みなさんは、性感染症についてどのくらい知識を持っていますか?不妊症につながる可能性もある性感染症ですが、その多くは感染していても無症状のため、自分で気づくことができないそうです。今回は、はなおかレディースクリニック院長の花岡正智先生に、知っておきたい性感染症の特徴とリスクについて解説していただきます。みなさん、はじめまして。はなおかレディースクリニック院長の花岡正智です。2023年は梅毒をはじめ、さまざまな性感染症が増加しました。性感染症の中には症状に乏しいものもあり、感染に気づかず時間が経過することで不妊症につながることもあります。そこで、感染者数の多い性感染症や近年注視されている性感染症の特徴や性感染症を治療しないままだと、どのようなリスクがあるかをご紹介したいと思います。■性感染症の症状は?女性は症状が乏しく気づかず放置してしまうことも……性感染症に感染しても特に女性の場合、症状があまり出ないことも珍しくありません。感染者の多い代表的な性感染症の症状や感染によるリスクについてご紹介します。◇なぜ今?コロナの収束と出会いの多様化が性感染症を広げる性感染症は誰でも感染する可能性があります。ただ、昨年あたりから性感染症が広がりを見せている背景には、新型コロナウイルスの収束と風俗産業やパパ活、マッチングアプリなども含め、人の出会いの多様化があると考えられています。感染症が拡大している直接的な原因を特定するのは難しいことですが、例えば歴史的に見ても、人が活発に動くようになると性感染症が拡大する傾向にあります。今回はコロナが収束したことが人の動きを活発にし、性感染症の拡大を後押ししたと言えると思います。性感染症の感染経路は、大部分が性交渉によるものです。コンドームの使用により感染率は低くなりますが、オーラルセックスで感染する性感染症もあります。このため、性交渉を行う以上は常に性感染症に感染するリスクはあると思っていただいた方が良いと思います。◇「梅毒は江戸時代の性病」と思っていたら大間違い!早速ですが、「先天梅毒」という言葉を聞いたことはありますか?「梅毒」という性感染症に感染した妊婦から胎児に母子感染し、生まれた時から梅毒に感染していることを「先天梅毒」と言います。そして2023年は「先天梅毒」の子どもが37人と1999年から今の方法で統計を開始してから最多となりました。この背景には、梅毒感染者数の増加があると考えられます。国立感染症研究所によると、2022年の12,966人に対し、2023年は14,906人と梅毒感染者は増加しています。さらに東京都感染症情報センターによると、2023年の患者報告数は感染症法に基づく調査が始まって以来、最も多い3,701人ということでした。2022年の3,677人と比較すると微増ですが、2021年の2,451人、2020年の1,579人と比較すると明らかに増加傾向にあることがお分かりいただけると思います。梅毒は粘膜や皮膚が梅毒の病変部位と直接接触することで感染します。 つまりキスやオーラルセックスを含む性交渉により感染します。初期は、肛門や性器、口唇等の感染部位に(痛みやかゆみを伴わない)硬いしこりのようなものが出現することがありますが、梅毒は ”The Great Imitator (模倣の名人)” とも呼ばれており、全身に多彩な臨床症状をきたす可能性があります。また症状の出ない人やすぐに症状が消えてしまう人もいます。しかし、その裏で病気が進行していることもあります。梅毒は、一般的に血液検査による梅毒抗体検査によって診断されます。妊婦が感染していると死産や流産につながるリスクがあるほか、母子感染で子どもが先天梅毒になり、皮膚や骨の異常、難聴、視覚障害といった症状が出ることもあります。■梅毒以外にも近年広がりを見せている性感染症とは?梅毒以外にも、2023年5月には尖圭(せんけい)コンジローマとクラミジアという性感染症の感染者数が、ここ10年で最も多くなったことが国立感染症研究所のまとめでわかり、ニュースなどでも報じられていました。それぞれどのような性感染症なのか解説します。◇「尖圭コンジローマ」尖圭コンジローマは、性交渉や性交渉に似た行為で、皮膚や粘膜の微小な傷から侵入して感染します。