チケットぴあがお届けする新着記事一覧 (26/342)
大阪をベースに活動するファンキーグルーヴマスターと称される唯一無二のヒップホップバンド、韻シスト。秋の訪れを感じる今日この頃、彼らによる食欲の秋にちなんだ “お料理三部作”『3minute cooking』『BREAKFAST』『ラタトゥイユ(それ知らんメニュー)』が連続リリースされた。韻シストチケット情報また、東京・大阪で「韻シスト presents 『GOOD VIBES COOKIN』」の開催も決定している。10月13日(木)渋谷CLUB QUATTRO公演にはRICCHO、10月29日(土)味園 ユニバース公演にはSOIL&“PIMP”SESSIONSが出演。チケットは発売中。
2022年10月05日9つのグラミー賞を受賞したジャズ・シンガー、ピアニスト、NORAH JONES(ノラ・ジョーンズ)。5年ぶりとなる待望の来日公演がまもなく開幕する。NORAH JONESチケット情報4都市6公演を予定している今回の日本ツアーに、オープニング・アクトとしてRodrigo Amarante(ロドリゴ・アマランテ)の出演が決定した。ロドリゴはブラジルのロック・バンド、ロス・エルマーノスを経てソロ活動へと転じ、2019年にはノラとの共作曲『I Forgot』と『Falling』の2曲を発表している。オープニング・アクトの出演により、開演予定時間が早まっているので、ご確認の上ご来場ください。公演は、10月11日(火)北海道・札幌文化芸術劇場hitaru、13日(木)宮城・ゼビオアリーナ仙台、14日(金)・16日(日)・18日(火)東京・日本武道館、17日(月)大阪・大阪城ホールにて。チケットは発売中。
2022年10月05日古楽器奏者から指揮者に転じた例はアーノンクールやブリュッヘンをはじめ少なくないが、アンドリュー・マンゼのようにバロック・ヴァイオリンから転身後は古楽界と一線を画し、モダン・オーケストラ一筋というのは案外珍しいかもしれない。指揮者として、日本ではNHK交響楽団に2度登場している。そのマンゼが、2014年より首席指揮者を務めるNDR北ドイツ放送フィルハーモニー交響楽団(以下NDRフィル)を率いて、11月に日本ツアーを行う。ハノーファーを本拠とする同団は、1998年から2009年まで大植英次が首席指揮者を務めたことでも知られ、その時以来の来日となる。「NDRフィルは放送局のオーケストラですので、地元での公演はすべてラジオで放送されます。また、ドイツ北部のさまざまな都市でも多くの公演を行っています。フレキシブルなオーケストラで、バロック音楽や映画音楽、ジャズなど幅広いジャンルの音楽を弾き分ける柔軟性を持っています。今回の日本ツアーではベートーヴェンとブラームスという王道的なレパートリーをお届けしますが、こうした慣れ親しんだ曲でも、私たちは毎公演、そのホールに集まってくださる聴衆の方々のために演奏をすることを何よりも大切にしています。私たち自身、聴衆から大きなインスピレーションを受けているのです」メインの演目の一つであるベートーヴェンの《英雄》は、2012年のN響客演の際にも取り上げたマンゼの得意とするレパートリー。「言うまでもなく、《英雄》は西洋音楽の流れを変えた画期的な交響曲です。冒頭の2つの和音は、ベートーヴェンがまるで『私の話を聴け!』と言っているかのようで、そこから驚くべき旅が始まります」また交響曲第7番については「強いリズム感と緊張感が曲全体を貫く、エネルギーそのものが表現されている曲」と彼は語る。モダン楽器を使用しつつ、歴史的奏法を取り入れた溌剌とした演奏が期待できよう。ゲルハルト・オピッツをソリストに迎える2曲のベートーヴェンのピアノ協奏曲については、「まったく性格の異なる曲」と話す。「第4番はピアノとオーケストラの間に交わされる親密な詩のようであり、他方で第5番は壮大な建築物のような曲です。オピッツさんとは初めてご一緒しますが、ドイツの正統的なピアニズムを受け継ぐとても気品のある演奏家だと思います。特に、自己顕示欲とは無縁で、音楽を深く追求するその姿勢には強く共感します。きっと楽器から直接観客に音楽が伝わるような、すばらしい演奏になることと思います」マンゼとNDRフィルにとってもコロナ禍以来初の海外ツアー。10年近くにわたって築き上げてきた信頼関係と、一つひとつの演奏会にかける彼らの強い思いが結実し、各公演とも「一期一会」の音楽体験となるにちがいない。(取材・文/後藤菜穂子)
2022年10月05日10月2日(日)、新国立劇場のオペラ2022/23シーズンがヘンデル《ジュリオ・チェーザレ》新制作で幕を開けた。2011年にパリ・オペラ座で初演されたロラン・ペリー演出のプロダクション。古楽界の巨匠リナルド・アレッサンドリーニの指揮。見どころも聴きどころも満載だ。チェーザレ(カエサル、シーザー)やクレオパトラら歴史の有名人が登場する物語は、ヘンデルのオペラの中でも人気が高い。ペリーは現代のエジプト博物館の収蔵庫を舞台に、不思議な時空の歪みを作り出した。冒頭いきなり、棚の上の胸像たちが口をパクパクさせて合唱すると、搬入されてきたローマ時代のカエサル像のすぐ横で〝本物〟のチェーザレが歌い始める。紀元前の物語がここで起こっているのだ。映画で言えば『戦国自衛隊』を逆パターン(過去から現代へ)にして『ナイト ミュージアム』とミックスしたような設定。喜劇的な要素も多い台本とあって、演出は遊び心たっぷり。博物館の収蔵品にヘンデルの肖像画が混ざっていたり、クレオパトラと弟トローメオ(プトレマイオス14世)が運動会よろしく騎馬戦で戦ったり。随所でくすりと笑わせる。クレオパトラの腹心ニレーノの〝エジプト・ポーズ〟も、一度ツボにはまるとクセになる。アレッサンドリーニの、切れよく、鮮やかに変化する音楽で、4時間半の長丁場も短く感じる。パリでのこのプロダクション初演は古楽オーケストラによる演奏だったが、今回は東京フィル。モダン・ピッチで弦はノンヴィブラート。チェンバロ、ヴィオラ・ダ・ガンバ、テオルボの通奏低音チームが加わって「バロック感」をぐっと引き寄せる。26曲もあるアリアはすべてダ・カーポ・アリア(他にアリオーソが3曲)。ABAと繰り返す時の自由な装飾や変奏が聴きどころだ。歌手たちはそれを嬉々として巧みに歌い、「なるほど、そう来るか!」と、いろんな引き出しで楽しませる。アレッサンドリーニの存在も頼もしかったに違いない。歌手陣の水準はきわめて高い。カストラートのために書かれた役を女声とカウンターテナーに置き換えた、オリジナルに忠実な声部構成。題名役のマリアンネ・ベアーテ・キーランドは将軍らしい凛々しいメゾソプラノ。妖艶なクレオパトラは「バロック大好き」という森谷真里。クレオパトラの心の変化を巧みに描いていく。終幕の二人の、ヴィブラートをコントロールしてずっとハモリっぱなしの二重唱にも舌を巻いた。金子美香のセストも秀逸。バイロイトでワーグナーを歌い、アレッサンドリーニでヘンデルを歌う。彼女だけでなく、古楽とモダンそれぞれの様式を軽やかに行き来できる歌手たちが揃った。コロナが感染拡大し始めた2020年4月に一度断念した公演。舞台からは念願の上演への熱も伝わってくる気がした。新国立劇場の《ジュリオ・チェーザレ》は、このあと10月5日(水)、8日(土)、10日(月祝)の残り3公演。(宮本明)
