小さな子どものイタズラは「ただ、やりたかっただけ」の悪気がないものがほとんど。なので、子どもの好奇心を育てるためにも、あまり叱りたくないものですね。しかし、イタズラの中には命の危険があるものや他人に危害を及ぼすものなど、絶対にやめさせなくてはいけないものもあります。そんなとき、子どもに対してどのように叱れば、子どもの心に伝わりやすいのでしょうか。まずは深呼吸をしてから叱る子どもを叱るときは親も感情が高ぶっていることが多いので、つい大声で怒鳴ってしまいがちです。しかし、これは子どもを叱るときにやってはいけないことのひとつ。子どもを叩くといった体への暴力がいけないことはもちろんですが、大声で怒鳴ることもまた「心への暴力」になるのです。親が大声を出して怒鳴ると、子どもの頭の中は「怖い!」という感情でいっぱいになってしまい、肝心の「してはいけないこと」について考える余裕がなくなってしまいます。子どもを叱るときは、どうしていけなかったのかという理由を、子どもが聞き取りやすいようにゆっくりと、できるだけ簡単な言葉で話して聞かせたほうが、子どもの頭に入りやすいです。そのとき大切なのは、親はしゃがむなどして子どもと目線を合わせ、子どもの目をしっかりと見て話すこと。言葉だけでなく目からも「やってはいけない」と訴えるのです。そうすれば小さな子どもの心にも「どうやら大変なことをしてしまったらしい」ということが伝わります。そのためには、まずは親のカッカとした怒りの感情を静めることが必要です。1回ゆっくり深呼吸する、またはいったん部屋の外へでる、心の中で1から10まで数えるなど、とにかくワンクッション置いて気持ちを落ち着けましょう。イタズラをしたらすぐに叱る子どもに「今のは悪いこと」と理解してもらいやすくなるコツは、イタズラをしたらできるだけ間を空けずにすぐ叱ることです。子どもはそのときの気が向くまま、自分の心に素直に行動しているだけなので、イタズラをしている間も悪いことをしているという意識はありません。それなので、してから時間が経ってしまったイタズラのことは、子どもはもう忘れています。本人が覚えていない事柄に対して「こんなことしちゃダメじゃない」と叱ったところで効果はありません。ただ子どもはに「よくわからないけど怒られた」という嫌な気持ちが残るだけになってしまいます。そして、そうしたわけのわからない恐怖は、積み重なると親への反抗心へと繋がるおそれがあります。できるだけ誰もいないところで叱る子どもを叱るときは、店の外にでる、別の部屋に移るなど、なるべく人のいないところに移動してから叱りましょう。やはり子どもにも大人と同じく、怒られている情けない自分の姿を他人にみられたくない気持ちがあるからです。それも特に兄弟に見られてしまうと、後からからかわれたり、面目が丸つぶれになったりしてしまいます。子どもだってどんなに小さくても、1人の人間として尊重することが大切なのです。それによって子どもには「親は自分を大切にしてくれている」ということが伝わり、叱っても「自分のために注意してくれているのだ」と、素直に受け入れてくれるようになるのです。また、子どものイタズラを目にしたときに、怒りの裏に感じた気持ちを正直に子どもに伝えることも効果があります。たとえば子どもが勝手に危ない場所にいったときは「あなたがケガをしてイタイイタイになっちゃったら、かわいそうで私も泣いちゃうよ」など、子どもの身を案じて不安になった気持ちも一緒に伝えましょう。そうすると子どもも「親を悲しませたくない」と、気をつけてくれるようになりますよ。(あとりゆうか<フォークラス>)
2016年02月25日【ママからのご相談】30歳主婦です。4歳になる男の子がひとりいます。知人に外人のママさんがいます。その方に、「日本人はほんとにスキンシップしないね。子どもはハグしてあげなきゃ、気持ちが伝わらないよ」と言われました。私は息子をハグしたことはありませんし、今、急にできるものではありません。確かにうちの子は、ほかの子と距離を縮めることが苦手なような気がします。もっとスキンシップが必要なのでしょうか?●A. 日本人に習慣化していないハグ。すぐには抵抗がある!?ご相談ありがとうございます。ライターの渦マキです。