山田洋次監督の81作目となる最新作『東京家族』の完成披露試写会が12月12日(水)に都内で行われ、山田監督を始め、主演を務める橋爪功、吉行和子、西村雅彦、夏川結衣、中嶋朋子、林家正蔵、妻夫木聡、蒼井優ら“家族”が顔を揃えた。震災を受けて、当初の予定から1年延期しての製作及び完成に、山田監督は「本当に特別な感慨がある。ここにいる8人全員が主役であり、素晴らしい家族のアンサンブルを奏でてくれた」としみじみ語っていた。小津安二郎監督の不朽の名作『東京物語』をモチーフに、山田監督が2012年の東京を舞台に“今の家族”の物語を描いた本作。2012年5月、瀬戸内海の小島で暮らす平山周吉(橋爪さん)ととみこ(吉行さん)夫婦が上京する。東京の郊外で個人病院を営む長男・幸一(西村さん)、美容院経営者の長女・滋子(中嶋さん)、舞台美術の仕事をしている次男・昌次(妻夫木さん)たちは、東京滞在中は両親に楽しく過ごしてもらいたいと世話を焼くが、のんびりとした暮らしをしてきた2人とは、あまりにも生活のリズムが違い、家族の間には少しずつ隙間ができ始める…。橋爪さんと吉行さんは、今回で夫婦役を演じるのは3度目となり「撮影が終わると、吉行さんと一緒に帰りそうになるほど」(橋爪さん)、「でも私のこと、古女房だと思っているのか、ちっとも話しかけてくれない」(吉行さん)とさすがのコンビネーション。一方、山田組に初参加した妻夫木さんは「最初は緊張で演技ができないんじゃないかと思っていた。でも実際には丁寧な演出をしていただき、そこから監督の愛情を感じた」のだとか。その妻夫木さんと恋人役で共演した蒼井さんは「まるで実家に帰ってくる感覚」と『おとうと』以来2度目となった山田監督との仕事をふり返っていた。先日にはその功績が称えられ、2012年度文化勲章を受章した山田監督。「かなりびっくり。映画界を代表し、章をいただきましたが、いまの日本映画界は厳しい状況。今後も一丸となって頑張っていくと共に、国もしっかり(映画製作を)サポートしなきゃいけない」と巨匠になったいまもまだ、監督として邁進する姿勢を見せる。また、この日は小津安二郎監督の110回目の誕生日で「こうして『東京家族』が完成したのも、小津さんのおかげ。感謝したい気持ちでいっぱい」と挨拶した。『東京家族』は2013年1月19日(土)より全国にて公開。■関連作品:東京家族 2013年1月19日より全国にて公開© 2013「東京家族」製作委員会
2012年12月12日来年1月19日(土)に新作『東京家族』の公開を控える山田洋次監督が、1日にアップルストア銀座にて行われたトークイベント“Meet the Filmmaker”に登壇し、本作誕生についてや自身の映画観を語った。その他の画像“Meet the Filmmaker”は、これまでも海外のApple Sroreで開催されたイベントで、メリル・ストリープ、トム・ハンクス、ジェームズ・キャメロン監督など世界的に著名な俳優や監督が登壇し、その模様がPodcastでも配信された。今年文化勲章を受章し、監督50周年を迎えた山田監督。この日は81作目となる『東京家族』の公開に先がけ、本作についてや、監督がテーマとして多く扱う“家族”について語った。「“家族”を題材にする事は全然意識していないけど、振り返れば結局そういう素材に惹かれて常に映画を作ってきた。どんなジャンルの映画でも、“家族”の要素を入れると落ち着くから家族映画が多くなったんです」と話し、「(本作のモチーフとなった)小津安二郎の『東京物語』は、何年も前からストーリーがいいと思っていたし、このフレームを使うことによって現代の家族が描けると思った」と、本作が誕生したきっかけを明かした。また、最後に「僕は映画で人間や社会を学んできたが、今、日本で上映されている全ての映画がそういう役割を持っているとは思えない。映画を観るにも、シネコンは観客が管理されているようで嫌いだし、窮屈だ。もっと画面と観客が向き合い、感動や興奮のある生き生きとした劇場であってほしい」と訴えた。『東京家族』は、1953年の小津安二郎監督作『東京物語』へオマージュを捧げた作品で、家族の絆を描いた物語。子どもたちに会いに東京にやってくる夫婦を橋爪功、吉行和子が演じ、西村雅彦、中嶋朋子、妻夫木聡がふたりの子どもを演じる。ほかに夏川結衣、林家正蔵、蒼井優らが出演。『東京家族』2013年1月19日(土) 全国ロードショー取材・文・写真:滝島千尋
2012年12月03日「ぴあ」調査による11月23日、24日公開の映画・満足度ランキングは、石橋義正監督、山田孝之主演の『ミロクローゼ』がトップに輝いた。2位にクリント・イーストウッドが主演したヒューマンドラマ『人生の特等席』が、3位に道尾秀介の同名小説を阿部寛主演で実写化した映画『カラスの親指』が入った。上位作品の画像1位の『ミロクローゼ』は、山田が一人三役を演じ、ドラマ『オー!マイキー』などで知られる石橋監督が脚本、美術、編集、音楽も手がけた作品。出口調査では「まったく違う3人の人物を演じる山田孝之が凄い!」「山田孝之の演技のふり幅が素晴らしい」など、山田の演技を絶賛する声があがる一方で、「奇想天外でいろいろな要素が盛り込まれていて独特の世界観を味わえた」「アニメや舞台を観ているような感覚になり、登場人物を間近に感じられる映像に圧倒された」「それぞれの必死な恋が描かれているので誰かしらに共感できる」「恋に悩んでいる人、失恋した男子が観ると心の穴がふさがると思う」など、20代から40代を中心に高い支持を集めた。2位の『人生の特等席』は、スカウトマンとして野球に生涯を捧げてきた主人公が、旅を通して娘と向き合う姿を描いた人間ドラマ。観客からは「俳優としてのイーストウッドをスクリーンでまた観られてうれしい」「脚本がよく練られていて心が温かくなった。野球ファンとしても満足できる内容」「父と娘の確執がだんだん変わっていくところが実にいい。この作品を観て、歳をとるのも悪くないと思った」「何でも機械に頼り“計算通り”“思い通り”が多い現代人にとって、何か考えさせられる良作」など、特に40代から80代までの観客から好評だった。(本ランキングは、2012年11月23日(金)、24日(土)に公開された新作映画8本を対象に、ぴあ編集部による映画館前での出口調査によるもの)
2012年11月26日来年1月に最新作『東京家族』の公開を控える山田洋次監督が、12月1日(土)に東京のアップルストア銀座で開催される“Meet the Filmmaker”に登壇することが決定した。その他の画像“Meet the Filmmaker”は、これまでも海外のApple Sroreで開催されてきたイベントで、メリル・ストリープ、トム・ハンクス、ジェームス・キャメロン監督など豪華な面々が登壇し、その模様がPodcastで配信され、大きな反響を呼んできた。日本でもこれまでに、岩井俊二監督や阪本順二監督が登場したが、このたび映画界の巨匠、山田監督が登場する。本年度には、黒澤明監督、新藤兼人監督に次いで映画監督としては3人目となる文化勲章を受章し『幸福の黄色いハンカチ』や『男はつらいよ』シリーズなど、現代の“家族”と向き合い続けてきた山田監督の貴重なトークを聞ける絶好のチャンスで、CMプランナー・高崎卓馬も登壇し、普段から親交の深いというふたりの貴重なトークが繰り広げられる予定だ。『東京家族』は、東京に上京してきた橋爪功、吉行和子演じる夫婦とその家族の絆を描く物語。公開に先駆けて、本作の秘話が聞ける本イベントは12月1日(土)の15時からアップルストア銀座で開催され、誰でも無料で入場可能だ。『東京家族』2013年1月19日(土) 全国ロードショー山田洋次監督登壇“Meet the Filmmaker”12月1日(土) 15時からアップルストア銀座(東京都中央区銀座3-5-12 サヱグサビル本館)で開催入場無料(当日来場者多数の場合は入場できないこともございますので、ご了承ください)
