公園や街角に設置された“スイッチ”に書かれたお願い事を実行(=押す)すると、突如始まる短い演劇。スイッチを押した人をゆるやかに巻き込みつつ始まる“作品”を、さまざまな形で発表しているスイッチ総研が、なんとお正月の浅草に現れる。それが「江戸まち たいとう芸楽祭冬の陣オープニングステージ」に登場する『浅草新仲見世商店街スイッチ』。「最初は、横浜の公園で通りすがりの方にも気軽に観てもらえるような何かを作れないか、という話から始まったんです。ただ、俳優の身で言うのも何ですが、縁のない方にとって演劇って圧が強いイメージがあると思うんです。目の前で唐突に始まった場合、参加したくなくても無視しづらい雰囲気がある。そこに引っかかっていたので、スイッチという仕掛けをみんなで考えたんです。観たい方がいて、押してくれればお見せしますよ、という形が、押し付けがましくなくてしっくりきたんです」とは所長の光瀬指絵さん。そこに、副所長の大石将弘さんが「僕らも好きで演劇をやっているんで、嫌われたくないんで(笑)」と付け加える。これが大好評を博し、小豆島や六本木の街中など各所に招聘されて上演するようになった。そして現在までに、400個以上のスイッチが作られている。「毎回、上演する土地でしかできないことを考えています。その土地の歴史や名産、そこにある建造物をお借りして作ることも。その方が面白いと思うので」(光瀬さん)上演場所が決まったら、その地の特性を把握するため、街をひたすら歩いてロケハンし、アイデアを練る。「くだらないけれど、つい笑っちゃうようなスイッチが多いかもしれません(笑)。ただ、どんなに面白くても、不快に思う人が一人でもいるようなネタはNG。参加者は、あくまでも通りすがりの方。チケットを買って、自主的に足を運ぶ公演とは違いますから」(光瀬さん)となると、新年の浅草新仲見世商店街でのスイッチが気になるところ。「浅草ならではのお店が多いので、商品を手に取ると始まったりすると面白いなと思います」(光瀬さん)「スイッチを体験された方が、それをきっかけに、浅草という土地や地元の店まで興味を広げてくれたらうれしいですね」(大石さん)2019年1月6日(日)15:00~15:30会場/浅草新仲見世商店街各所作/スイッチ総研総合演出/光瀬指絵観覧無料予約不要江戸まち たいとう芸楽祭実行委員会事務局 TEL:03・5246・1328(月曜~金曜 9:00~17:00)所長の光瀬指絵さんはニッポンの河川という劇団、副所長の大石将弘さんは、ままごととナイロン100℃にも所属する俳優。「スイッチを体験して、演劇ってイケてるなと思ってもらえたら」※『anan』2019年1月2・9日号より。写真・中島慶子(光瀬さん、大石さん)取材、文・望月リサ(by anan編集部)
2019年01月01日1974年の初演から、宝塚歌劇の代表作として脈々と受け継がれる池田理代子原作漫画の舞台「ベルサイユのばら」。来年45周年を記念して、2部構成のスペシャルステージ『ベルサイユのばら45』が東京、大阪で開催される。歴代の“ベルばらOG”が歌やトーク、コスチューム姿で名場面やフィナーレナンバーを披露する。初代オスカル役の榛名由梨、2006年公演オスカル役の朝海ひかるが、会見で意気込みを語った。「ベルサイユのばら45」チケット情報宝塚にコスチュームプレイが定着する前の時代。熱烈な原作ファンから「生身の人間には難しい」との声も上がる中、迎えた初日の舞台裏で榛名由梨は、「膝の震えが止まらなかった」と明かす。「でもね、バスティーユの場面以降出番がなかったオスカルが、軍服姿でフィナーレに出てきた瞬間、ドォーっと3階席から滝のような拍手喝采が沸き起こった。ここまでオスカル人気はすごいのかと、ご満足いただけたことへの喜びと、責任感を改めて感じました」以降の熱狂ぶりは、当時のグループ・サウンズ人気を凌ぐほど。移動時には海外アーティスト並みの警護が付き、千秋楽では警護に付いた警官が「役得だな」と漏らすほど。「想像を絶する量」のファンレターの返信には4年掛かったというのも、本当の話だ。役作りでは「ある程度男役が完成したところでの女性役(オスカル)ですから。近衛連隊長としての凛々しさを残しつつ、いかにアンドレへの女心を自然に表現するかには苦心しました」と榛名。一方、朝海ひかるは名作を受け継ぐ苦労を語る。「ベルばらとしてでき上がった振付や型を学んで、自分の体に落として演じることの難しさは想像以上でした。オスカル役が決まってからは上級生やスタッフの方々からそれぞれにアドバイスをいただき、皆さんのこだわりと作品への愛を感じました。退団して12年になりますが、今回はコスチューム姿で名場面を演じるので、皆様の期待に応えられるよう、身体も鍛え直して頑張ります!」来年創立105周年を迎える宝塚歌劇。榛名は歴史ある宝塚だからこそ実現できた、唯一無二の集大成的作品と太鼓判を押す。「コスチュームプレイの所作、ラブシーンの夢々しさ、戦場での凛々しさと儚さ、英雄でありヒロインでもあるオスカルの存在、すべてにスターを育むノウハウが詰まっている。宝塚にとっては教科書でありバイブルのようなもの。歴代のスターさんが一堂に会するので、この機会を見逃す手はないと思います」。朝海もこれほど豪華なOG公演は経験がないと声を弾ませる。「ファンの方はもちろん宝塚は観たことがないけど興味があるという方にも、楽しんでいただけると思います」公演は1月27日(日)から2月9日(土)まで東京国際フォーラムC、2月16日(土)から24日(日)まで梅田芸術劇場メインホールにて上演。チケットは発売中。取材・文:石橋法子
2018年12月27日ボーカル・luz、作詞作曲・奏音69、イラスト・RAHWIAによるクリエイターサークルRoyal Scandalの楽曲を原案に作られた、音楽と演劇が融合した新しいスタイルの舞台、LIVE THEATER『Royal Scandal~秘密の歌姫[ディーヴァ]』が、12月2日(日)まで東京・品川プリンスホテル クラブeXで上演中だ。LIVE THEATER 「Royal Scandal~秘恋の歌姫[ディーヴァ]」チケット情報Royal Scandalの人気ナンバーをもとにした本作は、「Barマスカレイド」で歌姫として活躍するチェルシー、バーテンダーとして店を影で支えるルイスを中心に展開。バーでの人間模様と、“祝い”と“呪い”を持つと伝わる「ロイヤルカード」の“おとぎ話”を軸に物語が繰り広げられていく。ルイス役を中村優一が、チェルシー役を礒部花凜が演じている。また、「LIVE THEATER」と銘打ったこのステージでは、Royal Scandalのボーカル・luzが、舞台上で登場人物の心の内を生歌で表現している。華やかな衣裳に身を包んだluzが、情熱的に踊るキャストを従えて『クイーンオブハート』と『R-18』を歌い上げ、観客を瞬く間に『Royal Scandal』の世界へと引き込んでいく。楽曲の中にいたキャラクターたちが、生身のキャストを得て、luzの歌声に乗って秘めていた感情を迸らせる。「Barマスカレイド」の一番の歌姫(ディーヴァ)・チェルシーと、バーテンダー・ルイスのすれ違う思いを『チェリーハント』が彩り、第二の歌姫であるロゼッタ(松久みのり)の回想は『REVOLVER』と共に届けられる。男女の悲劇が繰り広げられる『ビーストインザビューティ』では、スリリングな展開がステージに美しく描き出された。チェルシーに求愛する王子・アルベール(櫻井圭登)が巻き起こす騒動、「ロイヤルカード」の秘密を握る謎の男(上田堪大)の真意が、劇的な結末へと導いていく…。時に優雅で、時に激しいluzの歌声が芝居を盛り上げ、物語の軸となる中村の熱演が楽曲の魅力をより引き立たせる。両方の力が相乗効果として作用する、LIVE THEATERならではのステージだ。豪奢な舞台美術も品川プリンスホテル クラブeXの持つ上質な雰囲気にぴったりで、贅沢な空間の中、耽美で切ないRoyal Scandalの世界観を存分に味わえる。公演にあたりluzは「僕たちの音楽と、演者のみんなで磨き上げた演技の融合を、千秋楽まで楽しんでいただけるよう、精一杯お届けします」と意気込みを語り、ルイス役の中村も「劇中ではRoyal Scandalさんの新曲も披露します。お芝居もluzくんの歌、曲、Royal Scandalさんの世界観を表現しており、最初から最後まですべてが見どころです」とコメント。チェルシー役の礒部は「チェルシーはとても大人で素敵な女性ですが、純粋で可愛らしい部分も持ち合わせた素敵なキャラクターです。Royal Scandalの魅惑的な世界観とluzさんの迫力ある歌声、私たちがつなぐお芝居が融合したLIVE THEATERをぜひお楽しみに!」と魅力を語る。公演は12月2日(日)まで。