外国の方は、テレビでも実生活でもよくハグしている姿がみられます。子どもに接するとき、「おやすみ」などのあいさつもハグやキスをしますよね。彼らはそれが習慣になっているので、抵抗などはまったくありません。私たち日本人のほとんどはハグなどはしませんよね。今まで一度もハグされたことがない子どもが、突然抱きしめられたら……どうでしょう!?おそらく驚いて身を硬くしてしまうのではないでしょうか。筆者もハグはしたことがありませんから、「ハグが子どもにとってもいい」とネットや本で見かけても、自分自身が実践する勇気が出ませんでした。その練習として、段階を踏んでスキンシップに慣れていくという手があります。他者にも共感したり、注意を向けさせる手だてとして発達障害の子どもたちにおすすめされている方法に“ふれあい遊び” があります。遊びで楽しさを共有することで、親子のふれあいを深めて良い関係を築くきっかけになるといわれています。この方法を活用して抵抗があったハグに持ち込む手だてにしてみましょう。●ハグの前段階として“ふれあい遊び”を実践してみよう子どもをスキンシップに慣れさせるために、また親が照れないで実践できるように“ふれあうこと”を日常に取り入れてみましょう。・親子で手をつないで布団にダイブ(布団を積み上げておき、「いち、にの、さん」で手をつないでダイビング )・ギッタン、バッコン(子どもと向かい合い足を合わせてゆっくり起こしたり倒したりします)・くすぐり遊び(一緒にお風呂に入って、「おへそはどこかな?」とくすぐったりします)・抱っこしてさかさま遊び(子どもの腰に腕を回して、「いち、にの、さん」で逆さまにします。お母さんよりお父さんがいいかもしれません)・膝に抱っこしながら絵本を読みきかせ相談者さまのお子さんは4歳とのこと。これらのふれあい遊びは、・人と目を合わせる↓・周りの人たちに興味を持つ↓・好奇心 が生まれる↓・社会性 が生まれるという段階を経てコミュニケーション能力が身に付くという利点もあります。ふれ合い遊びで親子のコミュニケーションを深めていき、『抱きしめる=ハグ』 のスキンシップへステップアップしていきましょう。【参考文献】・『発達障害の子どもを伸ばす魔法の言葉かけ』shizu・著●ライター/渦マキ(フリーライター)
2016年02月24日タサキ(TASAKI)が11月6日よりクリスマスに向けたプロモーション「TASAKI タイムレスクリスマス2015 “ガーデンオブキュリオシティ”(TASAKI Timeless Christmas 2015 “Garden of Curiosity”)」を全国の対象店舗で開催中。同プロモーションでは、タサキのふたつの最新コレクション「Garden of Curiosity(ガーデンオブキュリオシティ)」と「Curiosity(キュリオシティ)」の世界を店内で再現する。最新コレクションのひとつ「Curiosity(キュリオシティ)」の世界は、クリエイティブ・ディレクター、タクーン・パニクガルが表現するミステリアスな自然に満ち溢れている。古代の神秘を感じさせる生物の化石、海の生き物や昆虫、植物の標本をモチーフにしたもの。もうひとつのコレクションである「Garden of Curiosity(ガーデンオブキュリオシティ)」はバラや棘の美しさをモチーフにしたデザイン。プロモーションの開始と共に、「Garden of Curiosity」コレクションが店頭にお目見え。そのラインアップはバラやその棘をアブストラクトに描きだした「ソーン アンド ローズ」シリーズからは「ダブルフィンガー リング」(210万円)など。その他にも棘をモチーフにした「ソーンズ」シリーズからは「ダイヤモンド パヴェ ペンダント」(14万円)、「ガーネット ペンダント」(9万2千円)が登場し、「Curiosity(=好奇心)」を掻き立てるようなジュエリーとなっている。また期間中、タサキ銀座本店と東京ミッドタウン店にて華道家・片桐功敦が“棘”を表現し製作したインスタレーションを展示。さらに公式アプリ「TASAKI Pics」からアクセスできるARによるデジタルコンテンツも展開。フェア実施中に対象商品を購入するとオリジナルギフトがプレゼントされる。プレゼントは限定個数の為なくなり次第終了。
