意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する連載「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「ドーピング」です。***リオ五輪の開催前、ロシアの国家ぐるみのドーピング隠蔽行為が発覚し、問題になりました。世界にドーピングの衝撃が走ったのは、1988年のソウルオリンピック。100m走で、ベン・ジョンソンがカール・ルイスに勝ち、人類初9・8秒台を切るタイムを叩き出しました。ところが、ドーピング検査で陽性になり、ジョンソン選手の金メダルは剥奪されてしまいました。ほかにも陽性の選手が後を絶たず、これをきっかけに1991年にジョンソンの祖国、カナダでアンチ・ドーピングの機関が誕生。1999年には世界アンチ・ドーピング機構(WADA)が設立されたのです。ドーピングは必ずしも、選手が故意にしているとは限りません。たまたま飲んだ薬の中に禁止成分が入っていて、引っかかるケースも。テニスのマリア・シャラポワ選手が2年間の出場停止処分になりましたが「禁止薬物とは知らなかった」と提訴しています。禁止成分は随時更新されますから、ドーピングを避けるには、選手だけでなく、チームやコーチ、医師や薬剤師も正しい知識が必要。WADAやJADA(日本アンチ・ドーピング機構)はそれぞれの立場での注意を促しています。ドーピングは、製薬会社のビジネスとも密接な関わりがあると指摘する声もあります。合法的に運動能力が上がる薬となれば、ビッグビジネスになりますよね。最近はWADAと大手製薬会社が情報を共有してドーピングを未然に防ごうとしていますが、これも諸刃の剣。規制をすり抜ける新薬が開発され、後にその成分が規制されるというイタチごっこにもなってしまいます。今回のリオ五輪で、IOC(国際オリンピック委員会)が、ロシアの参加を全面禁止にしなかったことに対して、処分が甘いという意見もありました。しかし、五輪は平和の祭典。開催期間は休戦し、人種や国境を超えて皆が参加すること、五輪を続けることに意義があります。大国ロシアが抜けてしまったら、その秩序が崩れてしまう可能性も。そもそも、スポーツとは何を競い合うものなのか?原点に立ち戻り、清い戦いを見せてほしいですね。フェアな戦いこそが感動を与えてくれます。◇堀 潤ジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。2012年に市民ニュースサイト「8bitNews」を立ち上げ、その後フリーに。ツイッターは@8bit_HORIJUN※『anan』2016年9月21日号より。写真・中島慶子文・黒瀬朋子
2016年09月21日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する連載「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「東京都知事」です。***新しい東京都知事が、初の女性知事・小池百合子さんに決まりましたね。東京がどれほどの大都市なのか、数字の面から見てみましょう。2016年度の東京都の年間予算は、13兆6560億円。日本の国家予算総額が96兆7218億円ですから、比較しても相当な額というのがわかります。また、この東京の予算額は、スウェーデンの国家予算に匹敵する(!)規模です。GDP(国内総生産)では、東京都は2015年度見込みで92兆9000億円=約1兆1326億ドルです。世界のGDP順位を見ると、1位はアメリカ約18兆ドル。2位中国、3位日本が4兆ドル台。数字上では東京は12位に匹敵し、スペインやメキシコのGDPより勝っているのです。都市別に見ると、2014年の1位は東京。2位NY、3位ロサンゼルスと続きます。東京は経済的には、国レベルといってもいい大きさなんですね。日本の総理大臣は議会が選びますが、都知事は直接民主制によって、私たちが直接選べます。つまり、東京都知事は東京という一つの国の大統領のようなもの。また、東京には、日本の全人口の約1割が集中。大企業の本社や外国企業の5割は東京にあり、日本の税収のうちの約4割は東京から集められています。これだけの人とお金が動いている少なくないんです。たとえば、石原慎太郎さんが都知事だったとき、東京の空気の浄化のために、ディーゼル車の走行を規制しました。これにより、自動車メーカーは、世界一基準の厳しい排気ガス規制に対応できるクリーンな自動車を開発。日本の技術力を上げるきっかけになりました。石原都知事はほかにも、日本史を都立高校の必須科目にしたり、横田基地の返還要請をし、航空管制の一部を返してもらうなど独自の政策を実行していきました。近年は任期が短くて、実績を残す機会は減っていますが、都知事は日本全体にも少なからぬ影響を与える存在ということに変わりはありません。予算が膨らむ東京五輪問題や土壌汚染を抱える築地市場移転問題など、小池流改革手腕でバッサリ切り込んでいってほしいなと期待しています。◇堀 潤ジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。2012年に市民ニュースサイト「8bitNews」を立ち上げ、その後フリーに。ツイッターは@8bit_HORIJUN※『anan』2016年9月7日号より。写真・中島慶子文・黒瀬朋子
2016年09月06日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する連載「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「イギリスのEU離脱」です。***6月にイギリスは、EU離脱の是非を問う国民投票を行い、離脱派が勝利。残留派のリーダーだったキャメロン首相は辞任し、テリーザ・メイが首相になりました。投票結果は残留派48%、離脱派52%の僅差。EU離脱の選択は、世界に衝撃を与えましたが、実はイギリス国内でも「まさか本当に離脱になるとは!」と驚きの結果だったのです。離脱に傾いた大きな理由は、難民問題。離脱派の元ロンドン市長ボリス・ジョンソンは、「難民が流れ込んだせいで国内の失業率が上がり、テロの脅威にさらされている。EUを離脱し、イギリスは主権を取り戻すべきだ」と主張しました。EU(欧州連合)とは一つの大きな国のようなものです。第一次、第二次世界大戦で大きな犠牲を払ったヨーロッパは、資源争いによる敵対をやめ、まとまる必要に迫られました。EUを立ち上げ、資源を分かち合い、関税を取り払って、人・もの・お金が自由に行き来できるようにしました。ヨーロッパ全体で協力し合うことで、安全保障と大きな経済成長を得たのです。しかし、EU加盟の恩恵は国ごとに差があります。イギリスやフランスは借金の多い国々を助ける役回りになり、経済的負担は少なくありません。また、EU内には法律があるので、国内で勝手に物事を決められない不自由さも出てきました。ジョンソンが「主権を取り戻す」と言ったのはそういう理由です。ジョンソンは有力な次期首相候補でしたが、離脱が決まると立候補を取り下げてしまいました。他にも、国民投票後に現場を退いた離脱派の政治家もいました。つまり、覇権争いのために、離脱の主張をしていた議員が少なからずいたということ。それだけ、国民の不満は募っており、支持を得るには格好のテーマだったのです。首相のなり手はなかなか見つからず、残留派だったメイが名乗りをあげます。メイ首相は22人の閣僚のうち7人に、ジョンソンを含む離脱派の閣僚を据えました。離脱のニュースの後、ポンドは下落、円高ドル高の流れに。世界経済にも影響を及ぼしています。イギリスがEUを離れ、どんな政策で問題解決していくのか世界が注目しています。◇堀 潤ジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。2012年に市民ニュースサイト「8bitNews」を立ち上げ、その後フリーに。ツイッターは@8bit_HORIJUN※『anan』2016年8月31日号より。写真・中島慶子文・黒瀬朋子
2016年08月30日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する連載「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「核なき社会」です。***みなさんは、8月6日、9日が何の日かわかりますか?71年前のこの日、世界で初めて、原子爆弾が投下されました。8月6日は広島に、9日は長崎に。一瞬にして街は焼け焦げ、その年の12月までに広島では約14万人、長崎では約7万人の方が亡くなりました。数年後に白血病やガンを発症したり、子供に原爆症が出るケースもあり、総被害は数知れません。日本は原爆の恐ろしさを知る、唯一の被爆国なんです。現在、核保有国はアメリカ、ロシア、イギリス、フランス、中国、インド、パキスタン、北朝鮮、イスラエルの9か国。これほど恐ろしい兵器を、なぜ皆持ちたがるのか?悲しいことですが、核を保有することで、敵対する国同士の抑止力になっている、というのも現実なんです。とはいえ、核兵器がこのまま増え続けたら、地球規模の危機に晒されます。2009年、オバマ大統領はプラハで、核保有国として初めて「核なき社会を目指そう」と国際社会に訴えかけました。その後、アメリカ・ロシア間では核軍縮の合意が取れ、処分後もテロリストに核兵器が渡らないよう、注意を払っています。一昨年、国連総会で「核兵器使用禁止条約」がオーストリアから提案されました。化学兵器や生物兵器は国際条約で、使用したら戦争犯罪として裁かれることになっています。それに核兵器も加えようという提案。賛成125か国、反対50か国、棄権7か国で可決されましたが、実は日本はこのとき棄権しました。日本は自国では核兵器を持ちませんが、同盟を結ぶアメリカに、中国や北朝鮮の脅威から守ってもらっている立場。その手前、賛成することができなかったと言われています。今年5月、アメリカの現職の大統領としては初めて、オバマ大統領が被爆地の広島を訪れ、平和を訴えましたね。これが実現したのも、毎年、原爆記念日に世界に向けて平和のメッセージを発信し、核保有国の首脳に手紙を送り続けた広島市の不断の努力の賜物です。原爆の惨劇を伝えられるのは、世界で日本だけです。戦争体験者が次々いなくなる今後、二度と悲劇が起こらないよう、8月6日、9日のことを私たちは忘れてはいけないと思います。◇堀 潤ジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。2012年に市民ニュースサイト「8bitNews」を立ち上げ、その後フリーに。ツイッターは@8bit_HORIJUN※『anan』2016年8月10日号より。写真・中島慶子文・黒瀬朋子
