12月20日、都内で『新橋演舞場 二月喜劇名作公演』の出演者による記者会見が行われ、水谷八重子、中村梅雀、渋谷天外、藤田朋子、英太郎、山村紅葉が公演に向ける意気込みを語った。演目には、『お種と仙太郎』『大当り高津の富くじ-江戸育ち亀屋伊之助-』『おやじの女』の3つが並ぶ。『お種と仙太郎』は、息子夫婦の仲の良さを妬んで嫁をいびる姑と、じっと耐える妻、そしてそんな関係を見るに見かねた周囲の人情を描いた作品で、今回は、2006年の京都・南座での公演に出演した英と山村が、ふたたび姑と嫁に扮して贈る。そして、「関西弁が苦手なので、どうかと思っていたら、江戸の人間に変えていただくことができた」と梅雀が語るのは、藤山寛美の得意演目を書き直した『大当り高津の富くじ-江戸育ち亀屋伊之助-』。「甘やかされて育った伊之助は、まっすぐで気の良い男。“こういうことがあったらいいな”と観ていながらホロッとくる、ほっこりと心が温まるような舞台にしたい」と抱負を語った。一方、『おやじの女』は、劇団新派と松竹新喜劇の本格的な共演に注目度が高い。死んだ義太夫語りの妻、愛人、弟が繰り広げる新喜劇作品で、波乃久里子、水谷、渋谷がそれぞれの役を演じる。水谷は言う。「“江戸の新派、大阪の新喜劇”というように同じような立場にあるもの同士が一度何かで正式にご一緒できればなと常々思っていました。そこに今度は元前進座の方(梅雀)まで加わって一座ができたのは、楽しみでうれしいこと。それぞれの劇団のカラーが一色に溶け込んだマーブルのような楽しさを出したいと思います」。なお、波乃は、5日に弟の中村勘三郎さんが亡くなったばかりということで記者会見に欠席。「喜劇公演の会見という楽しいお席で悲しい話題が出ましても申し訳ないと存じ、出席をご遠慮させていただくことにいたしました」と書面でメッセージを寄せた。『二月喜劇名作公演』は、東京・新橋演舞場にて2月1日(金)から24日(日)まで上演。チケットは12月25日(火)に一般発売を開始する。
2012年12月21日映画『二十四の瞳』や『楢山節考』など、数々の名作を世に送り出し、黒澤明と共に日本映画界の一時代を築いた映画監督、木下惠介。その木下監督の生誕100年を記念して、戦後の銀座を舞台にしたコメディ映画『お嬢さん乾杯』が2013年の初春新派公演で初めて舞台化される。10月18日、都内で会見が行われ、出演の水谷八重子、波乃久里子、瀬戸摩純、歌舞伎俳優の市川月乃助が登場した。1949年に公開された『お嬢さん乾杯』は、没落華族の令嬢と戦後成金の青年との不似合なふたりの恋を明るく軽快に描いた上品なコメディで、女優・原節子が唯一出演した木下作品としても知られている。また、今年5月に惜しくも世を去った新藤兼人監督が、映画脚本家としての地位を確立した作品でもある。今回の新派では成金実業家の青年・圭三を市川、没落華族の令嬢役で原節子が演じた泰子を瀬戸が演じる。また、本作が上演される来年は、新派にとっても創始から125年目を迎える節目の年でもある。劇団新派の要として長年劇団を支えてきた水谷と波乃は「来年も今年の続きとして、そのまんま走り続けていきたいです。『麥秋』『東京物語』(いずれも小津安二郎の名作を山田洋次が舞台初演出・脚本を手掛けた)に続いて戦後の昭和の姿を表現するという新しいジャンルを確立できれば嬉しいです」(水谷)、「その時代を感じさせるような劇団として、いい作品にできればと思います」(波乃)とそれぞれコメントした。物語の中心となる男女を演じる市川と瀬戸は「新派はまだ4度目ですが、新派125年の節目の公演に出させていただけて光栄です」(市川)、「劇団一丸となり必ず良い作品にしたいと思います」(瀬戸)と意気込みを見せていた。公演は2013年1月2日(水)から23日(水)まで東京・三越劇場で上演。チケットは11月30日(金)より一般発売開始。
