九州大学(九大)は7月21日、アトピー性皮膚炎に伴う慢性的な痒みのメカニズムに、「アストロサイト」と呼ばれる細胞が関わっていることを発見したと発表した。同成果は同大学大学院薬学研究院ライフイノベーション分野の津田誠 教授、白鳥美穂 学術研究員らの研究グループによるもので、7月20日(現地時間)に米科学誌「Nature Medicine」オンライン版に掲載された同研究では、アトピー性皮膚炎モデルマウスを用い、マウスが引掻く皮膚と神経でつながっている脊髄後角で、神経系を構成する非神経細胞であるグリア細胞の一種「アストロサイト」が長期にわたって活性化していることを発見した。さらに、このアストロサイト内では、遺伝子の発現を促すタンパク質「STAT3」が働いていて、その働きを阻害することで、アストロサイトの活性化と引掻き行動が抑えられることを確認した。また、アトピーマウスの脊髄の遺伝子を調べたところ、活性化アストロサイトが、炎症に応答して産生されるLCN2というタンパク質を作り出し、それが脊髄後角ニューロンでの痒み伝達物質の作用を強めてしまうことも判明した。慢性的な痒みはこれまで主に皮膚を中心に研究されてきたが、今回の研究でアストロサイトの重要性が明らかになったことで、痒みのメカニズムの解明だけでなく、アストロサイトを標的とする新たな治療薬の開発につながることが期待される。
2015年07月22日「タバコの害」と聞くと、真っ先に「肺の病気」を思い浮かべる人が多いでしょう。しかし、実はタバコが心臓や血管の疾患とも深い関係があることをご存じでしょうか? 正しい知識を持つことが禁煙への第一歩です。そこで、内科・循環器科ぴあーすクリニック院長、ピアス(大貫)洋子先生に、喫煙と心臓・血管疾患の関係や禁煙外来について話を聞きました。○タバコと心臓疾患の関係――まずは喫煙と心臓・血管疾患との関係について教えてくださいピアス先生「タバコに含まれる主な有害物質は、ニコチン、タール、一酸化炭素の3つ。このうち、特に一酸化炭素は動脈硬化を促進します。動脈硬化が進むと狭心症や心筋梗塞といったリスクが高まりますので、喫煙と心臓・血管疾患は密接な関係にあるのです。中には、狭心症の治療を行っていた方が、タバコを吸った途端に心筋梗塞になったというケースもありました」――喫煙によって、どの程度リスクが高まるのでしょうか?ピアス先生「喫煙によって、肺がんを発症する確率は非喫煙者の4.5倍に、また心筋梗塞・脳卒中には2-3倍にリスクが高まるという研究データがあります(※)。また、たとえ禁煙しても、非喫煙者と同程度のリスクに戻るまでには15年かかると言われているのです。本数を減らせば病気になる確率は多少左右されるかもしれませんが、リスクが大幅に軽減されることはありません。やはり、病気のリスクを減らすためには、できるだけ早く禁煙するのがベストです」(※)日本がん疫学研究会発行の『生活習慣と主要部位のがん』より――よく「血管年齢」という言葉を耳にしますが、これはどういったことでしょうか?ピアス先生「血管年齢とは、動脈硬化の度合いのことです。動脈硬化が進む、つまり血管年齢が高くなるというのは、血管が硬くなったり、内腔が狭くなったりして、つまってしまいます。そして狭心症などの心臓・血管疾患をはじめ、脳梗塞などのリスクも上がります」○禁煙外来は保険適用が可能――ぴあーすクリニックでは禁煙外来に力を入れているとのことですが、その理由を教えてください。ピアス先生「私は心臓血管外科医師として、多くの患者さんの治療にあたってきました。しかし、大変な治療を経て治っても、しばらくすると心筋梗塞になったり、脳梗塞になったり、肺がんになったり……というケースが非常に多いのです。せっかくの治療が無駄になってしまいます。これは、根本から変えていかなくてはならないと感じました。『病気にならないように、指導、管理、治療ができないものか?』と。こういった疾患には、喫煙習慣が大きく関わっていますので、禁煙外来はその方法の一つ。禁煙外来は私のライフワークです」――患者さんはどのようなきっかけで禁煙外来に来られるのでしょうか?また、どのような治療をするのですか?ピアス先生「会社や家族に禁煙を促され、来院する患者さんが多いです。中には、『孫に臭いと言われて……』というおじいちゃんも。禁煙外来ではまず、タバコの害や禁煙のための心得などを説明し、吸いたくなったときの対処法をお話します。具体的には、薬を出しますので、それを利用するという流れです」――禁煙外来の効果について教えてください。ピアス先生「当クリニックでは、7割程度の患者さんが治療によって禁煙に成功しています。タバコがやめられない大きな原因は、実は『記憶』なのです。タバコを吸うと『よろこび』を与えるドーパミンというホルモンが出ますので、一時的にストレスが解消された感覚を味わえます。そして、この『スッキリした感じ』が記憶に残っているため、ストレスを感じるとタバコが吸いたくなってしまう。そんな場合に禁煙外来ではタバコを吸いたいという衝動を、 和らげる手伝いをします」――最後に、マイナビニュースの読者にメッセージをお願いします。ピアス先生「現在喫煙者でないのなら、まずは手を出さないこと。また、身近な人が喫煙者なら、タバコの害についてぜひ説明して、禁煙を促してあげてください。身近な人から言われると、それがきっかけとなって禁煙に取り組めるかもしれません。実は世界的に見ると、日本は禁煙後進国です。ずいぶん前からアメリカなどでは、禁煙は当然のこととして扱われていました。しかし、日本で禁煙外来が広く知られるようになったのはごく最近のこと。東京オリンピックも控えていることですし、ぜひ若い人たちから禁煙の和を広げていってほしいと思います」○今回お話を伺ったピアス(大貫)先生のプロフィール千葉大学医学部第一外科入局国立循環器病センター実験治療開発部研究員千葉県緊急医療センター心臓血管外科医長アメリカシアトルHope Heart Institute research fellow千葉大学医学部第一外科助手千葉県立循環器病センター心臓血管外科医長千葉県立循環器病センター心臓血管外科主任医長ぴあーすクリニック開設