まれに手指や病変部位に接触する物を経由し感染することもあります。子宮頸がんの原因にもなるHPV(ヒトパピローマウイルス)に感染することで引き起こり、性器の周辺にイボができることもありますが、症状がなく気づかないこともあります。なお、性的接触のある女性であれば50%以上が生涯で一度はHPVに感染するとされています。尖圭コンジローマは、視診やHPV検査によって診察します。◇「クラミジア」クラミジアはオーラルセックスを含む性交渉が主な感染経路です。性器クラミジア感染症は、おりものに異常が出ることが多いですが、半数くらいの方は自覚症状がありません。重症化すると卵管や子宮頸管の炎症や骨盤内炎症性器炎を引き起こすことがあり、着床障害や卵管障害、子宮外妊娠など不妊の原因になることもあります。そのため、多くの不妊治療クリニックでは、初期検査でクラミジア抗体検査を行っています。クラミジアは性感染症の中でも感染者数の報告が多く、女性の場合、20代前半が最も多く次に20代後半と、若い層での感染が多い状況です。さらに「淋菌」という性感染症に感染していることが分かった場合、クラミジアにも感染していると思って対応したほうが良いくらい、他の感染症と一緒に感染していることが多いのも特徴の一つです。クラミジアも淋菌も「遺伝子検査」により感染の有無を調べることができます。遺伝子検査とは、顕微鏡などで直接確認する方法とは異なり、微生物のDNAを増幅させ、微生物の遺伝情報からその存在を特定する方法です。新型コロナウイルスの検査でPCR法という言葉を知った方も多いと思いますが、PCRがまさに遺伝子検査です。女性の場合、子宮頸管擦過物やうがい液などを用い、遺伝子検査を行います。■見えない菌まで調べられるようになり、注視され始めた性感染症も先ほど紹介した遺伝子検査が登場するまでは、患者さんから採取した検体から菌を取り出し、菌を培養することで増やしていき、それを顕微鏡で見るという方法で検査していました。2000年より前は、培養しても増やすことができない、あるいは顕微鏡でも見えない菌は実証できないため、存在しないのではないかと思われることもありました。それが分子生物学という菌の遺伝情報を解析して、菌を特定する方法が生まれたことで、この分野でも革命的なことが起きたのです。つまり見えないものが調べられるようになったのです。そこから調べられるようになったのが、マイコプラズマ(※)やウレアプラズマといった性感染症です。これらは、骨盤内腹膜炎や周産期感染症の原因微生物としても注目を集めています。そして、クラミジア感染症や淋病につづき感染率が高いと言われています。※マイコプラズマ肺炎の原因菌とは異なる◇「ウレアプラズマ」ウレアプラズマの感染経路は、主にオーラルセックスやディープキスを含む性交渉です。性器の痛みやかゆみ、おりもの異常、のどの痛みや違和感などの症状が出る場合もありますが、自覚症状はあまりないケースが多いとされます。ウレアプラズマにはウレアプラズマ・パルバムとウレアプラズマ・ウレアリチカムの2種があり、2012年から自由診療でのみ検査ができるようになっています。うがいや尿、腟ぬぐいにより、検体を採取し、菌のDNAを調べることで感染の有無を判断できますが、ウレアプラズマの検査や治療は保険適応外であることや、クラミジアと症状が似ていることなどから見落とされてしまうこともあります。ウレアプラズマが悪化してしまうと、子宮頸部の炎症 や 卵巣・子宮などの骨盤内感染を引き起こし不妊症の原因になることもあります。また、早産に影響を及ぼす菌であることも研究で分かってきています。◇「マイコプラズマ」主な感染経路はウレアプラズマ同様、オーラルセックスやディープキスを含む性交渉です。感染するとおりものの異常やデリケートゾーンのかゆみや痛み、のどの違和感などの症状が出ることもありますが、無症状の場合もあります。マイコプラズマにはマイコプラズマ・ホミニスとマイコプラズマ・ジェニタリウムの2種があり、マイコプラズマ・ジェニタリウムは、2022年6月から保険診療でも検査が行えるようになりました。女性は腟分泌液あるいは感染部位が喉の場合はうがい液を採取し検査します。