劇団EXILEが総出演するドラマ『JAM -the drama-』(全8話)と、ドラマと異なる新しい世界観でステージを盛り上げる劇団公演『JAM -ザ・リサイタル‐』の製作発表会見が8月12日、都内で行われた。2018年に公開された映画『jam』以来、約3年ぶりとなるJAMプロジェクトの再始動。会見に参加した青柳翔、秋山真太郎、小澤雄太、鈴木伸之、町田啓太、小野塚勇人、八木将康、佐藤寛太、SABU監督が意気込みを語った。ドラマ『JAM -the drama-』は、ABEMAにて8月26日から放送開始。劇団EXILEをはじめ、筒井真理子、清水くるみ、清水葉月、恒松祐里らが出演するほか、八代亜紀、EXILE NAOTOが特別出演する。また、純烈がカメオ出演し、落ち目のアイドル演歌歌手・横山田ヒロシ役の青柳、演歌歌手となった元付き人・港町タカシを演じるSWAYとのコラボ楽曲「今夜 涙じゃ帰れない」の発売も決まっており、青柳は「さまざまな形で楽しんでいただけたらと思います」とアピールしていた。今回のプロジェクト再始動にあたり、鈴木はソロ楽曲「君のすべてに僕はなる」をリリースすることが決定。ギターと歌唱に初挑戦しており「緊張しましたし、ギターはすごく難しかったです」と振り返ると、歌詞を手がけたSABU監督は「すごくうまいし、感動しました。泣きそうになりました」と絶賛した。一方、劇団公演『JAM -ザ・リサイタル‐』は10月中旬より、宮城を皮切りに愛知、山梨、東京、福岡、和歌山、大阪にて開催される予定。劇団EXILEの面々がドラマの姿そのままに舞台でパフォーマンスを行うほか、写真集、グッズ、楽曲リリースなど、さまざまな企画がメディアミックス展開されることになっている。鈴木は「僕らは応援してくださる皆さんとお会いする機会がなかなかないので、ありがたいですね。舞台上のパフォーマンスで、少しでも元気になっていただければ」と意気込み。町田は「今はまだ、どういう内容になるのかわからない、ビックリ箱みたいな感覚。いろんな可能性もあり、存分に楽しんでもらえると思うので、ご期待ください」と声を弾ませた。取材・文・写真=内田涼ドラマ『JAM -the drama-』初回放送日時:2021年8月26日(木)より毎週木曜22:00放送放送チャンネル:ABEMA SPECIALチャンネル(※第8話のみSPECIAL2チャンネル)放送URL: 劇団EXILE公演『JAM -ザ・リサイタル‐』10月中旬より、宮城を皮切りに愛知、山梨、東京、福岡、和歌山、大阪にて開催される予定。日程は後日発表。川本成(2020年劇団EXILE舞台『勇者のために鐘は鳴る』)が脚本・演出を手がける。
2021年08月12日劇団EXILEが12日、都内でドラマ『JAM -the drama-』・劇団EXILE公演『JAM -ザ・リサイタル-』制作発表会見を開催し、2018年の映画『jam』公開以来、約3年ぶりとなるJAMプロジェクトについて発表。町田啓太は自身の役のやりがいや意気込みを語った。劇団EXILE総出演×鬼才SABU監督でタッグを組んだ因果応報エンターテインメントムービー『jam』を皮切りに始動したJAMプロジェクトが再始動。2021年、第2弾としてABEMAにてドラマ『JAM -the drama-』(8月26日スタート 毎週木曜22:00~/全8話)を配信、そして、第3弾としてJAMのキャラクターが舞台でパフォーマンスを行うハイブリットエンターテインメントショーとして劇団EXILE公演『JAM -ザ・リサイタル-』を届ける。ドラマ『JAM -the drama-』では、登場人物それぞれの運命が激変していくという。実はヤクザの若頭・西野タケル役の町田は「服装がだいぶ変わっているんですけど、深い事情があり、深すぎて全部ネタバレになってしまうのでこれ以上何も言えないんですけど、楽しみにしていただきたいと思います」と話し、「前作よりもトラブルメーカーです。こんな二面性のあるヤバさを演じさせてもらえるのはSABUさんのおかげなのでありがたいなと思っています」とやりがいを語った。また、『JAM -ザ・リサイタル-』について、「どうなるかわからないびっくり箱みたいな感覚がしているんですけど、存分に楽しんでいただけると思いますし、リサイタルを見てからこの世界観に入っても楽しめるようなリサイタルを作れればと思っています」と意気込み。「みなさんはパフォーマンスがあるんですけど、僕だけ何をするんだろうかと1人だけぞわぞわしていて、SABUさんから『飛んだらいいんじゃない?』って言われていたので、今回は僕が飛ぶかもしれないです」と笑った。JAMプロジェクトでは、連続ドラマや舞台の展開に加え、ドラマの劇中歌・純烈とのコラボレーション楽曲のリリース、ドラマ撮影時の未公開写真やメンバーの等身大の姿を映し出した写真集『JAM the PHOTOBOOK-』の発売も予定している。会見には、青柳翔、秋山真太郎、小澤雄太、鈴木伸之、町田啓太、小野塚勇人、八木将康、佐藤寛太、SABU監督が出席。SWAYは、DOBERMAN INFINITYのメンバーであるGSとKAZUKIが新型コロナウイルスに感染し、濃厚接触者の疑いがあるため、欠席した。
2021年08月12日「劇団EXILE」が総出演する連続ドラマ「JAM -the drama-」が8月26日(木)より「ABEMA」にて配信されることが決定。劇団EXILE全員で連続ドラマの主演を務めるのは、今回が初の試みとなる。落ち目のアイドル演歌歌手・横山田ヒロシ(青柳翔)。ふとテレビを見ると、彼が過去に捨てた曲「MASAKO」を歌う元付き人・港町タカシ(SWAY)の姿が。ヒロシは再びスポットライトを浴びるべく、タカシからの楽曲争奪作戦をたてていたが、なぜか師弟ユニットとして活動するハメに。それを企てたのは、意識を失ってしまった恋人の回復を祈るタケル(町田啓太)。彼にはある計画が…。一方、青年・テツオ(鈴木伸之)はある女性と出会い、初めて恋を知る。元ラーメン屋店員の香港スター・レスリーチャンチャン(佐藤寛太)、チンピラヤクザの世良(小澤雄太)と滝口(小野塚勇人)、過去にヒロシのコンサートで強盗事件を起こした山下(秋山真太郎)とその事件以降、超能力が使えるようになった金城(八木将康)。そんな彼らにもまた、タケルの計画により、運命が激変する出来事が――。本作は、「劇団EXILE」総出演の因果応報エンターテインメントムービー『jam』の世界観をそのままに、SABU監督が織りなす新たな物語。「劇団EXILE」のメンバーのほかにも、筒井真理子、清水くるみ、清水葉月。特別ゲストとして歌手の八代亜紀が本人役で出演し、劇中で演歌歌手を演じる青柳さんと八代さんの初デュエットが実現。引き続き青年・テツオを演じる鈴木さんは「映画の時にはセリフがなく、一匹狼のような役どころでしたが、今作では人との絆というところにも重きを置く、成長したテツオを皆さんに観ていただけると思います!」とアピールし、タケル役の町田さんも「この作品をドラマ化できるのかと驚きました。前作よりもユーモラスで刺激的になっています」とコメントを寄せている。また、「劇団EXILE」メンバーが唄って、踊って、騒ぎまくる特報映像と、場面写真も公開された。コメント■青柳翔『jam』の続編がドラマとして放送されることが決定しました。監督SABUさん!そして、八代亜紀さんという豪華な特別ゲスト!劇団EXILE全員でお届けする「JAM -the drama-」皆さんお楽しみに!!■秋山真太郎世界のSABU監督の元、あのキャラクター達が再集結しました!「JAM -the drama-」を観れば、続きが、そしてその前のストーリーが気になる展開になっています!濃度を増すキャラクター、ストーリー、そして新たな登場人物……。おそらく、予想だにしない展開に皆さんを巻き込んでいけると思います!まずは、騙されたと思って「JAM -the drama-」是非ご覧下さい!■小澤雄太まずこの作品の続編を皆様にご報告出来ることが本当に光栄です!!そして皆で力を合わせ、また新しいエンターテイメントをお届け出来る事を嬉しく思います。SABU監督の持ち味と自分達の勢いが重なって迫力ある作品になっているかと思います。是非ご期待下さい!!■鈴木伸之『jam』がドラマとして帰ってきました!その名も「JAM -the drama-」!引き続き、テツオ役を演じさせていただきます。映画の時にはセリフがなく、一匹狼のような役どころでしたが、今作では人との絆というところにも重きを置く、成長したテツオを皆さんに観ていただけると思います!ぜひ楽しみにしていただけると嬉しいです!■町田啓太この作品をドラマ化できるのかと驚きました。前作よりもユーモラスで刺激的になっています。SABU監督の作り出す不穏感の中に潜む可笑し味を是非体感してみてください。■小野塚勇人この度「JAM -the drama-」が解禁されました!あの映画から3年、今度はドラマで劇団EXILEが全員集合します。