2005年に発売された島本理生原作の恋愛小説『ナラタージュ』が、松本潤と有村架純の共演で映画化されることが発表された。長年に渡り映画化を熱望していたという行定勲監督がメガホンを執り、2017年秋に公開される。その他の情報映画は、高校教師と生徒として出会った男女が、数年後に再会し、一生に一度しかめぐり会えない“究極の恋”に落ちる様を描いたラブ・ストーリー。決して許されないとわかっていながらも惹かれ合うふたりの純愛を紡ぎ出していく。高校の演劇部の顧問で、ある過去の出来事によって逃れられない影を抱えている教師・葉山貴司を松本が、孤独だった高校生活を葉山によって救われた元生徒で、現在は大学に通う工藤泉を有村が演じる。痛みすらも愛おしいほどの恋を体現するふたりは、「恋愛というのは、感じ方や受け取り方が人それぞれ違うものだと思います。でも、人の心が人の心を動かす瞬間は誰もが共感してもらえるものだと信じています。有村さんと一緒に、清らかであるのと同じほど、苦しい心模様を表現していきたいです」(松本)、「大人とか子供とか関係なくひとりの女性としてひとりの男性に愛を注いでいくのですが、そのとても繊細な恋愛模様を大切に大切に演じていきたいと思います」(有村)とコメントを寄せた。ふたりをキャストに迎えた行定監督は、「不確かな愛に揺れるふたりを松本潤さんと有村架純さんに狂おしく演じてもらうことに私自身、胸が高鳴ります。恋することがこんなに辛いのならしなければよかったと思えるような、“恋愛映画の金字塔”を目指して、スタッフ・キャスト一丸となって挑みたいと思います」と意気込みを語っている。『ナラタージュ』2017年秋全国ロードショー
2016年07月14日前クールで高視聴率をたたき出したドラマ「99.9-刑事事件専門弁護士-」での好演も記憶に新しい「嵐」の松本潤が、2017年のNHK朝ドラ「ひよっこ」のヒロインに決まった有村架純と映画初共演。共に『ピンクとグレー』行定勲監督と初タッグを組み、「この恋愛小説がすごい」第1位の島本理生原作「ナラタージュ」の映画化に挑むことになった。大学2年生の春。泉のもとに高校の演劇部の顧問教師・葉山から電話がかかってくる。葉山は泉に、演劇部の後輩のため、卒業公演に参加してくれないかというのだ。葉山は、高校時代、学校に馴染めずにいた泉を助けてくれた教師だった。卒業式の日の誰にも言えない葉山との思い出を胸にしまい、彼を忘れようとしていた泉だったが、1年ぶりに再会し、押さえていた気持ちが募っていく。叶わないとわかっていながらも、それでも抑えきれない葉山への恋心。葉山もまた、泉への複雑な感情を抱えていた。やがて、ある大きな事件が起こり、2人の想いがぶつかりあったとき、それは痛みすらも愛おしい、逃れることができない恋となっていた――。原作は、「第25回野間文芸新人賞」を最年少で受賞した島本理生が、2006年、20歳のときに執筆した禁断の恋を描いた恋愛小説。“ナラタージュ”とは、映画や演劇において人物の語りや回想によって過去を再現する手法。まさにタイトルの意味通り、ヒロインの回想によって構築されたこの小説は、スキャンダラスな内容ながら文芸的評価も高く、「第18回山本周五郎賞」候補にも選出。当時の文学界に大きな衝撃を与え、累計発行部数は35万部を誇っている。その原作発売から11年。長年にわたり映画化を熱望し、企画・構想を温めてきたのは、『世界の中心で、愛をさけぶ』や『ピンクとグレー』などを手がけてきた行定監督。高校教師と生徒として出会った2人が、時が経て再会した後、決して許されはしないが、一生に一度しか巡り会えない究極の恋に落ちる物語で、誰かを愛するほどに強く放つ光と陰影を、同時に紡ぎ出していく。主人公の高校教師・葉山貴司には、『陽だまりの彼女』以来の恋愛映画出演となる松本さん。これまで見せてきたまっすぐな青年役とは違い、生徒思いだが、ある過去の出来事によって逃れられない影を背負い、許されない恋に悩みながらも想いに抗えない男を演じきる。また、そんな葉山によって救われ、全身全霊で彼を愛する20歳の工藤泉には、映画『ビリギャル』で「第39回日本アカデミー賞」優秀主演女優賞および新人俳優賞を受賞し、10月には三浦大輔監督の『何者』も待機している有村さん。全てを捧げてもいいと思える恋に、身も心もさらけ出し突き進む女子大生役に体当たりで挑んでいく。2人は行定監督とは初タッグ、映画では初共演となる。この3者が織りなすセンセーショナルな化学反応に、いまからも目が離せない。<以下、キャスト&スタッフコメント>■松本潤行定監督がこの映画で描きたいと仰ったテーマに強く共鳴し、ただいま撮影に参加させてもらっています。恋愛というのは、感じ方や受け取り方が人それぞれ違うモノだと思います。でも人の心が人の心を動かす瞬間は誰もが共感してもらえるモノだと信じています。有村さんと一緒に、清らかであるのと同じほど、苦しい心模様を表現していきたいです。キャスト含む、全スタッフ一丸となって頑張ります。■有村架純映画『ナラタージュ』に出演させていただくことが決まり、出演が決まってからとても楽しみにしていました。新しい環境での撮影に「刺激的な夏になる」と感じております。この作品は普遍的な愛を描いていきます。大人とか子どもとか関係なく、1人の女性として1人の男性に愛を注いでいくのですが、そのとても繊細な恋愛模様を大切に大切に演じていきたいと思います。観終わった後に皆さんの心に何か残せるよう、キャスト、スタッフ皆で精一杯頑張ります。■監督:行定勲心憂い男と女の深淵を描いた島本理生さんの原作小説を手にして10年、念願の企画が始動します。不確かな愛に揺れる2人を松本潤さんと有村架純さんに狂おしく演じてもらうことに私自身、胸が高鳴ります。恋することがこんなに辛いのならしなければよかったと思えるような、恋愛映画の金字塔を目指してスタッフ・キャスト一丸となって挑みたいと思います。■原作者:島本理生私にとって『ナラタージュ』は、思春期の恋愛のすべてを書いた小説でした。青春はけっして明るいものではなく、むしろ孤独な季節だからこそ、主人公たちは恋をせずにはいられなかったのだと思います。刊行から10数年経ったいま、行定監督の手によって、最高のメンバーで映画化するとの知らせを受けて、大変興奮しています。一映画ファンとして完成が待ち遠しいです。『ナラタージュ』は2017年秋、全国にて公開予定。(text:cinemacafe.net)
2016年07月14日嵐・松本潤が、『世界の中心で、愛をさけぶ』(04年)や『ピンクとグレー』(16年)の行定勲監督の最新作『ナラタージュ』(2017年秋公開)で主演を務めることが12日、明らかになった。松本と映画初共演となる女優・有村架純が、ヒロインを務める。原作は、島本理生氏が20歳の若さで、狂おしいほど純粋に禁断の恋に落ちる2人の関係について執筆した同名の恋愛小説。映画や演劇において人物の語りや回想によって過去を再現する手法・"ナラタージュ"をタイトルに冠している通り、ヒロインの回想によって構築された同作は、スキャンダラスな内容ながらその文芸的評価も高く、第18回山本周五郎賞候補となり、宝島社が選ぶ2006年版「この恋愛小説がすごい!」で首位を獲得した。そんな原作発売から11年。原作に出会ってから長年にわたり映画化を熱望し、企画と構想を温めてきた、行定監督がメガホンを取って映画化が実現する。高校教師と生徒として出会った2人が、時がたち再会した後、決して許されない、しかし、一生に1度しか巡り会えない究極の恋に落ちる。その2人の思いが放つ光と、思いあうほどに濃くなる純愛の陰影を描き出す。松本が演じるのは、許されない恋に悩みながらも思いにあらがえない高校教師・葉山貴司。一方、有村は葉山に身も心もさらけ出しながら全てをささげても良いと思える恋に落ちる20歳の女子大生・工藤泉役を務める。なお2人が行定監督とタッグを組むのは、今回が初となる。「行定監督がこの映画で描きたいとおっしゃったテーマに強く共鳴」したという松本。「恋愛というのは、感じ方や受け取り方が人それぞれ違うモノ」とした上で、「でも人の心が人の心を動かす瞬間は誰もが共感してもらえるモノだと信じています」と力強く口にし「有村さんと一緒に、清らかであるのと同じ程、苦しい心模様を表現していきたい」と意気込みを述べる。有村は「新しい環境での撮影に『刺激的な夏になる』と感じております」とフレッシュな表情を見せ、本作を「普遍的な愛を描いていきます」と説明。「大人とか子供とか関係なく1人の女性として1人の男性に愛を注いでいくのですがそのとても繊細な恋愛模様を大切に大切に演じていきたい」と補足しつつ、演技のポイントを明かしている。また、行定監督は「恋することがこんなにつらいのならしなければよかったと思えるような、恋愛映画の金字塔を目指してスタッフ・キャスト一丸となって挑みたい」とアピール。島本氏は、原作について「思春期の恋愛の全てを書いた」と述懐し、「青春は決して明るいものではなく、むしろ孤独な季節だからこそ、主人公たちは恋をせずにはいられなかったのだと思います。刊行から十数年たった今、行定監督の手によって、最高のメンバーで映画化するとの知らせを受けて、大変興奮しています」と歓喜の声をあげた。