2015年06月29日8月5日(水)から日本公開の『ジュラシック・ワールド』に主演するクリス・プラットが、ルイジアナ州で小児病院を訪問。患者の子どもたちを相手に映画の一場面を再現して楽しませた。クリスは現在ルイジアナ州で、『荒野の七人』(1960)のリメイク作を撮影中だが、先週末のオフの日に同州バトン・ルージュにある小児病院「Our Lady of the Lake Children’s Hospital」を訪ねた。「患者たちはみんな笑顔になりました。病院を訪問し、『ジュラシック・ワールド』のグッズを手渡しして、子どもたちを元気づけてくれたクリスに感謝しています」と、病院側はFacebook公式ページに投稿した。同ページには、クリスが『ジュラシック・ワールド』のポスターにサインする姿、病室で寝たきりの子どもたちと面会し、比較的元気な子どもたちと遊具で一緒に遊ぶ様子がアップされている。その中には『ジュラシック・ワールド』の一場面で、クリスが演じる主人公が恐竜3頭を調教しているところを、3人の子どもたちと一緒に再現した写真もある。クリスは数か月前にも、クリス・エヴァンスと一緒にボストンとシアトルの小児病院を訪問している。(text:Yuki Tominaga)
2015年06月24日京都大学は6月5日、先天性骨髄不全症候群の1つである「ファンコニ貧血」の新たな原因遺伝子を同定したと発表した。同成果は京都大学の医学研究科博士課程の平明日香氏、同 高田穣 教授らの研究グループによるもので、6月5日付の科学誌「The American Journal of Human Genetics」で掲載された。「ファンコニ貧血」は1927年にスイスの小児科医によって報告された小児遺伝性疾患で、ユダヤ人に多いとされている。日本では年間10人前後が発症していると推定され、進行性の骨髄不全、急性骨髄性白血病や固形腫瘍の合併、先天奇形や不妊などの症状が発生する。主に欧米での研究によって17種類の原因遺伝子が知られているが、日本では症例集積の仕組みが存在しなかったことから解析が遅れていた。同研究グループは、近年発達が目覚ましいゲノム解析技術を用いて網羅的に原因遺伝子を検索したところ、UBE2Tの変異のある日本人患者を2名を発見した。患者の細胞を詳細に解析した結果、同疾患の原因遺伝子であることが確認された。アジアおよび日本人からの発見と同定は今回が初めてで、研究グループは「同じ遺伝変異が韓国や中国に存在するかどうか、欧米などには存在しないのか、興味ある点である」とコメントしている。また、同疾患の患者への治療として、iPS細胞やゲノム編集技術を利用した遺伝子細胞治療の可能性を今後検討したいとしている。
2015年06月05日Apple Watchをゲットし、いろいろ試しているものの「こんなときどうするんだっけ?」ということも多いはず。ここでは、そんな疑問を解決していきたい。今回は特定の人のメールだけを表示させる方法について。○表示させたい人をVIPに追加!Apple Watchでは、iPhoneが受信したメールを、Apple Watchの「メール」アプリから読むことができる。ただし、膨大な量のメールがある場合など、お目当てのメールをApple Watch上で探すのが大変なこともあるだろう。そうしたときは、Apple Watch上でメールを見たい人だけ「VIP」に加えれば解決する。まずは、iPhoneの「メール」アプリから、「VIP」を選択。初めて設定する場合であれば、「VIPを追加」をタップしよう。「VIP」には、iPhoneの連絡先に登録してある人をそのまま追加することができる。また、1人だけでなく、複数の人の追加も可能だ。続いて、iPhoneの「Apple Watch」アプリを起動し、「メール」の項目を選択。「メールを含める」の項目が、デフォルトでは「全受信」になっているので、それを「VIP」にすれば完了だ。これで、Apple Watchの「メール」アプリで表示されるメールは「VIP」に登録したユーザーからのメールのみになる。ただし、通知に関しては、デフォルトで「iPhoneを反映」となっており、iPhoneの設定に準じてApple Watchに通知が届く。そのため、Apple Watchの「メール」アプリからは確認できないが、「VIP」以外のメールもApple Watchの通知センターに入る場合がある。Apple Watchに届く通知も、「VIP」からのメールのみにしたい場合は、「iPhoneを反映」の下の「カスタム」から、「VIP」のみをオンにすればよい。
2015年05月31日季節の変わり目は、疲れやすいものです。上着がいらないぐらいの暖かさかと思えば、コートが必要なほど寒い日もあったり。でも、もしあなたの疲れが慢性化しているなら、何かほかに原因があるのかも。毎日の習慣を見直してみるべきでしょう。疲れ知らずの健康体質をつくるポイントをご覧ください。【食事】水分や鉄分補給はだいじょうぶ?わたしたちの体内の60~65パーセントは水ですが、水分量がたった2パーセント減っただけでも体内の機能が低下してしまうそうです。汗をかきやすいこれからの時期は、水分補給をしっかりしないと、疲れやすくなるだけでなく、熱中症や脱水症状の原因にも。利尿作用のあるカフェインを含むコーヒーや紅茶よりも、水を飲んだ方が効果的!水が苦手なら、水分補給に加えてビタミンなども効率よく摂取できるデトックスウォーターを飲んでみてはいかがでしょう?また、「鉄分不足」もよくありません。体がだるく感じたり、イライラしたり、貧血の原因に。牛肉の赤身や大豆製品、豆類、卵やゴマ、ナッツなどを積極的に食べましょう。なかでも、青のりやひじきなどの海草類は、100g当たりの鉄分含有量がレバーよりも多いので、たっぷり摂るようにしたいですね。みそ汁の具や、煮物にしてみましょう。鉄分の吸収率は、ビタミンCと合わせることで高まりますよ!【休息】スマホのチェックは、就寝1時間前までについつい見たくなってしまうスマホは、ベッドに持ち込まない方がよさそうです。スマホやタブレット、PCやテレビなどの強い光源は、睡眠ホルモン「メラトニン」の働きを邪魔してしまうのだとか。ぐっすり休むためにも、スマホのチェックは就寝1~2時間前を目処に切り上げるようにしましょう。どうしてもという時には、スクリーンとの間隔を35cm程度に保つようにすれば、睡眠へのダメージは少ないそうですよ。【職場・プライベート】「できません」と言えるようになって!心苦しいときもあるかもしれませんが、時にはきちんと断るのも大切なことです。うまく断ることができなければ、ストレスや疲れは溜まる一方。わたしは以前、勤めていた会社の社長に、「1日1時間でも、好きなことに費やす時間は大切。自分の時間を削ってまで気乗りのしない誘いに付き合ったり、ムダな残業をする必要はない」と言われて以来、困ったときには彼の言葉を思い出すようにしています。この発言、的を得ていると思いませんか?「できない」「やらない」と断ることも、時には必要です。無理をしないようにしましょうね。疲れを翌日に持ち越すと、仕事のパフォーマンスも下がります。一日の疲れはその日のうちに解消して、ハッピーな毎日を過ごしましょう!※関連記事ストレスで肌がボロボロに…!! 春、キレイになるための「心のケア」って?