マイコプラズマに感染したまま放置すると細菌性腟症、子宮頸管炎、骨盤内炎症性疾患、不妊症、妊婦では流早産を起こすこともあり注意が必要です。ウレアプラズマやマイコプラズマは、聞いたことがない方も多いかもしれませんが、これらの性感染症は新たに誕生したわけではなく、今まで証明する術がなかったために、診断も治療もできなかった菌です。それが新たな検査技術の誕生により診断ができるようになり、感染によるリスクや治療法なども分かってきたのです。■見えないものが見える!疑わなくても分かる時代に性感染症をはじめ、菌を調べる検査というのは非常に進化しています。特筆すべきは見えない菌が分かるようになってきた当たりをつけなくても網羅的に調べることができるようになってきたという2点です。先ほどもお伝えしたように、以前は培養できる菌や顕微鏡で見ることのできる菌しか分かりませんでしたが、今では菌の遺伝子を調べる方法で菌を特定できるようになりました。それだけではありません。以前は、症状等からある程度狙いをつけて、それに対応する検査を行っていました(ターゲット検査)。そのため、その検査で陽性にならなければ、その菌はいないという診断にとどまっていました。それが現在は、網羅的に菌を調べることができるようになってきたのです(網羅的検査)。このようにして、狙っていない菌(予測していない菌)の存在も明らかになってきました。例えば、私のクリニックでも不妊治療を行っている方に対し、子宮内フローラ検査という検査を行うことがあります。子宮の中の菌環境が妊娠率や出産率に関わることが分かってきているからです。子宮の中の菌環境が乱れていても症状がないことも多いため、狙いをつけるのは難しいのですが、子宮内フローラ検査により子宮の中にいる菌の種類と割合を網羅的に調べることができます。子宮の中に悪玉菌が多いと着床不全などの不妊原因になることがありますし、マイコプラズマやウレアプラズマなど流早産を引き起こす可能性のある菌が検出された場合は治療を行っています。この検査も2017年に誕生しているので、最近できるようになってきたことです。この網羅的検査の良い点は、ほかにもあります。それは、適切な抗菌薬を処方できるということです。どんな菌に感染しているかを確認しないまま、広域性抗菌薬を処方してしまうと良い菌まで排除することになってしまうからです。また、21世紀に入ってから、新たな抗菌薬はほとんど開発されていませんが、既存の抗菌薬に対する薬剤耐性化は進んでおり、今ある抗菌薬を上手く使っていかなくてはいけません。■性感染症の原因菌は排除できても、自然妊娠ができなくなることも梅毒、クラミジア、淋病、ウレアプラズマ、マイコプラズマは細菌によって引き起こされるので、適切な抗菌薬の投与により治療することができます。例えば、梅毒には「ペニシリン」、クラミジアには「アジスロマイシン」など、それぞれに対応する抗菌薬があります。しかし、性感染症の感染に気づかず対処が遅れてしまった場合、菌は抗菌薬により排除できても、感染による影響が残ってしまうことがあります。例えば、クラミジア感染の場合、症状が進行すると卵管が癒着して、狭くなってしまう、あるいは閉塞してしまい、排卵された卵子が子宮へ移動できなくなってしまうことがあります。実は、卵管性不妊の60%以上がクラミジア感染による卵管狭窄や卵管癒着が原因とされています。そして、抗菌薬により、クラミジアの原因菌は排除できても、卵管狭窄や卵管癒着は治癒しません。つまり、卵管狭窄や卵管癒着が起きてしまうと自然妊娠のハードルが上がってしまい、体外受精が必要になってくるかもしれません。「性感染症に感染しても、薬で治すことができる」と思われている方もいるかもしれませんが、性感染症を安易に考えてはいけません。性感染症の中には症状に乏しいものもあり、気づかず治療されないことにより将来のライフプランに大きく影響することがあることを知っておいていただきたいと思います。■性感染症との向き合い方性感染症の主な感染経路は性交渉です。そのため、避妊目的だけではなくコンドームの使用が望ましいです。しかし、性感染症は体液が粘膜に接触することで感染するためオーラルセックスでも感染します。