2016年08月05日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する連載「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「ふるさと納税」です。***ふるさと納税とは、好きな自治体に寄付をする制度です。寄付をすると、その額から2000円を引いた額が、所得税と住民税から控除されます。日本は東京が中心となり、大都市ばかりに人もお金も集まってしまっています。地方にお金が回るようにと、ふるさと納税制度は2008年に公布されました。寄付した人には地方の特産品などのお礼の品が送られます。理念は素晴らしいのですが、年々、自治体ごとの寄付金獲得競争が加速、返礼品がエスカレートして豪華になってきてしまいました。自治体の方でも返礼品が重荷になったり、返礼で受け取った金券を転売する寄付者が出てくるなど、本末転倒な事例も。公布から8年たち、そろそろ制度の見直しが必要なのかもしれません。また、ふるさと納税を使って、高額所得者が高額の寄付をし、寄付額がほとんど還付される、節税対策に使われていることを問題視する人もいます。いわば、日本のタックスヘイブンです。ただ、都市と地方の格差は広がる一方。地方は財源を得るのが本当に大変です。ですから、たとえタックスヘイブンになったとしても、地方にお金が回るのは良いことなんじゃないかと思います。最近では被災地にふるさと納税する人も増えていますね。熊本への寄付金も増えて、復興に役立っています。問題は、寄付をする側の姿勢ですね。ただの節税対策や、返礼品目当てのショッピングモールになってしまうのは残念。集まった寄付金の使い道は各自治体で公開していますので、寄付をしたら、ぜひチェックしてください。また、一度その土地に足を運んで、実際に見てきてほしいですね。都市部はどうしても消費が中心。地方が生産を支えています。農業、林業、水産業の「生産者を守る」という意識で地方を応援していきたいですね。実際に生産の現場の大変さを知ると、無駄な消費をしなくなります。日本はレストランでもコンビニでもたくさん食品を捨てていて、食品ロスが多いんです。過剰な消費から生まれる社会問題は少なくありません。生産と消費、都市と地方のいいバランスを目指していきたいですね。◇堀 潤ジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。2012年に市民ニュースサイト「8bitNews」を立ち上げ、その後フリーに。ツイッターは@8bit_HORIJUN※『anan』2016年7月20日号より。写真・中島慶子文・黒瀬朋子
2016年07月17日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する連載「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「参議院選挙」です。***皆さんは「三権分立」を覚えていますか?法律は立法権を持つ国会で作られ、法律に基づいて政治を行う内閣は行政権を、法律に基づいて裁判する司法権は裁判所にあります。これらは暴走しないように互いに監視し合う、ということになっていますが、実際は行政府と立法府が一本化しているよう。内閣が望む法案が、成熟した討議のなされないまま、数の論理で決まることが多い印象があります。国会答弁の数は与党が1割、野党が9割と割合が決まっていますから、これには反論する野党側の責任も少なくありません。大統領と上院下院が対等に、緊張感を持って存在し、常に意見を戦い合わせているアメリカとは大きく違いますね。日本の場合、総理大臣や各大臣は、立法府(国会)で議席を多く取った党内から選ばれます。また、「党議拘束」といって、党員は政党の方針に従わねばならないという規則があります。自分が所属する政党と違う意見に票を入れると、体制に逆らったと罰せられたり、党の公認を得られなくなったり、除名処分になることも。そのため、全体が数の多い与党の意見に流れることが構造的に起きてしまうんですね。国会には衆議院と参議院があって、衆議院で可決された法案を、参議院で再討議します。参議院は衆議院のように途中で解散することなく、任期は6年。半期ごとに半分の議員が選挙で選ばれます。衆議院とは別の角度からじっくり法案に取り組むことが求められています。しかし、党議拘束は参議院にもかかりますから、残念ながら、衆議院との役割の違いがあまり見えてきません。選挙前には国民が喜ぶような聞こえの良い法案が掲げられたり、結局、「選挙に勝つための政治になっていないか?」という疑問も拭えず、国民の政治離れが進んでしまいました。7月10日は参議院議員通常選挙の投票日です。代表演説やマニフェストをチェックして、ぜひ政策の中身で政治家を選んでください。日本は、お上の決定に民が従う歴史が長かったものですから、政治を政治家にまかせる慣習が染みついています。でも今、当事者意識を持って、政治家に働きかける積極性が求められているんです。◇堀 潤ジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。2012年に市民ニュースサイト「8bitNews」を立ち上げ、その後フリーに。ツイッターは@8bit_HORIJUN※『anan』2016年7月13日号より。
2016年07月11日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する連載「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「待機児童」です。***条件を満たし、入所申請をしているにもかかわらず、保育所に入れない「待機児童」の数は2015年4月の段階で約4万5000人。キャンセル待ちの多さに諦めて、最初から申請していない家庭もあるので、潜在的な待機児童数を含めるとその数はもっと多くなるでしょう。待機児童問題は、保育所の数を増やすだけでは解決にはなりません。というのも、保育士さんの数が足りないんですね。保育士の資格を持ちながら現場を離れた「潜在保育士」の数は全国で約80万人。離職した大きな理由は、賃金の低さと言われています。保育士の賃金は、35歳平均で月額21.9万円。全産業の平均は33.3万円ですから、かなり下回っています。安倍総理は4月に一億総活躍社会の一環として、保育士の賃金を2%、月額約6000円アップを宣言。潜在保育士をなんとか呼び戻そうと対策を立てています。保育所が足りないのは、近隣の反対により建てられないというケースもあります。「子供の声がうるさい」といったクレームも聞きますが、それだけではなく、道が狭くて、子供の送り迎えの車や自転車が来ると住民の移動ができないという切実な理由も。街づくりやインフラ面から抜本的に変えなければいけません。また、保育所開設の規制緩和も必要でしょうね。企業内に保育施設がもっと開設できれば助かりますよね。待機児童問題は、すぐには解決しないでしょう。これから就職や転職を考えている方は、育児休業のあるなしだけでなく、バリエーションをチェックしてみてください。1年フルに休めなくても、時短で働ける時期を長く取れる方がありがたい場合もあります。今から約100年前に母性保護論争が起きました。女性解放運動家の平塚らいてうは「子供を産み育てることは国のためでもあるから、国が保護するべき」と主張。対して歌人の与謝野晶子は「女性は男性にも国にもよりかかるべきじゃない。自立して稼ぎなさい」と意見しました。子育てのお金は、国か個人、どちらが出すべきなのか。子供は誰のものなのか?100年前の論争の答えはまだ出ていないんです。◇ほり・じゅんジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。2012年に市民ニュースサイト「8bitNews」を立ち上げ、その後フリーに。ツイッターは@8bit_HORIJUN※『anan』2016年6月22日号より。写真・中島慶子文・黒瀬朋子
2016年06月19日意外と知らない社会的なテーマについて、ジャーナリストの堀潤さんが解説する、雑誌『anan』で連載中の「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「タックスヘイブン」についてです。***タックスヘイブンとは日本語で「租税回避地」。税金を免除、またはとても低い税率にして、海外資本を獲得している国や地域のことを指します。ヨーロッパの小国、モナコ公国やサンマリノ共和国、カリブ海の英領ヴァージン諸島やケイマン諸島などが有名です。それらの国や地域が税率を下げるのは、もともと産業や鉱物資源がなく、税金をとる先がないからなんですね。海外企業を誘致できれば、雇用が生まれ、富裕層が集まれば消費が活発になり、その地域の利益につながります。企業にとってみれば、世界に展開するのに、本拠地をタックスヘイブンに登記し、収益を集約できれば、国によって税率が異なることを気にせず、円滑に取引が進められます。必ずしも誰しもが税金逃れのために使っているわけではないんです。ただ、麻薬や人身売買、テロ、政治家の汚職などのマネーロンダリング(資金洗浄。口座を転々とさせて、資金の出所を不明確にする)の温床になりやすいのも事実。北朝鮮やロシアなど、欧米諸国から経済制裁を受けている国のお金のやり取りに使われているともいわれています。4月に「パナマ文書」がニュースになりました。パナマの法律事務所から、タックスヘイブンを利用する企業の、過去40年分の膨大なデータが流出。それによると、約21万の企業の関係者リストのなかに、プーチンや習近平、アイスランドの首相など、国の要人も含まれていました。文書はドイツの新聞社と国際調査報道ジャーナリスト連合に送られ、現在詳しく調べている最中ですが、リストのデータベースは誰でも見られるよう5月にネット上で公開されました。タックスヘイブンに集められた企業の税逃れ額は、約500兆円あるとか。それらが国税として支払われれば、社会保障に使えますよね。日本では早い時期からタックスヘイブン対策税制を設け、法人税率20%以下の国に登記している会社は、国税庁に届け出ることになっており、国内の子会社から、相応の税がとられています。世界の格差問題につながるテーマ。今後、各国がどう対策をとるのか、要注目です。◇ほり・じゅんジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。2012年に市民ニュースサイト「8bitNews」を立ち上げ、その後フリーに。ツイッターは@8bit_HORIJUN※『anan』2016年6月15日号より。写真・中島慶子文・黒瀬朋子