2015年11月09日アカデミー賞女優のヘレン・ミレンが10月24日(土)、第28回東京国際映画祭が開催中のTOHOシネマズ六本木ヒルズで、主演する特別招待作品『黄金のアデーレ名画の帰還』の舞台挨拶に登壇。プロモーション来日は『REDリターンズ』以来、約2年ぶり2度目となる。クリムトの名画をめぐる感動の実話を描いた本作。アメリカに暮らす82歳のマリア・アルトマン(ヘレン・ミレン)が、“オーストリアのモナリザ”と称えられるクリムトの名画<黄金のアデーレ>を、「正当な持ち主である私に返してください」とオーストリア政府を訴えた。第二次世界大戦中、ナチスに略奪された名画のモデルは、マリアの伯母であるアデーレ、その人だった…。「私のもとにはたくさんオファーが来るけど(笑)、自分でいいと思える作品や役柄はなかなかないもの。でも、この作品は私の女優魂が『絶対にやるべき』と応えてくれたの」と強い思い入れを示すミレン。実在する人物を演じるにあたり、「髪の毛や瞳の色を変えたし、動きやしぐさも研究した。でも、いちばん大切なのはマリア自身の視線で、世界を見渡すことだったわ」と役作りをふり返った。同席したサイモン・カーティス監督は、「この作品をつくる上で、最優先事項はヘレンに主演してもらうこと。それが実現してとてもうれしい。実際、マリアの親族から『ヘレンは本当にそっくりで、すばらしい演技だった』と言われて、改めて誇らしい気持ちになった」と最大限のリスペクトを表した。イギリスのミラー紙で“最も影響力のある女性NO.1”に選ばれたミレンが、輝き続ける秘けつは?「まず、とても楽観的な性格であること。つらく悲しい出来事もたくさんあるけど、それでも地球は美しい場所だし、生まれてきたことに感謝している。それにできる限り、長生きをして、テクノロジーがどれだけ進歩するか見届けたいの。好奇心の強さも、若々しくいられる秘訣かもしれないわね」。初来日のカーティス監督に対し、「私が彼をパチンコに連れて行くわ」とお茶目に提案する場面もあり、なるほど好奇心の強さは本物のようだ。舞台挨拶には、美術に造詣が深い俳優の石坂浩二が駆けつけ、「40年以上前、NHKでエリザベス女王とお会いしたことがあったが、そのときとまったく同じ気持ち」とエリザベス女王を演じ、アカデミー賞に輝いたミレンの存在感に圧倒されていた。第28回東京国際映画祭は10月31日(土)まで、メイン会場となる六本木ヒルズをはじめ、TOHOシネマズ新宿などで開催。『黄金のアデーレ名画の帰還』は11月27日(金)よりTOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開される。(text:cinemacafe.net)
2015年10月24日タサキ(TASAKI)が8月6日に、“Curiosity(キュリオシティ=好奇心)”をテーマにした新作ジュエリーコレクションの展開をスタート。15世紀から18世紀のヨーロッパでは、王侯貴族や学者、コレクターらは、世界各地から集められた化石や標本などの珍しく貴重な品々を飾る部屋をつくっていた。同コレクションでは、その収集家の部屋の世界観をモダンなジュエリーへと昇華。古代の神秘を感じさせる生物の化石や、海の生き物、昆虫、植物の標本など、好奇心を掻き立てられる様々なモチーフで製作されたアイテムが展開される。サメの顎をモチーフにした「ガルパー(gulper)」は、サメの野性的で危険を秘めた美しさを表現。原始的で神秘的な貝殻のフォルムを構築的なデザインで描いたのは、「ターバンシェル(turban shell)」。その他、植物の陰に潜む蝶やカマキリを表現した「ミミック バタフライ(mimic butterfly)」や「ミミックマンティス(mimic mantis)」、波のようなラインを描く貝殻を優美なフォルムに仕上げた「ラッフルシェル(ruffle shel)」、色鮮やかな美しい珊瑚をモチーフにした「コーラル(coral)」など…まるで古代の標本に生命のエネルギーと輝きを吹き込んだようなジュエリーが取りそろえられた。