2016年07月14日『リップヴァンウィンクルの花嫁』の公開を控える岩井俊二監督と『ピンクとグレー』が公開中の行定勲監督によるトークセッションが2月11日(祝・木)、銀座のApple Storeにて開催。20年以上にわたる付き合いがあり“師弟”関係にある2人が互いの作品について語り合った。岩井監督の『Love Letter』『スワロウテイル』などにデビュー前の行定監督は助監督として参加しており、岩井監督曰く行定“助”監督は「一番、監督デビューしてほしくない、片腕だった」とのこと。特に「キャスティングン才能は抜群で、連れてくる子はいい子ばかりで助かってました」と明かす。行定監督はある作品の打ち上げでの出来事を述懐。「ささやくように岩井さんから『行定はいつか、映画監督になるだろうけど、それまではウチでやってよ』と言っていただき、それはずっと支えになってました」と嬉しそうに明かした。その後、岩井組を巣立った行定監督の活躍について岩井“師匠”は「元々、作家性のキツイ男で、うまくやれるか心配はあった。エドワード・ヤンやホウ・シャオシェンが日本でデビューするようなもの。それでも自分のテイストとエンターテインメントをうまく合わせてやってると思います」と目を細める。特に「不在の主人公の探索」を行定作品の永遠のテーマと分析し「『ピンクとグレー』はひとつの到達点。感無量でした」と最大限の称賛を送った。一方、行定監督も岩井組を出てから客観的に作品を見て、岩井監督のすごさを改めて実感したという。「衝撃を受けたのは、『リリィ・シュシュのすべて』。これが世に言う“岩井美学”というものか!と画面からはみ出るような圧を感じました」と語る。社会問題を取り上げつつも、色あせないのが岩井作品のすごさであると熱弁!「娘がこないだ『スワロウテイル』を見てて、実は僕も(キャストで)出てるんですが、最後の字幕に“行定勲”とあって、娘に『すごい』って言われました。これまで散々、監督として映画に名前出てるのに(苦笑)」と笑っていた。岩井監督最新作『リップヴァンウィンクルの花嫁』は、一時期、ロスで生活をしていた岩井監督の「3.11」以前と以降の心境の変化が大きく反映されている作品となっているよう。なぜ今この作品を?という問いに、東日本大震災以前の日本をロスから眺めていて「あくまで自分の脳内が感じたことなんですが、いじめが蔓延している教室のような空気を感じました。先生もいじめを知らず、反対するとその人もいじめられ、それが是となりハミ出そうとすると『KY』と言われるような空気。重要なのは、みんな、それを知ってるのにそれ以上前に進まないような状況になってると感じました」と説明する。そんなときに東日本大震災が発生!「当然そこで日本がグラッときて動いた。そこで、やっと何かが描ける状況が生まれた。そこで何を描けるのか?と見出したのがこの物語です」と語る。ひと足先に本作を見た行定監督は「嘘」の存在が本作を貫く大きな軸となっていると語る。この点について、岩井監督は、3.11以降の日本において「みんなが『正しい』と思っていることが、本当に正しいのか?と疑うようなことが日々ありました。STAP細胞の事件や最近では覚醒剤の事件があり、昔はTVでみて『バカだね』とか『嘘だよね』と言ってたことが、SNSで表に向かって言えるようになった。それが可視化され、大きな塊になって一個人に課せられたとき、とてつもない衝撃やPTSD(心的外傷)をこうむるようになる」と“正義”に警鐘を鳴らす。「“加害者”たちひとりひとりは間違ったこと言ってないし、ひとりの人間としてつぶやいただけかもしれないけど、その正義が塊となったとき、それは正義なの?ということになる。それを正義が一瞬で人の生活を踏みにじることもある。『正義がまかり通った結果だ』と考えている人がいっぱいいるとしたら、それは空恐ろしい。映画は、何が正義か悪かを描くのではなく、違うアングルから見て『それでも人間は素敵だよね、共感できるところがあるよね』ということを描くもの」と熱弁をふるい、立ち見を含め、会場に足を運んだ聴衆たちは熱心に耳を傾けていた。『ピンクとグレー』は公開中。『リップヴァンウィンクルの花嫁』は3月26日(土)より公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ピンクとグレー 2016年1月9日より全国にて公開(C) 2016「ピンクとグレー」製作委員会
2016年02月12日熊本県北部に位置し、美しい渓谷と温泉郷で知られる菊池市。この地を舞台に、現在『ピンクとグレー』が大ヒット中の行定勲監督がディレクターを務め、開催される「菊池映画祭2016」を支援するクラウドファンディングが本日25日(月)より始動。行定監督からコメントが到着した。3月4日(金)~6日(日)までの3日間、熊本県菊池市で開催され、今年で11回目を迎える「菊池映画祭2016」。ディレクターを務めている行定監督も参加し、熊本出身の橋本愛や高良健吾が出演する監督の最新作『うつくしいひと』のプレミア上映、さらに中井貴一をゲストに迎え、監督とトークを繰り広げる特集上映などが予定されている。映画『うつくしいひと』は、オール熊本ロケ&熊本キャストで挑んだ行定監督の最新作。熊本へロケハンに訪れた映画監督と若い女性がふとしたことで出会い、旅を共にしていく様子が描かれる。橋本さん、高良さんほか、映画監督役の政治学者・姜尚中や、実力派女優の石田えり、さらに熊本が生んだ最強ゆるキャラ“くまモン”も出演。初日に行われるプレミア上映には、出演者による舞台挨拶も予定されている。また、5日には、WOWOWドラマW「きんぴか」で絵に描いたような昭和のヤクザを演じることでも話題の中井さんが行定監督と選んだ、『東京上空いらっしゃいませ』『この広い空のどこかに』『その木戸を通って』の3作品を35ミリフィルムで特集上映。上映後には、2人そろってのティーチインも予定されている。そのほか、吹越満&安藤輪子主演の『友だちのパパが好き』や門脇麦主演の短編『死と恋と波と』(予定)など招待作品の上映会や、18歳未満お断りのディープな映画談義が行われる「真夜中の映画祭」などが予定されている。前回の2014年には、高良さんの特集上映をメイン企画に2日間で約7,000人もの観客を動員した行定監督は、その手応えを感じながら「参加した人々が映画の面白さに触れ、映画を観る角度を変えて観ることができるきっかけになるような、新しく映画を発見できるような映画祭を目指したい」とコメント。中井さんの特集上映などのように、「特に俳優たちから見た監督の演出や映画を通して伝えたいことを聞けるのはとても興味深いと思うのです。その言葉によって観客はより深く映画に触れ、映画を知るというそんな新しい扉を開かせたいのです」と、その思いを明かしている。「映画そのものを感じながら、美しい自然を知り、美味しい食を堪能し、温泉で明日への生を得るような、そんな体感できる映画祭を目指したい」というこの映画祭。クラウドファンディングの支援コースに応じ、映画祭チケットやフリーパス、市内日帰り温泉の利用券、温泉旅館の宿泊付などが選べ、募った資金はオリジナルグッズやメイキングDVDの作成に使用されるという。「菊池映画祭2016」は3月4日(金)~6日(日)、熊本県菊池市内にて開催。(text:cinemacafe.net)
2016年01月25日『GO』『世界の中心で、愛をさけぶ』『パレード』など、次々と話題作を世に送り出している映画監督・行定勲さん。最新作『ピンクとグレー』では、主演にHey! Say! JUMPの中島裕翔さんを迎え、俳優の菅田将暉さんや女優の夏帆さんなど、若い世代と積極的に関わった映画を撮る行定監督に、今の若者の印象や仕事のポリシーなどをうかがった。○最近の若者は素直!――最近の若い人について、どのような印象をお持ちですか?俳優たちは素直ですね。ちょっと前までの若者像というと、ひねているイメージがありました。でも、今の彼らはものすごく素直なんですよ。多分、今は自分で「面白いことをやってるんだぜ」と鼓舞できることがないとつまらない時代で、だからこそ、自主的に行動しようという世代が現れてるんじゃないかと。本当に素直だし、今回の映画『ピンクとグレー』のアイディアに対しても「面白そう」と感じ、「何かやってやろう」と欲望や衝動をぶつけてくれているように思いますね。――具体的なシーンとしてはいかがでしょうかそれはもう全体においてですね(笑)。僕は基本的に俳優に具体的な指示をあまり出さないのですが、自分たちで感情を見つけ出して熱いシーンにしたり、その中でも引き算してみたりと楽しんでくれているように見えました。彼ら自身がぶつけ合った時の熱を、良しとするかしないかはこちらの判断なので、自由に見つけて欲しいんです。そういった意味では、中島裕翔くんと菅田将暉くんがお互いにぶつかり合うシーンは、とても熱くてリアリティがあり、特に良かったと思います。――指示をしないやり方は一貫しているんですか?