子どもを勇気づける「親の失敗体験」出典 : こんにちは。『発達障害&グレーゾーン子育てから生まれた楽々かあさんの伝わる! 声かけ変換』他、著者・楽々かあさんこと、大場美鈴です。子どもが落ち込んでいるときや失敗したとき、親はなんて声をかけていいのか、戸惑ってしまうこともありますよね。かける言葉が見当たらないこともあるし、励ますつもりだったのに、なぜか怒らせてしまう結果になったり…。こんなときには、まずは子ども自身の話を否定せずに「うん、うん」「そっか、そっか」と、最後まで聴いてあげるのがいいと思いますが、それでも気持ちを引きずってしまう場合などに、親ができる"とっておきの秘策"があるんです。それは、親自身の「失敗体験」を話してあげること!特に繊細な子や、失敗体験が多くなりがちな子などの場合、話のタイミングやその子の受け止め方によっては、親の立派な武勇伝や学歴自慢、成功体験などは、かえってプレッシャーになることもありますが、親の失敗体験やしくじりエピソード、黒歴史、短所や欠点についての話なら、ほぼ「ハズレ無し」で、どんな子も勇気づけ、元気にすることができると思います(うちの経験上!)。それでは、恥ずかしながら”うちの実例”エピソードを、いくつか紹介しますね。出典 : まずは、不器用すぎて失敗が多くなりがちな長男を始め、うちの3人の子ども達になぜか大人気で、もはや定番ネタと化した「クッキーがおもちになった話」から。大学時代、学園祭で私が所属していたサークルは毎年喫茶店を出店していたのですが、そこで手作りクッキーを手分けしてつくり、飲み物と一緒に添えて出すことになりました。私は、お菓子づくりだけはどうしても苦手で、それまで一度も成功した試しがありません。不安しかありませんでしたが、材料も受け取ってしまったし、仲間達に負担をかけるわけにも行かず、仕方なくつくる羽目に…。とはいえ、クッキーはごく一般的な、生地を伸ばして型抜きしてシートに並べて焼くだけの、誰にでもできる"ハズ"の簡単なモノ。もちろん私は、我流のアレンジなどは一切加えずに、レシピに書いてある通りに素直につくったつもりでした。ところが、オーブンレンジを開けて出てきたのは、見事に一枚につながった謎の物体…。どうしてこうなるのか。時間もなく、仕方なしに「ソレ」を四角く切り分けて持っていくと、「な、なんだコレは!」と、ざわつく仲間達。そのうちの勇気ある1人が試食して一言…「うん、おもちだね」。結局、心優しい仲間達が、「クッキーだと思わなければ、意外と美味しいかも?」「モチモチ新食感だね」等と笑いながら食べてくれ、その後も何度か飲み会でネタにされたりもしましたが、今では学生時代のいい思い出です。こんな母の失敗体験を、何かある度に「ねえねえ、あの、おもちの話、して〜!」と子ども達にワクワク顔で迫られ、読み聞かせのように何度も繰り返し話しました。わが子がこんなに喜んでくれるなら、「あの時、失敗して良かった」とすら思えてきます。出典 : 子どものゲーム依存などを心配されるご家庭も多いかと思います。うちは基本的には「やるべきことさえやっていれば、ゲーム時間に制限はつけない(ただし、夜9時就寝!)」というルールです。それでも、特に好きなことに熱中しやすい長男は、オンラインゲームにのめり込み過ぎて心配になることも…。でも、ここで正論のお説教をするよりも、私のしくじりエピソードを話すほうが、ずっと説得力が出るんです。実は私、ちょうど今のうちの子達の年頃に、「パズルゲーム中毒」のようになってしまい、ちょっとヤバかった時期があるんです。私は元々パズルが大好きで、小学生の頃はジグソーパズルやルービックキューブなどに、健全な範囲で夢中になっていたのですが、思春期のころは、ちょうどファミコンブーム全盛期。そして、「上から落ちてくるT字やL字のブロックをキッチリ積んでいって、I字ブロックで一気に全消しする」という、例の元祖パズルゲームに私はどハマリして、もう本当に一日中、ぼーっとブロックを積んでは消し、積んでは消し…と、ひたすら繰り返していました。当時の私は、悶々と悩み続ける事も多く、自分で思考を止められずにしんどかったのですが、パズルゲームに無心で没頭している時間だけは、パズルに必要な部分以外の脳をオフにして、ほっとできたんですね。でも、その結果、ゲームをやめたくてもやめられない状態に…。それで結局、学校の成績が下がったり、ついゲームに手が伸びてしまって受験勉強に集中できなかったりもして、いろんなところに影響が出てしまいました。…こんな私の実体験を子ども達に切々と語ると、結構真剣に耳を傾けてくれるんです。やっぱり、経験者のリアルな話は重みが違いますからね。当然、こんな自分のダメっぷりをわが子の前で晒せば、親としての威厳なんて簡単に地に堕ちてしまいます。でも、だからこそ、子どもと同じ目線で語る言葉のほうが、難しい年頃の子達の心にも、ちゃんと届くんじゃないかな、なんて思います。まあ、長男は「でもさ、もし、かあちゃんがゲームに浪費した時間を勉強とかに全フリしてたら、人生の分岐ルートも違って、オレ達も生まれてなかったかもよ。だから、今、オレ達がいるのはテ◯リスのおかげ」なんて、言ってくれたりも…。出典 : そして、次男が小学校時代、体調を崩して学校に行けない日が続いていた時に、本当に役に立ったのが私自身の不登校の経験でした。私は、小学3年生のころ、1ヶ月ほどですが、同じように体調不良がきっかけで急に学校に行けなくなったことがあります。だからこそ、本人は「本当は学校行きたい」と言うけれども、どうしても身体が思うように動かないときの気持ちがよーく分かるので、かつて私の母がそうしてくれたように、無理に行かせたり、説得を試みたりはしませんでした。そして、家でテレビをぼーっと見ながら過ごす次男との母子2人の時間に、当時のいろんな思い出話をしました。例えば…「あの頃、かあちゃんはさ、学校って人が多くて疲れちゃったんだよね。いつもザワザワしてるしさ〜、休み時間はちっとも休めないしさ〜」…なんて切り出すと、我慢強い次男も、「そうそう、そうなんだよ」なんて、少しずつ本音や溜め込んだ不満を話してくれたりも。それから、「こういうとき、かあちゃんのかあちゃんがね、忙しい仕事の合間に『何か食べたいものある?』って聞きに来てくれたのが嬉しかったんだよね。で、〇次郎は今、何か食べたいものある?」…と、懐かしい思い出と共に希望を聞くと、嬉しそうにリクエストしたり…と、普段は兄や妹になんとなく遠慮している次男も、時折こっそり私に甘えてくれるようにもなりました。そうしている間に、本当にゆっくり、ゆっくりと、次男の体調は回復していきました。Upload By 楽々かあさんまた、春のコロナ休校が終わり、学校が再開された直後に、朝「行きたくない」と長女の登校しぶりが続いたときも、私の過去の「ズル休みの経験」が活きました。長女は悪知恵を働かせて、朝の検温を愛犬の脇の下で計って、「37.5度」という、なかなか”いい数字”を出して、得意そうに体温計を見せてきましたが、実は、体温の偽装に関しては私もプロなのです(良い子はマネしないでね)。「かあちゃんも小学生のとき、ズル休みしたくてさ〜…」と、当時、水銀体温計で、「心配されて病院に連れて行かれるほどの高熱ではなく、かつ、親が一応念の為、休ませておこうと思えるラインの、ちょうどいい数字」を出すにはどうしたらいいか、あんな方法やこんな方法で試行錯誤したことを話すと、ちょっと尊敬(?)の眼差しを送ってくれました。それから、運動が苦手だった私が「マラソン大会がイヤ過ぎて、毎年前日にお腹を出して寝た」だとか、「運動会が消えてなくなるように、台風の進路に全身全霊で念を送った」だとか、ちょっとカッコ悪い思い出話を気前よく披露すると、苦手な行事を前に沈んでいた子ども達を笑顔にすることもできました。どんなにネガティブな気持ちだって、身近な人に分かってもらえたり、「自分だけじゃない」と思えたりすることで、気がラクになることも結構あるのではないでしょうか。親の失敗体験は財産!出典 : こうして見ると、私は自分の失敗体験やしくじりエピソード、黒歴史…あるいは短所や欠点なども「あってよかった」と、財産のように思えてきます。ちょっとくらい失敗したって、間違ったって、寄り道したって、結構なんとかなるものだし、少々できないことや苦手なことがあっても、ちゃんと大人になれますから。「失敗のお手本」が目の前にあれば、子どもだって思い切って失敗できるハズ。そして、不思議なことに、子どもに自分の失敗体験を話してみると、なんだか親のほうも元気になるんです。それは、「親だって、完璧じゃなくてもいい」「子どもの前で、立派な親であり続ける必要はない」…と思えると、少しだけ”いい親”のプレッシャーから解放されて、肩の荷を降ろすことができるから…なのかもしれませんね。LITALICO発達ナビ無料会員は発達障害コラムが読み放題!大場美鈴(著),『発達障害&グレーゾーン子育てから生まれた 楽々かあさんの伝わる! 声かけ変換』あさ出版, 2020.6.27
2020年12月18日ことごとくダメ男ばかり引く女性っていますよね。でも、歴代の元カレが全員ダメ男というのなら、あなたが“ダメ男製造機”なのかも?もしかしたらダメ男だと思っていた元カレは、イイ男に戻って素敵な家庭を築いているかもしれませんよ。そこで今回は、彼氏を「ダメ男」にしちゃう女子が言いがちなセリフを紹介します。■ 「お金は持っているほうが出せばいい」「『お金は持っているほうが出せばいい』が口癖の友達。彼氏にもそう伝えているらしく、友達が奢るのは当たり前。同棲中の費用は全負担、お小遣いまで。『彼氏が定職に就かない』と嘆いていたけれど、『そりゃそうだろ』と思ってしまった」(26歳/福祉)「男女問わず、お金があるほうが出すべき」というのは正論ですが、これを交際初期から口にするのはキケン。あなたに甘えて、彼がどんどんダメ男になっていくおそれがあります。何ならお金目当てで近づいてくる男性もいるかもしれません。彼がピンチになった際に、「いまは私が○○くんを支えるよ」と言えるほうがカッコいいし、彼にとってもありがたみがありますよね。■ 「あとは私がやっておくから」「彼はひとり暮らし歴が長く、家事全般を自分でやるタイプ。でも仕事も忙しそうだし『あとは私がやっておくからいいよ』と気を遣っていたら、食器を流しにすら持っていかなくなりました。『これは完全に私のせい』と思いました」(29歳/サービス業)「彼に家庭的だって思われたい」と頑張りすぎてしまい、自立している男性をダメにしちゃう女性もいます。そりゃ誰だって面倒なことはしたくないので、彼女が率先してやってくれるならラッキーと思うもの。彼もどんどんラクなほうへ流れてしまいます。「どうしてものときだけ手助けする」くらいのスタンスじゃないと、後々あなたが大変な思いをしますよ。■ 「こんなのもできないの?」「母は私が子どもの頃から、『お父さんは何もしてくれない』とグチっていました。でも最近、母が父に怒ってばかりだと気付き、こんなに文句言われたら家に帰るのも嫌だよなって。父が少し可哀想に思えました」(25歳/営業事務)彼(旦那)の段取りの悪さに、イラっとすることもあるでしょう。でもそこで「こんなのもできないわけ?」と怒ってしまうと、やる気もなくなります。やってもやらなくても文句を言われるなら、やらないほうがマシと思ってしまうのです。根気がいりますが「こうしてほしい」ときちんと説明をする、もしくは彼の得意分野に目を向けるなど、前向きに考えるべき。そのほうが彼も成長していきますよ。■ 言葉ひとつでやる気も変わるダメ男製造機女子は、基本的に何でもやってあげがち。でも言葉ひとつで、彼をイイ男にもダメ男にも変えてしまいます。世話焼きタイプ、もしくは「私がやったほうが効率がいい」なんて思ってしまう女子がいたら、一度考え方を変えるといいかもしれませんね。(和/ライター)(愛カツ編集部)presented by愛カツ ()
2020年12月10日親にとって、お友達トラブルはできれば回避したいものですが、子どもの発達にとっては大切なもの。友達関係はどのように変化して、どんなトラブルが起こりやすいのか。園ではどのようにサポートして、親はどう関わると良いのか。発達心理学の専門家である岡本依子先生に聞きました。お話を聞いたのは:岡本依子さん立正大学 社会福祉学部 子ども教育福祉学科教授。専門は発達心理学。特に親子のコミュニケーションの発達について研究。共著「エピソードで学ぶ保育のための心理学〜子ども理解のまなざし」他、保育者を目指す学生向けのテキストなども執筆している。友達関係の発達段階を知ろう友達関係は、発達につれて変化していきます。年齢ごとの特徴や、起こりやすいトラブルを知っておきましょう。イラスト/杉浦さやか◆3歳頃「一時的な関係」性別関係なく、同じ場所にいる子と遊ぶ集団生活に慣れていない時期には、一緒に遊ばなくても、近くにいる子どもに興味を持ったり、隣の子の遊びにつられたりする様子が見られます。その後、友達と遊び始めますが、3歳では「その場にいる子と遊ぶ」という一時的な関係。男女が入り混じり、気が向いたら同じ場にいる子と遊び、飽きたら違うところに行ったり、一人遊びに戻ったりと、こだわりなく遊ぶ段階です。この時期のトラブルは、まだ友達同士のルールが分かっていないために起こる、アクシデントのようなものです。おもちゃを取ってしまうのも「それは今、使っている子のもの」という「所有」の概念が未発達なためで、悪意はありません。取られた子が怒ることもありますが、多くは「ああ、持っていったな。じゃあ今度は何を使おう」という感覚です。感情のコントロールはまだ上手ではないので、感情的になっているときは寄り添って落ち着くのを待って。園の先生は、こうした場面を「ルールを学ぶチャンス」と捉え、「貸してって言おうね」などと適切な言い方を伝えていきます。◆4歳頃「一緒に遊ぶから友達」好きな遊びが同じ子と一緒にいるように4歳を過ぎると、率先して自分の好きな遊びを選ぶようになります。すると、自然と好きな遊びが同じ子と一緒にいるようになり「一緒に遊ぶから友達」という関係に。ただ、あくまでも主軸は自分の遊びなので、「外で遊ぶ友達」「ままごとをする友達」などと分かれることが多いでしょう。3歳までは「ありのままの自分」で生きていますが、4歳頃からは「すてきなおねえさん、かっこいいおにいさんでいたい」など、「自分はこうなりたい」というイメージを持つように。「ルールを守っている自分は偉い」という正義感も芽生え、ルールを守らない子を見ると告げ口をすることも出てきます。自分と友達の正義が違うと、屁理屈をこねたり、言葉がきつくなったりすることもあるでしょう。4歳後半くらいから仲間外れも見られるようになりますが、これは「友達は大切だから、仲間外れにすることが(相手にとって)罰になる」という友情関係が分かってきた証拠。その発達を理解しつつ、園の先生は相手がイヤな気持ちになること、仲間外れは良くないことを伝えていきます。◆5歳頃「友達だから遊びたい」一緒に遊びたいから自分の意見は後回しこれまでは「一緒に遊ぶから友達」だった関係が、「友達だから遊びたい」に変化する時期。「◯◯ちゃん、一緒に遊ぼう。何して遊ぶ?」と、遊ぶことを前提に、何をするかという交渉が始まります。自分の遊びが主軸だった時期はやりたいことが違う相手とは遊びませんが、この頃になると、その友達と遊びたいがために、自分のやりたい遊びを後回しにして、友達の意見を優先できるようになるのです。これは、学童期の友情関係である「心の友達」につながる出発点。とても重要な変化です。また、友達がどう思っているかを気にするようになるのもこの時期。4歳では一方的だった正義感も「他者の立場に立つ=他者視点」が発達して柔軟になってきます。例えば、滑り台を滑る側から上ろうとする2歳児を見たとき、4歳では「ダメだよ」と決め付けますが、5歳では「まだ小さいから分からないのか」と考えられるようになります。園の先生は自己主張と他者視点がバランス良く発達するように、トラブル解決をサポートしていきます。親はどうする? 友達関係の心配事読者アンケートで「わが子の友達関係に関する心配」について聞き、多かった声について岡本先生にアドバイスをもらいました。