2015年08月07日こんにちは、ぽこひろです。どんな人間関係も、慣れ合いになったらダメです。とくに慣れ合いになってしまいがちな関係が、カップルです。「好きだから」を言い訳に、言いたいことを言い合えない、重い話は先延ばし、看過できないはずの裏切りも見て見ぬふり・・・・・・。こんなグダグダな関係に貴重な青春を捧げる価値はありますか? 一度きりの青春を、妥協に妥協で終わらせたくない!そこで今回は「あなたがカレと付き合う上で、先に言っておくべきこと」をテーマにお届けします。先に言っておけば、先に言ってくれたら・・・・・・。あとで後悔しなくて済むように、大事なことはなんとなく臭わせるではなく、明言しておきましょう!以下、20代の彼女持ち男子30人の提供でお送りいたします。■1.どこから浮気か「これはお互いにだけど、事前に『ここから浮気ね』って決めておいたほうがいいよね。男女でズレてることって結構あるし」(大学生/21歳)そうですね。でないと、カレの方は悪気はないのに、あなたはただ傷ついてしまうという良くない結果になりかねません。「浮気したらダメだおー」とかではなく、手をつないだらとか、キスしたら、とか具体的にです。■2.浮気罰「もしも万が一浮気をしてしまったときのためにも、そのときにとる措置についても決めておくべきじゃないかな。俺は浮気したら3ヶ月家賃全額払うっていう罰が定められてる(笑)」(公務員/26歳)これはとくに重要だと思います。なぜならこれがないと、浮気発覚→彼氏謝罪→彼女号泣→彼女激怒→二人号泣→二人キス→二人ベッドイン、という浮気のグダグダ解決鉄板パターンにハマってしまうためです。浮気を知ったときになって冷静に考えるのは難しいので、予め保険として必要ですね。■3.理想の婚期「職場の女の先輩に言われたんだけど、いつごろ結婚したいかはハッキリ彼氏に伝えておいたほうがいいよ、って。男子は結婚を覚悟するのに数年かかることもあるから、急に言われるよりも早めに言われた方が心の準備ができるんだって」(営業/26歳)結婚までに恋愛を楽しみきれないと、不倫とかに走ってしまうおそれがあります。なので、「27歳で結婚したいの」と言っておけば、それまでの数年間でカレもいろいろと楽しみきってくれるはずです。■4.夜の限界「これはアドバイスとしてだけど、『私はセックスでは、ここまでの要求なら飲めます』というのは意外に大事だと思うよ。男子って好奇心パナいから、放っておいたらお尻とかおもちゃとか、ぐいぐいいくからね」(記者/26歳)男子はときに彼女を、「自分の性的興味をすべて叶えてくれる存在」と勘違いしてしまうことがあります。しかし、いざベッドで「いいじゃん」と言われると、嫌われるのが怖くて断れない可能性があります。先にだからこそ、言えることですね。あなたの身体はなにより大切です。■おわりにいかがでしたか?ルールや秩序のない関係は、ときにはうまくいくことがあってもそれは結果論かもしれません。動物界にだってルールはあるくらいですからね。あとで「もっとこうしておけば・・・・・・」とならないように、言いたいことは、付き合った段階である程度は伝えておきましょう。(川上ぽこひろ/ハウコレ)
2015年05月17日●魔女役にかけた思いと歌への愛「年々、人間に対する好奇心が湧くんです。役を演じれば演じるほど、もっと知りたくなる」。これまで数々の役を演じ、『ソフィーの選択』(1982年)、『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』(2011年)でアカデミー賞主演女優賞を獲得、『イントゥ・ザ・ウッズ』で自身が持つアカデミー賞ノミネート回数最多記録を19回に更新するなど、輝かしい実績を誇るメリル・ストリープだが、65歳になった今でも、飽きるどころか、ますます演じる楽しさを感じているという。公開を迎えた、おとぎ話の主人公の"その後"を描いたディズニー最新ミュージカル映画『イントゥ・ザ・ウッズ』では、魔女役を熱演。『マンマ・ミーア!』で美しい歌声を披露したことも記憶に新しいが、本作でもその歌声を存分に発揮している。先日来日した際に、本作の魅力やミュージカルの醍醐味、演技に対する思いなどをインタビュー。話の中で、挿入歌を歌ってくれたり、人のマネをして笑わせてくれたり、温かくて気さくな人柄も伝わってきた。