性交渉の経験がある方は、少しでもいつもと違う症状があると感じた場合は、性感染症の専門クリニックやレディースクリニックで検査を受けるようにしてください。ただし、今回紹介した梅毒や尖圭コンジローマ、クラミジア、淋病、ウレアプラズマ、マイコプラズマはいずれも女性の場合、症状が出ない場合もあります。パートナーの感染が判明したら、ご自身に症状がなくても検査を受けるようにしましょう。また、妊活をはじめてもなかなか妊娠できないと感じたら、性感染症が不妊の原因になっている可能性を念頭に置き、不妊治療クリニックなどで検査を受けられると良いでしょう。江戸時代にも流行していた梅毒がいまだになくならないように、そして新型コロナウイルスのような新たな感染症が流行するように、人との関わりがある以上、わたしたちは感染症と無縁ではいられません。感染しないことが一番望ましいですが、感染するリスクが常にあること、そして感染を放置してしまうことによるリスクを知っていただくことがご自身を守ることにつながります。このコラムが皆様の健やかな日々に寄与できればと願っています。
2024年03月09日あまり自分ごととして考える機会がない性感染症ですが、この数年、特に若い世代の女子に大流行中…。20代女性に急増中の梅毒ってどんな病気?性感染症の「梅毒」が流行中。正しい知識を味方につけて。1967年以降減少していた性感染症の梅毒。しかし一転、2011年からは増加傾向にあり、’19年から’20年にかけていったんは減少したものの、再び増加。昨年の報告件数は1万件を超えた。とくに女性は20代で突出して感染者が多いので注意が必要だ。梅毒は、主にセックスやオーラルセックスなどにより、口や性器などの粘膜や皮膚から感染。感染すると性器や口の中にしこり、手のひらや体中に発疹ができる。治療せず放置してしまうと、数年~数十年後には血管や神経の障害など全身に多様な症状をきたし、時には死に至ることも。ただ、コンドームを正しく使えば感染リスクを減らせるほか、早期治療で治癒できるので、必要以上に恐れず、適切な対応をとることが大切。※2021年は、第1~52週2022年10月8日時点集計値(暫定値)、2022年は第1~44週2022年11月9日時点集計値の報告を対象。厚生労働省のホームページを元に作成。2023年7月27日現在。コロナ禍を経て世界的に大流行。日本でも今年は2万人を超える予測。ここ数年、急激に感染が広がっているといわれるのが梅毒。「挿入だけでなく、キスやオーラルセックスでもうつる性感染症で、“梅毒トレポネーマ”という細菌が原因。かつては“男性の病気”という印象が強かったのですが、2013年頃から若い女性に増え始め、コロナ禍を経てさらに増加。’22年は1万件を超えたという報告があり、今年はそれを上回ると予測されています。医療機関からの報告漏れを含めると、その4倍以上いるのでは、といわれています」(産婦人科専門医・川名敬先生)男性は20~50代の層に感染が広がっているが、女性の場合、20代が突出して多いとのこと。読者世代、要注意です。「性感染症は“いろんな人とセックスをした結果”と言われがちですが、決してそんなことはなく、女性患者の8割は、特定のパートナーとしかしていなかったという調査結果もあります」(川名先生)実はこの病気、50年に一度流行を迎えるという波があり、世界的にも流行中。セックス時は必ずコンドームを使い、あやしいと思う相手との性交渉は避けて。セックスして感染。感染から2~3週間後【1期梅毒】性器に硬いしこりや口内炎のような潰瘍ができる。痛みはない。1期梅毒から3~4週間後症状が消える。1期梅毒の症状が消えて1か月後【2期梅毒】全身に赤い発疹[梅毒疹]が出る。2期梅毒から2~3週間後症状が消える。以後、特に症状は出ないが…梅毒の菌は体内に潜んでいる。症状が出ては消え、出ては消え…。“偽装の達人”と呼ばれることも。セックス直後に症状が出るわけではなく、数週間経ってからまず性器周辺に異変が。「この病気の怖いところは、特に治療をしなくても症状が治まってしまうところ。しかも痛くもかゆくもないので、気にせずにセックスをする人が多く、それによって感染が拡大することに」(川名先生)完治せずに妊娠すると、14%くらいは赤ちゃんに感染。