2012年11月22日先日、文化勲章を受章したばかりの山田洋次監督が、最新作『東京家族』の公開を前に、早くも次回作に取り組むことが発表され、長い監督人生で初のラブストーリーを手がけることが明らかとなった。「これは、ぼくの物語でもある」と語る山田監督の次なる作品は、第143回直木賞を受賞した中島京子の小説「小さいおうち」の映画化作品。山田監督が、登場人物の一人・恭一に自身を重ねたこの物語は、大学ノートに綴られた“小さいおうち”での小さな恋愛事件を通して、昭和そして平成の東京と地方都市の暮らしを丁寧に描写した作品だ。ある一人のおばあさんがひっそりと亡くなった。彼女の名は、布宮タキ。数日後、タキの部屋の後片づけをしていた親類の青年・健史は、数冊の大学ノートを見つける。ノートには、彼女が若い頃に女中として仕えた、東京の山の手の郊外に建つ、赤い三角屋根の“小さいおうち”での出来事が綴られていた。昭和10年代のモダンな東京の風物、美しい奥様・時子と5歳になる恭一坊ちゃんとの穏やかな家庭生活、そこに秘められた奥様の切ない恋。そして物語は60年以上の時を越えて、意外な形で現代へと継がれる…。『母べえ』で昭和の家族を、『おとうと』や『東京家族』で平成の家族を描いてきた山田監督が、本作では、自らが生きてきた昭和と平成の2つの時代の日本を描くこととなる。本作の製作にあたって山田監督は「昭和から現代までを舞台に、その時代に生きた人々の気持ちのあり方や、人間関係一つ一つの関わり方を描き出したいと思います」とコメント。気になるキャスト陣は、まだ発表されていないものの、初のラブストーリーをどのように仕上げるのか、注目が集まりそうだ。撮影は、2013年3月1日(金)よりクランクインし、同年5月31日(金)でのクランクアップを予定。さらに、公開日は2013年の12月から翌年の1月を予定しているという。■関連作品:小さいおうち 2013年12月または2014年1月、全国にて公開。
2012年11月20日堺雅人と山田孝之の初共演が実現した『その夜の侍』が17日、全国で封切られ、堺、山田をはじめ、新井浩文、綾野剛、谷村美月、メガホンを執った赤堀雅秋監督が東京・有楽町スバル座で初日舞台あいさつを行った。堺が演じる中年男が、山田扮するひき逃げ犯に復しゅうするヘビーな内容で「撮影が大変で覚えていない」(堺)、「そうですね」(山田)と撮影の過酷さを垣間見せていた。その他の写真劇団「THE SHAMPOO HAT」全作品の作・演出・出演を担当する赤堀監督が、上演作を自ら映画化。愛する妻をひき逃げ事件で奪われた工場経営者・中村(堺)が、復讐を果たそうと出所したひき逃げ犯・木島(山田)を追い詰める姿を通して、現代人が抱える孤独と狂気を描く。国内での公開を前に、第36回モントリオール映画祭、第56回ロンドン映画祭に出品された。堺は以前から「THE SHAMPOO HAT」のファンだといい、「私自身は15年ほど前、劇団に所属していたが、劇団員としての夢はついえた人間。この物語がフィルムに焼き付けられたことで夢が実現し、本当に誇らしい気持ち」と感無量の面持ち。すべてを失い、復讐に燃えるという役柄に「終始トランス状態というか、コントロールできないくらい、かき回された。試写で見ても自分がよくわからない顔をしている」と振り返った。かたや山田も「いろんなところで爆発が起こり、刺激を受ける作品。感情がガタガタにされた」とアピール。「食べるのが怖い地獄鍋のような作品。皆さんにおすそ分けするのは胸が痛みます」(綾野)、「こういう映画が好きという人が増えたら嬉しい」(谷村)と共演陣も本作が放つパワーに圧倒されていた。本作が監督デビュー作となった赤堀監督は、新人監督に与えられる「新藤兼人賞」の金賞を受賞したばかりで「このタイミングで出来過ぎですね。もらえるものはもらいますが、すいませんという気持ちも」と恐縮しきり。なお同賞銀賞は『ヘルタースケルター』の蜷川実花監督が受賞。新井と綾野は『その夜の侍』と『ヘルタースケルター』に出演しており、「両方の作品に参加しているうちらの方がよっぽどすごい」(新井)と自画自賛していた。『その夜の侍』公開中
2012年11月19日映画『その夜の侍』が11月17日(土)に公開を迎え、堺雅人、山田孝之、新井浩文、綾野剛、谷村美月、赤堀雅秋監督が都内劇場で舞台挨拶を行なった。赤堀監督が主催する「THE SHAMPOO HAT」が上演した芝居を監督自ら映画化した本作。妻をひき逃げで殺されて以来、犯人への復讐だけを胸に生きてきた男と刑務所から出所後も反省することなく生きる犯人、そして彼らに翻弄される周囲の人々の姿を描き出す。堺さんは「個人的なことですが」と前置きし、「僕は15年ほど前に劇団をやっていて、残念ながら劇団員としての僕の夢はダメだったんですが、下北沢の小さな劇場で始まったこの作品がこうしてみなさんに見ていただけるようになり、15年前の夢が叶ったような誇らしい気持ちです」と感慨深げに語った。山田さんは暴力的で残虐な木島を演じたが、劇中とは打って変わって「どうも山田です!」と軽い口調で挨拶。「木島よりはまともで普通です。安心してください」と笑いを誘っていた。決して明るく楽しい物語ではないだけに、綾野さんは「地獄鍋のようなこの作品をおすそ分けをすると思うと胸が痛みます」と複雑そうな表情。谷村さんは「こういう映画が好きという人が増えたら嬉しいです」と笑顔で送り出した。赤堀監督にとっては本作が監督デビュー作だが、新人監督に与えられる「新藤兼人賞」の金賞受賞が発表されたばかり。なぜか「すいません」を連発しつつ、赤堀監督は「出来過ぎです。スタッフやキャストのみなさんのおかげです」と頭を下げた。ちなみに同賞の銀賞は蜷川実花監督の『ヘルタースケルター』が受賞しており、新井さんは「その両方に出ているウチと綾野剛くんの方がよっぽどすごいと思います(笑)」と語り喝采を浴びていた。堺さんと山田さんは意外にも本作が初共演だが、印象について聞かれた堺さんは「撮影が大変で覚えていない」と苦笑い。山田さんも「そうです」とうなづき、撮影の過酷さを伺わせた。綾野さんは「孝之に顔をはたかれるシーンがありますが、あそこで僕は一瞬、本当に落ちてます」と告白。新井さんは、堺さんと山田さんを中心とした豪雨の中での渾身のクライマックスシーンの撮影翌日のファミレスでのシーンが最終日だったそうだが「スタッフもみんな気力ゼロでした。最後はひどい現場でしたね」と暴露し客席は笑いに包まれた。『その夜の侍』は全国にて公開中。■関連作品:その夜の侍 2012年11月17日より全国にて公開© 2012「その夜の侍」製作委員会
2012年11月18日人気劇団“THE SHAMPOO HAT”の傑作戯曲を映画化した『その夜の侍』で、堺雅人と山田孝之が初共演を果たした。お互いを「いろいろな顔を持っている人」(堺)、「本当の顔が分からない人」(山田)という印象を抱いた撮影を回想する演技派同士が、演じる役柄を通じてむき出しの感情をぶつけ合い、人間の本質をつまびらかにする重厚なドラマを作り上げた。その他の写真「『その夜の侍』はカオスです(笑)」と堺が評する本作は、妻をひき逃げ事故で失い、復讐を誓う中村(堺)と、出所した犯人の木島(山田)の因縁関係を主軸に、孤独な男たちを取り巻く人々の内情や葛藤までも炙り出す。ストーリーこそシンプルだが、人間の心の奥底まで立ち入った濃密なドラマは、観る者に“人間とは何か?”“生きていくこととは?”“他者との関係は?”という身近で深遠なテーマを問う物語に仕上がった。復讐を誓うが、その是非に葛藤する主人公を演じた堺は、「言葉にしてしまうことが難しい作品で(笑)。でも、僕には決して遠い世界には感じなかったです」と本作のリアル感を説明する。暴力的だが、深い孤独を抱えた木島役を怪演した山田も、「僕にはすごく普通の世界で、全然遠くない世界の話だと思いました」とリアルに根差した世界観であることを強調する。忌まわしい事件が起こらなければ中村も木島も出会わず、被害者、加害者の関係にも転化しなかった。緊迫した対立軸の中で、人は予想もしなかった“いろいろな顔”に変わり、“本当の顔”が分からなくなってしまう事態に陥ることがある。その意味で、リアルなのだ。「僕たちは“この中にいる”と思いました。皆、そう感じると思う。それと、木島を演じて、完成した映画を観て、そもそも人には本当の自分さえもないような気がしましたね」(山田)。“人間とは何か?”と本質を問うということは、“自分とは何か?”と自問自答することも意味するはず。逃げ場を失くした孤独な男たちがむき出しの感情をぶつけ合い、やがて辿り着く結末で何を知り、何を想うか。「難しいですよね(笑)。ただ、僕たちだけでなく、それぞれの人たちの人間模様、感情、状況を観てもらえれば。人の、“整理されない気持ち”が分かると思いますよ」(堺)という本作。公開後、大きな反響を集めそうな注目の一作だ。『その夜の侍』11月17日(土)より全国ロードショー取材・文・写真:鴇田崇