2022年10月05日舞台『A・NUMBER』が10月7日(金)から東京・紀伊國屋サザンシアターTAKASHIMAYAほかで開幕する。本作は英国の劇作家キャリル・チャーチルが手掛け、2002年にロンドン・ロイヤルコート・シアターで初演された話題作。今回は、第29回読売演劇大賞で最優秀演出家賞を受賞した上村聡史の演出のもと、戸次重幸と益岡徹による二人芝居として上演される。クローン技術が進み、人間のクローンをつくることも技術的には可能だが、法的にはグレーゾーンにあたる、そんな近未来。自分が実はクローンだったと知った息子と、父の対話から舞台は始まる。父は、亡くなった実の息子を取り戻したくて医療機関に息子のクローンをつくり出してもらったと言うが、実は医療機関のほうでは依頼者には黙って一人ではなく複数のクローンをつくっていたらしい。父親は、なぜ息子のクローンをつくったのか。自分がクローンだと分かった息子は、どうするのかーー。息子を演じる戸次は、脚本を精読するいわゆる本読み稽古を経て、内容の理解が深まったものの、「スッと頭に入ってこない、難解な話でした」と脚本の第一印象を素直に語る。ただ一方で、「観た後には心地よい疲労感を感じてもらいたい」とも話す。「例えば、ジョギングって疲れますが、ジョギング後の疲労感って辛いものではないですよね。今回の舞台もそれに似たものを感じていただけるのではないかなと思っています。確かに理解をするために頭を使うけれど、単なる娯楽作品ではなく、絶対に何か持ち帰れるものがあるような作品になりそうです」。父を演じる益岡も「この本には背景の説明がほとんどなく、セリフしか書いていないんですよ。もう少し説明をしてくれたら違うだろうなという付け足しも含めて、上村さんが頭を絞っているところです。我々役者は頭がパンパンになっているんですけど、それこそが幸せな状態なんだろうなと思います」と苦労と充実感をにじませる。そして、「上演時間も1時間ぐらい。お客さんの集中が欠かせない条件なので、ちょうどいい気がします」。互いの印象や稽古場での様子を聞くと、戸次は「毎日贅沢な時間を過ごしています。益岡さんとお芝居をつくることができて幸せ。一緒に切磋琢磨して、同じ苦労ができていること自体も楽しい」と話し、益岡は「戸次さんはちゃんと芝居を渡してくれる安心感がある。しっかりとやってくれているので、大したものです。ずっとこの状態で進化していけたら」と語った。東京公演は10月16日(火)まで。その後、名古屋、仙台、札幌、兵庫を巡回する予定。取材・文:五月女菜穂
2022年10月05日大阪・堺出身のTHE→CHINA WIFE MOTORSとGOOD4NOTHINGが「地元に恩返しをしたい!」という強い想いで2013年3月にスタートした、堺発ロックフェス『SAKAI MEETING』。今年はイベント発足10周年を記念して、12月3日(土)・4日(日)に始まりの場所、泉ヶ丘ビッグ・アイにて、初めての2DAYS開催となる。「SAKAI MEETING 2022 10th ANNVERSARY」 チケット情報第四弾出演者として、EGG BRAIN、Northern19、SABOTEN、SHANK、SHIMA、SIX LOUNGEの計6組が発表された。日割りは後日発表される。チケットは、10月16日(日)23:59までオフィシャルHP4次先行(抽選)受付中。
2022年10月04日10月15日(土)、16日(日)に大阪城公園 西の丸庭園にて開催されるピクニックスタイルのミュージックフェス『Chillin’ Vibes 2022』。今年は、全国から大阪に観光に来ていただき、府内の様々なエリアで周遊を楽しんでいただくための「大阪来てな!キャンペーン」の一環として開催される。「Chillin’ Vibes 2022」チケット情報10月15日(土)の追加出演アーティストとして、今、注目を集める謎のシンガーソングライターのclapuepot(クラックポット)。また、DJステージである「GOOD MUSIC LOUNGE」エリアにRatiff(Neibis)の出演も決定!同フェスの最終ラインナップが確定した。すでに発表されている出演アーティストは、10月15日(土)に、絢香、eill、ego apartment、大橋トリオ&THE CHARM PARK、KREVA、kojikoji、Chara。10月16日(日)には、阿部真央、UEBO、GLIM SPANKY(アコースティック2 人編成)、SKY-HI、田島貴男、藤巻亮太、山本彩が出演。豪華ラインナップの全15組となっている。自然の中で大阪の食材を活かしたフードが楽しめるキッチンカーや、ヨガ・スラックライン・モルックをはじめ、親子で楽しめるワークショップなどのアクティビティも充実。“MUSIC RELAX”をコンセプトに、心地よいサウンドと極上の音楽をお届け。チケットは、10月7日(金)昼12:00まで先行先着プリセールを実施中。
2022年10月03日舘そらみが作・演出を手がける、ガレキの太鼓の新作公演『「没入すると怖いよね、恋愛」の略で没愛』。開幕を3週間後に控えたタイミングで、舘とキャストの富川一人(はえぎわ)、日高ボブ美がインタビューに応じた。劇中では、都会に暮らす女性と郊外に生きる男性による“恋愛ホラースペクタクル”が展開される。東京で独身生活を謳歌していた36歳の主人公が、地元の地域おこしに邁進する青年と出会って恋に落ち、価値観や育ってきた環境の違いに葛藤し立ち向かいながら結婚に向かう様子がホラーコメディタッチで描かれる。『来世ではちゃんとします』シリーズ、『38歳バツイチ独身女がマッチングアプリをやってみた結果日記』など、マンガ原作による恋愛ドラマの脚本をここ数年で手がけるようになった舘。本作執筆の動機を「映画・ドラマに比べて恋愛の描写が少ない演劇ジャンルでがっつり“恋愛”を扱ったらお客さんはどう反応するのか興味がありました」と話す。ちなみに舘によれば、恋人の元カノの生き霊に取り憑かれるなど劇中の主人公を襲ったエピソードは「実在する」という。主人公には、異儀田夏葉(KAKUTA)がキャスティングされた。舘いわく「恋人の家族から心ない言葉をかけられ阿鼻叫喚する様子であっても、異儀田さんの底知れない人間力や勢いがあれば、お客さんも親近感を抱きながら見ていられるのでは」──。対して、主人公に強烈な好意を寄せる恋人役には富川が就く。富川は「心がすごく純粋で芯が強く、思ったことを相手にダイレクトに伝える人」とその人物像を捉えるが、館は「異儀田さんとは正反対で、舞台上の富川さんには腹の底で考えていることがまったくわからない魅力がある俳優」「主人公が葛藤する原因でもあるので、恋人が何を考えているかわからない方がよりドラマになるんです」と配役の理由を明かした。追加で出演が発表された日高には、主人公を取り巻く複数の役が託された。過去にもガレキの太鼓作品に出演経験のある日高は、舘や他キャストとの稽古場におけるクリエーションが「楽しい」と笑顔を見せる。その秘密は、舘がつくるプロット的な“しおり”。「そらみさんが一方的に演出をつけるのではなく、しおりをベースにしながらキャストにも意見を求め、エチュードさせるんです」「みんなでひとつの演劇作品をつくっている感触を得られるのが、舘そらみ演出の魅力ですね」と述べた。実体験をもとに綴られた主人公のエピソードに、役者のどんな“実感”が込められるのだろう。『没愛』の完成形をぜひ見届けたい。公演は10月5日(水)~9日(日)に、東京・下北沢のOFF・OFFシアターにて。チケット販売中。取材・文:岡山朋代
2022年10月03日2020年、コロナ禍で6月の開幕前に全公演中止となった舞台『アルキメデスの大戦』が、2年を経て上演される。天才数学者の視点から第二次世界大戦を描く三田紀房の漫画を原作に、2019年夏公開の映画を原案として初めて舞台化。脚本と演出は、歴史をもとにした骨太な作品に定評のある劇団チョコレートケーキのコンビだ。独自の視点で史実に隠されたドラマを紡ぐ古川健の脚本に、人間の心情を丁寧に描く日澤雄介の演出。映像とはまた違い、生の演劇で今作を担うのにふさわしい布陣と言える。主演の天才数学者・櫂直(かいただし)に鈴木拡樹、海軍少将・山本五十六は神保悟志、ほかに宮崎秋人、小須田康人、岡田浩暉らが出演。東京開幕を控える9月下旬、神保が関西公演に向けリモート会見を行った。「アルキメデスの大戦」 チケット情報神保は映像での活躍が知られるが、劇団の養成所出身で舞台出演も多い。「舞台は毎回楽しいです。実際にお客様と接することができるのは何にも代えがたい素晴らしいこと。今回はセリフ劇で大変難しい舞台ですが、毎日ワクワクしています」と語る。「説得力が一番の魅力」と言う原作の漫画を読み、映画も観た上で臨む舞台版は「脚本や演出は非常に原作に忠実というイメージです。コンパクトに凝縮されていますが、バックボーンはそのままきっちり描かれていると思う。