妊娠中の女性が梅毒にかかると、胎盤を通じ胎児に感染する母子感染が起きる。これが“先天梅毒”。「妊娠初期に診断された場合すぐに治療をしますが、それでも14%程度は母子感染が起こる。赤ちゃんに異常が出てからの後悔では遅いので、妊娠前に必ず検査をしてください」(川名先生)4週間の服薬で完治可能。気になったらすぐに婦人科へ。万が一かかってしまったら…。でも大丈夫、4週間抗生物質を飲むことでほぼ間違いなく完治します。「性感染症はセックスする以上誰でもかかる病気で、特に現代においては、お互い初めて同士でなければ、菌やウイルスを持っていてもまったくおかしくない。気軽に検査を受けてほしいです」(川名先生)川名 敬先生産婦人科専門医。日本大学医学部産婦人科主任教授、日本性感染症学会監事。性感染症学、婦人科のがん治療、HPVワクチンなどのスペシャリスト。近年性感染症に関してNHKの番組などにも出演し、啓発に努めている。※『anan』2023年8月16日‐23日合併号より。(by anan編集部)
2023年08月22日性感染症のひとつである梅毒。近年は流行が拡大しており、ニュースでもよく耳にしますよね。クイズを通して、梅毒について学びましょう!早速クイズ!解説!粘膜が直接触れることで、小さな傷から細菌が侵入します。そのため、挿入だけでなくオーラルセックスやキスでもリスクがあります。潜伏期間は、約1週間から約14週間。この期間は症状がないので、気づきづらいでしょう。感染後から3週間から3ヶ月の間、性器や肛門や口などにできものやしこりができます。痛みや痒みを伴わないことが多いので、放置してしまう方もいるかもしれません。3ヶ月経つと……感染から3ヶ月以上経つと、全身に症状が出ます。症状は発熱や倦怠感、頭痛、リンパ腺の腫れ、のどの痛みや筋肉痛など。全身に「バラ疹」と呼ばれる湿疹が出るのも特徴のひとつでしょう。完治可能!昔は不治の病とされてきた梅毒ですが、現在は早期発見で完治できる病気です。しっかりと検査をし、完治するまで治療を受けることが大切です。気になる方は婦人科や泌尿器科、性感染症内科、皮膚科へ相談を。監修医ライター草案助産師:MellowingCokeめい(MOREDOOR編集部/イラスト:性教育いらすと)
2023年07月07日国立感染症研究所の発表によると、2022年、全国の梅毒感染者報告数は10,314人と過去最多となりました。なかでも東京都では3,677人の感染が確認され全国最多となっています。東京都の梅毒感染者推移東京都では「東京都とくべつ検査(梅毒即日検査)」を実施するなど、早期発見に向けて集中的な取り組みが始まっています。東京都とくべつ検査(2023年2月16日発表) これらの背景などを鑑み、GOETHEメンズクリニック(東京都豊島区、中央区)では、2023年4月より梅毒の無料検査を実施いたします。■梅毒予防の啓蒙活動東京都では3月上旬より梅毒の症状や基礎的な情報を発信する動画を発表し、梅毒予防の啓蒙が開始されています。 また、臨時で開設した梅毒の検査所について、小池都知事は「定員を上回る勢いで予約が入っている」として3日間の日程追加を発表しました。しかしながら、いずれの検査所も40人の定員に対し予約が殺到し、多くの希望者が検査に至っていない可能性を受け、GOETHEメンズクリニックでは希望者に無料で梅毒検査を実施することとしました。1日の対応可能人数は、2院(池袋、八重洲)合わせて100名ほどとなりますが、梅毒感染の拡大防止に努める所存です。■無料検査の実施概要期間 :2023年4月1日~6月30日実施場所:GOETHEメンズクリニック<池袋院> 東京都豊島区南池袋1-26-4(池袋駅 すぐ)<八重洲院> 東京都中央区日本橋3-3-3(東京駅 徒歩3分)利用条件:他の検査や治療メニューをご利用の方に限らせていただきます利用方法:ご来院時に「梅毒無料検査希望」の旨、お伝えください梅毒の無料検査についての詳細 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2023年04月11日梅毒が爆発的に流行しています。