2012年11月16日堺雅人と山田孝之が共演する映画『その夜の侍』のメイキング映像が公開された。愛する妻を失い復讐だけを考えて生きる男と、出所した犯人の男。対峙したふたりの男の姿を演じる俳優陣の緊迫した空気が伝わってくる映像だ。『その夜の侍』メイキング映像本作は、5年前に妻をひき逃げされて復讐を誓う男、中村(堺)と、刑期を終えて出所したひき逃げ犯・木島(山田)を主軸に、彼らを取り巻く人々の孤独や葛藤を描いた人間ドラマ。劇団“THE SHAMPOO HAT”を率いる赤堀雅秋氏が主演も務めた舞台を、自ら映画化した作品だ。このほど公開されたのは、殺された妻の5回目の命日の夜、ついに中村と木島が対峙する重要なシーンの撮影現場をおさめたもの。撮影現場では大量の雨を降らせたが、中村役の堺は傘もささずに包丁を握る右手に力を込め、愛していた妻を想い、復讐して良いのかと葛藤する男を熱演する。これまで堺は、相手を翻弄する食えない男を演じることが多かったが、本作では急に訪れた妻の死に翻弄され、苦しむ男を全力で演じており、映像では「カット」の声がかかった後の苦渋に満ちた表情が印象的だ。一方、山田演じる木島は不敵な表情を浮かべ、暴力的な行動に出るもその内面には人知れぬ孤独を抱えている人物。雨のシーンでは、木島に不釣合いな赤い花柄の傘が彼の恐ろしさを引き立てており、カメラがまわる前に赤堀監督の演出を受けながら、徐々にテンションをあげていく山田の姿を見ることができる。さらにメイキング映像は、中村が木島に出会い、刃を向ける緊迫したシーンへ。圧倒的な量の雨を降らせながら、ふたりが格闘する複雑なシーンだが、堺、山田とも緊張感が切れることがなく、ふたりの気迫に応えるように赤堀監督らスタッフたちが撮影を進めていく様を確認できる。堺と山田が、むき出しの感情をぶつけ合い、人間の醜さやその本質を体現する映画『その夜の侍』。行き場をなくしたふたりの男が物語の結末でどこにたどり着くのか気になるところだ。『その夜の侍』11月17日(土)より全国ロードショー
2012年11月09日17日公開の堺雅人主演映画『その夜の侍』の完成披露試写会が7日にユナイテッド・シネマ豊洲で行われ、堺、山田孝之、新井浩文、綾野剛、谷村美月、田口トモロヲ、赤堀雅秋監督が舞台あいさつに登壇した。その他の写真本作は、劇団“THE SHAMPOO HAT”を率いる赤堀氏が、自ら作・演出と主演を務めた同名舞台を改稿し、監督を務めた作品。ひき逃げ事件で妻を失った思い出から抜け出せず、犯人への復讐を計画することで自分を保っている主人公・健一(堺)と、ひき逃げ犯の木島(山田)、そして彼らを取り巻く周囲の人々が抱える孤独や葛藤を描いた人間ドラマ。堺は本作について、「とても生々しくグロテスクで汚いんだけど、観終わったあとに美しく、崇高なものを観た不思議な気持ちになる」と話し、「大事な人を亡くした主人公が弔いへ向けて一歩踏み出す話ですが、僕自身も3.11の震災後に抱いていた、弔いたいけどどうしたらいいのか分からない心情が主人公と重なり、この役をやりたいと思いました」と語った。堺と山田は初共演となったが、堺は、「3年分くらいガッツリ共演したので、しばらくは顔も見たくない(笑)」と山田へ本音をぽろり。山田も、「僕も撮影が終わってから、CMで堺さんを見ると『うぇー』ってなりましたね」と反撃した。さらに、「堺さんとの共演シーンを楽しみにしていたが、撮影が始まるとつらい・寒い・帰りたいで最悪でした」と吐露し、本人たちにとってはそれほど濃密で重厚な撮影だったようだ。また、「非常に緊張してます」と、冒頭からハンカチで何度も汗を拭う姿が見られた綾野があいさつ後に中座する場面も。数分後舞台へ戻り、「貧血でした」と苦笑しつつも、「決して面白い作品ではないですし、かつ分かりやすい感動があるわけでもない。でも人間の愚かな姿が実直に出ていて、すごい作品が出来たのではないかと思う」と自信を見せた。続けて堺も、「おすすめしにくい映画だけど、僕は大好きです。願わくば、みなさんの心に突き刺さる作品でありますようにと祈るばかりです」と本作をアピールした。『その夜の侍』11月17日(土)より全国ロードショー取材・文・写真:滝島千尋
2012年11月08日凸版印刷が運営する電子チラシポータルサイト「Shufoo!(シュフー)」は、山田花子さんが出演する新CM「かしこくカエル」篇のオンエアを2012年10月26日から開始する。「Shufoo!」は、主婦にもっと買い物を楽しんで、もっと元気になってもらうためとして、子供を出産し主婦としても奮闘中の山田花子さんと一緒に、CMや歌などを通じて応援する「主婦ウフフ♪キャンペーン」を実施している。新CMのShufoo!「かしこくカエル」篇は、カエルのかぶりものをした山田花子さんがスマートフォンで「Shufoo!」をチェックしながら、かしこく買い物を楽しんでいるストーリーとなっている。「カエル飛びでお買い得商品に飛びついたりして、オトクにお買い物をすることにかける情熱が伝わってくるCMとなっている」(同社)。また、CMのテーマ曲と連動した楽曲「主婦ウフフ♪」は、主婦が日常の中で感じている気持ちや家族への想いを代弁した、可愛らしく、そしてハートフルな曲となっているという。今後、「主婦ウフフ♪キャンペーン」では、豪華商品が当たるプレゼントキャンペーンを行うなど、日本の主婦を応援する様々なキャンペーンを展開するとしている。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年10月23日山田洋次監督の最新作『東京家族』の特別試写会が4日(木)に京都四條南座で行われ、舞台あいさつに山田監督が登壇した。その他の写真本作は、1953年の小津安二郎監督作『東京物語』へオマージュを捧げた作品で、橋爪功、吉行和子、西村雅彦、夏川結衣、中嶋朋子、林家正蔵、妻夫木聡、蒼井優らをキャストに迎え、現代の家族の絆を描く。京都四條南座では、8月18日より山田監督の監督生活50周年を記念したイベントが連日行われており、『男はつらいよ』シリーズや『幸福の黄色いハンカチ』など全80作品を上映。イベント期間中の4日(木)に行なわれた『東京家族』の特別試写会には、3年ぶりの山田監督作を心待ちにしていた約500人の観客が集まり、山田監督が舞台あいさつを行った。山田監督は、「今日は、皆様がどういう風にこの映画を感じるか、判決を待つ被告のような気持ちでおります」とコメントし、さらに先日、世界の映画監督が投票で決める映画史上最も優れた作品に、本作のベースである小津監督の『東京物語』が選ばれたことについて、「2位の『市民ケーン』を抜いて1位になったと、世界中で話題になりました。時を越え、国を越えても、家族というものはやっかいなもんだという悩みを、世界中の人が共有できる、そういうところが評価されたのでしょうか」と話した。『東京家族』2013年1月19日(土)全国ロードショー
2012年10月05日監督生活50周年を迎える山田洋次監督の新作『東京家族』が来年1月に公開されるのを記念して、全50品目が入ったオリジナルおせちが、大丸松坂屋百貨店から販売されることが決定した。その他の写真映画は、“家族”をテーマにした作品を作り続けてきた山田監督が、巨匠・小津安二郎監督の傑作『東京物語』にオマージュを捧げた作品で、橋爪功、吉行和子、西村雅彦、夏川結衣、中嶋朋子、林家正蔵、妻夫木聡、蒼井優らをキャストに、現代の家族の絆を描く。このたび販売されるオリジナルおせちは、近年、「新年を家族で迎えたい」「家族で過ごす時間を大切にしたい」といった家族回帰の傾向に対応し、おせちを拡充している大丸松坂屋百貨店が販売するもの。オリジナルおせちは、角うに、味付数の子、ローストビーフ、ローズサーモン、豚バラあぶり焼き、穴子昆布巻など全50品が入ったボリュームのある和・洋風3段で、10月3日(水)より12月中旬まで、大丸・松坂屋・関係百貨店19店舗で予約することができる。価格は税込21000円。また、オリジナルおせちの購入者には、抽選で100組200名に映画『東京家族』のペア・チケットがプレゼントされる。『東京家族』2013年1月19日(土)全国ロードショー