映像との比較でなく舞台作品としてご覧になり、なるほど、と納得していただけるものになっています」。物語は1933年、軍拡路線の海軍省。今後の海戦は航空機が主流と考える山本五十六は、巨大戦艦建造を押す海軍少将・嶋田と造船中将・平山と対立。彼らの異常に安い建造費の謎を暴くべく、変わり者だが数学の能力は群を抜く櫂を海軍へ呼び寄せ、決戦会議で対決する。スリリングな頭脳戦となる決戦会議は手に汗握る。「男のドラマで、そこが見せ場。役の関係性をしっかり描けていて、熱く熱く演じられていると思います。毎日、稽古場で火花を散らしています」。山本五十六を演じるに当たり「英雄という一面的な人物像に縛られず、喜怒哀楽も挟み込んできちんと描きながら、自分なりの“人間”山本五十六を演じたい」と話す神保。舞台セットはシンプルで、転換も多くはないが「セリフの中で観客の皆さんがいろいろなものを想像できるようなお芝居になっていると思います。生でこそ感じられる人間のすごさや男同士の戦いを観てほしいですね。人間の心の変容の仕方、戦争へ向かう社会の危険性、そういったものを感じていただければ最高かな。ぜひ、劇場で生の『アルキメデスの大戦』を堪能していただきたいと思っています」。公演は10月1日(土)から17日(月)まで東京・シアタークリエ、10月21日(金)から23日(日)まで大阪・梅田芸術劇場シアター・ドラマシティにて。その後、静岡、愛知、香川、広島を巡演。チケット発売中。取材・文:高橋晴代
2022年09月30日明治座×東宝×ヴィレッヂの男性プロデューサー三名が立ち上げた“三銃士企画”。第一弾は2020年、漫画家・岡野玲子の『両国花錦闘士』を舞台化。主演の原嘉孝を筆頭にカンパニーが一丸となって"相撲エンターテインメント”を熱演した。『歌妖曲~中川大志之丞変化~』チケット情報第二弾は、大河ドラマ『鎌倉殿の13人』で畠山重忠を演じ、話題を呼んだ中川大志が登場。稀代の超悪党を描いたシェイクスピアの『リチャード三世』と昭和の歌謡界を掛け合わせた倉持裕作・演出による音楽劇『歌妖曲~中川大志之丞変化~』を上演する。醜い風貌と不遇な宿命を背負い、昭和の大衆芸能・歌謡界で悪逆の限りを尽くす「鳴尾定」が、美貌の歌手「桜木輝彦」となり歌謡界を席捲するも、やがて破滅の道へと突き進む…。本格的な舞台に初挑戦かつ初主演の中川は「昭和の歌手は、その方が背負っているものや辿ってきた人生など、バックボーンもひっくるめて音楽にエネルギーが乗っている印象があります。だからこそステージに立っている姿がかっこいい。この作品では、鳴尾定として過ごしてきた時間、見てきた景色が桜木輝彦になったときにどう出力されるのか。桜木から定が見え隠れする部分を大事にして、お客さんにもそこを感じてもらいたい。歌唱もあるので、そういうふうに歌えるように目指したい」と意気込む。芸能界を牛耳る鳴尾プロダクションに怨恨を抱くレコード会社の社長、蘭丸杏を演じる松井玲奈は、「復讐するために定と手を組んで暗躍する、ちょっと狡猾な女性」とその人物像を話す。昭和という時代のイメージを尋ねると、「ヴィヴィッドな色が多かったり、アクセサリーも大振りだったり、ファッションがとても素敵で。当時の映像や写真を見ると、みんなおしゃれを楽しんでいる感じがします。この作品でも昭和のお洋服を着させていただけるので、とても楽しみです」と待ち遠しい様子。鳴尾プロのフィクサーである男・大松盛男役の山内圭哉は、「この役も昭和らしい設定。昭和を知っている方には“おった、おった、こんなやつ”と思っていただければ。知らない世代にはある種のリアリズムを持って帰ってもらいたい」と話す。そして「そもそもシェイクスピアは当時のゴシップネタを本にして街の人たちに見せていただけに、高尚ではないですし、むしろ馴染みやすいエンターテインメント。今作もそれぐらいエンタメな作品を創っていければ」と意欲を見せた。公演は11月6日(日)から30日(水)まで東京・明治座、12月8日(木)から12日(月)まで福岡・キャナルシティ劇場、12月17日(土)から25日(日)まで、大阪・新歌舞伎座にて上演。東京、福岡公演のチケットは発売中、大阪公演のチケットは10月23日(日)一般発売。チケットぴあでは9月29日(木)から10月18日(火)まで、プレリザーブ実施。取材・文:岩本
2022年09月30日菊地成孔とペペ・トルメント・アスカラール、待望の関西公演の開催が決定した。公演は、11月18日(金)大阪・STUDIO PARTITA、11月19日(土)京都・KBSホールにて。菊地成孔とペペ・トルメント・アスカラールチケット情報ブルーノート、スタジオコースト、オーチャードホール、各地方の会館大ホール、リキッドルーム、サントリーホールと、神出鬼没的に公演を実施してきた同楽団。あらゆる音楽を前衛的に融合した比類なきセンセーショナルなサウンドで紡ぐ魅惑の一夜をお届けする。ドープな雰囲気漂う大阪・STUDIO PARTITAでのstanding、荘厳な雰囲気に包まれる京都・KBSホールでのsittingと、全く異なるロケーションで行われる贅沢なオルケスタのサウンドに、じっくりと酔いしれていただきたい。チケットは、9月29日(木)19:00から10月5日(水)23:59までオフィシャル最速先行(先着)受付を実施。■菊地成孔コメント「<菊地成孔とぺぺ・トルメント・アスカラール>を御愛顧いただいている、大阪、大阪近郊、京都、京都近郊、全国、全世界の皆様へ」楽団員とツアースタッフ全員を代表してご挨拶に参上仕っております。菊地成孔です。当楽団が結成されて、そろそろ25年が経過いたしますが、私が現在、指揮、運営する楽団として、とうとう最古参と相成りました。我々、元々腰が重く、楽器の搬送だけでも大変な労力ですし、楽団員は腕利きばかりでマネージも難しく、そこにウイルスの蔓延も加わり、帝都東京都下で演奏会を行うのもままならぬ状況ではありまするが、数少ない演奏の機会には、皆様からの、それはそれは、言葉さえ選ばなければ、ふしだらとも、淫らとも言える愛と官能のバイブスは日々、頂戴しておりますし、私共も常に、皆様を愛し、淫しております。この度、久しぶりに遠征の機会に恵まれ、私が最初に思いついたことと申せば、「我々を、酒や料理と共に、ゆったりとシーツに身を沈めて鑑賞したい方々もいらっしゃるだろう。しかし、我々の演奏で、現在、おおっぴらには禁じられておる所の、踊ったり歓声を上げての祝祭、そのトランスを味わいたい方々もいらっしゃるのではないか?」という事でした。そこで今回、大阪ではスタンディング、京都ではシッティング、という、我々の遠征史上初めての形式を採らせて頂きました。演奏式目、いわゆるセトリも、それに準じて些かながら変えて御座います。ただただ、生きる事だけでも大変な辛苦が必要な世の中になりました。我々がこの四半世紀、何を皆様にお届けするために演奏活動をしているかは、今更申すまでも御座いません。四半世紀前からのご贔屓から、動画でのみ見たことがある、というお若い方々まで、我々の音楽にはあらゆる区別は存在しません。ただあなたが、官能と浄化、生きる喜びと死の甘さを渇望されればこそ。逢瀬の愉しみと祝祭の全開放。それは初冬の生々しい寒さと共に。菊地成孔