2018年11月29日吉本興業が『清く。明るく。麗しく。』をテーマに、「和の美意識を体現する少女達」のライブを関西の専用劇場から発信していく成長型ライブ・コンテンツ事業「少女歌劇団プロジェクト」をスタートする。10月14日には京都市内で本プロジェクト概要発表会見が行われ、概要を明かした。「少女歌劇団プロジェクト」詳細はこちら総合演出を担うのは『サクラ大戦』などで知られるクリエイター広井王子。広井を口説き落とした共同代表取締役社長CEO大﨑洋氏は「来年の夏には大阪のどこかに歌劇団専用の常設劇場を作ろうと思います。大阪万博の誘致やIRもありやなしや、という今、僕たちもエンタテインメントで大阪のパワーアップを計りたいと思います。また、この歌劇団がうまくいけば、地方やアジアの国の人たちともこんなことができればいいなと考えています」と、今後の展望も述べた。総合演出の広井王子は、「大正時代から戦前にかけて多く存在していた少女歌劇団ですが、戦後には“少女”の部分が消滅して。このプロジェクトでは、少女を通して日本文化を発信できたらいいと思います」とコンセプトを語り、茶道や華道、着付けといった日本文化なども劇団員とスタッフが共に勉強しながら、成長する姿を発信していきたいと続けた。“少女”とついているだけに20歳の誕生日を迎えると退団することも決まっており、「少女たちの限られた時間の中で、みんなで応援していくプロジェクトができたら」と意気込んだ。また、第1期生は30人程度で雪組、月組、花組の3組編成とすることに加え、メンバーの中にはCGも含まれるという驚きの計画も明らかにした。同プロジェクトを盛り上げるべく発表会見に登壇した尼神インター・誠子(29)はプロジェクトに興味津々で、「私、13歳です!」と猛烈アピール。元NMB48の三秋里歩と門脇佳奈子は20歳卒業制に賛成。「卒業する年齢が決まっていたら、そこまで頑張れると思う」(三秋)、「ファンの方もそれだけ熱をかけて応援すると思うので、ファンの方の団結力も強くなるのでは」(門脇)と期待を寄せた。第1期生の募集期間は11月1日(木)から12月31日(月)までで、応募資格は2018年12月31日の時点で満11歳から満17歳までの女性。国籍を問わず、国内外から広く募り、オーディションを経て2019年夏のデビューを目指す。取材・文:岩本和子
2018年10月16日演劇、ミュージカル、伝統芸能など、舞台に関する最新情報やインタビューをお届けするフリーマガジン「ステージぴあ関西版」。10月1日発行の最新号で表紙を飾るのは、11月に新開場する京都・南座で襲名披露を行う市川染五郎。インタビューでは、出演する『勧進帳』、『連獅子』に向けての意気込みや、歌舞伎への思いを聞いた。「當る亥歳 吉例顔見世興行」チケット情報はこちらほか、現代能楽集『竹取』、KERA・MAP #008『修道女たち』、M&Oplaysプロデュース『ロミオとジュリエット』などの脚本・演出家、出演者へのインタビューや、10月6日(土)に開幕する「KYOTO EXPERIMENT 京都国際舞台芸術祭」のオススメ公演をピックアップするなど、今号もミュージカルから小劇場、伝統芸能までさまざまなジャンルのインタビューや公演情報をお届け。さらに、松本白鸚、松本幸四郎、市川染五郎の襲名披露興行「吉例顔見世興行」11月公演をはじめ、蒼井優出演の3人だけで繰り広げる濃密な舞台『スカイライト』など、注目公演の読者先行予約も実施!この機会にぜひチケット入手を。「ステージぴあ関西版」10+11月号はチケットぴあカウンター、劇場などで配布中。WEB上(でも全ページ無料でご覧いただけます。
2018年10月02日演劇のみならず映像でも40年以上にわたって第一線で活躍しながら、この4月にはミュージカルに初挑戦するなど、常に驚きを与えてくれる風間杜夫。今年はさらに、自身にとって大きな挑戦となる舞台が待つ。アメリカを代表する劇作家アーサー・ミラーの『セールスマンの死』である。長塚圭史の演出によって上演される近代戯曲の名作にいかにぶつかっていくか。日本でも名優が演じてきた作品に、演劇魂を奮い立たせている。【チケット情報はこちら】『セールスマンの死』は時代も国も越えて上演され続け、今も多くの心を震わせている作品だ。主人公は、60歳を過ぎてかつての辣腕セールスぶりに精彩を欠いてしまったウィリー・ローマン。彼の死に至る最後の2日間を描いた物語には、「今に通じる生きることの困難さや家族の問題が、見事に表れている」と風間も語る。「人が介在しなくても買い物ができる今。セールスマンなんていう言葉は死語になっているのかもしれません。でも、夢を持って誠実に取り組んでいた仕事を突然失う残酷さや、息子たちの人生が上手くいっていないというような家族の問題は、今の時代にも変わらずあることだと思うので。立派な男ではないかもしれないけれども、ウィリー・ローマンの人生とその苦悩は、演じがいのあるものだと思うんです」出演依頼があった当初は、ためらいもあったそうだ。だが、「自分もこんな骨格の太い大きな芝居をやる年齢になったんだ」と覚悟を決めた。「これまで僕はどの役も、自分のなかにある共通項を探ってそれを大きく膨らませて演じてきました。でも、このローマンという役はそのやり方では抗しきれないくらい、一筋縄ではないかないのではないかと思います。改めて“役作り”ということをやっていかなければならないでしょうね。戯曲を何度も読んで、いろんな課題を見つけて。演劇の初心者に返る気がしてますよ(笑)」。キャリアを積んでなお困難なことに挑戦するのは「元気でいたいから。安心してラクなほうへいっちゃうとガクッときて使い物にならなくなっちゃうよ」と笑わせる。学生演劇からスタートし、様々な伝説の舞台を作ってきた人だ。「この舞台も若い人たちに観てもらって、後々、“お前、風間杜夫のセールスマンの死、観てたか?”って語られたいです(笑)」。69歳になった風間杜夫の熱、感じておかなければいけないのではないだろうか。公演は11月3日(土)から18日(月)まで、神奈川・KAAT 神奈川芸術劇場ホールにて。その後、愛知、兵庫を巡演。神奈川公演のチケット一般発売に先駆けて、プリセールを実施。受付は7月20日(金)午前11時から27日(金)午後11時59分まで。取材・文:大内弓子
2018年07月09日「演劇を身近にする」という大きな目標を掲げて、福岡を拠点に活動中の演劇ユニット・TEAM LOCO。メンバーは雑誌やCM、ショー、役者やタレントとして個々に活躍している5人の男性モデル。モデルとは言えもちろん芝居も本気で向き合い、徐々に実力、知名度ともにアップさせてきた。今回は9作目にして史上最大キャパの福岡・サイエンスホールに登場する。【チケット情報はこちら】「“役作り”が自然に身につき、CMや他の仕事でも非常に役立っている」と語るのは、TEAM LOCOの立ち上げメンバーでリーダーの町田悠宇。そのほかのメンバーも「沖縄弁の修正に始まり、演技の基礎も教わって、今の僕があるのはLOCOのおかげ」(比屋根和太)「仲間ができたし、支えてくれる人もできた。個での活動とは違う広がりが魅力」(柳鶴マコト)「学生をしながらのモデル活動で中途半端だったけど、LOCOで舞台を重ねていく内に自信がついた」(東ヨシアキ)「自分たちで作ってるので、モノを考えるチカラがついた。こうしたら良くなるのでは?という俯瞰的な見方が他の現場でも助かる」(ジェフ太郎)と、それぞれLOCOの活動で得るものが多いと語る。モデルとしてはライバルでもあるため「オーディションを皆で受けた時は結果待ちの時の探り合いが半端ない(笑)」と話すメンバーも。ライバルでありながらチーム。そしてチームでしか成し得ない演劇という魔力にハマり、また続けてきたからこそ、気がついたら個としても成長していた。単純に外見だけのカッコ良さではない、人間的魅力も深みを増している彼らだけに、新作への期待も高まる。そんな新作『FIT LIKE A GLOVE』のテーマは脱獄。全員がハマったという海外ドラマ『プリズン・ブレイク』の話で盛り上がっているうちに「LOCO流脱獄劇」をやってみようと決まった。メンバーはそれぞれ囚人役。普段とは全く違うキャラクターを演じることになり、プレッシャーと共にその変化が楽しいと笑う。これまでは作、演出ともに自分たちで行なってきたが、今回初めて外部の演出家(藤原珠江)と組むという新たなチャレンジと共に、ギンギラ太陽’sなどでお馴染みの福澤究、グレコローマンスタイルの山下晶ら実力派客演陣との化学反応も楽しみだ。刑務所で出会う囚人たち。誰かが言い出した「脱獄」に本気で取り組むが、その先には思いがけないシチュエーションが…。結末はぜひ、会場で体感してみては。6月9日(土)福岡・サイエンスホール(福岡市科学館6F)で上演。チケットは発売中。