映画では描ききれなかったキャラの背景や、そこからどう展開されて繋がっていくか楽しみにして頂ければと思います。正直ビックリする展開です。■SWAYようやく皆さんに大声でお伝えできる日が来ました!劇団EXILEの自分達も想像しなかった物語になっております!SABUさんと劇団EXILEが作り出すクレイジーなJAMの世界に是非ご期待ください!■八木将康自分たちとしても待望のJAM第二弾が放送決定となり嬉しい気持ちでいっぱいです。第一弾を見ていただいた方は前作からは想像もつかない展開が待ち受けていいます。皆さんの反応、感想がとても楽しみな作品となりました。劇団EXILEにとって特別な作品であるJAMを1人でも多くの方に見て頂きたく思っています。是非、JAMの世界観を楽しんでください!■佐藤寛太映画『jam』では、ラーメン屋の店員として出演させていただいた自分ですが、今回、彼のその役がとんでもないことになっております。一つ先の展開が全く読めない、とんでもないドラマになっていると思います。SABU監督の世界観に携われて光栄でした。是非、「JAM -the drama-」楽しみにしていてください。全ての常識が覆ります。■筒井真理子大好きなキャラクターの昌子再び!SABU監督とエネルギー溢れる劇団EXILEの皆さんとチャーミングなお二人とのハードで楽しい撮影でした。熱とパワー、歌とダンス!観たことのないエンタテインメントです。ぜひ一緒にexciteして下さい!■SABU監督演歌にポップス、純愛にお化け、ヤクザとダンス、コメディでカンフー、そして妄想と疾走と花魁とアマゾネス…。頭の中は混沌を極め、様々な要素が入り混じったエンターテイメント作品が完成しました。是非ご覧ください!「JAM -the drama-」は8月26日より毎週木曜日22時~ABEMAにて配信(全8話)。(cinemacafe.net)
2021年07月22日劇団四季が新作オリジナルミュージカル『バケモノの子』を2022年4月より東京・JR東日本四季劇場[秋]で上演する。劇団四季史上、最大規模の新作オリジナルミュージカルとなる本作。原作は2015年公開のスタジオ地図作品・細田守監督による長編アニメーション映画『バケモノの子』だ。同社の大ヒット作のひとつで、翌年の「第39回日本アカデミー賞」では最優秀アニメーション作品賞を受賞している。スタジオ地図作品のミュージカル化は本作が初。四季はこの『バケモノの子』で、国産ミュージカルとして最大級の長期公演に挑む。舞台は、バケモノたちの棲む異世界と東京・渋谷。多種多彩なバケモノや祝祭感あふれる異世界、迫力のある戦闘シーンなどを表現するため、特殊メイクやパペットなどあらゆるクリエイティブ要素を用いるという。壮大な物語が圧倒的なエンターテインメント性とシアトリカルな手法で描かれるもようだ。一方、作品を通して描かれるのは、バケモノの熊徹と主人公の少年・九太ふたりの相互成長や本当の親子のような固い絆、己のアイデンティティを模索し葛藤する九太の姿。「自分は何者なのか」という問いに対し、大切な誰かと手を携えて力強く人生を歩んでいくことの価値を教えてくれるだろう。なお今回も各分野で、一線級の外部クリエイターが集結。脚本・歌詞に高橋知伽江、演出の青木豪をはじめとする強力な陣容に、劇団内の才能が合わさって目下創作が進められているという。なお本作のオーディション実施も決定している。募集されるのは主人公・蓮(九太)、猪王山の息子・一郎彦、二郎丸の少年時代を演じる子役。こちらは応募ぺージをぜひ確認してほしい。<スタジオ地図:細田守・コメント>私たちスタジオ地図のアニメーション映画作品『バケモノの子』が、劇団四季の皆さんによってミュージカル化されることになり、大変光栄に思っています。来年の春から上演されると伺い、どのような作品になるか私も楽しみにしております。ぜひ多くの皆様にご覧いただけますと幸いです。<演出:青木豪・コメント>未曾有の危機的状況に毎日ヒリヒリとしながらも、五十代の私は「バケモノの子」という作品に巡り合えたことに奇跡を感じています。この物語には、他人が産んだ子どもを育て、そこに愛を覚え、生き物の宿命として親の世代は先に死ぬ、というテーマがあるからです。海外で生まれたミュージカルというジャンルを劇団四季が愛をもって日本で育て、ある時期の四季作品を見て育った私が、この物語を今、世に放つ。生きとし生けるもの、死ぬのが宿命であるならば、「人生は生きるに値する」と思える瞬間とは、次世代にバトンを渡す時だと思うのです。次を育てる世代、次に育つ世代のすべての人々に、この作品が愛されることを願って、四季オリジナルミュージカル『バケモノの子』を育てていきたいと思います。<劇団四季代表取締役社長:吉田智誉樹・コメント>スタジオ地図作品として大ヒットを記録したというこの超大作の舞台化に挑戦できることを大変光栄に思います。本作が伝えるのは、大切な人と共に強く生きていくことの素晴らしさです。これは、創立以来四季作品に受け継がれる「人生の感動」「生きる喜び」というテーマにも通じると言えます。今回、脚本・歌詞はこれまでも数々の四季作品にご参加頂いている高橋知伽江さん、演出は『恋におちたシェイクスピア』でご一緒した青木豪さんに再びお願いしました。その他、心強いクリエイターの方々と共に、四季の経験知を結集して創作に励んで参ります。近年、オリジナル作品創作に力を入れている中、今回は国産ミュージカルとして最大級の長期公演に挑みます。四季の創作活動においてひとつの到達点とも言える作品になることでしょう。どうぞご期待ください。■公演情報三井不動産創立80周年記念公演劇団四季オリジナルミュージカル『バケモノの子』2022年4月30日(土)より上演会 場: JR 東日本四季劇場[秋]チケット:2022年2月一般発売予定オーディション情報ページ:
2021年06月08日劇団チョコレートケーキの新作公演『帰還不能点』が2月19日(金)より東京芸術劇場シアターイーストにて開幕する。劇団チョコレートケーキは、実在の人物や実際に起こったできごとを題材に、丹念な調査をもとに人々の関わり合いを描き出す劇団。これまでにあさま山荘事件や大逆事件など、社会的な事件を取り上げた作品をいくつも創作してきた。なかでも大正天皇の生涯を描いた『治天ノ君』は、読売演劇大賞選考委員特別賞を受賞している。前作、昨年8月に上演された『無畏』では東京裁判で死刑判決を受けた陸軍大将・松井石根を取り上げた。そんな彼らが今回選んだのは、近衛文麿と松岡洋右。1937年(昭和12年)に首相になった近衛と、その近衛に指名され1940年(昭和15年)に外務大臣に就任した松岡。日中戦争を長引かせ、対米戦直前に内閣総辞職後、終戦に向けて活動を続けた近衛。三国同盟締結によってアメリカに警戒レベルを引き上げさせた松岡――。作品は、1950年代、敗戦前若手エリート官僚であった面々が集ってこのふたりの話になるというかたちで綴られる。1940年、41年の「南部仏印進駐」を、日本が引き返す最後のタイミング、帰還不能点として、なぜあの時、引き返すことなくそのまま突き進んでしまったのかを描く。劇団チョコレートケーキは今作に関する短い宣伝動画を何本かYouTubeにアップしているが、それを見ると戦争にまつわる人々や事件について、いくつもの公演を重ねてきたことが感じられる。南京事件、人間魚雷回天。朝鮮統治、731部隊……。彼らが描いてきたこれらの出来事は、今回描かれるふたりが帰還不能点を超えさえしなければ起こらなかったかもしれない。戻れなかったその瞬間が、生々しい会話で舞台上によみがえることだろう。なお、今作の様子を収録した映像配信も予定されている。客席からのカメラによる「スタンダード版」と、俳優ひとりのボディカメラで撮影された、臨場感のあふれる「アクターカメラ版」の2種類が用意されている。東京公演では一部の回の終演後に、登場人物のうちひとりにスポットを当てた「アフターアクト」も。文:釣木文恵劇団チョコレートケーキ『帰還不能点』脚本:古川健演出:日澤雄介出演:浅井伸治 / 岡本篤 / 西尾友樹 / 青木柳葉魚 / 東谷英人 / 粟野史浩 / 今里真 / 緒方晋 / 村上誠基 / 黒沢あすか【東京公演】2021年2月19日(金)~2021年2月28日(日)会場:東京芸術劇場 シアターイースト【兵庫公演】2021年3月13日(土)・3月14日(日)会場:AI・HALL【映像配信】劇チョコストアにて期間限定販売配信日程:2021年2月23日(火)20 :00~3月21日(日)20 :00料金:3,500円(スタンダード版・アクターカメラ版共に視聴可能)※一度購入すると、期間中何度でも視聴可能販売期間:3月20日(土)20:00まで