2012年10月22日7月31日、新派名作撰『葛西橋/舞踊小春狂言』の製作発表が行われ、出演の歌舞伎俳優・市川笑三郎、市川春猿、市川月乃助が登壇した。『葛西橋』は劇作家・北條秀司が『佃の渡し』『百花園裏』と共に、東京慕情編の3部作のひとつとして書き、花柳章太郎により1960年に東京・明治座にて初演された。世間に背いてまでも愛を貫いた男女の退廃的な生き方を描いたこの作品は、1975年に東京・新橋演舞場で再演され、水谷八重子(当時は水谷良重)が、おぎん・菊枝の姉妹とパーラーの女主人・美也子の3役を演じた。今回、この3役を市川春猿が早替りで務めるのも見どころのひとつ。『舞踊小春狂言』は1942年に初演された、川口松太郎作『小春狂言』をモチーフにした新作舞踊。小光と小春、芸者の恋と粋を華やかに描く。春猿は「今回は3役を早替りで演じますが、早替りというより、3役を一つひとつじっくり作り上げて演じたい。内面で見せたいと思います。以前の新派公演では、お芝居と舞踊という上演の形態があったようですので、今回は、復活させてみようという気持ちでおります。私たちが、こうやって新派の作品に出演させていただけるのも、師匠である2代目(市川)猿翁が自分たちをビシビシと鍛えてくれたおかげです」と意気込みを見せた。『葛西橋』で姉妹と三角関係に、またパーラーの女主人とも関係を持つ友次郎を演じる月乃助は「3人の女性と絡んで、リアルな濡れ場もありまして。男同士の女方さんとやるには見せ方を研究しないと。博打は打つし本当にだらしのない男です。春猿さんとはプライベートでも仲が良いのですが、どうやっていこうか考えています。自分にはない、やったこともない役ですが、気心の知れたメンバーと一緒に全力投球したいと思います」と決意を新たにしていた。『舞踊小春狂言』で姉芸者の小光を演じる笑三郎は「新派は、春猿さんが出演した『滝の白糸』以来2度目の経験になります。歌舞伎での演技方法をだして良いんだ、八重子さんや(波乃)久里子さんに、私たち女では出せないものがあるよと、教えていただいた。今回は、先入観を持たずに入っていこうと思います」と抱負を語った。公演は10月6日(土)から26日(金)まで東京・三越劇場にて上演される。チケットは8月31日(金)より一般発売開始。
2012年08月02日上下巻合わせて累計340万部を超える妹尾河童のミリオンセラー小説を、巨匠・降旗康男監督、水谷豊主演で実写映画化した『少年H』。5月頭の千葉でのクランクインを皮切りに物語の舞台である神戸市内や京都、奈良、静岡、千葉など全国各地での撮影が敢行された本作がついにクランクアップを迎えた。異国情緒あふれる神戸を舞台に、戦争という激流の渦に巻き込まれながらも勇気、信念、愛情を持って生き抜いた名もなき家族の姿を描く本作。国内での撮影のほかにも、映画『ブラザーフッド』やドラマ「エデンの東」の撮影も行われた韓国・ハプチョン映像テーマパークにて、映画冒頭のタイトルバックともなる戦前の旧外国人居留地のシーンと、空襲後、焼け野原と化した神戸という全く異なる2つのシーンが撮影された。日本からの撮影スタッフに加え、約40人の韓国人スタッフを結集しての1日限りの大規模な撮影となったようだ。一家の父親・妹尾盛夫を演じた水谷さんは、本作で30数年ぶりとなる降旗組参加。2日間にわたって、セットを燃やして再現された空襲後の火と煙が立ち上る焼け野原状態の神戸を茫然と歩くというラストカットの撮影に臨んだが、「撮影が終わってしまった寂しい気持ちと、作品が完成するのが楽しみな気持ちを同時に味わっています。降旗組での毎日は遠足のようでした」と名残惜しそうに撮影をふり返る。実際に再現された焼け野原の中での撮影はさぞ熱かったのではないかと想像されるが?「ここまで大規模な撮影は初めてだったので、演じているときはあまり熱さは感じなかったのですが、終わってみると熱かったなと(笑)」と飄々と語る水谷さん。熱さもものともしない役者魂はさすがの一言に尽きるが、“少年H”こと息子・肇役の吉岡竜輝からは「いつもおやじギャグを言ってくれる楽しいお父さんでした」と、普段のクールなイメージとは異なる素顔も暴露され、照れ笑いを浮かべていた。7月3日(火)には茨城・ワープステーションでオールクランクアップを迎えた本作。水谷さんが役者魂を見せつけたシーンは一体どのように仕上がっているのだろうか?公開を楽しみに待ちたい。『少年H』は2013年夏、全国東宝系にて公開。■関連作品:少年H 2013年夏、全国東宝系にて公開