2022年09月29日笑福亭鶴瓶の落語会は、その前後もまたライブ感に満ちている。昨年のメイン作品は、ヒットソングが生まれた時勢もあり『死神』を予定していたが、自身の手応えから『お直し』となる。今年のメイン作品は、素敵な嘘の物語=『芝浜』だが、予定は未定だという。まずは、素敵な嘘の思い出から話を聞いた。「師匠のところにお世話になるちょっと前ぐらいかなぁ。学生ノリのバスツアーに実行委員として参加したんです。ところが、その仕切りがグダグダでイライラしてばかりいて。なんとか終わった帰り道で誰かが『トイレに行きたい』となって、僕は内心で(さっきトイレ休憩あったやろ!)と苛立ちがさらに高まってしまったんですね。しかも、休憩したパーキングで『みんなで、かごめかごめをしたい』というわけのわからない流れになって、僕が輪の中心になって。イライラしながらね(笑)。そしたら『かーごめー、かーごめー……ハッピーバースデートゥユー!』ってみんなが急に歌い始めたんですよ。実はその日、僕の誕生日だったんです。めちゃくちゃうれしかったし、めちゃくちゃ反省しました。やらなきゃあかんことに追われて雑なる心を忘れちゃダメだなって。あれは素敵な嘘でした」古今東西の優れた物語がそうであるように、日本の古典落語にも素敵な嘘が描かれることがある。『芝浜』もそんな作風のひとつ。笑えて泣ける人情噺の傑作のひとつでもある。「『芝浜』は、本当に素敵な嘘の物語だと思います。奥さんがやさしさで、ある出来事が夢だったと旦那に思わせようとするわけですから。いま考えているのは奥さんの嘘のつき方をどう演じるか。あと、東京の噺である『芝浜』を大阪の言葉で演じたらどうなるんだろうって。古典は懐が深いです。僕は『死神』を自分流に変えたりはしていますけど、古典を蔑ろにはしていない。伝統を重んじるからこそ、新しいものが生まれるわけで。たとえば、古典のバトンを渡された現代の落語家によって新たな表現がうまれたとしますよね。聞き手の自分がその表現に感動したのなら〝使っていい?〟と必ず本人の許可をもらうようにしています。そこは嘘をつきたくないというか、正直でありたいですから」素敵な嘘を正直に演じる笑福亭鶴瓶。休暇先のハワイで『芝浜』と向き合ってくる予定とのことだが「でも、断念して帰ってくるかもしれません」と正直に語り、それも含めて古典と向き合う日々が楽しいと笑った。取材・文:唐澤和也
2022年09月29日シンガーソングライターの番匠谷紗衣が企画・主催する『Fill RECO FES 2022』が、10月29日(土)大阪・りんくう野外文化音楽堂にて開催。音楽と福祉を融合させた子どもから高齢者の方までが楽しめるフェスで、入場無料で開催される。【動画配信】Fill RECO FES 2022チケット情報番匠谷自身、音楽に救われながらここまでくることができ、好きな音楽に出会えてよかったと感謝の気持ちを語っている。音楽と並行して福祉施設での仕事やボランティア活動をする中で、音楽と福祉を融合させた自分にしか作れない場所が見えてきたという。コンセプトは『やさしい気持ちのはじまりの場所』。これまでライブに行く機会のなかった人や、子どもたちも生の素敵な音楽に触れられるきっかけを作りたいという思いに賛同したアーティストが集結する。出演は、番匠谷紗衣、Anly、根のシン、HIPPY、HoRookies、眉村ちあき。なお、本公演は有料ライブ配信も開催。配信チケットは発売中。『Fill RECO FES 2022』▼10月29日(土) 12:00~18:00りんくう野外文化音楽堂入場料:無料※有料生配信有り[出演]番匠谷紗衣/Anly/根のシン/HIPPY/HoRookies/眉村ちあき/他
2022年09月29日日本古典の名作を、朗読と日本舞踊のコラボレーションで届ける「朗読舞踊劇 Tales of Love『阿国-かぶく恋、夢の果て-』」が、9月28日(水)~10月2日(日)まで、東京・サンシャイン劇場にて上演される。歌舞伎の始祖といわれる出雲阿国、希代の“かぶき者”として知られる名古屋山三、そして阿国を支えた女形・三十郎による恋模様が描かれるシリーズ第二弾。元宝塚歌劇団の瀬戸かずや、綾凰華が、阿国と三十郎をWキャスト・スイッチキャストで演じ、名古屋山三役には人気実力派声優らが出演する今作。初日に先駆けてゲネプロが行われた。ゲネプロでのキャスト組み合わせは、阿国役に綾凰華、三十郎役に瀬戸かずや。名古屋山三役は声優・竹内栄治。また全公演出演する寺内淳志、蓮井佑麻、舞踊を担う花柳幸舞音、藤間涼太朗が出演する。物語は、三十郎が狂言回しとなり、阿国との思い出を語る形で進行。幼い時は物乞いだった三十郎が、阿国と出会ったことでその弟子になり、阿国の踊りに憧れ芸の道に進むことになる。宝塚歌劇団在団時には大人の男を演じることが多かった瀬戸だが、本作では少年時代の菊から、語り部である三十郎になるまでを演じ分け、物語をけん引した。タイトルロールでもある阿国を演じた綾は、芸にまっすぐで、それゆえに気が強い女性を好演。自身の芸にプライドを持った女芸人の姿、そして名古屋山三を前にした一人の女性としての恋心を、綾らしい真っすぐさで演じた。また阿国とは芸の良き同士、恋仲となるも、武士としての運命に巻き込まれ成就しない関係を持つ名古屋山三を演じた竹内(9月28日公演の出演)。声優だからこその二役を見せる、あるシーンは必見だ。また朗読舞踊劇の名にある「舞踊」を担うのは花柳幸舞音、藤間涼太朗。阿国、三十郎、名古屋山三を踊りで演じ分けるが、朗読劇として語り手である役者は大きな動きをしない分、花柳、藤間が舞踊で表現。語りと舞踊が重なる瞬間の面白さは「朗読舞踊劇」ならでは。また阿国一座の演者、町人などを演じた寺内、蓮井の両名も、豊かな演じ分けで、メインキャラクターらを彩った。歌舞伎の始祖と言われる女芸能者「阿国」、その活躍から今の演劇にまで繋がる物語を、ぜひ劇場で体験してほしい。公演は9月28日(水)より東京・サンシャイン劇場にて。チケットぴあでは各公演前日まで購入できる当日引換券が発売中。また各回、阿国・三十郎の配役、及び名古屋山三の出演者が異なるため、公式ホームページ等を確認の上ご来場を。
2022年09月28日1971 年に日劇ミュージックホールで始まった「ほろ酔いコンサート」は今年で 50 周年を迎えます。日本酒を飲みながらほろ酔い気分で心温まるコンサートとして多くのファンに愛されてきました。これまでに北は北海道から南は沖縄まで全国22都市500公演以上開催してきました。■加藤登紀子コメント■みなさんのパワーを翼に!!1971 年の暮れ、日劇ミュージックホールからスタートした加藤登紀子のお酒付コンサート。半世紀以上が過ぎました。東京は出産で2回お休みしたので、今年が50回目です。今年はあちこちから声がかかり、初めての街でも開催します。まだまだスタートライン?!嬉しいなあ!どんなことがあっても、身に降りかかったことを全身で受け止めて、前に進んできたのよ!飛ぶ鳥だって、吹いてくる風に向かって飛ぶのですから。みんなで年に一度、ちゃんと生きたことに乾杯して、新しい年をみんなで迎える!それが私の「ほろ酔いコンサート」です。今年2022年は決して良い年ではなかったけれど、だからこそその風に向かっていきましょう!精一杯の私を歌います!みなさんのパワーを翼に!■コンサートの詳細はオフィシャルHPにて■
2022年09月28日劇団☆新感線の高田聖子が立ち上げたユニット「月影番外地」の公演『暮らしなずむばかりで』が、2023年1月18日(水)から下北沢ザ・スズナリで上演される。同居していた母が亡くなり、一人暮らしを始めた能見(高田聖子)。習い事でも始めたいが「『これを最後の趣味として一生続けたい』と思うと、簡単に選べない」と思っているうちに人生に迷い、散歩の途中で立ち尽くしてしまうことが増えた。しかし、いざ立ち尽くしてみると、道を聞かれるなど忙しい。それで能見は“立ち尽くす”を趣味にしてみた。そして、アパートの大家の逆巻(宍戸美和公)、隣の部屋に住む庄司(松村武)らと出会ってーー。脚本は福原充則、演出は木野花。その他、森戸宏明、信川清順、田村健太郎が出演する。月影番外地としては、2019年の『あれよとサニーは死んだのさ』以来の公演。高田は「コロナ禍に、月影としてオンライン公演などをした方がいいんだろうか、果たしてしたいんだろうか、一体何をしたらいいんだろうかと、もやもや考える時間を過ごしていました」と心境を吐露しつつ、「そのもやもやを少しでも払拭したいし、突破したい気持ちがあった」。チラシには「五十路の逆噴火物語」というコピーが書かれているが、高田は「福原さんや木野さんから見た、今を生きるすべての人の中の“何か”が暴れ出すような、マグマのように溜まっていたものが吐き出せる場になったらいいな」と語る。今回が月影番外地に初出演となる松村武。「達者な役者さんが集うカンパニーだと常々思っていたので、オファーは喜んでOKでした」。高田との共演は初めてだが、同じ奈良県出身ということで「言葉も人との距離感も、奈良の人やなぁ〜という印象で見ていました。一緒にいて、なんかほっとします」と笑いつつ、「(高田は)紀伊國屋演劇賞個人賞を受賞した『どどめ雪』(2016)も素晴らしかった。今の演劇界を代表する女優さんの一人だと思います。胸を借りるつもりで挑みます」。2023年最初の舞台。2022年を振り返ってもらうと、松村は「徐々に戻っていくだろうと思っていたのに、もしかしたらずっとこのままなのではないか、前提を変えていかなくてはいけないのではないかと思わされた年だった」と話す。「飲んで話すことも減った。そもそも飲まへん文化になったり、演劇が『マスクをとった人間をみる媒体』になっていったりするかもしれない」と危機感も感じていた。高田は「コロナの影響で、キャストや公演日程が変更になったりと振り回された一年でした。未だに本番が始まる直前までマスクをつけて稽古をしているので、いざ本番でマスクをとったとき、人の顔の下半分が持つパワーはすごいなと」。漢字では「立」という一文字を挙げて「立ってはいるけど、動けなかった。2023年は一歩踏み出したい」と話し、「みんなが元気に集まれることを目指して、頑張ります」。公演は1月29日(日)まで。取材・文:五月女菜穂