患者数が48年ぶりに6000人を超えたのを受け、人気漫画『コウノドリ』(鈴ノ木ユウ、講談社)が、梅毒を取り上げた回(第4話)をネットで緊急無料公開しました。Webサイトとスマホアプリで漫画を配信する「コミックDAYS」で閲覧できます。公開期間は12月14日〜20日まで。なお、この梅毒の回を収録した最新単行本25巻は、12月21日発売予定。第4話では、梅毒と思われる症状を訴える夫婦が登場し、感染する経緯や対処法、妊娠した女性への影響や、早期の検査や治療の重要性、罹患者が急増している背景などについて描いています。読んだ人からは、「すごい勉強になった。初期の妊婦健診ってお腹の赤ちゃんがきちんと育ってるか、母体の健康状態のチェックだけだと思ってたんだけど病気の検査なんかもしたりするんだね。ぜひ多くの人に知ってほしい」「自分は平気だろう。その思い込みが感染を拡大させ、パートナーや大事な人を傷つけることも。クリスマス前に無料公開するなんて、タイミングさすがだと思う」など、この回が多くの人に読まれ、梅毒への知識を持つ人が増えることを願う声が、ツイッターに多数あがっていました。梅毒は、性的な接触などによって移る感染症で、感染すると陰部や口唇部、口腔内、肛門などにしこりができたり、股の付け根の部分(鼠径部)のリンパ節が腫れたりと、全身にさまざまな症状が出ます。早期の薬物治療で完治もできますが、感染を繰り返すこともある病気です。梅毒は“昔の病気”でも、“人ごと”でもありません。
2018年12月14日最近、梅毒が急増しているといわれています。原因は諸説ありますが、風俗産業の低価格化や性病への意識の低さなどが指摘されているようです。梅毒はおもに性行為によって感染する病気で、有名な武将も梅毒で命を落としたといわれています。現在はペニシリンの開発で死することはほとんどないようですが、恐ろしいものであることには変わりありません。仮に感染経路が「風俗産業」と確実に特定できるのならば、「梅毒を移された」と提訴したくなります。現実的にそのような法的措置に出る人は少ないとは思いますが、1つの選択肢として可能性を探ってみましょう。和田金法律事務所の渡邊寛弁護士に可能であるかどうかを伺いました。 Q.梅毒を風俗店で移されたと特定できる場合、店を訴えることができる?*画像はイメージです:現実的には難しい「理屈としては、店舗が損害賠償責任を負うこともあり得ます。もっとも店舗に対して不法行為に基づく損害賠償請求が認められるには、請求する側が、①店舗やサービスを行った従業員の故意・過失、②損害の発生、③行為と損害との因果関係を立証しなければなりません。②の損害の発生の立証は容易でしょうが、①故意・過失や③因果関係の立証は難しいことが多いでしょう。客の主観的には、特定の風俗店での感染が確実であっても、因果関係が認められるには、風俗店従業員も梅毒に感染していたことや他の感染経路の合理的可能性がないことを立証しなければならず、相当難しいものと思われます。さらに、①故意・過失があったというには、従業員が自身の梅毒罹患を知っていたとか、店舗が必要な性病検査を怠っていたとかを主張立証することになりますが、これも簡単ではありません」(渡邊弁護士) やはり現実的には「ムリ」という結論のようです。自己防衛するしかありませんね。 *取材協力弁護士: 渡邊寛 (和田金法律事務所代表。2004年弁護士登録。東京築地を拠点に、M&A等の企業法務のほか、個人一般民事事件、刑事事件も扱う。)*取材・文:櫻井哲夫(フリーライター。期待に応えられるライターを目指し日々奮闘中)【画像】イメージです*TLpixs / Shutterstock
