお金が、Bさん夫婦に戻るだけなので、夫婦の財布の紐が共通であるということを考慮すると、Aさんとしても、Bさんの妻としても、慰謝料請求の訴訟を起こすことはあまり意味がないかもしれません。 こちらが離婚しないのでは、訴訟の勝敗がどうあれどのみち意味がないように思えますね…。ただ、ここで訴える側のSさんとAさんが手を組み、Bさんの夫婦関係を壊すという名目であれば、負けのないケンカを吹っかけていることになるのでは…?やり手個人事業主のAさんはお金持ち。慰謝料払うだけで復讐できるのなら安いものなのではっ!? 理崎弁護士:なお、SさんとAさんが結託して、Bさんの夫婦関係を壊すという不当な目的で訴訟を提起した場合であって、訴訟上そのような目的が立証された場合には、Bさんとしては、Sさん及びAさんに対して、不当請求を理由とする慰謝料請求が認められる余地があります。 …さすがにそんなことが許されないようになっているようです。 SさんとAさんは、自分たちの仲が修復できたなら過去を見つめずに、未来を見据えて今後の夫婦生活を送っていただきたいものですね。とはいえ、私はSさんがコロコロと態度を変えて自分に都合の良い男になびくその神経が許せませんけどね…。 *執筆・取材:アシロ シェア法編集部(シェア法を盛り上げようと日々奮闘中。執筆いただける弁護士先生募集中です。)*監修弁護士:理崎智英弁護士(高島総合法律事務所。弁護士登録以来、離婚や不倫問題を中心に取り扱っており、多数の解決実績がある。)【実録】元不倫相手に「あたしと旦那の仲をたぶらかした!慰謝料払え!」は認められる?弁護士に見解を聞いた!はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。【実録】元不倫相手に「あたしと旦那の仲をたぶらかした!慰謝料払え!」は認められる?弁護士に見解を聞いた!はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。
2018年10月02日1「性犯罪」被害に遭った場合にどうすればよいか女性が被害に遭う割合が高い犯罪類型として、「強制わいせつ」「強姦」などのいわゆる性犯罪が挙げられます。一方で、性犯罪は、被害に遭った方が警察に被害を届け出る割合が少ないというデータがあります(平成24年度「犯罪白書」犯罪被害についての実態調査)。その原因は大きく2つあります。1つ目は、誰に何を相談したらよいのかわからなかった、という点。2つ目は、相談すること自体が被害を思い出させることにつながり、被害の届出を断念する方が多い、という点です。1つ目の原因については、もしこの記事を読んでいる方で、ご自身が犯罪被害に遭ったという方や、周囲で被害に遭ったという方がいらっしゃれば、まずは弁護士に相談をしてみてください。全国には、犯罪被害者支援活動を行っている弁護士が大勢いますので、インターネットで、例えば「犯罪被害者支援弁護士」といったキーワードで検索してみると、支援弁護士や、支援弁護士が関与している支援団体のホームページにアクセスすることが可能です。「自分だけがつらい思いをしている現状はおかしい。」「被害に対する謝罪を受け、少しでも傷ついた気持ち回復したい。」「加害者にはきちんと責任を取ってほしい。」「自分の気持ちを整理して前向きになるために、何かできることはないだろうか。」…などの気持ちになったときは、まずは弁護士に相談をしてみてください。 2被害相談の不安を解消するために特に性犯罪の被害に遭われた女性は、被害を受けた事実そのものを思い出すことがつらく、誰かに話してみようという気持ちにすらなれず、被害以来、男性と顔を合わせることにも抵抗を感じる方もいらっしゃると思います。もし、弁護士や支援団体などの各種相談窓口で、犯罪被害に遭った事実を話す際には、「異性には話しづらいので、女性の担当者がいいです」と申し出てみることをおすすめします。法律事務所や支援団体の体制によっては、女性の被害者に対する支援体制が必ずしも完璧とはいえない場合もあります(そもそも男性しか担当者が所属していないなど)。しかし、犯罪被害者支援に力を入れている弁護士は、せっかく勇気を持って相談に来られる方については、できる限り負担のないような環境でお話をしてもらいたいと考えていますから、相談時のご要望があれば遠慮なく伝えていただくべきと思います。 3犯罪被害を警察に届け出たらどうなるか警察に犯罪被害を相談した後は、どのような流れになるのでしょうか。________________________________________①警察署での被害に関する話の聞き取り↓②警察署に「被害届」や「告訴状」を提出↓「刑事事件」として、捜査開始↓〔この間に一通りの捜査を終える〕③警察署から、検察庁に事件の主担当が変わる(「送致」と言います)↓④担当の検察官(検事)が、犯人の処分(正式な裁判にするか、罰金を科すかどうか)を決定する 4「刑事事件」にする場合に考えるべきこともしあなたが、警察に犯罪被害を届け出て、捜査が進み、加害者について裁判が開始されることになったとします。その場合、裁判は誰でも傍聴自由となっていますから、「〇〇さんが、いつ、どこで、性犯罪の被害に遭った」ということが、裁判の中で読み上げられるということになれば、自分の名前や居住地が公になってしまいます。ただ、心配はいりません。刑事裁判では、特に性犯罪の被害者について、検察官に申し出ることによって、被害者の住所や名前をはじめとした、被害者を特定する情報が、裁判の場で公にならないよう、取扱ってもらえます。例えば、検察官が刑事裁判で何かしらの書面を読み上げるとき、本名に代えて「A子」などの仮名を使ったりします。また、あなたが刑事裁判中に、被害者として証人尋問を受けることになった場合も、傍聴人や被告人との間についたてを設けたり(これを「遮へい措置」といいます)、法廷とは別の部屋で尋問を受けたりする(これを「ビデオリンク方式」といいます)こともできる制度があります。