2015年04月27日マウスコンピューターは20日、組み込み向けOS「Windows Embedded 8.1 Industry Pro」を搭載した特定業務専用のスティック型PC「m-Stick MS-NH1-EMBD」を発表した。販売価格は税別39,800円。直販サイトやダイレクトショップ、電話通販窓口などを通じて提供する。業務用デバイス向けとして柔軟にカスタマイズできる、Windows Embedded 8.1 Industry Pro 32bitを採用した法人向けスティック型PC。ボリュームライセンスプログラムを利用した場合、エンタープライズ専用機能も追加できる。GUI管理画面 「Embedded Lockdown Manager」で設定可能なロックダウン機能は、再起動時に変更を元通りにする「Unified Write Filter」や、指定したキー入力を制限する「Keyboard Filter」など。主な仕様は、CPUがIntel Atom Z3735F(1.33GHz)、メモリがDDR3L-1333 2GB、ストレージが32GB eMMC、グラフィックスがIntel HD Graphics(CPU内蔵)、光学ドライブが非搭載など。インタフェースはmicroSDXC対応カードリーダ、IEEE802.11b/g/n準拠の無線LAN、Bluetooth 4.0+LE、USB 2.0など。ほか、給電専用のmicroUSBポートも備える。本体サイズはW100×D38×H10mm、重量は約45g。ラネクシーの法人向けログ収集・管理ソフトウェア「MylogStar 3 Desktop」30日ライセンス版が付属する。
2015年04月20日理化学研究所(理研)は3月11日、iPS細胞とES細胞の違いを決める分子を特定したと発表した。同成果は理研ライフサイエンス技術基盤研究センタートランスクリプトーム研究チームのピエロ・カルニンチ チームリーダー、同 アレクサンダー・フォート 客員研究員と、理研統合生命医科学研究センター免疫器官形成研究グループの古関明彦 グループディレクターらの研究グループによるもの。2月12日付け(現地時間)の米科学誌「Cell Cycle」に掲載された。体細胞に由来するiPS細胞と受精卵に由来するES細胞は、幹細胞としての多くの共通した性質をもつ。これまで、両者では遺伝子発現が異なると報告がある一方、特定のiPS細胞はES細胞とほぼ区別がつかないという報告もある。同研究グループは、2014年に、iPS細胞とES細胞の核内にはこれまで知られていなかった数千種類のRNAが発現していることを独自技術によって明らかにしていた。また、その多くがレトロトランスポゾンという遺伝子因子に由来するノンコーディングRNA(ncRNA)であることを突き止めた。ncRNAは、メッセンジャーRNAと異なり、タンパク質の設計図として用いられないRNAのため、これまでの解析では詳しく調べられていなかった。今回の研究では、マウス由来のES細胞とiPS細胞を用い、ncRNAを含めた全転写産物の網羅的な発現比較を行った。その結果、ES細胞の核内で発現するncRNAの多くが、iPS細胞では十分に発現していないことが判明。これらのncRNAの中には、多能性に関わる遺伝子の発現を促進する遺伝子制御部位や、レトロトランスポゾン由来のRNA配列が含まれており、既存のiPS細胞作製方では、ES細胞で機能している多くの遺伝子制御部位の活性が十分に起きていないことが示唆された。今回の結果は、今後、臨床に用いるiPS細胞を適切に評価する方法の開発や作製技術の改良に役立つと期待される。
2015年03月11日原因がわからないというのは本当に人を不安にさせますよね。慢性疲労症候群もなかなか診断が難しい病気の1つと言われています。どのような症状があるのか、治療方法は? 今回は、慢性疲労症候群の実態に迫ります。睡眠で疲労が回復しない寝ても寝ても疲れがとれないときってありますよね。起きてまだだるさが残っているときの絶望感といったらもう……。なんで、しっかり睡眠とったのに回復しないんだよ! 私の体! と朝から叫びたくなります。でも、叫んだところでどうなるものでもありません。むしろ、このようなときは注意が必要。というのは、慢性疲労症候群という病気の可能性があるからです。これは日本全国で約30万人の患者がいると言われている病気で、ずっと体の不調が続いて、最悪の場合、寝たきりにもなるというもの。不調が続くときは何かのサインかもしれませんね。慢性疲労症候群とは?ある人は、体の不調があったものの原因がわからずに、病院で処方してもらったいろいろな薬を服用していました。しかし一向によくならず、その状態のまま数年が経過してしまったそうです。症状はよくなるどころか、むしろ悪化する一方……。転機が訪れたのは知人の紹介で睡眠の専門医を受診したことでした。慢性疲労症候群は診断されるまで数年かかることが多く、また診断できたとしても治療できる病院は現在、非常に少ないそうです。診断のためには、睡眠時活動度検査や心理チェック、酸化ストレス検査、疲労度チェックなどの項目検査があると言われています。あせらずゆっくり自分のペースで前出の人は、体に不調を感じてから数年が経ってようやく慢性疲労症候群と診断され、そこから治療がスタートしました。その内容は、薬とサプリメントの組み合わせやリハビリテーションの指導。慢性疲労症候群の人は少しでも回復すると、それまで溜まってしまったことを一気に片づけて、また疲れて不調に陥るということがあるそうです。回復したら遅れを取り戻そうとするのではなく、少しずつ元のリズムを取り戻すことが大切です。Photo by Allie Holzman