2012年10月01日経済キャスターの鈴木ともみです。今回は、漫画家の山田玲司さんの著書『資本主義卒業試験』(星海社新書)をご紹介します。難題であるテーマ『資本主義』の構造が「マンガ×小説」形式により、とてもわかりやすくまとめられています。ぜひ、若い世代の方々にお読みいただきたい一冊です。鈴木 : 一気読みさせていただきました。複雑な「資本主義の構造」が的確に整理されている一冊ですね。山田 : ありがとうございます。難しいテーマですので、漫画のスキルを生かし、理解しやすいような会話形式でまとめました。鈴木 : クライマックスにかけてのシーンは、まさに舞台演劇の一幕のような迫力があり、圧巻でした。これまで、山田さんは「恋愛」や「非属」など、あらゆるテーマを題材にした(漫画を中心とした)作品を世に送り出し、評価を得ています。今回、改めて「資本主義」をテーマに選ばれたのには、どのような理由があったのでしょうか?山田 : 私は、日本経済のバブル成長期を20代で体験し、その恩恵を受けてきた世代です。さらに私よりも上の世代は、高度経済成長期を生きてきた世代です。そのような歴史を経た今、どんな時代にあるかと言うと、それら成長期に積み上げられたツケを多くの人たちが払わされている時代、まさに「巻きこまれの時代」の真っ只中にあると思うのです。今を生きる若い人たちは、この「巻きこまれの時代」のなかで、戸惑い苦しんでいる。その根幹にある「資本主義」の構造や実態を、自分なりの表現で、多くの人たちに伝えたいという思いから、本書が生まれました。鈴木 : 山田さんご自身は、その「巻きこまれ」の渦中にいたことはあるのでしょうか?山田 : 実際、私も貧乏漫画家として苦しんだ頃がありました(笑)。漫画家としての仕事の面だけでなく、恋愛の世界でも葛藤した時期もありました。そういった自分のなかに存在する部分や、友人のエピソードなどを投影させたのが、物語に登場するキャラクターたちです。鈴木 : 登場人物たちが個性豊かですよね。まさに「資本主義」社会に生きる象徴的な存在と言えるかもしれません。最初に登場する主人公は35歳の漫画家さんですね。鈴木 : 物語は、この35歳の漫画家・山賀玲介が取材したことのある有名大学の教授を訪ねる場面から展開していきますね。その教授が学生に出した「資本主義卒業試験Q・行きづまった現代の資本主義社会は、どういう形でつぎの社会へと卒業できるのか?」の答えをもらいに…。そこに、試験の単位が欲しいと女子大生の赤星リコが懇願しにきます。山田 : そうですね。登場人物一人ひとりが加わります。次に出てくるエコの国から来た鈴木大地というキャラクターは私の友人をイメージしました。鈴木 : この鈴木大地という人物の苦悩に共感される方は多い気がします。苦悩と言う点では、次に登場する黒沢という人物も中年サラリーマンが抱える典型的な失望と葛藤に苛まれていますよね。山田 : はい。黒沢を始め、登場人物たちは資本主義社会の歯車に巻きこまれ、根本にあったはずの「自分」がどんどんブレていき、不安や苛立ちや苦悩を抱えてしまうのです。商社マンの黒沢はその象徴的な例かもしれません。鈴木 : そして、主要な登場人物が出揃ったところで、一行はラピスという案内人に導かれ、『資本主義ランド』へとたどり着きます。そこには『ネバーエンディングストーリー』のもと、お城のなかに住むお姫様が登場し、「夢」や「欲望」を叶えることの大切さを説きますね。続いて登場するのが根拠のない、絶対無敵のヒーロー・ビクトリス。「努力すれば必ず勝利する」という思想を披露します。山田 : はい。絶対に負けないヒーローが、姫の欲望を叶え続ける世界ですね。そのキーワードは「成長」になります。鈴木 : そして、「成長」の彼方に築きあげた絶対的地位の大富豪がついに現れます。この『資本主義ランド』の場面は、本書の肝とも言えるかと思いますので、ぜひとも読者の皆さんには、その世界に陶酔しながら(笑)お読みいただきたいと思います! 描写はとてもファンタジックですが、内容はとてもシニカルで辛辣です。山田 : やはり、ファンタジーの世界にいる現実と、しっかりと向き合うことが大切だと思うのです。つまり、『成長』することであらゆる欲望が満たせるという幻想に包まれた『資本主義ランド』からの脱却です。自分だけは大丈夫、危険があれば保険をかけて、絶対安全で変わらない、必ず勝つ国『資本主義ランド』なんて、永遠に続くわけがありません。地球が何個もあって増えていけば、その幻想がずっと続いていくでしょう。でも、私たちは限りある地球のなかで、循環社会のなかで生きていますし、これからも生きていかなくてはならないのです。鈴木 : そうしたなか、本書では『資本主義卒業試験』の解答につながる3つのキーワードが出てきますね。山田 : はい。これら3つの答えは、「今さら」と思われる方もいれば、「なるほど」と納得される方もいるでしょう。決して単純化できるテーマではありませんが、そこを敢えて、伝わりやすい形で表現しました。決して自分がブレていくことのないよう、幻想の世界に惑わされずに、循環する事象や物事をその都度味わい、享受していきましょうよ! と。昼があれば夜もあります。季節だって移ろいます。でも、春夏が過ぎ秋になった時、その秋を憂い春夏に未練を残し続けるのではなく、秋を味わい、その後の冬も愛しましょうよ!ということです。鈴木 : なんだか詩人のようですね。山田 : そうですね(笑)。でも、世の中に詩人がもっと増えていったらいいなと思いますよ。「詩人政治家」や「詩人サラリーマン」など…。そうなれば、もっと感性豊かで「自分」を見失わないですむ世の中に近づいていけるような気がします。鈴木 : 金融・マーケット報道の世界で生きてきた私には、刺激的なお話の数々でした。今日はお忙しい中、ありがとうございました。山田 : ありがとうございました。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年09月20日山田孝之主演の映画『闇金ウシジマくん』の公開を記念して、山田をはじめ林遣都、崎本大海、やべきょうすけ、ムロツヨシら出演者が、“百獣の王”を目指すタレント武井壮をゲストに迎えた特別番組『超ヤベーぜ!TV ライジング エンジョイ!ウシジマくん編』の動画が公開された。特別番組『超ヤベーぜ!TV ライジング エンジョイ!ウシジマくん編』の動画この番組は、元十種競技日本チャンピオンで“地上最強の男”を目指して日々トレーニングを続ける武井が、映画に登場する最強の闇金ウシジマ社長や、強盗殺人を犯した噂もある最狂キャラ・肉蝮を“確実に倒せるシュミレーション”を披露し、山田たちに倒し方をレクチャーするというもの。武井の熱すぎるレクチャーを笑いながら観ていた山田たちも、番組が進むにつれ、眠っていた闘志に火がついたのかシュミレーションにすっかり引きこまれたようで、番組は最後まで笑いのたえない“熱い”内容になっている。山田は武井の熱いシュミレーション&プレゼンに「生きる活力をいただきました。彼のように生きることが出来たら戦争もなくなるのでは」と感心。武井は「街で知らない人に拳を振るうのではなく『闇金ウシジマくん』を観て、ウシジマ社長を倒すシミュレーションを立てて、ストレスを発散していただきたい」と映画をPRした。『闇金ウシジマくん』は、真鍋昌平の人気コミックを原作に、債務者へ非情な取り立てをする闇金会社カウカウ・ファイナンスの社長ウシジマ(山田)を訪れる債務者たちが、金と欲望を巡り“闇金の世界”に翻弄されていく姿を描いた人間ドラマ。『闇金ウシジマくん』公開中