まずやってもらったのを見て、どうしようもなかったら指示をする、良かったら採用してみる、という感じです。特に若い俳優とやるときは、自分で考えさせないと。ベテランには逆に指示をするんですよ。縛って縛って縛りながらでも、それを凌駕する力量がある。ベテランはむしろ縛られるほど、そのフラストレーションを吹き飛ばすようにパワーを出してくれます。でもやっぱり若いうちは、ヘロヘロになるまで考えさせた方がいいと思っています。やってみないとわからない経験があったりしますからね。――菅田将暉さんは、監督が120%を求めてくれると言っていました台本もあってセリフもあって動きもあって段取りもしたら100%ですよね。僕はそこからスタートなんですよ。はいできました、できたけどそれでいいの? と。逆に、70点の方がOKなこともありますよ(笑)。たとえば建築家だったら100点じゃないとだめでしょう。でも、映画ではちょっと建て付けの悪い戸の方が味になったりするんです。完璧に冷暖房が効いた部屋だと、のんびりのほほんとぽかぽか幸せ、という感じになるでしょう。それよりも、建て付けが悪くてガタガタ震えるような部屋の中で、カップルが毛布にくるまっている方が面白い。演技におけるTAKEというのもそれと同じで、見やすいカットなだけではなく、ハプニングですごくカメラが揺れたけど、逆に面白い、新しいカットが生まれたね、ということもあるわけです。それは人によっては50点かもしれないけど、ものすごく興味深いリアリティが生まれたなら、成功と言えるでしょう。『ピンクとグレー』では、菅田が台所で中島と夏帆に背を向けて「俺寝るわ」と言うシーンがあるんですよ。たぶん、どうしてもくしゃみがしたかったんでしょうね。背中を向けた瞬間にクシュってやって、「寝るわ」って言ったんです(笑)。OKがかかった瞬間に大笑いになって、でも結局そのテイクを映画に使いました。他のテイクを使うことも、くしゃみの音を消すこともできたんですが、この完璧じゃない建て付けの悪さが味になって、映画に影響を及ぼすと思ったんですね。○行定監督の心に残った言葉――今まで色々な方とお仕事していて、心に残った言葉はありますかいつも言っているのは、僕が助監督の時の先輩助監督の言葉で、「自分で評価をするな」というものです。結局それなんですよね。自分で良いとか悪いとか思うだけだと、それでおしまいになるんですよ。もちろんプロだから色々なことを考えた上で、ベストを出しているけど、自信を持って送り出したものが他人から見てどうなのか、常に問われていると思っています。でも100人中100人が良いと言うものって、絶対忘れてしまうから、30人くらいが熱く「いいよ」と言ってくれるものを狙っていきます。そういえば昔、森田芳光監督に「行定くんは7割バッターを目指しているから、3割バッターにしろよ。もっと冒険していいよ。3割撃ったら猛打賞だぞ」と言われたことがあります。これも心に残っていますね。その時は、「野球選手のようにたくさんの打席にたてるわけじゃないじゃないですか」と返したんですが、今振り返ると、3割でいい、ただしその分だけ打席に立てよ、ということだったのではないかとも思います。森田さんはとても多くの打席に立っている方でしたから。――「これがあたった」といったことはわかるものでしょうか振ってみないとわからないことは多くて、これは行ったと思ったらショートライナーかもしれないし、キャッチャーフライになるかもしれない。どんな球が来るかわからないけど、打て、と思いっきり打ったのが最新作の『ピンクとグレー』です。いい当たりが来たと思っているので、ぜひフライで終わらせないようにしたいですね。
2016年01月16日第28回東京国際映画祭「JAPAN NOW」部門に出品された映画『ピンクとグレー』が10月28日(水)、東京・新宿ピカデリーで公式上映され、メガホンをとった行定勲監督が出席した。アイドルグループ「NEWS」の加藤シゲアキが処女作として執筆した同名小説を映画化。人気俳優の白木蓮吾が謎の死をとげるなか、世間は蓮吾の幼なじみで、遺体の第一発見者でもある売れない俳優・河田大貴に熱い視線を注ぐ。あえて原作を大胆に脚色し、実験的な演出にも挑んだ“再構築”ともいえる映画版に、行定監督は「加藤くんのファンには怒られるかもしれないけど、映画化するなら(原作とは)違う着地点もあるかなと思った」。その上で「まだ加藤くん本人から感想は聞いていないが、映画にも造詣が深い人なので、きっと僕らが映画でやろうとしたことは理解してくれるはず」と信頼を示した。トップスターと、その幼なじみで売れない俳優という表裏一体ともいえる関係性を演じるのが、アイドルグループ「Hey! Say! JUMP」の中島裕翔と、若手実力派の菅田将暉。行定監督は「裕翔くんはアイドルとして、いい意味で恥ずかしげもなく自分をアピールできる人。プロじゃないとできないことで、さすがジャニーズのアイドルだと実感した」「菅田将暉はいま、日本の映画監督が一番欲しがっている奇才」と二人の魅力を熱弁した。10月上旬には本作が出品された「第20回釜山国際映画祭」に、行定監督をはじめ、中島さん&菅田さんが現地入り。「お互いをリスペクトし合っているのは分かるけど、本当に仲良しでいつもベタベタしている。手でもつないでるんじゃないと思うほど」と現地での二人の“ラブラブぶり”を明かしていた。第28回東京国際映画祭は10月31日(土)まで、メイン会場となる六本木ヒルズをはじめ、TOHOシネマズ新宿などで開催。『ピンクとグレー』は2016年1月9日(土)全国にて公開される。(text:cinemacafe.net)
2015年10月28日女優・杏が『GO』『世界の中心で、愛をさけぶ』『北の零年』の行定勲監督とタッグを組んだWEB限定ムービー第1弾「『澪』と過ごす母の日」篇に続き、第2弾となる「『澪』と過ごす七夕」篇が本日公開となった。“My First Mio”というテーマのもと、季節ごとのイベントに絡め、WEB限定ムービーを展開している同企画。第2弾となる本作では、織姫と彦星の伝説でお馴染みの「七夕」をテーマに、デザイン事務所に勤務するOL役の杏さんと、彼女がひそかに想いを寄せる会社の先輩役の青木崇高(『るろうに剣心 京都大火編』)の共演で、微笑ましくも愛おしい大人のラブストーリーを描いている。七夕の夜、気になる人と夜空の下で澪を飲みながら距離を縮めたい…そう思わせるような映像。会社の先輩と後輩という役どころを演じた杏さんと青木さんは、以前NHK大河ドラマで共演歴もある旧知の仲。行定監督の「距離感が近くて、とても良かった」との言葉通り、本番でも2人の息はぴったり。心のうちに抱えている恋心を、相手に分かってほしいような、分かってほしくないような、表情や仕草からは捉えにくい男女の微妙な機微を、見事に表現している。撮影で、杏さん自身「迫力があって楽しかった」と語るのが、屋上で笹を燃やすシーン。短冊や笹を燃やした煙が天まで届き、願いを叶えてくれるという七夕の風習を再現したものだが、当日は風が強い時間帯もあり、飛び散る火の粉から青木さんが杏さんを守るという場面も幾度となく見られたよう。美しい天の川の下、2人で静かに火を見つめている幻想的なお芝居から一転、思わぬオチが発覚するところでは、あまりにも楽しそうな掛け合いに、周りのスタッフもすっかり笑顔になったようだ。本作での「澪」の飲み方を「僕自身、すごく好きです」と語る行定監督。「なぜなら、彼女は自分の心が相手に悟られたと思った瞬間に『澪』を飲むわけですよね。その味はどんな味なのかなと思って。飲んだ瞬間、彼女があーって、ため息をついてホッとしたような顔をする。そういう風にしたところが、演出の上でこだわったポイントです」と撮影秘話を明かしてくれた。さらに撮影を終えた行定監督は、「長編ドラマだと、必ずクライマックスが訪れますが、映画で言うとクライマックスではなく、あくまでも積み重ねたシーンのひとつ。それが短編です。その積み重ねが一つのシーンのシークエンスでしかないはずなのに、そこにもクライマックスがちゃんとある」と本CMを手がけて、短編ならではの面白さにも気づけたと話す。「大人になると、七夕に短冊を書く機会は多くないと思います。今回ムービーを通じて、改めて、季節を感じ、願いをこめる素敵なイベントだなと思いました」と撮影をふり返る杏さん。物語の中では、短冊に現実的な願いを書き、青木さん演じる泰彦に茶化されるシーンもあるが、もし七夕に願いごとを書くなら?と聞かれると「時間がないので、どこか旅行に行きたいです。海や山へ犬達も一緒に連れていきたいですね」と素朴な願望を口にした。(text:cinemacafe.net)