親の役目はトラブル前の園との信頼関係作り以前に比べ、今は「園での友達トラブルは、園の責任で解決する」という方針が広く定着しました。また、何か問題があれば教えてもらえますから、子どもが元気で楽しそうに通園しているなら、基本的に心配はいらないでしょう。とはいえ、子どもに「◯◯ちゃんとケンカした」と言われ、その相手を知らないと、親は不安になるもの。普段から、誰と仲が良いか、何をして遊んでいるかといった情報を、先生と親で共有しておくことが大切です。また、子どもはボキャブラリーが少なく、ささいなことを大げさに話したり、誰と遊んだか記憶があいまいで「一人で遊んだ」と言ったりすることも。元気をなくして登園をしぶる日もあるでしょう。心配事があれば、「こんな様子なんですけど、心配し過ぎですか?」「親からは見えない子どもの姿があると思うので、先生からどう見えるか教えてください」など、親の気持ちも含めて先生に相談しましょう。友達トラブルは、子どもが社会性や協調性を身に付けていく上で、大切な成長の糧でもあります。親の役目はトラブル回避よりも「トラブルが起こっても大丈夫」と思えるように、園との信頼関係を作っておくこと、と考えるといいですね。自分の意見を言えない、それも子どもの個性 友達を優先しているのかも新しい集団に入ったばかりなら、子どもの個性なので問題ありません。まわりの様子をしっかり見て、少しずつ自分を表現するタイプなのでしょう。もし集団に慣れた時期になっても意見が言えないなら、意見を言わない環境に慣れてしまっている可能性も。家庭で子どもが自由に意見を主張できているか、振り返ってみましょう。4〜5歳になって、友達の希望を優先することで「友達を喜ばせることができた」と満足感や誇りを感じているようなら、成長の証。褒めてあげるといいですね。友達ができない 遊びに没頭しているなら大丈夫 子どものペースを見守ってひとりで遊んでいても、遊びに没頭できているならまずは見守ってみましょう。遊びに没頭するのは、むしろ発達的には大事な時間です。もし、一人遊びの最中も友達の様子が気になっているようであれば、じっくり集団の様子を観察してから加わりたいタイプなのかもしれません。子どもは「友達になって」と言わなくても、集団の後ろから付いて歩いているうちに仲間に入ったり、離れて遊んでいる子をまねしているうちにお互いが気になって、一緒に遊ぶようになるもの。子どものペースで関係が出来ていくので、親はヤキモキせず、おおらかに構えていましょう。怒りっぽい 今は感情コントロールの練習中 言葉で表現する方法を伝えて怒るのは、悔しさやイヤなことがあったから。怒りはある種の原動力になり、うまくコントロールできるようになると、「これをバネにして頑張ろう」というやる気につながります。幼児期はそうした感情コントロールの練習期間と捉えましょう。また、怒っていることを表現できない方が困ることもあります。「イヤなことされたら、僕だって怒るんだよ」ということを相手にうまく伝えた上で、「もうやめてね」と言えるのが理想的。そのためには、「イヤだったから、怒ったのね」など、感情を言葉で表現する方法を伝えていきましょう。同じ子としか遊ばない 友達だから遊びたい段階 閉鎖的になったらフォローをこれは気にしなくて大丈夫。幼児なりに「気が合っている」ということで、「友達だから遊びたい」の段階に進んでいると考えられます。さらに発達して他者視点が身に付いてくると、友情関係を試すかのように「他の子としゃべっちゃダメ」などと言うこともあるかもしれません。この場合、本気の意地悪ではありませんが、関係が閉鎖的になっているようなら、「お友達がイヤな気持ちになるからね」など、良い方向に導くように声を掛けましょう。友達をしつこく遊びに誘う どのくらいしつこくすると相手が怒るか試すことも大事な経験そもそも子どもはしつこいもの。あまりにしつこくすると相手の子が怒るかもしれませんが、「どのくらいやると相手が怒るのか」を試すのも大事な経験です。相手の子が遊びたくないのなら「◯◯ちゃんはイヤって言っているから、他の子を誘ったら?」、誘っている遊びがイヤなら「違う遊びで遊ぼうって言ってみたら?」など、アドバイスしてみるといいでしょう。友達に対して言葉がきつい 相手が気分を害していると分かれば徐々にマイルドな言い方に言葉がきつくなるのは4歳頃に多く見られ、基本的には一時的なもの。まだボキャブラリーが少ないためで、相手を不快にさせようとしているわけではありません。友達が自分の言葉で気分を害しているのが分かると、言い方を考えるようになり、徐々にマイルドな表現ができるようになっていきます。親は、子どもの言葉がきついと感じたときに「◯◯って言おうね」と、言い換え方を提案してみましょう。また、言葉に関しては「親を映す鏡」という側面もあります。家族の間でも、きつい言葉は避けるといいですね。これも気になる もしも園の友達が新型コロナにかかったら子どもにどう説明する?友達が感染した場合は、下手に隠したり、ごまかしたりせず、子どもが知りたい「単純な事実」をきちんと話すことが大切です。「病気だから治るまでは一緒に遊べないけど、治ればまた遊べるよ」と事実を伝えれば安心できるでしょう。それ以上の説明は、子どもの理解力に合わせて。くどくど説明して、ちゃんと理解できないまま「コロナはすごく恐ろしい」という恐怖心だけを植え付けるのは避けましょう。また、「◯◯ちゃんは、手洗いしてなかったからコロナになったのかも」「悪い子がコロナにかかるから、あなたはいい子にしなさい」という言い方もNG。友達に対して「手を洗っていなかった子」「コロナになった悪い子」など、誤ったイメージを持たせないように気を付けましょう。
2020年11月14日主婦をしながら、東京大学大学院に通う学生、イラストレーター、漫画家として活動するアラサーのただっちさん(@tadatsuchi5555)は、夫のちゃーくんと二人暮らし。 そんな、ただっちさんが、ちゃーくんと結婚したてのころにした夫婦喧嘩のお話です。 ただっちさんは、姉妹で育ったということもあり「生理用品を隠す」という概念がそもそもなかったそうですが、ちゃーくんの「俺の家では見かけなかった」「見ちゃいけないものだと思ってた」という意見に、どっちが正解なのかわからなくなってしまったといいます。 育った環境や、家庭の方針で、意見が分かれそうなところですが、このマンガを、ただっちさんのブログ「ただの主婦が東大目指してみた」にアップしたところ、コメント欄では「見せてOK派」が多かったそうですよ。 著者:イラストレーター ただっち
2020年11月09日私は「子どもを持つこと自体」に漠然とした不安がありました。なぜならば、私の両親が「毒親」だったからです。自分も同じように「毒を持って子どもに接してしまうかもしれない」「私のようなつらい幼少期を過ごすのであれば、子どもは作らないほうがいいのでは?」といった考えが頭から離れませんでした。そんな私が紆余曲折ありながらも1人目を出産し、さらに2人の子どもを持つまでの過程や葛藤などをお伝えします。 転換期は20代後半の同棲経験憂うつ感に苛まれながらも、私はなんとか幼少期~思春期を過ごしてきました。そんな私の大きな転換期は20代後半のころ。今の夫となる人と結婚前提で同棲し始めたころです。 今まで生きてきた人生のなかで初めて長期に渡って親と離れて暮らせることができ、だんだんと心に落ち着きを取り戻し、「過去に親から受けてきた仕打ち」に対してやっと疑問を感じるようになってきました。いわば過去の自分は、親からマインドコントロールを受けていたと言っても過言ではないと思います。 友人たちの妊娠で心境の変化数年に渡る同棲期間を経て30歳になるころに、私は今の夫と結婚しました。しかし、結婚した1年ほどは前述した理由や背景があり、子作りする気になれませんでした。そんな私の気持ちを変化させたのが「友人たちの妊娠」です。 その友人たちとは数十年付き合っており、いろいろな過去も知っていた仲なので、「人生いろいろありながらも、皆どこか決断をして新たな道へ進んでいくのだな」ということが、友人たちの妊娠・出産を通して改めて実感しました。 過去と折り合いをつけるという決断また、友人たちのなかには不妊治療に励んでもなかなか授かれない子もいました。そんな友人を見て「授かれること自体が奇跡なんだ」「私ももう31歳になるし、女性の妊活は時間が区切られている。どこかで親のことは見切りをつけなければ」と、私の心境が友人を通して少しずつ変わっていきました。 そして、31歳のときに1人目を出産。里帰りはせず、基本的にワンオペ育児でしたが、なんとか1人目を2歳まで私の手で育てることができました。その後は1人目が2歳になったころ、2人目の妊活を始めました。 自分が毒親になることなく、気持ちに余裕を持って妊活や育児ができたのは「いざとなれば福祉の手を借りて助けを求められる」という安心感です。産後ヘルパーの活用や、産前産後要件で保育園に通うことができることなど、子育て支援情報は調べ抜きました。情報収集は育児の不安を解消し、自分を救う手立てになっています。 監修/助産師REIKOイラストレーター/みいの著者:山本加奈子2児の母。自身の体験をもとに、妊娠・出産・子育てに関する体験談を中心に執筆している。
2020年11月02日前回 の記事長男が初めての習い事「サッカー教室」をはじめたのですが…そのスクールはコーチが細やかで丁寧に教えてくれましたし、少人数で未就学児にとっては安心できる習い事でした。また夫がサッカー好きなので、週末のたびに長男を公園に誘ってボールさばきやシュート練習なども教えていました。ただ、実は大事なことを見落としていたんです。幼児ばかりのサッカーなんて、ボールが転がれば作戦もチームプレーもなく、ひたすら全員ボールに向かって団子状態になってしまうもの。でも、長男は1人だけ違う行動をとっていました。ひたすらコートの外周を走り回っていたんです!最初のうちは「ルールがわかっていないのかな?」と思っていましたが、どうやら違うみたい。そう、この時はまだ気づいていなかったんですが、長男はいわゆるHSC(人一倍敏感な子)の気質があり、大人数が固まって蹴り合ったり服や体を掴まれたりするような激しい場に怯えていたんです。ボール遊びや走り回ることが嫌いなわけではなく、一対一で丁寧に教えてもらう分には不器用ながらも泣き言も言わず、また退屈する様子もなく真面目に取り組んでいました。一年ほど続けてみたんですが、長男は徐々に試合形式が増えてくると行くのを嫌がるようになったのですが…ちょうどその時期に、スクールの事情でチームが解散となり、結果的にサッカーは1年半ほどで辞めることになりました。初めての習い事、今思い返すとその頃は子育てへの考え方が偏っていて、親がわが子に身につけさせてあげたいことや、苦手そうなことの克服のために習い事を勝手に選んでしまっていたなと後悔しています。運動が苦手にならないように全身運動を、チームプレイを学んでほしいから球技を…というように。ワタシの目は長男の悪い部分にばかり向いてしまっていて、弱点をいかにつぶすかばかり考えていました。そうすればきっと本人の自信になる、小学校に上がってもつらい思いをせずに済む…と。本人は一度もサッカーに興味を持ったこともなく、やりたいとも言っていなかったのに…この子自身はどんなことに興味があるのかあるいは合っていそうなのか? という子どもの気持ちを主体に考えられていなかったこと…親として未熟だったと思います。そして年長から、また新たな習い事を始めるのですが…
2020年10月29日過去にダメ男にひっかかってしまった女性や、絶対にダメ男と関わりたくないという女性は、「事前にダメ男を見抜けたら良いのに」と思っているのではないでしょうか?でも、どうやって見抜いたら良いのかちょっと自信がない……。そんな人は、これから紹介する「会話から分かるダメ男の特徴」を知っておき、何気ない会話の中に潜んでいる「ダメ男の印」を見逃さないようにしてみてくださいね。■ 恋愛が長続きしない男性と話していると、恋バナになることもありますよね。このようなタイミングは、相手の男性の過去の恋愛について知る絶好のチャンスです。今までどのような恋愛をしてきたか、できるだけ多くの情報を得るようにしましょう。そんな会話の中で分かる「ダメ男の特徴」のひとつが、恋愛がいつも短命で終わっているということです。1度のみならず毎回長続きしないというのは、彼にも大きな原因があると考えてみてください。本人自身はその原因が分かっていなくても、他人には気付かれているということも多いもの。恋バナを続けていくことで、その原因が分かるかもしれません。もし原因の特定はできなくても、いつも恋愛が長続きしないということは本人が語る事実ですから、何らかの「ダメ男要素」がある可能性が高いのです。「私となら大丈夫かも」と考えるのはちょっと危険です。■ 何かとルーズ浮気経験を話すなど、女性に対してのルーズさが窺える場合は分かりやすいので警戒できます。しかし他にも、話していて時間やお金に対して「何か違うな」と感じる男性がいます。お金遣いが荒かったり収支を管理できていなかったりする、また時間に対しても約束を守らないなどルーズな考えが見え隠れする男性は要注意。それらについてルーズな男性は、女性に対してもルーズな傾向が見られるのが一般的だからです。また、何にしてもルーズさは周囲に迷惑をかけることが多く、今まで直せずにいたということは、常識的な価値観がないという場合が多く、付き合ってもあなたが苦労する「ダメ男」の一員と考えて良いでしょう。■ 強いマイナス思考会話を楽しみたいのに、何でも悪い方に考えるような男性と話していると、愚痴や強いマイナス感情が会話の端々に表れていて、いつの間にかこちらまでどんよりとした気持ちになってしまうものです。一時的に落ち込んだり悩んだりするのは誰しもあることですが、そこから少しでも前向きに考えたり、立ち上がろうと努力したりしない男性とは、一緒にいてもなかなか幸せを感じることができないでしょう。マイナス思考が強い男性は、周囲への批判傾向も強く、会話しているとあなたも次第に辛くなってしまうはずです。このような男性に同情や心配をして、「力になってあげたい」と深入りするのは危険です。このタイプのダメ男は、自分の人生を自分で上向きにしようとしないところがダメなのです。励ますつもりでも、あなたまでネガティブオーラにやられてしまいますよ。■ 付き合う前の会話は大切!これらの「ダメ男の特徴」は、話しているうちに会話ににじみ出てしまうものですから、次第に「あれ、ダメ男さんでしたか?」と気付けるはず。ですから、付き合う前にたくさん会話をすることは、相手を知る上でとても大切なのです。ダメ男に深入りは禁物。これらの特徴に気付いたら、そっと距離を置くことをおすすめします。(かりん/ライター)(愛カツ編集部)presented by愛カツ ()