なお、遮へい措置やビデオリンク方式は、民事裁判において加害者に対して損害賠償請求をする際にも、利用することができます。※ビデオリンク方式(裁判所HPより)5犯罪被害者として裁判の情報が知りたいとき被害申告の結果、加害者について裁判が開かれることになったとします。しかし、被害者は、原則として、加害者を裁く裁判に出席しなければいけないわけではありません。実際に犯人がいつ起訴され、判決が出て、いつから普通の暮らしを始めるのか、まったくわからないのでは、不安になってしまうでしょう。そうした場合は、被害者は警察や検察庁に対し、加害者の捜査・処分状況、裁判の日程や裁判結果について、通知を求めることができます。 6身近な人から犯罪被害を受けた場合の相談配偶者や、同居中の交際相手からDVを受けた場合、離れて身の安全を守るにはどうしたらよいのでしょうか。夫や同居中の交際相手から身体的暴力を受けた場合、加害男性との接触を避けるため、法律上の手続きとして、「保護命令」の申立が行えます。申立てから10日~12日程度で、裁判所から夫や交際相手に対し、6ヶ月間の接近禁止や、同居中だった住居からの退去、子や親族への接近禁止、などの命令が下されます。保護命令に違反した場合、「1年以下の懲役又は100万円以下の罰金」の罰則が科されます。なお、保護命令の申立に至る可能性を考慮し、男性から身体的暴力を受けた際には、時間を置かずに医療機関を受診したり、警察や配偶者暴力相談支援センターなどへ相談したりして、被害を受けた状況を証拠として残しておくと後々役に立ちます。また、「加害者がいつ現れるか分からないので、同居していた自宅に戻るのが怖い」という方については、民間シェルターへの一時避難も必要に応じて検討した方がいいかもしれません。各地方自治体で、シェルターに関する相談窓口を置いている場合が多いので、事前に問い合わせをしてみましょう。 7加害者から身を隠す場合の注意点加害者に現在の居場所を知られたくない場合の方法・工夫として、以下のようなことが挙げられます。①実際の居場所を教えるのは、最低限の周囲の人間にとどめること②一時避難をする場合は、通常どおり学校や職場に出向くことは危険なため、避けること加害者があなたの学校や職場をすでに知っている場合には、あなたに会うために学校や職場にやって来る可能性があります。避難前後に、学校や職場に事情を話して連絡をするとともに、「加害者から問い合わせの連絡が来ても、居場所などを一切教えないように」と説明をしておくことが必要です。③自宅の電話やパソコンのメールの履歴を消去しておくこと自宅の固定電話やパソコンから知人などに連絡を取っていた方は、その履歴自体を消去しておかないと、加害者が後で通話履歴や送信履歴を調べてあなたの居場所を特定する可能性があるので、関係各所への連絡の痕跡をできるだけ消去しておくことが重要です。④住所録や手帳、子どもの学校の連絡網、病院の診察券など、あなたの行動範囲・交友関係がわかるものは、すべて持ち出して避難すること携帯電話のGPS機能をオンにしておくと、携帯電話の電波の発信場所から現在の居場所を加害者が特定する場合があります。細心の注意を払い、新しく携帯電話の契約をし直すことも検討しましょう。 8加害者との示談の意味・メリットについて犯罪被害に遭った際に、害者側の弁護士から、示談の話を持ち掛けられることがあります。被害者の方に代理人弁護士がついている場合であれば、示談の交渉自体を任せることができますが、そうでない場合は、示談の内容や意味合いについてよく理解しないまま、加害者側のペースで納得いかない示談をしてしまわないよう、注意する必要があります。示談というのは、被害者と加害者との間で、被害者が受けた損害(金銭的なものや精神的なものを含めて)についてのさまざまな約束事を決める、民事上の合意(契約)です。一般的には、「慰謝料」や「解決金」という名目で、加害者が被害者に対し、一定金額を支払う義務を負うことや、被害者が加害者を「許す」とか「加害者に対し処罰を望まない」といった言葉が合意に含まれることが多いです。刑事裁判では、こうした合意を記載した「示談書」が、加害者側にとって有利な証拠として裁判に提出されることになります。これにより、示談の成立を裁判官が認めると、最終的に加害者に下される処分(判決内容)も軽くなります。また、刑事裁判が終了しても示談の効力は生き続けるので、もし示談書に記載された約束事を加害者が反故にした場合、合意に反する行為をしたとして、加害者に対し、民事上の損害賠償請求を行うことも可能です。場合により、被害者の方は、加害者側が提示した条件をそのまま呑むのではなく、被害者の心情や生活状況などに配慮した内容を、合意に盛り込むこともできますので、弁護士に相談してみるとよいでしょう。また、加害者側から提示された慰謝料などの金額が、相場として適切なのかどうかについても、弁護士に尋ねてみてください。 執筆/シティ総合法律事務所奧野舞(「弁護士」というと、敷居が高く、話しにくいと思われるかもしれませんが、我々自身、そういう弁護士は苦手で、親身に温かく皆様のお悩みをお聞きする温かい法律事務所であると自負しておりますので、どうぞご安心して、何でもお気軽にご相談ください。)【女性必見!】もしも犯罪被害に遭った時、知っておきたい知識8選はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。【女性必見!】もしも犯罪被害に遭った時、知っておきたい知識8選はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。