2012年07月05日荻原浩の人気小説を実写映画化したファミリー映画『HOME愛しの座敷わらし』が4月28日(土)、全国で封切られ、主演を務める水谷豊を始め、安田成美、濱田龍臣、橋本愛、草笛光子、メガホンを取った和泉聖治監督(「相棒」シリーズ)が東京・有楽町の丸の内TOEIで初日舞台挨拶を行った。本作で“一家の大黒柱”を演じた水谷さんは、映画のPRのために24都道府県でキャンペーンを実施中。ロケ地となった岩手県を皮切りに、この日までに新潟、大阪、福岡、広島、札幌、福島、宮城、山形、そして東京と約7,400キロを移動している。これには水谷さん本人も「残忍なスケジュールですよね」と思わず苦笑。さらに、ゴールデンウィーク中も全国行脚は続き、ゴール地点は5月6日(日)の沖縄!全移動距離は約12,000キロで、この数字は日本列島を4回縦断する距離に匹敵するのだとか…。それでも「多くの方に観ていただきたい作品。いい作品を携えて全国を飛び回っているので、苦労はありません!」と本作の出来栄えに自信のほどをのぞかせていた。東北地方ゆかりの「座敷わらし伝承」を基に、仕事で東京から岩手への転勤を命じられたサラリーマン一家が、幸福をもたらす“座敷わらし”が住む古民家で絆を育んでいく姿をユーモアたっぷりに描く。水谷さんは「家族5人でいつも雑談しながら笑っていた。何を話したかは覚えていないほど」。妻を演じた安田さんも「撮影初日から、当たり前のようにそこにいるナチュラルな家族だった」とアットホームな現場の雰囲気をふり返った。一方、長女役の橋本さんは「ずっと緊張していて、雰囲気に馴染めていなかった」と先ほどの安田さんの発言を全否定?弟を演じる龍臣くんとの共演に「年下ですけど(芸能界の)先輩なので、どう接したらいいのかと…。でも中身は“ただの小5(年生)”だったので、安心しました」と安堵の表情。その龍臣くんは、水谷さんに対して「硬いイメージがあった」とぶっちゃけ、これには水谷さんも苦笑い。親の心子知らずならぬ、子の気持ち親は気づかず?橋本さん&龍臣くんの“本音”が初日舞台挨拶を大いに盛り上げた。『HOME愛しの座敷わらし』は全国にて公開中。■関連作品:HOME愛しの座敷わらし 2012年4月28日より全国にて公開© 2012「HOME 愛しの座敷わらし」製作委員会■関連記事:『HOME 愛しの座敷わらし』橋本愛×濱田龍臣笑顔の絶えない“姉弟”の関係水谷豊&安田成美が“夫婦”役で初共演、後押ししたのは木梨憲武家族が繋がる場所はきっとある『HOME 愛しの座敷わらし』試写会に30組60名様ご招待水谷豊、ロケ地・岩手に凱旋!「座敷わらしは本当にいると確信した」岩井俊二×北川悦吏子によるラブストーリーも東映、多彩なラインナップを発表
2012年04月30日1967年に有吉佐和子が小説として発表、すぐに大反響となって舞台化されて以来、数々の名優が演じてきたことでも知られる『華岡青洲の妻』。世界初の全身麻酔手術を成し遂げた華岡青洲の苦難や、その実母と嫁の青洲を巡る闘いを、高い文学性と共に描きだした名作だ。6月から行われる新派公演に出演するのは、水谷八重子と波乃久里子、そして新派初参加となる三田村邦彦。これまで山田五十鈴、杉村春子、淡島千景の演じる姑・於継のもと嫁の加恵を演じてきた水谷が、今回初めて於継に挑戦するのも見どころだ。都内で開かれた記者会見では、三者三様の意気込みが語られた。『華岡青洲の妻』公演情報江戸時代中期の紀州。