2018年05月30日ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」“はじまりの巨人”が4月28日(土)に開幕、それに先がけ公開ゲネプロと囲み取材が行われ、取材には主人公・日向翔陽役の須賀健太、影山飛雄役の影山達也、縁下力役の川原一馬、照島遊児役の船木政秀、中島猛役の柳原凛、演出・脚本のウォーリー木下が登壇した。【チケット情報はこちら】古舘春一の人気バレーボール漫画を舞台化し、2015年の初演からシリーズ5作品目となる今作。“小さな巨人”と呼ばれる選手のプレーに魅せられバレーボール(=排球)を始めた日向が、その選手が所属していた烏野高校排球部に入部し、仲間やライバルと共に成長していく物語。今回の舞台は春高バレー予選。変幻自在な攻撃スタイルの条善寺高校、“小さな巨人”にプレースタイルが似た中島が所属する和久谷南高校との熱戦が描かれる。須賀は「新しいチーム(条善寺・和久谷南)は動けるキャストばかりで、アクロバットやダンスに特化したパフォーマンスがあるのですが、僕ら(烏野)は物語上でもそれを吸収していく立場で…」と苦労を語りつつ「毎公演、全力でお届けできるようにがんばります!」と意気込む。影山は「かいてきた汗は嘘をつかない。最後まで全力で駆け抜けます!」、川原も「今回は縁下がドラマをつくります。僕らの世代がつくる新しい演劇のカタチも作品を通して観ていただけたら」、船木は「条善寺らしく、楽しんで盛り上げていきたいです!」、バレー経験者でもある柳原は「和久南戦で描かれる、練習が辛くてズル休みをしてしまうところ、だけどバレーをしたい気持ちが勝つところ、ピンチサーバーの手の震え、(経験者として)鮮明に浮かびました」とそれぞれコメント。ウォーリーは「“はじまりの巨人”ということで、初演で日向が憧れた小さな巨人を中心に描いています。なので自然と初心に返りました。今までやってきたことを踏まえ、かつ次の公演につながるような、未来のある作品になれば」と話した。アクロバティックな動きが楽しい条善寺高校、華やかなダンスで魅せる和久谷南高校との試合はどちらも演劇「ハイキュー!!」らしさ満載。主役校・烏野高校による、数々の対戦相手たちから吸収したものが感じられるパフォーマンスには、これまでのエピソードも呼び起こされる。さらに、音駒高校と梟谷学園高校の試合や、白鳥沢学園高校のエース・牛島若利の初登場、青葉城西高校、伊達工業高校の映像出演など、見どころたっぷりの公演となった。「3年やってきたからこその作品」(須賀)という本作は5月6日(日)まで東京・日本青年館ホールにて上演中。兵庫、福岡、宮城、大阪を巡演し、6月8日(金)から17日(日)まで東京・TOKYO DOME CITY HALLにて上演される。(C)古舘春一/集英社・ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」製作委員会
2018年05月02日4月4日、俳優の城田優(32)がミュージカル『ブロードウェイと銃弾』のチーチ役で第「43回菊田一夫演劇賞」演劇賞に輝き、自身のTwitterで喜びを伝えた。 城田はTwitterで「この度、この度、第43回菊田一夫演劇賞をいただきました」と報告。「チーチは、紛れもなく、スタッフ、キャスト、そして劇場に足を運んで下さったお客様と、一緒に造った役です」とコメント。改めて「『ブロードウェイと銃弾』に関わった全ての皆様に感謝です。 心から、ありがとうございます。」と感謝した。 これに対しファンは、「おめでとうございます!めちゃめちゃ嬉しいです〜優君のチーチ、本当に最高でした!」「とっても良かったから受賞できて私達ファンも嬉しい」「優くんの努力が最高の形で実を結んだね。本当にさすがとしか言いようがないです」と受賞を祝福する声が相次いでいる。 菊田一夫演劇賞は劇作家菊地一夫の功績を記念し、大衆演劇の舞台ですぐれた業績を示した芸術家(作家、演出家、俳優、舞台美術家、照明、効果、音楽、振付、その他のスタッフ)を表彰する賞。 「第43回菊田一夫演劇賞」は演劇大賞にミュージカル『ビリーエリオット〜リトル・ダンサー』上演関係者一同が輝いた。 また菊田一夫演劇賞には『ブロードウェイと銃弾』のチーチ役で受賞した城田のほかに『Sing a Song』三上あい子役で戸田恵子(60)が。さらに『キューティ・ブロンド』エル・ウッズ役の神田沙也加(31)、『ベルリン、わが愛』『ドクトル・ジバゴ』の脚本・演出を務めた原田諒が受賞した。
2018年04月04日第43回菊田一夫演劇賞が4日発表となり、ミュージカル『ビリー・エリオット〜リトル・ダンサー〜』上演関係者一同が菊田一夫演劇大賞に輝いた。同賞は、演劇界の巨星・菊田一夫氏の名を冠し、大衆演劇の舞台ですぐれた業績を示した芸術家(作家、演出家、俳優、舞台美術家、照明、効果、音楽、振付、その他のスタッフ)を表彰する賞。ミュージカル『ビリー・エリオット〜リトル・ダンサー〜』が、舞台効果の高さを評価され大賞に選ばれた。日本では『リトル・ダンサー』として知られる映画『BILLY ELLIOT』を2006年にイギリスでミュージカル化した同作。世界でも数々の賞を受賞している。映画で同作の監督を務めたスティーヴン・ダルドリーが演出を務め、エルトン・ジョンが音楽を担当した。イギリス北部の町の少年・ビリーが、炭鉱労働者の父に反対されながらも、バレエダンサーとしての才能を開花させていく。1,346人から抜擢された5人の少年たちが主演を務めた。菊田一夫演劇賞には、『ブロードウェイと銃弾』でチーチ役を演じた城田優、『Sing a Song』三上あい子役の演技が評価された戸田恵子、『キューティ・ブロンド』エル・ウッズ役の神田沙也加、『ベルリン、わが愛』『ドクトル・ジバゴ』の脚本・演出を務めた原田諒が選出された。また、菊田一夫演劇賞特別賞は永年の作曲及び音楽活動の功績がたたえられ、甲斐正人が受賞した。
2018年04月04日演劇、ミュージカル、伝統芸能など、舞台に関する最新情報やインタビューをお届けするフリーマガジン「ステージぴあ関西版」。2月1日発行の最新号で表紙を飾るのは、舞台『シャンハイムーン』で主演を務める野村萬斎。インタビューでは、『シャンハイムーン』上演にかける思いを聞いた。今号は、裏表紙も宝塚歌劇月組トップスター・珠城りょうの撮りおろし。ほかにも、ミュージカル『ブロードウェイと銃弾』に挑む城田優に思いを聞いたり、4年ぶりの舞台出演となる石原さとみに『密やかな結晶』にかける意気込みを聞くなど、今号もミュージカルから伝統芸能まで様々なジャンルの俳優・クリエイターにインタビュー。さらに、岸谷五朗、寺脇康文によるユニット地球ゴージャスの最新作や、話題のダンスエンタテインメント集団・梅棒など、注目公演の読者先行予約も実施!この機会にぜひチケット入手を。「ステージぴあ関西版」2+3月号はチケットぴあカウンター、劇場などで配布中。WEB上でも全ページ無料でご覧いただけます。