2015年02月28日東北大学(東北大)と慶應義塾大学はこのほど、便秘症の治療薬として使用される「ルビプロストン」という薬剤に、慢性腎臓病の進行を抑える効果があると発表した。同成果は東北大学大学院医学系研究科および医工学研究科病態液性制御学分野の阿部高明 教授と、慶應義塾大学先端生命科学研究所の福田真嗣 特任准教授、同 曽我朋義 教授ら研究グループによるもの。12月18日(現地時間)付の米腎臓学会学術誌「Journal of the American Society of Nephrology」に掲載された。慢性腎臓病は、腎機能が慢性かつ進行性に低下する病態で、最終的には末期腎不全に陥るだけでなく、脳心血管疾患の発症率や死亡率を高めることで知られるが、高血圧や糖尿病に対する治療を行う以外治療法が無い現状がある。これに対し、腎臓が働かないために、体内に溜まってしまった尿毒素による各種腎臓への悪影響を抑えることが腎臓病の進行を抑制する手段として期待されている。また、腎臓病で蓄積するさまざまな尿毒素のうち、最も有害といわれているインドキシル硫酸などの産生には腸内細菌叢(ちょうないさいきんそう:体内の細菌群が作り出す生態系)が関わっていることが知られており、近年、慢性腎臓病では腸内環境全体が悪い方向に変化していること明らかとなっていた。この背景から研究チームは、腸内細菌叢を慢性腎臓病の新しい治療ターゲットとして腸内環境および腸内細菌叢に注目して研究を続けていた。今回の発見では、腸内環境を変化させる薬剤として、一般には便秘症の治療薬として使用されるルビプロストンの効果を検討した。同剤は腸液の分泌を増加させ、腸管内容物の移動を促進させる効果を持つ。研究チームが慢性腎不全状態のマウスに同剤を投与し、腎臓病の進行に対する効果を検証したところ、ルビプロストン投与マウスは投与していないマウスに比べて、腸液の分泌が増えたことにより、腎不全時における腸壁の悪化が改善されていた。さらに、腸内細菌叢を解析したところ、善玉菌の減少も改善していた。また、腎不全時に血液中に蓄積する尿毒素などの代謝物濃度を網羅的に解析した結果、ルビプロストン投与マウスではインドキシル硫酸や馬尿酸などの物質の血中濃度が減少すすることが判明した。これらの結果から、腸管は尿、血液透析とならぶ第3の尿毒症物質排泄経路で、便秘症の治療薬であるルビプロストンが、慢性腎臓病の新しい治療薬として適用できる可能性が示唆された。今後、人への応用に向け、副作用の少ない低容量かつ腸で解ける製剤の開発や、対象となる腎不全患者の選定方法などについて検討を行っていく。
2014年12月19日NTTドコモと東北大学は11月19日、妊娠高血圧症候群、妊娠糖尿病、早産などの妊婦に特有な疾患の予防・早期発見方法を確立するとともに発症原因の特定につなげるための共同研究を開始したと発表した。現在、全国で年間約20万人もの妊婦が妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病、早産などを経験しており、現代医学における重要な問題の一つとなっている。しかし、これら妊婦に特有な疾患の発症メカニズムは解明できずにいる。同研究では、数百名規模の妊婦を対象とし、NTTドコモのモバイル端末とネットワークを利用したモバイル・ヘルスケア技術を活用し、日々の「環境要因」や「体調の変化」などのヘルスケアデータを収集することで、データの量と精度の向上を目指す。また、東北大学のゲノム解析技術を活用し、遺伝要因のみならず、環境要因、体内物質の変化、体調の変化を含む網羅的な解析に共同で取り組む。多くの疾患は、生まれもった遺伝要因と、生活習慣などの環境要因が複雑に作用して発症すると考えられており、日々のヘルスケアデータを収集し、環境要因や発症の予兆となる体調の変化に関する情報を連続的に取得することで、遺伝要因と環境要因を網羅的に解析することが可能となる。研究期間は2019年3月31日までを予定しており、今年度中に共同研究体制と環境を構築し、来年度から遺伝要因と環境要因の網羅的な解析手法の検討などの本格研究に着手する。妊婦特有疾患の予防・早期発見方法の開発など、得られた研究成果については、学会などで公表する予定。
2014年11月20日アジレント・テクノロジーは11月14日、疾患に関係のあるDNA領域のみを詳細に解析できるターゲットエンリッチメント(DNA濃縮)ソリューション「SureSelect XT Focused Exome」を発表した。同キットのターゲットサイズは16Mbとなっており、3Gbのシーケンス量で、ターゲットの98%を20倍以上のカバレッジでシーケンスすることが可能である。また、少ないシーケンス量でも、高い感度と正確さで変異コール(変異の発生箇所とその種類の特定)が可能になる。さらに、HGMD、OMIM、ClinVarといった公的データベースに登録のある疾患関連領域に特化したデザインとなっている。効率的なデザインとしたことで、デスクトップシーケンサでも、稀な疾患の原因となる変異の特定が可能となる。そして、エクソーム全体の30%弱の領域に特化したデザインにすることで、スループットの面でも柔軟性を兼ね備え、疾患関連領域のみを効率よく解析する手法が提供される。加えて、カスタムデザイン用ソフトウェア「SureDesign」を用いることで「Focused Exome」をカスタマイズすることも可能。これにより、個々の臨床研究における特定のニーズに特化したデザインにすることもできる。さらに、今回発表の「SureSelect XT Focused Exome」と、既存の「SureSelect QXT Reagent」キットを組み合わせて使用することで、ハイブリダイゼーションにかかる時間を90分程度に短縮することができ、1日でシーケンス用のDNAライブラリの作製が可能となる。この包括的なターゲットエンリッチメントソリューションにより、体質性疾患の研究効率の改善に貢献していくとしている。なお、アジレントの「SureSelect」製品群のうち、今回発表の「SureSelect XT Focused Exome」は、エクソームシーケンシング製品の最新版となっている。このエクソームシーケンシング製品には、「SureSelect Clinical Research Exome」や「SureSelect QXT Reagent」がある。これらの製品を組み合わせることで、臨床研究において、迅速なハイブリダイゼーションと高い疾患関連領域カバレッジを得ることが可能となる。また、「SureSelect」はさまざまなシーケンスアプリケーションに対応する試薬を提供しており、ゲノム、トランスクリプトーム、メチロームの特定領域を迅速かつ容易に解析することができる。さらに、「SureDesign」の他、再現性高く、高スループットでサンプル処理を行うための自動化ロボット「Bravo」、ターゲットとするゲノム領域を簡単・迅速・的確に解析できるソフトウェア「SureCall」と組み合わせ、トータルソリューションを構築することも可能となっている。
