アンソニー・ホプキンスが20世紀を代表する名監督を演じた映画『ヒッチコック』のポスター画像が公開された。その他の写真本作は、サスペンスの神と謳われたアルフレッド・ヒッチコックが、名作『サイコ』を完成させるまでの道のりを、これまであまり語られてこなかった妻アルマとの関係に焦点を当てて描いた作品。このほど公開されたポスター画像は、特殊メイクを施し、ヒッチコックに扮したホプキンスと、妻アルマ演じるヘレン・ミレンが正装して並んでいるもの。ホプキンスは片手に、『サイコ』のシャワーシーンを彷彿とさせる包丁を握り、もう片方の腕では妻を優しく抱いている。さらにふたりは、アカデミー賞の赤絨毯を連想させるかのような背景をバックにしており、生涯で一度もアカデミー賞を受賞することのなかったヒッチコックの過去を皮肉った強いインパクトを残すデザインになっている。『ヒッチコック』2013年春、全国ロードショー
2012年12月28日“サスペンスの神”と謳われた巨匠アルフレッド・ヒッチコックと、彼を支えた妻アルマ・レヴィルとの知られざる物語を描いた映画『ヒッチコック』。このたび、アカデミー賞の赤絨毯を彷彿とさせる背景をバックに、特殊メイクを施した主演2人が並ぶ本作のポスター・ビジュアルが遂に解禁となった。ヒッチコックは、作品の評価とは裏腹に監督として“アカデミー賞に嫌われた男”でもあった。そんな無冠の帝王の心の葛藤と逆境を支え続けた女性がいる。彼女の名は、アルマ。優れた映画編集者にして、ひらめきに満ちた脚本家であり、ヒッチコックの生涯ただ一人の妻だ。本作では、神と、その神を創った妻による映画『サイコ』の成功に至るまでの道のり。そして2人の天才の知られざる物語を、ユーモラスに、そしてドラマチックに描き出す。『羊たちの沈黙』でアカデミー賞主演男優賞を受賞し、「サー」の称号をもつ英国最高峰の演技派アンソニー・ホプキンスが本作では特殊メイクを施し、ヒッチコックに生き写しのような姿で挑んでいる。その妻・アルマを、『クィーン』でアカデミー賞主演女優賞を受賞し、「デイム」の称号をもつヘレン・ミレンが演じる。さらに、スカーレット・ヨハンソン、ジェシカ・ビールなど豪華キャストの出演も話題を呼んでいる本作。このたび公開となったポスターの、ヒッチコック(アンソニー)の片手には『サイコ』のシャワーシーンを彷彿させる包丁が、また一方の手には妻・アルマ(ヘレン)を優しく抱きかかえており、本作で描かれる物語を想像させるウィットに富んだビジュアルに仕上がっている。急遽、アカデミー賞に名乗りを上げた本作。映画ファン、ヒッチコキアン(ヒッチコック・ファン)ならずとも、賞レースでのゆくえに期待せずにはいられない。『ヒッチコック』は2013年春、全国にて公開。© 2012 Twentieth Century Fox. All Rights Reserved.(text:cinemacafe.net)■関連作品:ヒッチコック 2013年春、全国にて公開(C) 2012 Twentieth Century Fox. All Rights Reserved.第70回ゴールデン・グローブ賞 [アワード] 2012年12月13日(現地時間)にノミネート発表、2013年1月13日に授賞式開催
2012年12月26日昨日、発表された今年のゴールデン・グローブ賞(GG賞)のノミネート結果。映画界最大の祭典に向けて、本場ハリウッドを始め、大きな盛り上がりを見せる今年の賞レースだが、このほど、同賞にて『ヒッチコック』で主演女優賞・ドラマ部門にノミネートを果たしたヘレン・ミレンから喜びのコメントが到着した。1959年、ヒッチコックは新作『サイコ』の製作に挑んでいた。後にサスペンス映画の金字塔と称えられ、現代に至るまで多くのクリエイターに影響を与え続けているヒッチコック最大のヒット作だ。だが当時、映画史上かつてない斬新さゆえに、ヒッチコックは資金難など数々の試練にぶつかり、さらに最大の味方のはずの妻・アルマとの関係まで揺らぎ始める。監督として、そして夫として、ヒッチコックは岐路に立たされるのだった――。斬新な演出方法で世界に衝撃を与え、“サスペンスの神”と謳われた巨匠アルフレッド・ヒッチコックと、彼を支えた妻アルマ・レヴィルとの知られざる物語を描いた本作。昨日、発表された第70回GG賞でのノミネートを含め、主人公・ヒッチコックを演じたアンソニー・ホプキンスの名演と並び、各方面からその評判の高さが聞こえていた妻・アルマ役のヘレン。今回届いたコメントでは、「この度はノミネートいただきまして、誠に光栄です。私が演じたヒッチコックの妻・アルマ。この映画『ヒッチコック』でも描かれている彼女のヒッチコック作品への貢献が認めてもらえたことを心の底から感謝いたします!」と喜びを語っている。過去にイギリス王室の舞台裏を描いた『クィーン』(’07)で、アカデミー賞主演女優賞を受賞した実績を持つ大女優・ヘレン。母国・イギリスでは、“デイム”(=ナイトの女性版)の称号を与えられおり、その役者としても、ひとりの女性としても美しく逞しい彼女の名演に期待せずにはいられない。『ヒッチコック』は2013年春、全国にて公開。■関連作品:第70回ゴールデン・グローブ賞 [アワード] 2012年12月13日(現地時間)にノミネート発表、2013年1月13日に授賞式開催ヒッチコック 2013年春、全国にて公開© 2012 Twentieth Century Fox. All Rights Reserved.
2012年12月14日20世紀を代表する映画監督アルフレッド・ヒッチコックの知られざる素顔に焦点を当てた映画『ヒッチコック』のロンドン・プレミアが日本時間9日に開催され、主演のアンソニー・ホプキンスとヘレン・ミレン、サーシャ・ガヴァシ監督が出席した。その他の写真本作は、ヒッチコックが1960年に発表した映画『サイコ』の舞台裏で起こっていた出来事に焦点を当てた伝記映画。ヒッチコックをホプキンスが、彼の妻で仕事のパートナーでもあったアルマ・レヴィルをミレンが演じ、2013年春に日本公開される。プレミアが開催されたイギリスのBFIサウスバンクは、ヒッチコックの生まれ故郷であり、初共演を果たしたホプキンスとミレン、そしてガヴァシ監督もイギリス出身だ。ガヴァシ監督は「スピルバーグからキューブリックまで、だれもがヒッチコックの影響を受けている。女優との複雑な関係は有名だが、妻アルマが多大な協力をしたことは知られていない。この映画をヒッチコックの物まねにはしたくなかった。最初はそっくりのメイクにしたが、それだとアンソニーがヒッチコックを演じるという面白さが失われてしまうからね」と話し、ミレンは「ふたり(ヒッチコックとアルマ)は映画スタジオで出会い、ロンドンが大好きだったの。この物語は結婚と仕事の成功例よ。彼女はヒッチコックの影というより同等に優秀だったの」とコメント。ホプキンスは「今さらながらだがヒッチコックは大スターだし、多くの人々に影響を与えたんだ。アルマはヒッチコックに指示を与え映画を編集した実力者だ。女性の直観や知恵のおかげで、ヒッチコックには見えないものが見えたんだ」と分析した。ヒッチコックが一度もアカデミー賞を受賞していないことは有名な話だが、映画『ヒッチコック』は完成度の高さから既にアカデミー賞レースに名乗りを上げている。『ヒッチコック』2013年春、全国ロードショー
2012年12月13日“サスペンスの神”と謳われた巨匠アルフレッド・ヒッチコックの知られざる物語を、名優アンソニー・ホプキンスを迎えて映画化した『ヒッチコック』。12月9日(現地時間)、ヒッチコックの生まれ故郷であるイギリスにてロンドン・プレミアが開催され、本作の監督を務めたサーシャ・ガヴァシと初共演となったアンソニーとヘレン・ミレンのオスカー俳優が初めて2ショットでお目見えし、華々しくプレミアを彩った。革新的な演出方法で映画界にもっとも影響を与えた監督、アルフレッド・ヒッチコック。彼の代表作『サイコ』の撮影現場で巻き起こった困難と障害、そして彼の妻であり仕事のパートナーでもあったアルマ・レヴィルとの知られざるロマンスを描く。その完成度の高さから急遽、アカデミー賞レースに名乗りを上げた本作。今回のロンドン・プレミアへの参加を、「2人(ヒッチコックとアルマ)はロンドンが大好きだったの」とヘレンは本作の縁の地でのイベントに終始ご機嫌。一方で、アンソニーは「今更ながらだが、ヒッチコックは大スターだし多くの人々に影響を与えたんだ」と改めて、映画界に燦然と輝く巨星の存在の大きさを語る。さらに、「アルマはヒッチコックに指示を与え映画を編集した実力者だ。女性の直観や知恵のおかげで、ヒッチコックには見えないものが見えたんだ…」(アンソニー)、「この物語は結婚と仕事の成功例よ。彼女はヒッチコックの影というより同等に優秀だったのよ」(ヘレン)と本作でも描かれるヒッチコックを支え続けた妻・アルマの功績を称えた。最後に、ガヴァシ監督から「スピルバーグからキューブリックまで、だれもがヒッチコックの影響を受けている。女優との複雑な関係は有名だが、妻アルマが多大な協力をしたことは知られていない。この映画をヒッチコックの物まねにはしたくなかった。最初はそっくりのメイクにしたが、それだとアンソニーがヒッチコックを演じるという面白さが失われてしまうからね」と本作に込めた思いが語られ、ロンドン・プレミアは大歓声に包まれながら幕を閉じた。『ヒッチコック』は2013年春、全国にて公開。■関連作品:ヒッチコック 2013年春、全国にて公開© 2012 Twentieth Century Fox. All Rights Reserved.