名門の家から隣町の貧乏医者・華岡青洲(三田村)に嫁いできた加恵(波乃)は、華岡家を取り仕切る美しい姑・於継(水谷)や、口は悪いが優しい義妹・於勝(甲斐京子)、おとなしい義妹・小陸(瀬戸摩純)に囲まれて幸せな毎日を送っていた。京都にいる青洲の遊学費用のため今日も4人で機を織っていると、研究にひと区切りがついたという青洲が急に帰宅する。大喜びの於継はあれこれと青洲の世話を焼くが、新郎不在のまま式を挙げ、そのまま暮らしてきた加恵は出る幕がない。その後も研究に没頭する青洲は加恵に優しく接するものの、姑と嫁との争いは次第に激しさを増してゆく。数年後に青洲の麻酔実験が人体に及ぶと、我れ先にと自らの身を差し出すふたりだったが……。記者会見では、「これまで素敵な於継ばかりを見てきましたので、大きなお役すぎて自分が演じるなんて考えたこともありませんでした」と、率直な心境を吐露した水谷。「でもこれから稽古を通して、加恵に青洲を渡したくないという気持ちをどう感じていけるか。その実感を経て、初日までにまた違った於継を表すことが出来れば」と決意を語った。その横で「(水谷は)於継と性格的に似ているから大丈夫」と笑わせたのは波乃。小陸と加恵で4度の出演経験があり、「杉村先生に厳しく教えていただいたり、父(先代勘三郎)が惚れこんで青洲を演じたりと思い出の詰まった作品。今回はお姉ちゃま(水谷)が於継ということで、加恵として嫁姑の火花を散らさなければと思っています」と語った。「憧れの新派の舞台に出られるとは」と緊張気味の三田村も、「脚本の完成度が素晴らしくて、さすがは有吉先生と感動しました。テレビドラマによくあるような嫁姑の戦いに終始しないのも面白いですね」と感慨深げ。その言葉通り、美しい女同士の闘いを通して、人間の本質が丹念に描かれており、観劇後には深い余韻を残す。そして、於継や加恵、於勝、小陸とそれぞれに女の業を見せる姿に、観る者はつい共鳴してしまう。そこに、本作が愛され続ける理由はあるのだろう。6月4日(月)から23日(土)まら東京・三越劇場にて上演。チケットは4月30日(月)に一般発売開始。その後、栃木、岐阜、京都、岩手、静岡、滋賀、愛知、石川で公演を行う。取材・文:佐藤さくら
2012年04月20日11月16日、東京・柴又帝釈天で初春新派公演『東京物語』のお練り・成功祈願と製作会見が行われた。この公演は、映画監督の山田洋次が監督生活50周年を迎える記念作品として、小津安二郎の名作をもとに脚本と演出を手掛ける注目の舞台。物語の舞台が山田の着想で新たに葛飾区金町に設定されたことを受け、イベントも同じ葛飾区の柴又にて行われた。お練りには山田監督と出演者の水谷八重子、波乃久里子、安井昌二、英太郎、瀬戸摩純が参加。柴又駅前にある寅さん像の前から出発し帝釈天までの参道を進むと、沿道からは歓迎の声援が起こっていた。初春新派『東京物語』チケット情報会見で山田監督は「(小津作品は)一昨年の『麦秋』が第1回で、今度もう一度同じ形で小津さんのものをやろいうということになり、だったら『東京物語』がいいなということで。(映画と)ほとんど変わりませんよ。舞台用にいろいろ工夫して作りかえてはいますが、登場人物も物語の移り変わりも、ほとんど映画のままです。ただ、一番大きく違うのは、(映画では)お母さんは尾道の故郷で亡くなったということになっていますが、今度の芝居では、東京の旅先で亡くなるところが大きな違いです。物語の舞台も葛飾区金町にしました。常磐線の列車の走る音なども効果的に入ると思います。また紀子の故郷を新たに石巻にしました。そのことにより現代のお客様には思い起こさせることもあるのではないかと思います」と映画と舞台の違いを話した。また、出演者は「小津作品の、山田洋次先生の、新派の世界というものがこれから先にどんどんシリーズとして膨らんで、何本も何本も産まれていって欲しいです」(水谷)。「(監督が)新派を愛してくださればこそやってくださること。