2018年09月27日芸能界やテレビ局は、スタッフの働き方が極めて特殊な業界ですので、一般的な労務管理のマニュアルや契約書の雛型はほとんど通用しません。 例えば、ある1つのテレビ番組の制作チームは、複数の番組制作会社のスタッフで構成されるのが一般的です。それでは、制作会社Aのディレクターと、別の制作会社BのADが一緒にロケに行くことになった場合、誰がそのADの勤務時間を管理するのでしょうか?制作会社Aのディレクターの判断で、ロケの途中で勝手に帰らせたりできるのでしょうか?災害現場での取材なら、安全管理は誰が責任を持つのでしょうか?そもそも、指揮命令関係がないはずの別会社のディレクターからの指示に、ADは従う必要があるのでしょうか?どれも非常に難題です。 また、番組制作に関わる会社同士の権利義務関係も大変複雑です。番組制作には、テレビ局や制作会社、芸能プロダクションだけでなく、キャスティング会社やリサーチ会社も関わっています。各社は互いにどういった契約を交わしているのでしょうか?そもそも、契約を交わしているのでしょうか?交わしていても、その番組制作に必要な業務と照らし合わせて、適切な内容が反映された契約書なのでしょうか?リサーチ会社が手に入れた一般人(素人の出演者ら)の個人情報は、誰がどのように管理し、どの範囲で、どういった用途で公開できるのでしょうか?(企画会議に使うため?オンエアのため?) キャスティング会社は、番組の企画が中止になってしまった場合には、報酬は受け取れるのでしょうか? タレントと芸能プロダクション間の契約にも、難しい問題が多いです。最近は、給料が不当に安いことや、やりたくない仕事を半ば強制された、などということが問題になっています。確かにそれ自体は是正が必要です。しかし、タレントはタレントで、ほかの業界では想像もつかないような好待遇を受けている部分もあります(マネージャーがいたり、送迎があったり、仕事が少ないタレントは一般企業では考えられないほど休日があることも珍しくありません)。仮に、タレントと芸能プロダクションの契約に雇用契約とみなされるほどの指揮命令関係がある場合でも、このように一般的な雇用契約とはまったく異なる状況があります。 以下では、テレビ番組制作会社や、芸能プロダクションでよく起きる法律問題について、Q&A形式で紹介していきます。 業務委託スタッフの残業代や休日出勤手当てについて Q.当番組制作会社では、ディレクターはすべて雇用ではなく、業務委託として契約しているのですが、この場合には残業代や休日出勤の手当ては支払わなくてよいのでしょうか?との指摘が入りました。どうすればよいでしょうか? A.業務委託であれば、雇われているわけではなくフリーランスですので、原則、労働基準法は適用されません。したがって、残業代や休日出勤手当は支払わなくてよいと思われます。 しかし、本当にそのディレクターは単なる業務委託スタッフといえるのでしょうか?実際にはフリーで動いているのではなく、ほかのチーフディレクターやプロデューサーの指示に従って仕事をしているのではないでしょうか?ある程度決まった時間に会社に来て、決まった時間拘束されているのではないでしょうか?このような状況の場合、実質的には指揮命令関係があるとみなされ、雇用契約と同一視される可能性があります。そうなると、残業代などの支払い義務が生じる可能性もあるので注意する必要があります。重要なのは、「雇用」「業務委託」といった契約の名称ではなく、その実態です。 現場取材におけるADの労務管理について Q.当番組では、複数の制作会社からフリーのディレクターが来ており、ADは1つの制作会社の社員、というスタッフ構成になっています。報道番組の取材にフリーのディレクターと制作会社のADの2人で行ってもらっているのですが、何か問題はあるでしょうか? A.テレビ番組制作の現場では、複数の番組制作プロダクションからスタッフが来て、ディレクターやAD業務を行うのは当たり前であり、質問にあるような取材のシチュエーションも日常的にあります。 別会社に所属する2人で取材に行くこと自体に問題はありませんが、懸念されるのはADの労務管理です。まず、そのADが所属する制作会社の上司は、ADがいつどこにいるのか、時間はどのくらい拘束されているのか、必ず把握している必要があります。しかし、取材の内容によっては思わぬ時間がかかったりすることもあります。そのようなケースでは、フリーのディレクターは、直接指揮命令関係があるわけではないADに対し、帰ってよいとか、まだ業務を続けてほしい、などといった指示をすることができません(実際にはしているでしょうが、厳密にいえばその立場にはありません)。しかし、プロデューサーが帰宅している時間であれば、確認がとれません。かといって、そんな確認に気を取られて肝心の取材がおろそかになれば、他局、他メディアに遅れをとってしまいます。非常に難しい問題ですが、こういった場合には、突発的なものでない限り、プロデューサーやそのADが所属する制作会社のディレクターが、ADの労務管理上起き得る問題を事前に把握し、あらかじめ適切な指示をしておくしかないでしょう。そして、フリーや他社スタッフも含めた番組全体のグループLINEを作るなどして、誰もADの状況を把握していないような状態を作らないようにすることが重要です。また、災害現場の取材などでは、制作会社はADに対する安全配慮義務も負っているので、手柄ほしさに危険な取材を無理に行わないよう徹底させることも忘れてはいけません。 スタッフの職務専念義務についてQ.当番組制作会社では、スタッフの勤務態度の悪さが悩みの種です。音楽を聴きながら仕事をしたり、少し目を離すとほかの番組のスタッフと喫煙所で長話、といったことは当たり前になってしまっています。いくら緩い業界とはいえ、何とか改善できないでしょうか? A.通常の雇用契約では、就業規則などで、スタッフは勤務時間中は職務に専念しなければならない、という職務専念義務が定められています。 会社はスタッフに労働の対価として給料を支払うのですから、スタッフが勤務時間に職務に専念するのは、当然のことです。ところが、テレビ業界の場合は当然ではありません。ディレクターは食事に出かけるとなかなか帰ってこない、疲れ切ったADはトイレで寝ている(テレビ局には「トイレで寝ないでください」という貼紙がされていたりします)、ということが常態化してしまっています。