2020年10月26日いつも好きになるのは浮気やDVをしてしまう「ダメ男」からなかなか離れられない……。そんなダメ男沼に、どっぷりハマってしまいがちな、そこのあなた!ダメ男度をチェックをして、負のループから抜け出しちゃいましょう。■ 変な自信のある男性「俺は将来、社長になるんだ」「普通のサラリーマンになりたくない!」などと言って、自分の夢を熱く語る彼。有言実行のタイプもいるので、夢を語ることは悪くないのですが、3か月後も同じようなことを言っていたら要注意。口先だけの夢見がちな男性である可能性があります。夢見がちで口が立つ割りに努力を怠るため、仕事相手から信用されず、彼が思っている程お金は稼げないタイプです。くれぐれも「お金貸して」などと言ってきても、貸さないようにようしましょう。もしこのタイプの口車に乗ってしまい、お金を貸してしまったり貢いだりしてしまっている場合は、それで幸せを感じているならいいですが、違うなら冷静になって!「これ以上は無理」と伝えたら、彼がどんな表情で何を言うか冷静に観察してみてください。彼の本性が分かると思いますよ。■ 浮気性の男性女性なら誰にでもやさしく、甘い言葉を掛けられるタイプ。「僕はいつも振られてばかりなんだ」なんて言い、可哀想な男性風を装いがちです。実際は相手から別れを切り出すのを待っているけれど、フルことはできない優柔不断なだけ……。そのため本命の他にも「お気に入りの浮気相手」「もう飽きた浮気相手」「口説き中の女性」「単なるセフレ」など、バラエティーに富んだ女性たちが存在する場合もあるかも。もし彼がこのタイプならば、本命になったとしても、たとえ結婚したとしても彼は今のままと思ったほうがいいかも!今は優しいかもしれませんが、数ヶ月後には「もう飽きた浮気相手」に格下げになる可能性もあります。現状は、自分を大事にできている状態ではないと思いますよ。■ 金銭感覚がおかしい「今日はプレゼントがあるんだよ」「この前、後輩におごったんだ」など、妙に羽振りの良い時がある彼。そうかと思ったら、「給料日になったら金返すから、お金貸して」と言うなど、何かとお金にルーズな一面があるならば要注意です。急に羽振りが良くなったり、お金に困ったりしているタイプは、ギャンブルをやっている可能性があるかも!金銭感覚が合わない人と一緒にいると、お金を持っている側が消耗するだけなので、つき合い方を見直してみましょう。■ 彼以外のことにも目を向けてみよう!ダメ男って、急に甘えてきたり、普段はとても優しかったり、ハマる要素も多んですよね。しかしそれは、彼がその裏でやっている浮気やギャンブルなどのカモフラージュの可能性も。甘いことを言っておかないと逃げてしまうため、必死で彼女をつなぎとめようと頑張るのです。ダメ男とのつき合いに疑問を感じ始めたら、その気持ちを大事にして大丈夫!きっともっともっと幸せになれると思いますよ!(なつくま/ライター)(愛カツ編集部)presented by愛カツ ()
2020年10月07日■前回のあらすじ息子の発育状態が気になり検索しては落ち込む負のループ。夫や発達支援センターに相談するも解決に至らず、自分でできることを探すことにしました。※過激な描写が含まれます。苦手な方は閲覧をお控えください。■私は「普通のお母さん」にもなれない…?息子に何があろうとも育てていく覚悟はあるはずなのに、不安な気持ちが止まらない…息子が「普通の子」であって欲しいと願ってしまうのは、親として最低なのでは…私は「普通のお母さん」にすらなれていない…そう感じました。※筆者が当時の体験を元に表現しています。■自己嫌悪に陥り、自分を傷つけてしまう今まで自分が否定してきた無責任な親と自分は同じだ…、そう感じて自傷行為にまで及んでしまいました…。次回に続きます。※発育に関しての見解は筆者個人の体験によるものです。 【同じテーマの連載はこちら】 湯本もゆのオドオド手探り育児 この連載の全話を見る >>
2020年09月19日子どもが「幼稚園キライ」「幼稚園に行きたくない」と言い出したら、どんな声かけをしていますか?「先生や友達も待っているよ」「〇〇が楽しみだね」と親が一生懸命に励ましても子どもには響かず、ますます嫌がるばかり…。幼稚園教諭をしていた私は、このような場面を何度も見てきました。今回は、登園を嫌がる子に言ってはいけないこと、嫌がった時の対処法をお伝えします。脅しの言葉はかけないで!必要なのはスキンシップの時間子どもが「幼稚園に行きたくない」と言うのはどんな時でしょうか。それはなんとなく「不安」な気持ちを抱えている時です。不安な気持ちがあるとその気持ちを埋めるためにママから離れたくなくなります。そして、満たされていると「楽しい事をしたい」という意欲が出て、幼稚園に行くことに対して前向きになります。そのため、子どもが登園を嫌がる時に、「先生や友達が待っているよ」「〇〇があるんだって!」と園での楽しいことを伝えても、不安な気持ちは消えていないため、子どもには響かないのです。ましてや「行かないと恥ずかしいよ」「みんな行ってるのに」などの脅しの言葉は、不安をあおってしまうので絶対にNGです。まずは、「なんとなく不安」な気持ちを「安心感」に変えるためのスキンシップの時間をもつことが、一番の近道です。帰ってきたらホッとできるようにわがままOKどうしても登園を嫌がる場合は、無理に行かずに家でゆっくり過ごす日があってもいいと思います。ただ、子どもが「行きたくない」と言うたびに、幼稚園をお休みをするワケにはいきませんよね。なので、嫌がりながらも登園できた日は、帰ってきたらたくさん甘えさせてあげてください。抱っこやおんぶといったスキンシップ以外にも、楽しくできる触れ合い遊びもおすすめです。くすぐり合いや、向かい合ってにらめっこ、じゃんけんをして負けたら肩もみなど、触れ合いながら親子で大笑いできるといいですね。少しの時間スマホを手放し、テレビを消して、子どもの話に耳を傾け、好きな遊びにつきあう時間をとりましょう。それを続けていると、子どもは心に余裕ができ、幼稚園を嫌がることが少なくなっていくと思います。赤ちゃん返り状態になっても叱らないでしかし、ママがゆったり楽しく関わろうとしても、子どもがワガママを言って、赤ちゃん返りのような状態になり困らせることもあります。それは園生活を頑張っている証拠。ワガママな性格になってしまったわけではなく、家では素直な気持ちを出して発散しているだけなので、叱らず受け止めるのが◎。ママに甘える時間が幼稚園に行く力に!わが家の年中の娘も、疲れがたまったり、園でいろいろなことを我慢して頑張りすぎたりした時は、家で爆発することがあります。自分でできることを「ママやって」と言ったり、思い通りにならないと理由も話さずグズグズしたり…。娘がワガママになった時、幼稚園児と思って関わるとついイライラしてしまうので、赤ちゃんに戻ったつもりで関わっています。「まだ赤ちゃんだから、なんでもしてあげるよ~」という感じで。しかし、プライドは高い娘。それを口にだすと怒ってさらに大変なことになるので、心の中で密かに思って対応しています(笑)。ほんの少しだけの時間で満足する日もあれば、帰ってから寝るまでワガママを続ける日も。かと思えば友達の誘いを断って「ママと遊ぶ」と言ったり、「抱っこして~」と、素直に甘える日もあります。それでも翌日は「いってきまーす!」と、はりきって園に行く姿を見ると、家で過ごしながら自分を取り戻す時間の大切さを感じます。パワーを充電できればがんばれる子どもにとってママやパパとの時間はとても大切なもの。「幼稚園に行きたくない」と言う時は、ママやパパに甘えられる時間をいつもより多くとって、パワーを充電させてあげてくださいね。そのパワーがあるからこそ、子どもたちは幼稚園でさまざまなことに挑戦できるのです。<文・写真:ライターnicoai>
2020年09月08日仕事の転勤や転居、生活スタイルの変化などで、子どもが転園することになった場合、親はわが子が新しい園になじめるか心配ですよね。わが家は結婚してから10年の間に、転居による転園を2回経験しました。今回の記事では、引っ越しの多かった私自身が子どもの時に感じてきたこと、その経験を生かして自分の子どもの転園で気をつけていることについて紹介します。幼稚園・保育園の転園は親もドキドキまず登園初日、在園児は転入児に興味津々!「どこからきたの?」「すきなあそびはなに?」「なんてよべばいいの?」「いまどこにすんでるの?」「どうしてひっこしてきたの?」「なんかはなしていることばがちがうね(方言のある地域の場合)」と、質問攻めにあいます。社交的な子どもであれば受け答えもできるでしょうが、そうではない場合、このこと自体が子どもにとってかなりのプレッシャーに。子どもが恐怖心をもつことなく初登園を終えるのが、とにかく最初の関門です。どちらかというと内向的な子の場合は、事前に担任の先生にその旨を伝えておくといいでしょう。早くなじめるように心がけている3つのことそのほか、子どもが園に早くなじめるように、わが家では3つのことを心がけています。子どもの得意なことを先生と共有する私自身が転園したときに感じたのは、「何かひとつでも得意なことがあれば、それをきっかけに友達の輪にも入っていきやすい」ということ。体を動かすことが大好きだった私は、転園と同時に幼稚園内で実施されている体操クラブに入りました。そこで一緒に習っている子との交流をきっかけに、友達の輪も広がっていきました。わが子の場合は、転園の際、絵や工作が得意だということを担任の先生に伝えました。すると、「どんなものを作っているか見たいので、工作を持ってきてもいいよ」と言ってくれました。毎日作品を作っている息子は、翌日から登園するのが楽しみになり、登園を渋る様子がなかったので本当に助かりました。もし子どもに得意なこと・好きなことがあれば、ぜひそのことを担任の先生に伝えてみてください。今回のケースのように、作品を持っていってよい園は少数派かもしれませんが、園での活動の中で先生が子どもの特技に触れるきっかけを作ってくれることでしょう。「今日はどうだった?」と聞かない私自身もそうだったのですが、帰宅後に「今日はどうだった?」と親から聞かれるのが、「楽しかった」という答えを期待されているような気がして、案外プレッシャーになっていました。そのため、わが家では、転園後しばらくは、子どもの帰宅時に「今日はどうだった?」と聞くのを控えました。代わりに、連絡帳に書いてあることを元に「今日は〇〇あったんだねー」「給食は△△だったんだ!おいしそうだね」などと話しかけるようにしました。子どもの気分がよい時は「そうなの、~でね」と話を続けてくれますし、あまり気分が乗らないときは「うん」で終わります。返事の様子で、ある程度子どもの感情を汲みとるようにしました。また、「パパもママも〇〇の味方だよ」ということは日頃から伝えるようにしていて、負の感情を察したときは、ギューっと抱きしめるようにしました。親の直感は意外と当たるもので、いつもとちょっと違う空気を感じたときは、友達とのトラブルがあった後だったりも。表情や態度が少しおかしいなと感じたら、子どもに「何かあった?」と聞くのではなく、園の先生に「最近どうですか?」と聞いてみるのもいいかもしれません。園での頑張りを先生から聞いてほめる転園からしばらくの間は、新しい環境で頑張っている子どもを応援するために、担任の先生となるべくコミュニケーションを取るように。先生は子どもたちのちょっとした成長にも気づいてくれているので、園との連絡帳や送り迎えの時などに子どもの頑張りをたくさん教えてくれました。しかも、家に帰ってきた後に「先生から聞いたんだけど、今日は〇〇できたんだってね!」と普段の何気ない行動をほめると、子どもは恥ずかしがりながらもとても喜びます。先生が自分のことを気にかけてくれているとわかると、子どもにも園生活に対する安心感が生まれるので、先生との情報共有をおすすめします。自信がつけば、園になじむのもすぐ!自分の経験、そして子どもの姿を見ていると、「自分にはできることがある」「親も守ってくれている」「先生も見てくれている」と心理面の安心が整えば、それが自信にもつながり、園生活に早くなじめるように感じます。そのためには、日ごろから子どもの様子を観察するとともに、親としても、園と適度なコミュニケーションを取っていくことが大切です。ぜひ、親子で新しい園生活を楽しんでいきましょう!<文・写真:ライターnanahi>
2020年09月06日もしも子どもを産むとしたらどんなふうに育て、どんな親でありたいか。自分が持つかもしれない未来の子どもについて、想像を巡らせたことがある人は多いだろう。著者の山本美希さんもそのひとり。本作『かしこくて勇気ある子ども』を描くきっかけのひとつが、当時立て続けに起こっていて、そして今も起こり続けている“不測の事態”だった。「世界中でテロや事件、事故が連日のように起きているのを見て、こういうことが人生を大きく変えてしまう可能性は誰にでもあるのだと感じ、作品に取り込んでみたいと考えるようになりました」主人公は、初めての子どもを迎えようとしている夫婦。お互いに仕事を持ち、精神的にも自立しているようなカップルで、生まれてくる子どもにどんな習い事をさせたいか嬉々として話し合い、かしこくて勇気ある子どもに育てば、明るい未来が訪れると信じて疑わない。「私の美希という名前も漢字を説明するときに恥ずかしくなるんですけど(笑)、親は名前ひとつにも希望を込めますよね。こんなことも、あんなこともできるかもしれないと、期待を膨らませるのは心理として避けがたいのかなと思います」そんななか妻はテレビであるニュースを見たことで、完璧と思えた幸せの絶頂から引きずり降ろされてしまう。パキスタンのマララ・ユスフザイの銃撃事件だ。ご存じの通り彼女は、タリバン運動によって学校に通えなくなり、11歳から女性の教育の必要性を訴えてきた人物だ。「女性が社会でどう生きていくかは、自分の作品のなかで大事なテーマのひとつといえるのですが、この事件は特に印象に残りました。“どの子がマララ”なのかわからない人間に襲撃されるということが衝撃的でしたし、アジアで起きた事件なのでより身近に感じたのもあります」かしこくて勇気ある子どもであるがゆえに狙われてしまう世の中を憂えて、日ごとにうつ状態になっていく妻と、不安定な妻を見守りながらも理解に苦しむ夫。妊娠や出産は当事者にしかわかり得ない部分も多いのだろうが、想像して考えるのをやめないことの大切さを教えてくれる。子どもを持つとはどういうことなのか、という視点もしかり。「妻の沙良のように悲観的な考えばかりではないと思うのですが、だからといって子どもが生まれたらそれで幸せと簡単に言えるものでもないというのは、作品を描き終えた今も変わらずに思っています。それぞれの立場で考えてもらえるような作品になっていたら嬉しいですね」『かしこくて勇気ある子ども』出産を目前に知った恐ろしい事件。妊娠・出産をめぐる男女の思考の違いも垣間見ることが。子どもを持つ準備として、パートナーとともに読みたい一冊。リイド社1800円©山本美希/リイド社 トーチコミックスやまもと・みきマンガ家、筑波大学助教。主な作品に『ハウアーユー?』『Sunny Sunny Ann!』など。さまざまな手法で物語を絵で表すことを模索。※『anan』2020年9月9日号より。写真・中島慶子インタビュー、文・兵藤育子(by anan編集部)