2015年06月19日日本アカデミー賞最優秀監督賞などを受賞した『GO』をはじめ、『世界の中心で、愛をさけぶ』『北の零年』など数々の話題作を手がけた行定勲監督と、女優・モデルとして幅広い活躍を見せる杏が初めてタッグを組んだWEB限定ムービー『「澪」と過ごす母の日』が、「澪」公式サイトにて公開となった。田舎から上京してきた母親(銀粉蝶)を、一人暮らしの部屋へ迎える杏さんのとある一日を描いた本作。母への感謝の手紙を読む杏さんのナレーションをバックに、“最愛の人=母親”と久しぶりの時間を過ごすため、「澪」と心のこもった手料理を振る舞う杏さん、そして彼女の温かいおもてなしを受ける母親が交じわす親子の機微と微笑ましいやり取りを、行定監督が圧倒的な映像美と情緒あふれる世界観と共に描き出す。撮影当日は、杏さんが脚本から抱いたイメージをベースに、行定監督から現場で伝えられた言葉や演技指導によるアレンジを加え、思わず画面に引き込まれるような独特の空気感が生み出された。杏さんと母親役の銀粉蝶さんは、今回が初共演。杏さんもひとり暮らしの働く女性を演じた前半とは一転、母親と過ごす後半はすっかり娘らしい穏やかな顔つきにかわり、本当の親子のような触れ合いをみせている。「さっぱりしていて、気遣いがすごいし、頭の良い人だってことがよく分かりました。撮影中、もう少しこうしてほしいといくつか連続で言って、それをほとんど網羅していましたからね」と杏さんの演技力に高さに驚いた様子の行定監督。「笑ってる顔とそうでない時の顔では、ずいぶん雰囲気が変わる。何より手足が長いでしょ。だから、ちょっとした動きがコミカルに見えたり、シリアスに見えたりする」とその魅力を語った。さらに「等身大の女性を演じる杏さんが母親と対峙するプロローグになっていて、見る人も杏さんのように、身近な人、愛する人への郷愁を覚えるんじゃないかなと思います」と本作の見どころについてもアピールした。一方の杏さんも「現場でも画の美しさとか画作りのこだわりに圧倒されて、どんどんどんどんテイクを重ねるごとに派生して、たくさんアイデアを出してくださいました」と初タッグとなる行定監督との撮影を楽しんだ様子。「母の日というイベントの中で、どのように『澪』とストーリーが絡んでいくのかということに注目して見ていただければと思います。そして皆様が素敵な母の日をお過ごしになられることを祈っております」とコメントを寄せた。第一作目となる本作を皮切りに、季節ごとの行事をテーマにした全5話を放送予定だという同プロジェクト。今後、杏さんと行定監督がどのような作品を送り出してくれるのか、期待して待ちたい。(text:cinemacafe.net)
2015年04月23日2013年に公開され話題を呼んだ、スタジオジブリの高畑勲監督の最新作『かぐや姫の物語』。公開当、その匠の技に「国宝級」とまで言われ、来年2月に行われるアカデミー賞にも期待がかかる本作だが、本日(12月17日)より、DVD&ブルーレイの発売を記念して国立新美術館にて“特別展示『かぐや姫の物語』の物語”が7日間限定で開催中だ。本作は、日本最古の物語文学「竹取物語」に隠された、ひとりの少女・かぐや姫の“罪と罰”を独特なタッチで描く長編アニメーション。昨年の宮崎駿の『風立ちぬ』のノミネートで日本中が大いに沸いた米アカデミー賞だが、本作もすでに来年行われる同賞の「長編アニメーション部門」へのノミネート資格を持つ20作品のうちの1本として発表されている。今回の特別展示は、以前より「アニメーション」という芸術表現に注目していたという国立新美術館が、“アニメーション表現の限界”に挑戦したとも言える本作の作品性に共感して実現に至ったよう。この特別展示では、スタジオジブリのスタッフによって描かれた原画や、自然を描いた背景美術などの実物展示を始め、DVDのパッケージデザインの元にもなった桜の木の下で姫が舞うシーンを高さ2,4メートル、幅3,5メートルのもの大きさに拡大して展示。また、高さ1メートル、幅1,8メートルのビッグバナー8枚を吊り下げ、かぐや姫の誕生シーンをダイナミックに展示するなど、様々な角度から『かぐや姫の物語』の映像が作られた秘密に迫るものとなっている。『かぐや姫の物語』ブルーレイ&DVDは発売中。<特別展示『かぐや姫の物語』の物語/開催詳細>■会期:12月17日(水)~23日(火・祝)まで。■開催時間:10時~18時 ※金曜日は20時まで/入館は閉館の30分前まで。■実施場所:国立新美術館1階ロビー(東京都港区六本木7-22-2)■備考:入場無料(text:cinemacafe.net)■関連作品:かぐや姫の物語 2013年11月23日より全国にて公開(C) 2013 畑事務所・GNDHDDTK
2014年12月17日芦田愛菜が初の映画単独主演を務めた『円卓 こっこ、ひと夏のイマジン』のブルーレイ&DVDが本日リリースされ、芦田と行定勲監督のコメントが到着した。その他の写真本作は、西加奈子原作の同名小説を芦田主演で行定監督が映画化したもの。“普通”が大嫌いな小学3年生の渦原琴子、通称こっこが、たくさんの「何が変なの?」「どうしていけないの?」を繰り返しながら、おじいちゃんがそっと教えてくれた“イマジン”という言葉をヒントに、ひと夏のさまざな経験を通して成長していく姿が描かれる。行定監督に「芦田愛菜がいなければ映画化できなかった」と言わせる名演を披露した芦田は、「私も学校でお友達とケンカしたりしますが、主人公のこっこちゃんを演じて、友達の気持ちを“イマジン”してからお話したり、行動するようになりました。もちろん、演じる上でも“イマジン”はスゴく大事だと思います。役に入る時には、この子はどう行動するだろう…、どう考えるだろう…といつも想像しています」とコメント。行定監督は「『イマジン』と言えばジョン・レノンの名曲ですが、あの歌を歌詞を吟味して、自分なりの解釈をした西加奈子の小説を読んだとき、これは今の世の中に一番大切なことだと思った」と話し、「正直、僕はあの忌野清志郎がジョン・レノンの歌を認め日本語の歌詞にして、やっと本当の意味で興味を持ちました。僕はミュージシャンじゃないからジョン・レノンや忌野清志郎のように『イマジン』を歌うことはできないが、映画で『イマジン』って叫べるんじゃないか、彼らの“イマジン”を受け継ごうと思ったんです。だからこれは相手の気持ちを想像することで世界を繋げようとする少女の“イマジン”する映画になりました」と語っている。『円卓こっこ、ひと夏のイマジン』発売中ブルーレイ(1枚組):4700円(税別)DVD(1枚組):3800円(税別)発売・販売元:ポニーキャニオン※DVDレンタルのみ発売元:ポニーキャニオン販売元:東宝
2014年12月17日城下町・松本にあり、1300年前から親しまれてきたのが浅間温泉。古くは江戸時代、松本城主たちが愛し、明治になると竹久夢二、与謝野晶子など文豪たちも足しげく通った名湯です。長野県内でもトップクラスの湧出量を誇り、柔らかく肌になじむ泉質は多くの温泉ファンに好まれています。その浅間温泉の中でもひときわ現代性と日本ならではの伝統の意匠ある空間を持ち、デザイナーズ旅館として高い評価を受けているのが、「星野リゾート 界 松本」。新旧のアートに触れた後、ゆっくりとくつろぐのなら、こんなスタイルのある宿こそがふさわしいものです。伝統の技を各所に感じる館内「界 松本」のコンセプトは歴史と芸術に深く結びついた松本の歴史をたどるかのように、館内で新鮮さとクラシカルな美しさを秘めたアートワークを表現すること。それも職人たちの手仕事の技が光る本物を見せる。そんな宿の情熱が見え隠れします。ドームのような外観からガラスのアプローチを抜けた先にあるエントランスホールはまるで教会のような荘厳さ。その先には吹き抜けの廊下がドラマチックにゲストを出迎えてくれます。丁寧な細工が施された透け感が美しい組子障子は匠の技術あってのもの。陰影ある表情を持つのは天然土壁。波のような浮き上がりが力強い。このほか、伝統的な江戸の墨流しを用いた和紙、繊細な金箔をはりつけた細工、作家・川原信子氏によるカリグラフィーアートなどパブリックスペース、客室のあらゆる場所にこだわりが。伝統とモダンがとけあい、ときに共鳴しあってどこにもない「界 松本」ならではの華やかな美学へと昇華し、みごとです。 松本文化を表した星野リゾート 界 松本の「ご当地部屋」>>続きを読む 松本の文化を表したご当地部屋「オーディオクラフトルーム」「界」ブランドではその土地の魅力を極めてゲストに提供する「ご当地部屋」というコンセプトルームを設けています。もの作りが盛んな松本を象徴して「界 松本」では「オーディオクラフトルーム」を用意。工房アンダンテを主宰する木工作家・吉田直樹氏による音楽をテーマにした作品を室内に展示。クラシック、ジャズなど心をリラックスする音の世界を表現し、音楽を愛するゲストに好評。この部屋に泊まりたくて訪れる愛好家も多く、人気です。「オーディオクラフトルーム」制作クラフト作家 吉田直樹氏コメント「星野リゾート 界 松本」との出会いは今年の「クラフトフェアまつもと2014」でのことでした。そこからお話しがあり、「オーディオクラフトルーム」のための作品を依頼されました。最初はやはり、いろいろと考えましたね。客室というプライベートな場所でどんなものがゲストのみなさんの心の琴線に触れ、音楽を楽しんでいただけるのかと。そこで、ジャズとクラシックをテーマにした作品を選んでみました。やはり部屋の中ではリラックスしてもらうのが一番ですからね。