2021年02月19日劇団四季の新作ショー『劇団四季 The Bridge ~歌の架け橋~』が1月10日、JR東日本四季劇場[春]のこけら落とし作品として開幕。初日上演後、演出を手がける荒木美保が取材に応じ、「お客様が(劇場に)入って完成するんだなと改めて実感しています。皆さまと生きる喜びを分かち合いたいという全員の“祈り”と感謝がさらに強くなった」と感無量の面持ちだった。“舞台を通して生きる喜びをお客様にお伝えしたい”という理念のもと繰り広げられる、劇団四季の新作ショー。ダンスやストレートプレイの台詞朗誦も交えながら、おなじみの海外ミュージカルからオリジナル / ファミリーミュージカルのナンバーまで、数多くの名曲を再構成する。当初は昨年7月、JR東日本四季劇場[秋]で開幕予定だったが、新型コロナウイルス感染症の影響で上演計画が変更された。それだけに「今日という日を迎えても、実際に幕が上がるまで、本当に上演できるのかという思いもあった」といい、「分かっていたつもりでしたが、毎日公演できて、お客様が来てくれるのは当たり前じゃないと強く感じた。7月以降、もう1度『The Bridge』に取り組むにあたって、その思いが助けてくれた」としみじみ。コロナ禍での稽古は「完全に2班に分けて接触を避け、マスクやゴーグル着用も徹底した」そうで、「それとこまめな換気ですね。稽古場が寒くて、立っているだけでも体はきつかったはずだが、ステージ上で踊り切る。それだけでメッセージが届くはず」。本作で初めてオリジナル作品の演出を務めた心境を「ド緊張した」とも明かし、予定していなかったダブルカーテンコールについては「あれ?っと思い、走って舞台監督のところに行きました」と喜びを示した。今回初めて四季作品に参加した丸山敬太によるコスチュームデザイン(第6・7場)も大きな見せ場で、「生きる喜びをいろんな側面から描き、最後に向けてどんどん加速していくシーン。華やかで前向きなエネルギーがあればと思い、丸山さんに実際に俳優たちに会ってもらい、1人1人を魅力的に見せてほしいと相談した」と衣装にも強いこだわりが込められた。取材会には劇団四季社長の吉田智誉樹氏が同席し、「浅利(浅利慶太氏)たちが祈りを込めた仕事をしっかりと受け継いでいこうという思い」とこちらも新劇場の第一歩に感慨しきり。「このような状況で足を運んでくださったお客様には感謝しかない」と語り、「ステージとお客様の心にかかるブリッジ、橋にしかお芝居は存在しないと実感した。大切な原則である人生賛歌のメッセージを持った作品を厳選し、年に1本はオリジナル新作を送りだしたい」と決意を新たにした。一方、緊急事態宣言の再発布により「チケットのセールスは落ち込んでいる」と認めた上で、「こればかりは耐えるしかないが、基本的には粛々と指示に従い、公演はやります」と力強く宣言していた。取材・文:内田涼「劇団四季 The Bridge ~歌の架け橋~」2021年1月10日(日)~2月11日(木・祝)東京都 JR東日本四季劇場[春]2021年3月14日(日)~28日(日)福岡県 キャナルシティ劇場ほか全国公演あり構成・台本:高橋知伽江演出:荒木美保
2021年01月11日劇団四季の稽古場を有する、劇団の本拠地「四季芸術センター」の食堂メニューである「100点カレー」がレトルトカレーとして発売されることが決定した。このカレーは、劇団四季の食堂で一番人気を誇るメニューで、これまで数多くの俳優たちのお腹を満たしてきた門外不出の味を再現したもの。「100点カレー」という名称は、劇団の連帯が現れた食堂の制度に由来しているという。同食堂では、それぞれのメニューの値段を点数で表す制度が採用されており、1点あたりの値段が在団歴や役職によって異なるという仕組み。ちょうど100点で購入できるこのカレー1杯の中にも、懐に余裕のある劇団員が、稽古に励む若い劇団員のために少し多めに払うという劇団ならではの精神が込められている。また「100点カレー」は、コロナ禍でも日々の活動を応援してくれているファンと力を合わせてこの窮地を乗り越えたいという願いを込められた商品でもある。劇団員同士の助け合いの精神が込められたこの一杯で、彼らと思いを一つにしてみてはいかがだろうか。観劇の記念としてはもちろん、この商品を購入することで劇団を支援することにも繋がる。【商品概要】「劇団四季の100点カレー」販売価格 :800円(税込)内容量 :180g発売日:12月21日(月)※数量限定販売<販売方法>・劇団四季ウェブショップ: ・JR東日本四季劇場[春]売店※『劇団四季 The Bridge ~歌の架け橋~』上演期間中(2021年1月10日(日)~2月11日(木・祝))お問合せ:0570-008-110
2020年12月15日「ミュージカル・アクション・コメディー」と銘打って、山盛りのエンタテインメント性で観客を魅了する劇団スーパー・エキセントリック・シアター(以下SET)の新作公演『世界中がフォーリンラブ』が9日に開幕する。コロナ禍において、公演中止やクラスター報道など、過酷な強風にさらされ続けている演劇界。特に劇団公演の多くは、経済的にも大きな負担と痛手を負っている。しかし、そんなときこそエンタテインメントを! と立ち上がったのが、劇団SET主宰の三宅裕司だ。劇団創立から41年、前代未聞の危機において「公演しない」という選択肢は彼らにはない。三宅はこの公演に際して「愛と笑いの2時間で“コロナの野郎”を吹っ飛ばし、元気で幸せな生活を取り戻しましょう」とのメッセージを寄せている。SET作品はいつも、「音楽」「アクション」「笑い」で観客を大いに楽しませるのと同時に、社会に対しての警鐘が物語に織り込まれている。今回採り上げられる題材は、有名人のみならずはびこる不倫や浮気、熱愛の数々だ。劇中では、この状況に疑問を持った厚生省の専門家チームが調査に乗り出す。すると、痴漢して逮捕された男の体内から未知のウイルスが検出されたのだ。このウイルスに感染すると、異性を惹きつける体臭フェロモンが大量に分泌され、瞬く間に人を好きになってしまう。そのウイルスを、人々は「コロッとウイルス」と名付けたーー。「コロッとウイルス」なるネーミングが、実にSETである。ワクチン開発に立ち上がった製薬会社の攻防がコミカルに、しかしシリアスな闇をはらみながら描かれてゆくのだろう。昨年末に脚本家の吉高寿男と打ち合わせした時点では、「SNSは将来日本の若者をどう変えるのか」が描かれる予定だったという。しかしこのご時世、重いテーマとはまったく逆の、愛がテーマの軽い芝居を目指すべく、反対向きに舵を切ったのだとか。テーマは、純愛。SETの、次の10年に向けての第一歩を見届けよう。公演は10月25日(日)まで、サンシャイン劇場にて。劇団スーパー・エキセントリック・シアター第58回公演『世界中がフォーリンラブ』脚本:吉高寿男演出:三宅裕司10月25日(日)まで東京・池袋サンシャイン劇場にてオンライン生配信10月17日(土)13:00/17:00PIA LIVE STREAMにて※上演終了後、アーカイブにて24時間視聴可能。文:小川志津子
2020年10月09日劇団四季の新作オリジナルミュージカル『ロボット・イン・ザ・ガーデン』が10月3日(土)から東京・自由劇場で開幕した。劇団四季にとっては2004年『ミュージカル南十字星』以来、およそ16年ぶりの一般オリジナルミュージカルの製作となる。本作はイギリスの小説家デボラ・インストールの同名小説が原作。2015年に出版され、同年のベルリン国際映画祭で「映画化したい1冊」に選出された小説だ。日本でも16年に小学館文庫より出版され、人気シリーズとなっている。『ロボット・イン・ザ・ガーデン』撮影:阿部章仁AI(人工知能)の開発が進み、家事や仕事に就くアンドロイドが日々モデルチェンジをしている近未来が物語の舞台。不慮の事故で両親を失った主人公のベンは、親から譲り受けた家で無為に日々を過ごし、弁護士の妻エイミーとの関係も芳しくない。そんなある日、自宅の庭に壊れかけのロボット・タングが現れる。「四角い胴体に四角い頭」という何とも時代遅れな格好だが、タングから他のアンドロイドたちにはない何かを感じたベン。タングを作った人物を探すため、ベンとタングは旅に出てーー。長い旅の中で出会った人々との交流を通して、ベンやタングの心の成長、家族の絆、明るい未来への祈りが描かれる。『ロボット・イン・ザ・ガーデン』撮影:阿部章仁今回のミュージカル化にあたり、各界で活躍するクリエイターが集結した。台本・作詞は人の心をつかむ筆致で多くの話題作を手がける長田育恵、演出はウィットに飛んだ翻訳劇などで注目を集める小山ゆうな。作曲は数々のドラマ音楽を手がけるヒットメーカー・河野伸、音楽監督は劇団OBでこれまでもさまざまな作品を支えてきた清水恵介、装置デザインは国内外で高い評価をされている土岐研一、パペットデザイン・ディレクションは英国を拠点に活動するトビー・オリエ。そこに四季クリエイターも加わり、本作が完成した。主人公ベンを演じる田邊真也は、「新たなオリジナルミュージカル創作に、一から携わることができたことは望外の喜びです。(中略)旅中での人々との出逢い、そしてタングとの心の交流によって、彼(ベン)の人生は大きく変わっていきます。人生は素晴らしく、生きるに値する。数々の四季レパートリーと同様のメッセージが湛えられた作品だと思います。国内一線級のクリエイターの方々と四季のメンバーが固く手を携え、創り上げました。作品の感動をお客様にお届けできるよう、誠心誠意努めていきたいと思っています。」と語る。東京公演は11月29日(日)まで。心温まる新作ミュージカルをぜひお見逃しなく。ミュージカル『ロボット・イン・ザ・ガーデン』上演中~ 11月29日(日)会場:東京・自由劇場文:五月女菜穂