2018年02月01日いま演劇界の枠を超えて注目されるマームとジプシーの藤田貴大さん。その藤田さんが紡ぐ詩的で繊細な言葉の数々は、この人の身体を通すことで、圧倒的な切実さや重量感をもって我々観客の元に届く。その身体に少女性と少年性を同居させながら、内には激しさや屈強さを感じさせるのが、青柳いづみさんという女優。「私、演劇がやりたいわけではないんです」と、青柳さんは言う。「演劇をやりながら、演劇ではない…私が本当に見たい、知りたいと思っている世界を作ることができるのが藤田君という存在。私が演じることで、観客にも、さらにはもっと遠くまで、それを見せることができたらと思っています」学生時代から活動を共にする藤田さんからは、「お前も俺と同じ、自分の才能にしか興味のない青い血の人間だから、そこから逃げるな」と言われているのだとか。「自分でも自覚があるからいいんですが(笑)」そんな青柳さんの次回作は、小説家の川上未映子さんと藤田さんとの共作となる舞台『みえるわ』。前回の公演『まえのひ』に引き続き、出演者は青柳さんひとりのみだ。「未映子さんの詩は誰のものでもない言葉なのに、発語してみると、まるで私自身も知らない本当の“わたし”を一番言い表しているように感じる。なかでもいっとう好きなのが“どうして?”という言葉ですが、大人になると誰もが通り過ぎてしまうような疑問を、未映子さんは無視できずに“どうして?”と問いかける。まだ言葉になっていない何かを、言葉を通して探し続けている。それは藤田君や私の中にもある感覚だと思います」ただ、’14年の公演と比べると、青柳さん自身、変化したこともある。「以前は言葉本来の持つ美しさをそのまま見せたいと思って演じていたところがありました。でも昨年末に、藤田君が歌人の穂村(弘)さんと装丁家の名久井(直子)さんと共作した舞台で、言葉そのものは穂村さんや名久井さんや藤田君のものなのに、私が発語することでその言葉が生まれ直すという感覚があったんですね。今、再び未映子さんの言葉を発語した時に、一体何が見えるのか、見せられるのかを考えています」あおやぎ・いづみ女優。マームとジプシーとチェルフィッチュの両劇団を中心に、近年、現代美術家とのコラボなどもおこなっている。テキスト/川上未映子演出/藤田貴大出演/青柳いづみ1月31日(水)~2月3日(土)渋谷・WWW予約4000円当日4500円(共にドリンク代別途500円。税込み)宮城、長野、福島、北海道、神奈川、山口、大阪、熊本、沖縄で公演あり。※『anan』2018年1月31日号より。写真・小笠原真紀インタビュー、文・望月リサ(by anan編集部)
2018年01月24日横尾忠則や宇野亞喜良ら、有名美術家やグラフィックデザイナーが手掛けたポスターを展示する『現代演劇ポスター展 2017-演劇の記憶、時代の記憶、デザインの記憶、都市の記憶』が12月21日(木)から1月10日(水)までの期間、東京・渋谷の3会場で開催される。【チケット情報はこちら】ポスターを貼る事で「街」と「演劇」と「デザイン」と「観客」を繋げてきたポスターハリス・ カンパニーの30周年を記念して開催されるこのイベントでは、カンパニーが所蔵する2万点以上のポスターコレクションの中から、厳選したポスターが展示される。展示点数は当初予定されていた300点から増え、約480点というボリューム。1960年代後半に劇団の旗印として登場し、時代を挑発したアングラ演劇ポスターから、静かな演劇、新劇やミュージカルまで、時代の流れとともに、演劇がどう変化していったのか。ポスターを通して垣間見ることができる貴重な機会になりそうだ。展示されるポスターの中には、現代美術として評価の高い作品も多く、当時の時代性や世相、演劇、デザインの歴史を感じることができる。また、開催期間中は日替わりで演劇やアート業界を代表する舞台芸術家や演出家、デザイナーらによるトークショーが行なわれる。大駱駝艦を主宰する麿赤兒、劇作家・演出家・俳優の長塚圭史、アートディレクターの増田セバスチャンら錚々たる顔ぶれが揃う。1月6日(土)には雑誌「ぴあ」の表紙を描き続けたことでギネス世界記録となったイラストレーターの及川正通が登場する。及川は同展示会とトークショーに向け次のようにコメントを寄せた。「ヒッピー、サイケデリック、アングラの時代。横尾忠則との出会い、寺山修司との出会い。天井桟敷のポスター、舞台美術、音楽、アングラとエロチシズム。マスコミのファッションは「反体制」だった。トリップ劇画とパロディ、そして…「ぴあ」の時代。初期のぴあ表紙~ぴあのホップ~そして36年。ライフワークの「ドリームマップ」。これからは、いよいよデジタル版の「ぴあ」も?!ここだけの話がたくさん飛び出すかもしれないね!」(及川正通)開催期間は12月21日(木)から1月10日(水)まで。会場は東京・渋谷ヒカリエ ホールB、渋谷キャスト スペース、アツコバルー rts drinks talkの3会場を周遊するスタイル。特典付き前売チケットは12月20日(水)まで発売。なおチケットぴあでは、会期中もセット割引券を販売。トークショーの詳細は公式サイトに掲載。
2017年12月20日生瀬勝久や藤木直人、いきものがかりなどが所属する芸能プロダクション“キューブ”が、次代を担う若手俳優陣による新プロジェクトをスタート。そのお披露目イベント「キューブ若手俳優サポーターズクラブ発足記念!!『キックトークイベント』」が、12月17日、東京・CBGKシブゲキ!!にて開催された。この日、計3回行われたイベントのうち、2回目には映像作品を中心に活躍中の白洲迅、バラエティでもひっぱりだこの加藤諒のほか、木戸邑弥、冨森ジャスティン、金井成大、坂口涼太郎、永田崇人、井阪郁巳の8人が登場。ステージ上にメンバーがそろうと、まずは“キューブ若手俳優サポーターズクラブ”という長過ぎるクラブ名の短い愛称が発表された。その名も「C.I.A.」。するとメンバーからは「某国に怒られませんか?(笑)」とのツッコミが。だが「CUBE Infinity Artists」の略で、“キューブ所属のアーティストが無限の可能性を持ち続ける”との思いが込められていると明かされると、加藤は「僕たちに無限の可能性を感じてくれていることが幸せです!」と感慨深げに語った。続いてのコーナーは「伝えて!察して!C.I.A.ゲーム」。出題するメンバーがお題に沿ってひとり芝居をするのだが、せりふはひと言「好きだよ」のみ。ほかのメンバーは、それがいかなるシチュエーションで発せられた「好きだよ」なのかを当てるという、各々の演技力が試されるゲームだ。まずは金井、そして冨森がチャレンジするも、ほかのメンバーを巻き込んだり、「好きだよ」以外のせりふが飛び出すなど、それぞれやりたい放題。そのようすに気後れ気味だった観客だが、坂口が高い演技力、さらにダイナミックなダンスを披露すると、一気に称賛のため息に。永田は持ち前のかわいらしさを爆発させ、井阪のボケに木戸ら先輩がツッコむ。白洲は常にマイペースを保ち、加藤は戦場を舞台にした大熱演のあと、キレッキレのダンスを披露。すると会場は大きな拍手と笑い声に包まれた。イベント終盤には、C.I.A.の今後の予定が発表された。公式サイトが同日オープンしたほか、早くも次回イベントが2018年3月26日(月)、東京・山野ホールで開催されることが決定。また井阪郁巳とこの日欠席の阿久津仁愛によるイベントも、2018年3月24日(土)・25(日)に東京カルチャーカルチャーで行われる。それぞれキャラクターの異なる彼らだけに、今後もさまざまなかたちで多くのファンを楽しませてくれそうだ。取材・文:野上瑠美子