松本は「サイトウキネン・フェスティバル」などアートと共に音楽とも深い絆のある街。「界 松本」にも音楽愛好家のゲストの方も多く、 この「オーディオクラフトルーム」はとても喜んでいただけているようで、本当に嬉しいです。私の作品は音と灯りと木のぬくもりが生み出す優しく、温かな空間が特徴です。どうぞ、作品に触れてみて、柔らかい木の肌触りを感じとっていただきたいです。また、バイオリンなどに用いる本物の木を使ったオリジナルスピーカーも「ご当地部屋」のために製作中です。チェックインすると室内には好みの音楽が流れている。そんな余韻のある「ご当地部屋」になればと思っています。 宿泊中は松本文化ならではの体験を >>続きを読む カンクラフトワークショップを体験「星野リゾート 界 松本」でもうひとつ体験したいのがゲストのためのクラフトワークショップ。松本でシンプルな美しい手作り家具を製作するKancraft(カンクラフト)直伝で技術を取得したホテルスタッフが指導。小さなカッティングボードやコースターなど気軽に作れる作品に挑戦。これが思わず集中してしまうほど楽しく、自分だけのクラフト作品に旅の思い出を刻んでいきます。夜にはエントランスロビーにてコンサート堪能教会のような荘厳な雰囲気のエントランスロビーでは毎夜、地元のアーティストによるゲストのためのコンサートを開催。フルート、ピアノ、サックスなど日によって異なる内容で、身近に楽器の音色、ライブな音楽の高揚感を味わえると好評。空間を活かし、高い天井に共鳴する響きは感動をおぼえるほどにドラマチックで「界 松本」での夜にふさわしい時間を演出してくれます。 特集「アートを旅する街、松本」
2014年11月28日11月15日放送のWOWOW連続ドラマW『平成猿蟹合戦図』(毎週土曜 22:00~ 全6話)に出演する俳優の高良健吾と行定勲監督がこのほど、熊本・菊池で開催された「菊池国際交流映画祭」で舞台あいさつを行った。同ドラマは、東京・歌舞伎町で起こったひき逃げ事件をきっかけに、バーテンダー・浜本純平(高良)と、世界的チェロ奏者がおこしたひき逃げ事件を目撃したことをきっかけに彼の敏腕マネージャーの園夕子(鈴木京香)と知り合い、意図しなかったその出会いによって国政選挙に挑んでいく"復讐エンタテインメント"。純平と夕子の出会いはさまざまな人々を巻き込みながら、やがて日本を揺るがす大騒動へと発展していく。映画祭では同ドラマの第1話が上映され、終了後に熊本市出身である高良と行定監督が登壇。高良は「演じた純平という青年は、自分よりも人のことを信じられる素敵なヤツで、すごく気持ちいいドラマです。行定さんとは2度目のお仕事になりますが……厳しいし、試されている気がするし、緊張もするけれど、こちらがぶつけたものをすべて受け止めてくれる」と話し、「行定組でしか味わえないもの、瞬間がありました。ドラマのクランクアップの日に、監督から『お前って、面倒くさいやつだよな』って言われてすごくうれしかった」と笑顔を見せた。行定監督は「純平はバーテンダーから政治家を目指すわけですが、純平というのは高校生の気持ちのまま漂っている人間でもあって、それが確固たる人間になっていく様は俳優・高良健吾の良さが一番光るだろうと思ったんです。何者でもない人間を演じさせると光る俳優なんですね」と高良を絶賛した。また、ステージには、挿入歌を担当するロックバンド「忘れらんねえよ」のボーカル&ギターの柴田隆浩もステージに立ち、高良と一緒に劇中歌である「ぼくらの居場所」を熱唱。劇中でも主人公の純平が同曲を歌っており、「純平が歌うシーンはドラマとしても重要なシーン、みどころです」と行定監督はアピールした。さらに、主題歌担当の歌手の塩ノ谷早耶香もゲストとして登壇し、主題歌「それでも世界は美しい」を披露し、会場は大いに盛り上がっていた。
2014年10月15日11月、新国立劇場・中劇場にて『ブエノスアイレス午前零時』が上演される。演出を担当する行定勲と、原作者の藤沢周に話を訊いた。『ブエノスアイレス午前零時』チケット情報1998年に芥川賞を受賞した小説『ブエノスアイレス午前零時』を、行定は刊行当初から映画にしたいと熱望していた。「藤沢さんの描くハードボイルドな、ちょっと距離を置いて社会を見つめる視線というのは、僕の思う非常に〈映画的なるもの〉なんです。静かだけれど、つねに凶暴」と藤沢作品の魅力を語る行定。ノートを新しくするたび、今後実現させたい企画の筆頭に『ブエノスアイレス午前零時』の名はあり続けたのだという。これが舞台化に向けて大きく舵を切ったきっかけは、主演である森田剛からのラブコールだった。「行定さんの演出で舞台をやりたい」という森田の想いを行定はふたつ返事で受け入れた。そして彼に似合う作品を考えるうち、15年もの間温め続けていたタイトルが浮かんだ。「森田くんに、現実に縛られた男を演じてほしかった。そういう男が奥底にあるものを出す瞬間を演じたら、彼はすごく輝くんじゃないかと思ったんです。そのときに『ようやくあの作品ができる』と感じた」長年行定から映画化の構想を聞き続けていた藤沢は、そのキャスティングに最初は驚いたのだとか。それもそのはず、原作に描かれているカザマという男は、森田の風貌と決して似ているとはいいがたいのだ。しかし制作発表の場で森田と会い、彼がカザマを演じることに深く納得したという藤沢。「森田さんは静かなのに、心の中に刃を抱えている感じがする。彼に演じてもらうカザマは、静謐な男だけれど実は奥底でパッションが燃えている。ぴったりですよ」。原作者である藤沢は、行定の手による舞台化に全幅の信頼を置いている。「行定さんの映画って、たとえラブストーリーでもそのなかに冷酷なものや毒を孕んでいる。それが僕に共鳴する部分があるんです。『ブエノスアイレス午前零時』もいろんな読み方ができる小説ですが、書き手の核を確実に掴み取ってくださっている」。行定も「どう演出するか、いまの時点ではまったくわからない」と言いつつ、自信をのぞかせる。「藤沢さんの小説は、10年以上経ってもまったく色あせない。それは僕が映画をつくるときに目指しているところです。いくつか演劇に携わってきたけれど、こうして企画の段階から携わるのは初めての経験。プレッシャーはあります。でも、原作を初めて読んだ時の初期衝動のまま、この世界を描き出せれば」。果たして、行定によってこの作品がどのような形で立ち現れるのか、期待が募る。舞台は11月28日(金)から12月21日(日)まで東京・新国立劇場 中劇場、12月25日(木)から29日(月)まで大阪・シアターBRAVA!で上演。チケットの一般発売は10月4日(土)午前10時より。取材・文/釣木文恵
2014年09月30日タワーレコードは4日、同社の意見広告シリーズ「NO MUSIC, NO LIFE?」として、冨田勲、Lamp、MAN WITH A MISSION、憂歌兄弟の4組がそれぞれ登場する最新ポスターを発表した。Lamp、MAN WITH A MISSIONのポスターは同日より、冨田勲、憂歌兄弟のポスターは2月15日より、タワーレコード全店およびTOWERmini店頭にて順次掲出される。今回発表されたのは、宮沢賢治の世界を音で描く『イーハトーヴ交響曲』に初音ミクを起用したことでも話題になった作曲家/シンセサイザー奏者の冨田勲氏をはじめ、気鋭の3人組バンド「Lamp」、全米デビューも決定したロックバンド「MAN WITH A MISSION」、伝説のブルースバンド「憂歌団」の木村充揮と内田勘太郎による音楽ユニット「憂歌兄弟」の4組がそれぞれ登場するポスター。いずれも店頭にて掲出されるほか、各アーティストが3月に発売する最新作を同店にて購入すると、抽選でそのアーティストのポスターが当たる応募ハガキがもらえるとのこと。なお、タワーレコード・オンライン内の「『NO MUSIC, NO LIFE?』ポスターギャラリー」では、今回のメイキングレポートやインタビュー&メイキングムービーも順次公開される予定(MAN WITH A MISSIONは除く)。さらに、Lampのポスター出演を記念したコラボTシャツ「151 Lamp NO MUSIC, NO LIFE. T-shirt」もタワーレコード・オンラインにて発売される。全5サイズ展開で価格は3,150円。発売日は3月31日(2月25日より予約開始)。
2014年02月04日スタジオジブリが高畑勲監督と宮崎駿監督の最新作を2013年夏に、公開することがこのたび明らかとなった。1988年に『火垂るの墓』(高畑勲監督)と『となりのトトロ』(宮崎駿監督)の2本立て興行以来、25年ぶりに顔を揃え、スタジオジブリ初となる長編映画の2作同日公開となる。高畑勲監督による『ホーホケキョとなりの山田くん』以来、14年ぶりの作品は「竹取物語」を題材にした『かぐや姫の物語』。そして、宮崎駿監督による『崖の上のポニョ』以来、5年ぶりの作品は『風立ちぬ』となる。『かぐや姫の物語』、『風立ちぬ』は2013年夏、全国にて公開。■関連作品:かぐや姫の物語 2013年夏、全国にて公開© 2013 畑事務所・GNDHDDTK風立ちぬ 2013年夏、全国にて公開© 2013 二馬力・GNDHDDTK