2016年06月14日意外と知らない社会的なテーマについて、ジャーナリストの堀潤さんが解説する、雑誌『anan』で連載中の「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「一億総活躍社会」についてです。***去年の10月に第3次安倍改造内閣が発足したときに内閣は「一億総活躍社会」というプランを掲げました。安倍政権の経済目標の一番大きい規模のものって、何だかわかりますか?それは2020年までに日本のGDPを600兆円に引き上げるというものです。現在、日本のGDPは500兆円前後。‘80年代の後半に400兆円の大台を突破し、約15年かけてやっと500兆円になりました。バブル期を含んだ成長ですから、今から4年で約100兆円を上げるというのは、簡単ではない数字なんですね。GDPを上げるには方法は2つ。移民に積極的に働いてもらうか、国内に眠っている労働力を掘り起こすか。安倍さんは保守派ですから、移民の受け入れにはあまり積極的ではありません。そこで、女性やお年寄り、障害のある方、難病の方などでも、働ける人を総動員して、国の経済成長を促したいと考えているんです。バブル崩壊後、リーマンショックの起きた2008年頃までは、働きたくても働き口がない、という状況でした。けれども今、日本は人手不足です。サービス産業、製造業、介護や医療の現場で働き手を求めています。「一億総活躍社会」は言い換えてみれば「一億総労働社会」。少子高齢化で、働く年代の人口が減っているのに歯止めをかけたいんですね。今後は定年も延び、年金の受給開始年齢も引き上げられるでしょう。ただ、見方を変えれば悪いことばかりではありません。家庭、地域、職場で個性を生かした多様な働き方を社会全体で支援する。男性女性、障害のあるなし、年齢に関係なく、皆がいきいきと働ける社会を目指すということ。これから日本の労働環境が大きく変わるのかもしれませんね。政府は緊急政策として、「希望出生率を1.8」「介護離職ゼロ」を掲げ、保育や介護のサービスの拡大を目指しています。今、日本では、働いても生活が楽にならないという貧困の問題がありますね。一億総動員はするものの、市場原理にのまれて、ただ安い賃金で働かされ、ちっとも暮らしが豊かにならない、というふうにならないことを祈りたいですね。◇ほり・じゅんジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。2012年に市民ニュースサイト「8bitNews」を立ち上げ、その後フリーに。ツイッターは@8bit_HORIJUN※『anan』2016年5月18日より。写真・中島慶子文・黒瀬朋子
2016年05月15日意外と知らない社会的なテーマについて、ジャーナリストの堀潤さんが解説する連載「堀潤の社会の時間」。今回のテーマは「ブラック企業」。***ブラック企業とは、労働基準法に明らかに違反している会社のことを言います。残業の未払いや過重労働の末、不当に解雇されるとか、労災隠しなどなど。ただ実際には、たとえサービス残業が多くても、その分ボーナスの上乗せや、休日の優遇などのフォローがあったり、将来のキャリアアップにつながる場合は、働き手はブラック企業とは考えませんよね。問題なのは、そういうフォローが何もなく、働き手の未来を潰してしまうような企業です。最近はSNSなどの発達で、ブラック企業問題が明るみに出るようになりました。牛丼チェーンの『すき家』のように、それをきっかけに労働環境が改善されたケースもあります。『すき家』では、深夜に「ワンオペ(ワンオペレーション)」という、たった一人で仕入れから調理、接客までを行うシステムを導入し、24時間営業の店舗を広く展開しました。しかし、長時間トイレにも行けず、明らかな過重労働。深夜には強盗に入られるトラブルも多発。従業員のSNSでの悲鳴が世に広まり、株主らの忠告を受け、『すき家』はいくつかの店舗を閉め、深夜営業も制限しました。もしもあなたが、不当に過重労働を強いられている、労働基準法に大きく反していると思われたら、一人で抱え込まずに誰かに相談してください。会社内部の通報窓口も企業側にたっていて、あてにならない場合もないとは言い切れないので、第三者機関に相談することをお勧めします。会社に労働組合がない人のためのユニオンや、「派遣ユニオン」など正社員でない人のためのユニオンもあります。今は「ブラック企業大賞」が毎年発表されていますし、厚生労働省も長時間労働など、年に3回以上勧告をした大企業の名前は公表すると発表しました。企業もいきすぎると自分の首を絞めかねません。とはいえ、人件費を抑えて利益をあげようとするのが企業の常…。もしも、割に合わないと思うならば、心身を壊してしまう前に他を探したほうがよいでしょう。自分の将来につながるかどうか考えてみてください。幸い、今は人手不足。今いるところが全てではないはずです。◇ほり・じゅんジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。2012年に市民ニュースサイト「8bitNews」を立ち上げ、その後フリーに。ツイッターは@8bit_HORIJUN※『anan』2016年3月23日号より。写真・中島慶子文・黒瀬朋子
2016年03月21日堀北真希を主演に迎え、檀れい、知英らが出演のドラマ「ヒガンバナ~警視庁捜査七課~」。ドラマも終盤に差し掛かった本作だが、先日主演の堀北さん、檀さん、DAIGOらが無事クランクアップを迎えたことが明らかとなった。政府の女性登用の機運に乗って、女性犯罪者及び女性被害者対策を目的に設置された非公式の課・警視庁捜査七課。メンバーは、外見は美しいが男性刑事たちを出し抜く一癖も二癖もある女たち。彼女たちは、美しくもその根に猛毒を持つ花“ヒガンバナ”と揶揄される。物語はこの捜査七課を舞台に繰り広げられる――。本作は、昨年10月に金曜ロードSHOW!特別ドラマ企画にて放送していた「ヒガンバナ~女たちの犯罪ファイル~」が新たに連続ドラマ化されたもの。主人公の刑事・来宮渚役の堀北さんをはじめ、檀さん、知英さん、高梨臨、YOUらが続投。さらに渚の過去のカギを握るキーマンとしてDAIGOさんが出演している。ドラマも終盤に入り、残すところあと2話となった本作。撮影現場では、クランクアップとなる定食屋「さくら」でのシーンが撮影されていた。先にアップしていた一課係長・黒田役の木本武宏も現場に駆けつけ、監督やプロデューサーから俳優陣に花束が贈呈された。キャストたちは無事終了した撮影に、喜びもひとしおの様子。定食屋「さくら」のさくらさん役・大島蓉子は「(出演は)一回くらいかな?と思っていたら、最後まで出させていただいて、もう二度と会えないようなすごい人ばっかり!ありがとうございました。もしPART2があったらよろしくおねがいします」と話し、捜査一課長・北条光佑役の平山浩行は「途中でキャラクターが変わってしまったんですけれども、おかげでこのように楽しくできました。ありがとうございました」と振り返った。また渚の過去を握る謎のフリージャーナリストから、最後はなぜか定食屋「さくら」の従業員になっていた菊池謙人役のDAIGOさんは「本当に7年ぶりの連ドラで素敵なみなさんと共演させていただいてほんとこの素敵な作品に携わることができて。わかりやすく言うとIYって感じですよね!」とお決まりのDAIGO語で感想を述べると、木本さんから「IYってなに?」とすかさずツッコミが。DAIGOさんは「生(I)きてて よ(Y)かった!」と満面の笑みでこたえた。さらに渚とは衝突しながらも最高のバディとなった峰岸雪乃役の檀さんは「11月20日からのインで今日まで本当に長丁場みなさんお疲れ様でした。臨ちゃんと知英ちゃん、YOUさんはあと1日撮影が残っていて、花束持ってないのは悲しいんですが…冬のドラマの撮影ということでみなさん体力的にもすごく大変で辛かったと思います」とインフルエンザにより、YOUさんが撮影に参加することができず残念そうな様子もみせていた。最後に、壮絶な過去とシンクロという特殊能力を抱え、事件解決へ強い使命感を持つ渚役を演じきった主演の堀北さんが「年が明けてからは特に本当にあっという間でした。スタッフのみなさんの大きな愛情に包まれて最後まで頑張れたと思います。ありがとうございました!」とその場を締めて終了した。残りわずかとなった本作だが、物語はいよいよ衝撃のクライマックスへ突入していく…。“ヒガンバナ”たちの活躍は、最後まで見逃せない。「ヒガンバナ~警視庁捜査七課~」は毎週水曜日22時~日本テレビにて放送。(cinemacafe.net)