2020年10月07日カンテレと関西に拠点を置く演劇集団・劇団Patchがタッグを組み、関西から全国に向けて演劇ムーブメントを発信する「カンテレ×劇団Patchプロジェクト」の第1弾作品となる、音楽朗読劇『マインド・リマインド~I am…~』のヒロイン役に、女優の谷村美月と入山法子がWキャストで決まった。同作は、“音にまつわるプルースト現象”をきっかけに、恋人に疑惑を持った男が現実と空想が交錯する世界に迷い込み、そこで衝撃の事実にたどり着くという“近未来を舞台”にしたラブ・サスペンス。谷村と入山は、劇団Patchのメンバーが演じる主人公から、ある疑惑を持たれる“彼女”を演じる。ドラマや映画での共演もあり、谷村は「撮影中もずっと優しいお姉さん」、入山も「格好良い女性」と笑顔でお互いの印象をコメント。作品のプロットについて、谷村は「想像を掻き立てるような役柄だと感じたので、その中でどのように、魅力的に魅せることができるかなと考えています。今までに演じたことの無い役柄なので、色々な方の意見を取り入れてみたいなと思っています」、入山は「音楽朗読劇という枠組みに見合った、体から音楽を感じられるような“彼女”になれば良いなと思っています」と、それぞれ意気込みを語った。劇団Patchとの共演については、「演劇と、地元への愛が深い、とても熱量のある劇団だなと思いました。公演初日には、わたしもバリバリ関西弁をしゃべれるようになっているといいな。いや、なっているでしょう。なんでやねん!」と埼玉出身の入山が見事なノリツッコミを見せ、谷村も「今までに、井上拓哉さんとはカンテレのドラマ『大阪環状線ひと駅ごとの愛物語』などで、お仕事をご一緒する機会が多く、劇団Patchさんの存在をその時に知りました。年齢的に近い方々とお仕事をする機会が、あまり多い方ではないので、ご一緒できることを楽しみにさせていただいています」と共演を楽しみにしている様子だ。劇団Patchの中山義紘は「お2方の名前を聞いた時にメンバーから『おおぉ!!』という士気が高まる声が上がりました。お2方とも魅力と実力を兼ね備えている強力な女優さんなので、劇団Patchの劇団員とセリフを交わすとどんな化学反応が起こるんだろうと胸が高まります! お2人にとっても、劇団Patchと作る『マインド・リマインド』が刺激と感動に満ちあふれる作品になることを願っています」と話している。上演は、今年12月に大阪・サンケイホールブリーゼで、来年1月に東京・紀伊國屋サザンシアターTAKASHIMAYAで行われる。
2020年10月03日小さな子供が親に甘える姿は見ていてとてもかわいらしいもの。それはたとえ子供のほうが体が大きくても同じようです。アメリカ・ヴァージニア州でたくさんの保護動物たちと暮らすライアン・フィリップスさんは、1頭のメスのウシを保護しました。ウェブメディア『The Dodo』によると、『ジェンナ』という名前のそのウシは生まれてすぐに不妊でミルクが生成できないことが分かり、農場で不要になったのだそう。そこでライアンさんが生後3日のジェンナを引き取ることにしたのです。 この投稿をInstagramで見る Life with Pigs(@lifewithpigsfarmsanctuary)がシェアした投稿 - 2019年 1月月11日午前8時56分PSTライアンさんがジェンナに初めて出会った時、まだ赤ちゃんだった彼女は普通乗用車に乗れる大きさだったといいます。それからジェンナはすくすくと成長し、今では体重が約4533と立派な体になりました。 この投稿をInstagramで見る Life with Pigs(@lifewithpigsfarmsanctuary)がシェアした投稿 - 2020年 4月月15日午前11時00分PDTそんなジェンナはライアンさんのことが大好き。毎日何度もライアンさんにハグやキスを求めてくるのだそうです。その姿はまるで大きな赤ちゃんのよう! この投稿をInstagramで見る Life with Pigs(@lifewithpigsfarmsanctuary)がシェアした投稿 - 2020年 4月月30日午前8時08分PDT この投稿をInstagramで見る Life with Pigs(@lifewithpigsfarmsanctuary)がシェアした投稿 - 2020年 3月月26日午後2時41分PDTいつでもライアンさんのそばにいたいジェンナは彼が家の中にいると、開いている窓を見つけては「モー(出てきて)」と鳴くのだとか。ライアンさんにとってはそんな甘えん坊のジェンナとの窓越しのハグやキスも日課となっているそうです。 この投稿をInstagramで見る Life with Pigs(@lifewithpigsfarmsanctuary)がシェアした投稿 - 2020年 7月月18日午後1時18分PDTまた時にはジェンナがライアンさんの背中に頭を乗せて居眠りすることも。ちょっとライアンさんの首がつらそうに見えますが、彼は「ジェンナがこんなにも僕を愛してくれて、僕を枕にしてくれて光栄だよ」と話しています。 この投稿をInstagramで見る Life with Pigs(@lifewithpigsfarmsanctuary)がシェアした投稿 - 2020年 1月月22日午後5時36分PSTジェンナはほかの動物たちと比べるとややわがままなところがあるのだそう。でもライアンさんはそんなジェンナがかわいくて仕方がないそうで、娘のように思っているといいます。手のかかる子ほどかわいい、というのは本当なんですね。 この投稿をInstagramで見る Life with Pigs(@lifewithpigsfarmsanctuary)がシェアした投稿 - 2020年 8月月11日午前6時42分PDTライアンさんはジェンナを保護した後、もう1頭『メイジー』というメスのウシを家族に迎えました。ジェンナとメイジーはすっかり仲よくなって姉妹のように遊んでいるということです。大きな体でライアンさんに全力で甘えるジェンナと、そんな彼女の愛を全力で受け入れるライアンさん。まるで本物の父と娘の姿を見ているようで、ほのぼのとしますね。[文・構成/grape編集部]
2020年09月04日4月24日(金)から26日(日)まで、大阪ビジネスパーク円形ホールにて、ぴあ×劇団壱劇屋公演『BLACK SMITH(ブラックスミス)』の開催が決定した。劇団壱劇屋チケット情報作・演出・殺陣を竹村晋太朗が手掛ける、全方向死角無し、四方囲み舞台×総勢30名の出演者が戦場を駆け回る、過去最大スケールのアクション大作!今回、劇団壱劇屋のとしても過去最大キャパシティ、過去最多人数のキャスト、初の四方囲みステージという挑戦的公演となる。さらに今回は過去のぴあ×劇団壱劇屋シリーズに出演した、SKE48北川愛乃(出演:猩獣新作)、谷川愛梨(出演:二ッ巴)、上枝恵美加(出演:猩獣再演)の出演が決定。チケットは2月8日(土)10:00より劇団壱劇屋ファンクラブ壱劇屋商店街組合にて最速先行受付開始。チケットぴあでは2月18日(火)10:00より早割プリセール実施。神に選ばれし鍛治師たちによる、天を衝き地を揺るがす世紀の大合戦!大阪の地で打ち上げる、ドデカイ花火をお見逃しなく!<先行情報>壱劇屋FC先行:2月8日(土)10:00~2月24日(月)23:59谷川愛梨FC先行:2月18日(火)10:00~2月24日(月)23:59チケットぴあ早割プリセール:2月18日(火)10:00~2月29日(土)23:59
2020年02月07日劇団かもめんたる第8回公演『GOOD PETS FOR THE GOD』が11月26日(火)より東京・下北沢の駅前劇場で上演される。劇団かもめんたるは、お笑いコンビ・かもめんたる(岩崎う大・槙尾ユウスケ)の岩崎が作・演出を務め、2015年に旗揚げ。以来1年に1、2本のペースで公演を重ねてきた。第2回公演からたびたび出演してきたナイロン100℃の長田奈麻が昨年、劇団員として所属したことでも話題を集めた。「演劇的」と評されるコントをつくる芸人は少なくないが、かもめんたるは『キングオブコント2013』で優勝する前からその最右翼だった。「ふつう」を少しはみ出したキャラクター造形、一語一語に神経を通わせたセリフまわし、余韻を残す終わり方。ライブでは笑いとともに悲鳴があがることもあった。コントにも見られたテイストをそのままに、長尺の物語を紡いでいるのが劇団かもめんたるの作品。人数と時間の制限から解き放たれた岩崎が思いきりその腕を振るい、公演のたびに八嶋智人や加藤啓、石田剛太、川面千晶といった演劇界の腕利きたちがゲスト出演している。今作『GOOD PETS FOR THE GOD』は近未来の人々を描くコメディ。200年後に地球が滅びると知った人類が、最後に残る人たちのために後片付けをしはじめるという物語だ。果たして200年経ち、終わりを迎えるときにどうなっているのか。コメディではあるが、もちろん笑いだけではなく、岩崎いわく「シュールな感動」をめざすという。劇団メンバーのほか、青年団の古屋隆太、劇団プレステージの長尾卓也、香月ハルが出演する。笑いを志向する劇団はひと頃よりも多くはない。だからこそ、本気で笑いに向き合っている演劇にふれる機会をぜひ逃さないでもらいたい。12月1日(日)まで。文:釣木文恵