2012年08月28日累計600万部を誇る真鍋昌平の同名コミックを、TVドラマに続いて映画化した『闇金ウシジマくん』の初日舞台あいさつが25日、東京・新宿バルト9で行われ、主演の山田孝之をはじめ、共演する林遣都、崎本大海、やべきょうすけ、ドラマに続きメガホンを執った山口雅俊監督が登壇した。山田は「土曜の午前中にこんな映画を観たら、楽しい週末は過ごせないと思います」と初回上映に駆けつけたファンに“警告”。「いいなと思ったら、周りの人に宣伝してほしいし、良かったら『剣心』も観てください」と同日公開のライバル作に塩を送った。その他の写真本作は、違法な金利で、非情な取り立てをする闇金会社カウカウ・ファイナンスの社長ウシジマを訪れる債務者たちが、金と欲望を巡り“闇金の世界”に翻弄されていく姿を描いた人間ドラマ。山田がTVドラマから主演を続投し、林が一大イベントを成功させて成り上がろうとするイベントサークルの代表を熱演。大島優子(AKB48)が母親の借金を肩代わりし、出会いカフェにハマるフリーター役でそれぞれ新境地を開いた。林は「自分とはかけ離れた世界に生きる男なので、振り切ってやらないといけないと思った」と役作りを振り返る。山田とは同じ事務所で「撮影前に社長に呼び出されて『山田のウシジマはすごいぞ。お前はどう戦うつもりか言ってみろ』とものすごくプレッシャーをかけられた」と知られざるエピソードも披露していた。なお、大島は同日開催されたAKB48の東京ドーム公演に出演中で、舞台あいさつには欠席し、ビデオメッセージを寄せた。「ぜひ舞台上でAKB48の曲で踊ってほしい」と山田らにリクエストしたが、山田は「やれと言われれば、何曲でもやりますけど、次の上映もありますから…」とやんわりダンスを拒否していた。山口監督は「ハードでダーク。予定調和には終わらない、心に残る映画を作ったつもり。『日本よ、これが映画だ』なんて言われ、確かに日本は元気がないが、ここにいる皆さんはいずれ世界に出ていく才能なので、追いかけながら支えたい」と山田らをたたえていた。『闇金ウシジマくん』公開中
2012年08月27日情け容赦ない闇金業者・ウシジマを主人公に、カネや欲望に踊らされる人間の悲哀と本質をリアルに描く問題作『闇金ウシジマくん』。本作で共演を果たした主演の山田孝之と林遣都が、伝説の闇金と野心家のギャル男へのアプローチ法を明かすとともに、劇中の若者たちのように誘惑に負けて代償を払うことがないようにとアラートを鳴らした。その他の写真ファン待望の劇場版は、債務者の人生を脅かす超法外な金利で金を貸す伝説の闇金・ウシジマが、出会いカフェにハマるフリーター・未來(大島優子)、野心家のイベントサークル代表・純(林)たちを徹底的に追い込み、ギリギリの人間ドラマを炙り出すサバイバル・エンターテインメント! 深夜ドラマに続いてハマリ役のウシジマ役を続投した山田は、「ドラマ版のスピード感はそのままに、スクリーンで観て初めて成立する引きの映像、長い間に感動しました」と今作を高評価。純役で初参戦した林も、「ウシジマという恐ろしい人間と戦うポジションで出られたことがよかったです(笑)」と最強のダークヒーローと対峙する純役を満喫したことをコメント。若手演技派同士の激突シーンは、手に汗握る迫力だ!ただ、ウシジマも純も超有名キャラ。それぞれアプローチには思案と工夫が必要だったという。「ウシジマという人間を語り過ぎてはいけないと思っていた」という山田は、「人それぞれ受け取り方が違うからウシジマは怖い」と、素性がよく分からないからこそダークヒーロー足り得ると分析。「映像にする以上、そこを提示し過ぎないように心がけていました」とミステリアスな状態を維持したまま演じていたことを説明。一方、「自分とかけ離れている男だった」と純役を回想する林は衣装やメイクに力を入れる手段は避け、「ただ必死に毎日を生きている男として演じました。のし上がっていく気持ちを大事にしていました」と純の内面を重視するアプローチを実践。彼の必死感は林のリアルな演技で最高に伝わってくる。劇中の若者たちはウシジマの制裁で人生の意味をも知るが、長年ウシジマを演じた山田は、「それこそが、この作品を作った意味だと思います」と最後にシリーズを総括! 「ウシジマも債務者もお金をどう見ているかという違いだけで、どっちも結局は醜いなって思いますね。僕たちがそういう人たちを演じて作品を作る意味は、そこを提示したかったからです」。未來も純も、どこにでもいる若者たちで、どこにでもある欲望の結末を味わう。「そうですね。誰でもなり得るので、『闇金ウシジマくん』は警鐘にもなっていくはずです。深夜ドラマも同じテーマで作っていましたが、今回は映画版として提示したいですね」。『闇金ウシジマくん』8月25日(土)より、全国ロードショー取材・文・写真:鴇田 崇
2012年08月24日まもなく公開となる映画『闇金ウシジマくん』に出演する山田孝之、林遣都、崎本大海、ムロツヨシ、やべきょうすけ、希崎ジェシカが20日に都内某所の焼肉屋に集結。撮影現場の様子などについて様々なエピソードを暴露し、その模様がニコニコ動画で生中継された。その他の写真真鍋昌平の人気漫画を一昨年の深夜ドラマに続く形で映画化。トゴ(10日で5割)という違法利息で金を貸し付ける丑嶋と彼の債務者たちの姿を通じ、金や欲望が幅を利かせる現代社会を鮮烈に描き出す。やべと希崎のコンビによる司会で始まったこの飲み会兼暴露大会。まずは緑茶ハイ(やべ)とウーロン茶(希崎)を頼んだ直後に本命の丑嶋社長こと山田とその部下の高田役・崎本が到着!ふたりは生ビールを注文し揃って乾杯して本格的にトークがスタートした。さらに山田が直接、携帯電話で呼び出す形で林も到着。林は「急に呼ばれて来たんで状況読めてないですが…」と戸惑いつつも生ビールを注文し、一同は改めて乾杯した。林が来た途端にニコニコ動画では“遣都(ケント)”にちなんで“デリカット”という投稿が連発される事態が発生した。劇中の丑嶋は野菜が食べられないという設定だが、山田は和風ドレッシングのサラダを注文。ドラマでの大量のカイワレを食べるシーンをふり返り「(口が)イタかった!二度とやらない」と苦笑い。さらに丑嶋の好物であるオムライスの食べ方などを解説したが、やべによると、食べ物の撮影に関して山口雅俊監督には「かなりこだわりがあった」という。酒と食事が進むにつれて話題も徐々にディープに。ドラマの製作、さらに劇場化に至る経緯を年表で振り返りつつ、裏話を交えながら盛り上がりを見せた。映画『闇金ウシジマくん』 公開直前企画ニコニコ生放送 「超ヤベーぜ!TVライジング」20日 22時30分まで生放送中『闇金ウシジマくん』8月25日(土)より、全国ロードショー
2012年08月20日山田孝之主演で、累計600万部を超える真鍋昌平の人気コミックを映画化した『闇金ウシジマくん』。“闇金”という社会のダークサイドを描く本作と切っても切れない“お金”について、山田さんが語るインタビュー&TVスポット映像がシネマカフェにいち早く到着した。深夜ドラマ版で山田さんが演じ、ハマリ役として大きな話題になった主人公・丑嶋は、非合法の金貸し“闇金”で非情に債権者を追いつめていく“ダークヒーロー”。劇場版では母親の借金を背負った娘やイベントサークルで成り上がろうとする若者らを通じて、金と欲に踊らされる現代社会の闇を炙り出す。今回届いた映像では、本作の根本的なメッセージを「お金のもっている力」だと力強く語る山田さん。劇中ではトゴ(※10日で5割の金利)と呼ばれる法外な金利で金を貸し、大島優子や林遣都が演じる債務者から冷酷に借金を取り立てていくが、「お金との適切な距離を保って置かないと、人間も人間関係もすぐに崩れてしまう。そういう感覚で観てもらいたいです」と“搾取する”側の立場から警鐘を鳴らす。ほかにも、ダークなユーモアが満載の本作の楽しみ方について語る山田さんが、特に映画版で称賛するのが初参加を果たした共演者たちの熱演。「何と言っても(林)遣都と大島さんが、魅力的で良い芝居をしています」と先輩の顔になり、若手2人をベタ褒めしている。“明日は我が身”とは思いたくないものだが、この不安定な世の中で転げ落ちるその前に、こちらの映像から「お金との適切な距離」を学んでみては?『闇金ウシジマくん』は8月25日(土)より新宿バルト9ほか全国にて公開。※こちらの映像はMOVIE GALLERYにてご覧いただけます。MOVIE GALLERY■関連作品:闇金ウシジマくん 2012年8月25日より新宿バルト9ほか全国にて公開© 2012真鍋昌平・小学館/「闇金ウシジマくん」製作委員会