2016年03月09日意外と知らない社会的なテーマについて、ジャーナリストの堀潤さんが解説する連載「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは、「人工知能(AI)」です。***人間の知能的な働き、学習、推測、判断などをコンピューターが行う人工知能。身近なところでは、googleやFacebook、iOSのSiriなどで、次の行動を予測し、興味のありそうな情報をあげて提案するというのは、AIの技術によるものです。コンピューターが大容量を計算できるようになったため、過去のデータを蓄積し、それを瞬時に計算・分析。データ量が多いほど、より正確な予測が可能になります。私たちがGoogleやFBを無料で使えるのも、代わりに、検索結果や写真などの大量の情報をAIに与えて、より賢くなるよう、トレーニングし続けているからなんですね。株取引でも、プロの投資家が儲け続けられるのは、株の値動きをAIが判断して、的確な売り買いをしているからなんですよ。人工知能の発達は予想以上に早く、「人工知能が人を追い抜いて、支配する世界が来るかもしれない」とスティーブン・ホーキング博士は警鐘を鳴らしています。ビル・ゲイツさんも昨年取材した時に「医療、医薬品の開発には極めて有効に働くだろう。でも、労働部門では多くの仕事が失われることになるので、対策をしないと取り返しがつかなくなる」と話していました。オックスフォード大学でAIを研究するマイケル・A・オズボーン准教授は、702の業種について将来どれだけ自動化されるかを調べたんです。すると10~20年の間に、アメリカの総雇用者の47%が自動化されるリスクがあると、衝撃的な発表をしました。今後、電話オペレーターや保険の審査、レジ、ホテルの受付、薬を処方するなどの簡単な医療サービスはとって代わられるでしょう。介護の現場でも、感情に左右される人間よりも、献身的に働くAI搭載のロボットの方がよいという説があります。また、過去の判例を分析すれば弁護士や検事もAI化が可能に。軍事ロボットも開発されていますし、今後はAIを使う側の倫理観が問われますね。将来、機械に仕事を奪われる不安に怯えるのではなく、じゃあ、人にしかできないことは何だろう?と考えることが、新しい価値を生むチャンスになるかもしれません。◇ほり・じゅんジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。2012年に市民ニュースサイト「8bitNews」を立ち上げ、その後フリーに。ツイッターは@8bit_HORIJUN※『anan』2016年3月9日号より。写真・中島慶子題字&イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子
2016年03月02日意外と知らない社会的なテーマについて、ジャーナリストの堀潤さんが解説する連載「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは、「GDP」です。* **この連載でも頻繁に出てくるGDP。正式名称は「Gross Domestic Product」で、国内総生産と訳されます。国内で、一定期間内に新たに生み出された商品やサービスの付加価値の合計を指し、経済成長を測る指標になります。りんご農園にたとえると、初年度の収穫が50個だった。翌年、ビニールハウスを作り100個に増やした。するとGDPは2倍ということ。収穫の半分をジャムにして、りんごのまま売るより利益をさらに上げたら、その分GDPに反映されます。何の工夫もせずに同じ個数しか収穫できなかった場合は、経済成長ゼロとなるのです。GDPには名目GDPと実質GDPがあり、物価の変動を反映させたものが実質GDP。GDPが2期連続して下がると、景気後退と判定されます。現在、世界のGDP1位はアメリカ。2位が中国、日本は3位。日本はずっとベスト3に入る経済大国でした。ただし、これは国全体の話。日本の1人当たりの名目GDPは、3万6000ドルで前年比6%減少。1996年には主要国中3位でしたが、2000年代から下がり続けて現在20位。上位にはルクセンブルクやノルウェー、スイスが入っています。資源を持っていたり、金融サービスに長けていると上位に入りやすい。ちなみにアメリカは7位。シェールガスを持っていますし、莫大な利益を生む新しい金融商品も開発しています。政府が規制緩和をして、新しい産業が生まれやすくしていることも功を奏していますね。対して日本は、開発できる資源には限りがあり、広い意味でのサービス業が中心です。デフレだと、サービス業全体が安価競争になり、懸命に働いても得られる利益が少ない。また、GDPはドル計算なので、円安も不利になっています。国の経済成長を促すには、個々の変革も大切です。あなたは前年に比べ、新しい付加価値を生む何かをしましたか?収入の一部を使って英会話学校に行くことが、転職時に役立って高いお給料をもらえようになるかもしれません。投資信託を始めるでも何でもいいんです。未来のための自己投資が、経済の成長につながるかもしれません。◇ほり・じゅんジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。2012年に市民ニュースサイト「8bitNews」を立ち上げ、その後フリーに。ツイッターは@8bit_HORIJUN※『anan』2016年3月2日号より。写真・中島慶子文・黒瀬朋子
2016年02月27日堀北真希主演の日テレの新ドラマ「ヒガンバナ ~警視庁捜査七課~」の今年最初の収録が1月4日(月)に行われ、堀北さんをはじめ、檀れい、知英、高梨臨、YOU、大地真央らが参加。撮影の合間に6人が報道陣の取材に応じ、新年の抱負などを語った。2014年10月に単発ドラマとして放送され、好評を博した「ヒガンバナ~女たちの犯罪ファイル~」が連ドラ化。警視庁刑事部に新しく設置された部署で、女性刑事だけで構成されることから本庁の男性刑事から「ヒガンバナ」と呼ばれる「捜査第七課」の面々の活躍を描く。取材はスタジオ内の捜査第七課のセットで行われた。堀北さんは1月13日(水)の第1話放送を前に「このドラマで今年のいいスタートが切れるように頑張りたいです」と意気込みを口にする。昨年、山本耕史と入籍して初めて迎えたお正月については「家族に会いに行ったりしてました。いつも、お正月休みは何もしないので、ゆっくりと過ごせました」と明かす。結婚したことで「家族が増えて、そこが楽しいところだと思います」と笑顔を見せた。大晦日には、同局の名物番組で「ダウンタウン」らが出演する「絶対に笑ってはいけない名探偵24時」に本作から堀北さんと高梨さんが、ドラマの設定のままで“刺客”として参戦!めったにない機会だが、堀北さんは「自信がなくて、ずっと(高梨さんに)励ましてもらってました。次のセリフと段取りで頭がいっぱいで…」と苦笑交じりに述懐。高梨さんも「いっぱいいっぱいでした。一発本番なので緊張してドキドキしたままでした」と振り返った。プライベートで今年、挑戦したいことを問うと、堀北さんは「ペットを飼ったことがないので飼いたい。イグアナとかカメレオンが好きなんですが、難しそうなので犬がいいかと」と語った。夫の山本さんも犬が好きで「見ると『かわいいね』と言ってるので」と微笑んだ。以前から爬虫類好きを公言している堀北さんだが、山本さんの反応・興味はイマイチなのだとか…。堀北さん演じる渚は、過去のある経験から他人の悪意に過剰に反応したり、被害者の感情にシンクロするなど特殊能力を持つが、今回の連ドラで「なぜ特殊能力を持っているのか?その過去が明かされていく」と予告。渚は悪意に触れると毒舌になるが、堀北さん自身、ヒガンバナのような“毒”を内包しているかと尋ねると「ありますよ(笑)。外にはあまり出さないですけど…。みなさんが思ってるよりももっと黒い部分があります」と語っていた。「ヒガンバナ ~警視庁捜査七課~」は1月13日(水)21時より放送開始。(text:cinemacafe.net)
2016年01月05日道とん堀が運営する「お好み焼 道とん堀」は9日、「のび~るチーズ豚玉」を全国の道とん堀店舗で販売開始した。○チーズとお餅で「のび~る」お好み焼きに同商品は、まるで"トルコ風アイス"のように伸びるお好み焼き。伸びのいいモッツァレラチーズと旨みとコクのあるゴーダチーズをブレンドした"のびやすいシュレッドチーズ"と"チェダーチーズ"を練り込んだ「チーズのようなお餅」を生地の間にはさみ、お好み焼きの定番「豚玉」を「のび~る豚玉」にアレンジした。メインの具材には、豚肉だけでなく、肉かす・ホルモン入り豚挽き肉を入れた、肉汁たっぷりの豚玉を採用。通常のお好み焼きよりも柔らかい「ふわとろ生地」を使用し、生地には「角切り餅」をふんだんに入れ、ふんわりモチモチした食感にすることで、全体をバランスよく仕上げたという。価格は1,058円(税込)。販売店舗は、お好み焼 道とん堀全店(熱狂道とん堀、お好み焼肉 道とん堀、道とん堀笑天、海外店舗を除く)。また、同商品の発売に合わせ、プレゼントキャンペーン"君はどこまでのばせるか!?「のび~るチーズ豚玉」 のび~るチャレンジ"を実施。「のび~るチーズ豚玉」を伸ばしている画像を、TwitterまたはFacebookに「#のび~るチーズ豚玉」というハッシュタグをつけて投稿すると、30名に賞金1万円(1人あたり)が当たる。実施期間は、 12月9日~2016年4月4日を予定。