こういう状況になりがちなのは、長時間勤務が自明のものとして体に染みついているので、勤務しながら休む、楽しむ、という感覚に慣れきっているからではないかと考えられます。スタッフを管理する側の上席者も、昔は同じような経験をしているはずなので、特に違和感を感じることもないのです。また、テレビ業界には、フリーのディレクターなど、雇われていない業務委託スタッフが多いということも、緩い雰囲気になりやすい要因の一つとして挙げられると思います。業務委託スタッフは誰かに労務管理される立場になく、職務専念義務も負っていないので、自分が任された仕事をこなしさえすれば、好きなときに好きなことをしてよいのですが、同じ現場にいる雇われスタッフがこれを真似したり、管理する側も誰がフリーで誰が雇われなのか把握していなかったりするので、このようなことが起きるのです。雇われスタッフとフリーが混在し、同じ仕事をしているため、雇われスタッフだけに職務専念義務を果たさせる、というのは簡単なことではありません。しかし、雇われスタッフには会社は高い残業代を支払うわけですから、その対価として、勤務時間には職務に専念しなければならない、ということを意識させるべきです。まずは雇われスタッフがどれだけ職務に専念しているのかをしっかり把握し、職務専念義務に違反している場合には、こまめに指導・注意を行うという体制作りから、始めてみてはいかがでしょうか。注意しても直らないようであれば、始末書を書かせるなど、軽い懲戒処分を行っていきましょう。長年染みついた感覚や、職場の慣習を変えるのは簡単なことではありませんが、スタッフの長時間労働の見直しが求められている昨今、職務専念義務の徹底についても、同じように厳しく見直しをしていく必要があるでしょう。 芸能プロダクションの法的紛争リスクについてQ.最近、芸能プロダクションとタレントのマネジメント契約をめぐっては、賃金が不当に低かったり、望まない芸能活動をさせられたりする、など色々と問題が起きていますが、当プロダクションも契約内容を見直すべきでしょうか? A.恐らく大多数の芸能プロダクションでは、タレントとのマネジメント契約は、雇用契約ではなく業務委託契約などの形とし、雇っているのではなく1人の個人事業者としてタレントを扱っているのではないかと思います(そうでなければ、散々働かせているのに月給数万円、ということでは最低賃金を下回り、違法となってしまいます)。 しかし、このような業務委託契約の場合でも、働き方の実態が一般的な労働者と変わらない場合には、そのタレントは「労働者」として扱われます(実際に平成28年に厚生労働省労働基準局がその旨の文書を各種芸能関係の団体に送付していますし、裁判例でも雇用契約類似の契約、と認定されたものもあります)。そうすると、仕事を選べない若手の芸人、モデル、アイドルなどは、事務所の指揮命令に従って仕事をしているのが実情と思いますので、多くのケースで「労働者」と判断される可能性が高いのではないでしょうか。仕事を選べないタレントの数は、選べるタレントよりも圧倒的に多いわけですから、結果として多くのプロダクションが労使トラブル、法的紛争の多発リスクを抱えているということです。ご質問があったプロダクションでは、タレントとの間の指揮命令関係がどうなっているかわかりませんが、芸能界は人気商売ですので、タレントとの法的トラブルはプロダクションにとって即、致命傷となってしまう可能性もあります。そうなる前に、今のうちにタレント(マネージャーらスタッフも)の働かせ方や待遇などを見直し、労務管理が適切に行える体制を整え、紛争リスクを小さくしましょう。 タレント養成スクールの講師契約についてQ.当芸能プロダクションでは、タレントをマネジメントするだけでなく、タレントの養成スクールも運営しています。養成スクールを運営するにあたっては、タレントに講師になってもらっていますが、講師として契約する際に注意すべき点はありますか? A.養成スクールの講師は、多くはタレントか、タレントを目指して裏方に回った方々だと思います。また、大半はプロダクションに雇われた講師ではなく、フリーランスで、タレント業などの合間を縫って講師をしています。この講師達とプロダクションの関係には、多くの問題があります。 まず、演技でも歌でもお笑いでも、芸能において基本的に重要なのはセンスであり、講師が何を指導するか、生徒に何を身につけてもらうかが、はっきりしない場合が多いということです。要するに、決まった正解がないのです。そうすると、講師が勝手な講義・指導をしていると生徒から苦情が入っても、プロダクションから注意することは難しくなります。講師の独りよがりではないか?と思われるような指導が、見方によっては正解といえるかもしれないからです。講師の指導に不満を持った生徒が大量にやめてしまい、数十万、数百万の受講料相当額の損害賠償請求する必要が出てくる、ということも考えられます。その場合でも、講師に何をどう指導してほしいのかが、事前に明確になっていなければ、講師の契約違反を問えず、損害賠償請求することもできない、という事態に陥りかねません。ほかにも例えば、講師が生徒に手を出してしまった場合などはどうなるでしょう。生徒たちにとって、講師は基本的に憧れの対象ですから、あり得ないケースとはいえません。関係がうまくいっているうちは問題にはなりませんが、講師と生徒の関係がこじれてしまったら、周囲を巻き込んだトラブルに発展することもあります。生徒や生徒の親から、講師だけでなくプロダクションが責任を追及される可能性があるのです。プロダクションは講師を雇用しているわけではないので、講師を指導するというのは立場的に難しいのですが、責任追及される場面では、「雇っていないフリーランスの講師なので…」という理屈は通用しない場合もあります。