2012年12月12日ヒッチコックのイギリス時代の作品で、存在自体が証明されていないと言われる『山鷲』(原題:The Mountain Eagle)のスチール写真が、12月15日(土)、16日(日)(現地時間)にロサンゼルスでオークションにかけられることがわかった。その他の画像『山鷲』は、ヒッチコックの1920年代の作品と言われ、現存するフィルムがないことなどから、存在自体が不確かとされている作品。今回オークションに出品されるのは、通常の劇場用の宣伝写真ではなく、ヒッチコックの私的なコレクションとして、本人のためだけに、特大サイズで高画質にカスタムプリントされたものだという。オークションには、『山鷲』の写真のほか、同じくヒッチコックの初期の作品である『マンクスマン』(原題:The Manxman)の写真とあわせて59枚が出品され、それぞれの作品の写真セットの取引額は、1万ドルを超えると予想されている。ヒッチコックといえば、来春に『サイコ』撮影現場の舞台裏を描いた『ヒッチコック』(原題:HITCHCOCK)の日本公開が控えており、ヒッチコック役をアンソニー・ホプキンスが、妻アルマ・レヴィル役をヘレン・ミレンが演じ、アカデミー賞を受賞した二人が、一度もアカデミー賞を受賞せず、“アカデミー賞に嫌われた男”とよばれるヒッチコックの実話に挑む。アメリカではアカデミー賞レースに参戦するために急遽11月23日に公開を早めており、また、スカーレット・ヨハンソンが『サイコ』のシャワーシーンで有名なジャネット・リーを演じるなど注目を集めている。ヒッチコックのスチール写真オークションサイト「Profiles in History」『ヒッチコック』2013年春 全国ロードショー
2012年12月07日賞レースもいよいよ迫ってきたこの時期。様々な憶測が飛び交う中、アンソニー・ホプキンスが巨匠ヒッチコックを演じた渾身の1作『ヒッチコック』が急遽、名乗りを上げた。このほど、そんな注目を集める本作が2013年春、日本で公開されることが決定した。20世紀でもっとも影響を及ぼした“サスペンスの神様”と謳われた映画監督アルフレッド・ヒッチコックと、妻であり仕事のパートナーでもあったアルマ・レヴィル。それまでの常識を打ち破ることとなった彼の代表作『サイコ』。その撮影現場で、2人に巻き起こった困難と障害、そして隠されたロマンスと葛藤を描き出す本作。主人公・ヒッチコックを演じるのは、『羊たちの沈黙』のレクター教授役でアカデミー賞主演男優賞の経験をもつアンソニー・ホプキンス。今回、明らかとなったそのビジュアルでは、特殊メイクを施し、まさにヒッチコックの生き写し!その渾身の演技が話題を呼び、すでに公開を迎えた全米では、大ヒットを予感させる見事なスタートを飾ったようだ。さらに、オスカー女優のヘレン・ミレンやスカーレット・ヨハンソン、ジェシカ・ビールなどハリウッドのオール・スターによるドリーム・キャストが集結。映画界の巨匠として、ひとりの人間として、ひとりの夫として、さらに自身のキャリアで一度もオスカー像を手にすることなくこの世を去った“アカデミー賞に嫌われた男”として、彼の知られざる素顔に迫る『ヒッチコック』。映画ファン、ヒッチコキアン(ヒッチコック・ファン)ならずとも、要注目の作品となりそうだ。『ヒッチコック』は2013年春、全国にて公開。■関連作品:ヒッチコック 2013年春、全国にて公開© 2012 Twentieth Century Fox. All Rights Reserved.
2012年11月28日サラ・ジェシカ・パーカーとジェラルド・バトラーが、第19回ノーベル平和賞コンサートの司会に抜擢された。その年のノーベル平和賞受賞者を前にノルウェーのオスロで行われる同コンサートには、先日シールとジェニファー・ハドソンがパフォーマンスを行うことが発表されたばかりだが、今回サラとジェラルドの2人が今年の司会に起用されることが発表された。これまでに同コンサートの司会はリーアム・ニーソンやメリル・ストリープ、トム・クルーズ、オプラ・ウィンフリーなどが務めており、昨年はヘレン・ミレンとロザリオ・ドーソンがショーを進行している。今年は欧州連合(EU)がその平和活動や人権問題への取り組みが評価され、同賞を受賞することになっている。第19回ノーベル平和賞コンサートは、12月11日(現地時間)に開催される。■関連作品:SEX and the CITY/セックス・アンド・ザ・シティ [海外TVドラマ]
2012年11月21日『英国王のスピーチ』でオスカー俳優となったコリン・ファースや『クィーン』で同じくオスカー主演女優賞に輝いたヘレン・ミレン、シエナ・ミラーといったイギリスのセレブたちがチャリティ企画で愛用の靴をオークションに出品した。彼らが参加したのは、貧困に苦しむ世界中の子供たちの支援を目的とした「スモール・ステップ・プロジェクト」。小さな一歩を意味する団体名とかけて、10月にロンドンでセレブリティ愛用の靴のオークション開催を予定している。コリンは「僕の古いローファー、この靴を選んでくれる足によろしく」と一筆添えてお気に入りのローファーを出品した。ほかに、レイフ・ファインズ、レイチェル・ワイズ、ジュリー・ウォルターズらハリウッドでも活躍する俳優、リアム・ギャラガーやボーイ・ジョージなどミュージシャンも主旨に賛同し、靴を提供しているという。(text:Yuki Tominaga)© Startraks/AFLO■関連作品:英国王のスピーチ 2011年2月26日よりTOHOシネマズ シャンテ、Bunkamuraル・シネマほか全国にて順次公開© 2010 See-Saw Films. All rights reserved.テンペスト 2011年6月11日よりTOHOシネマズ シャンテほか全国にて順次公開© 2010 Miramax Films.All right reserved.■関連記事:ウィリアム王子夫妻がガラ・パーティでN・キッドマンらハリウッド・スターと交流アカデミー協会が新会員候補に招待状を発送B・クーパー、『おくりびと』監督の名もヘレン・ミレン インタビュー“イマジネーションの旅”は続く小林幸子がオスカー女優着用の衣裳で登場!「結構、重たいです」ケイティ・ペリー、一緒に来日した夫のラッセル・ブランドが国外退去処分に
2011年08月19日「演じる」ということは、それほど魅力的で、まるで麻薬のように女優を惹きつけてやまないものなのか。英国を代表する名女優ヘレン・ミレン。歳のことを言うのは失礼かもしれないが、60代半ばにして、昨年と一昨年だけで計5本の映画に出演しており、中には『RED/レッド』のように大きな銃を手に激しいアクションが要求される作品も。一体何が彼女を動かすのか?まもなく公開となる『テンペスト』は、シェイクスピアの最後の作品。『アクロス・ザ・ユニバース』のジュリー・テイモアが映像技術を駆使して“映画”として作り上げた。シェイクスピアはヘレンにとって、生涯を通じて舞台で繰り返し演じてきた作品だが、今回、彼女は何を感じ、表現したのか――?数多くのシェイクスピア作品に出演してきた名女優の新たな挑戦シェイクスピアが“ゆるし”をテーマに書き上げたこの戯曲。謀略によってミラノ大公の座を追われ娘と共に流れ着いた孤島で12年。魔法の力を極めた主人公がついに自らを陥れた者たちへの復讐の機会を手にするのだが…。今回の映画の何よりの特徴は、主人公のプロスペローの性別を変更し、プロスペラという女性としたこと。だがヘレンは映画の話が来る以前から、この主人公を女性として演じることは可能だと考えていたという。どのように役を作り上げていったのだろうか?「特にジュリーとの間で話し合いといったことはしてないの。