2014年11月17日農業生物資源研究所(生物研)、九州大学および名古屋大学は10月30日、イネにとって害虫であるトビイロウンカに対するイネの抵抗遺伝子を特定することに成功したと発表した。同成果は英科学誌「Scientific Reports」に掲載された。トビイロウンカはイネの害虫の一つで、梅雨期に中国南東部などから日本に飛来して増殖し、甚大な被害をもたらしている。近年、殺虫剤が効きにくいトビイロウンカが出現したため、被害が深刻化しており、新たな薬剤、またはトビイロウンカに抵抗性を示すイネの品種開発が必要となっている。また、国内で栽培されている一般的な日本型イネ品種は、トビイロウンカ抵抗性を持たず、抵抗性遺伝子をもつインドやスリランカなどの品種と交配して単一の抵抗性遺伝子を導入した栽培イネが育成され、東南アジアで利用されている。しかし、このイネにも害を与えるトビイロウンカが出現したため、さまざまな加害性を示すトビイロウンカに対応した抵抗遺伝子を持つイネ品種の開発が望まれている。これまでの研究で、インドのイネ品種が持つ「BPH25」と「BPH26」という2つの遺伝子が同時に存在すると、現在問題となっている加害性バイオタイプのトビイロウンカにも抵抗性を示すことがわかっている。今回の研究で、「BPH26」遺伝子を導入したイネでは、トビイロウンカが針のような口をイネの師管(栄養分を輸送する組織)まで挿入するものの、師管液を吸汁できず、餓死することが判明した。研究チームは「BPH26」の染色体上の位置を特定し、育種に有用なDNAマーカーの開発にも成功。「BPH25」のDNAマーカーも作成されつつあり、これら2つの遺伝子の DNA マーカーを用いて、日本に飛来するトビイロウンカに対して幅広い抵抗性を示すイネの開発が、今後2~3年中に開始できる見込みだという。
2014年10月30日睡眠時間を削って深夜までネットをしているネット依存の人が年々増えているそうです。今回は、その現状と対策法をご紹介します。ネット依存の恐怖を知って、慢性睡眠不足にならないように一人一人の意識を変えていきましょう。「ネット依存」5年前の1.5倍にまで増加厚生労働省研究班が2013年に行った「インターネット依存」に関する調査で「ネット依存」が5年前の1.5倍にまで増加していることがわかりました。数字で見ると、421万人だそうです。スマホが普及したことで、誰とでもいつでも連絡がとれるようになったり、ネット上のコンテンツが充実していくことで、気付いたら何時間もインターネットをしていたり。インターネットの普及はメリットも多いものの、身体を壊しかねない恐ろしいデメリットがあるのです。これは、慢性睡眠不足を引き起こす原因にもなります。まずは、自分自身の生活を見返してみましょう。「ネット依存」で増える慢性睡眠不足な人々「ネット依存」とは、ただネットを使いすぎるということだけでなく、それが原因で健康や暮らしに影響が出る状態のことを言います。ネット依存という意識がない人でも、気がつくと思っていたより長時間ネットをしてしまっていたり、睡眠時間を削ってまでネットに没頭してしまったことがあったり、ネット依存予備軍に当てはまる人は多くいます。特に20~30代の男女に、ネット依存傾向にある人が目立つようです。健康や暮らしに影響はないから、といって軽視するのではなく、自分に大きく関わってくる問題だと考えるべきでしょう。特に、気付かぬところで睡眠時間を削ってしまっている可能性もあります。慢性睡眠不足の実態とは慢性睡眠不足は、なかなか気付きにくいものです。徐々に睡眠不足感が減っていき、睡眠をとらなくてもなんとかやっていけてしまう状態になってしまう可能性があります。しかし、慢性睡眠不足によって、体や心などに悪影響を与えているのは間違いありません。時間を区切ってネットをやるのは問題ありませんが、長時間没頭しすぎるのはデメリットが多すぎます。インターネットのコンテンツの充実により、今後もネット依存が増えることが考えられます。自分自身や身近な人がそうなる前に、自分自身で環境を変えていきましょう。特に慢性睡眠不足だという自覚がある人は要注意です。Photo by Federico Morando
2014年10月26日九州大学(九大)は2月19日、「神経障害性疼痛」の慢性化に「二次リンパ組織」である脾臓における免疫細胞の1種「樹状細胞」のリソソーム酵素「カテプシンS」の働きによる抗原特異的なリンパ球の1種である「CD4+T細胞」の活性化が重要であることをマウスによる研究で明らかにし、活性化したCD4+T細胞は「脊髄後角」へ浸潤し、「インターフェロン-γ(IFN-γ)」を産生分泌することで「ミクログリア」の活性化をさらに深化させることが疼痛の慢性状態への移行に極めて重要であることを突き止めたと発表した。成果は、九大大学院 歯学研究院の中西博教授らの研究チームによるもの。研究は科学技術振興機構 戦略的創造研究推進事業チーム型研究(CREST)の一環として行われ、詳細な内容は米国東部時間2月19日付けで米神経科学会誌「Journal of Neuroscience」に掲載された。神経系における損傷または機能障害によって持続的な痛みが発生する神経障害性疼痛は、モルヒネも奏効しない難治性疼痛として知られている。近年、神経障害性疼痛の慢性化において、リンパ球の1種であるT細胞が関与することが示唆されていた。しかし、その詳細なメカニズムについては不明な点が多く残っている。