2020年09月02日「どうしてほかの子はできているのに、自分の子どもはできないんだろう?」幼少期は特に発達速度に個人差があることから、親は“できないこと”をネガティブに考えてしまいがち。ウーマンエキサイトで連載中のSAKURAさんも、そんな思いをして苦しんだひとり。娘のあーさん(現在9歳)は、発達障害(自閉スペクトラム症(※1))で言葉の発達が遅れていたため、周りの子とくらべてしまうことがあったそう。そんな日々を経て、SAKURAさんがわが子の“苦手”や“生きづらさ”と向き合い、奮闘する姿をつづった子育ての記録が書籍 「うちの子、個性の塊です」 になりました。■ママに興味がない子どもがいるの?赤ちゃんの頃からあまり泣かず、ひとり遊びが上手で手が掛からなかったというあーさん。2歳半のとき、子ども支援センターで面談の機会が訪れます。部屋に入るなりひとりで遊びだし、SAKURAさんの元に戻ってこないあーさんを見た先生は、こんな言葉を放ちます。「お母さん、気付いていないかもしれませんけど、これはけっこう問題ですよ。この子はお母さんに興味がないんです」。この衝撃の言葉を聞き、「今まで娘と過ごしてきたすべてを否定されたような気持ちになった」と言うSAKURAさん。そんな彼女が、いつも連載で描いているようなユーモアたっぷりの育児ができるようになったのはなぜなのか。その足跡を書籍からたどります。■なんでうちの子はできないの?発達の遅れを指摘されてからのSAKURAさんは周りの子とあーさんをくらべては「落ち込む日々が続いた」と言います。しかし苦しい日々を過ごした末、SAKURAさんは気付きます。「自分がいくら落ち込んでもあーさんがよくなるわけではない」ということを。当時、あーさんの主治医から言われた言葉もSAKURAさんを楽にしました。「みんな生まれ持ったそれぞれの個性があるんです。発達障害のある子は、その個性がたくさんあるから目立つ。だから娘さんは“個性の塊”なんですよ」。この言葉によって、SAKURAさんはあーさんの“個性”を「楽しもう」と思うようになったと言います。物事への強いこだわりも見方を変えると面白いと感じたり、苦手なものにはあーさんに合ったやり方でサポートしていけばいいのだとポジティブに考えられるようになったのです。■かんしゃくを起こす娘にイライラ…言語の発達に遅れがあったあーさん。4歳頃になると、自己主張やこだわりが強くなって、かんしゃくを起こすことも。一度泣き出すとSAKURAさんの声も耳に入らなくなり、泣き止まずイライラ…。そこで主治医に相談すると、あーさんは「自分の気持ちを表現することが苦手だから泣く」とのこと。そして、「“気持ちの代弁”と“気持ちの同調”をしてみてください」と言われます。怒り出したときは「そっか~、〇〇だったんだ~。〇〇したかったんだ~」など気持ちをまず代弁すること、そして「わかるよ~。ママもそうだったよ~」と同調することで、子どもは「お母さんはわかってくれたんだ」と知り、気持ちを落ち着かせることができるというのです。「これを繰り返していくと信頼関係の土台ができ、お母さんの話も落ち着いて聞けるようになりますよ」と。SAKURAさんが実践したこの方法は、目に見えて効果があったと言います。何度か繰り返しているうち、泣き出してもすぐSAKURAさんの提案や要求を聞いてくれるようになったそう。この方法は、癇癪を起しやすい子や自分の感情をうまく伝えられない子にも効果があるように思えます。■小学校の通常学級は、私のエゴ?あーさんが小学校に入学する際、知的な発達の遅れがなく、主治医にも「通常学級でいけると思います」と言われたこともあり、通常学級を選んだSAKURAさんご夫婦。しかし入学後、授業についていけない部分が出てきて担任からの報告や相談が増え、お友だちともトラブルが起きるように…。たとえば、文章が書けず白紙のまま固まってしまう、お友だちから自分がやっていないことを責められても「私じゃない」と主張できず責められてさらに泣く…など。でもあーさんは、「学校は楽しい」と話し、SAKURAさんはこの状況をどう判断すべきか悩みます。そして、担任から2年生の進級時に特別支援学級(※2)に転籍することをすすめられます。しかし、夫は娘のコミュニケーション能力を上げるためには大人数の通常学級に在籍したまま通級指導(※3)を受けるのがいいのではないかと言います。娘が学校生活を楽しく過ごすには、どれを選択すべきなのか? 周りの意見を聞くうちにSAKURAさんにはどれが正解なのかわからなくなっていきます。この進級問題でSAKURAさんが見せる、子どもにとって何が最善なのかを模索する姿。それは、わが子のために必死で考えることこそが重要なのだと教えてくれます。■個性を楽しむ育児がもたらすものさまざまな困りごとを克服していったSAKURAさん。その様子を読んでいると、子どもの個性を認め楽しむことでただ問題を解決するだけでなく、それ以上にプラスの要素が生まれているように感じます。“個性”を肯定されることで子どもが得る安心感、親子の絆、家族の笑顔…。そして、SAKURAさんの姿勢はあーさんの物事の捉え方にも大きく影響していて、それは彼女の生み出すポジティブでやさしい言葉に表れています。そんな育児を実践するSAKURAさんの書籍は、発達障害の子どもを持つ親だけでなく、子どものちょっとした苦手やこだわりに悩む親たちにも参考になるのではないでしょうか。最後に、SAKURAさんにインタビューさせていただきました。――初めて娘さんの発達の遅れを指摘されたとき、どんなことを思いましたか?「なぜうちの子が」と現状を受け止められず、なぜこうなったかばかりを考え、「私のせいだろうか」 と自分を責めていました。 私の場合、娘を妊娠するまでも、不妊治療をしていたこともあって、「やっと妊娠して、出産して、憧れていたお母さんになれたのに! なんで私がこんな目に…」と思っていました。――ほかのお子さんとくらべて落ち込んでしまったとき、どのようにして気持ちの切り替えをしていましたか? また、その頃の自分に声を掛けるとしたら、どんな言葉を掛けますか?娘の場合、しゃべらないので親子のコミュニケーションがほとんど取れず、他の親子を見るといつも暗い気持ちになっていました。しかし、その暗い気持ちや、悲観的な感情は、持ったところで娘にとってのプラスにはまったくなりませんし、落ち込むことが娘に対して失礼だと考えるようになってからは、落ち込まなくなりました。その頃の自分に声をかけるとしたら…、「大丈夫~! いつかコミュニケーション取れるようになるよ~! 小学4年生の今、ちょっとうるさいなって思うぐらい、しゃべってるよ~!」ですかね(笑)――よく父親の方が子どもの発達についての理解に否定的になると言われていますが、SAKURAさんご夫婦はとても理解しあっている感じがします。お子さんについてパートナーの理解が得られない場合、どうしていけばいいと思いますか?このことはよく聞かれるので、旦那とも話すことが多いです。旦那は「自分の子どものことなのに理解しないって気持ちが、逆によくわからない」と言います。子どもの発達障害について否定的なお父さんは、向き合い方がわからないのだと思います。「俺の子がそんなはずない」とか「知られたくない」とか…。しかし自分の子どもだとしても、クローンではありません。自分と違った一人の人間なのです。その子が生まれたありのままを受け入れるしかない…。そのことに気がつかないと、結果子どものためにはなりません。わが子が将来、自分で生活できるようにするために、今何ができるかを考えてほしいと思います。――最後にSAKURAさんと同様に子育てに悩むママたちに言葉をかけていただけますか?私も現在進行形で、「子育てに悩むママ」です(笑)。毎日毎日子どもたちの要求をこなし、疲れ果てて、「ちょっとYouTubeでも見といて…」とか言って、ソファーに横になっちゃう親です。だから他のママさんたちにメッセージを贈れるほど立派な人間ではないのです。「やるときはやる!」「だらけるときはだらけきる!」で乗り越えましょう! …としか言えません(笑) 「うちの子、個性の塊です」 ([著者] SAKURA,[監修] 井上雅彦/すばる舎 ¥1,540)自閉スペクトラム症の娘あーさん(9歳)を育てる母SAKURAさんが、さまざまな悩みを抱えながらも娘の個性と向き合ってきた様子を、挿絵と4コマ漫画を交えながら描いたエッセイ。母SAKURAさんと、いつも妻の気持ちを理解しサポートしてくれる父、心のやさしい長女あーさん、甘えん坊の長男きーさんの4人家族による愛情たっぷりのエピソードが満載で、読む人をハッピーにさせてくれる。SAKURAさんのブログ: 「うちの子、個性の塊です~マイペース娘の療育日記~」 ウーマンエキサイトの連載: 「うちの家族、個性の塊です」 ※1.自閉スペクトラム症脳に生まれつきある先天的な発達障害のひとつで、特徴として社会的コミュニケーションの障害、限定された興味を持つと言われている。※2.特別支援学級障害のある子ども一人ひとりに合わせた教育を行うため設置された少人数学級のこと。※3.通級指導教室比較的障害が軽い子どもが、通常学級に在籍しながら、その子に合った小集団や個別の指導を受けられる学級のこと。
2020年09月02日暑さで体力的に疲れていることも多い、夏休み明け。これから新学期を迎える時、あるいは新学期が始まったばかりの時期に、親が子どもに投げかける言葉や見せる姿勢は、子どものやる気やエネルギーに大きく影響してしまうこともあります。今回は心理カウンセラーの立場から、新学期を前にして親が子どもに言ってはいけない言葉を紹介します。勉強の遅れを心配する言葉まず注意したいのは、勉強の遅れを心配するような言葉。親としては、どうしても子どもの勉強の進み具合は気になるもの。一度遅れてしまうと取り返すのは大変だと考えるため、宿題や家庭学習の状況などに焦りを感じるのは普通のことと言えるでしょう。一方で、夏休み明けの子どもたちはのんびりしたもの。夏休み気分が抜けず、また残暑が厳しいこともあって、学校から帰って来たらすぐにクーラーの効いた部屋でダラダラ…などということもあるのではないでしょうか。そこで親が言ってしまいがちなのが、「学校始まったんだから、勉強もしないとね」「勉強が遅れちゃうと大変だから」という言葉です。しかしこれは意外と子どもにとってはダメージになります。勉強について気にしていても、それを指摘されるとうんざりしてしまうのです。このような場合は、まずは「暑いね」「疲れたよね」と共感を示し、落ち着いてから「そろそろ、頑張ろうか!」とプラスの声がけを心がけましょう。休んだのだから頑張りなさいという言葉夏休みという期間があったのだから、学校が始まったらしっかりしてほしいと親は考えがち。しかし「いっぱい休んだんだから、頑張りなさい!」というのは逆効果。休みの期間が長いほど、エンジンはかかりにくくなります。大人でもなんとなく、理解できる感覚ではないでしょうか。頑張りなさいと言われてしまうと、頑張っているのに…と思ってしまいませんか?休み明けは、学校まで行って帰って来られたらそれで上出来。それ以上のことができたら、ほめてもいいくらいです。1、2週間は子どもの様子をよく観察し、勢いがつくまで急かさないようにしましょう。他人と比較して叱咤する言葉親はついわが子と誰かを比較しがち。でも、他人と比べる言葉は子どもの心を傷つけます。例えば「お兄ちゃんはちゃんとやってるよ!」といったようなきょうだいと比べるものはもちろん、「〇〇くんはすごいのに」というような親しいお友達なども同様です。夏休み明け、どれくらいでエンジンがかかってくるかは、子どもによって個人差が大きいところです。他人と比べることは本人の自信を失わせ、エンジンがかかってからの加速をさらに遅くしてしまう可能性も…。他の子どもと比較しないように扱うのは、夏休み明けに限ったことではありませんが、コンディションが整わないうちは特に気をつける必要があります。ゆっくりと普段のリズムに戻して夏休み明けに身体が重そうにしていたり、何かに取り組む意欲が感じられなかったりするのは、当たり前のことです。普段のリズムにすぐに戻らないことで親が焦ったりイライラしたりすると、子どもは「自分がダメなんだ」と不安になってしまうもの。特に今年は、コロナ禍の下、例年以上に不安定になる子どもも増えることが予想されます。まずはいつもよりゆるめでOKと親がゆったり構えること、一所懸命にやっていないように見えてもそれを許す気持ちを忘れないようにしたいですね。<文・写真:ライターあん茉莉安>
2020年08月31日あなたの親は、あなたをどんな風に育てましたか?親が無意識に子どもに求めた生き方を、私たちは時として「呪い」として深く刻み込んでいます。そのひとつが「あなたならできる」という期待の言葉。でも、できるという期待は裏側に「できない私はダメ」というプレッシャーが含まれています。その言葉の呪い、どうやって解いていけばよいのでしょうか。文・おおしまりえ【おおしまりえの恋愛道場】vol. 83「あなたならできる」親からの呪いを抜け出すために知りたいこと「あなたならできる」親からそんな言葉をかけられた経験はありませんか。現在放送中のテレビドラマ『私の家政婦ナギサさん』が話題になっていますが、人気の秘密のひとつが、母親から主人公にかけられた言葉の呪いだといわれています。あなたならできるというフレーズには、一見すると相手への信頼とポジティブな期待を感じますが、当人からするとそうでもないことも…。例えばここ一番に「あなたならできる」と言われたら、頑張ろうという前向きな気持ちになるものですが、日常的に「あなたならできる」を刷り込まれていると、逆にできない自分を激しく責めてしまうことになります。そして悲しいことに、親の声がけのほとんどは後者であることが多いのです。親からの信頼と見せかけた過剰な期待は、子どもからすると良くないプレッシャーにしかなりません。では親からの呪いの言葉で自分が染まりきっている方はどうしていけば良いのでしょう。大切なのは「できる
2020年08月20日毎年の夏休みの自由研究、保護者のみなさんはどこまで手助けしていますか?子どものやりたいこと、やる気を引き出しながら、親としていかにうまくサポートできるか…なかなか難しいですよね。今回は、手伝いすぎて大失敗したわが家の例も交えながら、ベストな方法を探ってみましょう。手伝いすぎて大失敗、わが家の例◆小1、学童で作った簡単な工作で選出、本人やる気スイッチオン娘が小1のとき、本人はもちろん、私自身も親として何をしていいのかわかりませんでした。なので、夏休み明けには、本人が夏休み中に学童で作ってきた簡単な工作を提出しました。すると、それがなんと市の作品展に展示されることに!初めてのことに子どもは大喜び!「来年は賞をとる」と気合いが入りました。◆小2、こんなの作りたい!手伝いのパパやる気スイッチオンそして小2のとき。子どもがこんなのを作りたいとアイデアを出したので、パパが担当でお手伝いをすることになりました。純粋に子どもが「こうしたい」と言うのをサポートする感じで、材料集めやひとりではできない部分を少し手伝っていました。この年は、市の作品展に出展、なんと入賞しました。◆小3、子どものやる気を完全に奪ったパパやる気全開小2の入賞後は、俄然、パパのやる気がヒートアップ。小3の夏休みになると、娘に「次はこんなのを作ろうか」と勝手にアイデア出しをして、どうやって作れるのかの詳細をネットで調べ、「こうやったら作れるよ」と提案。盛り上がるパパに言われるがままに、娘は作業を実行。かなり大がかりな作品ができあがりました。大きな作品だったので、夏休み明けは作品を運ぶためにパパも一緒に登校。娘は、自分が作った自慢の作品という思いもないようで、そんな大きな作品を持っていくのもちょっとはずかしいという感じでした。大満足なパパでしたが、その年は、市の作品展に出品されることはなく、教室内での展示にとどまりました。子どもらしい発想の作品がベスト娘が小3のときに作ったものは、金のこをつかって金属を切ったり、電池を使って電気がついたりするものでした。材料も普段目にすることもないものを、パパがお金をかけて用意していましたし、小3が学校で習っている知識のレベルでできるものではなかったので、どう考えても子どもの発想ではないですね。子どもが自分で作れるものではないような作品を作り、結果、子どものやる気を奪ってしまいました。賞をとることが目的ではないですが、子どもの発想と子どもの知識の中でできる作品でないと、評価という面でもマイナスになるんだなと改めて思い知らされました。子どもにやらせなければいけない点、親が手伝うべきこと◆何をするのか、どうやったらそれができるのか子どもが何か言い出す前に、親から「こんなのどう?」と言うのはNG。まずは子どもの意見を尊重しなければなりません。親のアイデアを先に言葉にすると、子どもの発想がそこでストップしてしまうので、子どもがどんなことをしたいのかをうまく聞き出しましょう。そして、それが明確になったら、どうやったらそれができるのかを一緒に考えます。「こうしたい」けれど「どうやったらできるかわからない」ということであれば、少しアイデアを足してあげるといいですね。◆準備するものへの考え方何をするか決まったら、何が必要か一緒に考えて準備しましょう。家にあるもので使えるものはないかを考えたり、買う必要のあるものは、親が買ってくるのではなく、できれば一緒に買いに行きましょう。そして「身近なもので作ることができる」「お金をかけすぎない」ということも頭に入れておいた方がいいと思います。親がつい必要以上にやる気になったり、わが子によりよいものを創作してほしいという気持ちになるのは、よくわかります。ただ、あくまでも「自由研究は子どもの宿題」ということを肝に銘じて、子どもが自分自身でこれをやりたいと思ったものを、どうしたら実現できるのかを一緒に考え、サポートすることが大切だと思います。適度なアドバイスで子どもらしい作品づくりを手助けできるといいですね。<文・写真:ライター鳥山由紀>