私たちの劇団にとっては大変なラッキーなことです。この機会を本当に大事にしたいと思います。お賽銭をいっぱいあげてきたので、きっと御利益があります(笑)」(波乃)。「夫婦愛や絆、そういったものをお伝えできれば。笠智衆さんの、ののほほんとした感じは僕と正反対ですが、そういうものが出せるかな。監督に任せます」(安井)。「凄く楽しいのと怖いのと、でも『麦秋』から2本目ですからね。先生の細かい指導を楽しみにしております」(英太郎)。「原節子さんが演じた役なので、本当にプレッシャーで眠れなくてどうしようかと思いましたが、あまり考えないようにして自分なりに頑張りたいと思います」(瀬戸)とそれぞれ意気込みを語った。公演は1月2日(月)から1月24日(火)まで東京・三越劇場にて上演。チケットは発売中。
2011年11月17日小津安二郎監督の名作『東京物語』が山田洋次監督の手で舞台化され、来年年明けに三越劇場で上演されることになり11月16日(火)、物語の舞台に近く、山田監督にとっては『男はつらいよ』でおなじみの東京・柴又の帝釈天で成功祈願イベントが開催された。山田監督に加え、水谷八重子、波乃久里子、安井昌二、英太郎、瀬戸摩純も出席し、柴又駅から帝釈天へと続く商店が立ち並ぶ参道をお囃子と共に練り歩いた。舞台化に加えて、本作をモチーフにした『東京家族』の製作も控えている山田監督は、東日本大震災の影響で延期となっていた撮影開始時期を来年3月と明かした。オリジナルの映画は原節子、笠智衆らを迎え、1953年に公開。広島の尾道から久々に老夫婦が息子たちを訪ねるために上京するが、自分たちの生活に精いっぱいの息子たちからは歓迎されない。そんな中、戦死した息子の未亡人だけが彼らに尽くしてくれる。彼らのやり取りから失われつつある家族の情愛や日本人の心を映し出し、海外でも絶賛された。山田監督は2年前に「劇団新派」と組んで小津監督の『麥秋』を舞台化し、初めて舞台の演出を手がけた。来年、監督生活50周年を迎える記念作品として今回、再び「新派」と組んで不朽の名作の舞台化の脚本、演出を手がける。柴又駅前に姿を現した山田監督とキャスト陣は、お囃子に先導されながら参道を練り歩き、参拝のために“寅さん”の故郷を訪れた人々や地元の商店街など多くの人々がその道程を見守った。監督自身「第二の故郷」と呼ぶ柴又での成功祈願に山田監督も笑顔。オリジナル映画では東京都荒川区とだけ設定されている物語の舞台を今回、あえて帝釈天からもほど近い葛飾区金町に変更。さらに、オリジナル版で原節子が演じ今回、瀬戸さんが扮する紀子の出身地を、震災の被災地である宮城県石巻市としたと明かした。「紀子のセリフで『常磐線で仙台まで行き、仙石線で石巻…そこが私の故郷(くに)です』というのが出てきます。老夫婦は西国の出身で、紀子の故郷は想像できない、というそんな会話も出てきます。(震災後の)いまの環境を重ねて見ることを意識してそうしました。(金町は)汽笛を鳴らして仙台や青森行きの列車が通る」とその意図を説明した。水谷さんは「麥秋」に続く山田監督との仕事について「“ザッケローニ父さん”という感じで山田監督に付いていきます」と満面の笑みを浮かべ、喜びを語った。波乃さんは「帝釈天で頭を下げたら訳もなく涙が出てきました」とこみ上げる思いを明かす。英さんは「楽しみと怖さでいっぱいです」と期待と不安を口にした。オリジナルで名優・笠智衆が演じた老父を演じる安井さんは「26、7の頃に小津監督の作品に出させてもらいましたが、何も分からないまま監督の下で『映画ってこんなに難しいものなのか』と苦労しました」と遠い日をふり返り、「それから何十年。同世代の男ということで何とか分かってるつもりです」と意気込みを語った。同じく小津作品のヒロイン・原節子が演じた紀子を演じる瀬戸さんは「スクリーンで観ると(原さんは)本当に美しくてプレッシャーです。新しいものを作り上げるということで、あまり考えないで頑張りたいです」と抱負を述べた。映画の『東京家族』は当初、今年の4月にクランクインを予定していたが、震災を受けて松竹より製作延期が発表されていた。妻夫木聡や蒼井優の出演が明らかになっているが、山田監督は「この舞台が終わったら準備を再開し、3月から撮影の予定」と明かし、「同じ原作で舞台と映画を作れるなんて僕は幸運です」と笑顔を見せていた。舞台「東京物語」は2012年1月2日(月)より24日(火)まで東京・三越劇場にて上演。■関連作品:東京家族