2012年12月13日行定勲監督が8日、都内の書店で最新作『つやのよる ある愛に関わった、女たちの物語』の公開を前に、本作の主題歌「ま、いいや」を書き下ろした人気バンド“クレイジーケンバンド”の横山剣とともにトークショーを行った。行定監督は「主人公の心に潜って、気持ちを言っちゃったよというタイトル。愛し抜く男の歌詞で、剣さんらしさが出ている。まるで映画の後日談みたいだし、まさに“いいね”」と横山のキメ文句で楽曲を絶賛していた。その他の画像行定監督が直木賞作家・井上荒野氏の同名小説を映画化したラブストーリー。恋愛に対して奔放な“艶(つや)”の存在によって自身の人生と恋愛を見つめなおす男と女性たちの姿を繊細な表現で描き出す。阿部寛が艶の夫役で主演を務め、小泉今日子、真木よう子、野波麻帆、風吹ジュン、大竹しのぶら豪華女優陣が共演する。阿部とは初タッグとなる行定監督は「妻を愛し抜く姿はこっけいに見えると同時に、狂気を感じさせる。こんな表情するんだというカットがたくさんあるし、『テルマエ・ロマエ』の後で、これを観るとまったく違う」と阿部に対し惜しみない賛辞。横山も「途中までは情けないけど、最後はワイルドでタフな男なんじゃないかと思わせる。うまく言えないけどジェットな感じ」と“らしい”言い回しで主人公の魅力を語った。トークは次第に“大人の男の本音”へと流れ、「いい女の条件? コンプレックスを持った女性が大好き。歯並びを気にしている女性とかすごくいいですよ。だから(歯を)矯正して、堂々としゃべるようになるとガックリくる」(行定監督)、「女性に甘えたい願望、ありますね。それに得体のしれない女性の神秘性というものにも惹かれる」(横山)と映画同様、ディープな恋愛談義を繰り広げていた。『つやのよる ある愛に関わった、女たちの物語』2013年1月26日(土)全国ロードショー
2012年12月10日群像劇の名手・行定勲監督が、女流作家・井上荒野の人気小説を原作に映画化した最新作『つやのよるある愛に関わった、女たちの物語』。主演の阿部寛を筆頭に小泉今日子や野波麻帆、風吹ジュン、真木よう子、忽那汐里、大竹しのぶら豪華女優陣の共演で話題を呼んでいる本作の主題歌が、このたび横山剣率いる「クレイジーケンバンド」の描き下ろし曲「ま、いいや」に決定した。数々の男たちと不貞を重ねるひとりの女性・艶(つや)とその夫・松生を始め、彼女を巡る愛憎、親子の絆、欺瞞、純愛など男女の5つのドラマが巧みに絡み合っていく本作。クレイジーケンバンドにとっては2004年の公開映画『約三十の嘘』以来、約8年ぶりの映画主題歌となるが、行定監督は常々、男の気持ちと男女の愛について歌わせたらクレイジーケンバンドの右にでるアーティストはいないと考えていたようで、「(横山)剣さんの艶のある歌声は、どうしようもない男と女の物語にぴったりだと思っていました。受けてくださると聞いたときは本当に嬉しかったです」と今回実現したコラボレーションに感動もひとしおといった様子。さらに「デモを聞いた瞬間から忘れられないフレーズで、2回目には歌える程、心を掴まれるインパクトのある曲でした」とその仕上がりに太鼓判を押している。実は今回、行定監督は作詞もボーカルの横山さんと共に執筆したそう。この件に関し、横山さんは「台本を読んだり、映画のプロトタイプを観たりした数日後、『ま、いいや』というフレーズとメロディーが一緒に出てきた。歌詞も考えるというよりは、感覚的に出てきたものだけれど、どうしても埋まらない部分が数か所あった。そこを行定監督にお願いしたところ、非常に艶のあるセクシーな響きのある楽曲に仕上がった」と大人の恋愛マエストロによる共作に満足気な様子を見せた。ひと足先に楽曲を聞いた主演の阿部さんは、「男の弱点と女の本音を、歌にした映画を彩るとてもセクシーな男の歌。作品にさらに軽妙なスパイスをふりかけてくれた剣さんに感謝しています」と喜びのコメントを寄せている。クレイジーケンバンドが現在ツアー真っ最中のため、残念ながら実現はしなかったものの、当初横山さんには主題歌のみでなく、伊豆大島の島の男かバーの店長として映画への出演依頼もあったそうだが、今回の主題歌制作で見事なコラボレーションを果たした行定監督と横山さん。果たして大人の恋愛マエストロたちは本作を彩る楽曲「ま、いいや」でどのような言葉を紡いだのだろうか?『つやのよるある愛に関わった、女たちの物語』は2013年1月26日(土)より全国にて公開。■関連作品:つやのよるある愛に関わった、女たちの物語 2013年1月26日より全国にて公開© 2012「つやのよる」製作委員会
2012年11月14日世界的に活躍する作曲家・冨田勲の新制作「イーハトーヴ」交響曲・世界初演公演の制作発表が8月27日に都内で開催。ヴァーチャルシンガー、初音ミクの出演が発表された。冨田勲新制作交響曲「イーハトーヴ」世界初演の公演情報冨田勲は、シンセサイザーの可能性にいち早く着目するなど、独創的な音楽技法を追求し続け、特に電子音楽の分野で世界的評価を得てきた。1974年よりビルボード・クラシカルアルバムチャート連続第1位(『月の光』、『展覧会の絵』、『惑星』)を獲得。日本人として初めてグラミー賞4部門にノミネートされるなど、音楽シーンの最先端を歩んできた。今年80歳を迎えた世界的巨匠が新制作する「イーハトーヴ」は、構想に10余年をかけた大作。『注文の多い料理店』『風の又三郎』『銀河鉄道の夜』『雨にも負けず』など、宮沢賢治の作品を題材にして、人間や自然を超越した宇宙的な力を音楽で描くという壮大なものだ。今回の制作発表でのビッグニュースは、何といってもヴァーチャルシンガー、初音ミクの起用だろう。作曲者自身の熱烈オファーにより実現したという驚きのコラボ。PC用の音声合成ソフトの一種である初音ミクが、冨田勲の交響曲の中でどのように登場するのか。記者会見では『注文の多い料理店』を題材にした楽曲「猫のレストラン」を例にあげて、構想の一端が明かされた。「料理店(山猫軒)の中に人は出てこない。声だけはどこかから聞こえてくるけれど、ボーイの案内もない。色々な部屋に通されて、結局は自分たちが食われるということ分かる。逃げ出そうとしたけれど逃げられない。そこで、突然サーカスみたいな音楽とともに初音ミクが出てきて『わたしは初音ミク、かりそめのボディ』と歌うんです。ミクロの世界、パソコンの中にしかいられないミクが、もうあなた方も出られないんですよ、と暗示する訳です」他にも『風の又三郎』『銀河鉄道の夜』などの楽曲の重要なポイントで登場するという。「異次元からきた、何者か分からないもの、宮沢賢治の世界観を表現するには初音ミクしかないんです」と、起用の理由を冨田勲は熱く語った。これまでの初音ミクのコンサートといえば、事前にCGで作成したミクのパフォーマンス動画に合わせて、バンドやコーラスが演奏するというスタイル。今回は逆に、大友直人の指揮、日本フィルハーモニー交響楽団と合唱団の総勢300名の演奏に合わせて、初音ミクがライブで歌い、踊るという新しい試みになる。「技術的なハードルが高いですが、目処は立ってきました。電子音楽の歴史に残る冨田先生と初音ミクのコラボは、非常に野心的な試みです」と、初音ミクを手がけるクリプトン・フューチャー・メディアの伊藤博之も意気込みを語る。冨田勲新制作交響曲「イーハトーヴ」世界初演は、11月23日(金・祝)に東京オペラシティ コンサートホール(東京都)で開催。チケットは発売中。
2012年08月29日主演作『テルマエ・ロマエ』が興業収入50億円を超える大ヒットとなっている阿部寛が、行定勲監督が手がける新作映画『つやのよる』に主演することが発表された。そのほかの情報『つやのよる』は直木賞受賞経験もある女流作家・井上荒野による同名小説の映画化。奔放な妻に振りまわされながらも、愛のために生きる男を主人公にした恋愛群像劇だ。癌に冒され、昏睡状態に陥った妻の艶(つや)を前にして夫・松生がひらめいたのは、彼女が関係を持った男たちにその死を知らせるということ。艶の危篤に動揺する男たち。そして見知らぬ女と、自分の夫や恋人、父親が肉体関係を持っていたことを感じ取り、困惑する女たち。総勢22名の男女が、繰り広げる人間関係の中に、恋の本音を描き出す。メガホンを執るのは、『世界の中心で、愛をさけぶ』『今度は愛妻家』など数多くの恋愛ドラマを手掛けてきた行定監督。映画化に際しては、「原作を読んだ時に阿部寛さんのことが頭をよぎりました。不貞を犯す妻を真面目に実直に愛する姿がぴったりだと思ったからです。実際にお会いした阿部さんの印象はまさに私の思い描いていた通りでした。阿部さんの醸し出すユーモアが大好きです。それがこの映画のエッセンスになればいいなと思っています」とコメントしている。これを受けて阿部は「いままでやったことがない世界観の作品を存分に味わいたい。行定監督の妥協せず、まじめに作品に取り組む、その世界にどっぷりつかって楽しみたい」と意欲十分といった様子。破天荒なローマ人役で話題をさらった阿部が、愛に悩む男の姿でどのような大人の“艶”を見せてくれるのか、早くも期待が高まる。映画は現在撮影中で、7月中旬のクランクアップを予定。公開は2013年新春となる見込みだ。『つやのよる』2013年新春全国ロードショー文:渡部あきこ