こうした問題が起こらないように、プロダクションと講師の契約では、指導の内容や禁止事項を明確に定め、特に生徒に対する責任を、契約段階で講師に自覚させておくことが重要です。また、そもそも講師を人選する段階で、上記のようなリスクを想定しながら進めていく必要があるでしょう。 タレントの移籍問題についてQ.私はアイドルとしてタレント活動をしていますが、今所属している芸能プロダクションの待遇が悪いので移籍を検討しています。しかし、今のプロダクションとの間のマネジメント契約を見ると、事務所を辞める場合には、一定期間タレント活動を禁止するという条項が設けられており、事実上移籍が難しくなっています。そもそも、このような条項を設けることは法律違反ではないのでしょうか? A.タレント、中でも特にアイドルは、アイドルとして活動できる期間はそれほど長くありません。一定期間、芸能活動を禁止するという条項は、実質的には移籍を禁止するような条項であるといえます。 このような条項の設定が、法律上、一律に許されないというわけではありません。もっとも、職業選択の自由という憲法上の権利を制約する内容にあたるため、裁判に至れば、このような条項は無効と解釈される可能性は高いでしょう(裁判例でもこのような条項を無効としたものがあります)。したがって、移籍を希望するタレントの方々は、上記のような条項を含む契約を交わしてしまっている場合でも、多くのケースでは、そのような条項には拘束されないはず、というのが法的な側面からの回答となります。しかし、ここからが問題です。法的な問題はクリアできても、退社をめぐって事務所と揉めてしまった場合、果たしてそのタレントの移籍はうまくいくのでしょうか。芸能界、テレビ業界は非常に狭い世界なので、大手プロダクションと揉めてしまった場合は、ほかのプロダクションも受け入れに二の足を踏むかもしれませんし、番組、テレビ局も使いづらい、というのが実情です。そうなると、契約条項の法的問題は解決できても、業界の暗黙のルールを乗り越えられずに移籍ができない、という状況になってしまう可能性があります。この問題は、テレビ業界、芸能界の体質によるものなので、完全な解決を望むのは難しいです。しかし、例えば退社時、弁護士に間に入ってもらうなどすれば、単純に移籍を認めさせるだけでなく、その後も不利益な扱いをされないというところまで含めて、プロダクションと綿密に協議し、円満な解決を目指すことが可能になります。その際は、単に抽象的に芸能活動を阻害しないという約束をするだけではなく、具体的な番組や、プロダクションなどを想定しながら話し合っていくことが大切です。 執筆/シティ総合法律事務所会田岳央(「弁護士」というと、敷居が高く、話しにくいと思われるかもしれませんが、我々自身、そういう弁護士は苦手で、親身に温かく皆様のお悩みをお聞きする温かい法律事務所であると自負しておりますので、どうぞご安心して、何でもお気軽にご相談ください。)【弁護士が語る!】テレビ番組制作会社や、芸能プロダクションでの働き方の難しさはシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。【弁護士が語る!】テレビ番組制作会社や、芸能プロダクションでの働き方の難しさはシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。
2018年09月27日最近タレントのりゅうちぇるさんが両肩にタトゥーを入れた画像を公開し、一部から批判を受けることになりました。個人の自由のようにも思えるのですが、好ましくないと考えている人も多い様子。日本ではタトゥーに対して否定的に考える人も多く、それは企業でも同様でしょう。なかにはタトゥーを入れていることが後に発覚した場合、退職させるという措置をとる会社もあるようです。そのような場合、退職させられる側としては納得がいかないもの。不当性を訴えることできないのでしょうか? ピープルズ法律事務所の森川文人弁護士に見解を伺いました。 Q.会社がタトゥーの入った社員を解雇…これは許される? A.タトゥーが入っているというだけでは解雇できません森川弁護士:「社員を解雇するためには処分が相当とされる「合理的な解雇事由」が必要となります。「タトゥーが入っている」というだけで懲戒解雇とすることは、合理的な解雇事由になるとは考えられず、仮に解雇の処分を受けたとしても無効になるものと思われます。ただし雇用形態時に「タトゥーNG」と明記されており、そのことを知りながら秘して雇用されたり、入っていることによって仕事に重大な支障が出ることが具体的に明らかな場合には「正当な事由」として認められる可能性もあるかもしれません」 まとめタトゥーは世界的にはポピュラーですが、現在の日本では風当たりが強いのことも事実です。日本でタトゥーと共に生きていくためには、「就業規則に従う」、「公共のルールを守る」、「ビジネスシーンでの露出は控える」などに配慮し、あくまでプライベートでのオシャレを楽しむものとして割り切る必要があるのかもしれませんね。 *取材協力弁護士:森川文人(ピープルズ法律事務所。弁護士歴25年。いわゆる街弁として幅広く業務を経験。離婚、遺産相続をはじめ、不動産、 慰謝料・損害賠償請求、近隣トラブル、借地借家、賃金、インターネット問題、知的財産権などを扱う。)*取材・文:櫻井哲夫(本サイトでは弁護士様の回答をわかりやすく伝えるために日々奮闘し、丁寧な記事執筆を心がけております。仕事依頼も随時受け付けています)話題のタトゥー問題企業が入れた社員を解雇することはできる?はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。話題のタトゥー問題企業が入れた社員を解雇することはできる?はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。