2011年11月16日映画『相棒−劇場版II−』の観客動員が1月18日(火)までに200万人を突破し同日、東京・銀座の丸の内TOEI1で主演コンビの水谷豊、及川光博、和泉聖治監督ら13人が舞台挨拶を行った。先月23日(木・祝)の公開初日から27日目で快挙を成し遂げた本作は、同日現在、興行収入が25億円を突破と好稼働中。200万人という数字に及川さんは「人生初めてのことなので想像がつきません」と飄々とした反応ながら「手応え?撮影期間中から、毎日のように感じていました。なんだかいける気がする!って」とニヤリ。「まだまだいけそうな気がする!」と観客をあおって沸かせた。水谷さんは、劇場版第1弾公開時に「部屋に並べるDVDが1枚だと寂しい」と第2弾製作に意気込みを感じさせるエピソードを司会者から持ち出され、2枚でいい?と第3弾への意欲を聞かれると、「こればっかりは僕ひとりの思いでは決められることではない」と冷静なコメント。和泉監督から「豊さんが続く限り、ついていこうと思っています。2本じゃ寂しいじゃないですかね?」と促されると、「監督と皆様が元気ならついていこうと」とヤル気をのぞかせ、観客を喜ばせた。一方、レギュラー陣のひとり、六角精児は、「初詣でおみくじをひいたら大吉でした」と話した及川さんに続き、「おみくじで、今年訴えられると出た。ビクビクしていまして、この幸せはいつまで続くんでしょう」と珍エピソードを吐露。会場の笑いを誘っていた。『相棒−劇場版II−』は全国にて公開中。(photo/text:Yoko Saito)■関連作品:相棒−劇場版II− 2010年12月23日より全国にて公開© 2010「相棒-劇場版II-」パートナーズ相棒−劇場版−絶体絶命!42.195km東京ビッグシティマラソン 2008年5月1日より全国東映系にて公開© 2008「相棒−劇場版−」パートナーズ■関連記事:『相棒II』公開10日間で100万人&10億超え!正月興行制す『相棒−劇場版II−』川原和久×山中崇史が明かす捜査一課の秘密(?)と魅力『相棒II』公開4日間で50万人動員!水谷豊は全国舞台挨拶まわりにボヤキ?水谷豊「相棒」レギュラーに小澤征悦をスカウトせず!?小西真奈美インタビュー緊張感と信頼感の中で生まれた名シーン
2011年01月18日映画『相棒-劇場版II-』が12月23日(木・祝)、初日を迎え、主演コンビの水谷豊、及川光博ら主要キャスト陣と和泉聖治監督の14人が全国39か所で舞台挨拶を行う「39ツアー」をスタートさせた。人気TVドラマシリーズの劇場版第2弾となる本作。この日、東京・銀座の丸の内TOEI1では上映後に14人が勢揃いして舞台挨拶を行った。水谷さんは「我々『相棒』チームの2つめの夢が叶いました」と感慨深げ。「機会があれば(劇場版ゲストの)宇津井(健)さん、小西(真奈美)さん、國村(隼)さんには、本シリーズの方にも…」とレギュラーに“スカウト”。すかさずただ一人、名前があがらなかった劇場版ゲスト、小澤征悦が「俺は?」と悲しそうな表情で詰問し、会場の笑いを誘った。及川さんは「今年1年、ずっと神部尊(かんべ・たける)でした。今年を漢字一文字で表すと“尊”です」と表現。引き続き会場を盛り上げた。“39ツアー”は、水谷さんの口癖「サンキュ!」にちなみ、前作時の36か所を上回って計画されたもの。