というのは、すでに原作のしっかりとしたセリフがあり、それは女性に置き換えても納得のいく素晴らしいものだったから。ジュリーから言われたのは、映画として撮る上で、芝居臭さをなくしてほしいということ。これまでに何度もシェイクスピアの作品に参加して、この『テンペスト』も違う役で何度も演じたことがあったから、そうした中で身についてきた芝居っぽさを落として、自然な会話をするというのはチャレンジだったわ。でも、女性だからこその難しさというのはほとんど感じなかったわね」。だが完成した作品を観ると、プロスペラの“復讐”と“ゆるし”のはざまで揺れる心情やほかの登場人物との関係性において、女性であるがゆえの空気感といったものが確実に感じられる。「そうね。例えば娘のミランダ(フェリシティ・ジョーンズ)との関係で、エモーショナルで心温まる部分、娘を深く愛しているという気持ちが強く出たと思うけど、それは女性ならではと言えるわね。それからエアリエル(妖精/ベン・ウィショー)とも単なる主従というだけでない、ソフトで知的な関係が築けたと思う。この部分もセリフは原作からほとんど変更されていないけど、より面白くなった部分ね」。「やり尽くしてと思うこと?もちろんあるわ(笑)」「シェイクスピアというのはいつでも何かを学べる深さがあるの。深く掘り下げるべきものがね」とヘレン。プロスペラの燃えるような“憎悪”と“寛容”で揺れる心理の変化の過程を女優として、彼女はどのように捉えたのか?「あの復讐の思いを表現するということは、自分の女優としての個人的な経験や心理を役に重ね合わせていくことが演技の中で要求されたわ。それから“ゆるし”という部分に関しては、プロスペラがどのようにして死を迎えようとするのか――それはシェイクスピアが描こうとしたことでもあるのだけれど――自らの死に対して準備をする、ということが重要なテーマとして横たわっているの」。それにしても、本作のプロスペラもそうだが、ヘレンの演技からは“円熟”や“老練”というよりも、荒々しいまでの情熱、熱さが伝わってくる。年齢を重ねるということについて、ヘレンはこんな言葉を口にする。「年を取るということはもちろん、誰にとっても悩めることではあるけど、私は意外と上手にそこに向き合えたと思うわ。13歳、14歳の少女の頃は自分の欠点を挙げては『ああすれば良かった』、『こうなりたかった』なんて思っていたものだけど、年を重ねてそういうことを気にしなくなった。それが上手に年を取るコツかしら(笑)?」では、冒頭の質問に戻ろう。すでにオスカーをはじめ、ありとあらゆる賞を手にし、大英帝国勲章まで受勲しているヘレンだが、それでも彼女が常に新たな作品に挑戦し、情熱を役にぶつける理由はどこにあるのだろう?「いろんな俳優が言うのは『いまある仕事をもらわないと、干されちゃう』ということ(笑)。その心配は私もあるから、どんどんやってしまうのかもね。いろんな映画でいろんな場所に行けるのも魅力ね。『RED/レッド』ではハンガリーとイスラエル、この作品ではハワイで撮影できた。そういう好奇心でついつい受けてしまうのね(笑)」。本当にそれだけ?「もうやり尽くした!」と思ってしまうことは…。「あるわよ!もちろんあるわ(笑)。時々『もう十分ね、やめようかしら』と思うわ。でも、少し休みを取ってのんびりすると不思議とまたやりたくなるの。自分の中では“不思議なイマジネーションの旅”って呼んでるわ(笑)。しばらく演技をしてないとこう思うの。『また、イマジネーションの旅に出ようかな』って」。願わくばその旅路をいつまでも続けてもらいたいところ。70歳、80歳になっても新たな表情を見せてほしい。(text:Naoki Kurozu)© Startraks/AFLO■関連作品:テンペスト 2011年6月11日よりTOHOシネマズ シャンテほか全国にて順次公開© 2010 Miramax Films.All right reserved.■関連記事:小林幸子がオスカー女優着用の衣裳で登場!「結構、重たいです」ケイティ・ペリー、一緒に来日した夫のラッセル・ブランドが国外退去処分にシェイクスピアの名作が蘇る『テンペスト』試写会に15組30名様ご招待
2011年06月10日歌手の小林幸子が5月31日(火)、都内で開催された映画『テンペスト』の試写会に出席。劇中で実際に使われた衣裳で登場し、映画をアピールした。シェイクスピアの最後の作品にして、“愛とゆるし”をテーマにした「テンペスト」を映画化。主人公の設定をあえて女性に変更し、オスカー女優のヘレン・ミレンを主演に迎え、壮大なる復讐とゆるしの物語が展開する。これまで3度のオスカーに輝いたデザイナー、サンディ・パウエルによる衣裳も本作の見どころだが、小林さんは実際にヘレン・ミレンが映画のクライマックスシーンで着用した衣裳で登場。会場の緞帳が開き、黒い革とファスナーで仕立てられた衣裳をまとった小林さんが姿を現すと、客席からは見惚れながらため息が漏れた。ずばり、本物の衣裳を着用しての感想を尋ねると「結構、重たいです」とのこと。とはいえ、これまで紅白歌合戦で見る者の度肝を抜くような数々の豪華絢爛な衣裳を着こなしてきた小林さんとあって「(紅白の衣裳と比べて)それほどでもありませんが…」と語ると、客席には笑いが広がった。「シェイクスピア作品ということで、観る前は『難しいのかな?』と思っていた」という小林さんだが、実際に映画を観て「本当に面白いです!感激しました」と絶賛。特に、主演のヘレン・ミレンについて「女優を超えた女優。こんな顔の芝居ができちゃうの?と鳥肌が立った」と惜しみない称賛を送った。また、映画で描かれる“ゆるし”について、これまでに許せないと思えた人はいるか?と尋ねられると「はい!いますとも。いないわけがない」と即答。その上で「マザーテレサの言葉だったと思いますが、“愛”という言葉の反対の言葉は、かつては憎しみや憎悪だったけど、いまでは悲しいことに“無関心”なんですね。憎むということはエネルギーがいることで、それが人間なんです」とうなづいた。では、これまでに許した人は?という続いての問いには「実名を言いそうになってしまいました(笑)」とおどけた口調で語り、会場は笑いに包まれた。小林さんは、東日本大震災発生後、東北各地を慰問で訪れているが「幸せとは求めるものではなく、気づくことだと現地で感じました。何もなかったと言える一日が幸せなんだと気づきました」としみじみと語り、今後も被災地支援を続けていくことを明かした。この日の衣裳に限らず、様々な衣裳が登場する本作。年末の紅白歌合戦の衣裳の参考になるものもありそうだが「少し小さいですね。あと電飾を少し…」と軽快に語り、会場をわかせていた小林さん。だが、改めて舞台挨拶後に報道陣に尋ねられると「正直、いまは(紅白のことは)考えられないですね」と被災地の現状を思い、悲痛な表情を浮かべていた。『テンペスト』は6月11日(土)よりTOHOシネマズシャンテほか全国にて順次公開。■関連作品:テンペスト 2011年6月11日よりTOHOシネマズ シャンテほか全国にて順次公開© 2010 Miramax Films.All right reserved.■関連記事:ケイティ・ペリー、一緒に来日した夫のラッセル・ブランドが国外退去処分にシェイクスピアの名作が蘇る『テンペスト』試写会に15組30名様ご招待