2015年12月10日意外と知らない社会的なテーマについて、ジャーナリストの堀潤さんが解説する連載「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは、「日米同盟」です。* **日米同盟とは、日本とアメリカの同盟関係のこと。日米安全保障条約が基本になっています。日米同盟の歴史は、第二次世界大戦にまで遡ります。日本は戦争に負けたあと連合国軍のGHQに占領されました。そして1951年にサンフランシスコ平和条約が結ばれ、民主主義国家として主権を回復します。そのとき、日本軍を再編するかどうかが問題になったのですが、GHQのマッカーサーが許可しませんでした。日本が軍隊を作らないかわりにアメリカ軍が日本を守ることになり、他国の軍隊は撤退。このとき、「日米安全保障条約」が結ばれました。ところがそれは、米軍が日本を治めるという不平等な内容だったんですね。その後、本来の主権を取り戻そうと、’60年に改定。「日米地位協定」が結ばれました。集団的自衛権を使って、引き続きアメリカ軍は日本を守る。そのかわり日本は米軍に土地を無料で提供する。しかも、基地内の事件を日本の司法は裁くことができません。これも不公平と、反米、反戦運動がさかんになりました。学生のデモ隊と警官が衝突する「安保闘争」のニュース映像はみなさんもご覧になったことがあるでしょう。その後アメリカは何度か軍の撤退を匂わせたんですが、実は撤退してほしくない事情が日本にはあった。というのも米軍がいるおかげで、日本は防衛費をかけずに経済成長に集中できたんですね。また、米軍が日本にいるということでロシア(旧ソビエト)や中国、北朝鮮など周辺諸国に対して抑止力になっていました。’78年からは通称「思いやり予算」(在日米軍駐留経費負担)として、日本に駐留する米軍の経費の一部を日本が持つという気遣いもはじめました。戦後70年たってもアメリカの傘下にあり、強く言えない立場のままでいいのか、という意見もあります。でも、日米関係を本当にフェアにしようとしたら日本は軍隊を持ち、危険にさらされながら自分で身を守らなければいけなくなります。少ない財政のなかから、それだけの軍事費を何を削って捻出すればいいのか?日米同盟は、「日本を誰が守るか」という問題に直結する、いままさに転換期にきているんですね。◇ほり・じゅんジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。2012年に市民ニュースサイト「8bitNews」を立ち上げ、その後フリーに。ツイッターは@8bit_HORIJUN※『anan』2015年12月9日号より。写真・中島慶子文・黒瀬朋子
2015年12月07日意外と知らない社会的なテーマについて、ジャーナリストの堀潤さんが解説する連載「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは、「混合診療」です。* * *来年の春から、混合診療が解禁になります。混合診療とは、みなさんが通常病院で受けている「保険診療」と、保険外の自費でなされる「自由診療」を合わせた名称。今後、希望者は保険診療のほかに自由診療も受けられることになり、公式には「患者申出療養制度」と呼ばれています。これまで日本は、自由診療を禁じてきました。自由診療を認めてしまうと、お金持ちの人はいくらでも高い料金を払って医療を受けようとする。すると、病院側も儲かるほうにシフトして、お金のない人が十分な医療を受けられなくなってしまう。お金がないために助かる命が助からなくなる、そんな命の格差が生まれるのを避けようと、認めてこなかったのです。収入に関係なく、誰もが同じような医療サービスを受けられるようにしていました。唯一の例外は、歯科医療。歯医者さんで詰め物をするときに聞かれませんか?「保険なら◯○円ですが、保険外のインプラントなら◯万円です。どちらを選びますか?」と。自由診療では金額は基本、病院の言い値ですから、病院によっても値段は変わります。これまでは薬も、厚生労働省の厳しい基準をクリアしたものしか使えませんでした。ところが患者申出療養制度の導入によって、厚生労働省が承認していない薬も、今後は使えるようになります。難病の人やガン患者にとっては嬉しいニュース。混合診療に門戸が開かれるようになったのは、安倍政権の成長戦略の一環です。規制を緩和することによって、製薬メーカーは新しい薬を次々に売り出せるようになります。国立がんセンターの調べでは、来年に投入できる抗がん剤は42剤。大半は、1か月あたり100万円を超える薬剤費が自己負担になるだろうとのことです。従来の医療は国のお墨付きがありましたが、自由診療になれば患者は医師を信じるしかありません。万一、医師が製薬会社や医療機器会社と癒着して法外な医療費を請求しても、患者には判断できない。TPP協定が結ばれれば、海外の製薬会社の薬もさらに入ってくるでしょう。医療の選択肢は広がりますが、リスクも否めないんですね◇ほり・じゅんジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。2012年に市民ニュースサイト「8bitNews」を立ち上げ、その後フリーに。ツイッターは@8bit_HORIJUN※『anan』2015年12月2日号より。写真・中島慶子文・黒瀬朋子
2015年12月01日意外と知らない社会的なテーマについて、ジャーナリストの堀潤さんが解説する連載「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは、「憲法」です。***11月3日の文化の日は、70年前に日本国憲法が公布された日です。ところでみなさんは「憲法」と「法律」の違いはわかりますか?「憲法」とは国家をしばるもの、国民をしばるものが「法律」です。「国民の人権を尊重すること」「誰もが等しく教育を受けられる権利を与えること」など、国家権力が国民に対して何をするべきかを定めたものが憲法。一方、窃盗を禁じたり(刑法)、遺産の分配を決めたり(民法)など、国民が守らなければいけないルールが法律です。憲法は国家をしばるものですから、強大な力を持っています。憲法を変えるというのは大変なこと。改変の手続きは国によりますが、日本の場合、衆議院、参議院の3分の2以上による可決と、国民投票で過半数の賛成がないと、改憲できません。日本は制定以来一度も憲法を変えていません。たとえばドイツでは59回改憲が行われました。EUに参加したり、東西ドイツが統一したりと国に大きな変化があったので、対応する必要があった。時代に合わせてその都度改正をしてきましたが、骨格は変わっていません。自由民主党は結党以来60年間、改憲を訴えてきました。来年の参議院選挙の後には憲法改正にとりかかると安倍総理は公言しています。いま、戦争の放棄をうたう憲法9条の改憲問題に注目が集まっていますが、僕は12条も要注意だと思っています。12条には、国民の自由と権利が侵されないように国民は「不断の努力」をしなければならず、濫用してはいけないこと。また、「公共の福祉のためにこれを利用する責任を負ふ」と書かれています。「公共の福祉」とは、Aさんの自由をBさんも保障する義務がある。公の利益のために個人が犠牲になるのではなく、国民が互いに目を光らせて、個々の自由や権利が奪われないようにしましょうという意味です。自民党の改正案にこの言葉はなく、「公益及び公の秩序に反してはならない」となっています。主体が国になりますから、意味は大きく変わりますね。憲法は私たちにとってとても重要。次の参議院選は、今後の憲法を左右しますから、じっくり考えて投票しましょう。◇ほり・じゅんジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。2012年に市民ニュースサイト「8bitNews」を立ち上げ、その後フリーに。ツイッターは@8bit_HORIJUN※『anan』2015年11月11日号より。写真・中島慶子文・黒瀬朋子
2015年11月04日意外と知らない社会的なテーマについて、ジャーナリストの堀潤さんが解説する連載「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは、「中国経済」です。***中国のバブルがついに崩壊したのか、と騒がれています。バブルとは、過剰に資金が市場にあふれ、実際のモノの価値を上回り、お金がお金を呼ぶ状態をいいます。たとえば100円のペットボトルの水が、300円でも買う人が出てきて、やがて600円で転売されるというような、正当な価値を越え高額で取引されてしまうのです。中国のバブルはこの10年くらい。まず、不動産バブルが起き、過剰な土地開発がなされるようになりました。昨年春ごろから不動産の値崩れが始まり、やがてお金は不動産から株の投資に回されました。上海の株式市場は時価総額500兆~600兆円規模の取引、1071社が上場し、東京証券取引所を大きく上回る規模になっています。株は儲かる、という話は中国の農村部まで広がりました。中国では、借金をして株取引ができるので、自分の持つ以上のお金を投資に回す個人投資家が倍増。短期間に大きな利益を得ようと賭博のような投資が増え、株相場の動きが極度に激しくなりました。普通、為替レートは市場で決まり、故意にコントロールはできません。ただ、極度な円高や円安になると市場全体が不安定になるので、国際協調策として、国が介入し、自国の通貨を買い上げることがあります。ただその場合も自由勝手にできるわけではなく、主要関係国に事前に打診をしてから行います。国際通貨である円、ドル、ユーロ、ポンドはその手続きを踏みますが、中国は国際市場から切り離されているので、中国政府が勝手にレートを決めてしまうんです。ニュースで出てきた「人民元切り下げ」というのは、中国政府が操作をして元安にしたということ。元安になれば、中国の輸出産業が儲かります。中国は共産主義なので、国の操作も多く、実態は不透明。やがて中国経済に破綻が起き、リーマンショックのときのように、世界経済に波紋を及ぼすのでは、と投資家たちは疑心暗鬼になっています。でも、中国国内だけの問題にとどまるだろうという意見もあります。国際市場が不安定になると、安定している円を買う人が増えるので、自然と円高に。すると日本の輸出産業は損をしてしまうんですね。◇ほり・じゅんジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。2012年に市民ニュースサイト「8bitNews」を立ち上げ、その後フリーに。ツイッターは@8bit_HORIJUN※『anan』2015年11月4日号より。写真・中島慶子文・黒瀬朋子