2018年09月27日前回(私の知らぬ間に離婚が成立していた!? 元夫との壮絶法廷記①)、子供を連れ、全財産を持ち逃げした上、勝手に離婚届まで提出した夫・よし夫に対し、妻・まゆこは、離婚後の親権の変更を求めるのが難しい状況であることを知りました。 かわいい我が子を取り戻すためには、離婚届を白紙に戻すことが必須。まゆこは、離婚をなかったことにするため【協議離婚無効確認調停(※)】に挑みます! ※協議離婚無効確認調停(きょうぎりこんむこうかくにんちょうてい)そもそも離婚は、離婚届を提出する際に、夫婦双方に離婚する意思のあることがなくてはなりません。そのため、一方に離婚の意思がないのに離婚届が受理されたしまった場合、戸籍上は離婚が成立していても、法律上は無効と考えられます。協議離婚無効確認調停では調停手続きによって、離婚を無効にする・しないが話し合われます。無効にすることで合意に至った場合、戸籍が訂正されます。調停開始!計画犯よし夫のとんでもない主張とは申立てから1ヶ月、とうとう調停の幕が開きました。「よし夫が来ないかもしれない」というまゆこの不安をあっさりと裏切り、弁護士を連れたよし夫が現れました。 まずは、調停室にまゆこが呼ばれ、今までの経緯や事情を話し、最低でも親権がほしい、財産分与がしたい旨を伝えました。子供も財産も奪われた事実に、調停委員が同情してしまうのは当然です。 通常であれば、まゆこの方が圧倒的に有利と考えられますが、よし夫は想像をはるかに超えた主張をしてきたのです。それは、 「妻は子供を虐待していて、子供の世話もせず、家事もしていなかった。親権は渡せない」 という、とんでもない主張です。しかも、証拠として部屋が散らかっている写真(自作自演)を提出し、子供が虐待されたエピソードをでっちあげたのです。 結婚してから、家事も育児も任せっきりのよし夫に、文句一つ言わず、毎日こなしてきたまゆこは、驚きで声がでません。 調停は長引きそうです…。 よし夫の超超計画的離婚|調停に終わりは来るのか…調停におけるよし夫のでっちあげは止まりません。突然家を出たよし夫に対し、まゆこが送った謝罪メール(「私が悪かった、帰ってきてください」などの内容)が証拠だとして、まゆこは自分の非を認めていると主張してきたのです。 もちろん、まゆこに非はありませんでしたが、その頃は帰ってきてほしくて必死だったため、謝罪メールもたくさん送っていたのです。こんなことに利用されるなんて、思ってもみませんでした。 そのほかにも、まゆこは自分で離婚届にサインをした事実がある上に、よし夫の悪事を裏付ける証拠がなかった(よし夫が連絡はメールを利用せず電話で済ますなど、証拠を残さなかった)ので、話は難航。調停委員も困惑していました。 次の調停は2ヶ月後、まゆこは無事離婚を白紙に戻せるのでしょうか? まとめこの話で紹介した調停は現在も続いており、まゆこが離婚を白紙に戻せるか、よし夫が逃げきるかはかなり紙一重…。 次回、1年半ぶり子供と面会交流したまゆこ。感動の再開! でも、親権を獲得したいなら、子供の前で絶対に泣いてはいけない?弁護士に聞く、裁判所の『親権者にふさわしい親』の判断基準とは? 次回につづく…*監修弁護士:理崎智英弁護士(高島総合法律事務所。弁護士登録以来、離婚や不倫問題を中心に取り扱っており、多数の解決実績がある。)私の知らぬ間に離婚が成立していた!? 元夫との壮絶法廷記②はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。私の知らぬ間に離婚が成立していた!? 元夫との壮絶法廷記②はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。
2018年09月25日適齢期の男女が「結婚を前提に」交際をスタートすることは多いと聞きます。お互いに早期のゴールインを望んでいる場合、結婚する気がない人とはつきあいたくないものですから、そう考えるのも当然のことでしょう。しかし、すんなり結婚に至るかというと、そうもいかないのが人間関係。突然「ほかに好きな人ができた」と告げられ、別れを突きつけられたという人もいるようです。このような身勝手な理由での別れとなれば、当然慰謝料などを請求したくなるもの。ですが結婚しているわけではないだけに、難しいように思えます。実際のところ、どうなのでしょうか?秋葉原よすが法律事務所の近藤美香弁護士に見解をお伺いしました。 Q.結婚を前提とした交際相手から突然「ほかに好きな人ができた」と別れを切り出された…慰謝料などを取ることはできる? A.交際の内情が内縁あるいは婚約に該当する場合には認められることもあります近藤弁護士:「前提として、慰謝料が法律上認められるためには、民法上の『不法行為』が成立することが必要です。そして不法行為が成立するというためには、①加害行為②権利・法律上保護される利益の侵害③相手方の故意・過失④損害⑤因果関係を主張立証しなければなりません。このケースではさまざまな問題点が考えられるようにも思いますが、特に問題となってくるのは、そもそも②権利・利益の侵害があるといえるかどうかでしょう。『別れを切り出されることで、切り出された側に何らかの権利・法律上保護される利益が侵害されたといえるのか?』ということです。もちろん気持ちは傷ついたでしょうが、裁判所は、それだけでただちに法律上保護される利益が侵害されたものとは考えていません。裁判所の大まかな傾向を見る限り、ご質問のケースで慰謝料が認められるとするならば、それは内縁破棄あるいは婚約破棄に該当するような場合に限られてくるように思われます。簡単に言えば、内縁は『実質上夫婦なのに婚姻届を出していないだけ』の状態であり、婚約は『将来婚姻しようという誠心誠意の男女間の約束』のことです。つまり、ご質問の『結婚を前提とした交際』の内情をみたとき、このような内縁あるいは婚約にあたるといえる場合であれば、権利・法律上保護された利益が侵害されたので慰謝料が認められる、という結論となる可能性もあるでしょう」結婚を前提とした交際ならば、別れるにしても最後まで責任を持って行動するのは当然のこと。