2012年08月20日日本映画界の巨匠・山田洋次監督の3年ぶりの最新作にして監督生活50周年の記念作品となる『東京家族』で、このほど音楽界の巨匠・久石譲が音楽を手がけることが明らかとなった。夢の初タッグを組んだばかりの2人の巨匠から興奮のコメントが到着!いまなお海外の映画ファンから支持を集める小津安二郎監督の不朽の名作『東京物語』をモチーフに、山田監督が2012年の東京を舞台に“今の家族”の物語を描いた渾身の一作。瀬戸内海の小島で暮らす老夫婦が息子たちに会いに上京し、一時はバラバラだった家族が久しぶりに揃うもその生活の違いから徐々に関係に歪みが生じていくさまを丁寧に映し出す。久石さんは、『風の谷のナウシカ』などのスタジオジブリ作品を始め、北野武監督作『HANA−BI』や『おくりびと』、『悪人』などの作曲を手がけており、その類まれなる音楽センスは海外でも高く評価されている、日本映画界に欠かせない存在。7月半ばに収録が行われた『東京家族』の音楽は、ピアノ演奏が終わった瞬間、山田監督に「ブラボー!」と言わしめるほどの会心の出来に。久石さん自身、山田監督作品の大ファンだそうで「『男はつらいよ』シリーズや、『幸福の黄色いハンカチ』、『武士の一分』、『おとうと』などこれまでいっぱい観てきているので、ぜひ一度参加させていただきたいなと思っていました!」と初タッグの興奮を明かす。レコーディングでは、何度も打ち合わせを重ねながらじっくりと丁寧に収録していったというが、その出来栄えに日本映画界の巨匠の口からは「僕がイメージしていたような、“そんな音楽が聞きたかった”と思っていたようなメロディであり、楽想、音色でありました。大変、満足しています!」と手放しの称賛の言葉がこぼれる。一方、久石さんは「山田監督はすごく芝居を大切にされる方なので、音楽もできるだけ控えめというか、“あまり主張はしないんだけど、後ろでしっかり支える”ような、そういう音楽が書けたらいいなと思って取り組みました」と音楽へのこだわりを明かした。久石さん曰く“しっかり支える”音楽が、どのように山田監督の紡ぐ物語とキャラクターの感情にリンクしていくのか?いまや遅しと完成が待たれる本作は既に撮影を終えており、現在はポストプロダクション中。完成は8月末になるようだ。『東京家族』は2013年1月19日(土)より全国にて公開。■関連作品:東京家族 2013年1月19日より全国にて公開© 2013「東京家族」製作委員会
2012年08月16日累計600万部を誇る真鍋昌平の同名コミックを、TVドラマに続いて映画化した『闇金ウシジマくん』の公開を記念し、11日、都内で高校生限定のティーチイン試写会が開催された。上映後には主演の山田孝之と、ヒロイン役で共演する大島優子(AKB48)が出席し、映画のテーマである“お金”や“人生”について、高校生からの質問に答え、「お金を最終目標にはしてほしくない。お金は自分の夢や、やりたいことへの中間に位置するもの」(山田)、「私自身もこの映画からガムシャラに生きることの大切さを感じました。過激な作品ですが、皆さんにとっての道しるべになれば」(大島)とメッセージを送っていた。その他の写真本作は、債務者へ非情な取り立てをする闇金会社カウカウ・ファイナンスの社長ウシジマを訪れる債務者たちが、金と欲望を巡り“闇金の世界”に翻弄されていく姿を描いた人間ドラマ。山田がTVドラマから主演を続投し、大島は母親の借金を肩代わりし、出会いカフェにハマるフリーター役で新境地を開いた。ある男子学生から「人気者になりたいので、アドバイスがほしい」と発言すると、山田は「人気者、なりたいですか? ならなくていいと思うし、注目されると面倒くさいですよ」と思わず本音が。それでも「周りが見えないくらい何かに打ち込んで“面白い人”になれば、自然と人気者になれるかもしれない」と助言。一方の大島は「すっごく日焼けするのはどうですか? きっと周りのみんなは『どうしてそんなに日焼けしているの?』って聞いてくるはず。安易な答えですみません」と恐縮していた。また将来の方向性に不安を感じるという女子高生に対しては「好きなことを追及して、そこを活かしてみるといい」(山田)、「私自身、好きなことをやらせてもらっているので恵まれていると思う。すごくまれなことだと思いますけど」(大島)。「ここ最近の一番大きな買い物は?」の質問に、山田が「去年やっと車を手に入れた」、大島が「実印を買いました」と答え、プライベートな一面も垣間見せていた。『闇金ウシジマくん』8月25日(土)全国ロードショー
2012年08月13日累計600万部を誇る真鍋昌平の同名コミックを、TVドラマに続いて山田孝之主演で映画化した『闇金ウシジマくん』の公開を記念し、3日、東京・新宿バルト9でTVシリーズの一挙見オールナイト上映会が行われた。くしくも8(や)月3(み)日の金(きん)曜日だった同日、上映を前に出演者のやべきょうすけ、崎本大海、希崎ジェシカ、山口雅俊監督が舞台あいさつに立ち、撮影時の裏話を明かした。その他の写真本作は、闇金会社の社長ウシジマ(山田孝之)が、金や欲望に踊らされる債務者たちを非情な取り立てで追いつめる姿を、笑いとエロス、そして過激なバイオレンスで描いた骨太ドラマ。この日、本作で舞台となる“カウカウ・ファイナンス”の社員を演じるやべと崎本が、来場者に特製ポケットティッシュを直接手渡しするファンサービスを行った。やべは“社長”山田とのエピソードを暴露。「社長らしく、よく僕らを食事に連れて行ってくれた。僕のほうが、年齢もキャリア的にも先輩ですけど甘えっぱなしで(笑)」。さらに「作品に対する思い入れが強い人。撮影中もよく体を鍛えていた」と知られざる素顔を明かした。そんな山田がドラマの撮影中、現場に差し入れたのはなんとエアガン!「疲れやストレスがたまったスタッフさんに、自由に使ってもらおうという“社長”のアイデア。実際みんなストレスがたまっていたらしく、すぐにそこら中BB弾だらけになった」と楽しそうに振り返っていた。一方、崎本は同じくカウカウ・ファイナンスの社員を演じる女優・片瀬奈々の現場での様子を「朝6時から深夜まで、1日に30シーン撮るタイトなスケジュール。しかも片瀬さんが午前2時に別の現場に行かなければいけないという状況になった時、片瀬さんが『明日が来なければいいのに』とメモに走り書きしていて…」と述懐。「僕も自分に負けないよう心掛けた」と語った。8月27日に公開される映画版『闇金ウシジマくん』には、おなじみのメンバーはもちろん、母親の借金返済のため、怪しげなバイトにハマるヒロイン役の大島優子(AKB48)、イベントを成功させ成り上がろうとする大学生を演じる林遣都ら豪華な新メンバーも顔をそろえる。TVシリーズに続き、映画版も手掛けた山口監督は「題材が題材なだけに、最初は(ドラマを)オンエアできるかも分からない状態だった。それでも幸いご好評をいただき、映画化にこぎつけることができた」と感無量の面持ちだった。『闇金ウシジマくん』8月25日(土)全国ロードショー取材・文・写真:内田 涼