2019年11月26日女優の山野海を中心に設立された劇団「ふくふくや」の新作は、“おばさん”ふたりを中心に巡る、おかしくも切ない人間ドラマ。そこで山野と客演の熊谷真実に、作品にかける想いを聞いた。【チケット情報はこちら】ふくふくやに熊谷が参加するのは今回が初だが、「私たち両思いなんです」と声を合わせるほど、ふたりの息はすでにぴったり。山野が「上手ささえも隠す上手さがある、本当に上手い女優さん」と熊谷を絶賛すれば、熊谷は役者としてはもちろん、“竹田新”名義で書き下ろす山野の作家としての才能にも惚れ込み、「もうどのように調理していただいても構いません!」と言い切るほど、全幅の信頼を寄せる。ふくふくやの“おばさん3部作”の、第2作に当たる本作。山野と熊谷が演じるのは、幼いころからの親友であり、今では同じ熟女バーで働く春子と日向子。山野は「熊谷さんが出てくださることが決まり、年齢も近いですし、熟女バーのおばさんふたりが、『肋間神経痛が痛い』だのぶつぶつ言いながら(笑)、控室にいるのは面白いなと思って」と、創作の出発点を明かす。するとすかさず熊谷が、「でもそこからここまで書けますか!?」とラストへの展開について触れ、「ただの愚痴なら私だっていくらでも書けますよ。でもそれだとトークショーになっちゃう」と笑いつつ、改めて竹田こと山野の筆力の高さに驚きを見せる。物語は熟女バーから始まり、彼女たちの中学生時代へと遡っていく。15歳の春子も日向子もそのままふたりが演じるのだが、役に対してどうアプローチしているのか熊谷に聞くと、「いや、私何にも考えていない!(笑)」とひと言。すると山野が「天才はこういうこと言うんですよ」とニヤリ。「いや、もともと私が“こどものおばさん”なので(笑)。ただ実は15歳も50歳も同じ。ただ経験値が増えただけなんですよね」と熊谷が言うと、山野も「本当にそう。まぁおばさんになるとちょっと“雑さ”が出てきますけどね」と、自らを振り返るように笑う。すでに稽古から10日ほど。ふたりのシーンを重ねる中で、お互いがお互いを「漫才の相方みたい」と思うようになったそう。「私たち本当に漫才出来るかもね」と熊谷が言うと、「しかも熟練の漫才師ね(笑)」と山野。さらに「これからもふたりの芝居づくりは続けていきたい」と語り、山野は本作を「そのはじめの一歩」と位置づける。ふくふくやと熊谷の幸福な出会い。その“はじめの一歩”を、ぜひ劇場で目撃して欲しい。取材・文:野上瑠美子
2019年09月20日大阪を拠点に、“全国規模の在阪劇団”を目標にかかげる劇団壱劇屋。近年、セリフを使わずに殺陣だけで物語を紡いでいく「Wordless×殺陣芝居」シリーズを確立。今年3月に大阪・HEP HALLで4日間に渡り上演された『猩獣(しょうじゅう)』では、2000人越えの動員を記録するなど、注目を集めている。そんな彼らが、新作『Pickaroon!(ピカルーン)』ではその制約を解き放ち、セリフのある殺陣芝居を上演。7月5日(金)の開幕に向けて、ABCホールでゲネプロが行われた。劇団壱劇屋「Pickaroon!」チケット情報本作は、記憶を失くした少女と彼女を取り巻く7人の盗賊の物語。義賊の力石、口に特殊な金属を付けた異様な風体の由良、兄妹盗賊の陸上角(おがうえかく)、陸上飛(おがうえとび)、筆で描いた者の姿に成り代わることができる伊武、紙を自在に操る紙研(しげん)、圧倒的な力を発揮する不動の男虎(おのとら)。単独で悪名を重ねてきた彼らが、ひょんなことからひとりの赤子を手にし、“御姫”と名付けて7人で見守り、育てることになる。そんな彼らに目をつけ、少女となった御姫を奪おうと企む国の執政官・佐久間は、人並み外れた嗅覚を持つ腹心・勝又と共に、彼らを追い詰めていく…。作・演出も手がける竹村晋太朗をはじめ、山本貴大、小林嵩平、西分綾香ら劇団員と、劇団Patchの竹下健人、墨絵師で本作の宣伝ビジュアルなども手がける御歌頭(おかず)、クールな佇まいの実力派女優・立花明依が、御姫を守る7人の盗賊に扮し、舞台を所狭しと駆けめぐる。そのスピード感あふれるアクションの数々に圧倒、7人がズラリと一列に並んだ姿は惚れぼれするほどのカッコよさだ。主役は不在、個性の異なるキャラクターたちが、それぞれの見せ場で、圧倒的な熱量を持って魅せていく。また、御姫を演じるのは、ローティーン向けファッション雑誌「nicola(ニコラ)」専属モデルで初舞台の池未来実。持ち前の透明感と初々しさで、愛らしくも儚げな少女を演じている。これまでの「Wordless×殺陣芝居」で培われたであろう表現力の豊かさに言葉の力が加わり、壱劇屋の新たな魅力が生み出された本公演は、7月5日(金)から7日(日)まで大阪・ABC HALL、7月26日(金)から29日(日)まで東京・池袋シアターグリーンBIG TREE THEATERにて上演。取材・文:黒石悦子
2019年07月05日昨年7月に亡くなった劇団四季の創立者で演出家・浅利慶太氏の追悼公演として、劇団四季『ジーザス・クライスト=スーパースター』(エルサレム・バージョン)の名古屋公演が6月12日(水)に開幕を迎えた。公演に先駆け11日には、公開舞台稽古が行われた。本作は1976年に初演となった、“浅利演出”を代表する作品の一つ。イエス・キリストが十字架にかけられるまでの最後の七日間を描いた物語。劇場のロビーには、過去の公演で指導する浅利氏の写真パネルが飾られていた。客席に入ると、土ぼこり舞うイスラエルの荒野を表現した、急傾斜の舞台が待ち構える。人々から「神の子」「救い主」と崇められたキリストの孤独、彼を深く愛するマグダラのマリア、そして仲間による裏切り…。それぞれの心の叫びを鮮烈なロックミュージックで綴る105分ノンストップの舞台は、まさに圧巻の一言。急傾斜の舞台を用いた迫力ある演出や、十字架にかけられるシーンの芸術性の高さにも必見だ。“浅利演出”が息づくエネルギーあふれる舞台を、ぜひ劇場で。■劇団四季『ジーザス・クライスト=スーパースター』エルサレム・バージョン 名古屋公演日時:7月7日(日) まで上演中会場:名古屋四季劇場 (愛知県)チケット料金:S1席-10800円/S2席-10800円/A1席-8640円/A2席-8640円/B席-6480円/C席-3240円※公演当日3歳以上はチケット必要(膝上観劇不可)。2歳以下は入場不可。
2019年06月13日福岡を拠点に活動を続ける劇団「万能グローブガラパゴスダイナモス」(以下、ガラパ)。2020年の旗揚げ15周年に向けて様々なプロジェクト企画を準備中だ。その企画第0弾として、今年2月に福岡・大阪・東京でツアー上演した『溺れるクジラ』の凱旋公演を再び福岡で行なう。彼らにとって初となる凱旋公演を前に、脚本・演出の川口大樹、役者の西山明宏に話を聞いた。【チケット情報はこちら】訳ありな人々が滞在する、とある海辺のゲストハウスが舞台の本作。様々な事情を抱えた人々がいろいろなことに“溺れる”悲喜こもごもを描いたコメディだ。「今回、あえて“ガラパらしくない”作品にしたんです。抽象的だったり、演劇的な要素をいつもより多く入れてみたり。面白がってくれる方もいれば、“ガラパらしい”シチュエーションコメディを求めている方もやっぱりいらっしゃる。でもあえて変えてみたことで、改めて自分たちの強みとか、求められているものがわかった気がします」と新しいアプローチに手ごたえを感じたという川口。演じる側の西山は「福岡から大阪、東京と、ツアーを経て作品は成長しているので、それをまた福岡で観てもらえることが嬉しいです。新たに追加したシーンもあれば、セリフを少し変えてみたところもあります。前回のイムズホールよりもキャパシティが小さくなる分、見え方も変わるんじゃないかな。前回福岡で観た方にも新鮮な気持ちで楽しんでもらえると思います」と自信をのぞかせる。今回の凱旋公演は、福岡市美術館ミュージアムホールでの演劇公演のこけら落としとなる。“アート”と“演劇”は親和性が高いと語る川口。「特にこの『溺れるクジラ』はこれまでのガラパの中でもアート性の高い作品なんです。僕は常々、新しい角度から見るお客様に出会いたいと思っていて。アートが好きな方が僕らの舞台に興味を持つきっかけになればと思いますし、逆に、舞台を観に来た人が美術館にも行ってみようと思ってくれると嬉しいですよね」プロジェクト企画第0弾の凱旋公演に続く第1弾は、5月に開催するガラパの若手ユニット「こわせ貯金箱」の第2回公演。続く第2弾以降の企画にも既に取り掛かっているという。「15周年に向けて、いろいろ派手にやりますよ。楽しみにしていてください!」(川口)『溺れるクジラ』は4月19日(金)から21日(日)まで福岡市美術館 ミュージアムホールで上演。チケットは現在発売中。