2022年09月27日声色を変えながら噺をする落語家、声だけで様々表現をする声優が共演する「オトシバナシ」公演の第4回公演が10月16日(日)、東京・AOYAMA GRAND HALLにて開催。落語の師匠に指導を受けた声優が落語を披露する本公演。出演には落語家・柳亭小痴楽、春風亭昇々。そしてゲストとして声優の神尾晋一郎が出演する。これまでも出演してきた神尾の、柳亭小痴楽・春風亭昇々らとの息ぴったりのやり取りも声優と落語家という一見交わることがないように見えるコラボレーションをぜひ会場で体験してほしい。チケットは好評発売中。
2022年09月26日LINEスタンプでも人気を博す「BT21」の可愛いキャラクターたち。文房具や衣類、バッグやぬいぐるみなどその商品は多数ラインナップされているが、2020年夏からサンダルやスリッパが登場。2021年からは「BT21 BABY」がデザインされるなど、毎回完売の人気商品になっている。「BT21 minini」スリッパ通販サイトそして今回、2022年秋冬スリッパとして「BT21 minini(ミニニ)」が初登場。チケットぴあ通販サイトで9月30日(金)より限定予約販売する。「有名なスターになること」が地球に愛を届ける最も良い方法だと考えて地球を訪れたBT惑星のプリンス・TATA(タタ)が仲間を探し始め、KOYA(コヤ)、RJ(アールジェイ)、SHOOKY(シュキ)、MANG(マン)、CHIMMY(チミー)、COOKY(クッキー)に出会い、宇宙最高のスターを目指すという「BT21」。「BT21」からはじまり「BABY」「minini」と毎回新たな魅力を発信してくれる新しいアイテムは、日常使いはもちろん、コレクターにはたまらないアイテムになっている。今回の2022年秋冬スリッパはスリッパ全体が上質かつ柔らかな起毛素材で覆われていて、ふわふわで気持ちのいい肌触り。軽量で履き心地も良く、足裏にはすべり止め加工も施され実用性も兼ね備えている。さらに数量限定・日本国内限定販売というレアな商品になっているので、早めの予約をおすすめしたい。商品の発送は10月上旬を予定。価格はすべて1足2728円(税込)。サイズはいずれもフリーサイズ展開、男女兼用。
2022年09月26日名実ともにヘヴィ・メタル界の頂点に立つMEGADETH(メガデス)。6年ぶりのニュー・アルバム『The Sick,The Dying...And The Dead!』の発表に続いて、6年ぶり通算15回目の来日公演が決定した。公演は、2023年2月27日(月)東京・日本武道館、2月28日(火)大阪・グランキューブ大阪にて開催される。MEGADETHチケット情報全世界を襲った新型コロナウイルスの感染拡大による世界的なロックダウンと、デイヴ・ムステイン(vo&g)の喉頭癌との闘病。デイヴは病に打ち克ち、ツアーを再開した彼らが今年9月にリリースしたのが、通算16枚目のアルバム『The Sick,The Dying...And The Dead!』だ。現在のコロナ禍、そして自らの癌との闘病を示唆するようなタイトルで、それらに果敢に挑んだ姿勢が表れているような、まさに“これぞメガデス”ともいうべき獰猛なサウンドが満載された作品になっている。今回のジャパン・ツアー東京公演の会場は、デイヴが長年切望していた、悲願の日本武道館!1993年の『COUNTDOWN TO EXTINCTION』発売に伴うツアーの一環として予定された来日公演には、初の日本武道館公演が含まれていたものの、デイヴの体調問題のためキャンセルされ、彼にとっては30年越しの悲願が叶うことになったのだ。この記念碑的な意味合いを持つ来日公演のチケットは、10月15日(土)10:00より一般発売開始。一般発売に先駆け、9月29日(木)23:59まで最速抽選いち早プレリザーブを受付中。
2022年09月26日2017年の『リチャード三世』で観客に大きな衝撃を与えた、ルーマニアの巨匠シルヴィウ・プルカレーテと佐々木蔵之介のタッグが再び実現。今回はモリエールの名作『守銭奴』に挑む。そこで主人公のアルパゴンを演じる佐々木に話を訊いた。5年前のプルカレーテとのクリエイションの日々について、佐々木は興奮気味にこう語る。「このシーンはこうであろうという僕たち俳優の考えが、毎回稽古場で覆されるんです。別にテキストを無視しているわけではないのですが、驚くべき演出が繰り返されていく。ただ2、3時間もするとご本人は帰ってしまうので(笑)、あとは僕らだけの復習の時間。でも次の日には、またガラリとプランを変えてこられる。だから作っては壊し、作っては壊しをやる楽しみがあって。とにかく僕が惹かれたのは、プルカレーテさんの演劇を作る視点の面白さ。これは客席で観たい!と思ったほど、毎日の稽古が非常に刺激的でした」念願の再会となる『守銭奴』。佐々木演じるアルパゴンと言えば…。「“ケチ”ではなくて“どケチ”、よく言えば究極の倹約家ですよね(笑)。ケチの具合が度を越していますから。自分の子供たちよりも、とにかく金を愛している。何よりも優先すべきは金!だから彼にとっては本当に大変な、生きるか、死ぬかの1日で…。まぁ1ミリも共感はしませんが(笑)。ただやはりこれは演劇だからやれる、という面はあると思います。やっぱり舞台と客席が、ある種の了解の上で進めていかなければいけない作品なので。それはつまり、やりがいのある作品ということだと思います」プルカレーテの舞台が唯一無二の魅力を放つ理由は、驚きの演出とドラゴッシュ・ブハジャール(舞台美術・照明・衣裳)による劇空間の美しさ。「前回のような、ああいうグロテスクで残酷な作品を、あれだけ美しく見せることが出来ますし、さらにその中には絶対にユーモアが調合されている。リチャードの時は最後、みんなで歌って踊っていましたからね(笑)。今回も僕らが考えるような喜劇とはまた違う匂いの、彩りの、笑いなり何なりがあるんだろうなと。ただの喜劇にはならないでしょうし、またいろんなことで驚かされると思います」そんなプルカレーテの世界の住人になるため、俳優に必要なものとは?「その登場人物の哲学を迷わずにやり遂げる、ということでしょうか。きっと今回のアルパゴンにしても、ただのどケチにはならないと思いますよ」取材・文:野上瑠美子
2022年09月26日今年で6回目となる、the band apart(以下、バンアパ)主催イベント『SMOOTHLIKE GREENSPIA 2022』が、10月9日(日)服部緑地野外音楽堂で開催される。「the band apart SMOOTHLIKE GREENSPIA 2022」チケット情報出演アーティストは、the band apart、Age Factory、MUSIC FROM THE MARSの3組。このたび『GREENSPIA』おなじみ、木暮栄一(ds)デザインのグッズTシャツが公開された。緑に囲まれた会場で気持ちの良い風を感じながら、生ライブを堪能してほしい。なお、本公演はオンライン配信も実施決定。お得な早割チケットは10月2日(日)まで発売中!!