2017年12月18日12月21日(木)から2018年1月10日(水)まで、渋谷ヒカリエなど渋谷の3か所で、現代演劇ポスターが展示される「現代演劇ポスター展 2017-演劇の記憶、時代の記憶、デザインの記憶、都市の記憶」が開催される。【チケット情報はこちら】主に演劇やイベントなどのポスター、チラシを劇場や飲食店、ギャラリーなどへ配布する業務を行っているポスターハリス・カンパニー。同展ではそのポスターハリス・カンパニーが所蔵する2万点にも上る現代演劇ポスターコレクションから厳選した約300点を展示する。1960年代後半に劇団の旗印として登場し時代を挑発したアングラ演劇のポスターから、小劇場ブーム、静かな演劇なども含め、時代の流れとともにポスターや劇団はどう変化したのか。同展で展示されるポスターは、有名な美術家やグラフィックデザイナーが手掛け現代美術として評価の高い作品も多く、当時の時代性や世相、演劇、デザインの歴史を感じる事ができる。なお、同展の開催にあわせ、本展覧会でしか聞く事が出来ないトークショーを実施。出演は麿赤兒、及川正通、ケラリーノ・サンドロヴィッチ、長塚圭史など。詳細は公式サイトでご確認を。チケットは12月1日(金)より発売開始。■「現代演劇ポスター展2017-演劇の記憶、時代の記憶、デザインの記憶、都市の記憶」日程:2017年12月21日(木)~2018年1月10日(水)<※1月1日は休業日>時間:11:00~20:00(最終入場 19:30まで)会場:【1】ヒカリエホールホールB【2】渋谷キャスト スペース【3】アツコバルー arts drinks talk料金:【前売】一般1300円 / 大学生500円【セット割引券】ペア券(2枚セット)2500円 / トリプル券(3枚セット)3690円※セット割引券はチケットぴあのみ取扱い(サービス休止期間:2018年1月2日(火)23:00 ~ 1月5日(金)18:00(予定))※3会場フリーパス(初回入場時の会場でチケットの半券を回収)※前売にて一般チケットご購入の方には先着で初回入場時に特製缶バッジをプレゼント
2017年11月15日演劇、ミュージカル、伝統芸能など、舞台に関する最新情報やインタビューをお届けするフリーマガジン「ステージぴあ関西版」。11月1日発行の最新号で表紙を飾るのは、舞台『黒蜥蜴』で主演を務める中谷美紀。インタビューでは、『黒蜥蜴』の魅力や公演にかける思いを聞いた。「ステージぴあ関西版」発刊情報はこちらほかにも、年末恒例の極上落語会『夢の三競演2017~三枚看板・大看板・金看板~』に挑む桂文珍、桂南光、笑福亭鶴瓶に落語への思いを聞いたり、宝塚歌劇花組トップスター・明日海りおの『ポーの一族』にかける意気込みを聞くなど、今号もミュージカルから伝統芸能まで多彩なインタビューを掲載。さらに、板谷由夏が初舞台で初主演を務める舞台『PHOTOGRAPH 51(フォトグラフ51)』や、映画『銀魂』や『斉木楠雄のΨ難』などを手がける鬼才・福田雄一が演出し、浦井健治、城田優が主演するミュージカル『ブロードウェイと銃弾』など、注目公演の読者先行予約も実施!この機会にぜひチケット入手を。「ステージぴあ関西版」11+12月号はチケットぴあカウンター、劇場などで配布中。WEB上でも全ページ無料でご覧いただけます。
2017年11月02日「現代演劇ポスター展2017-演劇の記憶、時代の記憶、デザインの記憶、都市の記憶」が、渋谷ヒカリエ・渋谷キャスト・アツコバルーで開催される。期間は、2017月12日21(木)から2018年1月10日(水)までを予定している。「現代演劇ポスター展2017」は、ポスターを貼る事で“街”と“演劇”と“デザイン”と“観客”を繋げてきたポスターハリス・カンパニーの30周年を記念して開催されるもの。ポスターハリス・カンパニーが所蔵する、2万点にも上る現代演劇のポスターコレクションから、厳選した約300点を渋谷に点在する3つの会場に展示する。3つの会場を行き来し、周遊することもある意味の“展覧”。まさに渋谷の街全体を巻き込んだ展覧会だ。展示されるポスターは、宇野亞喜良や横尾忠則をはじめとする名だたるグラフィックデザイナーの手掛けた、現代美術として評価の高い作品が多数を占める。そこからは、当時の時代性や世相、演劇、デザインの歴史を感じることができるだろう。なお、会期中は、演劇人やデザイナーなど多彩なゲストを招いてのトークショーやイベントも開催予定となっている。【詳細】「現代演劇ポスター展2017-演劇の記憶、時代の記憶、デザインの記憶、都市の記憶」会期:2017年12月21日(木)~2018年1月10日(水)※1月1日は休業日場所:・ヒカリエホールホールB住所:渋谷区渋谷2-21-1渋谷ヒカリエ9階・渋谷キャスト スペース住所:渋谷区渋谷1-23-21渋谷キャストGF・アツコバルー arts drinks talk住所:渋谷区松濤1-29-1 クロスロードビル5F料金(3会場フリーパス):前売一般 1,300円、大学生 500円、当日/一般 1,500円、大学生 700円、高校生以下無料チケット発売日:未定 ※詳細は後日HPに掲載。問い合わせ先:ヒカリエホール03-5468-5088
2017年10月08日ぴあが毎号特別編集にて、演劇&ミュージカルの最新情報を発信するフリーペーパー『ステージぴあ関西版』。生活の豊かさを求める“大人のリスナー”に向け、常にクオリティーの高い情報を提案する『FM COCOLO 765』。このふたつがコラボレーションし、FM COCOLO DJ加美幸伸の人気プログラム「THE MAGNIFICENT FRIDAY」内にて、全く新しい演劇専門コーナー「ステージぴあSPOT-LIGHT(スポットライト)」をスタートする。FM COCOLO「ステージぴあ SPOT-LIGHT(スポットライト)」番組情報同コーナーでは、毎週おすすめの作品にスポットライトを当て、出演者や作・演出家などにインタビューしたり、時にはチケット先行受付やモニター招待などリスナーにお得な情報も発信予定。演劇フリークからビギナーまでが楽しめる耳寄りな情報をたっぷりとお届けする。10月6日(金)の第一回放送では、話題騒然のミュージカル『ビリー・エリオット~リトル・ダンサー~』に出演する柚希礼音が登場!公演の魅力を余すことなく紹介する。自身も大の演劇好きであるDJ加美とのトークだからこそ、より公演を面白くさせる見どころが聞けたり、裏話も飛び出すはず!オンエアを楽しみに待っていてほしい。【番組概要】10月6日(金)スタート■FM COCOLO THE MAGNIFICENT FRIDAY「ステージぴあ SPOT-LIGHT(スポットライト)」【放送日時】 毎週金曜15:20~15:40【DJ】 加美幸伸【ゲスト(10/6(金))】 柚希礼音(ミュージカル『ビリー・エリオット~リトル・ダンサー~』出演)
2017年10月03日古舘春一の同名人気バレーボール漫画を舞台化したハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」の最新作"進化の夏"が9月8日(金)に開幕。その公開ゲネプロと囲み取材が行われ、主演の須賀健太、影山達也、小坂涼太郎、三浦海里、永田崇人、近藤頌利、吉本恒生、結木滉星、演出のウォーリー木下が登壇した。【チケット情報はこちら】2015年の初演からシリーズ5作目(再演"頂の景色"を含む)となる今作。今回は、「"進化の夏"ということで、インターハイ宮城県予選で烏野高校(主役校)が負けてしまい、そこからどう強くなっていくのか、それを見つけ出していく夏合宿がテーマになっています」(須賀)、「バレー部員である前にひとりの学生なんだなってことがすごくわかるようなつくりです」(永田)と、烏野高校・音駒高校・梟谷学園高校が参加する夏合宿を中心に、これまであまり描かれなかった彼らの高校生活も描かれる。 さらに舞台セットが初演からの定番となっていた八百屋舞台と全く違うものになったほか、影山飛雄役が影山達也に、西谷 夕役が渕野右登に引き継がれ、烏野排球部マネージャー・清水潔子(長尾寧音)、谷地仁花(斎藤亜美)をはじめとする新キャラクターも登場。初演から出演する須賀が「本当に新しい「ハイキュー!!」がお見せできるんじゃないかと思っています」と話した通り、演劇「ハイキュー!!」シリーズの新たな一歩となった。オープニングからガラリと違う顔を見せた今作。烏野高校排球部のメンバーを中心とした学校生活が描かれ、部活とはまた違う、試験に苦労したり、ふざけあったり、勇気を出して行動したりする姿が、本作ならではの、芝居、ダンス、音楽、照明、映像を駆使した演出でキラキラと眩しく展開していく。これまでは試合中の極限状態の中で自らの殻を破り成長を遂げる選手たちの姿が印象的だった本シリーズだが、今回は日常生活での何気ない会話や、新しい出会い、仲間たちと過ごす時間の中で、成長したり、強くなったり、パッと視界が開けたり…そんな一瞬の積み重ねから生まれる進化が描かれた。そんな中で注目は、それぞれに“勝ち”を求め食い違う日向&影山コンビ、そして「たかが部活」「なんでそんな風にやるんだ」と冷めた態度を取る月島 蛍。彼らが見つけるものをぜひ劇場で確認してほしい。全30人という登場人物がチームとして見せる3つの色は見事な鮮やかさ。そしてチームが混ざり合ったときに濁るのではなく一気にカラフルになる舞台上の光景は、演劇「ハイキュー!!」シリーズの変わらない魅力だ。公演は9月15日(金)から大阪、兵庫、宮城、福岡を巡演し、10月20日(金)から29日(日)までTOKYO DOME CITY HALLにて東京凱旋公演が行われる。大千秋楽10月29日(日)18:00開演 では、全国47都道府県の映画館でライブビューイング開催。取材・文:中川實穂(c)古舘春一/集英社・ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」製作委員会