2011年05月31日コンサート・ツアーのため来日したケイティ・ペリーの夫でコメディアンのラッセル・ブランドが22日、入国拒否させられたことがケイティが自身のTwitter上のつぶやきで明らかになった。Twitterには「私の夫は日本から強制送還処分になりました。10年以上前の行いを理由にね!」とあり、詳しい理由は明かされていない。東京入国管理局はケイティによるつぶやきが事実であると認めたうえで「プライバシーに関わることなのでコメントはしない」とAFP通信の取材に応えた。ラッセルは35歳で、昨年10月にケイティと結婚。人を喰ったような言動や傍若無人な振る舞いでスキャンダラスな話題に事欠かないお騒がせ男だが、ヘレン・ミレン主演で6月11日(土)から日本公開の『テンペスト』に出演するなど、俳優としても活躍中だ。「私のお気に入りの場所(日本)を見せたくて、はるばる彼を連れて来たのに」と嘆きのツイートを行ったケイティだが、「それでも日本のファンは大好き。ショウは続けなくちゃ」と予定通り、名古屋公演を行った。今後、東京と大阪でも公演を予定している。(text:Yuki Tominaga)写真は映画『Arthur』(原題)ロンドンプレミアに登場したケイティ・ペリー&ラッセル・ブランド夫妻。© Retna UK/AFLO■関連作品:テンペスト 2011年6月11日よりTOHOシネマズ シャンテほか全国にて順次公開© 2010 Miramax Films.All right reserved.■関連記事:シェイクスピアの名作が蘇る『テンペスト』試写会に15組30名様ご招待
2011年05月23日『RED』で迫力の紅一点を演じたヘレン・ミレンが28日、多くのハリウッド・スターたちの手型や足型が刻まれるロサンゼルスのグローマンズ・チャイニーズ・シアターの前庭に、自身の手型と足型を刻んだパネルを設置した。スターの功績を讚える1920年代から続く伝統的なイベントで、ここ数年の間にジョニー・デップやロバート・ダウニー・Jr.、ウィル・スミスらも仲間入りをしている。ミレンは2003年にイギリスでデイムの称号を授かり、06年の『クィーン』でアカデミー賞主演女優賞受賞、昨年も『終着駅-トルストイ最後の旅-』で主演女優賞候補になった。華々しい経歴を誇る彼女はこの日のスピーチで「私の人生には3度、素晴らしい栄誉を受けた瞬間がありました。1つは大英帝国からデイムの称号をいただいたとき。とても誇りに思っています。2度目はオスカーを受賞したとき。そして3度目はグローマンズ・チャイニーズ・シアターの前に手型と足型を刻むときです」と語った。彼女同様、デイムの称号を受け、シアター前にパネルを設置している女優には先頃亡くなったエリザベス・テイラーや、ジュリー・アンドリュースがいる。ヘレンは「ハリウッド大通りのたくさんのデイムのひとりになれて、とても光栄です」と結んだ。(text:Yuki Tominaga)写真はグローマンズ・チャイニーズ・シアターで手形を刻むヘレン・ミレン。© Reuters/AFLO■関連作品:RED/レッド 2011年1月29日より丸の内ピカデリーほか全国にて公開© 2010 Summit Entertainment, LLC. All Right Reserved.■関連記事:ブルース・ウィリス、若造には負けじ!『RED』ド派手なアクション映像が到着“オヤジ代表”泉谷しげる、若者に過激なエール!「灰皿で殴っちゃダメ」ジョニーが主演賞Wノミネート!オスカー前哨戦のゴールデン・グローブ賞候補が発表バカが飛び出す!『ジャッカス3D』が『ソーシャル・ネットワーク』抑え全米1位獲得ブルース・ウィリス主演作の晴れ舞台に盟友スタローン&J・フォスターも登場
2011年03月30日ブルース・ウィリス主演最新作『RED/レッド』が29日(土)から日本公開されるのを前に、本作に出演している名優アーネスト・ボーグナインのインタビュー動画が公開された。映画は、静かな引退生活を送る元CIAのフランク(ウィリス)が何者か襲撃され、かつてCIAから“RED”(Retired Extremely Dangerous=引退した超危険人物)と呼ばれ恐れられていた仲間たちとともに、巨大な陰謀に立ち向かう物語。ウィリスを始め、モーガン・フリーマン、ヘレン・ミレン、ジョン・マルコヴィッチと映画ファンから“演技派”“重鎮”と称される俳優たちは多く出演している『RED/レッド』だが、ボーグナインには彼らが“愛らしい若造たち”に見えるのではないだろうか?ボーグナインは1917年生まれで現在、94歳になる米映画界を代表する伝説的名優。オスカーはもちろん、全米俳優組合の名誉賞に輝くボーグナインがこれまで出演した200本を超える出演作リストには『マーティ』『特攻大作戦』『ワイルドバンチ』『北国の帝王』『西部戦線異常なし』など映画史にその名を刻む傑作がズラリと並んでいる。本作で、ボーグナインが演じたのはCIA本部にある秘密の金庫の番人。物語のカギとなる“ある書類”を保管する金庫を守る彼は、主人公フランクとも旧知の仲で、劇中の随所に登場する。このほど公開されたインタビュー動画ではボーグナインが自身が演じた役柄について語るほか、共演者たちを「プロに徹した俳優はいいね」と絶賛し、俳優は撮影現場でいかに振舞うべきか? についてコメントしている。『RED/レッド』2011年1月29日(土)ロードショー(C)2010 Summit Entertainment LLC. All Right Reserved.
2011年01月26日かつて在籍したCIAから“Retired Extremely Dangerous”すなわち引退した超危険人物(RED)として命を狙われることになった男の戦いを描く『RED/レッド』。主演のブルース・ウィリスの激しすぎる格闘シーンの映像がシネマカフェに到着した。のどかな引退生活が一転、暗殺部隊から命を狙われるという状況に陥ったフランク(ブルース)。この事態に対抗すべく、かつての仲間たちを集めるのだがこの面々も超豪華!フランクのかつての上司のジョーをモーガン・フリーマン。かつての同僚でライバルでもあった武器のスペシャリスト、マーヴィンを演じるのはジョン・マルコヴィッチ。そして美貌を武器に、世界を股にかけて女スパイとして活躍したヴィクトリアにヘレン・ミレン。なぜ彼らは命を狙われることになったのか?CIAが抹消しようとする封印された過去のミッションの謎を、彼らが解き明かしていく。今回、到着したのはブルース演じるフランクと、カール・アーバン扮する若きCIA捜査官クーパーの格闘シーン。クーパーは、執念深く獲物を追い詰めていく冷酷な男。出会い頭にフランクを放り投げ一撃!「ニブいな、ジイちゃん」と吐き捨てるが、ここからフランクの反撃が。ガラスの机越しにクーパーを蹴りつけ、さらに顔面にヒザを入れて一気に形勢逆転したかと思うと、バックドロップに締め技でオヤジの貫禄を見せ付ける。55歳のブルースだが、往年の『ダイ・ハード』シリーズに負けない激しい暴れっぷりを見せてくれている。こちらの映像は本編の数あるアクションのほんの一部。劇中、さらに過激なシーンも?『RED/レッド』は1月29日(土)より丸の内ピカデリーほか全国にて公開。※こちらの特別映像はMOVIE GALLERYにてご覧いただけます。MOVIE GALLERY■関連作品:RED/レッド 2011年1月29日より丸の内ピカデリーほか全国にて公開© 2010 Summit Entertainment, LLC. All Right Reserved.ダイ・ハード4.0 2007年6月23日先行上映、6月29日より日劇1ほか全国にて公開©TWENTIETH CENTURY FOX■関連記事:“オヤジ代表”泉谷しげる、若者に過激なエール!「灰皿で殴っちゃダメ」ジョニーが主演賞Wノミネート!オスカー前哨戦のゴールデン・グローブ賞候補が発表年に1度のハロウィン、スターたちが今年も張り切ってコスプレに挑戦!バカが飛び出す!『ジャッカス3D』が『ソーシャル・ネットワーク』抑え全米1位獲得ブルース・ウィリス主演作の晴れ舞台に盟友スタローン&J・フォスターも登場