――過去に何度か魔女役を断られたことがあるそうですが、本作の魔女を演じたいと思った理由を聞かせてください。40歳になったとき、1年で3回も魔女役のオファーを受けたけれど、それが私のキャリアの行き先なのかと理解したわ。業界の人たちは一定の年齢を越えた女優をどう扱っていいか分からないのね。だから私はそのオファーを断って、それ以来、魔女役には「ノー」と言い続けてきました。だけど、この役で気持ちが変わったのは、この魔女がほかとはかなり違うものだったから。何よりも彼女は変化する。彼女の存在理由は、彼女にかけられた呪いを解くためだけにあるんです。彼女はありとあらゆる手段をつくし始め、あらゆる人々の人生に劇的な変動をもたらせるの。おとぎ話というものは、訓戒の話から発展したものだと私は信じています。子供たちを怖がらせることで、人生で遭遇する可能性のある危険から遠ざけたり、若い女性にリッチな男性と結婚することを奨励したり。誰もが王子様を見つけて末永く幸せに暮らすことを奨励されるけれど、そううまくは行かないことだってあるんです。そこで『イントゥ・ザ・ウッズ』のおとぎ話は現実的なものとなり、本当にエキサイティングで、デタラメで、奇妙で、ほとんどリアルな人生と同じようになっていく。役者として、それはものすごく楽しいことだわ。――今回の魔女は、表面的な美を求めますが、メリルさんは人間の美しさとはどういうものだと思いますか?本作の魔女は、自分のための美しさではなく、美しくなれば娘がもっと愛してくれるんではないかと、外見上の美しさだけを求める。これが間違っているわけで、実際には美しさを取り戻しても娘は戻ってこないわけです。この若さと美しさは、私たちが執着を持っている文化。顔を整形したり、美しければ愛されるという勘違いがあるけれども、本当に美しいのは行動であって私たちがやること、行為。もちろん、美しさは憧れられる部分かもしれないけど、愛される部分はやはり、やること、その人のなすことね。――本作を見て観客には何を感じてもらいたいですか?これは頭脳が駆使されたミュージカルよ。ソンドハイムとラパインの作品だけに、知性が光っています。ビジュアル的に楽しく、心理的に満足できるものになっているけれど、それと同時に、アーティストである私たちを惹きつけ、自分の持っているすべてを注ぎ込みたいと思わせる特別な要素をたずさえている。音楽的には、とてもチャレンジングでスリリングだから、私がこの映画の観客に望むことは、そう、スリルとチャレンジを感じてほしいということね。――「すべてを注ぎ込みたい」と思わせられたということですが、本作で新たに引き出されたご自身の一面はありますか?この作品は、音楽、メロディーが記憶に残ります。私が初めてブロードウェイで見た時に、(サビの部分を歌って)「Children Will Listen」がすごく頭に残ったの。だから今回、あの歌を歌えるっていうのはものすごくうれしかったわ。でも、(作曲・作詞の)スティーヴン・ソンドハイムをがっかりさせてはいけない。彼は今世紀の一番偉大な作曲家だと思うし、一生懸命やりました。毎日1マイル泳いだわ。それは肺を強くするため。とっても力強い歌なので、それだけの肺を作らなきゃいけなかったの。音楽ってすべてだと思うの。みんな感情、気持ちを高ぶらせられ、音楽に引っ張られる。理由はわからないけど、アーティストとして満足感のいくものだったわ。――メリルさんは女優としての初めての仕事もブロードウェイのミュージカルで、その後、『マンマ・ミーア!』などに出演し、本作で再びミュージカルに挑戦されました。ミュージカルへの思いや醍醐味を教えてください。私が大好きなのは、音楽なの。音楽は本当に観客にダイレクトにつながると思うし、セリフではつながらない、心をつかみとる魔力があると思うの。今、新しい作品に入ったところで、世界で一番下手なオペラシンガーの役をやっています。フローレンス・フォスター・ジェンキンスという実在の女性なんだけど、お金持ちだったので、いろんなコンサートを自分が払って自分が歌いたいって言い出し、とにかく下手っていう役。でも、音楽が大好きなので、若い時に音楽を追及したいと思って、今、夢がかなっています。(C) 2015 Disney Enterprises,INC. All Rights Reserved.