2012年08月06日堺雅人と山田孝之をキャストに迎え、自ら書き下ろした戯曲を映画化した赤堀雅秋の初監督作『その夜の侍』。このたび、本作が8月23日(現地時間)より開幕となる第36回モントリオール世界映画祭の「ファースト フィルムズ ワールドコンペティション部門」に出品されることが明らかとなった。小さな鉄工所を営む中村健一は、5年前にひき逃げ事件で妻・久子を亡くして以来、虚無感に囚われた生活を送っていた。一方、ひき逃げ犯・木島は刑期を終えて出所。しばらくすると木島の元に、“何か”をカウントダウンする匿名の脅迫状が届くようになる。送り主は中村に違いないと周りの者はそれを止めさせようとするが、久子の命日の夜、遂に2人は対峙することになる――。本作の出品が決定した「ファースト フィルムズ ワールドコンペティション部門」は、世界中から選りすぐった初監督作品で競うコンペティション部門。同部門に選ばれた作品はもちろん賞の対象にもなるため、映画祭でも一際高い注目を集めている部門である。劇団「THE SHAMPOO HAT」の旗揚げ以来、全作品の作・演出・出演を担当し、その独自の世界観は“赤堀ワールド”と称され多くの支持を集めてきた赤堀監督は、初映画監督作ながらも舞台で鍛え上げた手腕で主人公・中村役の堺さん、木島役の山田さんを始め綾野剛、谷村美月、坂井真紀、安藤サクラら豪華実力派キャストの力を存分に引き出し、細部にわたってこだわりを見せ、独自の世界観を映画に注入させたようだ。今回の海外出品の決定について、当の赤堀監督は「なんかすいません…といった感じです。出品させていただくことになり、キャスト・スタッフのおかげだと思います。嬉しいです」と恐縮しつつも、その喜びを噛み締めている様子。かつては滝田洋二郎監督が『おくりびと』でグランプリ、『悪人』の深津絵里が最優秀女優賞、『わが母の記』が審査員特別大賞受賞と、数多くの日本映画が栄えある賞を手にしてきた映画祭だけに、同じくコンペティション部門の賞レースに本作がどのように絡んでくるのか、注目が集まる。『その夜の侍』11月17日(土)より全国にて公開。■関連作品:その夜の侍 2012年11月17日より全国にて公開© 2012「その夜の侍」製作委員会
2012年07月30日小学館漫画賞に輝いた人気漫画を2010年の連続TVドラマに続いて映画化した『闇金ウシジマくん』の完成披露試写会が7月11日(水)に都内で開催され、主演の山田孝之に劇場版のヒロインの大島優子(AKB48)、林遣都、新井浩文、崎本大海、やべきょうすけ、山口雅俊監督が舞台挨拶に登壇した。非合法の金貸し“闇金”として非情に債権者を追いつめていく“ダークヒーロー”ウシジマ(山田さん)の姿は深夜帯のドラマで大きな話題に。劇場版では母親の借金を背負った娘やイベントサークルで成り上がろうとする若者などを通じて、金と欲に踊らされる現代社会を鋭く描き出す。監督はドラマから本作に携わってきたが、違法な金融業を描く作品だけあってTV局も及び腰だったそうで「『カイジ』や『ナニワ金融道』は問題ないのに、この作品はなかなか『やる』と言ってもらえなかった。苦労して立ち上げた」としみじみ。今回の劇場版について「こういう場で『最高のキャスティング』と嘘をつくプロデューサーや監督がいっぱいいますが(笑)、この作品に関しては本当に最高のキャスティング!」と毒を交えつつ万感の思いを明かした。山田さんも「深夜ドラマでお金もない中で手さぐりで作ってきました。たぶん『面白い』と思ってくれた人が多かったんでしょう。(映画も)暑い夏に撮影してやっと、公開が近づいてきました。よかった…」と飄々と語りつつも強い思いを感じさせた。大島さんは先ほどの監督の「最高のキャスティング」という言葉に、「演技派、個性派のみなさんに囲まれて緊張する日々でしたが、いまは至福のときです」と満面の笑みを浮かべていた。ちなみに、新井さんはライヴに何度も行くほど大島さんの大ファンだったそう。この日も「並んでるのが不思議」と語っていたが、もともと脚本上ではたった一度だけあった大島さんと新井さんの共演シーンを「監督が削った」(新井さん)と恨めしげな表情を見せた。劇中で大島さんは借金に溺れ不幸のどん底に落ちていく役を演じているが、この日は大島さんが100万円をトゴ(※10日で5割の金利)で貸す側となり、男性陣はそれぞれ担保を発表!監督からは「次回作の主演オファーと晩酌セット」という魅力的な提案が。崎本さんは「半分くらいなくなっても大丈夫ということなので」と生々しく「肝臓」を担保にしようとしたが、大島さんは「もらってどうすればいいの?」と困惑。監督からは「生レバー禁止ですからね」とツッコミが飛んだ。林さんは「人生で一番モテて楽しかった」という「中学校の記憶」をカタに借金を画策。新井さんはリアルに「身分証のコピーと実印」を提供し、しかも事務所の先輩の浅野忠信を保証人にする周到ぶりで笑いを誘っていた。最後に山田さんが掲げたボードには「命名権」の文字が…。話題の命名権(ネーミングライツ)を譲渡することで、例えば、山田さんが2人目の“大島優子”になって、大島さんの代わりにコンサートなどの仕事をこなすと熱弁。これには大島さんも大喜び。監督は「山田くんは(AKB48のヒット曲)『ヘビーローテーション』を歌って踊れる」と太鼓判を押しており、AKB劇場に登場する日も近いかも…?山田さんは借用書にサインをし「山田孝之改め、大島優子です!」とノリノリだった。『闇金ウシジマくん』は8月25日(土)より新宿バルト9ほか全国にて公開。■関連作品:闇金ウシジマくん 2012年8月25日より新宿バルト9ほか全国にて公開© 2012真鍋昌平・小学館/「闇金ウシジマくん」製作委員会
2012年07月11日“闇金”という社会のタブーを描き、累計500万部の売上を誇る真鍋昌平の同名コミックを、ドラマ版に続き、山田孝之主演で映画化した『闇金ウシジマくん』が今夏公開となる。「AKB48」の大島優子、林遣都を始め、新井浩文、市原隼人ら若手実力派の豪華な面々による、ドギマギさせられる過激なセリフが満載の予告編映像が到着した!10日(ト)で5(ゴ)割という法外な利息でカネを貸し付ける「カウカウ・ファイナンス」の若き社長・丑嶋(ウシジマ)の元に救いを求めにやって来る債務者たちの姿を通じて人々の欲望、社会の歪みを巧みに描き出す本作。今回届いた予告編では、ドラマ版からのハマリ役である山田さんが主人公・ウシジマの容赦ない仕事はもちろん、大島さん扮する出会いカフェのバイトで体を売って金を稼ぐ未來(ミコ)、林さん扮する成り上がりを夢見るイベントサークル代表のチャラ男・純の2人が、欲望の泥沼に飲み込まれていく様子が垣間見れる。これに加えて、本作のキーパーソンとなる新井浩文扮する純を追い回す怪人“肉蝮(にくまむし)”の姿も。ボロボロの歯に虚ろな目、そして真夏にも関わらずボア付きのコートという異様な身なりで包丁を手にした姿は怖ろしい。さらに、未來を取りまく男たちの一人、アキト役で出演するウェイター姿の市原さんも、一瞬ではあるが確認することができる。原作では、母親から信じられないような言葉を投げかけられ、自身も「若さはカネになる」と哀しいまでのドライな捨て台詞を吐く現代っ子な未來に寄り添う、誠実で優しい幼なじみの男性として登場するが、本作ではどのような男性として描かれているのかはまだ明かされておらず、大島さんとの共演シーンに期待が集まる。若さ、カネ、成り上がり…と様々な欲を糧に現代社会を生きる彼らに、ウシジマが投げかけるのは「逃げられると、思ってんの?」の一言。借金の取り立てから、どうしようもない欲望から、彼らは何から逃れようとしているのか?その答えは劇場で確かめてみるとして、ひとまずこちらの映像から社会の闇でうごめく人間模様を覗いてみて。『闇金ウシジマくん』は8月25日(土)より新宿バルト9ほか全国にて公開。※こちらの映像はMOVIE GALLERYにてご覧いただけます。MOVIE GALLERY■関連作品:闇金ウシジマくん 2012年8月25日より新宿バルト9ほか全国にて公開© 2012真鍋昌平・小学館/「闇金ウシジマくん」製作委員会
2012年06月27日累計500万部を突破した真鍋昌平の同名コミックを、TVドラマに続いて山田孝之主演で映画化した『闇金ウシジマくん』の主題歌が、Superflyの新曲『The Bird Without Wings』に決定した。その他の写真『闇金ウシジマくん』は、債務者へ非情な取り立てをする闇金会社カウカウ・ファイナンスの社長ウシジマ(山田)と、債務者たちが金と欲望を巡り“闇金の世界”に翻弄されていく姿を描いた人間ドラマ。山田の他に、大島優子、林遣都、市原隼人、新井浩文らが出演する。本作でSuperflyが歌う『The Bird Without Wings』のテーマは、“不安に立ち向かう”というもの。Superflyは「みんなハンディキャップを抱えながら、不安を抱きながら日々を過ごしている。それでも前へ進まなければいけない。そんな心の葛藤と決意を描きました」とコメント。また、山口雅俊監督は「(本作は)大島優子さんたちが演じる普通にどこにでもいる無力な若者たちが、ウシジマに象徴される人生の困難と格闘する映画。この曲の主題もそこにあり、映画に大きい力を与えてくれた。この曲をうみ出したすべての人にありがとうと言いたい」と語っている。本楽曲は、8月15日(水)にCD発売される。『闇金ウシジマくん』8月25日(土)全国ロードショー