2011年01月24日超過激なオヤジたちの奮闘を描くアクション大作『RED/レッド』のイメージキャラクターに、日本が世界に誇る(!?)過激なオヤジ代表の歌手・泉谷しげるが就任。1月15日(土)から放送されるTVスポットでナレーションを務め、本作を大いに盛り上げることになった。都内スタジオで行われたナレーション収録では早速、泉谷節が炸裂し、随所にアドリブも織り交ぜ“大暴れ”。テンションが最高潮となった泉谷さんは、勢いそのままに『RED/レッド』の魅力を語ってくれた。静かな引退生活を送っていた元CIAのトップエージェントのフランク(ブルース・ウィリス)が、かつて関わった極秘任務を理由にCIAに狙われるハメに…。フランクはCIAからコードネーム“RED”(退職者した超危険人物)に指定されている仲間たち(モーガン・フリーマン、ジョン・マルコヴィッチ)と協力し、CIAの巨大な陰謀に対抗する。発表間近の第68回ゴールデン・グローブ賞では、作品賞(コメディ・ミュージカル部門)にノミネートされている。「周りにいる危険人物?なかなかいないですね。自分が一番危険なんで、みんな逃げちゃいますよ」と“絶口調”の泉谷さん。そのパワーの源はズバリ「経験」だといい、「イケメンってわけじゃないけど、みんな夢中になってるからカッコよく見えてくるんだよ。もちろん経験を自慢したりしない。どこか謙虚なところに男の色気が出るんじゃないかと思いますね」と本作に出演するベテラン俳優陣を絶賛する。ちなみに自分がチーム“RED”に加わるなら「決まっているじゃないですか!もちろんジョン・マルコヴィッチですよ」と名優にライバル心を燃やした。もうひとつ大切なのは「危機感」だと泉谷さん。危機に直面し、本来のパワーに目覚める元MI6の美人スパイ(ヘレン・ミレン)を引き合いに「やっぱり人間、危険が伴ってないとダメだなと思います。火事場の馬鹿力っていうんですかね」と持論を展開した。そんなチームREDも顔負けの過激なパワーで、元気を失った日本を勇気づける泉谷さんが若者に緊急エール! 「若いうちは先輩と距離を縮めようと努力しがち。でもそんなの無駄。絶対縮まらないから、お互いにいい意味で挑発し合わなきゃ。灰皿で殴っちゃダメですがね(笑)。若い奴は『先輩コノヤロー』という気持ちをぶつけないとオヤジたちは退きませんよ」。どこまでも過激でパワフルな泉谷さんに負けないために、老いも若きも『RED/レッド』は見逃せない作品といえそうだ。『RED/レッド』は1月29日(土)より丸の内ピカデリーほか全国にて公開。■関連作品:第68回ゴールデン・グローブ賞 [アワード]RED/レッド 2011年1月29日より丸の内ピカデリーほか全国にて公開© 2010 Summit Entertainment, LLC. All Right Reserved.■関連記事:『ソーシャル・ネットワーク』GG賞発表を前に早くも独走?全米映画批評家協会賞4冠新年早々ジョニー×アンジー共演『ツーリスト』本編映像が到着!元日より前売券も発売婚約、妊娠が明らかになったナタリー・ポートマンが喜びのコメントを発表【ハリウッドより愛をこめて】マライアのベイビーは双子?ガガ&E・ジョンがコラボジョニーが主演賞Wノミネート!オスカー前哨戦のゴールデン・グローブ賞候補が発表
2011年01月13日人気TV番組の劇場版第3弾となる『ジャッカス3D』(原題)が10月15日(金)より全米約3,100館で公開され、週末だけでおよそ5,000万ドル(約41億円)を稼ぎ出して見事、初登場1位を獲得した。元々はアメリカのケーブルTVおよびMTVで誕生した番組で、いい歳の大人が過激なスタントや危険なイタズラに興じる様子を映し出す伝説的な“おバカ”番組の映画版第3弾。かつて本国アメリカでは、番組の内容を真似して大ケガをする若者が後を絶たず、社会問題に発展したことも。『かいじゅうたちのいるところ』の監督で、少し前に女優の菊地凛子との交際が報じられたスパイク・ジョーンズがTVシリーズのときから製作として携わっている。先週までデヴィッド・フィンチャー監督最新作『ソーシャル・ネットワーク』が初登場から2週にわたって1位を獲得していたが、これを抑えての全米1位スタート。シリーズ3作連続で初登場1位という快挙も達成した。タイトルどおり、本作は3Dで公開。「なぜ3Dにする必要があるのか?」との疑問はさておき、全米の多くのファンがおなじみメンバーの“飛び出す”おバカっぷりを楽しんだ。ちなみに『ソーシャル・ネットワーク』は3週目で第3位に。2位には『ジャッカス』同様、今週初登場でブルース・ウィリス、モーガン・フリーマン、ヘレン・ミレンら豪華キャストが顔を揃えている『RED/レッド』がランクイン。2,250万ドルを稼ぎ出し、インデペンデント映画会社の公開作品としては歴代9位のスタートとなった。全くタイプの異なる作品がTOP3を占めたが、いずれの作品も日本公開がすでに決まっている。まずは本国でどこまで数字を伸ばせるか?『ジャッカス3D』は2011年公開予定。『ソーシャル・ネットワーク』は2011年1月15日(土)より丸の内ピカデリーほか全国にて、『RED/レッド』は1月29日(土)より全国にて公開。■関連作品:ソーシャル・ネットワーク 2011年1月15日より丸の内ピカデリーほか全国にて公開© 2010 Sony Pictures Digital Inc. All Rights Reserved.RED/レッド 2011年1月29日より全国にて公開© .2010 Summit Entertainment, LLC. All Right Reserved..ジャッカス3D(原題)■関連記事:ブルース・ウィリス主演作の晴れ舞台に盟友スタローン&J・フォスターも登場映画のヒロインに変身!「TIFF」ヘアデザインショーモデル体験に1名様ご招待早くもオスカー最有力?『ソーシャル・ネットワーク』北米初登場1位!来日も決定破局から3年のキャメロン・ディアス&ジャスティン・ティンバーレイクが映画で共演
2010年10月20日2011年1月29日(土)に日本公開になるブルース・ウィリス主演最新作『RED/レッド』の予告編映像が公開され、ウィリスを始め、モーガン・フリーマン、ジョン・マルコヴィッチ、ヘレン・ミレンら実力派俳優陣のド派手なアクションシーンの数々が公開された。映画は、静かな引退生活を送る元CIAのフランク(ウィリス)が何者か襲撃され、かつてCIAから“RED”(Retired Extremely Dangerous=引退した超危険人物)と呼ばれ恐れられていた仲間たちとともに、巨大な陰謀に立ち向かう物語。公開された予告編では、現役を引退した元スパイのウィリスが、マーヴィン(マルコヴィッチ)のもとを訪ねる場面から始まり、伝説のチームが再結集する場面や、アクロバティックなアクションシーンの数々がテンポよく登場する。驚くべきは、オスカー受賞/候補に挙がり、“演技派”や“重厚な演技”と称されることの多いミレン、フリーマンら俳優陣が豪快なキャラクターを演じていることだ。『クィーン』で物静かな女王を演じたミレンはマシンガン片手にニコリと微笑み、ライフル射撃の腕を披露。フリーマンが豪快なパンチを見せたかと思えば、マルコヴィッチはミサイル付きボウガンを手にした相手に真っ向から立ち向かう! 現在公開中の『エクスペンダブルズ』は、ハリウッドを代表するアクション俳優たちが総結集して話題を呼んだが、演技派俳優たちがこれまで見せたことのないハジケっぷりを見せる『RED/レッド』も見逃せない1作になりそうだ。『RED/レッド』は先週末より全米で公開され、ボックスオフィス2位につけるヒットを記録。日本では来年1月29日(土)から全国公開される。『RED/レッド』2011年1月29日(土)ロードショー(C)2010 Summit Entertainment LLC. All Right Reserved.