「単核食細胞」に特異的に発現するリソソーム性システインプロテアーゼの1種カテプシンSは「抗原提示細胞」の1種である樹状細胞において、抗原提示を行う「MHCクラスII分子」に結合している「インバリアント鎖」(MHCクラスII分子が抗原以外のペプチドとの結合するのを防ぐために結合したペプチド)の最終段階の分解に関与し、抗原提示機能の発現に重要な役割を担っている。なお抗原提示細胞とは、抗原をT細胞に提示することで、T細胞を活性化させる役割を持つ。またMHCクラスII分子とは、抗原提示細胞の「エンドソーム」(細胞小器官の1種で、細胞内に存在する細胞外物質を取り込む小胞)内に存在するタンパク分子で、抗原を結合すると細胞膜表面に移行しCD4+T細胞に抗原を提示することで活性化させる働きを持つ。中西教授らの研究チームは、これまでカテプシンS欠損あるいは脳移行性のないカテプシンS特異的阻害剤「Z-Phe-Leu-COCHO(Z-FL)」が、神経障害性疼痛の発症にはほとんど影響することなく慢性化を有意に抑制することを見出していた。そこで研究チームは今回、カテプシンSが二次リンパ組織(リンパ球の抗原提示による活性化に関与する脾臓やリンパ節などの組織)での抗原提示によるT細胞の活性化に関与し、神経障害性疼痛の維持・慢性化において重要な役割を担っている可能性を検討することにしたのである。神経障害性疼痛モデルマウスは、脊髄神経を腰神経レベルで切断することで作成された。野性型マウス(DBA/2系統)では神経障害に伴い、二次リンパ組織である脾臓の肥大化が認められ、T細胞などが産生分泌するサイトカインの1種であるIFN-γを発現したCD4+T細胞(Th1細胞)の増大が確認された。また、脾臓に分布する樹状細胞においてカテプシンSが増大することも明らかとなったのである。一方、カテプシンS欠損マウス(DBA/2系統)ではこれらの変化やインバリアント鎖の最終段階の分解は生じず、神経障害性疼痛の維持・慢性期における疼痛の有意な緩和が認められた(画像1)。また、野生型マウスにおける脾臓摘出によっても神経障害性疼痛の維持・慢性化が有意に抑制されることが確かめられたのである。画像1のグラフでは、カテプシンS欠損マウスにおける神経障害性疼痛の有意な緩和が確認可能だ。グラフの見方は、PWT(g)は機械刺激に対する疼痛閾値で、「+/+」は野生型マウス、「CatS-/-」はカテプシンS欠損マウス。ipsiは神経障害側後肢への機械的刺激を表す。そして、contraは反対側後肢への機械的刺激だ。*p<0.05、**p<0.01、***p<0.001は野生型マウスの疼痛しきい値との比較である。そこで次に神経障害性疼痛を発症した野性型マウスの脾臓よりCD4+T細胞を単離し、神経障害5日目のカテプシンS欠損マウスあるいは脾臓を摘出した野生型マウスに腹腔内投与が行われた。その結果、投与直後から3日間に渡ってこれらのマウスにおいて疼痛の有意な増強が認められたのである。さらに免疫組織化学的解析の結果、IFN-γを発現したT細胞の神経障害側の脊髄後角(末梢知覚神経から送られてくる痛覚情報を上位中枢へ中継する脊髄の部位)への浸潤が確認された(画像2)。これは末梢神経障害に伴って「血液脊髄関門」(血液から脊髄への物質の移行を制限する機構)の透過性が一過性に増大するという報告と一致するという。(画像2)さらに、脊髄後角に浸潤したTh1細胞がIFN-γの産生分泌により脊髄ミクログリア(脳脊髄に存在し免疫機能を担う中枢神経中のグリア細胞の1種)を刺激し、ミクログリアの活性化をさらに深化させている可能性が検討された。IFN-γ受容体の下流シグナルである「STAT1」のリン酸化が調べられたところ、リン酸化STAT1はミクログリアの核に局在することが認められ、転写因子としての活性化が確認されたのである(画像3)。なおSTAT1とは、IFN-γ受容体の活性化によりリン酸化され、核内に移行して転写因子として働くタンパク分子のことだ。以上の結果より、二次リンパ組織である脾臓における樹状細胞のカテプシンSの働きにより、抗原特異的に活性化したTh1細胞の脊髄後角への浸潤、ならびにIFN-γ を介した脊髄後角ミクログリアの活性化のさらなる深化が、疼痛の慢性状態への移行に極めて重要であることが明らかとなった(画像4)。今回の成果により、神経障害により脾臓などの二次リンパ組織の樹状細胞におけるカテプシンSに依存したIFN-γ陽性CD4+T細胞(Th1細胞)の活性化が引き起こされ、活性化したTh1細胞の脊髄後角への浸潤によりIFN-γを介した脊髄後角ミクログリアの活性化状態のさらなる深化が引き起こされることが明らかになった。このことからカテプシンSの二次リンパ組織での働きが神経障害に伴う疼痛の慢性状態への移行に極めて重要であることが示唆されるという。また今回の研究により、カテプシンSが神経障害性疼痛に対する治療薬開発における新たな標的分子となることが提示された形だ。一方で、神経障害に伴う二次リンパ組織における免疫応答にはマウス系統間での差異が認められ、C57BL/6系統マウスでは神経障害に伴うTh1細胞の活性化が認められていない。このように末梢神経障害に伴って脾臓のような二次リンパ組織において分化した成熟T細胞は末梢血中に移出し、脊髄を含む体組織に浸潤すると考えられる。そこで今後は、神経障害性疼痛を発症した患者の末梢血におけるT細胞サブセットの詳細な解析を行うと共に、カテプシンS特異的阻害剤ならびに免疫抑制剤の神経障害性疼痛に対する治療薬としての有効性について検討を行う予定とした。