2015年11月02日意外と知らない社会的なテーマについて、ジャーナリストの堀潤さんが解説する連載「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは、「オリンピック」です。* **まもなく体育の日。体育の日は、1964年東京オリンピックの開会式が開かれたことにちなみ、国民の祝日となりました。5年後に再び開催される東京オリンピック、パラリンピック。残念ながら、新国立競技場やエンブレムデザインなど、トラブルが続きましたね。そういうことが起きるようになったのも、オリンピックに大きくお金が絡むようになったからなんです。近代オリンピックは、古代ギリシャ・オリンピアの精神を引き継いで、19世紀に復活したアマチュアスポーツの祭典。国家や人種の違いを超え、スポーツを通じて多様性を認め合うという高い理念を掲げています。それがやがて、国の威力をアピールする「国威発揚」を目的に使われていきました。最たる例が、ナチスドイツの行ったベルリン五輪。定番の「聖火リレー」は、この時に始まったんです。そして、年々演出が華やかになっていきました。昔は、開催資金はすべて開催国が負担することになっていて、モントリオール五輪では、10億ドル(当時のレートで約3000億円)の大赤字に。小さな国では開催ができなくなってしまうので、民間スポンサーをつけてよいことになり、’84年のロサンゼルス五輪からは1業種1社のみに絞るシステムになりました。すると広告料が競り上がり、テレビの放映権も高額に。ここから商業ベースにのったオリンピックがスタートしたんです。2020年の東京五輪も、既存の施設を使うとはじめは打ち出していたのに、これを機に景気回復に拍車をかけようという流れに変更。白紙になったザハ案の競技場の予算2500億円は、過去に開催された競技場代の4大会分にまで達していたんですよ。オリンピックに比べ、パラリンピックの報道はまだ少ないですね。でも、いまパラリンピックが熱い!義手や義足などの器具が発達し、オリンピックと差異ない記録が出始めています。「多様性を認める」という理念を掲げるなら、健常者と一緒になって戦える、オリンピック・パラリンピックの混合競技を作るとか、東京オリンピック発信で、新しい価値観を提案できたらいいと思いませんか?◇ほり・じゅんジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。2012年に市民ニュースサイト「8bitNews」を立ち上げ、その後フリーに。ツイッターは@8bit_HORIJUN※『anan』2015年10月14日号より。写真・中島慶子文・黒瀬朋子
2015年10月13日意外と知らない社会的なテーマについて、ジャーナリストの堀潤さんが解説する連載「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは、「ドローン」です。***総理官邸の屋上で発見されたり、テレビ局のドローンがイギリス大使館に落下したり、善光寺ご開帳のときに15歳の少年が飛ばして落下させたなど、ドローンに関するニュースが立て続けに流れました。「ドローン」とは、無人航空機、マルチコプターのこと。ラジコンのように操作をし、高度なものはGPSを複数搭載していて、位置を指定すれば、自分で目的地を測定して向かうことができます。ただ、風にあおられやすいのが弱点。事件が続いたあと、一気に規制が始まりました。現在は、周辺重要地域、住宅密集地で飛ばすことは禁止されていますし、都の条例では公園での飛行禁止、実質東京23区内では飛ばすことはできません。もともと日本はドローン大国なんですよ。山間部の農地など、狭くて人が行きづらい場所で農薬をまくのによく使われています。いま、ドローンは撮影や測定など、「目」の役割を主に担っていますが、やがては「手足」、モノを掴んだり、作業するのに使われるようになるだろうといわれています。たとえば、火山の、ガスまみれで人が入れない火口の砂を入手して、噴火の具合を調べるというようなことに使われるでしょう。ブラジルやインドネシアでは、輸送に使うことを検討中です。アマゾンの森林を切り開いたり、インドネシアの島々に橋をかけるなど、大掛かりなインフラ整備はコストも時間もかかり環境破壊にもつながり、実現が難しいのですが、ドローンでモノを運べるようになれば便利ですよね。現在、ドローンの操作に免許はいりません。誰でも自由に購入できますが、届け出制にすることも検討されています。今後の課題は空の交通整理を誰がするのかということ。飛行機には国際的な航空法があり、管制官が管理していますが、ドローンの飛行を整理する方法はいまのところありません。OK Goの「I Won’t Let You Down」のMVをご覧になったことはありますか?原野守弘さんがディレクションした作品で、ドローンを使った一発撮りなんです。こんなふうな豊かな使い方もあるのかと衝撃を受けますよ。◇ほり・じゅんジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。2012年に市民ニュースサイト「8bitNews」を立ち上げ、その後フリーに。ツイッターは@8bit_HORIJUN※『anan』2015年10月7日号より。写真・中島慶子文・黒瀬朋子
2015年10月03日意外と知らない社会的なテーマについて、ジャーナリストの堀潤さんが解説する連載「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは、「マイナンバー制度」です。***来年1月より「マイナンバー制度」がスタートします。これは、社会保障・税番号制度のことで、住民票を持つすべての人に、ひとりひとつずつ番号をつけて、年金や保険、税金、収入などを一括管理するというシステム。10月から、個人には12桁の番号を知らせる「通知カード」が送られてきます。その番号は死ぬまで変わりません。マイナンバー制度が始まると、区役所、税務署、ハローワークなどの手続きが便利になるんですね。これまでは行政団体ごとに管理している情報がバラバラでした。年金番号や雇用保険の被保険者番号など、別々になっていたのが、マイナンバーひとつですむようになります。作業が効率的になりますし、行政内では大幅なコストカットに。2018年からは金融機関の預金口座にもつけられるようにする法改正案が国会で可決、成立しました。収入や手当の支給状況がしっかり管理されますので、税金のとりっぱぐれがなくなりますし、不正な給付も防げます。すでに死亡している親の生活保護を家族が何年も受け取っていた、というような問題も起きなくなります。公平公正にお金が使われるようになるのは嬉しいですよね。マイナンバーは災害対策にも有効です。災害手当を受けるのに、住民票の写しが必要なくなりますし、避難場所の把握もしやすくなります。将来、期待されているのは、きめ細やかな社会保障。これからは収入が低く生活に困っている人には、いったん徴収した税金を少し還元することも可能になるでしょう。今後、自治体や勤務先でマイナンバーを聞かれるようになります。社会保障や保険、税金関連以外での使用は禁じられていますから、民間団体にはむやみに教えないようにしましょう。日本年金機構の個人データの流出が問題になりましたよね。もし、マイナンバーの情報が漏れたら、ひとたまりもありません。それを防ぐサイバーセキュリティの人員が、アメリカや中国で4000~6000人なのに対し、日本は160人程度と手薄なんです。制度開始を前に、国は万全のセキュリティ対策に勤しんでいます。◇ほり・じゅんジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。2012年に市民ニュースサイト「8bitNews」を立ち上げ、その後フリーに。ツイッターは@8bit_HORIJUN※『anan』2015年9月30日号より。写真・中島慶子文・黒瀬朋子
2015年09月28日意外と知らない社会的なテーマについて、ジャーナリストの堀潤さんが解説する連載「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは、「シルバーウィーク」です。***いよいよ近づいてきました、9月の大型連休「シルバーウィーク」。みなさんはどんな計画をたてていますか?祝日を月曜に移動させて、3連休にするハッピーマンデー制度や、来年には山の日(8月11日)ができたり、政府は積極的に祝日を増やしています。休日が1日増えると約3000億円の経済効果があるといわれていますが、政府が祝日を増やす理由はそれだけではないんですね。働き者の日本人。過労死や心の病がとても増えていて、平成26年の自殺者数は2万5427人。そのうち68.4%は男性で、60代についで40、50代が占めているんです。一番多いのは無職の人ですが、そのなかには、働きすぎで体を壊して、働けなくなったという人もいます。過重労働、休みが取れないというのが大変問題になっているんです。会社員が有給休暇を消化している率は、日本は先進国のなかでも著しく低い。そこで国は昨年いわゆる「過労死防止法」を発表して、2020年までに週60時間以上働く人の割合を5%以下に、有給休暇の取得率を70%以上にしようとしています。でも、休む権利があっても、社内の空気が休みを取りにくくさせている、というのもありますね。なので、強制的に休めるようにと国は祝日を増やしているんです。以前は大型連休がゴールデンウィークだけだったので、観光地に人が集中したり、道が大渋滞して、かえって疲れが溜まってしまう状況でした。でも、シルバーウィークができて、人も渋滞も分散するようになりました。ただ、正社員はいいのですが、いわゆる非正規雇用(契約社員、パートタイマー)に有休を適用している会社は少ない。時給や日給単位で働く人にとっては、休みが増えることが収入減に直結してしまうので、祝日が喜ばしいとは限りません。また、休日でも働かなければいけない職種の人にとっては、学童保育が休みになって、子どもを預けられなくなり困るという事態も。祝日を作るだけでなく、それらの受け皿も作ることが大事だと思います。まずはもう少し休み上手に。日本全体が「長時間働くのが偉い」という風潮を変えていけたらいいですね。◇ほり・じゅんジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。2012年に市民ニュースサイト「8bitNews」を立ち上げ、その後フリーに。ツイッターは@8bit_HORIJUN※『anan』2015年9月23日号より。写真・中島慶子文・黒瀬朋子