別れを突きつけられた側としては、やはりやりきれないものを抱えてしまいます。慰謝料を請求できる場合もありますので、泣き寝入りせず離婚問題の解決実績がある弁護士に相談し、対応を協議してみてはいかがでしょうか。 *取材協力弁護士: 近藤美香(秋葉原よすが法律事務所。家事事件を専門的に取り扱い、500件以上の家事事件を取り扱った経験を持つ。JADP認定の夫婦カウンセラーの資格を保持している。)*取材・文:櫻井哲夫(本サイトでは弁護士様の回答をわかりやすく伝えるために日々奮闘し、丁寧な記事執筆を心がけております。仕事依頼も随時受け付けています)結婚前提の交際なのに「ほかに好きな人ができた」と捨てられた…慰謝料を請求することは可能?はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。結婚前提の交際なのに「ほかに好きな人ができた」と捨てられた…慰謝料を請求することは可能?はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。
2018年09月20日企業では通常社員に対しどのような経路を経て出勤しているか提出させます。「最寄り駅まではバス」「○○駅~○○駅まで計何分」というような書類を書いたことがある人がほとんどではないでしょうか?ところがなかには書類にバスと記載しながら、実際は自転車やバイクで最寄り駅まで通っている人も多いと聞きます。このように会社に報告しているものとは異なる通勤手段で事故に遭遇してしまった場合、労災は降りるのでしょうか?髙田総合法律事務所の髙田英治弁護士に見解を伺いました。 Q.会社に報告しているものとは異なる通勤手段で事故に遭遇…労災は降りる? A.労災と認められるケースもあります髙田弁護士:「労災保険法上、会社へ届け出ている通勤手段と事故に遭った際の通勤手段とが一致することは、通勤災害として保険給付を受けるための要件ではありません。したがって、会社へ届け出た通勤手段以外の手段で通勤中に事故を起こした場合であっても、労災と認められる可能性はあります。もっとも、労災保険法上、通勤災害と認定されるためには、当該通勤が、就業に関し、自宅と会社の間等の移動として合理的な経路及び手段で行われる必要があります。したがって、バイクや自転車で通勤した場合であっても、特段の合理的な理由もなく著しい遠回りをした場合などは、合理的な経路とはいえず、通勤災害とは認められません。また、無免許運転や飲酒運転などをしていた場合も、合理的な手段とはいえないことから、通勤災害とは認められません。さらに、普通は自転車で移動しないような長距離を敢えて自転車で通勤していたような場合なども、やはり合理的な手段といえず、通勤災害と認められない可能性があります。時々、事故に遭った際の通勤手段と会社に届け出ている通勤手段が異なる場合は、労災の対象とならないと言われたという話を聞くことがあります。しかし、このように、事故に遭った際の通勤手段と会社に届け出ている通勤手段が一致するかどうかという点は、労災の認定には本来無関係です。ただし、会社へ届け出た通勤手段と異なる通勤手段で通勤していた場合、会社との関係で別途就業規則上の問題等が生じる場合がありますし、会社にはバス通勤と届け出た上で定期代を受給しながら、実際には自転車で通勤していたような場合には、単なる民事上の問題だけでなく、別途詐欺罪等が成立する可能性もありますので、この点は注意が必要です」会社に報告しているものとは異なる通勤手段で事故にあった場合でも労災が降りるケースもあります。一方で、「異なる通勤手段で通っている」ことが、場合によっては就業規則違反などになる可能性もあるようです。該当する人は、会社に「自転車やバイクで通勤している」ことを報告したほうが良いかもしれませんね。 *取材協力弁護士: 髙田英治(髙田総合法律事務所)*取材・文:櫻井哲夫(本サイトでは弁護士様の回答をわかりやすく伝えるために日々奮闘し、丁寧な記事執筆を心がけております。仕事依頼も随時受け付けています) 会社に報告しているものとは別の通勤手段で事故…労災は降りる?はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。会社に報告しているものとは別の通勤手段で事故…労災は降りる?はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。
2018年09月19日読者の皆さんのなかには、離婚を前提に別居を考えているという方もいることでしょう。そうなると収入の低いほうは、生活が苦しくなってしまいます。そんなとき、収入の低い側は相手から婚姻費用を受け取ることができます。この婚姻費用とは「婚姻から生ずる費用、家族の生活費」のこと。別居となった場合は当然受け取りたいものですが、相場や相手が支払いを拒否した場合の手続きなど、わからないことばかりです。そこで秋葉原よすが法律事務所の近藤美香弁護士に解説していただきました。 ■婚姻費用の相場は?近藤弁護士:「民法上、『夫婦は、その資産、収入その他一切の事情を考慮して、婚姻から生ずる費用を分担する』と定められています(760条)。しかしこの規定だけでは、婚姻費用がいくらになるのかは不明確です。まず、もしご本人同士で話合い、双方納得して金額が決まればその金額となります。しかし、実際は双方の意見が異なることが多いため、実務上は「婚姻費用算定表」をベースにして婚姻費用の額が決められることがほとんどです。具体的には、①双方の年収、②子どもの有無、人数や年齢等をもとに算定表を参考にして金額が決められます。また、子どもが私立学校に通っている場合等、特別な事情がある場合は、その分も考慮されることがあります。双方の年収だけで決まっているわけではない、ということには注意が必要です」 ■相手が支払いをしない場合は?近藤弁護士:「相手方に対して調停・審判を申し立てます。