2020年08月18日大切なわが子のために、できることはすべてしてあげたいーー。そう考えるのは親として当然です。しかし、勉強面や生活面で干渉しすぎてしまうと、子どもの将来に悪影響を及ぼしてしまう恐れも。今回は、「ハイパーペアレンティング」と呼ばれる “過干渉の子育て” をする親たちについて解説していきます。急増中の「ハイパーペアレンティング」な親とは?「ハイパーペアレンティング」という言葉を初めて目にする人も多いのではないでしょうか?簡単に説明すると、「過干渉の子育て」や「子どもをコントロールしようとする親たち」の総称として使われることが多いようです。いわゆる『教育虐待』もハイパーペアレンティングに含まれると言っていいでしょう。近年増加傾向にある「ハイパーペアレンティング」な保護者たち。その原因として、昨今の不安定で混沌とした社会情勢や、SNSなどの過剰な情報によって保護者のあいだで不安が増大していることが挙げられます。東京未来大学こども心理学部准教授で育児工学者の小谷博子先生は、「決して安定した社会が望めないこれからの時代を生き抜くために、さまざまなものを身につけさせてやりたいと早期教育に走る親たちが増えてきている」と指摘します。また、明治大学文学部教授で心理学者の諸富祥彦先生も、「現在の情報化社会のなかで、親は他人の子育てや家庭教育と自分を比べて不安になり、自己否定することが増えている」と述べており、他者との比較によって不安が増大していることを危惧しています。「ハイパーペアレンティング」は、一見すると “教育熱心な親” として悪くないイメージをもたれがちですが、実際には子どもに大きな負担をかけているケースが少なくありません。さらには親自身も大きなプレッシャーを感じており、親子ともに高すぎる理想に押しつぶされてしまうことも……。子どもを疲弊させる「ハイパーペアレンティング」の例「ハイパーペアレンティング」の具体的な例をいくつか挙げていきましょう。■たくさんの習い事をさせるハイパーペアレンティングの典型と言えるのが「習い事をたくさんさせる親」です。いい学校に進学をしていい会社に就職し、よりよい人生を歩ませるために親は最善を尽くそうとしますが、その手段としてやみくもに複数の習い事をさせることは、間違いなくハイパーペアレンティングです。ひとつひとつの習い事は子どもにとって有効であっても、欲張ってすべてをやらせようとすると、子どもは心身ともに疲弊してしまいます。■予定を詰め込んで “退屈” させない習い事をたくさんさせることと同様に、学校以外の予定を親が勝手に決めてスケジュールを詰め込むのも、ハイパーペアレンティングの一例です。子どもには、ぼーっとする “退屈な時間” が必要。国立大学付属小学校の松尾英明教諭は、「成績だけでなく、人格的な面も含めて “すばらしい” と賞される子は、家でダラダラしていることが多い」と指摘しています。脳を効率的に働かせるためにも、ぼーっと過ごす時間は必要不可欠なのです。■子どもの友人関係に口を出す子どもの交友関係を黙って見守ることができず、つい「あの子とはあまり遊ばないほうがいいんじゃない?」などと口を出してしまうのもハイパーペアレンティングと言えるでしょう。さまざまなタイプの人間と関わって、豊かで深い人間関係を築くことよりも、「わが子にいい影響を与えてくれる子」や「付き合うとメリットがある子」を選ぶことを優先するのは、子どもにとって決してよいことではありません。■子どもの失敗を先回りして阻止するハイパーペアレンティングは、言い換えれば「親の過干渉」です。子どもが何か新しいことを始めようとすると、すかさず情報を集めて「でもこれってこういうところが危ないみたいよ」「やってもあまり意味ないんじゃない?」とやる気を削いだり、実際に手を伸ばして転ぶ前に抱き上げたりするのは、過干渉にほかなりません。失敗を経験しないまま大人になると、わが子はどうなってしまうと思いますか?「ハイパーペアレンティング」は、決して子どもを苦しめたり困らせたりしようとしているわけではありません。根底にあるのは「わが子によりよい人生を歩ませたい」「将来苦労させたくない」という親の強い愛情。親であるならば当然そのように考えますよね。しかし、教育評論家の石田勝紀さんは「親の『子どもにこうなってもらいたい』は押しつけである」と断言しています。親と子では、得意なことも苦手なことも、そして価値観も異なります。だからこそ、親は子どもと自分を同一視するのではなく、子ども自身ときちんと向き合い、子どもが大切にしてる価値観を大事にしてあげるべきなのです。ハイパーペアレンティングにならないためにここまで読んで、「もしかしてうちも『ハイパーペアレンティング』予備軍!?」と心配になった親御さんもいるのではないでしょうか。ハイパーペアレンティングにならないために心がけるべきことをまとめたので、ぜひ参考にしてください。濁協医科大学の永井伸一名誉教授は、「頭のよい子ども、自主的に勉強できる子どもに育つかどうかは、中学生までに親がどう関わったか、それによってどのような脳がつくられたかで決まる」と述べています。大事なのは、「遊び」のなかで学習する習慣をつけること。楽しいと感じれば、脳は活性化し、グングン新しいことを学べるのです。逆に面白がれなかったら、何を見ても聞いても知識は深く根付きません。だから、小さい時から塾に入れてしごいたとしても残念ながら本当に頭のいい子は育たないんです。(引用元:現代ビジネス|「子どもをダメにする」親の研究~3000人の聞き取り調査でわかった!)「塾にさえ入れれば勉強ができるようになる」「たくさんの習い事をさせているから大丈夫」と、根拠のない安心感を得るのは危険です。子ども自身が何を学びたいか、何に興味があるのかを見極めて、環境を整えてあげましょう。教育ジャーナリストの中曽根陽子さんは、「親であるならば『こんな人間に育ってほしい』『子どものときに自分が苦手だったことを得意になってほしい』と願うのは当たり前」としたうえで、親としての究極の願いは「子どもに幸せになってほしい」ということが大前提であると説きます。はたして、親であるみなさんが考える「理想の子ども」は、目の前の我が子とはまったく別の人間になっていないでしょうか。自分が思う理想の子ども像に我が子を当てはめようとして、子どもが「自分らしく自分の強みを生かす」ことを邪魔していないでしょうか。(引用元:STUDY HACKER こどもまなび☆ラボ|親の役目は我が子の「自己探求の力」を育むこと。“理想の子ども像”を押し付けてない?)そして最後に、何よりも大事なのは「親自身が自分の人生を楽しむべき」だということ。諸富先生は、親自身が幸せになることで、子どもは「人生は楽しいんだ!」ということを親の生き方を通じて知るといいます。完璧な子育てをする完璧な親になどなる必要はありませんし、なれるはずもありません。そんなことを考えるより、もっと自分の願望に素直に従って、親自身が幸せになり、子どもに「僕も幸せになっていいんだ」「わたしも幸せになっていいんだ」と思わせてあげる。それが子育てにおいてもっとも大切なことです。(引用元:STUDY HACKER こどもまなび☆ラボ|完璧な子育てを目指さなくていい。親はもっとわがままに“自分の幸せ”を追求しよう)また、前出の石田さんも、親が子どもの「ネガティブな部分」にばかり意識が向いてしまうのは、「親自身が自分の人生を楽しむことに意識がフォーカスできていないことが背景にある」と述べています。子どもの成績や生活態度ばかりに目が向いて、小言が多くなったり過度に干渉したりするのは、親が自分の人生に不満を抱えているケースが多いのです。まずは親自身が自分の人生を楽しむことができれば、心に余裕が生まれます。そうすれば、ありのままのわが子を愛することができるようになるのではないでしょうか。***『100万人が信頼した脳科学者の絶対に賢い子になる子育てバイブル』(ダイヤモンド社)の著者であるジョン・メディナ氏は、「ハイパー・ペアレンティングは、子どもの知能の発達を妨げる恐れがある」と警鐘を鳴らしています。子どもが子どもらしく、健やかに成長するためにも、過干渉にならないように気をつけたいですね。(参考)PHPのびのび子育て 2020年8月特別増刊号,PHP研究所.STUDY HACKER こどもまなび☆ラボ|完璧な子育てを目指さなくていい。親はもっとわがままに“自分の幸せ”を追求しようCHILD RESEARCH NET|スケジュールをつめ込まれた子供:ハイパー・ペアレンティングは避けるべきプレジデントオンライン|なぜ頭のいい子は家でダラダラユルユルか東洋経済オンライン|子どもを追いつめる、親たちの「願望と正論」現代ビジネス|「子どもをダメにする」親の研究~3000人の聞き取り調査でわかった!STUDY HACKER こどもまなび☆ラボ|親の役目は我が子の「自己探求の力」を育むこと。“理想の子ども像”を押し付けてない?ダイヤモンドオンライン|「期待しない子育て」が脳にとてつもなくいいワケ
2020年08月17日■ 前回 までのあらすじ<母が語る物語>高校入学した娘が私のことを「厳しすぎる」と反抗する。しかし親は子どもの言いなりではなく、我慢や忍耐が大切だと考える私は…■わが子を成功ルートに乗せたい■他人が建前しか言ってくれないなら親は…高校の部活は、人生で初めて「自分で選んだ」と思えるものでした。しかし、母は3年間、結局最後まで応援してはくれませんでした。【母の意に反して自分の希望をとおす=母にずっと不快な思いをさせていまう】ということを学びました。逆に、今までは【自分の意に反しているけれども、母の意見に従う=母は喜んでくれる】でした。母の気持ちを殺すか、自分の気持ちを殺すか。どちらもつらいものでした。本当なら、自分の選んだものを母にも応援してもらいたい。もしくは、母の選んだものを自分が心から好きになりたい。でも、それはどちらも無理で、お互いが気持ちよく過ごせる環境はこの世に無いということを学びました。どちらかの意見を尊重すれば、どちらかは苦痛を強いられる。それだったら、女手1つで育ててくれた母に苦痛を与えたくない。自分が我慢するべきだったんだ…。部活を自分で選んだことは、私の中で初めてのチャレンジでした。でもそのチャレンジをしたせいで、そんな「自分の気持ちは殺すべき」という考えがより強まっていきました。文:著者(グラハム子)■グラハム子side STORY→次回は8月27日(木)更新予定です。※この物語は私の経験を基に、一部フィクションもまざっております。
2020年08月14日■ 前回 までのあらすじ<母が語る物語>長所が何もない娘が不憫で、高校入学が決まった段階で、整形させることに…。■どうして娘がすることに親が口出しをしてはいけないの?■「親は絶対だ」この価値観こそ正しい「親は威厳あるものだ」「親を敬わなくてはいけない」「最近の親は子どもに嫌われたくないからって、子どもの好き勝手にさせているバカ親が多すぎる」「世の中は思いどおりにいかないことばかりだから、忍耐を養わねばいけない」当時母がよく言っていた言葉です。当時、【個性を伸ばす教育】が流行り始めた時代でした。母はそれを間違っているとよく言っていました。母には【個性なんてなくていい。潰せ】という教育をされ、学校では【個性を伸ばしましょう】という教育を受けました。もちろん世の中にはいろんな価値観があって良いと思いますが、当時の私は『自分の価値観』を自分でまったく信じていませんでした。ずっと母から自分を否定されて育ってきたので、「自分の価値観はすべて間違っている」と思い込んでいました。だから「外で良いとされること」が「良い価値観である」という生き方をしてきたのです。しかしここにきて、外からの価値観が母と学校とでバラバラになってしまい、もう何が正しいのかもわからなくなっていき…。ただただ生きづらかったのを覚えています。文:著者(グラハム子)■グラハム子side STORY→次回は8月14日(金)更新予定です。※この物語は私の経験を基に、一部フィクションもまざっております。
2020年08月13日「それに触っちゃダメ!」と言うと逆に触ってしまうのは、好奇心旺盛な子どもあるあるですよね。普段なら「触らないでって言ったでしょう!」と叱るところですが、今回ご紹介するのは、そんな子どもの習性を生かしたとっても楽しい絵本です。 気になる表紙に惹かれて絵本を購入本屋で子どもと絵本を見ていると、赤いボタンと『ぜったいに おしちゃダメ!』(サンクチュアリ出版、税抜き980円)というタイトルだけが書かれた絵本が目に入りました。表紙にはビル・コッター作と書かれていて、海外の絵本を読んだことがなかった私は少しためらったのですが、5歳と6歳の子どもたちの目はそのボタンに釘付け! 裏返してみると、ボタンの裏側が書かれているだけでお話の内容はうかがい知れません。となると、大人の私も内容が気になります。子どもたちの直感を信じて絵本を購入してみることに。 表紙の質感がおもしろい♪絵本に巻かれていた透明のセロファンを剥がしてみると、ザラザラとした質感がありました。赤いボタンの土台として描かれている灰色の部分の質感が変わっているのです。そうすることで真ん中の赤いボタンがのツヤツヤがより際立って魅力的……! ドキドキしながら絵本を開いてみると、なにやら紫色の体に2本の角が生えたモンスターのような生き物が、絵本のルールを説明してくれていました。そのルールは「このボタンをおしちゃダメ」というもの。すでに押したくて仕方ない子どもたちですが、「このボタンをおしたら何がおこるかわからない」と言われて、グッと我慢していました。 この絵本の読み聞かせポイント!紫色の生き物はラリーという名前なのですが、翻訳絵本ということもあり、とても語り口調が軽快! 子どもが表紙にも描かれているボタンを押したくなるように誘います。 海外ドラマの吹き替えのように、ちょっとオーバーに抑揚を付けて読むと、聞いている子どもも読んでいる私も楽しくなりました。ラストは怖いものではないので、子どもたちと一緒にイタズラをするような気持ちで読み終えることができます! 「おしちゃダメ!」と言われたとき、子どもたちはすぐさま押してしまうだろうなと予想していたのですが、意外なことに幼稚園年長の長男と年少の次男が顔を見合わせて「どうする?」と相談していました。普段のイタズラもこうやって相談しあっているのかなと思うと、笑ってしまいました。 ※本記事の内容は公開時に確認した情報のため、商品によっては変更となっている場合があります。 著者:田丸あかね現在、小学校1年生と幼稚園年中の兄弟を子育て中。性格の違う子どもたちの成長を楽しみつつ、自身の体験をもとに、妊娠・出産・子育てに関する体験談を中心に執筆している。