2012年06月18日日本が世界に誇る作曲家・編曲者・シンセイサイザー奏者の冨田勲による新制作交響曲「イーハトーヴ」が、11月に世界初演されることが決定した。冨田勲新制作交響曲「イーハトーブ」世界初演の公演情報1950年代より、数々のテレビ番組、コマーシャルや映画、手塚治虫のアニメーション作品などで音楽を担当し、多くの名曲を生み出してきた冨田勲。また、日本の電子音楽の草分け的存在としても活躍。シンセサイザーを駆使した「管弦楽曲の電子音による再創造」という独自の芸術手法は、世界各国で高い評価を得、アルバム『月の光』(1975年)、『展覧会の絵』(1976年)、『惑星』(1977年)は全米ビルボードクラシカルアルバムチャート第1位を獲得。日本人で初めてグラミー賞にノミネートされ、多くのアーティストに影響を与えてきた。40年以上にわたり新たな音楽を開拓し続け、80歳の節目を迎えた冨田勲が、新たに世界に向けて発信する新曲は、宮沢賢治による造語「イーハトーヴ」(※)をタイトルにした交響曲だ。宮沢賢治の精神、東北の大自然、そして冨田勲の音楽が、フルオーケストラと大合唱が織り成す演奏で壮大に描かれる。冨田勲新制作交響曲「イーハトーヴ」世界初演は、11月23日(金・祝)に東京オペラシティ コンサートホール(東京都)で開催。指揮は大友直人、演奏は日本フィルハーモニー交響楽団が担当する。チケットの一般発売は6月23日(土)10時より。また一般発売に先駆け、6月16日(土)10時よりチケットぴあで最速先行が受付開始となる。※イーハトーヴ…宮沢賢治の造語。宮沢賢治の心象世界中にある理想郷を指す言葉で、故郷の岩手県をモチーフにしたと言われている。
2012年06月15日トータス松本の故郷・播磨での野外ライブ『歌う! トータス松本烈伝』が8月27日に行われた。今年で2回目の開催となる同イベントは、地元との連携や選曲など、よりトータス松本の強い思いが反映されたものとなった。トータス松本の公演情報オープニングはトータスの出身校である黒田庄中学校吹奏楽部の生徒達による演奏でスタート。同校校歌の歌唱へ。ちなみに、トータスが中学2年でエレキギターを買って、友人たちとバンドの練習をした場所が黒田庄中学校の音楽室だったという。制服を着た吹奏楽部の面々と赤いジャケットを着た派手な衣装のトータスとのコントラストが、時空を超えて交差しているようで、なんだかほほえましい。1曲目は『バンザイ~好きでよかった~』。トータスを含む7人編成のバンドは昨年の『マイウェイ ハイウェイ・ツアー』をベースにしており、アンサンブルには隙がない。そしてメンバーが着ている色とりどりのシャツこそは「播磨織」という西脇市を中心とした地場産業のブランド品だ。このあたりにもトータスの地元愛がにじみ出ている。中盤に差し掛かったあたりで、トータスはセンターステージへ移動。アコギ1本での弾き語りで数曲披露……する予定だった。ところが、1曲目の『借金大王』の途中でゲリラ豪雨に見舞われる。大粒の雫が身体を打ち、目の前の視界もおぼつかないほどの激しい雨に、それでもトータスは歌い続ける。2曲目には予定になかったRCサクセションの『雨上がりの夜空に』をすぶ濡れになりながら熱唱。自身が音楽を始めたきっかけでもある曲に、オーディエンスも大合唱で応える。ライブ終盤には、アカペラ・ツアーを共にしたコーラス隊「ハッピー・アワーズ」から3名が加わり『愛がなくちゃ』『クリア!』『ガッツだぜ!!』などを披露していった。ウルフルズ時代の曲とソロ曲、さらに予定外のRCサクセションのカバー曲と、トータス松本が辿ってきた道のりを凝縮したライブとなった。なお、トータス松本は10月より自身初となる弾き語りツアーを行う。また、11月3日(木・祝)に千葉・幕張メッセ国際展示場9~11ホールで開催されるぴあ主催の音楽イベント『ぴあ39th FAREWELL〝39-THANK YOU-〟~車輪小僧の大回転~』に出演が決定した。チケットは10月1日(土)より一般発売開始。チケットぴあでは、9月1日~9月8日(木)まで先行抽選(第3次プレリザーブ)を実施している。
2011年09月02日釜山を舞台に製作された3編からなるオムニバス映画『カメリア』の日本公開が決定し10日に都内で、その内の1作『Kamome』に出演する吉高由里子と行定勲監督が会見を行った。その他の写真映画『カメリア』は、タイ、日本、韓国のアジア3か国が参加し、釜山を舞台に描かれる3編からなるラブストーリーで、“釜山プロジェクト”として製作され、第15回釜山国際映画祭のクロージングで上映された。タイからはウィシット・サーサナティアン監督の『IRON PUSSY』、韓国からはチャン・ジュナン監督の『LOVE FOR SALE』が参加。『kamome』は、カメラマン(ソル・ギョング)と彼が出会った“カモメ”と名乗る少女(吉高)との物語を描いている。行定監督は「釜山国際映画祭は恩人のような映画祭で、劇場デビュー作『ひまわり』で国際批評家連盟賞をいただいたのをきっかけに『GO』の監督に抜擢されたりと、僕の海外進出での認知度はこの映画祭を通じてのものであり、キャリアを築くための道を作ってくれたと言っても過言ではない。恩がえしのような気持ちで参加した」とコメント。本作について吉高は「水とか風のように、手でつかんでも“すり抜ける”という言葉がとても合う作品。触れているようで、形が見えないような、それは人の気持ちと同じなんだと思った」と話し、共演したソル・ギョングを「温かいお湯につかったような気持ちにさせてくれるような男性で、茶目っ気もあって心を和ませてくれた。また別の機会でお会いできたらうれしい」と語った。また行定監督は、「ソル・ギョングは『日本人の情緒がこのシナリオの中にあって、韓国の俳優はそれを遜色なくやることだ』と韓国の若い俳優たちを説得した」と撮影中のエピソードを語り、「ふたつの魂が触れ合うという状況を、名優ソル・ギョングと、日本のこれからを背負って行くだろう若手女優の吉高を信じて、釜山の夜が明けるまでに何が起こるのか、観察するように作った作品。ソル・ギョングと吉高の衝動的な演技が凄い形で融合している状況を撮らせてもらってすごく幸せだった」と語った。『カメリア』は9月にタイで、11月には韓国での公開が決定している。『カメリア』10月22日(土)新宿バルト9ほか全国ロードショー
2011年08月10日韓国・釜山を舞台にしたオムニバス映画『Camellia カメリア』の中の一篇「かもめ」に主演した吉高由里子と行定勲監督が8月10日(水)、都内で行われた会見に出席した。釜山国際映画祭とその舞台となる釜山広域市の協力で始動したプロジェクトで、タイのウィシット・サーサナティアン監督と行定監督、地元・韓国のチャン・ジュナン監督が“愛”をテーマにそれぞれ釜山の過去、現在、未来の物語を紡ぎだす。吉高さん主演の「かもめ」では、職人気質の映画カメラマンの男と、彼が街で出会った不思議な空気を醸し出す日本人の少女の儚い愛が描かれる。行定監督にとって、本作は初の海外作品となるが、監督とカメラマン、照明と制作のみが日本人スタッフでこれに吉高さんを加えて5名で渡韓し1週間ほどの撮影を行った。これまで釜山国際映画祭にたびたび出品し、国際的な評価を得てきたこともあって「釜山は僕にとって恩人のような映画祭。デビュー作の『ひまわり』で国際批評家連盟賞をいただきましたが、それがなければ次の『GO』での抜擢もなかった。恩返しの気持ちで参加しました」と熱く語る。吉高さんは監督から「できる限り“無”の状態でいてくれ」と指示されたことを明かし「監督には放し飼いにされました(笑)。それも水槽の魚ではなく、空を泳ぐ鯉のぼりのような感じ。遠くから風を送ってくれて要の部分ではピタッと教えてくださる。開放的な現場でした。でも見えない緊張感があったのは監督のオーラだと思います」と初体験の行定組をふり返った。作品について吉高さんは「水や風のように、つかんだと思っても手のひらには何もない、すり抜けるような感じ。触れているけど形がない、人の気持ちのよう」と独特の表現で一夜の不思議な“愛”について語ってくれた。また、監督は主演を務めた韓国の名優ソル・ギョングを絶賛。「日本から連れて行ったカメラマンが『(彼の)何を撮っても映画だ』と唸っていた。手の大きな男で、グッとつかむと“熱”を持っている」と手放しで讃えた。吉高さんも「絶対なる安心感がありました。いつも役の衣裳で来てそのまま帰るんですがなぜかと聞いたら『この作品を撮っている間、僕はこの役の人物でしかいられない』と。かっこいい!私も日本でやってみようかと思いました(笑)」と異国の名優の役者魂にメロメロの様子だった。『Camellia カメリア』は10月22日(土)より新宿バルト9ほか全国にて公開。■関連作品:カメリア 2011年10月22日より新宿バルト9ほか全国にて公開