2010年10月19日今年も東京・六本木ヒルズをメイン会場に、世界各国から選りすぐりの作品を集めて開催される東京国際映画祭(TIFF)。つい先日、コンペティション部門に出品される日本映画『海炭市叙景』の監督、キャスト陣が出席して公式記者会見が行われたが、さらにその後、中国映画『ブッダ・マウンテン』のコンペティション出品が発表され、コンペティション全15本が出揃った。ここでは邦画および話題作を中心にコンペティション部門の行方、さらにその他の部門に出品されている注目作品などをご紹介!まずはコンペ!まずは邦画!ということで、今年、「東京 サクラ グランプリ」獲得の期待を背負って日本からコンペティション部門に出品されるのは、先述の『海炭市叙景』と『一枚のハガキ』の2作品。『海炭市叙景』は、村上春樹らと並び称されるほどの文才を持ちつつも生前、不遇を囲った函館出身の作家・佐藤泰志の幻の小説を映画化した作品。海炭市という、函館を思わせる架空の街を舞台に、そこで暮らす様々な人々の日常のドラマを映し出し、函館市と市民の協力の下、函館で撮影が行われた。監督は『空の穴』、『ノン子36歳(家事手伝い)』の熊切和嘉。規模の大きな作品とは言えないが谷村美月、加瀬亮、小林薫、南果歩といった錚々たる顔ぶれが函館に集い、市井の人々の生きる様子を静かに、そして確かに演じている。もうひとつの邦画『一枚のハガキ』は脚本家および監督として数々の名作を世に送り出してきた新藤兼人が98歳にして「映画人生最後の作品」として挑んだ作品。戦争末期に召集された兵士と、彼が戦友から託された手紙に関するある頼みにまつわる物語を通じて、庶民の視点から見た戦争の惨禍が浮き彫りにされる。こちらも豊川悦司、大竹しのぶ、六平直政、大杉漣、柄本明、倍賞美津子と現在の邦画界になくてはならない名優たちがズラリと名を連ねる。時代背景は違えど市井の人々の姿を描き出す2作が邦画代表に!派手さはないものの静かな感動を呼び起こす。第1回(1985年)の『台風クラブ』(相米慎二監督)、第18回(2005年)の『雪に願うこと』(根岸吉太郎監督)に続く邦画の最高賞受賞なるか?両作に期待がかかる。邦画以外でコンペで注目を集めているのは、名作『日の名残り』の原作者カズオ・イシグロの小説を映画化した『わたしを離さないで』。謎めいた寄宿施設で育てられた3人の若者たちの絡み合う愛憎、痛切な運命を儚く描き出したラブストーリー。『17歳の肖像』で世界中の称賛を浴びたキャリー・マリガンに、“新スパイダーマン”アンドリュー・ガーフィールド、そして『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズのキーラ・ナイトレイという豪華キャストが揃っており、東京 サクラ グランプリ最有力候補と言えそう。それ以外の作品で、日本でも知名度の高い俳優の出演作としてはマイケル・シーン主演で大学構内で起こった銃乱射事件がある家族にもたらす悲劇を通じて家族の絆を問い直す『ビューティフル・ボーイ』に、海辺の町を舞台にした文豪グレアム・グリーンの名作を映画化した、サム・ライリーとヘレン・ミレン出演作『ブライトン・ロック』などが出品されている。とはいえ、過去の最高賞受賞作を見ても、知名度の高い俳優が出演している話題作が受賞するとは限らないのがTIFF。何より、いずれの作品もかなりの倍率を突破してこのコンペティションに名を連ねているだけに粒揃い。どの作品が受賞しても不思議はない。この映画祭を機にこれから世界へ羽ばたいていく監督も多いだけに、決して事前の注目度の高くない作品を見て回るのも一興?そしてコンペ以外にも話題作が続々と日本上陸!いまだ謎多き『トロン:レガシー』は全世界初公開となるフッテージ映像の上映が行われるほか、デヴィッド・フィンチャー監督最新作『ソーシャル・ネットワーク』がオープニングを飾り、そしてベン・アフレックが自ら監督・主演を務める『ザ・タウン』がトリを務める。また、「WORLD CINEMA」部門にも話題の作品が続々。9月に急逝したヌーヴェルヴァーグの巨匠クロード・シャブロルの遺作でジェラール・ドパルデュー主演の『刑事ベラミー』に、今年のヴェネチア国際映画祭で絶賛を浴び、ヴィンセント・ギャロに主演男優賞をもたらした『エッセンシャル・キリング』(原題)。ユアン・マクレガー扮するゴーストライターが、政治を巡るある陰謀に巻き込まれる『ゴースト・ライター』、フィリップ・シーモア・ホフマンの初監督作『ジャック、舟に乗る』、そして鬼才ミシェル・ゴンドリーが自らの叔母にカメラを向けたドキュメンタリー作品『心の棘』など気になる作品があちらこちら。ほかにも「アジアの風」、「日本映画・ある視点」、「natural TIFF」ほか部門もジャンルも多彩!会期は9日間。何を観るべきか?そして東京 サクラ グランプリの行方は――?東京国際映画祭は10月23日(土)より開催。特集「東京国際映画祭のススメ2010」■関連作品:第23回東京国際映画祭 [映画祭] 2010年10月23日から10月31日まで六本木ヒルズをメイン会場に都内各所にて開催© 2010 TIFF■関連記事:映画のヒロインに変身!「TIFF」ヘアデザインショーモデル体験に1名様ご招待早くもオスカー最有力?『ソーシャル・ネットワーク』北米初登場1位!来日も決定函館から世界へ!谷村美月、南果歩ら東京国際映画祭コンペ出品会見
2010年10月13日ブルース・ウィリス、モーガン・フリーマン、ジョン・マルコヴィッチ、ヘレン・ミレンら実力派俳優陣総出演で贈るアクション・エンターテイメント『RED/レッド』のワールドプレミアが10月11日(現地時間)に開催され、上記キャスト陣に加え、特別ゲストとしてシルヴェスター・スタローン、ジョディ・フォスターらも姿を見せ、会場は大きな盛り上がりを見せた。『フライトプラン』のロベルト・シュヴェンケ監督の手による本作。静かに隠居生活を送るはずだった元CIAのフランク(ブルース・ウィリス)が、とあるきっかけでかつての仲間と共に伝説のチーム“RED”を再結成し、アメリカを揺るがす巨大な陰謀に挑むという痛快アクション。全米では10月15日(金)からの公開となるが、それに先駆けてハリウッド・チャイニーズシアターで開催されたこのワールドプレミアに3,000人を超えるファンと世界各国からの報道陣が駆けつけた。キャスト陣が姿を現すと会場のあちこちから歓声があがったが、これはまだまだ序の口。ブルース・ウィリスの“盟友”シルヴェスター・スタローン、シュヴェンケ監督の『フライトプラン』に主演したジョディ・フォスターが特別ゲストとして姿を見せると、会場はさらにヒートアップ!先日、レディ・ガガを真似て、衝撃の“生肉カツラ”をかぶってTVに出演して話題を呼んだブルースだが、この日はまともな格好…?『エクスペンダブルズ』での客演のお礼として駆けつけたスタローンとガッチリ抱擁を交わすと会場からは一段と大きな拍手と歓声が。物語になぞらえて「引退したら何をする?」と尋ねられると「ビールがあれば幸せだ!!」と陽気にコメント。さらに劇中の激しいアクションについては「映画で使っているのは短いシーンだけど、撮影のときはもっと長かったよ」と苦労を明かした。モーガン・フリーマンは撮影で印象に残っている瞬間を聞かれ「クランクアップの瞬間(笑)」とニッコリ。「…と言うのは冗談で、誰かをだます瞬間があるんだけど、それが楽しかった瞬間かな」とユーモアたっぷりに答えてくれた。果たして全米での反響は?そしてこの豪華キャスト陣の来日はありうるのか?『RED/レッド』は2011年1月29日(土)より全国にて公開。■関連作品:エクスペンダブルズ 2010年10月16日より全国にて公開© 2010 ALTA VISTA PRODUCTIONS, INCRED/レッド 2011年1月29日より全国にて公開© .2010 Summit Entertainment, LLC. All Right Reserved..■関連記事:スタローン&ドルフがおしゃれイズム出演!「一番怖いものは…」アクション界のスターたちが競演『エクスペンダブルズ』試写会に10組20名様ご招待スタローン、シュワちゃんら濃い男たちズラリ『エクスペンダブルズ』全米初登場1位