2022年09月23日『盗まれた雷撃 パーシー・ジャクソン ミュージカル』が2022年9月21日(水)から有楽町よみうりホールほかで上演される。本作は、アメリカの人気作家リック・リオーダンにより2005年から09年にかけて年1冊ずつ発行され、ニューヨーク・タイムズのベストセラーにも選ばれた大人気ファンタジー小説『パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々』シリーズの第1作を原作としたミュージカル。日本初上演となる今回、岡本圭人が主演で、小南満佑子、水田航生、木内健人、宮原浩暢(LE VELVETS)、壮一帆らが出演する。初日を前にオンラインで稽古が公開され、作品冒頭のM1「Prologue/The Day I Got Expelled」が披露されたほか、出演者がインタビューに応えた。ミュージカル初出演となる、パーシー・ジャクソン役の岡本は「オンライン公開稽古という新しい試みで、たくさんの方に稽古を見ていただき、作品の良さが少しでも伝わると嬉しいです」とコメント。「ギリシャ神話をベースに、といっても『自分は普通ではない!?』と感じていた少年が、ある日突然、自分の父は神様だったと知って仲間と冒険の旅に出る......という物語。神話の世界の登場人物が親しみやすいキャラクターとして登場するテンポの良いコメディで、分かりやすく描かれています」と作品を紹介し、「ザ・王道のファンタジーで、疾走感あふれる冒険を楽しんでいただけると思います。ぜひ劇場へお越しください」などとPRした。そんな岡本に対し、サリー役の壮は「メロメロです」と笑顔。その上で「パーシーは葛藤を持ちながら『自分とはなんだろう』ということをテーマにしている。それは母親のサリーも同じで、互いに完璧ではないのが魅力的」と話す。アナベス役の小南は「M1はストーリー性が盛り込まれているキャッチーな楽曲。他の楽曲も素晴らしい楽曲がたくさんあるので、観てくださるお客様もノリノリになっていただけると思います」と楽曲について話し、ルーク役の水田は「パーソナリティが分からないと、コメディ作品は作りにくいので、積極的にコミュニケーションをとりながら稽古をしています。(感染症予防の観点から)空間的な距離は取りながら、心は密に稽古に励んでいます」と稽古場の様子を語る。グローバー役の木内は「岡本くん演じるパーシーとの関係性も大事な要素なので、二人でわちゃわちゃしながら、友情を見せられたら」と意気込み、ブラナー先生役の宮原は「キャラがそれぞれ立っていて、いいメンバー。とても面白い作品になっています」と自信を見せた。翻訳・訳詞・演出は荻田浩一。東京公演は10月5日(水)まで。京都公演は10月9日(日)、10日(月・祝)、京都劇場。取材・文:五月女菜穂
2022年09月22日21世紀の今、西洋モダンオーケストラは世界で最も普遍的な「楽器」のひとつであることは、否定しようがない事実だ。とりわけ東アジア地域では、ことによると各地の民族伝統楽器よりも遙かにポピュラーなメディアかも。3年ぶりに海外オーケストラを招き開催されるアジアオーケストラウィーク2022の開幕を飾るのは、アジアにオーケストラ音楽の基礎を築いたフィリピンの団体だ。日本にも西洋音楽がもたらされた戦国時代頃にスペイン植民地となり、カトリック教文化が5世紀にわたり根付いた南の島々には、世紀単位の西洋音楽文化の積み上げがある。結果としてフィリピンはアジア地域に於ける西洋音楽演奏の最先端地域であり続け、アジア各地に多くの音楽家を出してきた。余り知られない事実かもしれないが、例えば「アジアで最も古いオーケストラ」とされる上海交響楽団の前身もフィリピン人バンドなのである。西洋音楽を文字通り血肉としてきたそんな国にあって、アメリカ統治下の1926年に設立されたマニラ交響楽団は現存する最古のオーケストラの一つだ。祭りの開幕に老舗が披露するのは、フィリピンの山田耕筰かはたまた古関裕而か、と称すべき国民的作曲家ルシオ・サン・ペドロの交響詩。盛期ロマン派の手法を用い、独立に至る歴史をコンパクトに描いたフィリピン版ミニ《我が祖国》である。そしてザルツブルクで学ぶマニラ生まれの15歳の天才チェリストの弾くエルガーは、この国の音楽文化の層の厚みをあらためて感じさせてくれるだろう。フィリピンから北上した沖縄にも、独自の魅力的な音楽文化が存在する。2000年に地元音楽家を中心に結成され、創設以来大友直人が率いる琉球交響楽団は、音楽的な成果を着実に上げている注目株だ。地域に密着した音楽のあり方を真剣に実践し、創作ばかりかホール運営でも先駆的活動を行った作曲家中村透の沖縄伝統楽器と西洋オーケストラのコラボ作品は、この団体の他には実質演奏不可能な本場モノ、聞き逃せない貴重な機会だ。トリを務めるのは、更に北上した朝鮮半島から「ソウルのN響」たるKBS交響楽団。世界に向け著名ソリストを排出する韓国音楽界の地力が、20世紀後半を代表する作曲家ユン・イサンの重厚深遠な交響曲第2番の楽譜に炸裂する。(音楽ジャーナリスト渡辺和)■アジア オーケストラ ウィーク 202210月5日(水) マニラ交響楽団10月6日(木) 琉球交響楽団10月7日(金) KBS交響楽団
2022年09月22日ミニマル・ミュージックの金字塔として伝説的に語られるフィリップ・グラスの『浜辺のアインシュタイン』が10月30日(日)、あいおいニッセイ同和損保ザ・フェニックスホールで上演される。フィリップ・グラス「浜辺のアインシュタイン」(演奏会形式・抜粋版) チケット情報この『浜辺のアインシュタイン』という奇妙なタイトルの作品は、1976年、気鋭の演出家であったロバート・ウィルソンと作曲家のフィリップ・グラスにより、フランスのアヴィニョン演劇祭で初演されたオペラ作品である。当時、時代を象徴する存在であった科学者のアインシュタインをイメージした作品、とされるが、アインシュタイン自身も浜辺も作中には登場しない。明確な物語はなく、繰り返される歌唱と抽象化されたパフォーマンスが観るものを独特の酩酊感へと誘う、前衛的な表現に満ちたオペラである。日本初演は1992年10月。今年10月8日・9日には、神奈川県民ホールで一部の繰り返しを省略した4時間に及ぶオリジナル・バージョンが上演されるが、あいおいニッセイ同和損保ザ・フェニックスホールでは演奏会形式・抜粋版と銘打ち、よりグラスの音楽に特化した上演を行う。ここでグラスが創造した音楽は極度に切り詰められた音型の繰り返しや、無機質で早口な合唱など、従来のオペラの文法からまったくかけ離れたものである。背景を覆う電子オルガンの響きの中に、電子的に調整されたヴァイオリン、サクソフォン、フルートなどの音が重ねられていく色彩感は、むしろ現代のロックやテクノなど、ポピュラー音楽への広がりなども示すものかも知れない。今回、音楽監督を務めるのは電子オルガンも担当する中川賢一。以下、電子音響の有馬純寿をはじめとする13人が演奏と歌唱に臨む。『浜辺のアインシュタイン』の音楽について中川は「70年代の熱気をはらんだ、いわゆるグルーヴ感を持ったバンドサウンドのスタイル。今の時代のロックやクラブ系のコンサートの感覚で聴いても十分に刺激的」と語る。デジタルな音響が溢れる2020年代をすでに半世紀近く前に予見していたかのようなグラスの先進性は、この秋、新鮮な音楽体験となって私たちを揺さぶるに違いない。チケットは発売中。取材・文:逢坂聖也