2020年08月13日いつの時代も親は子どもを心配するものですが、少子化が進んでいるいまは、心配性の親が増加していると言われます。子どもを保育園に預けるとき、「ちゃんと園生活を楽しめるかな……」「誰かに迷惑をかけないかな……」と心配する人もいることでしょう。そこで、保育現場で実際に子どもたちの様子を見ているカリスマ保育士・てぃ先生に、心配性のみなさんに向けてメッセージを頂きました。構成/岩川悟取材・文/清家茂樹幼いときから集団生活になじめることが重要ではないお父さんやお母さんはとても心配性です。「うちの子は、園になじめていますか?」「集団生活になじめる子とそうではない子では、どこに違いがあるのでしょう?」なんて質問を受けることもあるほどです。でも、あまり心配しないでください。これはあくまで個人的な考え方になりますが、幼いときからうまく集団生活ができることは、そんなに重要ではないと感じるのです。就学前の幼い子どもが、「みんながやるから、僕もこれをやる」というふうに考えすぎることのほうが、私からすれば心配。むしろ、「みんなはこれをやっているけど、僕は違うことをやりたいんだ!」なんて思う子のほうが、将来はすごい人間になるのではないかとも思っています。親御さんとしては、「集団生活ができずに、先生たちや友だちに迷惑をかける子どもにはなってほしくない」という思いがあるのでしょうね。でも、保育士たちは、子どもに対応するプロフェッショナルです。多少自分勝手で集団生活になじめないような子に対しても、うまく対応するすべはいくらでももっていますから、安心してお子さんを預けてほしいと思います。子どもが暴力をふるったときに有効な「代弁」でも、「そうはいっても、さすがに友だちを叩くなどの暴力をふるうのはまずい」と感じる人は多いでしょう。そういうことが起きた場合の対応法をお伝えします。そもそも、子どもが友だちなど他人を叩くといった行動をするのは、自分の気持ちをうまく表現できないからです。幼い子どもは言語能力が未発達なので、頭のなかでイメージしたり考えていたりすることをうまく言葉にできません。そのため、なにか嫌なことがあったときには、言葉ではなく手が出るということになるのです。そこで必要になるのが、子どもが思っていることを大人が言葉にする「代弁」という作業です。子どもが友だちを叩いた理由を推測し、「おもちゃを取られちゃった?」「なにか嫌なことを言われたの?」というふうにどんどん投げかけるのです。そうして、子どもが友だちを叩くという行為に至った本当の理由を見つけ、「あなたの気持ちはちゃんとわかったから大丈夫だよ」と子どもに共感したうえで、「でも叩いたらだめだよ」と伝えてあげなければなりません。そうでないと、その子からすれば、自分の気持ちをなにひとつ受け止めてもらっていないのに、ただただ「お前が悪い」「手を出すな」と一方的に叱られていることになってしまいます。また、子どもの暴力は、保育園の先生や友だちだけではなく、親に向かうこともあります。そんなとき、たいていの親は「叩いたらだめでしょ!」と、子どもを非難する叱り方をするものです。でも、この叱り方では子どもの心にあまり響きません。子どもたちには、自分を否定されるよりも、相手が嫌な思いをしているとわかることのほうが強く響きます。その相手が、本当は大好きなお父さんやお母さんだったらなおさらです。ですから、もし子どもに叩かれたりかみつかれたりした場合には、「ママ、痛かったよ」「パパ、悲しいな」といった言葉をかけてみてください。きっと、子どもなりに反省してくれるはずです。具体的な質問で、子どもの園生活をイメージするこのような、子どもが園になじめているか、子どもが困った行動をしていないかといったことが気になる親は、子どもが家に帰ってきたときに、園でなにをしていたのかを聞きたがるものです。その質問は、たいてい「今日、なにやったの?」というものでしょう。でも、この質問では子どもはうまく答えることができません。なぜかというと、子どもにとっては質問されている内容が広すぎるからです。そのため、どのことを答えていいのかわからず、結果的に「わからない」「知らない」といった答えを返すことになります。そうではなくて、具体的に質問しましょう。そもそも、質問するからには親には聞きたいことがあるはず。それら聞きたいことの要点を絞って細かく聞くのです。「今日はなにをして遊んだの?」ではまだ広いですね。「今日はブロックで遊んだ?」「おままごとした?」というふうに具体的に聞くべきです。子どもが「おままごとしたよ」と答えたら、「おままごとでどんなことをしたの?」ではなく「お料理したの?」というふうに聞くという具合です。要は、子どもが「イエス」「ノー」でぱっと答えられる質問をするのです。そうすれば、親からしても、子どもの園生活の自分には見えない部分も具体的にイメージすることができるようになると思います。こういった心配性の親は、「100点満点の親」を目指しているのかもしれませんね。満点を目指すから、子どもに関するあらゆることが気になってしまうのでしょう。でも、冷静にまわりを見回してみてください。100点満点の親なんてどこにもいませんよね?100点満点の子どももいません。親も子どもも65点や70点で十分ではないですか?そういう考えが心に余裕をもたせてくれるはずです。そして、なにより親であるみなさん自身の幸せをもっと追求してください。親は、子どもの幸せばかりを願うものです。でも、まず親が笑顔でなければ子どもも笑顔になれません。親が自分の幸せを追求することが、結果的に子どもの幸せにもつながるのではないでしょうか。『保育士てぃ先生のつぶやき日誌 きょう、ほいくえんでね…!!』てぃ先生 著/マガジンハウス(2019)■ カリスマ保育士・てぃ先生 インタビュー記事一覧子どものイヤイヤを減らすコツは、こっそり○○すること【てぃ先生インタビューpart1】子どもが甘えん坊すぎて困るなら、親はシンプルにコレをすればいい【てぃ先生インタビューpart2】「ひとり遊び」に熱中してこそ、友だちとも遊べるようになるワケ【てぃ先生インタビューpart3】園生活の様子が心配なら、子どもにこんな質問をしてみよう【てぃ先生インタビューpart4】【プロフィール】てぃ先生(てぃせんせい)1987年2月8日生まれ。関東の保育園に勤める男性保育士。ちょっと笑えて、かわいらしい子どもの日常をつぶやいたTwitterが好評を博し、フォロワー数は50万人を超える。著書『ほお…、ここがちきゅうのほいくえんか』(KKベストセラーズ)は15万部、Twitter原作の漫画『てぃ先生』(KADOKAWA)は20万部を超えるヒットを記録。他に、『ハンバーガグー!』(ベストセラーズ)、『せんせい!きいて! 園児がくれた魔法のことば』(リクルートホールディングス)などの著書がある。現在は、保育士の専門性を生かし、子育ての楽しさや子どもへの向き合い方などをメディア等で発信。全国での講演活動は年間50本以上。他園で保育内容へのアドバイスを行う「顧問保育士」の創設と就任など、保育士の活動分野を広げる取り組みにも積極的に参加している。【ライタープロフィール】清家茂樹(せいけ・しげき)1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。
2020年07月20日2歳になる息子は保育園に通いだしてからというもの、お友だちに顔や腕などを噛まれてしまい、ケガをして帰ってくることが多くなりました。本人はあまり気にしていないようでしたが、親としてはどうしても心配するものです。そんなときの対策について考えてみました。 息子が噛まれた!保育園に通い始めてからしばらく経ったある日、保育士さんが申し訳なさそうな顔で話しかけてきました。聞いてみると、息子が腕をお友だちに噛まれてしまったとのこと。痛々しく、歯形のあざができていました。痛かっただろうな……と思いました。 でも、もしかすると息子がお友だちが遊んでいたおもちゃを取ってしまったのかもしれない。息子もやり返しているかもしれない。2歳児のすることだし、仕方がない。その日はそんな気持ちで帰りました。 またまた噛まれてしまった…次の週。今度は顔を噛まれていました。その数日後は肩。その数日後は背中。その後も週に1回から2回噛まれることが3カ月ほど続きました。息子本人は噛まれた直後は痛くて泣くようですが、私と会うころには噛まれたことなど忘れている様子。 とはいえ、私がさすがに気になってしまい、なぜ噛まれているのか保育士さんに聞いてみました。すると「お友だちの1人がどうしても〇〇くん(私の息子)が近くにいると気になるようで、突然噛んでしまうんです。なるべく離すようにはしているのですが……」とのことでした。 息子がやり返していないのならよかったという気持ちと、この頻度で噛まれていると保育園を嫌いになってしまうのではという気持ちがわき上がりました。 親としての気持ちを保育園に伝える保育士さんたちは、できるだけのことをしてくれているのだと思います。また、噛んでくるお友だち自身も悪気があるわけではなく、かまってほしいとか、何か嫌なことがあったとか、さまざまな原因でそうしているのだろうと思います。 家族は「どの子に噛まれているんだ!」と相手を特定しようとしました。しかし、噛んでくるお友だちが誰かを知ったところで、「あの子は息子を噛む子」と嫌なイメージがつくだけで、なにもすることはできません。ただ、「噛まれていることを心配に思っている」ということを保育園に伝えることだけはしておきました。 保育園がきちんと対応してくれた!3月初めより、保育園のクラス分けがおこなわれ、今までと違う生活が始まりました。すると、息子がケガをして帰ってくることがなくなったではありませんか! おそらく保育園が、息子を噛んでしまうお友だちとはクラスを分けてくれたのだと思います。 子どもの保育園生活で不安なことがある場合は、園にきちんと伝えることで対応してもらえるのだと安心感が増しました。 今後も子ども同士のトラブルを見つけた場合は、園に相談してみようと思います。どうしても集団生活ではトラブルがつきものですが、息子の気持ちに寄り添いながら、保育園と協力して息子を見守っていきたいなと思いました。 著者:岩谷ともこ2歳男児を持つシングルマザー。社会人をしながら博士号取得中。育児・離婚・資産運用について執筆中。
2020年07月08日長ーい休校休園が終わりましたが、外出はなるべく控えようという段階の今。やりたいことはめっちゃあります。※この記事は、6月前半の体験談を基にしています。■今の気分を一新するためにしたいことまずは自粛をしている今やりたいこと!いやなんかもうハッピーな色に囲まれたいんやろな、私。どうしても感染症の蔓延でできないことが多くて鬱々としてしまうので、色の力でテンション上げたいんですよね。■子どもと外出を思いっきり楽しみたい!次は今後していきたいこと!(感染症が落ち着いたら…)子どもたちが行きたがってるテーマパークや映画館、その他諸々レジャー施設に行きたい!行きたがってるテーマパークは、京都の我が家からだいーぶ東の方にあるんですが、予算的にちょい西の映画のテーマパークでお願いしたい。なんてったって無料券があるのよ。コロナのコの字もない時期にもらったやつ。ね、西の方にしよ?そして観たい映画はイチコも二太郎も大好きなプリ○ュア。最新作が延期になった上、休園休校中に家で過去の映画を観まくってプリ○ュアに大ハマりだった2人(と私)…。歴代のメインキャラもほぼ覚えちゃったんじゃないかな。そうしたらもう親子で行くしかないよね!!あとは水族館に動物園に牧場に博物館に…とにかくレジャーがしたい。家族でちょっと遠出したい。そしてしたいことの最後…何よりコレ!マスクせず、密集してワアワア遊びたいよォ〜!!!幼稚園も小学校も、行事がなくなったり給食が1品減ったり、楽しみが減ってて親は悲しい!(子どもらには黙ってるけど)少しでも早く元の生活に戻るために、引き続き気を引き締めつつ、でも緩めていいところは緩めつつ、ウィズコロナの日々を過ごしていこうと思います。\モチコさんの人気記事が動画に!/ 母ちゃんTVはコチラ チャンネル登録お願いします♪
2020年07月06日「ああ、今日も怒ってしまった……」と自己嫌悪に陥っていませんか。冷静に何が悪いのか説明してしかりたいのに、ついつい感情に任せて怒ってしまう。もしかしたら、世間の目にストレスを感じてしまっていることが、原因の1つかもしれません。 周囲からのプレッシャーから怒ってしまう電車に乗せたら静かにさせなければならない、レストランにはうるさくて連れていけない、外でお行儀よくしてもらうためにしつけをしっかりしなければならない。そう思っているママやパパは多いと思います。でもちょっと待ってください。それは本当に子どものためでしょうか。 もちろん、大人になって将来子どもに恥ずかしい思いをしてほしくないという親心も多分にあると思います。けれどそれよりも、きちんとしつけなければダメな親と思われてしまう、と自分を追い込んではいないでしょうか。 「ほめて育てる」に追い込まれないまた最近よく言われる「ほめて育てましょう」というのを実践しようと頑張っているママやパパもいると思います。けれど、現実問題としてはなかなか難しいことです。 ほめることより、しかることのほうが多いのが子どもですから、そうそうほめてばかりでは育てられません。そして、ほめずに怒ってしまう自分を責めてしまっているのではないでしょうか。 「ほめて育てましょう」といっても、ほめるべきときにほめるようにするというのが大切なのであって、なんでもかんでも「ほめましょう」という話ではありません。怒りたいときは怒ってもいい、と割り切るのも1つの手です。 自分の考え方を見直してみる生活している以上、世間の目は避けられませんし、むやみに怒るのは子どもにとっても自分自身にとっても良いことではありません。怒りの感情は、自分がこうだと思っていることに当てはまらない場合に起こります。怒ってばかりと思ったら、何に対して怒りの感情が湧きやすいのか考えてみることをおすすめします。ダメな親と思われたくないという感情が自分に強いと感じたら、それによって子どもに弊害がないのか、その弊害と自分の感情のどちらを優先すべきなのか、冷静に考えられるときにじっくり考えてみることで、怒りの感情を抑えられることがあります。 子育てには「世間の目」はつきものです。しかし、情報が多いゆえに、これをしなければ、あれをしなければと知らず知らずのうちに、子どものことよりも「世間の目」が基準になってしまっているかもしれません。そうすると、本質的にものごとを見られなくなり、自分を追い詰めてしまう状況をつくり出しやすくなります。世間の目のストレスが自分にないか整理してみるだけでも、自分が何に怒っているのかがわかるかもしれません。 著者:ライター メンタル心理カウンセラー・上級心理カウンセラー カトウ ヒロコメンタル心理カウンセラー・上級心理カウンセラー。また、フリーのWEBプロデューサー&ライターとして活動中。
2020年06月14日子どもに対してついつい言いすぎて、「あんなこと言わなくてよかったのに…」と後悔したことはありませんか? もっとも近い存在であるがゆえに、遠慮がなくなってしまいがちな親子関係。そのなかで、時に子どもを傷つけてしまうこともあるかもしれません。今回は、親から子どもへの言葉のかけ方について、考えてみたいと思います。■子どもに言って後悔した言葉ある?アンケートでは、子どもに言って後悔した言葉があるかどうか聞きました。その結果、「ある」、「少しある」と答えた人が合わせて92.4%となり、じつに9割以上の人たちが、子どもにかけた言葉に何かしらの後悔の気持ちを抱いた経験があることがわかりました。Q.子どもに言って後悔した言葉ある?ある 76.5%少しある 15.9%ほとんどない 4.8%ない 2.2%その他 0.6%■後悔の言葉1、子どものことを否定する9割以上のパパやママたちがかけてしまったことのある、後悔の言葉。子どもにどんな言葉をかけて、後悔しているのでしょうか。「娘から『すごい?』って聞かれた時に、『別にすごくない』と答えたことがありました。何で『すごいね』ってほめてあげられなかったのか、たまに思い出します」(栃木県 50代男性)「『何であなたは○○なの?』という言い方。理由なんかないし、これは子どもをもっとも簡単に、かつ強烈に否定する言葉だと気付いたのは育児を始めて何年経っていただろう…」(神奈川県 40代女性)「高校生の娘とかなり激しい言い合いになった時、『あなたと話してると自分がイヤな人間になってくる』と言ってしまったこと。娘は、『そんな事言われたの初めて』と、とても悲しそうな顔をしていました」(神奈川県 50代女性)「宿題も、次の日の準備も、連絡帳の記入も、授業態度も芳しくない息子のチェックにウンザリして、つい『ちっとも頑張らないね』と言ってしまった。息子が目に涙を浮かべながら、私をにらみながら、『オレはいつも、いつも、頑張ってる!』 と、言ってきました。 他の誰に言われても、私だけはこの言葉を言ってはいけなかったと、深く後悔しました」(神奈川県 50代女性)そのほかにも、「『嫌い!』親からは絶対言ってはいけない言葉。この一言で子どもの顔色が変わった」とか、「『なんでこんなこともできないんだ』私でもいまだにできないこと、忘れることもあるのに…」というコメントも寄せられてました。どのコメントを見ても、その時にみずからが発してしまった言葉への後悔の思いが伝わってきます。子どもにとっても、自分自身を否定されるような言葉は、きっとつらい記憶として残っているのかも…と考えると、胸が苦しくなります。■後悔の言葉2、人と比べてしまうまた、「子どもを人と比べてしまって後悔した」という声も集まっていました。「仲のいい友達と比べてしまい、『〇〇くんは〇〇なのに』とか言ってしまうことが多い」(千葉県 40代女性)「『お兄ちゃんは〇〇できるのに、 あなたはどうしてできない!』