2012年06月20日2012年度「渡邉暁雄音楽基金」音楽賞・特別賞の発表記者会見が、6月7日に都内にて行われた。音楽賞は山田和樹(指揮者)、特別賞は中藤泰雄(株式会社ジャパン・アーツ代表取締役会長)が受賞した。「山田和樹」の公演情報本基金は、日本フィルハーモニー交響楽団の創設者で、戦後の音楽界の発展に大きく貢献した指揮者・渡邉暁雄の業績を後世に引き継ぐため、1992年6月に誕生。毎年、次代の音楽界を担う優秀な指揮者、およびオーケストラ界に貢献した関係者の顕彰を行っている。今回5年ぶりとなる音楽賞受賞となった山田和樹は、いま最も目覚しい活躍を続ける若手指揮者のひとり。現在NHK交響楽団副指揮者、オーケストラ・アンサンブル金沢ミュージック・パートナーなどを兼任するほか、今年9月にはスイス・ロマンド管弦楽団首席客演指揮者、日本フィル正指揮者に就任する。現代の音楽シーンの潮流とは一線を画す個性、オーケストラを豊かに“ドライブする”才能などが評価された。特別賞を受賞した中藤泰雄は、1976年に株式会社ジャパン・アーツを設立。文化事業を通じ、世界一流の舞台芸術を日本に紹介するほか、日本人演奏家の海外への紹介も行うなど、クラシック音楽の普及、演奏家の育成、文化事業の活性化と団結を図り、国際発信力を強化したことなどが評価された。記者会見で受賞者のふたりは、「僕の師である松尾葉子、小林研一郎両先生の師匠だった渡邉先生のお名前を冠した賞ですから、本当に嬉しいです。指揮者のある種のDNAのようなものを受け継げたのかなと。この賞を励みに今後も頑張っていきたいと思います」(山田和樹)、「これからも日本と外国の文化交流に貢献できるよう、良い仕事を続けてきたいです」(中藤泰雄)と、喜びと今後の抱負を語った。
2012年06月08日山田洋次監督の最新作『東京家族』の製作報告会見が30日に東京・成城の東宝スタジオで開かれ、山田監督をはじめ、橋爪功、吉行和子、西村雅彦、夏川結衣、中嶋朋子、林家正蔵、妻夫木聡、蒼井優が出席した。そのほかの情報名匠・小津安二郎の『東京物語』へのオマージュとして、現代を舞台に家族の絆を描いた、山田監督にとっては監督生活50周年を記念する作品。当初は 2011年4月にクランクインの予定だったが、東日本大震災の発生を受け、山田監督の意向によって、撮影が延期されていた。今年3月1日、正式にクランクインし、5月末に撮了を迎える。山田監督は「延期は正しかった。もしあのまま製作を続けていたら、とっても後悔していたはず。3.11という大惨事を無視することはできなかった」と断言。その上で「この国が今後どうなるのか。作品の最後に提示することができれば。本質的には人間喜劇で、キャストの皆さんの連帯と情愛のおかげで、楽しく仕事することができた」と手応えを示した。81本目のメガホン作だが「そもそも巨匠といわれる人は80本も作品を撮らないもの。今回、改めて小津安二郎がいかにすごいかしみじみ分かった」と語った。2012年5月の東京を舞台に、橋爪と吉行演じる老夫婦が、成長した子どもと会うため瀬戸内海の小島から上京する姿を通して、家族の絆や老い・死についてメッセージを投げかける。「思いもよらない大役。作品がダメだったら、監督のせいですけど(笑)」(橋爪)、「山田監督とは初めてのお仕事で、大緊張の毎日。同時に楽しく幸せな気持ち」(吉行)。老夫婦の次男・昌次(妻夫木)と、その恋人の紀子(蒼井)は被災地である福島でのボランティアで出会ったという設定。妻夫木は「親には面と向かって『ごめん』や『ありがとう』が言えないもの。橋爪さん演じる男親の厳しさ、吉行さんの女親の優しさが身に染みた」としみじみ。蒼井は大女優・原節子が演じた紀子役を受け継ぎ「大きすぎる役柄なので、意識してしまうと家から出れなくなってしまう(笑)。監督からも言われた通り、『感じること』を大切に演じたので、ぜひ寛大な心で受け止めてください」とアピールした。この日は日本映画界で最高齢の映画監督だった新藤兼人氏が100歳で死去したと報じられ、山田監督は「仰ぎ見る先輩がいなくなるのは、さみしいこと。地を這うような苦労をなさって映画を作った方」と追悼のコメントを出した。『東京家族』2013年1月全国ロードショー取材・文・写真:内田涼
2012年05月30日山田洋次監督の最新作『東京家族』の製作報告会見が5月30日(水)、東京・成城の東宝スタジオで行われ、山田監督を始め、橋爪功、吉行和子、西村雅彦、夏川結衣、中嶋朋子、林家正蔵、妻夫木聡、蒼井優が出席した。同日、日本最高齢の映画監督だった新藤兼人監督(享年100歳)が亡くなったことが報じられ、山田監督は「仰ぎ見る先輩がいなくなるのはさみしいこと。地を這う思いで映画を作り、スクリーンから“肉声”が聞こえてくるような監督だった」と追悼の意を表した。山田監督にとって81作目のメガホンにして、監督生活50周年を記念した『東京家族』。当初は2011年4月のクランクインを予定していたが、東日本大震災の発生を受けて、山田監督の意向で撮影が延期されていた。小津安二郎の『東京家族』(1953)にオマージュを捧げ、震災後の2012年5月の東京を舞台に、老夫婦と次男坊の絆を通して、観る者に普遍的な家族愛を問いかける。山田監督は「延期は正しかった。3.11は無視できない大惨事だし、もしあのまま製作を始めたら、とても後悔していたはず」と述懐し、「日本という国がこの先どうなるのか…。作品の最後に提示できればと思った。本質的には人間喜劇」と確かな手応えを感じている様子だ。実力派俳優が顔を揃える本作だが、意外にも蒼井さんを除き“山田組”には初参加。主人公の老夫婦を演じる橋爪さんと吉行さんは「思いもよらない大役」(橋爪さん)、「大緊張の毎日」(吉行さん)とそれぞれふり返る。次男を演じる妻夫木さんは、山田組への参加を先輩俳優の永瀬正敏に報告したと言い「永瀬さんから『良かったな、勉強になるぞ』とメールをいただいた。大切にしたのはフィーリング」と満足そうな笑顔を見せた。一方、山田組に関しては“先輩”にあたる蒼井さんは「私だけロケ参加が1か月遅かったんですが、その間にすっかり抜かされていて、焦りました(笑)」と苦笑しきり。演じるヒロインの紀子は、往年の大女優である原節子が演じた役柄とあって「紀子は、私には重過ぎる名前。意識してしまうと家から出られなくなるので、新鮮な気持ちを心がけた。寛大な心で受け止めてください」と控えめなアピールながら、やはり自信をのぞかせた。『東京家族』は2013年1月、全国にて公開。■関連作品:東京家族■関連記事:山田洋次監督が「第二の故郷」柴又を練り歩き!『東京家族』製作は来年春に再開
2012年05月30日ハニーラボ「スキンケア・トライアルセット」が1050円、送料無料でお届け山田養蜂場からスキンケア・トライアルセット、5点と泡立てマッサージスポンジも付いて1050円で試せるチャンス。トライアルセット5点の内容1、メイク落とし 13ml2、洗顔パウダー 7g3、化粧液 15ml4、乳液 15ml5、パック 10mlその他、泡立てマッサージスポンジ・ミニサイズ今回のお勧めはハニーラボパック。就寝前に塗ってそのまま眠って、朝洗い流すだけのハチミツ美容液パック。小じわを目立たなくするという。また、睡眠時間をそのままスキンケアの時間に出来る優れもの。忙しい人にも毎日続けられるパックだ。パックの3つの魅力1、睡眠時間は肌が生まれ変わる大事な時間。ハニーラボパックは睡眠中にじっくりと肌にうるおいを与えながら不要な角質をほぐしていき、朝の洗顔で洗い流す簡単スキンケア。2、生ハチミツ(完熟アカシア蜂蜜)をエキス化せずに、そのまま配合し栄養素をしっかり肌に届ける。3、ブルガリア産(ダマスクローズ)から抽出した成分を配合し、心地よいローズの香りが心地よい眠りに誘う。ハニーラボ「スキンケア・トライアルセット」の詳細は下記の外部リンク、山田養蜂場まで。元の記事を読む
2012年04月12日