水谷さんは「とりあえず家に帰れないので5泊6日の旅の準備をしてきてくださいって言われてるんです。みっちゃんもそうでしょ?」と問いかけ。及川さんは「はい、頑張ります。でもなるべくなら、上映前に挨拶をしたいですね」と苦笑いだった。ほかにシリーズレギュラーの岸部一徳、六角精児らが出席した。『相棒−劇場版II−』は全国にて公開中。(photo/text:Yoko Saito)特集「初心者のための『相棒−劇場版II−』講座」■関連作品:相棒−劇場版II− 2010年12月23日より全国にて公開© 2010「相棒-劇場版II-」パートナーズ■関連記事:小西真奈美インタビュー緊張感と信頼感の中で生まれた名シーン『相棒』ファンの大歓声に水谷豊「サンキュ!」ミッチー「目頭が熱く」10周年記念『相棒』プレミア試写会&レッドカーペットに女性限定2組4名様ご招待あの2人が難事件に挑む『相棒−劇場版II−』パズル型コースターを3名様プレゼント相棒劇場版ヒロイン小西真奈美に及川&小澤「いい匂いがする」
2010年12月23日映画『相棒−劇場版II−』のプレミアムイベントが12月14日(火)、東京・六本木ヒルズ内で行われ、主演コンビの水谷豊と及川光博らキャスト陣15人がファン約1,650人を沸かせた。六本木ヒルズアリーナでのレッドカーペット・イベントでは、約2時間かけてファン約1,000人に握手、サインなどのサービス。その後、ステージに上がった水谷さんは、ますます沸き起こる大歓声に「サンキュ!」と上機嫌。「これだけの人が喜んでいてくれるなんて、公開していないのに感無量です。僕たちにとって、嬉しい記念の一日になりそう」。及川さんも「40代になって、こんなにもドキドキワクワクするもんなんだなと、目頭が熱くなりました」とコンビ揃って感激しきり。及川さんが、水谷さん演じる警視庁特命係警部・杉下右京の2代目相棒の警部補・神戸尊として「相棒」シリーズに加入したのは、2009年3月放送のTVシリーズ「Season7」最終話からで、劇場版へは今回が初参加。「大きなチャンスを得ることは、大きな責任を背負うことになるんだと思いました」と大役の手応えを改めて口にした。ファンから「ミッチー!」の声援が飛び交ったが「ミッチーじゃないよ!」とこの日ばかりは神戸になりきっていた。その後はTOHOシネマズ 六本木ヒルズへ場を移し、試写会上映前に和泉聖治監督を加えた16人で、観客約650人に向けて舞台挨拶。今回のゲストで悪役を演じる小澤征悦は「『相棒』の世界観が大好きだった。スタイリッシュで大人のウィットに富んでいて」と出演の喜びを改めて吐露。また劇場版でヒロインを演じる小西真奈美は寒空の下、ノースリーブで一部シースルーのセクシーな黒のワンピースを身にまとって登場。シックな色気をふりまき、キャスト陣紅一点のお色気担当の役目を見事に果たして、カメラマンのフラッシュ放射を浴びていた。ほかに同じく劇場版ゲストの國村隼、シリーズレギュラーの岸部一徳、川原和久、山中崇史、六角精児らが出席した。『相棒−劇場版II−』は12月23日(木・祝)より全国にて公開。(photo/text:Yoko Saito)特集「初心者のための『相棒−劇場版II−』講座」■関連作品:相棒−劇場版−絶体絶命!42.195km東京ビッグシティマラソン 2008年5月1日より全国東映系にて公開© 2008「相棒−劇場版−」パートナーズ相棒−劇場版II− 2010年12月23日より全国にて公開© 2010「相棒-劇場版II-」パートナーズ■関連記事:10周年記念『相棒』プレミア試写会&レッドカーペットに女性限定2組4名様ご招待あの2人が難事件に挑む『相棒−劇場版II−』パズル型コースターを3名様プレゼント相棒劇場版ヒロイン小西真奈美に及川&小澤「いい匂いがする」10歳の誕生日を迎えた「相棒」シリーズ待望の劇場版続編の公開が決定!次のスピンオフは角田VS伊丹?おなじみのメンバーも駆けつけ『鑑識・米沢守』公開
2010年12月15日