2017年09月19日日本のドラマや映画に欠かせない女優であり、三谷幸喜や永井愛ら名だたる演出家の舞台に立つ舞台役者でもある戸田恵子。50歳の折りには10代の時以来の歌手デビューを果たすなど活躍の場を広げている戸田が、“還暦記念ライブショー“と題して戸田恵子60th Anniversary Live Show「Happy Birthday Sweet 60」を上演する。「謹んで、赤いプレゼントはお断りさせていただきます」と記されたチラシを手に、戸田に聞いた。【チケット情報はこちら】稽古場に入ると、演出・振付を担当する戸田の盟友・植木豪が、冒頭〈子供時代〉の振付を確認中。書道やピアノ、体操など、お稽古事に明け暮れた戸田の幼少時代が、物語仕立てのダンスで綴られてゆく。共演ダンサーのHILOMUとTAKAHIROは、ある時はお稽古事の先生、ある時はスカウトマンに扮して当時の戸田の様子を再現。ひとたび動き出せばガラリと空気を変える戸田の傍らで、演出に細かな微調整を加えてゆく植木の姿が印象的だ。舞台は〈演歌歌手時代〉〈声優時代〉、さらに〈女優時代〉と進んでゆくなか、幻の歌手デビュー曲「ギターをひいてよ」や、カリスマ的人気を誇ったアニメ『伝説巨神イデオン』のエンディングテーマ曲「コスモスに君と」も披露するというから見逃せない。「60歳になろうとしている今も、何にも変わってないなぁと思うんですけどね」と戸田は笑いながら、「ただ、還暦といわれる年までやってこられたのは、本当にお客様や周りの方々のおかげ。“日頃のご愛顧に感謝して”(笑)、楽しいショーにしたいと思っています」と話す。その言葉通り、お祝いに駆けつける日替わりゲストは春風亭昇太やナイツ、ロバート、ずん、ニッチェといった人気芸人の面々。「DJも、やついいちろうさん(エレキコミック)にお願いしました。たとえばお正月に“お笑い”を見て1年がハッピーに過ごせるように、この舞台を観て、これまでの苦労も笑い飛ばせるような気持ちになっていただけたら」と戸田は語る。歌手再デビューのほか、近年は映画祭のディレクターや番組MC、講演会など、新たな仕事にも意欲的に取り組んでいる戸田。その理由を問うと、「50歳になる直前に母を亡くして“命は限りがある”ということを痛切に感じたことですね」という答えが返ってきた。「それで、いただいたご依頼は臆せずトライしていこうと気持ちが切り替わりました。(戸田がタイトルロールを務める)アニメ『それいけ!アンパンマン』の作者やなせたかし先生に、『人生は喜ばせごっこ。戸田さんは人が喜ぶことをやりなさい』と言っていただいたことも大きいです」と戸田は言う。年齢を重ねてますます輝きを放つその姿を、本作で存分に楽しみたい。戸田恵子60th Anniversary Live Show「Happy Birthday Sweet 60」は9月8日(金) ・9日(土)・10(日)、東京・品川プリンスホテルクラブeXにて開催。チケットは発売中。取材・文佐藤さくら
2017年08月31日サーカス、マジック、演劇が融合した独創的なパフォーマンスを追求するスイスのユニット〈ズィメルマン エ ド・ペロ〉が、3年ぶりに来日公演を行う。2013年『シュフ・ウシュフ』、2014年『ハンスはハイリ』に続いて3度目となる日本で披露するのは、マルタン・ズィメルマンによる初のソロ作品『Hallo』。初日を控え、コンセプト・演出・デザイン・振付・出演の5役をこなすズィメルマンが、抱負を語った。マルタン・ズィメルマン『Hallo』チケット情報「サーカス学校で学び、約20年にわたって様々なことをやってきた私が、まさに機は熟したという想いで作ったのが、この作品です。様々な人物を演じ分けるのではなく、あくまでひとりの人間を描きます。状況の変化によって、その人物の様々な側面や感情が見えてくる。人間一人ひとりが持つ神秘性、複雑さを表現しようと思ったんです」。人の心の内面へと踏み入るのは、創作者にとって時に困難な作業に違いない。だが、ズィメルマンの場合、自らの得意分野である舞台美術の存在が、発想に飛躍をもたらす。物を対置させることで、人物からリアクションを引き出し、局面が有機的に変化していくのだ。「“フレーム”を使います。ショーウィンドウのように周囲から見られる枠の役割も果たすし、もしかしたら人生という枠なのかもしれない。しかもそのフレームは、もろくて壊れたりもする。枠が壊れたときに、人はどうなるのか。自由になるかもしれないし、愚行に走るかもしれません」。数あるサーカスの要素の中で特に興味を持ったのは、道化だという。「クラウンという存在自体が、リスクをはらんでいます。夢見がちでいながら、どこか悲劇的で、いつもアクシデントに巻き込まれている。まさに悲喜劇がそこにはあるし、シュールレアリスムのような不条理な存在ともいえる。私はクラウンのような化粧をしているわけでもないし、フィジカルなアクターと自称していますが、クラウンの持つユーモアとその裏にある悲しみを表現するのが好きなんです」。今回のクリエーションで発見したこととしてズィメルマンが語った次の言葉が哲学的示唆に富み、興味深い。「人間は、困難な状況に置かれ、もがけばもがくほど、生命に近づく。居心地の良い暮らしや安易な状況は、人間を生命や人生から遠ざけてしまいます」。言葉に頼らないステージだが、多くを物語る。時に他者を意識し、時に自らを持て余し、置かれた状況に対処しながら一喜一憂する登場人物は、まさに人間そのものであり、揺れ動く心を描いていくのがドラマであるなら、ズィメルマンの生み出す世界はドラマの真髄といっていい。マルタン・ズィメルマン『Hallo』は、東京芸術劇場 プレイハウスにて7月29日(土)・30日(日)に上演。
2017年07月28日第四十二回菊田一夫演劇賞授賞式が28日に東京・如水会館で行われ、菊田一夫演劇大賞を受賞した麻実れい、菊田一夫演劇賞の中川晃教・小池徹平・新橋耐子・藤田俊太郎、菊田一夫演劇賞特別賞の勝柴次朗が登壇した。大賞となった麻実は『8月の家族たちAugust:Osage County』『炎アンサンディ』の2作品で評価を受けた。「桜の咲く季節に宝塚で初舞台を踏み、47年目の春を迎えています」と気品を漂わせながら自身を振り返り、「この先どうなるかはわかりませんけども、いただいた勇気をもって、改めて歩き出したいと思います」と深く頭を下げた。『ジャージー・ボーイズ』フランキー・ヴァリ役が評価された中川は「最近、嬉しいことに、ミュージカルが本当に沢山の方々に求めていただく時代に入ってきたと感じている」と印象を語る。その実感ができているのは「僕達を牽引してきてくれた先輩たちがいたから」と感謝。「手取り足取り、時には姿勢で示してくださった一つ一つの瞬間が僕の中で学びになっている」と振り返った。さらに中川は、賞金の50万円を「語学学習に使いたい」と明かした。ブロードウェイへの意欲も見せ「ミュージカルシーンが日本の中でひとつもふたつも華やかになって世界に行けるように、今は頑張る時期だと思って、改めてやらねばという思いになりました」と新たな決意を示した。『1789-バスティーユの恋人たち-』『キンキーブーツ』で賞を受けた小池は、歌手、タレントと様々に活躍するが「自分が歩んでいた道が間違ってたわけじゃなかった」としみじみ。「今後のミュージカルの役者としても励みになる、力になる賞だと思って感謝しています」と喜びを表した。また、『ジャージー・ボーイズ』『手紙2017』の演出を評価された藤田は、師匠である故・蜷川幸雄さんに感謝。「『藤田、くれぐれも調子にのるなよ』と言われると思います」と笑いつつ、「蜷川さんの精神をきちんと引き継いでいこうと思います」と決意を改めた。