相手方が仮に調停に応じなくても、婚姻費用の額を裁判所に決めてもらうことができます。調停や審判で決まれば、相手方が支払わない場合、相手方の給与等を差し押さえることが可能となりますので、決まった金額が支払われることがほとんどです。ただ、調停・審判においては、調停を申し立てた日に遡って支払が命じられることが多いので、別居に至り、相手方が生活費を支払わなくなった場合は、すぐに調停を申し立てるほうが得策です」別居する前に弁護士と相談し、婚姻費用についてある程度対策を考えておくほうが、いいかもしれません。 *取材協力弁護士: 近藤美香(秋葉原よすが法律事務所。家事事件を専門的に取り扱い、500件以上の家事事件を取り扱った経験を持つ。JADP認定の夫婦カウンセラーの資格を保持している。)*取材・文:櫻井哲夫(本サイトでは弁護士様の回答をわかりやすく伝えるために日々奮闘し、丁寧な記事執筆を心がけております。仕事依頼も随時受け付けています) 意外と知らない婚姻費用相場や支払い拒否時の対応を弁護士が解説はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。意外と知らない婚姻費用相場や支払い拒否時の対応を弁護士が解説はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。
2018年09月18日養育費は離婚した未成熟子が社会自立をするまでに必要とされる費用とされ、離婚時に当事者同士の話し合いによって決めた金額を支払うことが一般的です。そんな養育費ですが、なかには合意したにもかかわらず支払わない人間もいると聞きます。子供を抱えている側の経済力が乏しい場合、養育費の支払いがなくなってしまうと、生活が困窮することになります。当然、なんとかして支払いを迫りたいところ。どのような対策を講じれば良いのか。秋葉原よすが法律事務所の近藤美香弁護士に解説していただきました。 Q.離婚相手が養育費を支払わない。どうやって請求すればいい? A.強制執行や調停・審判申立てなどの方法があります近藤弁護士:「どのような形で合意をしたのかによります。調停や公正証書で合意した、あるいは判決や審判が出た場合であれば、相手方の給与を差し押さえる等の方法で養育費を回収することが可能です(強制執行)。口約束や2人で交わした合意書等,上記以外の形の場合は、養育費を請求する調停・審判を申立てて、その手続きの中で約束どおり支払うよう求めていくことになります。仮に審判となる場合、約束どおりの額がそのまま認められると限りませんが、そのような約束をしたという事実は考慮されると思います」口約束ではなく、調停や公正証書で合意した場合には、強制執行が可能とのこと。後悔しないよう、離婚時に強制執行が可能な形での取り決めをしておきましょう。 *取材協力弁護士: 近藤美香(秋葉原よすが法律事務所。家事事件を専門的に取り扱い、500件以上の家事事件を取り扱った経験を持つ。JADP認定の夫婦カウンセラーの資格を保持している。)*取材・文:櫻井哲夫(本サイトでは弁護士様の回答をわかりやすく伝えるために日々奮闘し、丁寧な記事執筆を心がけております。仕事依頼も随時受け付けています)離婚相手が養育費を支払わない!請求する方法はない?はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。離婚相手が養育費を支払わない!請求する方法はない?はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。
2018年09月18日OLYMPUS DIGITAL CAMERAシェアしたくなる法律相談所では前回数多くの離婚裁判を経験した虎ノ門法律経済事務所池袋支店の齋藤健博弁護士に、「壮絶だと感じた離婚裁判」についてお聞きし、大きな反響を得ました。そこで今回はその第2弾として、齋藤弁護士に「大変だった」と感じた離婚裁判の事例をお聞きしました。 Q.大変だったと思う離婚裁判は? A.旦那の財産がすべてもぬけの殻に…齋藤弁護士:「大変だった離婚の裁判は、やまほどあります。妻側の不貞がラインと複数の着信履歴から発覚。夫が問い詰めると、妻が音信不通になりました。旦那が困りはて、相談に。弁護士を通じて妻の捜索からはじめました。住民票の除票を取得し、やっとのことで連絡が取れ、事務所にきました。泣きながら、不貞は一切ありませんと否認。裁判所に調停申し立て。第1回期日に出廷しても、妻がきません。ふたをあけると地方に。再度別の裁判所に移送され、期日がひらかれました。出廷した妻は不貞は一切の否認。ここまではよくある話です。しかし、旦那は、妻に預貯金の管理をすべてしてもらっていました。旦那には、お金が一切ありません。夫婦で貯蓄していた財産はすべてもぬけの殻。旦那さんががんばって働いたお金は、いずこへ…」 男女の問題は、一般人の理解を超えた領域で争うことがあるようです。それにも対応する離婚弁護士は、やはり頼りになる存在といえますね。 *取材協力弁護士: 虎ノ門法律経済事務所池袋支店齋藤健博弁護士(弁護士登録以降、某大手弁護士検索サイトで1位を獲得。LINEでも連絡がとれる、超迅速弁護士としてさまざまな相談に対応。特に離婚・男女問題には解決に定評。今日も多くの依頼者の相談に多く乗っている。弁護士業務とは別の顔として、慶應義塾大学において助教も勤める。)*取材・文:櫻井哲夫(本サイトでは弁護士様の回答をわかりやすく伝えるために日々奮闘し、丁寧な記事執筆を心がけております。仕事依頼も随時受け付けています)理解を超えた領域の争い…弁護士が見た最も大変だった裁判が凄すぎるはシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。理解を超えた領域の争い…弁護士が見た最も大変だった裁判が凄すぎるはシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。
2018年09月13日