ですね。子ども、一人一人得意なこと、苦手なことがあるのに、兄弟内で比べてしまった」(愛媛県 40代女性)「野球を始めた長男。つい周りの子と比べて試合での失敗を強めに責めてしまい、今でも後悔しています」(千葉県 30代女性)同級生や兄弟など、子どもの身近にいる人とついつい比べてしまう言い方をしてしまった経験のある人も少なくないかもしれません。筆者も、小学2年生の長男が、自分で始めると決めた水泳の習い事に行くのを嫌がった時、思わず「○○くんは水泳を頑張って続けて、もうクロールができるらしいよ〜」と言ってしまったことがあります。言われた長男は、悔しそうな表情で口を一文字に結んでおり、「あ、しまった」と一瞬で後悔しました。■後悔の言葉3、理不尽な言葉をかけてしまったコメントの中には、理不尽な言い方をしてしまったという後悔の言葉も寄せられていました。「『お兄ちゃんでしょ! お姉ちゃんでしょ! 我慢しなさい!』」(千葉県 40代女性)「娘とケンカになるとつい、『お父さんとソックリだね』と言ってしまい後から後悔してしまいます」(岩手県 50代女性)「仕事との両立に自分に余裕がなくて、話しかける子どもについつい、『うるさい! 待っていなさい!』と連日言ってしまった。泣きながらベッドにうずくまっているのを見て、後悔しました」(神奈川県 50代女性)「自分が子どもの頃親から言われて傷ついた言葉ほど記憶に残っていて。なぜかその言葉を我が子にぶつけてしまったことが大きな後悔です」(奈良県 30代女性)親の方も心に余裕がなくなってくると、きちんとした理由もなく、子どもに対して当たってしまうこともあるのかもしれません。■後悔の言葉4、親の都合を押し付けるさらに、親の都合を子どもに押し付けてしまったと後悔している人も。「子どものやる事なす事に『時間がないからはやくはやく』と水鉄砲のごとく後ろから強引に押し出す感じでやっていました。今思えば気持ちに余裕が全然なかったですね」(千葉県 40代男性)「夕飯の支度中にめずらしく長男が、『あのね、あのね…』って話しかけてきたとき。『あとでね』と言ったが、『さっきの話、何だったの?』と聞いても、『もういいや』とそれきりになってしまった。その時に聞いてほしかったんだなぁ、と反省しきり。子どもに、『あとでね』は二度とないんだと思う」(神奈川県 50代女性)「私自身も体調がすぐれないのと、気持ちがしずんでいる時に、息子が、言うことを聞いてくれなくって、『悪い子はどっかいってしまえ』って言うてしまったことがあります」(大阪府 30代女性)「小さい頃、『遊ぼ!』と言われて仕事で疲れているときは適当な理由で断ったりしていたことを後悔しています。仕事は誰でもできるし代わりなんかいくらでもいるけれど、この子たちの父親は自分だけという当たり前のことが当時はあまり考えませんでした。いろいろと遊んでいたものの、あのかわいい時期にもっと遊んであげればよかったと後悔しています」(神奈川県 50代男性)子どもが親を必要としているタイミングで、時間を取ってあげられなかったことに対して、後悔しているパパやママが多いようですね。どのコメントからも、親の悔いが感じられて、身につまされます。また、今の時期ならではのこんなコメントも。「とくに今の時期、学校がコロナの影響で休校になり、夏休みのロングバージョン。習い事は全部休講、イベントも全部中止、遊べる場所も臨時休業…。行き場のない子どもと狭い家の中で24時間一緒にいると、こちらの精神状態もおかしくなり、ついついヒドイことを言ってしまいます。自分でもどうしたら良いかわからず、助けてほしいです」(神奈川県 40代女性)感染症が拡大している影響で、子どもと家で過ごす時間が増えたことによって、いつもよりもひどいことを言ってしまうという悩みを抱いている人もいるようです。おそらく、同じように感じているパパやママも多いのではないでしょうか。■言ってしまってフォローはどうする?それでは、言葉をかけてしまった後に、パパやママたちはどのようなフォローをしているのでしょうか。「イライラ口うるさく注意してしまい、すやすや寝ている姿に、『ゴメンね』と涙がでます。気持ちに余裕ができたときに『大好きだよ』とギューしたり誉めたりを心がけています」(千葉県 40代女性)「最終的に怒鳴ってしまい、後で反省しています。子どもには、後で冷静になってから、説明したり、謝ったりします」(新潟県 40代女性)「数えきれないくらい、大人の都合でしかって自己嫌悪…。子どもには必ず謝っています。私が子どもの頃、親は絶対に私に謝ることはしなかったけど、私は必ず謝ります」(神奈川県 30代女性)「イライラMAXになるとついつい言っちゃいます。母親だって人間なんだから感情があるのです。『なんでもかんでもワガママ言うのはやめて』って言いました」(福島県 30代女性)フォローする上では、自分自身の気持ちをしっかりと伝えることを大切にしている親が多いように思います。また、言ってしまった言葉に対しては、「ごめん」と謝罪するというコメントも多く見受けられました。■親子のコミュニケーションを円滑に行うために必要なことそれでは、子どもを言葉で傷つけないために、親はどのようなことを心がければいいのでしょうか。▼言葉のかけ方1、言われて嫌なことは言わない「私自身が『長女なんだから』や『女の子なんだから』とよく注意されて嫌だったから、子どもには言わないようにしている」(愛媛県 30代女性)「『怒る』『しかる』『注意する』はすべて違うから、人に言われてイヤなことは自分もイヤという考え。だから後悔するだろうことはまず自分に置き換えるかな」(広島県 40代女性)▼言葉のかけ方2、感情にまかせて話さない「しかるときはなぜしかられるのかを、どうすればしかられないのかはちゃんと説明している」(三重県 40代女性)「イライラしてつい言ってしまったことでも、子どもにとっては一生傷として残る場合もある。人間関係は子どもであっても夫であっても、みんな一緒です。言葉一つで相手を殺してしまうことだって。一つ一つ考えて話しています」(北海道 30代女性)▼言葉のかけ方3、言葉を発する前に一呼吸「怒りに任せて言葉をかけることはないです。イラッときても、『ひと呼吸』が大事ですよね」(鹿児島県 40代男性)「日々気をつけて過ごしていますが、やはり余裕ない時にふと言ってしまうことがあります。余裕がない時こそ、深呼吸して間を置いて気持ちに余裕を持てるといいです」(神奈川県 40代女性)「精神的に余裕がなくなってる時は、感情に流されガツっと言ってしまう時がありますが、最近は、少し深呼吸したり自分に落ち着けって言い聞かせてから言うようにしています」(三重県 40代男性)ここまで、子どもに言って後悔した言葉について、アンケートを元に見てきました。親とは言っても、一人の人間。だからこそ、ついかけたくない言葉をかけてしまうこともあるのだと、気づかされます。最後にこんなコメントもご紹介します。「親だって人間です。完璧じゃありません。子どもと一緒に成長させてもらっていると思っています。感情的に怒ってしまうこともあります。悪いことをしたら、子どもにだって謝ります」(宮城県 40代女性)「親が言い過ぎたと思っている時は、子どもも傷付いていますよね。そう思った時はすぐに謝ります。子育てさせてもらいながら、親も育ててもらっています」(神奈川県 40代女性)最初から完璧な親はなく、ついつい発してしまった言葉に後悔するのは、多くの親が通る道でしょう。でも誤った時には謝れるような関係性を普段から築きたいところ。今回の感染症の拡大では、自宅で家族で過ごす時間が長くなり、いつもよりもコミュニケーションが増えたという家庭も多いかもしれません。筆者も、仕事中に何度も話しかけられ、「ちょっと待ってよ!」とついつい大きな声を出してしまい、子どもの悲しそうな顔を見ては後悔することも。「こんなに長時間一緒にいられる機会なんて、これから先もうないのかもしれない」と思うと、もっと丁寧にコミュニケーションを取ればよかったという気もしています。親が子どもを世話するという関係性から、つい子どもに対しては強く言いすぎてしまいがち。そして怒りの火が点火してしまうと、より傷つける言葉が口から飛び出てしまうことがあります。きつい言葉の心底に、愛情が含まれているから…と考えるのは親の言い訳にしかならないのかもしれません。もしパパママが叱りすぎているなと感じたら、どこかで息抜きしたり、愚痴を聞いてもらうといいかもしれませんね。パパママ自身の気持ちがトゲトゲしていたら、まずはそれを解消する方法を探すことも大事だと思います。だって、子どもを傷つけたいと思っている親はいないはずですから。子どもにつらい顔をさせないよう、そして自分も後悔しないような、温かい言葉がけをしていきたい。そのためにはどうしたらいいのか? パパママが心に少しでも余裕が持てるような工夫も考えながら、子どもとの温もりあるコミュニケーションができるようになるといいですね。Q.子どもに言って後悔した言葉ある?アンケート回答数:4729件 ウーマンエキサイト×まちcomi調べ
2020年06月14日子どもに対して、「勝手に育ってくれ」なんて思っている親はまずいません。親それぞれに理想の子育てがあるからです。そのため、自分の理想から外れるようなことを子どもがすると、どうしても親子でぶつかりがち。アメリカの臨床心理学者であるトマス・ゴードン博士が、心理学、教育学、発達心理学をベースに開発したコミュニケーション訓練プログラム「親業」のインストラクターである親業訓練協会の瀬川文子さんは、親子間の問題を解決するには「勝負なし法」がベストだと言います。しかも、この方法には子どもの創造性を伸ばすというメリットもあるのだそう。構成/岩川悟取材・文/清家茂樹写真/石塚雅人親子間における問題の解決法は3種類「親業」においては、親子間における問題を解決するには3つの方法があると考えています。よく使われるのが、親の意見や考えを無理やり子どもに押しつけて従わせる方法です。これをわたしたちは、「第1法」と呼んでいます。一方で、スーパーで子どもに「お菓子が欲しい」と駄々をこねられ仕方なく親が従うということもある。これは、子どもが自分の考えを押し通したケースで、「第2法」と呼ぶものです。これら第1法と第2法には、勝ち負けが存在します。第1法なら親が勝ちで子どもが負け、第2法なら子どもが勝ちで親が負け。これら勝ち負けがある「勝負あり法」は、力技です。力を使われて負けたほうは、勝ったほうに対してもどうしても不満を持ってしまう。そのため、いい関係を築きにくくなります。でも、3つ目の問題解決の方法である「第3法」と呼ぶものは、勝ち負けがない「勝負なし法」です。この方法では、本来、子どもより力を持っている親は、その力を使わずに子どもとの話し合いのテーブルにつきます。いわば、横並びで対等になるわけです。そして、子どもと同じ目線に立ち、互いが納得できる解決策を話し合いながら探していくのです。もちろん、子どもの側も子どもなりに考えて解決策を出します。そのため、互いに不満が残らないのです。「勝負あり法」が子どもの育ちに与える悪影響もちろん、「勝負なし法」で親子間の問題を解決することが信頼関係を強めます。第1法、第2法では、親子のどちらかに不満が残ること以外にも、大きなデメリットがあります。それは、子どもの育ちに悪影響を与えるということ。第1法では、指示命令によって親の言いなりに子どもを育てることになります。そのため、子どもは、「言われたことはやるけど、言われなければやらない」という、いわゆる「指示待ち人間」になってしまうでしょう。これからの時代に大切だとされる、自立心や主体性がまったく育たないということになりかねません。また、第2法の場合には、子どもは常に自分の要求が通るために、すごくわがままで傍若無人に育ってしまう可能性を秘めています。もちろん、その要求を親だけに向けるのではなく、友だちなどまわりの人にもそうするでしょう。それでも、未就学児の頃までならなんとか社会生活ができるかもしれません。でも、小学校に入学したらそうはいかない。先生からは叱られ、友だちには嫌われる……。そうして、不登校になるといったことだって否定できません。さらに、第2法を使い続けると、年齢に応じて要求が大きくなることも問題です。スーパーでお菓子をねだるくらいならまだかわいいものですが、10代も後半となったら、バイクや自動車をねだるといったふうに要求はエスカレートするでしょう。そのときになって「これじゃ駄目だ」と慌てて第1法に変えようものなら、それこそ親子間のバトルが勃発してしまいます。子どもが一生懸命に考えることで、創造性が伸びる一方、「勝負なし法」である第3法の場合には、親子双方に不満が残らないことのほかにもメリットがあります。それは、子どもの創造性が伸びるということ。なぜなら、子どもが自分で「どうしたらこの問題を解決できるんだろう?」と一生懸命に考えるからです。いろいろな経験があるために「こういうケースはこうするべきだろう」と考えがちな親よりも、むしろ子どものほうがよほどおもしろくて自由な解決策を提案するということも珍しくありません。これは親子が衝突したケースではありませんが、かわいらしくて楽しいエピソードをひとつ紹介しましょう。わたしたちが行なっている親業訓練講座(インタビュー第1回参照)を受講したお母さんから聞いたお話です。そのお母さんには3人の子どもがいます。そして、問題となっていたのが、「寝るときにお母さんの隣を3人の子どもが取り合う」ということでした(笑)。子どもは3人なのに、お母さんの隣はふたつしかありませんからね。どうすればいいかと話し合ってみると、子どもたちは、じつにおもしろくて自由な解決策をどんどん提案しました。たとえば、「ひとりはお母さんの上で寝る」とか。それから、「みんなで寝られる大きい布団を買う」という意見も。その子の視点からは、同じ布団に入っていたら隣で寝ているという感覚なんですね。そんな発想は大人にはありません。このケースのように、なにか問題が生じたとしても「勝負なし法」によって子どもの発想を面おもしろがるような姿勢が、親子間の問題解決には大切なのかもしれません。子どものおもしろい発想に親が笑ってしまったら、それこそ衝突どころではありませんからね。『あっ、こう言えばいいのか! ゴードン博士の親になるための16の方法 家族をつなぐコミュニケーション』瀬川文子 著/合同出版(2013)■ 親業訓練協会インストラクター・瀬川文子さん インタビュー記事一覧第1回:子どもが反発ばかり……親子関係の問題を劇的に改善する「双方向」のコミュニケーションとは第2回:繰り返す、言い換える、気持ちを汲む。親の「能動的な聞き方」が、子どもを問題解決に向かわせる第3回:「私メッセージ」の叱り方で子どもが変わる! 親は怒りではなく“第一次感情”に注目して第4回:親子の衝突を解決するには「勝負なし法」がベスト。勝敗を決めるのは、子どもの育ちに悪影響【プロフィール】瀬川文子(せがわ・ふみこ)1954年8月28日生まれ、東京都出身。親業訓練協会シニアインストラクター。1973年、日本航空に客室乗務員172期生として入社。14年間の国際線勤務の後、結婚のために退社。1998年、コミュニケーション訓練のプログラム「親業」の指導員資格を取得。2002年、CAP(子どもへの暴力防止プログラム)スペシャリストの資格を取得。2003年、親業シニアインストラクターの資格を取得。2006年、『ママがおこるとかなしいの』(金の星社)で絵本作家としてデビュー。同年、親業訓練協会インストラクター養成担当となる。2015年、日本アンガーマネジメント協会ファシリテーターの資格を取得。現在は、親業訓練協会の運営に関わりながら、医療、介護、教育の各機関、企業、家庭を対象に、「想いが伝わるコミュニケーション」を軸とした講演会等を全国各地で行うなど活躍の場を広げている。主な著書に、『聞く、話す あなたの心、わたしの気もち いじめない、いじめられない子どものためのコミュニケーション』(元就出版社)、『ほのぼの母業のびのび父業 ゴードン博士に学ぶ 21世紀の家庭へ わかりあえるコミュニケーション訓練』(元就出版社)、『職場に活かすベストコミュニケーション ゴードンメソッドが職場を変える』(日本規格協会)がある。【ライタープロフィール】清家茂樹(せいけ・しげき)1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。