2014年02月20日磁気と健康の研究会は9月26日・27日の2日間、30~45歳の男女210人を対象に、「肩こりと磁気に関する意識調査」を実施した。同調査は、慢性肩こりの人(週に一度以上肩こりを感じている人)126名、肩こりのない人84名を対象に実施。最初に、睡眠の質やその低下による日常生活への弊害について調査。その結果、6つの項目において、慢性肩こりの人が睡眠障害やそれによる日常生活の影響を感じていることが分かった。特に「寝つきが悪いことが多い」は慢性肩こりの人は肩こりなしの人と比べて2倍、「夜中に何度か起きてしまう」という中途覚醒は1.6倍だった。さらに日常生活においても、慢性肩こりの人は「集中力が途切れがちでイライラする」ことが2倍多いことが明らかとなった。続いて、疲れやすさについて調査。残暑が厳しかった今年の夏時期の疲れについて尋ねたところ、慢性肩こりの人は肩こりなしの人と比べて、5倍も食欲をなくすほどの夏バテを感じていたことが分かった。慢性肩こりの人は睡眠障害を抱えている傾向があることから、より疲れやすく夏バテになりやすいと考えられる。肩こりと見た目に関する調査では、「実年齢よりも老けて見られるか」「顔色が悪いと言われるか」「猫背であるか」という質問全てで、慢性肩こりの人はその傾向が強いことが分かった。特に「実年齢よりも老けて見られる」は肩こりなしの人と比べて約1.7倍多く、肩こりは見た目の印象にも影響していることが明らかとなった。慢性肩こりの人に磁気治療器について尋ねたところ、使用経験がある人は3割程度で、半分以上が磁気治療器を正しく理解していないことが分かった。磁気治療器は血行を改善してコリをほぐす効果があるが、それとは反対に「磁気治療器は体の負担をかける」と誤解している人も多いようだ。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年11月21日アメリカンホームは12日、一昨年、昨年に引き続き、今年も「キッザニア東京」に小児がんと闘う子ども達とその家族を招待するイベントを9月6日に開催し、子ども376人、大人343人の合計719人が参加したと発表した。免疫力が低下していることが原因で、不特定多数の人が集まるエンターテインメント施設に出向くことが難しい子ども達のため、6日はアメリカンホームがキッザニア東京を貸し切りとし、ゆったりと利用できるようにしたほか、子ども達の体調の変化にすぐ対応できるよう、医師、看護師が会場で待機。参加者募集にあたっては、日本の小児がんの子ども達とその家族を支える活動を行っているNPO法人のタイラー基金に協力してもらった。アメリカンホームは、『次世代を担う子どもたちと、子育てを頑張るお母さん・お父さん世代を支援する』というCSR活動方針のもとに様々な活動を実施しており、2006年に日本でのキッザニア第1号施設として「キッザニア東京」がオープンして以来、『消防署』パビリオンのオフィシャルスポンサーとなっている。アメリカンホームは、小児がんの子供たちがこのイベントで様々な職業体験をすることで将来に目標を持ち、日々のつらいがん治療を力強く乗り越えてくれることを期待している。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年09月19日ジョンソン・エンド・ジョンソン メディカル カンパニーは、女性特有の疾患である、骨盤臓器脱に関する「骨盤底ケア通信」を発行。同疾患の認知向上をはかるとともに、患者のQOL向上を目指すという。同疾患は、臓器が本来の位置より下がり、場合によっては腟(ちつ)の外に出てきてしまう病気である。女性の骨盤の中にある子宮、ぼうこう、直腸、腟(ちつ)などを支える骨盤底の筋肉や、靱帯(じんたい)の力が加齢とともに低下することが原因だそうだ。排尿や排便のトラブルなどの症状が現れ、中高年女性のQOLを著しく下げるといわれている。同社によれば、アメリカでは女性の10人に1人が生涯のうちに骨盤臓器脱か尿失禁の手術を受けており、スウェーデンの調査では、20~59歳の女性の31%、出産経験者の44%が骨盤臓器脱だという報告があるという。しかし、日本における同疾患に関する認知は低く、同社が2011年に同疾患のリスク層である50歳以上の女性530名を対象に実施した意識調査によれば、64%の女性が「知らない」ことが明らかになっている。同通信では、骨盤底筋の緩みを予防・改善する「骨盤底筋体操」を紹介。尿漏れ、頻尿の改善はもちろん、臓器がすでに腟(ちつ)から出てきている人でも、症状が軽度であれば、体操で改善することもあるそうだ。また、一般の人からの電話相談を受け付けている「ウロギネホットライン」も紹介している。看護師などの専門家が、同疾患に関する症状や日常生活の悩みについて一緒に考え、アドバイスを行うという。WEBサイトでは、尿漏れや同疾患について詳しく解説している。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年06月01日メドピア株式会社は、同社が運営する医師コミュニティサイトMedPeerにて、「小児喘息治療のステロイド製剤使用状況」について調査を実施。約半数の医師がコルチゾールを選択することがわかった。日本アレルギー学会によって発表されている「小児気管支喘息の薬物療法における適正使用ガイドライン」では、経静脈的ステロイド投与の選択肢としてコルチゾール(ヒドロコルチゾン)、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロンが併記されている。それを受けて同社では、医師の所属する施設における、ステロイド製剤の選択、使用状況を調査した。その結果、「まずはコルチゾールを使用しプレドニゾロンに変える」が20%、「コルチゾールを使用する」が18%、「まずはコルチゾールを使用しメチルプレドニゾロンに変える」が8%となり、第一選択としてコルチゾールを挙げた医師は計46%となった。コルチゾールを選んだ理由として、「即効性がある程度期待できるコルチゾールをまず使用する」、「内因性副腎皮質ステロイドへの影響が少ないコルチゾールを利用」といったコメントが見られる。また、「継続的に使用する場合はプレドニゾロンを使用する」といったコメントもあり、小児へのステロイド投与については、副作用の観点から慎重な意見が多いようだ。同調査は、一般内科、総合診療、呼吸器内科、アレルギー科、感染症科、小児科、小児外科、耳鼻咽喉科、救急医療科、家庭医療の医師を対象に実施。調査期間は2012年3月21日~3月27日。有効回答数は 1,079件。