2010年10月13日10月公開のCGニメーション映画『ガフールの伝説3D』で、俳優の市原隼人が日本語吹き替え版の声優に初挑戦することが発表された。アメリカ国内だけでシリーズで500万部を突破する、人気作家キャスリン・ラスキーによる人気シリーズ「ガフールの勇者たち」の映画化作品で、物語の舞台となるのは人間が消滅し、フクロウが最も高度な知性と技術を持つ世界。主人公の若きフクロウのソーレンが仲間たちと共に、邪悪な組織“純血団”から王国を守るために伝説の勇者を探す旅が描かれる。『300[スリーハンドレッド]』、『ウォッチメン』など、映像化不可能と言われたグラフィックノベルの映画化を成功させてきたザック・スナイダーがメガホンを取り、フクロウたちの飛翔シーンなど、緻密かつダイナミックな映像世界が展開する。市原さんが声を担当するソーレンは正義感が強く、若いながらも天性のリーダーとしての資質を持つメンフクロウ。市原さんはこれまで、横浜開港150周年記念イベント「開国博Y150」で上映された『BATON』で、実写撮影後に特殊な技法でアニメ化するという形で特殊アニメーション作品に参加したことはあるが、純粋なアニメーション映画でハリウッド大作の日本語吹き替え版の声優を務めるのは今回が初めてとなる。ちなみに、オリジナル版でソーレンの声を担当したのは『アクロス・ザ・ユニバース』、『ラスベガスをぶっつぶせ』などで人気に火がついたハリウッドの新鋭ジム・スタージェス。オリジナル版にはほかに、エミリー・バークレー、ヘレン・ミレン、ジェフリー・ラッシュら豪華俳優陣が声優として参加している。市原さんは「観ていただく方の心に勇者のような“勇気と夢”の芽が生えるように気持ちを込め、精一杯頑張りたいと思います。伝説の旅をご期待ください」とコメント。収録は8月下旬に行われる予定。『ガフールの伝説3D』は10月1日(金)より全国にて公開。■関連作品:ガフールの伝説3D 2010年10月1日より全国にて公開© 2010 VILLAGE ROADSHOW FILMS (BVI) LIMITED
2010年08月23日演技経験ゼロの新人が主演に抜擢され、さらにアカデミー賞にノミネート。無名だったガボレイ・シディベの名は瞬く間に世界へ広まった。受賞は逃したものの、サンドラ・ブロック(受賞)やメリル・ストリープ、ヘレン・ミレンといった大物女優たちと肩を並べ、同じステージに立ったことは事実だ。虐待、家族、絆、愛……様々なテーマが盛り込まれているこの『プレシャス』で、16歳の主人公クレアリース・“プレシャス”・ジョーンズを演じた27歳の新人女優ガボレイ・シディベとは一体どんな人物なのか──。彗星のごとく映画界に現れ、いま世界中から熱い視線を浴びているガボレイだが、『プレシャス』と巡り会わなければ女優という職業に就くことはなかった。「人生って面白いわ!」と笑い、自分の人生の岐路をふり返る。「私は女優を目指していたわけではないの。かといってこの映画に関わる前はこれといった具体的な夢があったわけではなくて…だからカオスに身を任せようって思った。でも、これからは女優業を続けていきたいと考えているわ。そう思えたのは、今回の映画の現場が楽しくて仕方なかったから。自分はこんなことができるの?って、想像もしなかった自分を見ることができて、今後、自分がどんなことができるのか楽しみで仕方ないのよ」。16歳で2度目の妊娠、しかもお腹の子の父親は自分の父。実の母からは毒づかれ、学校ではいじめられる日々。誰が見てもプレシャスの人生はどん底だ。けれど彼女はそんな過酷な環境の中、自分の手で幸せを見つけようとする。ガボレイも「流れに身を任せた」とはいえ、女優としての一歩は彼女自身の手でつかみ取ったチャンスにほかならない。だが、大学で心理学を学びながら電話オペレーターの仕事をしていた彼女は「この役のための演技指導は一切受けていないの」と意外な事実を口にする。それでは、あの感情揺さぶる演技はどうやって生み出されたのだろう。「大学の芝居にほんの少し出た経験はあるけれど、演技を学んだことはないの。だから、プレシャスを演じることがどれほど大ごとなのか正直、理解していなかった。もちろん、この作品への出演が決まったときは興奮したわ。演技経験はなくても、いい脚本だと思ったし、プレシャスという役にシンパシーを感じることもできた。むしろ演技経験ゼロだったからこそ、彼女が誰であって、自分が誰であるのかをしっかり考えることができ、キャラクターに埋没しなかったのかもしれないわね」。続けて、プレシャスが胸にためていた想いを涙とともに吐き出すシーンや、母メアリーと緊張に満ちた喧嘩シーン、高い演技力が必要とされるシーンについて聞いてみた。「ひとりの人間としてプレシャスにシンパシーを感じることで彼女を演じることができたわ。涙のシーンは彼女のため、彼女を想って泣いていたの。母親との喧嘩する演技は楽しかったのよ!怒りを強く出した方がいいシーンになると思ったし、何よりも母親役のモニークはコメディアンだから、すごくやりやすかった。カットがかかるたびに2人で笑い合ってハグし合っていたもの。ただ、ソファに押し倒されるシーンで肘掛けのところにお尻をぶつけるという、痛いパプニングはあったわ(笑)」。ベテランのコメディエンヌ相手に堂々たる演技、やはり本物の女優である証しだ。また、プレシャスを支えるキーマンとしてマライア・キャリー、レニー・クラヴィッツといった音楽界のヒットメイカーたちが名を連ねているが、「全然、緊張しなかったわ!」と、大胆発言。「だって、いまはアメリカでは私の方が人気があるのよ!彼らの方が緊張していたと思うわ(笑)。でも、友達からはとても羨ましがられたのは事実ね(笑)」。演技の才能だけではない、ユーモアも持ち合わせている才女だ。素人目にも彼女が今後スターダムを上っていく姿が目に浮かぶ。そして、この日のガボレイの衣裳はプレシャスのコーディネートと似ている?もしや衣裳やヘアメイクにも自分自身の意見が反映されている?「そうなの!衣裳合わせでスタッフの人たちが次々とプレシャスの衣裳を持ってくるんだけれど、監督はなかなかOKを出さなくて。いつまで経っても決まらないから、自分の服に着替えて帰ろうとしたの。そうしたら監督が私の私服を見て『それがいい!』って(笑)。だからプレシャスの衣裳はほとんど私服を使っているのよ。メイクも髪型も私のアイディア。オーディションを受けたときはポニーテールで前髪パッツンでヘアバンドもしていて、それが当時のマイルックだったの。それから、実はワンシーンだけ監督もしたのよ!赤ちゃんにお乳をあげているシーンがそう。アカデミー賞はどうして私に監督賞をくれなかったのかしら(笑)」。様々な才能を秘めた新人女優ガボレイ・シディベのこれからの活躍が何とも楽しみではあるが、まずは『プレシャス』で彼女の圧倒的存在感を確かめてほしい。(text:Rie Shintani)■関連作品:プレシャス 2010年4月24日よりシネマライズほか全国にて公開© PUSH PICTURES, LLC■関連記事:シンデレラガール“プレシャス”ガボレイ・シディベ来日!「コンビニ行ってみたい」主演ガボレイ・シディベ舞台挨拶付き『プレシャス』女性限定試写会に40組80名様ご招待アカデミー賞総括!時代を切り拓く女たちの美しき勝利【アカデミー賞】助演女優賞は『プレシャス』のモニーク!NAACP(全国有色人種向上協会)イメージ・アワードで『プレシャス』6冠!