2020年06月10日「何度言っても子どもが言うことを聞かない」「いつも同じことで叱っている気がする」――。これはもう、親にとっての「あるある」でしょう。そういうことが起こる原因はどこにあるのでしょうか。アメリカの臨床心理学者であるトマス・ゴードン博士が、心理学、教育学、発達心理学をベースに開発したコミュニケーション訓練プログラム「親業」のインストラクターである親業訓練協会の瀬川文子さんに、対処法と併せて教えてもらいました。構成/岩川悟取材・文/清家茂樹写真/石塚雅人(インタビューカット)「あなた」を主語にした叱り方が子どもの反発を招くNGな叱り方をひとことで言うと、「『あなた』を主語にした叱り方」です。子どもを叱るのは、たいてい子どもの行動に対して親が気に入らないとき。すると、「どうしてそんなことするの!」というふうな表現になります。主語を省略することが多いのが日本語の特徴であるためにわかりづらいかもしれませんが、これは、「(あなたは)どうしてそんなことするの!」と、「あなた」を主語にした叱り方です。「(あなたは)なにやってるの!」「(あなたは)またそんなことして……」も同様。そして、これら「あなた」を主語にした叱り方には、相手を責めるニュアンスが強く含まれます。そのため、責められたほうは言い訳をしたり反発したりしたくなるのです。親からしたら気に入らない行動も、子どもからすれば「親に迷惑をかけてやろう」なんて思ってやっているわけではありません。汚れた靴下を脱ぎっぱなしにしたのもただ忘れてしまっただけとか、おもちゃを片づけないのも夢中になって遊んでいるうちに結果的に散らかってしまっただけということがほとんどでしょう。そこで、「まったくこの子は!」というふうに子どもを責めるのはお門違いです。叱るときは、怒りではなく「第一次感情」に注目そうではなくて、親は「(私が)困っているんだ」ということを丁寧に子どもに伝えていかなければなりません。「私」を主語にした「私メッセージ」で子どもに感情を伝えることが大切なのです。そうすれば、子どもは親の感情をきちんと受け取って、行動を変える可能性が高くなります。でも、親も自分の感情にはなかなか気づけないものです。私たちが行なっている親業訓練講座(インタビュー第1回参照)の受講者のみなさんに、「私メッセージ」をつくる練習のために、親子にありがちなシチュエーションのなかでの自分の感情を挙げてもらうと、「嫌だ」「困る」「イライラする」くらいなもの。普段からそこに注目していないために、自分の感情が見えなくなっているわけです。でも、感情がそんなに単純なものだけであるはずはないですよね?そこで、自分の感情に注目するトレーニングをしましょう。注目してほしいのは、いわゆる「第一次感情」です。子どもを叱るとき、多くの親は先に挙げた3つの感情などを含む「怒り」を感じています。でも、怒りというものは、たいてい別の感情の次に湧いてくるもの。その怒りより先に湧いてくる感情こそが第一次感情です。子どもが遊園地で迷子になったとします。親が最初に感じる感情はなにかといったら、当然「心配」や「不安」でしょう。「どこに行っちゃったんだろう……」と親なら誰もが我が子を心配して不安になる。でも、子どもが無事に見つかったら、最初にどんな言葉をかけるかというと……「(あなたは)なにやってんの!」です。これでは、心配されていたことがわからないまま、怒られたという事実だけが子どもの印象に残ってしまう。つまり、親子間のコミュニケーションにとって好ましくない誤解を生むことになるのです(インタビュー第1回参照)。親の「私メッセージ」が、子どもの「思いやり」も育むもちろん、場合によっては叱らなければならないこともあるでしょう。でも、その前にまずは親の心配や不安といった第一次感情を「私メッセージ」で伝えるほうが効果的です。そうすれば、叱られた子どもに親の気持ちがしっかり伝わり、子どもの反省の度合もまったく違ってきます。それこそ迷子になった子どもが見つかったときであれば、親に「よかった、すごく心配して不安だったのよ」と言われたなら、子どもも「こんなに心配させてしまうんだったら、今度から気をつけよう」と思うでしょう。そのあとのお説教も素直に聞いてくれるはずです。最後に、子どもの行動や言葉が嫌だなと思ったときの、「私メッセージ」の伝え方のコツを紹介しておきます。以下の「3部構成」にすることが効果的です。【「私メッセージ」のコツ】子どもの行動:非難がましくなく、目に見える、耳に聞こえる事実を伝える行動から受ける自分への影響:できるだけ具体的に伝える私の感情:正直に素直に伝えるこの「3部構成」で「私メッセージ」を伝えることにより、子どもは自分の行動が親を困らせたり悲しませたりすることを理解できるようになる。ひいては、他人に対する「思いやり」を育むことにもつながります。そのためにも、「こうしてちょうだいね」という言葉をつけ加えて「4部構成」にしないことです。それでは結局、指示命令になってしまい、子どもの思いやりが自発的に生まれることを阻害することになりますから注意してください。『あっ、こう言えばいいのか! ゴードン博士の親になるための16の方法 家族をつなぐコミュニケーション』瀬川文子 著/合同出版(2013)■ 親業訓練協会インストラクター・瀬川文子さん インタビュー記事一覧第1回:子どもが反発ばかり……親子関係の問題を劇的に改善する「双方向」のコミュニケーションとは第2回:繰り返す、言い換える、気持ちを汲む。親の「能動的な聞き方」が、子どもを問題解決に向かわせる第3回:「私メッセージ」の叱り方で子どもが変わる! 親は怒りではなく“第一次感情”に注目して第4回:親子の衝突を解決するには「勝負なし法」がベスト。勝敗を決めるのは、子どもの育ちに悪影響(※近日公開)【プロフィール】瀬川文子(せがわ・ふみこ)1954年8月28日生まれ、東京都出身。親業訓練協会シニアインストラクター。1973年、日本航空に客室乗務員172期生として入社。14年間の国際線勤務の後、結婚のために退社。1998年、コミュニケーション訓練のプログラム「親業」の指導員資格を取得。2002年、CAP(子どもへの暴力防止プログラム)スペシャリストの資格を取得。2003年、親業シニアインストラクターの資格を取得。2006年、『ママがおこるとかなしいの』(金の星社)で絵本作家としてデビュー。同年、親業訓練協会インストラクター養成担当となる。2015年、日本アンガーマネジメント協会ファシリテーターの資格を取得。現在は、親業訓練協会の運営に関わりながら、医療、介護、教育の各機関、企業、家庭を対象に、「想いが伝わるコミュニケーション」を軸とした講演会等を全国各地で行うなど活躍の場を広げている。主な著書に、『聞く、話す あなたの心、わたしの気もち いじめない、いじめられない子どものためのコミュニケーション』(元就出版社)、『ほのぼの母業のびのび父業 ゴードン博士に学ぶ 21世紀の家庭へ わかりあえるコミュニケーション訓練』(元就出版社)、『職場に活かすベストコミュニケーション ゴードンメソッドが職場を変える』(日本規格協会)がある。【ライタープロフィール】清家茂樹(せいけ・しげき)1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。
2020年06月08日Instagramで大人気のゆっぺさんの記事をご紹介します。娘が小学生だったころのお話です。子どものいじめに遭遇し、親として解決に向け、いろいろ試行錯誤した日々を漫画にしました。このお話から何を感じ取るか、受け取り方は三者三様だと思います。広い心でお読みいただけるとうれしいです。異変に気付いたのは、上の子の帰りを公園で待っていたときのことでした。とぼとぼと私の元へ、涙をこらえながらやってきた長女。一体、何があったのでしょうか。次へ続きます。6/6(土)16時公開予定!\人気作家の動画もぜひご覧くださ い!/ 母ちゃ んTVはコチラ チャンネル登録お願いします♪
2020年06月05日「早く!」「だめ!」――親が子どもについ言ってしまう言葉です。でも、いくらそう声をかけても、子どもは親の思い通りに早く行動してくれませんし、だめなことだと理解してくれたのかもわかりません。いったい、どうすれば子どもに「早く!」「だめ!」と言わずにすむのでしょうか。幼稚園の園長を務めた経験もある、東京家政大学子ども学部教授の岩立京子先生にアドバイスをもらいました。構成/岩川悟取材・文/清家茂樹写真/山本未紗子(インタビューカット)大人と子どもはそれぞれ違う世界に住んでいる「早く!」「だめ!」という言葉を一度も言わないまま子育てをすることは不可能でしょう。なぜなら、大人には大人のリズムがあり、子どもには子どものリズムがあるからです。大人は、社会を中心にして生きていて、子どもは自分の好きなことを中心に生きています。そもそも住んでいる世界が違うために、どうしても両者のリズムがずれてくる。そうして、子どものリズムが自分に合わないと感じると、親はつい「早く!」「だめ!」と言ってしまうのです。もちろん、イライラして子どもをたたくなんてことはご法度です。かつては、そういう子育てがすすめられていたときもありました。子どもがなにかしてはいけないことをした場合、0歳台の子どもなら足の裏を、1歳台の子どもならお尻をぽんとたたくという教育メソッドが存在したのです。でも、たとえ0歳台の子どもでも、親の表情などから言わんとしていることが理解できることがわかってきたため、いまはきちんとコミュニケーションを取ることが重要だと考えられています。そのコミュニケーションとは、ただ「早く!」「だめ!」と言うだけのことではありません。大切なのは、なぜ早くしてほしいのか、なぜだめなのか、その理由を必ず伝えること。なぜなら、子ども自身が納得して「じゃあ、そうしよう」と思えなければ、しつけは成功しないからです(インタビュー第1回参照)。「ニンジン作戦」で子どもを楽しい方向にいざなうしかし、子どもに早くしてほしい理由をどんなにきちんと伝えたところで、時間感覚や価値観が違う世界に住んでいる子どもは、なかなかそうできません。子どもの住む世界は大人とは違うということをしっかり認識したうえで、子どもが早くできるような、だめなことをだめだと理解できるような工夫やお膳立てを、親の側がする必要があります。そのコツは、早くしてほしい理由やだめな理由を子どもに伝える際に、「楽しい方向」に導いてあげるということ。「誰かに怒られるよ」といった内容ではなく、たとえば幼稚園に遅れそうになっている場合なら、「幼稚園に早く行けたらお友だちとたくさん遊べるよ」というふうに、子どもが「じゃあ、早くしよう」と思えるような声かけをするのです。基本的に、ただ「早く!」「だめ!」と言ってもコントロールしにくいのが子どもなのです。でも、「早くしたら楽しいことがある」とか「これをやめたら次にいいことがある」などと思えたら、子どもはきちんと気持ちを切り替えることができます。これは、いわゆるニンジン作戦です。心理学における「強化」の理論をベースに、「子どもに対してニンジンを使うと、その後はずっとニンジンを増やし続けていかなければならない」という考え方も前にはありましたが、いまはそうは考えられていませんし、わたし自身もうまくニンジンを使うことには賛成です。その理由は、子どもの世界を広げるきっかけになるからです。ニンジンをうまく使って子どもを楽しい世界にいざなってあげる。そうすることが、結果的に子どもにとってはプラスに働くはずです。わかりやすいニンジンの例として、甘いジュースやお菓子があります。それらを完全に禁止している家庭もあるでしょう。でも、お菓子を食べたい子どもと食べさせたくない親のあいだでバトルが繰り広げられたら、それこそ親子関係自体が悪くなってしまう。そう考えると、適度にニンジンを使うことはなにも悪いことではないと思うのです。お膳立てで、子どもに「早くしよう!」と思わせる忙しい朝に早く子どもに起きてほしいのなら、朝食だって立派なニンジンになりますよ。ただ「早く起きて!」という言葉をいくらかけても、子どもは大人とは違う世界に住んでいますから、なかなか起きてくれない。そんなことに悩んでいる人も多いでしょう。でも、まだ寝ていたい子どもに対して、「早く!」と言うばかりか、まして「まったくもう!」なんて怒ったところで、子どもが素直に起きてくれるでしょうか?人間には、心理学における反発理論という行動原理が働きます。怒られると、ますます反発しようとするのです。大人だって同じですよね?自分に対して攻撃的な人に対しては反発したくなるでしょう。そこで、子どもの好物をニンジンに使ってみましょう。トーストのにおいを漂わせたり、「今日はあなたが大好きな卵焼きだよ」「焼きたてを食べたほうがおいしいよ」と言ったりして、子どもが「早く起きよう!」と思えるような方向にいざなってあげるのです。そのようにお膳立てをして、「早く!」「だめ!」と言わないですむように考えてみてください。『遊びの中で試行錯誤する子どもと保育者 子どもの「考える力」を育む保育実践』岩立京子 監修/明石書店(2019)■ 東京家政大学子ども学部教授・岩立京子先生 インタビュー記事一覧第1回:イヤイヤ期には“気そらし方略”がうまくいく。3歳の子育てを楽にする、2歳までの「しつけ」のコツ第2回:もう「早く!」なんて言わなくていい。“ニンジン作戦”で子どもを楽しい世界にいざなってあげて第3回:子どもの失敗の機会を奪う「悪い先回り」を今すぐやめて、「いい先回り」をするための工夫とは?(※近日公開)第4回:「しつけもしっかりしたいけど、自主性も育てたい」親のこの考えが“完全に間違っている”理由(※近日公開)【プロフィール】岩立京子(いわたて・きょうこ)1954年生まれ、東京都出身。東京家政大学子ども学部教授。東京学芸大学名誉教授。東京学芸大学教育学部卒業後、同大学大学院教育学研究科修士課程を経て、筑波大学大学院心理学研究科博士課程単位取得退学。筑波大学心理学系技官を経て、1986に東京学芸大学講師となり、1991年に筑波大学で博士(心理学)を取得。その後、東京学芸大学で34年間にわたり保育・幼児教育の専門家養成に関わった後、現職に就く。2014年から2017年まで、東京学芸大学附属幼稚園長を兼任。主な著書に『幼児理解の理論と方法』(光生館)、『保育内容 人間関係』(光生館)、『たのしく学べる乳幼児の心理』(福村出版)、『乳幼児心理学』(北大路書房)、『新幼稚園教育要領の展開』(明治図書出版)、『子どものしつけがわかる本 がまんできる子、やる気のある子を育てる!』(主婦の友社)がある。【ライタープロフィール】清家茂樹(せいけ・しげき)1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。
2020年05月29日こんにちは! おにぎり2525です~もうすぐ息子の誕生日なんですが、ちょっと悩んでいるです!■「わが子が欲しいもの」と「親が与えたいもの」悩みの内容は・・・予算もばっちり。買うのにも苦労しないゲーム。息子がほしい物をあげるのは簡単なんですが…もうすぐ息子も小学生ですし、そろそろ自転車に触れさせてあげたい!!あと、長年使えるものを買いたい!ゲームだとすぐ飽きそうだし…でもわたし、思い出したんです。自分が小さい頃のことを… ■やっぱり欲しいものをもらいたかった…親の予算の関係なのか? 「わたしにはそのおもちゃはまだ早い!」という親の判断だったのか?細かいことは覚えていないんですが、私の欲しかったおもちゃは買ってもらえず、実際に親からもらったプレゼントに対して不満を感じたことはよーーーーく覚えています(笑)プレゼントは相手が欲しいものをあげるのが1番ですよね。(わたしみたいにずっと覚えられてるのもね…笑)今年はどんな喜ぶ顔が見れるか楽しみです!!
2020年05月15日