2015年09月20日道とん堀は9月15日、「クレームブリュレお好み焼き」を全国の「道とん堀」店舗で発売した。同商品は、表面にパリパリとしたカラメルと和風あんがかかったお好み焼き。通常のお好み焼き生地とカスタード生地をミックスしたものに、綿あめと醤油をかけて焼いた。お好み焼きの塩味とカラメルの甘さが同時に味わえるとのこと。チーズを混ぜた「お好みチーズブリュレ」(税込864円)と、海鮮などの具が入った「お好みミックスブリュレ」(税込972円)の2種類を提供する。
2015年09月18日意外と知らない社会的なテーマについて、ジャーナリストの堀潤さんが解説する連載「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは、「子どもの貧困」です。***物が溢れて、一見、貧困とは無縁のように思える日本ですが、実は「子どもの貧困」が深刻な問題になっているんです。貧困というと、食べるものにも困るような途上国の生活を思い浮かべますよね。それは「絶対的貧困」といい、1日の生活費が1.25ドル(約150円)以下の状態を指します。それとは別に「相対的貧困」というのがあり、これは、その国の平均的な世帯収入の半分以下の状態のこと。日本のサラリーマンの平均年収が414万円ですから、年収200万円以下の人は実は貧困の部類に入るんです。いま、日本人の6人に1人が貧困状態にあるといわれています。日本の相対貧困率はOECD(アメリカやヨーロッパの先進国が加盟する経済協力開発機構)加盟国の平均を上回り、ワースト10入りという不名誉な事態になっています。でも、先進国の貧困って、わかりにくいんですよね。子どもたちも自覚してないことも多い。「ごはん食べているし、着るものもあるし、問題ないよ」と。でも、よくよく聞いてみると、ごはんといっても1日に菓子パンやおにぎり1個だったり、お菓子でしのいでいたり。両親が働かないから貧しい、というのならわかりますが、親が休みなしに必死に働いても年収が200万円に満たないというワーキングプア状態なのが、日本の貧困の特徴で、大きな問題なんです。とくにシングルマザーが大変。保育園が足りないから、子どもを預けられずフルタイムで働けない。契約社員やパートタイマーなので、お給料も制限されてしまう。短時間で高収入を得るには、水商売、風俗などにつくことになり、それも若いうちしか働けない。貧困や虐待が原因で、親と一緒に暮らせなくて、児童養護施設にいる子どもが約3万人もいるんです。貧困状態にある子どもは、満足に教育を受けられず、大人になっても働ける場所が限られてしまい、貧しい生活の連鎖が続きます。僕も少し協力をしていますが、NPO法人「Living in Peace」では、カード番号を登録すれば、児童養護施設に月1000円から寄付できる仕組みを作っています。世の中全体で子どもを育てるような眼差しを持てるといいですよね。◇ほり・じゅんジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。2012年に市民ニュースサイト「8bitNews」を立ち上げ、その後フリーに。ツイッターは@8bit_HORIJUN※『anan』2015年9月16日号より。写真・中島慶子文・黒瀬朋子
2015年09月14日意外と知らない社会的なテーマについて、ジャーナリストの堀潤さんが解説する連載「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは、「火山噴火」です。***9月1日は防災の日でした。みなさん、防災対策はしてますか?口永良部島で噴火が起きたり、箱根山や桜島の警戒レベルが引き上げられたり、火山のニュースが続いています。実は富士山も活火山なので、いつ噴火してもおかしくないんです。では、もしも富士山が噴火したら、どんな被害が生じるのか?まず火山灰が降り注ぎます。すると航空機が飛べなくなります。火山灰を吸い込むと、ジェットエンジンの冷却機能が損なわれ、不具合が生じ、最悪停止してしまうんです。また、火山灰が道路や線路に積もると、交通機関がマヒします。雪と違って解けないので、除去にも時間がかかりますね。農作物にも被害が出ます。火山灰は雪の約3倍の重さがあるので、10cm積もると古い木造家屋が倒れ、50cmで木造家屋の半分以上が倒壊するといわれています。江戸中期に起きた「宝永の大噴火」では、富士山周辺で40cmの灰が降り積もり、江戸にまで火山灰が飛んだそうです。現代の大きな被害は、交通機関のマヒによって物流が止まり、経済活動がストップしてしまうことです。火山灰が電線に積もると放電を起こすので電気も止まります。河川が汚れて飲料水の確保も難しくなります。電気や水が使えなくなり、スーパーやコンビニに商品が届かなくなる。首都圏は陸の孤島になってしまう可能性があるんです。事前に避けることはできないので、水や食料を蓄えて備えるしかありません。活火山のある地域の自治体のHPには必ず、火山灰が降る範囲を予測し、避難経路を示す「ハザードマップ」がアップされています。どの道を通れば避難できるのか、ぜひチェックしてみてください。被害状況によっては、予定した道が通れなくなることもあるので、第2、第3のルートも確認を。また、家族との連絡方法や待ち合わせ場所も事前に話し合っておきましょう。災害時に何より大事なのはパニックにならないことなんですね。気象庁のHPでは全国の火山マップや、火口のライブ映像も見られます。日本には活火山が110もあります。噴火も地震もいつ起きてもおかしくない。そういう国に私たちは暮らしているんですね。◇ほり・じゅんジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。2012年に市民ニュースサイト「8bitNews」を立ち上げ、その後フリーに。ツイッターは@8bit_HORIJUN※『anan』2015年9月9日号より。写真・中島慶子文・黒瀬朋子
2015年09月07日意外と知らない社会的なテーマについて、ジャーナリストの堀潤さんが解説する連載「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは、「アベノミクス」です。* **9月の自民党総裁選挙の前に、「アベノミクス」についておさらいしてみましょうか。アベノミクスとは、2012年12月第2次安倍内閣が発足したときに掲げた経済政策で、「安倍」と「エコノミクス(経済学)」をかけた造語です。1980年代にアメリカのレーガン大統領が打ち出した政策、「レーガノミクス」になぞらえてつけられました。当時の日本の最大の課題は、デフレから抜け出すことでした。「デフレ」とは物の値段が下がること。一見よいことのように思われますが、物の値段が下がると企業の利益は当然減ります。すると企業はコストカットを迫られ、社員の給料を下げる。お給料が減れば人々の使えるお金は減り、安いものしか買えなくなる。その結果、安いものしか売れなくなり、さらに企業は値を下げる……というふうに悪循環が続いてしまうんですね。前年の春に東日本大震災が起こり、日本全体を奮い立たせなければいけなかった時期。安倍政権は「アベノミクスの3本の矢」と銘打って3つの政策を打ち出したんです。1つ目は「金融緩和」。政府と日本銀行でお金をバンバン市場に流しました。市場にお金が増えると、経済活動が活発になります。2つ目は「財政政策」。公共事業を増やして、政府で仕事を作り、失業者の数を減らそうとしました。道路を直したり、津波の防波堤を造ったり、古いビルを改築したり。3つ目は「成長戦略」。将来新しい産業を展開するために、日本が強みにしている科学技術や独自の文化に対して積極的に投資をして、育てようという戦略です。これらの政策の結果、株価は上がり失業率は下がりました。賃金も少しずつ上がってきました。ただ、3本目の矢の「成長戦略」はまだ効果がはっきりしていません。アベノミクスは成功かというと、一概にそうとは言えないんです。企業の利益は上がっても社員の賃金に反映されてなかったり。株価が上がって投資家たちは大喜びなんですが、投資をしていない人には無関係。成功という人、失敗という人、意見が分かれているんです。◇ほり・じゅんジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。2012年に市民ニュースサイト「8bitNews」を立ち上げ、その後フリーに。ツイッターは@8bit_HORIJUN※『anan』2015年9月2日号より。写真・中島慶子文・黒瀬朋子