2022年09月22日舞台作品の劇作家・演出家として、さらに映像作品の脚本家・監督として幅広く活躍中の加藤拓也。彼が主宰する劇団た組の最新作『ドードーが落下する』が9/21(水)にKAAT神奈川芸術劇場にて幕を開ける(他、松本、札幌でも公演あり)。主演は藤原季節。平原テツら、た組や加藤作品にお馴染みの面々ばかりで「気心の知れたメンツなので賑やかな稽古になりそう」と、藤原も平原も口を揃える。「公私ともに仲のいいメンバーで、本当なら仕事とプライベートは分けるものだと思いますが、今回の作品に関しては加藤さんがあえて公私を混ぜちゃったというか、公に私を持ち込もうとしているのかも。微妙にタブーとされていたような、プライベートの空気感を作品に取り入れるようなことをやろうとしているような気もします」(藤原)「これは加藤くんにも言ったんだけど、ある意味今回のカンパニーは“バカ”の集まりみたいになりそうだけど、大丈夫?って(笑)。普通に大はしゃぎしちゃうタイプが揃ってるので。でも劇中にそういうシーンも確かにあるから、作品に普段の空気感が活きてくるのかもしれないね」(平原)藤原が演じるのはイベント制作会社勤務の信也。平原が演じる売れない芸人の夏目とは仕事絡みだけではない、人間関係を築いているように見える。そんな二人と、周囲の人々との三年間を描いていく群像劇となる。「なにしろ今回はテツさん絶対ヤバイですよ!ずっと舞台上にいるようなものだし」(藤原)「なんだかイジメみたいに加藤くんは毎回、限界を越えましょう!って言ってくるから。もうそんな年齢じゃないのに。今回も、今までやったことのない役なのでどうなるんだろう?と思ってる」(平原)「だけど前回の舞台でもテツさん、5歳児の役をサラッとやられていたじゃないですか」(藤原)「そうだった、あれもやったことない役だったわ(笑)」(平原)「加藤さんはよく“自意識の薄い俳優が好き”と言っていますけど、まさにテツさんは何を言われても“オッケー!”の一言で演じ切っちゃう。こうしたい、とかいう自意識が…」(藤原)「ゼロなんですよ」(平原)「それで加藤さんの描いた物語をストレートに体現されているので、そばで見ていて本当に勉強になります」(藤原)「僕、作品の分析もしないし、特に作者の意図も汲まないし。ただオファーされたことを楽しくやらせてもらうだけ。逆に、申し訳ないくらいです(笑)」(平原)「とにかく今回もわかりやすい物語ではないし、わあ、面白い!と手放しで安易に言える作品ではないかもしれないですが、きっと心のどこかにガツンガツンと釘を打たれるような、ちょっと痛みを伴うような。ありきたりではない、忘れられない作品にはなると思います」(藤原)「加藤くんによると今回は“青春失踪劇”とのことで。でも決して10代の若者の物語ではなく、夢を追いかけているおじさんたちが現実と戦っているようなダサさのある生々しい話になると思います。そんな青春失踪劇を楽しみに、ぜひ劇場まで足を運んでほしいですね」(平原)取材・文田中里津子
2022年09月22日ステージに広がる、スペインの乾いた大地。それが、20世紀初めに活躍したスペインの詩人・劇作家、フェデリコ・ガルシーア・ロルカがこの『血の婚礼』で描いた悲劇の舞台だ。レオナルド(木村達成)と彼の昔の恋人である“花嫁”(早見あかり)、そして“花婿”(須賀健太)が大地を駆け、はいずり、抱き合い、殴り合い、蹴り合い、己の肉体を、そして言葉を、魂をぶつけ合う……。物語は冒頭から、花婿の母(安蘭けい)が自分の息子への愛情と共に、深い悲しみと憎しみに囚われていることを示す。どこか狂気に駆られている彼女を、息子は愛している一方で疎ましさも覚えている様子。この1シーンだけで、彼らの複雑な心模様が浮き上がる。そしてレオナルドも花嫁も、自分たちの今の姿に苛立っている。レオナルドは妻に怒りをぶつけ、花嫁は女中とひりひりするようなやりとりを繰り広げる。そんな彼らを縛りつけている何かを、黄色やオレンジなど色鮮やかな衣服の上のハーネスが象徴しているかのようだ。視覚的な演出として、衣裳が非常に印象的であることは特筆しておきたい。ほとんどの登場人物の衣裳が鮮やかな色味である一方、花婿の母だけは常に黒、そしてレオナルドとその妻(南沢奈央)だけが真紅を身につけることも。花婿と花嫁の結婚式の日、宴の最中にレオナルドと花嫁が姿を消す。花婿はふたりを追う。ここで第一幕が終わり、舞台上にあった壁が取り払われる。そしてステージ全面を使った広大な大地(砕いたココナッツの皮が使用されているのだとか)が姿を現す。この舞台転換が、何よりも効果的だ。人々を遮っていた物が消え、レオナルドと花嫁、花嫁はハーネスを外す。自らを縛るものがなくなったその時、3人は心も体も激しくぶつけ合う。そして彼らは悲劇的な結末を迎える。レオナルドと花嫁の葛藤は、観客の共感を誘うものではないだろう。どちらかと言えば、理解できずもどかしく感じられる。だが彼らの躍動する肉体が、ひどく心を揺さぶることは間違いない。また終盤で亡くなった者たちを悼む母の姿の、悲しくもどこか雄々しく、美しい姿も。これが、“人が生きる”ということだと語りかけるように……。取材・文:金井まゆみ
2022年09月21日両目の眼球がなく、重度の障害を抱えて生まれた少女・千璃(せり)。ニューヨークで暮らす親子の実話をもとに描くオリジナルミュージカルだ。夫婦の葛藤、医療裁判、度重なる手術…多くの苦しみを超えて育まれた、愛と希望の物語。原作は実在の千璃の母・倉本美香が書いた手記『未完の贈り物』。千璃にはE-girlsを経た山口乃々華が得意の身体表現で難役に挑む。母・美香には舞台を中心に活躍する実力派の奥村佳恵、父・丈晴は2.5次元作品で人気の和田琢磨。ほかに植本純米ら出演者たちが親子に関わる複数の役を演じ分ける。演出は、振付に定評のある下司尚実が初めてミュージカルに挑戦。桑原まこによる約30曲の楽曲が出そろった9月下旬、稽古場で3シーンを紹介、オンラインで見学した。『conSept Musical Drama #7 SERI~ひとつのいのち』チケット情報笑顔の多い明るい稽古場で、まずはプロローグから。“愛してる何もかもを。でも誰よりも孤独。そんな命の話聞いて。~これはきっとあなたの物語”と千璃が歌う。山口の透き通った歌声に奥村が絡み、桑原の美しく優しいメロディに乗って全員の歌とダンス。脚本・歌詞は高橋亜子で、歌とセリフの境界線を無理なく超える。コンテンポラリーダンス初挑戦の山口は、千璃の心の声を身体表現で流れるように綴る。次に、千璃と名付け、初めての子供を待つ幸せな夫婦のシーン。奥村と和田のデュエット。