●ロブ・マーシャル監督の魅力と豪華キャストとの共演――本作で、ロブ・マーシャル監督から受けた演出で印象に残っていることはありますか?監督は、9.11が起きてオバマ大統領が遺族に「あなたたちは1人ではない」「だれも1人ではない」という言葉を言った時にこの映画は作られるべきだと感じたそうですが、あの言葉は、今のメッセージだと思います。私が魔女の役をやろうと思ったのも、そういう理由で、みなさんにそのメッセージを伝えたいと思ったの。今やる価値を見いだしたのよ。監督としては、彼はとても謙虚。普通はエゴが大きいけど(偉そうな人の動きをマネしながら)、そういうことはやらない。彼は優しくて、キャストが彼に集まってきて、誠意を持って演出をする。知的な人だし、彼は非常に珍しい人なんです。そして、準備もバッチリやってくる。まったく準備をしない人もいるのよ。今回は、1カ月リハーサルをやったわ。初日からカメラをどこに置いて、どういうアングルで撮ってとか。――キャストも豪華ですよね!素晴らしい出演陣よ。才能を持つ本物の役者たちの集まりね。自分が何をやっているのかしっかりと把握している人々をロブ・マーシャルは集めているわ。だけど、その誰もが、こういうタイプの強調されたリアリティ、ファンタジー、おとぎ話を演じる機会を得たことがない人たちばかり。とても珍しい機会だもの。出演者たちはそれをかみしめていたわ。パン屋の妻を演じたエミリー・ブラントと再び共演できたのはとてもうれしかった。彼女はものすごい才能の持ち主で、この役柄にピッタリな独特の温かさやユーモア・センスを持っています。しかもゴージャスな歌声もね。パン屋を演じたジームズ・コーデンは、ブロードウェイでやった『One Man, Two Guvnors』で、毎晩、進行中の物語の中から飛び出して観客に即興で話しかけることで伝説的な存在になっている。そして、アナ・ケンドリックは、『Pitch Perfect』が私のお気に入り映画のひとつだから、彼女との共演を心から楽しんだわ。彼女は素晴らしい仕事をして、王子様と本当に添い遂げたいのかどうか決めかねているシンデレラを演じているけれど、それは彼女の知性と自然な優雅さと寡黙さのなせる業ね。クリスティーン・バランスキーとは『マンマ・ミーア!』でも共演しているけれど、私の大好きな友人の1人よ。彼女はあの邪悪な継母とはまったく正反対な存在だけれど、とても楽しんでいました。それから、ジャックの母を演じたトレイシー・ウルマンは、私のとても古い友人の1人で、彼女がまだ21歳だった『プレンティ』以来の付き合いだから、またこうして一緒に仕事をするのが夢だったの。とにかく彼女のことが大好きよ。(C) 2015 Disney Enterprises,INC. All Rights Reserved.●演じるたびに増していく人間に対する好奇心――これまで数々の作品に出演され、キャリアと実績を積み重ね、いまなお演じることに情熱を燃やされています。女優業の醍醐味を教えてください。とにかく好奇心が旺盛なの。年々、人間に対する好奇心が湧くんです。役を演じれば演じるほど、もっと知りたくなる。人間って謎で、神秘に満ちていて、感情的にその人を知る。頭では理解することはできても、本当に人間って違うんだなって思わせるところがあって、それがやりがいなの。――今後、挑戦してみたい役はありますか?男の役ね!――どうしてですか?何でって、やりたいじゃない!?(笑)『エンジェルス・イン・アメリカ』という作品で、1回だけ小さい役で男性役をやったことがあるけれど。老人のラビの役でね。男の人の心理がわかるかもしれないので、なりきって演じ切ってみたいです。――本作で19回目のアカデミー賞ノミネートを果たしました。次で20回のノミネートとなりますが、アカデミー賞への思いをお聞かせください。私はついているんだと思います。私がデビューした頃は、40歳以上の女優は仕事がなかったの。今65歳でまだ仕事があるっていうことが素晴らしいと思うし、仕事をくれる人がいるってことがとにかくありがたいわ。(C) 2015 Disney Enterprises,INC. All Rights Reserved.
2015年03月14日