2017年02月20日大阪府はこのほど、平成27年の府内の梅毒報告数(速報値)は317名だったと発表した。同報告より、5年前と比較して患者が約5倍へと急増していることが明らかになった。厚生労働省によると、梅毒は性的な接触(他人の粘膜や皮膚と直接接触すること)などを介してうつる感染症。「梅毒トレポネーマ」という病原菌が原因で、感染すると全身にさまざまな症状が出る。感染初期には、感染がおきた部位(陰部、口腔内、肛門など)にしこりができたり、ももの付け根部分のリンパ節がはれたりする。治療をせずに3カ月以上が経過すると、病原体が血液によって全身に運ばれ、手のひらや足の裏、体全体にうっすらと赤い発疹が出ることがある。治療をしなくても発疹は数週間以内に消える可能性があるが、抗菌薬で治療しない限り、病原菌である梅毒トレポネーマは体内に残り、再発を繰り返すケースもみられるという。また、妊婦が感染すると「胎盤を通して胎児に感染し、死産、早産、新生児死亡、奇形が起こることがあります」として、同省は注意を呼びかけている。平成27年の大阪府では特に女性の患者が多く、前年比で3.5倍にもなる81名に急増。年代別の内訳をみると10代が16名と前年比2倍で、10代と20代の若い世代が合計116名(男女)と、全体の約4割を占めるという結果になった。大阪府は、感染経路の9割以上が性行為によるものだとしている。平成26年までは男性が報告数の9割以上を占めていたため、男性同士での性行為が感染を拡大させていると考えていたが、「平成27年では女性の報告数が増加していることからもわかるとおり、異性間の性行為による感染が拡大しています」と警鐘を鳴らしている。感染予防として性行為時のコンドーム使用があるが、覆われていない部分の皮膚から感染が起こる可能性もある。そのため、厚労省は「100%予防できると過信はせず、皮膚や粘膜に異常があった場合は性的な接触を控え、早めに医療機関を受診して相談しましょう」としている。※画像は大阪府のホームページより使用
2016年02月12日日本ユニセフ協会はこのほど、アジア・太平洋地域における、HIV・梅毒、母子感染ゼロへの取り組み強化について発表した。同協会によると、HIVや梅毒の感染撲滅について前進がある一方、まだ多くの母子はその恩恵を受けることができていないという。子どもの間の新たなHIV感染は、2000年から2014年までに3分の1にまで減少。HIV陽性と診断され治療を受けている妊婦の割合も、2010年から2014年の間で約2倍以上になった。一方で感染率は、現在もいくつかの国で上昇し続けているのが現状とのこと。また、治療を受けていないHIV陽性の女性は、最大45%の確率で子どもに感染させてしまうという。UNAIDS(国連合同エイズ計画)の報告書では、2014年だけでも、アジア・太平洋地域の子どもの間で2万1,000件、1日平均で57人の新たなHIV感染が見つかっている。しかし、適切な治療さえしていれば、母子感染は約1%までに下げることができるという。一方の梅毒は、政策面でも実施面でも、HIVと比べて検査や治療が遅れがちな感染症とされている。梅毒は、妊婦や胎児に、流産や死産、新生児死亡、低体重児出産、重大な新生児疾患など深刻な合併症を引き起こすという。「妊娠中のシンプルで費用対効果の高い検査と、それに続くペニシリンなどを使った適切な治療によって、このような合併症のリスクは劇的に下げることができます」と同協会。課題として、HIVと共に生きる子どもたちは、必要なサービスを受けていないことがあげられるという。アジア・太平洋地域では、HIV陽性の母親から生まれた子どもの4分の1しか、出生後すぐに検査を受けておらず、HIVに感染していると診断された乳児のおよそ半数しか、必要な治療を受けられていないのが現状とのこと。「ひとりの親も、ひとりの子どもも取り残すことなく、HIVや梅毒の感染撲滅を押し進めます。私たちは、たとえ最も支援を届けるのが難しい子どもや家族であっても、確実に適切な検査と治療を受けられるようにしなくてはなりません」と、ユニセフ東アジア・太平洋地域事務所代表のダニエル・トゥール氏。一方、HIV陽性の女性は、妊娠中、そして出産や母乳育児を通してHIVを子どもに感染させる可能性がある。現在、"HIV母子感染予防(PPTCT)"と言われる支援計画では、HIVと共に生きる女性が赤ちゃんへの感染を防ぐことができるよう、薬の提供やカウンセリング、心理社会的支援などが行われている。なお2015年6月には、キューバが世界で初めてHIVと梅毒の母子感染を撲滅したことが承認された。これについて、UNAIDSアジア・太平洋地域支援チームのスティーブ・クロース部長は、「アジア・太平洋の国々にも、エイズのない世代への取り組みを求める」と見解を示した。
2015年10月02日