ふたりの背後では、お腹の中にいるだろう千璃がうれしさを体現し、誕生へ。舞台セットはシンプルだ。キューブや円柱型などカラフルな箱が様々に組み合わされ、出産台にもなる。場面転換でそれらを動かすのは出演者たちだ。「開けている優しい空間で、千璃ちゃんという命をキャストのみんなで見守っていくような流れを作りたくて」と下司。そしてニューヨーク・タイムズスクエアのシーン。障害を持つ千璃をベビーバギーに乗せ散歩する夫婦。が、行き交う人々の中で母・美香の心は…。物語は主に両親と千璃の6歳まで、最後に18歳の千璃が登場。山口が体現するのは千璃の命のエネルギー(魂)や感情だ。「千璃ちゃんの持つ愛くるしさや皆に愛される力を自分の中に見つけながら大切に演じたい」と話す。「千璃を守ることに必死なようで実は千璃に守られている」と言う奥村は「とにかく丁寧に。作品の中で起きる奇蹟のような瞬間を信じて」。また和田は「この作品の本当の良さを伝えるためには、常に新鮮さを持っていないと」と初の父親役に臨む。最後に下司よりメッセージ。「千璃と両親の3人によって育まれた愛を描き、命が教えてくれるきらめきがたくさん詰まった時間をお届けします!」。公演は、10月6日(木)から16日(日)まで、東京・博品館劇場、10月22日(土)・23日(日)大阪・松下IMPホールにて。チケット発売中。取材・文:高橋晴代
2022年09月21日キュウソネコカミ「ONEMAN LIVE ~和歌山の城ホール~」公演が決定した。2023年のライブ初めをヤマサキセイヤ(vo&g)の地元・和歌山にて開催する。日程は1月14日(土)、会場は2021年10月に開館した和歌山城ホール(大ホール)。会館会員に向けた先行受付に続き、ファンクラブ会員に向けた先行受付が実施される。
2022年09月21日人気ピアニスト及川浩治の秋のリサイタルは、4回目となる「名曲の花束」だ[10月10日(月・祝)サントリーホール大ホール]。「ロマン派」をテーマにしたプログラムについて聞いた。「名曲の花束は、みなさんにピアノ曲というジャンルを超えた名曲の数々を聴いていただこうというシリーズです。タイトルを見たことがなくても、メロディを聴けばわかるような曲が入っているプログラム。今回は、同時代に活躍したシューマン、ショパン、リスト、メンデルスゾーンに、シューベルトを加えた初期ロマン派。そしてリストが高く評価した、娘婿でもあるワーグナー。そんな作曲家のつながりのあるプログラムです」プログラムは以下のとおり。●シューマン:トロイメライ●ショパン:ロマンス(ピアノ協奏曲第1番より第2楽章)●シューマン(リスト編):献呈/春の夜●リスト:荒野の狩/愛の夢第3番/死の舞踏●メンデルスゾーン(リスト編):歌の翼に●シューベルト(リスト編):魔王/アヴェ・マリア●リスト:ラ・カンパネラ●ワーグナー(リスト編):タンホイザー序曲「歌曲の編曲作品が多いんですね。シューマン/リスト編の〈献呈〉〈春の夜〉〈愛の夢〉〈歌の翼に〉〈魔王〉〈アヴェ・マリア〉。僕はもともと、ピアノは歌う楽器だと思っているんです。鍵盤を叩いたあとは音が減衰していくというピアノの弱点を乗り越えて、いかに歌わせることができるか。若い頃からそれをずっと模索してきました。歌が好きなんです。リストが編曲してくれてありがとう(笑)。編曲したということは、当時から広く愛されていた歌だったという証ですよね。じつは編曲ものは難しくて、自分にとってのチャレンジにもなります。たとえば〈アヴェ・マリア〉。有名なメロディなので簡単そうに聴こえるかもしれませんけれども、左手と右手の真ん中にメロディが書いてあるような編曲で、それを歌に聴こえるように弾くのはなかなか至難の業なんですよ」歌曲以外では、〈トロイメライ〉や〈ラ・カンパネラ〉などのピアノ曲はもちろん、協奏曲や〈死の舞踏〉などオーケストラ曲の作品も並ぶ。まさにジャンルを超えた、ピアノ1台によるガラ・コンサートのような選曲が楽しい。プログラムの最後に〈タンホイザー序曲〉を置いたのには理由がある。「なぜ最後に“序曲”を弾くのか。いま、コロナや戦争や、いろいろなことが起きていて、夢や希望を持っていないと、なかなかしんどい世の中です。ただ、残念ながら人間の歴史は疫病や戦争の歴史でもあります。その中で生まれてきたクラシック音楽には、苦しみを共有し、人を癒やす力があると思うのです。コンサートでそんな音楽に浸っていただいたあとは、それがこれからのみなさんの人生の序曲・序章になれば、という気持ちです。勇気や元気を感じていただければと思います」(宮本明)
2022年09月21日鬼才ハロルド・ピンターの傑作『管理人』を小川絵梨子が演出。宿無しの老人デーヴィスのため、アストンは自分の部屋に彼を招き入れる。だがそこにアストンの弟ミックが現れて…という不条理劇だ。そこで出演者のイッセー尾形、木村達成、入野自由の3人に話を訊いた。イッセー演じるデーヴィスは、なかなかの厄介者。しかしさらに一筋縄ではいかない兄弟との関係について、「デーヴィスは力関係で見ていると思います。要は自分がここをねぐらにしていくには、どちらにすり寄ればいいのか。彼は人に対して、ずっといい顔をして生きてきたんでしょうから。それがこの兄弟にはのれんに腕押し(笑)。それによりどんどん思惑からずれていってしまうんですよね」とイッセーは分析する。演じるアストンについて入野は、「どういう人物なのかかなり不明瞭で、一貫してわかりそうでわからない。それはこの兄弟の関係性にしても、不確かな部分が非常に多いと思います。ただその掴みどころのなさが、面白さでもあるんですよね」と読み解く。弟のミックを演じる木村も、「わからないことに誇りを持って、堂々と演じていきたいって気持ちもあります。完全にハロルド・ピンターの術中にはまっていますが(笑)、人間の解釈が追いつかない人って絶対にいますから。でも出来るだけそこに近づきたいとも思うんです」と、意欲を見せる。演出の小川とイッセーは、2年前の『ART』以来の顔合わせ。彼女への強い信頼を、「ただただ小川さんの喜ぶ顔が見たくて、今回のお話をお受けしました(笑)」との言葉に込めたイッセーは、「『ART』の演出方法が非常に明確だったので、今回も僕たち3人に明確に課題を出してくると思います。それをクリアした先になにかがあると信じて、日々の稽古に臨みたいと思います」と続ける。入野と木村は、小川演出を受けるのは今回が初。入野は「小川さんの演出を受けたことがある方の話を聞くと、役者としての発見がたくさんある現場だと。今回はそれにプラスアルファ、『管理人』というこの戯曲を小川さんがどう読み解いていくのか。とても楽しみです」と期待を寄せる。また木村は、「初めましてなので未知数ではありますが、人って出会いによっていろんな変わり方をしていくもの。今回小川さんの演出を受けることで自分がどう変わるのか。すごく楽しみですし、しかもこの作品で挑めるというのが、非常に素敵なことだと思います」と目を輝かせた。取材・文:野上瑠美子
2022年09月20日