2017年04月28日ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」展 が、今春東京ドームシティにオープンしたGallery AaMo(ギャラリー アーモ)にて4月25日(火)から5月28日(日)まで開催中だ。「ハイキュー!!」展 チケット情報初日のオープニングセレモニーに、演出のウォーリー木下、主演の須賀健太をはじめ、共に主役校・烏野高校メンバーを演じる木村達成、小坂涼太郎、三浦海里、塩田康平、橋本祥平、川原一馬、秋沢健太朗、猪野広樹、冨森ジャスティンが登壇した。集英社「週刊少年ジャンプ」で連載中の大人気バレーボール漫画「ハイキュー!!」を舞台化し、現在3作目を公演中のハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」。チケット入手困難と言われる人気舞台の特徴的なセットや衣裳、さらに通常見られない“ボツ”アイテムなども展示される。ウォーリー木下は「演劇「ハイキュー!!」展は、やれたらいいなと初演の頃から言っていました。キャストとスタッフがワイワイ言いながらつくった作品のアイデアをたくさん見ることができますので、ぜひ楽しんでください」と挨拶。主演の須賀は「ここは読売ジャイアンツさんのホームですが、僕たち烏野(高校)のジャージはオレンジと黒…ジャイアンツさんと被っている!」と立地にちなんだひと言。さらに「僕たちと同じ場所(セット)に立っていただけるので、また新しい発見もしてもらえると思います。ご来場いただいた方にはプレイヤーズカード全36種がランダムで必ずゲットできるので、ぜひ集めていただきたい!」と宣伝も忘れず座長ぶりを発揮した。木村は「久しぶりに写真やセットを見たらジーンときちゃって。俺らがやってきたことが間違いじゃなかったんだなと思える瞬間がそこにあった」、小坂は「展示されているキャスト全員の色紙は、演じているキャラクターとは違うその人の個性が分かります。僕はそれが一番!」、三浦は「セットには跡や傷が残ってて、(小道具の)お面にはメイクが残ってて。こんな感じだったんだと感じてもらえると思う」、塩田は「この佳き日に“塩田謎掛け”をやります。ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」と掛けまして「ハイキュー!!」展を観た今の気持ちと解く。その心は…“かんげき”です!」。橋本は「演劇「ハイキュー!!」の歴史と愛がたくさん詰まってます!」、川原は「僕たちがイチからつくってきた軌跡を感じてもらえたら」、秋沢は「劇団「ハイキュー!!」のみんなでつくり上げた作品をぜひ見てください」、猪野は「合宿シーンで使った布団は匂いが分かるかも!?」、冨森は「この舞台はけっこうキツいと評判。セットの傾斜に立って『これはキツい!』と体感して(笑)」とコメント。作品の晴れの日を賑やかに祝った。取材・文:中川實穗
2017年04月27日第42回菊田一夫演劇賞が4日発表となり、女優の麻実れいが菊田一夫演劇大賞に輝いた。同賞は、演劇界の巨星・菊田一夫氏の名を冠し、大衆演劇の舞台ですぐれた業績を示した芸術家(作家、演出家、俳優、舞台美術家、照明、効果、音楽、振付、その他のスタッフ)を表彰する賞。大賞に選ばれた麻実は、『8月の家族たちAugust:Osage County』バイオレット役、『炎 アンサンディ』ナワル役の演技が高く評価された。菊田一夫演劇賞には、読売演劇大賞の最優秀作品賞も受賞した『ジャージー・ボーイズ』でフランキー・ヴァリ役を演じた中川晃教、『1789~バスティーユの恋人たち~』ロナン役&『キンキーブーツ』チャーリー・ブライス役の演技が評価された小池徹平、『食いしん坊万歳! ~正岡子規青春狂詩曲~』八重役の新橋耐子、『ジャージー・ボーイズ』『手紙2017』の演出を務めた藤田俊太郎が選出された。また、菊田一夫演劇賞特別賞は永年の舞台照明デザインにおける功績がたたえられ、勝柴次朗が受賞した。
2017年04月04日ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」″勝者と敗者″が、3月24日に開幕。それに先がけ公開ゲネプロと囲み取材が行われ、須賀健太、木村達成、猪野広樹、遊馬晃祐、小波津亜廉、演出のウォーリー木下が登壇した。【チケット情報はこちら】男子バレーボール(=排球)にかける高校生たちの姿を描いた古舘春一の同名大ヒット漫画を舞台化。2015年の初演からシリーズ3作目となる今作では、インターハイ宮城県予選を舞台に1年生の主人公・日向翔陽(須賀)が在籍する烏野高校と強豪・青葉城西高校の熱戦が描かれる。今作の大きな見どころは、木村演じる影山飛雄、猪野演じる菅原孝支、遊馬演じる及川 徹らセッター(トスをあげる役目の選手)の活躍。そのため囲み取材で須賀は「初めてこの作品を俯瞰で見られる立ち位置で、日向として冷静にコートの外から見る瞬間があります。そこが面白く、楽しく稽古しました」と振り返る。烏野のセッターを担う木村は「セッターは常に“誰にトスを上げて1点を取るか”を考える生き物。どのタイミングで誰に上げるかも見どころです」、猪野は「菅原が入ることで烏野と青城(青葉城西高校)にどう影響していくのかを楽しみにして頂ければ」。青城のセッターを演じる遊馬は「二幕、三幕と進むなかで最後にはどちらが勝つかわからなくなる緊迫感を楽しんで頂きたい」、及川と“阿吽の呼吸”の相棒・岩泉 一役の小波津は「今作は過去のドラマもひとつの見どころ。岩泉と及川の過去、及川と影山の過去、及川のもうひとつの面が垣間みれるので、注目していただければ」。須賀が「作品がひとつの協奏曲になっている」と話した通り、全三幕を第一楽章・第二楽章・第三楽章として上演された本作。“セッターはオーケストラの指揮者のようなもの”であることを軸に、天才の影山、センスもあるが努力を惜しまない及川、真面目で丁寧な菅原と、誰がセッターかによって変わるチームの空気が、音楽、そしてダンスでわかりやすく表現されていた。また、今作の舞台は3年生にとって最後になり得る試合。そのうえで描かれる過去、そこから生まれる熱い想い、だからこそ負けられない勝負…それぞれの物語を乗せた一戦が、演劇「ハイキュー!!」ならではの高い熱量によってまっすぐに客席に届けられた。ウォーリー木下が「今まで『ハイハー』ぐらいでしたが(笑)、今回ようやく『ハイパー』に格上げしました。びっくりするようないろんな演出をやっております!」と話す新演出も見どころの本作は、3月26日(日)まで東京・TOKYO DOME CITY HALLにて上演後、宮城、大阪、福岡、東京凱旋と巡演。5月7日(日)にはライブビューイングも実施。取材・文:中川實穗