2011年08月10日『さや侍』の公開を控える松本人志の監督デビュー作『大日本人』がハリウッドのメジャースタジオのひとつコロンビア映画によってリメイクされることが発表された。松本監督自ら主演した本作。“6代目大日本人”として防衛庁の依頼を受け日本各地に出没する“獣”と戦うも、世間の厳しい目にさらされる主人公の悲哀を描き、90万人を動員し、興行収入は12億円を突破。既成概念にとらわれないオリジナリティあふれるその手法は大きな話題を呼んだ。松本監督は先日、NHKの番組に出演した際「3日後に重大発表がある」と語っていたが、それがこの『大日本人』ハリウッドリメイク決定の一報であるようだ。プロデューサーを務めるのは、映画製作会社「オリジナル・フィルム」の創立者で、世界的なヒット作となった『ワイルド・スピード』シリーズや、『アイ・アム・レジェンド』、『グリーン・ホーネット』などの大作を手がけてきたニール・H・モリッツ。『アイ・アム・レジェンド』、『グリーン・ホーネット』はいずれもリメイク作品であり、また、コロンビア映画もこれまでに、清水崇監督のホラー映画『呪怨』のリメイクにあたる『The Grudge』、続編『The Grudge 2』を製作している。彼の下で『大日本人』がどのような変貌を遂げ、ハリウッド作品として仕上がるのか楽しみなところ。脚本を担当するフィル・ヘイとマット・マンフレディは、2002年にはジョン・キャロル・リンチ出演の映画『バッグ』で数々の映画祭で受賞し、スリラー映画『イーオン・フラックス』、大ヒット映画『タイタンの戦い』の脚本も手がけてきた俊英コンビ。『大日本人』、2作目の『しんぼる』共に海外の映画祭で高い評価を受け、まもなく公開の『さや侍』もロカルノ国際映画祭においてインターナショナルプレミア上映が決定するなど、3作品で世界にその名を轟かせる松本監督。リメイクにあたってはハリウッドスターが主役を張ることになるのか?松本監督自身はどのように関わっていくのか?など大いに気になるところだ。■関連作品:さや侍 2011年6月11日より全国にて公開© 2011「さや侍」製作委員会大日本人 2007年6月1日より東劇、なんばパークスシネマにて先行公開、6月2日より全国松竹系にて公開©YOSHIMOTO KOGYO CO.,LTD.2007■関連記事:“切腹を申し付ける!”『さや侍』音声ストラップを5名様プレゼント松本人志、『さや侍』で「理想の娘」を描くも子役からは主演男優に鋭いダメ出しが…待望の松本人志監督第3弾!!『さや侍』試写会に10組20名様ご招待松本人志監督『さや侍』予告編が到着!りょうや板尾創路らの姿も松本人志監督『さや侍』特報が解禁!メガネの主人公、いきなりふんどしで…
2011年06月06日清純な少女にセクシー&ダークなヒロイン、女子高生から先生まで新たな作品ごとに華麗な…いや、過激な“変身”を遂げる仲里依紗が、行定勲と初タッグ!2月より携帯放送局BeeTVにて配信中のドラマ「パーティーは終わった」で、妄想を暴走させて成宮寛貴、永山絢斗、高岡蒼甫、林遣都に小出恵介という5人のイケメンたちと恋に落ちるヒロインのマンガ家・十朱(とあけ)を演じている。女性キャストを魅力的に描くことにかけては右に出る者はいない行定作品で、錚々たる共演陣を相手に彼女はどのような輝きを見せてくれるのか?早速、仲さん、行定監督に話を聞いた。――“妄想”と“仲里依紗”という組み合わせは絶妙ですが…。仲:妄想と私?やだ、私って妄想してると思われてんのかなぁ(笑)?確かに妄想好きですよ…というか大好きです!映画観て「あれがこうなったら…」とか「あの人が実は」って勝手に想像を膨らませて話したりするのもすごく好きです。そういう意味では十朱に似てるかも。友人に誘われたパーティーに渋々、参加した十朱。会場で偶然目が合ったイケメン男子とのめくるめく恋の物語が彼女の妄想の中で展開していく。――5つの全く異なる“妄想”の物語ということで、尽くすタイプの女から殺される願望を持った女まで、各話で十朱が見せる表情は全く異なります。どういうイメージで十朱を演じられたんですか?仲:私が勝手に、それこそ妄想で考えているマンガ家のイメージでやりました。根がやや暗めで変な人…という(笑)。一見、「このひと、大丈夫かな?」と思われそうな感じでちょっとやさぐれてて…。でも、そう考えると私と結構似てるかも(苦笑)。私もパーティーとか好きじゃないし。――行定監督は前回、吉田修一さんの原作を映像化した「女たちは二度遊ぶ」がBeeTVで大きな反響を呼びましたが、今回はオリジナル脚本ですね。行定:調子に乗ったBeeTVが「今度は“男たち”で行きたいですね」とか言うわけですよ!続編やればいいのに(笑)。じゃあっていう風で、ひとりの女性マンガ家の妄想の中で生かされるいろんなパターンの“彼”で。映画にせよ何にせよ、やっぱりオリジナルが面白いんですよ。友達の外国人の映画監督と話してても「何で日本人はオリジナルでやんないの?」っていつも言われるんですよ。もっと好きに物語を作ればいいじゃないかって。だから今回、もう次はないかもしれないけど(笑)、好き勝手にやってやろうって。――監督はずっと仲さんと仕事をしたかったということですが…。行定:この人は…何でしょうね?前から謎でしたね。いろんな作品見たけど毎回違うんですよね。この顔が好きでしたね、表情が…。仲:ロバみたいな(笑)?行定:…(笑)。すごく綺麗な顔なんだけど、あえて綺麗にしてない感じ。すごく無防備な表情がしっかりと映ってて。『ハルフウェイ』に出てる仲里依紗を見て「何なんだ?彼女のこの自由度は?」って思ったんです。彼女が走るシーンを見て「この姿、無防備すぎるぞ。大丈夫か?仲里依紗」って会ったこともないのに、いち観客として思った。実際やってみたら…監督、共演者が望む女優なんですよ。その意味で天才ですね。それは、今回、共演した男優陣もみんな分かっていると思う。成宮くんは僕よりも仲さんとの付き合い長いけど、同じこと言っていた。「俺を受け止めてくれる」って。――個人的には仲さんが永山さん演じる恋人との関係を一方的に切ろうとする「捨てたい」と記憶喪失の林さんを思い切り束縛する「抱きしめたい」が女の残酷さ、怖さが出ていて強烈でした。仲さんはこの十朱の心理って理解できますか?仲:(即答で)できます!だってすごく楽しかったんですよ、演じてて(笑)。最初は「捨てたい」が一番難しそうだなと思ってました。しかも相手が永山さんと聞いて、「あの永山さんが、泣きながら女にすがる男?」って感じで全く想像できなかったんです。でも、実際やってみたらもう、目の前にいるのは永山さんじゃなくてムサシ(※永山さんの役名)なんですよ。もう、彼の発するひと言、ひと言にイライラして「何だこいつは?」って気持ちがわき出てくるんです。笑顔がまた憎たらしくて!踏みつけてやりたいって思いましたもん。永山さんがすごいですね、この「捨てたい」に関しては。途中のシーンではムカついて、捨てたいって感じなんですけど、いざ別れる瞬間になるとすごく寂しく切なかったです。この恋愛が私の理想かも、と思いました。いなくなると寂しいというのが(笑)。だから、ムサシみたいな仏のような人がいいかな。――その仏のような人に残酷な反応するのが楽しい?仲:楽しいと言うよりもまずイライラするんですよ。相手に対してもそうだし、そこに振り回されてる自分に対しても。でもやっぱり好きで、それを楽しんでるのかな(笑)。――「抱きしめたい」は真逆で相手を何が何でも自分のものにしたいという女性で、これはこれで怖いですが。仲:この十朱は、「怖いな」って思いながら演じてましたね。でも、そういう人って結構いるのかも…一種の母性本能なんですかね?演じながら「こういう女にはなりたくない」て思ってました。自分が追いかけるというのは、負けた気がするんですよね。私は結構、負けず嫌いなのでそういう意味でもこの十朱が一番共感できなかったです。――では、もし仲さんの妄想で「パーティーは終わった」の第6話を作るとしたら…。仲:執事をしてほしいですね、男性に(笑)。行定:尽くしてほしいのね?仲:もう全てにおいて尽くして、尽くして、尽くしまくる男!行定:じゃあ次は「尽くされたい」で(笑)。仲:大満足です(笑)!BeeTV「パーティーは終わった」公式サイト:■関連作品:時をかける少女 (2010) 2010年3月13日より新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ渋谷、シネスイッチ銀座ほか全国にて公開© 「時をかける少女」製作委員会2010ゼブラーマンゼブラシティの逆襲 2010年5月1日より全国にて公開© 2010「ゼブラーマン2 ゼブラシティの逆襲」製作委員会■関連記事:ドSから尽くす女に束縛女…仲里依紗の過激“妄想”5段階変化の画像が到着!仲里依紗が妄想の中で成宮寛貴、林遣都ら5人のイケメンとヤバい恋に落ちる?『十三人の刺客』にスタンディングオベーション7分!金獅子に三池監督手応えアリ?ゼブラクイーン×『時かけ』仲里依紗、正反対の2役のコラボポスター完成仲里依紗初海外映画祭「カムサハムニダ」に大歓声「サイコーだ」
2011年02月03日