2019年04月11日“美人すぎる劇団員”として話題の劇団4ドル50セントの糸原美波(22)が28日、都内で行われた「リラクゼーションスペース ラフィネ採用新CM発表会」に出席した。リラクゼーションスペース「ラフィネ」はこのたび、大勢の人にセラピストという職業や働き方を知ってもらいたいという思いから、新たに採用CMを制作。糸原はセラピスト役として同CMに出演し、楽曲にあわせたキャッチーなダンスを披露している。自身初のCM撮影を振り返り、糸原は「すごい緊張したんですけど、セラピストさんは素敵な笑顔でお客様を癒やしている印象で、それを意識して演じたのでとても楽しく撮影することができました」と笑顔で語った。また、CMで披露しているダンスについて「日常の細かいところまで振りになっていて、そこは難しくて大変でした」と打ち明け、「でも楽しく踊れました」とにっこり。「幼稚園からずっとダンスをしていて、なので楽しくて」とうれしそうに話した。なお、同発表会には、タレントの鈴木奈々、元AKB48でタレントの西野未姫も出席。「ラフィネ」のトップセラピストから疲れた身体を癒やす方法を伝授され、芸能界でキャラクターが被っていると言われている2人が癒やしキャラの座をかけて接客勝負を繰り広げた。
2019年03月29日劇団EXILEの鈴木伸之と八木将康が22日、LDHのファンクラブ会員向け動画配信アプリ「LDH TV」の劇団EXILEオリジナル番組内で「1分間に最も多く箸でキャッチしたマシュマロの数」のギネス記録にチャレンジ。これまでの記録35個を大幅に上回る43個を記録し、ギネス世界記録を達成した。今回、鈴木と八木が挑戦したギネスチャレンジは、2m離れた場所から1人がマシュマロを投げ、もう1人が箸でつかむというもの。1分の制限時間のなかで、いくつ成功できるかを競う。会場には劇団EXILEやDEEPのメンバーも駆け付け、さらに三代目 J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBEの山下健二郎やTHE RAMPAGE from EXILE TIBEの川村馬壱から応援コメントの映像がサプライズで届くなど、2人の挑戦を後押しした。ギネス公式認定人の合図でチャレンジが始まると、野球経験者の鈴木が抜群のコントロールでマシュマロを投げるのに対し、同じく高校球児だった八木が、見事な箸さばきで次々とキャッチを繰り返した。一時はマシュマロをスタンバイするスタッフが追い付かない場面もあったが、これまでの記録を大幅に上回る記録でギネス記録更新を果たした。今回の快挙に八木は「まじで嬉しいです! ギネスに名前がのるなんて信じられない!」と喜びをあらわにし、鈴木も「これを皮切りに、いろんなギネス記録を更新していきたいです!」とさらなる記録に意欲を見せた。
2019年01月24日10月13日より大阪四季劇場にて、関西では初上演となるディズニーミュージカル『リトルマーメイド』が開幕した。劇団四季「リトルマーメイド」チケット情報2008年にブロードウェイで初演され、2013年に東京で日本初演を果たした本作。名古屋、福岡で上演を重ね、大阪は国内4都市目の上演となる。地上の世界に憧れる人魚姫アリエルが、人間の王子エリックに恋をする物語で、『アンダー・ザ・シー』、『パート・オブ・ユア・ワールド』など、耳に残る多彩なメロディの数々が、物語や登場人物の心理をさらに深めている。フルオートメーションの最新フライング技術を使った人魚のしなやかな動きや、海底を泳ぐ魚たちの造型は、まるで本当に海の中を泳いでいるような錯覚を覚えるほど、繊細に表現されている。また、照明を駆使して水面の揺らぎや深海に届く太陽の光などを表すなど、大人も子どももワクワクするような演出が細部にわたって施されている。未知の世界へ勇気を持って進んでいくアリエルの姿が、観客の心を刺激する本作。舞台が進行するにつれて客席は熱気を帯び、初日のカーテンコールでは満席の客席から万雷の拍手。8回にもおよぶカーテンコールが繰り返された。公演は2019年8月31日(土)までのロングランが決定している。3月末までのチケットはほぼ完売、4月から8月末公演分のチケットは発売中。
2018年10月17日「ミスマガジン2018」受賞者で結成された「劇団ミスマガジン」が、人気漫画『ソウナンですか?』を舞台化することがこのたび、明らかになった。同作は、『ヤングマガジン』で連載中の同名人気漫画『ソウナンですか?』(原作/岡本健太郎・漫画/さがら梨々)を舞台化。無人島に漂着し、サバイバル生活を送る女子高生4人の、笑いあり、涙あり、水着ありの青春模様を個性溢れるアイドルたちが体当たりで演じる。脚本・演出は竜史が務める。これまでに発表されていた、「ミスマガジン2018」グランプリ&各賞受賞者5名(池松愛理、岡田佑里乃、佐藤あいり、沢口愛華、寺本莉緒)に加え、4名の追加キャストが決定。「ミスマガジン2018」のベスト16として5月のヤングマガジン第23号で水着グラビアを披露した岡本桃花、倉沢しえり、鈴木ゆうは、農海姫夏が、演技でも参戦する。公演は、東京・シアターブラッツにて11月7日~11日。8日の昼・夜、9日の昼公演ではアフタートークの開催も予定している。
2018年09月18日お笑い芸人の劇団ひとりが14日、都内で行われたNetflixオリジナル映画『ネクスト ロボ』(世界190カ国で配信中)の親子プレミア上映会イベントに、タレントの小倉優子と共に登場。消したい記憶を聞かれ、「すべった記憶を全部消したい」と話した。同作は、孤独な少女メイと勇敢でピュアな戦闘用ロボット7723の絆と冒険を描いたアニメーション映画。メイの愛犬・モモ役として声優を務めた劇団ひとりは「7割くらいが鳴き声で、そこが非常に大変でした。本気の鳴き声をやりまして…。本当の犬の鳴き声を使えばいいじゃないかってくらいリアルを求められたんです。頑張りました!」と鳴き声に苦戦したと明かした。また、「家で鳴き声を練習していると家族の視線も冷たいですし、ご近所さんにも迷惑ですから、夜中に車の中でずっとワンワンしていました」と明かし、「よかったです、職質(職務質問)されないで」と笑った。ロボット7723が、容量オーバーで毎晩記憶を消さなければいけないということにちなんで“消したい記憶”を聞かれると、「すべった記憶を全部」と返答。「芸歴20数年ありますから、全部すべった記憶を消したら空き容量相当増える。全部足したら相当すべっていると思うので」と言い、その記憶を消したら「何にも怖くなくなる」と語った。
2018年09月14日劇団た組第16回目公演『心臓が濡れる』が7月5日(木)に開幕する。同劇団の加藤拓也が作・演出を手掛け、災害によってオフィスビルに閉じ込められた会社員たちの姿を描く本作。W主演を務める北乃きいと柄本時生に話を聞いた。【チケット情報はこちら】劇団た組の作品に参加することについて北乃は「舞台は今回で3作目ですし、まだ本当にわからないことだらけで。でも加藤さんとお話していると変わった方だなと思うので(笑)、どんな演出をされるのか今からとても楽しみです。稽古場で時生さんの引き出しが間近で見られるのもうれしいですし、先輩がたくさんいる現場なので勉強したいなと思っています」、柄本は「加藤さんは年下なんですよ。これは初めてのことで。年下に演出されるというのがどういうことなのか、自分の中で何が起きるのか、すごく楽しみにしています」と語る。柄本は28歳、加藤は24歳。年齢がどう関係してくるのか尋ねてみると「なんですかね。今は言うことを聞くつもりなんです。でも、年下に芝居のことを言われて自分がどう思うのか。自分が先輩風を吹かせたがるのか、どんなことが起きるのか…。今、僕はそこが1番楽しみだし、興味がある。そういうものを楽しめたらいいなと思っています」(柄本)。今作の脚本については、ふたりとも台詞の使い方が気になったそう。柄本は「加藤さんは台詞には興味がなさそう」と感想を語ったが、実際それは加藤作品の特徴でもある。台詞そのものより“シーンとして意味をなす”ことが重要で、“相手との細かな積み重ねから生まれるエネルギー”のために台詞が使われているというイメージだ。「台詞になにかしらの意志が感じられるものがないんですよ。それが面白いし、楽しいです」(柄本)。北乃も「例えば全部止まって台詞を言おうと思えば言える本なんですよ。ト書きもあまりないですし」と話すように、台詞そのもので人を動かそうとしているわけではないぶん、サラッと言えてしまえそうなものばかりなのだそう。しかし稽古を重ねるにつれ、それが変わっていく。「今は自分の役がどうかと聞かれたときも答えられない。もちろんそれぞれキャラクターがあるのですが、それはこの年齢のこういう立場の人はこうだろうな、というくらいのもので。最後まで読んでも“どうしよう…”という感じなんです」と北乃。ここからどうつくられていくのか、開幕を楽しみに待ちたい。「劇場も作品にとても合ってますよね。呼吸や空気が伝わる距離ですし、きっとお客さんが“いる”感じになると思います」(北乃)という公演は、7月5日(木)から16日(月・祝)まで東京・すみだパークスタジオ倉にて。取材・文:中川實穗(なかがわみほ)