2015年09月01日女優の堀北真希さんが、山本耕史さんとスピード婚をしたのには驚きましたねー。堀北さんといえば、どこまでも清楚なイメージですが、星占い的にいうと、意外にも男性が喜ぶ“結婚3拍子”をお持ちの女性です。結婚3拍子とは、世の一般男性が結婚に求める3箇条のこと。今回は堀北さんにあやかって、世の一般男性が結婚したい女性の条件を探ってみましょう!◆堀北さんが持つ“結婚3拍子”って?男性から見て・美しい嫁に変貌しそう・俺の人生を主役級にする・側でフォローしてくれる堀北真希さん(1988年10月6日生まれ)のホロスコープ【1】好きな彼に合わせる努力=結婚ではない掘北さんの太陽星座(※1)は“天秤座”です。天秤座の本質は「美しさ」と「相手とのバランス」で、究極をいえば、天秤座の人生はパートナー探しに始まり、パートナー探しに終わります。そして、実は結婚に人一倍関心を示す星座といえます。太陽が天秤座の人は、1日で一番時間を費やす場所に人生のパートナーが潜んでいるケースが多いでしょう。堀北さんの場合も山本さんは共演者、つまりある種の職場結婚ですね。もしもあなたが天秤座生まれなら、今いる環境の中から相手が見つかり、人生が大きく変わる可能性大。天秤座はその資質にあやかり、「好きな彼に合わせる努力=結婚ではない」という性質を持っています。無理に合わせようとしすぎると、本質のバランスを見失ってしまうことも。ちなみに男性からすれば、天秤座の女性は3拍子のひとつ、「美しい嫁に変貌しそうな相手」。夫となる人は幸せ者ですね。【2】好きな彼を夢中にさせる=結婚ではない掘北さんの月星座(※2)は“獅子座”です。月星座とはその人の本質を表す星座で、「女性が結婚したときの様子」とされるもの。獅子座の本質は「みなぎる生命力」。 究極をいえば、獅子座の人生は表舞台に立つことです。結婚によって相手に尽くす人生なんてムリ!実は相手から特別な敬意を払ってもらいたい星座なのです。月星座が獅子座の場合は、プライベートでもプライドの高さから強気な姿勢を崩さないでしょう。獅子座の資質にあやかり、「好きな彼を夢中にさせる=結婚ではない」のも彼女の特徴です。もしもあなたの月星座が獅子座なら、元気に振る舞うだけでOK。相手と共に感動的な人生を送る決意を伝えれば、全てうまくいくはずです。男性からすれば、獅子座の女性は3拍子のひとつ、「俺の人生を主役級にする相手」。ご近所の男性がうらやましがりそうですね。【3】好きな彼には完璧な女性を演じる=結婚ではない掘北さんの金星星座(※3)は乙女座。金星星座は「女性が男性に示す態度」を意味します。乙女座の本質は、秩序に対する「許容度」と「処女性」。 究極をいえば、乙女座の人生は完璧であること。結婚によって心もカラダも住む場所もきれいに仕上げたい星座です。ですから、金星が乙女座の場合は少々厄介。相手に尽くした分の期待をしてしまうから。乙女座の資質にあやかり、「好きな彼には完璧な女性を演じる=結婚ではない」状況を作ってしまいます。例えば、金星が乙女座の芸能人には黒柳徹子さん、三船美佳さん、益若つばささんなどがいます。誰からも愛される存在でありながら独身をつらぬく黒柳さんも、残念ながら結婚生活に終止符を打った三船さんや益若さんも、肩肘張ってしまうタイプなのかも。もしもあなたが乙女座生まれなら、早めに肩の力を抜く癖をつけないとパンクしますよ。恥ずかしがらず少女漫画のようにかわいらしく甘えてみることも大切です。堀北さんの場合は、お相手の山本さんが一回りも年上の包容力ある男性だということ、6年前の初共演以来、何度も一緒に仕事をしてよく知っている人であることなどから、自然とリラックスできたのかもしれません。また、手紙を40通もくれるというロマンティックなアプローチにより、乙女心に火がついた可能性も!?男性からすれば、乙女座の女性は3拍子のひとつ、「側でフォローしてくれる相手」。ヘコんだときも支えてもらえる旦那さんは、満ち足りた日々を送れそうですね。3拍子そろった堀北さんは星回り的に、ご近所に気配りでき、親も安心、家も任せて完璧(?)など、世の男性が結婚に期待する条件を備えた女性といえるでしょう。こうして検証すると、男性と女性の視点に大きなズレが。相手に合わせたり、相手を意識したりする女性は結婚に結びつかない!そんな気がしませんか?恋愛なら出会ったタイミングと相性が大きいのですが、結婚する際は実は、そのあたりは冷静だったり。人は性を持ってこの世に生まれてくるので、対極の性を得ることで、人生という大きな括りにおいて満たされていきます。女性も男性も、自分に都合よく解釈しますので、トコトン自分らしさを見せるのが大切といえそうです。(※1)太陽星座…生まれたときに太陽が何座の位置にいたかを示すもの。(※2)月星座…生まれたときに月が何座の位置にいたかを示すもの。(※3)金星星座…生まれたときに金星が何座の位置にいたかを示すもの。(文=はゆき咲くら)【プロフィール】土と陽の独自メソッドで占い。新宿、町田、東京タワーの占い処に不定期で出没中✴略歴:相性研究家・プロ占い師。メディア&雑誌多数連載。昭和レトロな商店街生まれ。お風呂から見上げる宙とタロットと猫と格安ランチが大好き♡Hayuki Sakura Official Blog運気は変わる!もうすぐ電撃結婚する可能性【無料占い】☆ホロスコープについてもっと詳しく知りたい方には、こちらもおすすめ!「まついなつき先生のしあわせ占星術講座」
2015年08月26日意外と知らない社会的なテーマについて、ジャーナリストの堀潤さんが解説する連載「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは、「集団的自衛権」です。* **世論調査では反対意見も多かったのですが、「安全保障関連法案」が衆議院で採決され、与党議員の多い参議院での審議を経て、可決成立する見通しです。今回は法案のなかの「集団的自衛権」についてお話しします。「集団的自衛権」とは、自分の国が直接攻撃されていなくても、緊密な関係にあるほかの国が、別の国から攻撃を受けたときに、軍隊を送って一緒に戦う、というものです。実は、国際社会で認められた独立国であれば、どの国も「集団的自衛権」を持つことを国連憲章(国際連合で決めたことを記したもの)で認められているんですね。ただ日本は、憲法9条のなかで「戦争の放棄。陸海空軍を持たない。武力を行使しない」とはっきり明言しているので、集団的自衛権の権利は持っているけれど、それを実際に使うこと(行使)はできなかったんです。集団的自衛権について近年、国会で論じられるようになったのは、アメリカからの強い要請があるからともいわれています。最近オバマ大統領は、欧州や中東を訪問し、「集団的自衛権を行使して助けてくださいね」とお願いして回っています。というのも、ロシアのクリミア半島やイスラム国など、米軍が攻撃されるかもしれない場面が世界中で増えているからなんですね。中国や北朝鮮に対しても、一方的に攻撃されないよう、「抑止力」として、集団的自衛権を使えるようにしたいというのが安倍総理の考えです。まずは、憲法を改め、行使できるようにしようとしたのですが、憲法を変えることに対して反発が強かったので、「集団的自衛権を行使しても、憲法違反にはならない」という拡大解釈説を唱え、今回の法案提出に至りました。集団的自衛権が行使できるようになると、自衛隊員が死の危険にさらされる。軍備を拡張することになり、軍事予算が増える。少子高齢化で自衛隊員が足りなくなると、将来的に「徴兵制度(兵隊になることを義務づける制度)」につながる可能性があると野党から反対の声が挙がっています。「戦争をしない国」という日本のブランドがなくなったとき、テロの標的にされる可能性も出てきてしまうんですね。◇ほり・じゅんジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。2012年に市民ニュースサイト「8bitNews」を立ち上げ、その後フリーに。ツイッターは@8bit_HORIJUN※『anan』2015年8月26日号より。写真・中島慶子文・黒瀬朋子
2015年08月25日人気女優、堀北真希さんと俳優の山本耕史さんの電撃婚を受けて、日本中の男性たちが堀北ショックを受けています。スクープの一切ない突然の婚姻発表。山本さんからの熱烈なアプローチを受けたという堀北さんですが、なんといっても驚くべきは「交際ほぼゼロ日婚」という事実でしょう。交際せずに人生の一大イベントである結婚を決めるのはなかなかのもの。堀北さんは「仕事をやっていくうえで人柄に惹かれた」としていますが、結婚の決め手はなんだったのでしょうか?堀北さんは現在26歳のゆとり世代。もしかすると、交際ゼロ日婚はゆとり世代に向いているかもしれません…!■一世一代の大イベント!「結婚」の決め手やきっかけって?平成23年に国立社会保障・人口問題研究所が全国の9,059名の男女を対象に行った「結婚と出産に関する全国調査」によると、交際から結婚までの平均期間は2010年の時点で平均4.48年。2002年には3.84年だった交際期間が1年弱のびていることがわかります。結婚に対して踏みとどまっている男女が増えているのかもしれません。また、2014年6月にカルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社が男女1,517名を対象に行った「結婚に関するアンケート調査」によると、結婚をしようと思った決め手は次のような結果になっています。・1位:自然に(33.6%)・2位:適齢だったから(10.2%)・3位:この人以外はいない!と思ったから(9.5%)・4位:子どもができたから(8.9%)・5位:価値観があったから(8.8%)自然の流れや年齢を挙げる人が多いなか、「子ども」や「価値観」などの一致を理由にしている人も多いようです。一方で、なかには「相手に迫られたから(3.2%)」や「ビビッときたから(2.6%)」を決め手とする人もいました。交際ゼロ日婚も「ビビッと」に含まれるのでしょうか。■恋愛離れのゆとり世代は「交際ゼロ日婚」向けかも!一方で、若い世代を中心に恋愛離れが叫ばれています。「彼氏いない歴=年齢」という人も少なくなくなっている昨今。初めて付き合った人とそのまま結婚する…というパターンも増えてくるのではないでしょうか。そんななか、交際ゼロ日婚があってもあまりおかしくはありません。交際ゼロ日婚にゴールする特徴は次のふたつです。相手に信頼感を持っている交際していないとはいえ、仕事や昔からの友達など、相手に対して信頼感や安心感を持っているもの。いきなり出会って結婚というのは少ないでしょう。SNSでの出会いが多い中、ネット上で互いの性格を知ったうえで、はじめて会ったときにプロポーズ…なんていう夫婦も出てきています。出会い系は、今ではお互いの性格や趣味を知り合うのにぴったりのツールなのです。プラトニックな関係のままゴールインまた、プラトニックな関係のままであれば、ヤリ捨てやヤリ逃げ、もてあそばれることもないでしょう。プラトニックな関係のまま入籍すれば、純愛と評価も高まります。最近の若い人の間では処女や童貞も多いことから、肉体関係を結ぶのに慎重になっている人も多いもの。交際という名のもとにもてあそばれることなく「結婚」という契約で愛を誓うほうが、身も心も負担が少ないのかもしれません。というわけで、お見合いや代理結婚などもじわじわと流行っている現代。恋愛に控えめで臆病な世代だからこそ、交際ゼロ日婚でも成功する可能性が高まるのではないでしょうか。
2015年08月24日