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年05月04日ドイツの製薬企業・ベーリンガーインゲルハイムグループの日本法人、ベーリンガーインゲルハイム ジャパン株式会社は、28週間の治療後に、肝硬変を有するC型慢性肝炎患者で、最大71%がウイルス学的著効(薬効を示すこと)を達成したことが新たなデータで明らかにされた、と発表した。この結果は、ベーリンガーインゲルハイムが開発中の、インターフェロンを併用しない2つの直接作用型抗ウイルス剤を含む併用療法を受けた、C型慢性肝炎患者(ジェノタイプ1b型)において示されたもの。肝硬変は、肝細胞が破壊され消失して瘢痕(はんこん)組織となるものであり、発症すると肝機能が徐々に低下し、肝臓がんおよび肝移植のリスクが高くなる。インターフェロンによる副作用は重度になることもあり、その副作用には、心不全、敗血症、白血球減少症、失明などがある。インターフェロンは現行の治療選択肢のすべてで併用されており、その負担を軽減するためには、インターフェロンを併用しないで済む治療法が渇望されている。ジェノタイプ1型(ジェノタイプ1a型、ジェノタイプ1b型)はC型慢性肝炎の最も一般的なタイプで、インターフェロンを併用した治療レジメンでは最も治療困難なタイプでもあり、また、肝硬変患者は従来から治療への反応が不良で、特にインターフェロン治療では効果が認められなくなっている。今回の結果では、インターフェロンを併用しない28週間の治療後、最大でC型慢性肝炎患者(ジェノタイプ1b型)の71%がウイルス学的著効を達成した。今回のデータは、肝硬変を有するC型慢性肝炎患者という特定の患者集団に対してインターフェロンを併用しない治療法で、高いウイルス学的著効率が示された初めてのデータで、治療期間が大幅に短縮される可能性も示されている。この結果は世界で推定3,400万人の、肝硬変を発症する20%のC型慢性肝炎患者にとって意義あるものとなった。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年04月26日マネックス証券は19日、中国株取引システムをリニューアルしたと発表した。このリニューアルにより、中国株取引における特定口座の利用が可能となる。これまでマネックス証券において中国株取引は特定口座の対象ではなかったため、中国株の取引で譲渡益や配当が発生した場合、および国内株式等との損益通算を行う場合は、原則として顧客自身による確定申告が必要となっていた。だが今回の取引システムのリニューアルで、中国株取引が特定口座の対象となることにより、国内株式等に加えて、中国株の譲渡損益や配当金が特定口座の受け入れ対象となり、顧客の確定申告および納税手続の負担が軽減される。また同社では、本リニューアルを記念して、対象期間中に中国株を取引した顧客に対して買付手数料の半額相当を返金するキャッシュバックキャンペーンも実施する。キャンペーン期間2012年3月19日~2012年4月30日キャンペーン内容期間中に中国株を買付けた際の手数料の半額相当額をキャッシュバック※「税金」、「その他費用」はキャッシュバックの対象外。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年03月21日厚生労働省は21日、平成21年度の特定健康診査・特定保健指導の実施状況(速報値)を公表、特定健康診査の対象者数は約5,220万人、受診者数は約2,115 万人で、実施率は40.5%だった。保険者の種類別の実施率は、組合健保・共済組合が6割以上と高く、市町村国保、国保組合、全国健康保険協会、船員保険にで、いずれも3割台と低くなる二極化構造を呈した。また、特定保健指導の対象になった者は18.5%で、そのうち特定保健指導の終了者は13.0%だった。メタボ該当者は14.4%、予備群含めると3割近くにそして、内臓脂肪症候群(メタボリックシンドローム)該当者は14.4%おり、この予備群者は12.3%とされた。合わせると3割近い比率でメタボの危険者がいることとなる。なおこれは、医療保険者に対し、40歳から74歳までの被保険者、被扶養者を対象とした内臓脂肪症候群(メタボリックシンドローム)に着目した健康診査・保健指導の実施が義務付けられているもので、平成20年度から始まったもの。メタボ健診は、腹囲とともに、血圧・血糖・血中脂質の数値をもとに判定するが、腹囲が基準を上回り、二つ以上の数値が悪ければメタボ、一つなら予備群となる。危険性が高い人に保健指導を行うことで、糖尿病や高血圧症といった生活習慣病を防ぐ狙いがある。
2011年01月25日ネコがかかりやすい病気アリアンツ・ペット保険が12月20日より明年1月31日まで、「ねこちゃんを尿路疾患から守ろう」キャンペーンを開始した。これは「ニャンとも清潔トイレ」のモニター募集を兼ねた試み。同社によれば、ネコがかかりやすい病気の1つに尿路疾患があるという。この疾患の予防には、愛猫の尿の色や量、トイレ中の様子をチェックするという習慣が大切であると同時に、定期的な尿検査ができればなお理想的となる。ニャンとも清潔なトイレそのため今回のキャンペーンでは、検査のための尿採取が行いやすいよう工夫された「ニャンとも清潔トイレ」のモニターを募集し、応募者には特典やプレゼントが当たる。応募にはアリアンツが運営する、同社のペット保険に入っていなくても無料でできる「Pet People Club」への登録が必要。モニターは、同社の顧客向けサービス「24時間ペット健康相談」を半年間利用できる。各コースの内容は下記の通り。詳しくは同社まで。Aコース:先着20名様「ニャンとも清潔トイレ」のモニターと「24時間ペット健康相談」サービスのご利用権(2011年6月末日まで)をセットでご提供。Bコース:抽選で10名様「ニャンとも清潔トイレ」のモニターと「24時間ペット健康相談」サービスの2011年6月末日までご利用権利をセットでご提供。さらに、ニャンと猫パンチTVがあなたのねこちゃんのお写真にセリフをつけます!セリフ付きにゃんこ写真は、後日、公式サイトにて発表します!
2010年12月23日