2018年06月26日劇団四季創立65周年記念の『ソング&ダンス65』が、6月17日、大阪四季劇場にて開幕した。劇団四季「ソング&ダンス65」チケット情報ミュージカルの名曲の数々を四季独自のアレンジで再構築する『ソング&ダンス』シリーズ。同劇団の数あるレパートリーの中でも、とりわけ人気が高いショー形式のステージで、これまでも劇団の節目ごとに上演されてきた。創立65周年を記念して誕生したシリーズ最新作は「劇団四季の誕生から未来」、「祈り」や「願い」をコンセプトに構成。第一幕は『ウェストサイド物語』の「サムホエア」で幕を開け、『ライオンキング』『ウィキッド』『アンデルセン』『クレイジー・フォー・ユー』など、数々の名作から珠玉のナンバーが披露されていく。10月に大阪四季劇場で開幕する『リトルマーメイド』からも「深海の秘密」「海の上の世界」などが組み込まれている。フラッグパフォーマンスや、熱を帯びた迫力のフラメンコ、マリンバやシロフォンなどの打楽器を使ったパフォーマンスなどでも魅せ、一幕ラストの『クレイジー・フォー・ユー』メドレーでは、セクシーに魅せたりコミカルに表現したり、タップダンスで軽快にリズムを刻んだりと観客を高揚させる。第二幕は『アラジン』『美女と野獣』『キャッツ』『オペラ座の怪人』など、ディズニーミュージカルやアンドリュー・ロイド=ウェバーの作品を中心に展開。幕開きを観客参加型の演出で一体感を生み出したり、バトントワリングのパフォーマンスや大きな布を使った演出でも楽しませてくれる。数々の名曲と華やかなダンスをたっぷりと堪能できる『ソング&ダンス65』。いつもは作品の“役”として表現しているが、本公演では役に入っていないからこそ、ひとりひとりの歌唱力、ダンス力はもちろん、パフォーマンス力の高さが際立っている。本公演を上演するにあたり、構成・演出・振付を手がける加藤敬二は「劇団四季創立65周年を記念するこの作品で最も大事にしていることは、“この65周年は我々だけではなく、全国のお客様によって築かれた”という感謝の気持ちです。この想いを、様々な名曲とダンスにのせて、お客様にしっかり届けてまいります」とコメント。大阪四季劇場での上演は、8月19日(日)まで。チケットは発売中。取材・文:黒石悦子
2018年06月26日芸能事務所オスカープロモーション所属の若手俳優らによって結成された、男性エンターテインメント集団“男劇団 青山表参道X”。その旗揚げ公演『SHIRO TORA ~beyond the time~』が、6月14日(木)より東京・AiiA 2.5 Theater Tokyoで開幕する。そこでリーダーの栗山航と、飯島寛騎、西銘駿の3人に話を聞いた。【チケット情報はこちら】男劇団のメンバーは総勢30人。それぞれ個性はバラバラで、それこそが男劇団の強みだという。そこで3人がお互いをどう見ているのか聞いてみると、「寛騎はクールの裏にあるお茶目さが素敵」と栗山。飯島は「西銘くんは自分でも言っていますけど、まさに“ハッピー野郎”(笑)。とにかく周りを明るく、元気にしてくれます。まぁ僕は真似しようとは思いませんけど」と笑う。西銘は「栗山くんはまさにリーダーになるべくして生まれてきた人。この30人を任せられるのは栗山くんだけです!」と絶大なる信頼を寄せる。そんな彼らの旗揚げ公演は、廃部の危機に立たされた演劇部員の前に白虎隊が現れて…というタイムスリップもの。西銘は脚本を読んだ瞬間に、「これは面白い、伝説になる!」と確信したという。するとすかさず飯島が、「伝説になるか、ならないかは、僕ら次第だから」と冷静にひと言。さらに栗山が「いや、僕と寛騎次第かな。西銘は関係ない(笑)」と続けると、真に受けた西銘は「うんうん、ふたりとも頑張って!」と突如ファン目線に。そんな西銘の天然ぶりに、栗山も飯島も笑いが止まらない。役どころは主人公であり、演劇部部長の小野田陽斗を飯島が、栗山と西銘が白虎隊の安達藤三郎、伊東悌次郎をそれぞれ演じる。「白虎隊がタイムスリップして現代の高校生に憑りつく、というちょっと変わったストーリーです。僕は寛騎に憑りつくことになるので、ふたりは一心同体の間柄。僕らがしっかり繋がって、物語をどんどん進めていければ、自然といい作品になると思います」と栗山。飯島も「栗山くんといろいろ話し合って、役を深めていきたいです」と意気込む。一方、「僕は気を抜いてもいいキャラなので~」と西銘。その瞬間、「みんな気抜いちゃダメ!」と栗山にツッコまれる。芝居はもちろん、歌にダンスに殺陣にと、メンバーそれぞれの持ち味が存分に生かされるであろう本作。主役を任された飯島は、「プレッシャーは大きいですが、お客さんに楽しかった、観てよかったと言ってもらえるような舞台にしなければ!」と奮起する。彼らの“伝説”の幕開けは、もう間もなくだ。公演は6月17日(日)まで東京・AiiA 2.5 Theater Tokyoにて。チケットは発売中。取材・文:野上瑠美子
2018年05月17日セリフを一切使わず、殺陣だけで物語を紡ぐ劇団壱劇屋の“WORDLESS殺陣芝居”シリーズ。その新作で劇団10周年記念公演の『二ツ巴-Futatsudomoe-』が、4月6日(金)よりABCホールにて上演される。開幕を1週間後に控えた3月29日、大阪・道頓堀の戎橋に出演者たちが登場し、ゲリラで殺陣パフォーマンスを敢行した。劇団壱劇屋10周年記念公演「二ツ巴-Futatsudomoe-」チケット情報人気の撮影スポットとしても知られ、観光客や若者たちでにぎわう戎橋。作・演出を手がける竹村晋太朗を先頭に、今作で主役を務めるNMB48の久代梨奈、谷川愛梨ほか、『二ツ巴』の衣装を身にまとった総勢12人の出演者が現れると、周囲の注目を集めた。約1分半、シーンを抜き取って殺陣を披露。竹村と岡村圭輔によるスピーディーな殺陣やアクションが繰り広げられると、周囲からは「すごい…!」と、感嘆の声が上がる。さらにそこに、久代と谷川が加わり、久代は竹村と、谷川は岡村と刀を交え、しなやかかつ華麗な立ち回りで魅せ、公演をアピールした。アイドルのふたりが真剣に取り組む殺陣芝居、そして彼らの迫力のパフォーマンスは、ぜひ劇場で体感してほしい。劇団壱劇屋10周年記念公演『二ツ巴-Futatsudomoe-』は、4月6日(金)から8日(日)まで、大阪・ABCホールにて。チケットは発売中。取材・文:黒石悦子
2018年03月30日AKBグループをはじめ乃木坂46の総合プロデューサーである秋元康さんが初めて劇団をプロデュースするということで、立ち上げから何かと話題になっていた劇団4ドル50セント。その正体に迫ります!文・尹 秀姫秋元康プロデュースの新劇団『4ドル50セント』って?約5000名のなかからオーディションで選ばれた30人の劇団員は、元AKBメンバーから現役の植木屋さんというバリエーション豊かな人たちが集まったものの、9割が演技経験ゼロという素人集団。にもかかわらず、昨年11月に行われたプレ公演『The Making of $4.50 夢を見たけりゃ、目を開けろ。』はチケットが即日完売となるほど大人気。そこには、今までにない新しい仕掛けがありました。演劇以外にも幅広い活動を行うエンタテインメント集団秋元康さんがプロデュースしているだけあって、劇団4ドル50セントは演劇というステージのみにこだわらず、モデルやバラエティ、音楽活動などさまざまなジャンルに活動の場を広げているのも大きな特徴。2月の本公演でメインキャストに選出された福島雪菜さんは、SHOWROOMでの個人配信閲覧者数が1万人を突破する記録を打ち立て、週刊「ヤングマガジン」(1月22日発売号)の表紙にもなるなど活躍目覚ましい看板女優のひとり。他にも、ぽっちゃり女子ファッション誌「la farfa」のモデルとしても活躍している隅田杏花さんなど、いろんな魅力を持った役者が集っているのも大きな魅力です。ファンがキャストを選ぶ斬新なシステムもそして、2月8日~12日に紀伊国屋ホールで行われる旗揚げ本公演『新しき国』では、メインキャストをYouTubeによるファン投票と審査員投票で行うという、今までにないスタイルでキャストが決定。舞台に上がる役者をファンが選ぶという新しいスタイルで、演劇界に革命を起こします。なお、この投票ではメインキャスト8名のうち、7名が決定。残り1名の枠をかけて4名が争っており、この結果にも注目が集まっています。7名のメインキャスト。糸原美波、福島雪菜、蕪祐典、岡田帆乃佳、前田悠雅、本西彩希帆、中村碧十。Information劇団4ドル50セント 旗揚げ本公演『新しい国』2018年2月8日(木)~12日(月・祝)東京都 紀伊國屋ホールトータルプロデューサー:秋元康クリエイティブディレクター:近山知史脚本:丸尾丸一郎音楽:和田俊輔振付:CRE8BOYあらすじ寂れた地方都市、夢沢町にある「夢沢銀座」はシャッター商店街になっている。昼は堅くシャッターを閉ざしているが、夜になると賑わう。お金は価値を持たない。夢を売り買いする不思議な商店街であった。ある日、夢に破れたミュージカル女優が死に場所を求めてやって来る。彼女と商店街の住人たちは、夢沢町を守るためにオリジナルミュージカルを創作する。しかし、雨の日に演じられたのは夢沢銀座の悲しき物語であった。