2010年04月22日『ハート・ロッカー』が作品賞を始め6部門を制し幕を閉じた第82回アカデミー賞。授賞式前は『ハート・ロッカー』と、同じく9部門ノミネートの『アバター』の一騎打ちを予想する声が多かったが、その『アバター』はスタッフ部門3部門受賞にとどまった。これまでの賞レースの流れをふり返りつつ、主要部門の結果について総括!『ハート・ロッカー』の6部門制覇の中でもやはり特記されるべきは、キャスリン・ビグロー監督の女性として初めての監督賞受賞。今後、“女性”監督ということが何ら珍しいことではなくなっていくであろうが、最初にその壁を破ったという点で、彼女の偉業は今後も語り継がれていくだろう。監督の喜びのスピーチとあわせて、監督賞のプレゼンターを務めた同じく女性で歌手のバーブラ・ストライサンドが発表の際に「時は来ました!」と興奮気味に語ったのが印象的だった。『ハート・ロッカー』はヴェネチア国際映画祭、トロント国際映画祭などでの高評価を背景に賞レースに参戦するも当初は無名。昨年12月に発表されたナショナル・ボード・オブ・レビュー賞で作品賞など主要部門を制し、当初本命視されていたのは『マイレージ、マイライフ』だった。まさに“伏兵”とでも言うべき存在だったがその後、うなぎのぼりに評価を上げ、年明け早々の全米映画批評家協会賞を始め、シカゴ、ニューヨーク、ロサンゼルスの各都市の映画批評家協会賞を独占し、一気にオスカー候補として名乗りを上げた。時を同じくして、『アバター』が歴史を塗りかえる興行成績で市場を席巻、賞レースにも参戦し、ゴールデン・グローブ賞の作品・監督賞を制したことで一気に『ハート・ロッカー』と『アバター』の一騎打ちの様相を呈した。オスカー直前の英国アカデミー賞ではお返しとばかり『ハート・ロッカー』が作品・監督賞を獲得。そのままの勢いを駆ってオスカー本番も制した。今年は久々に作品賞と監督賞を分け合う可能性も考えられた(そうなったら第78回の作品賞:『クラッシュ』、監督賞:アン・リー/『ブロークバック・マウンテン』以来)が、アカデミー会員はやはり娯楽大作よりも社会性の強い作品を選んだということか。俳優部門に目を向けてみても、授賞式を盛り上げたのはやはり女性陣!これまでの流れから“鉄板”と目される部門が多かった中で、最後の最後まで予想がもつれたのが主演女優賞。結果的に、ゴールデン・グローブ賞を始め、主要賞レースを引っ張ってきたサンドラ・ブロックが念願かなって初めてオスカー像を自らのものにしたが、実力に関して文句のつけようのないメリル・ストリープ&ヘレン・ミレン、さらに20代の新鋭キャリー・マリガンとガボレイ・シディビーと、作品と併せて高い評価の女優陣が顔を揃え、ハイレベルな争いを繰り広げた。受賞スピーチでサンドラは、候補者ひとりひとりに言葉を掛け、最後のメリルには、1月の放送映画批評家協会賞で共に主演女優賞を獲得した際に、壇上でキスを交わしたことをネタに、「あなたはとってもキスが上手ね」と語りかけ会場を沸かせた。一方で世界中の母親たち、そして自身の母親への感謝を口にしホロリとさせる場面も。授賞式でも千両役者ぶりを見せ付けた。そして、今年の授賞式で最も人々の心を震わせたスピーチと言えば、『プレシャス』で助演女優賞を受賞したモニーク。作品の関係者や偉大なる先人たちへの謝辞と共に、最愛の夫へも素直な感謝の気持ちを口にした。「時に、人気の出ることを取るのではなく、正しいことを選ばなくてはならない、と教えてくれました。(オスカー像を掲げ)その通りでした」と涙ながらに語る場面は今年のハイライトのひとつだった。また、男優部門は獲るべき実力派がきっちりと獲得した、という印象。カンヌ国際映画祭のときから「(主演の)ブラッド・ピットを喰った男」と絶賛されてきた『イングロリアス・バスターズ』のクリストフ・ヴァルツは授賞式の先陣を切ってオスカー像を獲得。昨年の助演女優賞を獲得した、同じく欧州出身のペネロペ・クルスからオスカー像を手渡され顔をほころばせた。結果的に彼の授賞が『イングロリアス・バスターズ』に唯一のオスカー像をもたらした。そして最も“獲るべき”でありながら、これまでなかなか栄冠に手が届かなかったジェフ・ブリッジスが、主演、助演合わせて5度目の挑戦で悲願のオスカー像(主演男優賞)を手にした。最終的に、『ハート・ロッカー』の6部門(作品賞、監督賞、脚本賞、編集賞、音響編集賞、録音賞)、『アバター』の3部門(視覚効果賞、美術賞、撮影賞)以外で複数の部門を制したのは3作品。長編アニメーション映画賞と作曲賞を獲得した『カールじいさんの空飛ぶ家』と主演男優賞(ジェフ・ブリッジス)と歌曲賞を受賞した『クレイジー・ハート』、そして助演女優賞(モニーク)と脚色賞を手にした『プレシャス』といずれも前評判の高かった作品が受賞リストに名を連ねた。第82回アカデミー賞受賞結果一覧作品賞:『ハート・ロッカー』監督賞:キャスリン・ビグロー『ハート・ロッカー』主演男優賞:ジェフ・ブリッジス『クレイジー・ハート』主演女優賞:サンドラ・ブロック『しあわせの隠れ場所』助演男優賞:クリストフ・ヴァルツ『イングロリアス・バスターズ』助演女優賞:モニーク『プレシャス』脚本賞:『ハート・ロッカー』脚色賞:『プレシャス』外国語映画賞:『瞳の奥の秘密』(アルゼンチン)長編アニメ映画賞:『カールじいさんの空飛ぶ家』短編アニメ映画賞:『LOGORAMA』(原題)撮影賞:『アバター』美術賞:『アバター』視覚効果賞:『アバター』編集賞:『ハート・ロッカー』衣裳デザイン賞:『ヴィクトリア女王世紀の愛』メイクアップ賞:『スター・トレック』作曲賞:『カールじいさんの空飛ぶ家』歌曲賞:「The Weary Kind」(『クレイジー・ハート』)音響編集賞:『ハート・ロッカー』録音賞:『ハート・ロッカー』長編ドキュメンタリー賞:『ザ・コーヴ』短編ドキュメンタリー賞:『Music by Prudence』(原題)短編実写映画賞:『The New Tenants』(原題)特集:2010アカデミー賞■関連作品:第82回アカデミー賞 [アワード]© Omelette/AMPASアバター 2009年12月23日よりTOHOシネマズ 日劇ほか全国にて公開© 2009 Twentieth Century Fox. All rights reservedハート・ロッカー 2010年3月6日よりTOHOシネマズ みゆき座、TOHOシネマズ 六本木ヒルズほか全国にて公開© 2008 Hurt Locker, LLC. All Rights Reserved.プレシャス 2010年4月24日よりシネマライズほか全国にて公開© PUSH PICTURES, LLC しあわせの隠れ場所 2010年2月27日より新宿ピカデリーほか全国にて公開© 2009 ALCON FILM FUND, LLC ALL RIGHTS RESERVEDクレイジー・ハート 2010年公開© 2009 Twentieth Century Fox■関連記事:アカデミー賞授賞式今年の“ベストプレゼンター”部門受賞者はベン・スティラー?オスカー授賞式後はアフター・パーティ。お疲れモードでもセレブはパーティをはしご【アカデミー賞】ファッションチェック!〜レッド&ブラック編〜【アカデミー賞】ファッションチェック!〜ブルー&パープル編〜【アカデミー賞】ファッションチェック!〜シルバー編〜
2010年03月09日アカデミー賞主演女優賞は、前年の主演男優賞受賞者のショーン・ペンによって発表され、『しあわせの隠れ場所』のサンドラ・ブロックが受賞となった。実在のアメリカンフットボール選手の実話を映画化した『しあわせの隠れ場所』で、行くあてもなく街をさまよう青年を家族として家へ招き入れる女性を演じたサンドラ。ゴールデン・グローブ賞、映画俳優組合賞といった前哨戦を制した勢いそのままに初のオスカーを獲得。サンドラは、前日に授賞式が行われた最悪映画や監督、俳優を選出するラジー賞では、『All About Steve』(原題)の演技で最悪主演女優賞に選出されており、同年度のラジー賞とオスカーW受賞は史上初!通常、直接出席する者の少ないラジー賞授賞式にわざわざ出席したのは、やはり、翌日のオスカー受賞への自信の表れだったのか?壇上に上がったサンドラは「私が本当にもらっていいのかしら?」と語り、ほかの4人の候補者ひとりひとりの名前を挙げて賛辞を贈った。そして、「子供を持つ母親たちに賞を捧げたい」と語った。最後は涙ながらに自身の母親への感謝の言葉を口にし、会場は拍手に包まれた。俳優として最多の16回目のオスカーノミネートのメリル・ストリープ、“オードリー・ヘプバーンの再来”と称されるキャリー・マリガン、演技経験ゼロながら『プレシャス』での迫真の演技で候補となったガボレイ・シディビー、大御所ヘレン・ミレンが名を連ね、注目が集まった主演女優賞は、これまでの賞レースを先頭で引っ張ってきたサンドラの手に渡った。特集:2010アカデミー賞 Harbaugh / © A.M.P.A.S.■関連作品:しあわせの隠れ場所 2010年2月27日より新宿ピカデリーほか全国にて公開© 2009 ALCON FILM FUND, LLC ALL RIGHTS RESERVED第82回アカデミー賞 [アワード]© Omelette/AMPAS■関連記事:【アカデミー賞】ファッションチェック!〜ブルー&パープル編〜【アカデミー賞】ファッションチェック!〜シルバー編〜【アカデミー賞】作品賞&女性初監督賞『ハート・ロッカー』妻6冠、夫3冠で決着【アカデミー賞】主演男優賞は“最も過小評価されている俳優”ジェフ・ブリッジス【アカデミー賞】助演女優賞は『プレシャス』のモニーク!
2010年03月08日