2018年01月29日近年、数々の演劇賞を受賞し、注目を集めている「劇団チョコレートケーキ」。その甘く可愛い劇団名からは想像できないような、歴史的事件や社会的テーマを扱った、硬質で濃密な作品を作り続けている。その中核を担うのが脚本担当の古川健さんと、演出担当の日澤雄介さんだ。ひとつの歴史の裏と表を描いた2作。「もともとは脚本のネタに苦しんで、どうしたら苦しくなくなるかを考えたときに、自分の興味のあることを書いてみようと思ったのが発端でした」(古川さん)あさま山荘事件や大正天皇など、歴史や社会的な事象を扱いながらも、古川さんが描くのは、「そこに関わる個の人間の感情の機微。あくまでも等身大の人なんです。自分の感性に落とし込んで観られるからこそ、多くの人に支持してもらえたんだと思います」(日澤さん)そこに、「演劇はやっぱり娯楽だと思うんです」と古川さんも続ける。「そのために、もっともらしい嘘を入れることもたびたび(笑)。ただ、僕自身の主張を語らせるような嘘はつきたくないと思っています。モチーフに対するリスペクトを失ったら、作品が途端に胡散くさいものになりますから」(古川さん)それを演出する日澤さん側は、「あえて知識を入れないようにしている」という。「もともと本をあまり読まないのもあるんですが、基本的に、脚本に書かれたものがすべてだと思うようにしています。僕のような史実を知らない人間が観たとき、ちゃんと枠組みを理解して楽しめるのかが大事だと思うので」(日澤さん)社会派劇というとなんだか小難しそうに感じるけれど、この完全分業システムが、題材について何も知らずに観ても、わかりやすく、楽しめる舞台を生み出している。そんな彼らの次回作は、初演時から2本同時上演されてきた『熱狂』と『あの記憶の記録』の再々演だ。「そもそものコンセプトは、第二次世界大戦を直接描かずに表現したいというもの。この2本はいわば、そのプロローグとエピローグに位置しています」(古川さん)『熱狂』ではヒトラーが国民の心を掌握していく過程を、『あの記憶~』では戦後25年を経た中東の家族を軸に、過去の記憶が描かれる。「ひとつの歴史の表と裏で、全然カラーが違う作品です」(古川さん)「1本だけでも楽しめる強度を持っている作品ですが、2本観ていただけたら、我々が伝えたいものが明確に伝わると思います」(日澤さん)『熱狂』『あの記憶の記録』初演は’12年。その翌年、劇場との特別提携公演として再演。第二次世界大戦というどっしりと重い題材を、まったく違う時代や国を舞台にした2作で描くという企画の面白さとドラマの重厚さで、観客の大きな支持を得、CoRich舞台芸術アワード!を受賞。撮影・池村隆司(共に2013年の公演より)12月7日(木)~19日(火)池袋・東京芸術劇場前売り3800円当日4000円2作品共通チケット7000円初日割3500円U25(25歳以下、要証明書)3000円*すべて税込み劇団チョコレートケーキTEL:080・9080・1861(月~金曜11:00~18:00)ふるかわ・たけし、ひさわ・ゆうすけ’00年に劇団チョコレートケーキを結成。’09年より古川さんが脚本を、’10年より日澤さんが演出を手掛けるようになり現在に至る。’15年に紀伊國屋演劇賞団体賞を受賞。※『anan』2017年12月13日号より。写真・土佐麻理子インタビュー、文・望月リサ(by anan編集部)
2017年12月11日日本演劇界を牽引する劇団四季。松島勇気は、そのトップ俳優の1人として、『キャッツ』『コーラスライン』など劇団の代表作に多数出演してきた。彼が現在キャスティングされているのが、ミュージカル『アンデルセン』。 主人公は童話作家として世界中でその作品を愛され続けるハンス・クリスチャン・アンデルセン。彼が生きた1830年代のデンマークを舞台に、貧しい靴職人だったアンデルセンが苦難の中でも希望を失わず、もちまえの想像力を駆使して“物語の王様”になるまでを描いた作品だ。 「初めて劇団四季の舞台を踏んだ思い入れの強い演目なので、また出演できてうれしいです。大スペクタクルミュージカルのような派手さはありませんが、始めから終わりまで緩やかで心地いい空気が流れるすばらしい作品だと思います」(松島・以下同) 『親指姫』『人魚姫』など、アンデルセンの名作童話を題材にした楽曲がちりばめられているのも本作の魅力。また、王室バレエ団の演出家兼プリンシパルダンサー・ニールス役のキャストの1人として、松島が担う本格的バレエシーンも見どころだ。 「見に来てくださった方に“バレエってこんなに美しいものなんだ!”と感じていただけるように毎回必死です。個人的には、前回(’11年)の出演後にさまざまな経験をしたことで、役柄のキャラクターを読み解く力がさらにアップしたと思っています。ニールスという人物をより深く演じられている手応えがありますね」 入団以来、数々のハマり役を手にし、劇団内でも一目置かれる松島。第一線で活躍を続けるために意識していることは? 「そう言ってもらえるのはありがたいのですが、まったくないんですよ(笑)。というか、僕はいつまでたっても本当に未熟な人間で。『アンデルセン』へ何度も出演してきたにもかかわらず、今回台本を読んで改めて気がつく部分がたくさんあって。当時の台本に書かれた、自分のトンチンカンな書き込みを見て愕然としました(笑)」 劇団のオーディションに合格し今年で15年目。今思う劇団四季の魅力って? 「劇団四季は、言葉に重きを置いているところが特に素晴らしいと思います。一語一句、言葉を、言葉に流れる意味や内容をしっかりお客さまに届ける。言葉が届くから作品が伝わり、感動して帰ってもらえる。ぜひ一度体感していただけたらうれしいです!」
2017年09月18日劇団ゴジゲン初の番外公演『なんかすごいSF的なやつ』が7月6日より上演される。主宰の松居大悟が不在のなか、本作で初の演出を務める劇団員の目次立樹と、脚本の堀善雄、出演の奥村徹也に話を聞いた。ゴジゲン番外編「なんかすごいSF的なやつ」チケット情報ゴジゲンの前作『劇をしている』から次の本公演まで期間が空いてしまうため「番外公演をやろう!」と昨年の夏に劇場をおさえたところから始まり、劇団内で企画会議が行われ、堀が脚本を、そして目次が初演出を担うことになった。客演陣は、その会議で全員名前が上がったメンバーだそう。「大村(まなる)は稽古序盤からいきなりトップギア!すごいです!8年前に初めてゴジゲンの『ハッピーエンドクラッシャー』に出てもらって以降、劇団プレステージや他の現場でたくさん経験を積んできたんだなと。藤尾(勘太郎)は配役を決めるまで色んな役を試してもらったんですけど、どの役をやらせても面白いし、しっくりくる。とても器用な役者さんです。」(目次)「確かに勘太郎さんは劇団「犬と串」で看板俳優をやってきただけあって物語を背負って舞台に立てる俳優。土田(祐太)さんは最年長だけど一番泥臭くてとてもアツいです。劇団献身のメンバーでもある木村(圭介)はずっとゴジゲンに憧れがあったから、一番ワクワクして目がキラキラしている。」(奥村)と、個性豊かなメンバーが集まって作品作りに取り組んでいる様子。タイトルにもある通り“SF的な”作品になるという本作に関して脚本の堀は、「なるべく広げて書こうとして、自分でも把握できないくらい色んな要素が入りました。だから稽古でディスカッションをすると「ああそういうことなんだな」と気づかされることも多くて楽しい。僕が書いた脚本に、演出や出演者の皆さんが持ってきてくれるものを足して、最終的には宇宙みたいなものが出来上がるといいなと思っています。」と語る。「ゴジゲンをいつも観に来てくれる人は今回の作品も好きなはず!ゴジゲンを観たことない人はこの作品を観たらきっとゴジゲンが好きになるはず!そのぐらい誰もがほっこり楽しいやつなので、ぜひお友達を誘って観に来てほしいです。」(目次)「今までのゴジゲンは最終的なところは松居さんに委ねていたのですが、今回は誰に委ねるでもなく、一人一人が自発的に責任をもって作っているっていう感じがあります。奇跡的に集まったこの個性豊かなメンバー7人で舞台をやれるのも1回きり。7月の7ステージ限りの衝動をぜひ見届けてほしいです。」(奥村)7月6日(木)より下北沢・小劇場B1にて上演。アフターイベントも決定し、主宰の松居大悟も登壇する。
2017年06月27日