2017年03月30日第24回読売演劇大賞の贈賞式が2月27日、都内にて行われた。読売演劇大賞は1994年に演劇界の活性化を願って創設された賞。今回は2016年1月から12月までに国内で上演された、すべての演劇作品を対象に、最もすぐれた作品・人に贈賞される。作品賞、男優賞、女優賞、演出家賞、スタッフ賞の5部門と、全部門の中から新人を対象に贈られる「杉村春子賞」があり、その中からさらに「大賞」を選ぶ。今回の大賞はNODA・MAP『逆鱗』や『遠野物語・奇ッ怪 其ノ参」』の美術を担当し、最優秀スタッフ賞を受賞した堀尾幸男。「私は(登山家の)三浦雄一郎さんに似てるんですが、舞台美術家やスタッフは“シェルパ”。山に登って三浦先生は歓喜の声を上げ写真に写りますが、シェルパは写真に出てこない。これはまさに舞台スタッフ。それが今回、大賞を頂いて表に出ることになりました」とユーモアたっぷりで受賞の喜びを語った。なお、最優秀スタッフ賞受賞者の大賞受賞は読売演劇大賞史上初。最優秀作品賞は『ジャージー・ボーイズ』が、こちらもミュージカル作品としては同賞史上初の受賞。また同作に主演した中川晃教は最優秀男優賞を受賞し、W受賞となった。実在のバンド「ザ・フォー・シーズンズ」の栄光と影を描いた作品で、中川は“天使の歌声”の持ち主フランキー・ヴァリ役をトワングという歌唱法を用い演じたが「自分でも聴いたことのない自分の声が必要だった」とその苦労を振り返りながらも、充足の表情。時折、感極まり涙で声を詰まらせながら「歌と芝居、そしてダンス、様々な手法でミュージカルはお客さまに感動を届けていく。なんて素晴らしい仕事なんでしょうか。今後もミュージカル、エンタテインメントを、最高のところまで持っていけるように僕も頑張っていきたい」と力強く語った。最優秀演出家賞はケラリーノ・サンドロヴィッチ。「出演者の方とワイワイやっているうちに出来ちゃったという感じ。こんな楽しいことをやって賞までいただいて、ありがたい」とコメント。最優秀女優賞の鈴木杏は「15歳から16歳になるときに『奇跡の人』で初めて舞台に立って、そのときから私はずっと演劇に恋をしっぱなし」と笑顔で語る。杉村春子賞を受賞した三浦春馬は「この賞をいただいたことによって、微力ですがもっともっと、ミュージカル、そして演劇を、日本の皆さまに身近に感じてもらえるように努力をしていきたい」と話した。ほか芸術栄誉賞は吉井澄雄、選考委員特別賞は三浦基が受賞。会見後には『ジャージー・ボーイズ』のメンバーによるパフォーマンス披露もあり、華やかで楽しい会となった。
2017年03月01日ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」“烏野、 復活!”が、10月28日(金)に開幕した。本作は、男子バレーボール(=排球)部メンバーの挑戦と成長を描いた古舘春一原作の同名コミックが原作。舞台は昨年11月に初演、今年4月に再演され、今作は新作となる。「ハイキュー!!」“烏野、復活!”チケット情報身長162.8cmの主人公・日向翔陽(須賀健太)が影山飛雄(木村達成)らチームメイトと共に「落ちた強豪“飛べない烏”」から脱却していく姿を描く本作。烏野高校のほか、音駒高校、伊達工業高校、常波高校、青葉城西高校が登場し、一幕では因縁のライバル・音駒高校との練習試合…カラス対ネコの<ゴミ捨て場の決戦>に、二幕では“鉄壁”のブロックで烏野のエース・東峰 旭(冨森ジャスティン)のトラウマを作った伊達工業高校らと対決するインターハイ予選に挑む。全5校、総勢29名が出演し、3つの試合を展開。試合のほかにも音駒高校との賑やかな合宿シーンや各メンバーの過去などがもりだくさんで描かれるが、それを映像、音、光、肉体を駆使して、一つひとつ印象的にみせていくのがこの演劇「ハイキュー!!」。芝居と見事に融合したプロジェクションマッピングや、試合を表現する歌&ダンス、美しいアクロバット、なにより圧倒的な熱量の芝居と、演劇の楽しさがギュッと詰まった世界が広がる。ゲネプロ後の囲み取材では、主演の須賀が「今、人生で一番舞台上で動いています。でも汗をかくからこそ、それが芝居につながって、芝居の熱さも上がっていく。原作の持っている力をそのまま舞台上で体現できているのではないかと思います」と話した。演出のウォーリー木下は、3作目となる須賀と木村のコンビネーションについて「このお芝居って特に息が大事で、そこがこのふたりは誰よりも早い。それがただの会話じゃなくて、動きながらとか、アクロバットしながらとか、そういう中で合わせていくっていう、ちょっとしたサーカス団(笑)。頭の回転の速さと身体の回転の速さがメキメキよくなってます」。また、須賀は本作の見どころを「やっぱりオープニングはすごく熱い。“ハイパープロジェクション”なところは更に進化しているし、僕たちもそれに負けないくらいの熱量で全力で、と重きを置いています」と紹介。常波高校・池尻役の松田 裕が語った「スポーツは勝ち負けですので、烏野が復活するということはどのような人たちが存在するのか、という面にも注目してもらえたら嬉しい」という言葉も印象的だった。公演は、11月6日(日)まで東京・AiiA 2.5 Theater Tokyoにて上演後、岩手、福岡、大阪を巡演し、東京にて凱旋公演。最終日にはライブビューイングも。取材・文:中川實穗
2016年11月01日12月に赤坂RED/THEATER(東京)にて上演される、ジャニーズ事務所所属の俳優:佐野瑞樹と、大人気 演劇ユニット*pnish*(パニッシュ)のリーダー:佐野大樹による兄弟演劇ユニット「WBB」の第11回公演 『スペーストラベロイド』の詳細が本日発表となった。WBB vol.11『スペーストラベロイド』チケット情報奇数回となる今回は兄の佐野瑞樹による企画、通称Side-W。過去公演同様に 『ワンシチュエーションコメディ』を上演するが、本公演は過去公演とひと味違い、徹底して笑いを追求する。出演者には佐野瑞樹、佐野大樹のほか、前回公演に出演した田村亮(ロンドンブーツ1号2号)が座長を務める田村亮一座より、パンチ浜崎(ザ・パンチ)、元3人組お笑いユニット「ジューシーズ」の児玉智洋(サルゴリラ)、元キャラメルボックスの技巧派、細見大輔の他、昨年までミュージカル「セーラームーン」でセーラームーン役を務めた大久保聡美、2.5次元舞台などでも活躍中の若手俳優、尾関陸、川上将大、畠山遼、篠田諒など、多彩な顔ぶれが揃う。本公演を企画した佐野瑞樹は「今回の「スペーストラべロイド」はSide-Wの基本コンセプトである上質なワンシチュエーションコメディにドタバタ感とバカバカしさを思いっきり足してやろうと思ってます!!言うなれば、WBB版新喜劇!!キャストを見れば一目瞭然ですが、とにかく笑いに特化します。 僕自身パワー負けしないようテンション高めで突っ走ります!!いつもと少し違ったWBBをぜひ観に来 てくださーい!!」とコメント。公演は12月3日(土)から11日(日)まで、東京・赤坂RED/THEATERにて。 チケットの一般発売は10月23日(日)午前10時より。
2016年10月06日フランスの子どもの一般的な習い事の中に、テアートル(演劇教室)があります。「演劇教室」というと、日本では芸能界デビューを目指す子どもが行くところ…という印象を抱きがちですが、そうではありません。フランスのテアートルでは、人前で堂々としゃべったり、自己表現力をつけたりすることを目的としています。3歳から受け入れている教室もあり、小さいうちはまだセリフの入った劇をするわけではありません。それでは、実際にどんなことをやっているのでしょうか。■習い事の内容はシークレットフランスのテアートルの登録料金は、モダンダンス、音楽、テニスなどの一般的な習い事とそれほど変わらない料金で、地域や団体によって異なるものの、1年間約180ユーロ~300ユーロ(週1回、1時間)の価格帯です。5歳の娘はテアートルを習い始める前、「人前だと恥ずかしがって、なかなか発言できないところがある」と幼稚園の先生から言われていました。家では一度口を開いたら「もういいから…」と言いたくなるほどしゃべり続けているというのに、これには耳を疑いました。テアートルに登録する前、娘に何をするところかと聞かれ、「動物の真似とかもするから面白いよ。それに踊ったりもするんじゃないかな」と言うと、喜んで頷いてくれました。では実際に、どんなことをしているのか。実はこれがなかなかわかりませんでした。というのも、毎回子どもを教室に送り届けると、親は防音の思い扉のある教室の外で待っているように言われます。日本の多くの習い事と違い、子どもが何をしているのかを見ることができないのです。「今日は何をしたの?」と娘に聞いても、「秘密。発表会の日まで内緒という約束なの」と言われてしまいます。結局、「どうやら教室に入るとすぐに靴を脱いでいるようだ」(フランスでは常に土足のところがほとんどです)ということ以外、発表会の日までその謎は深まる一方なのでした。これは先生が親にサプライズを送ろうというアイデアから始まったようで、やがて5ヶ月が経った頃、発表会で初めて教室内に入れることになりました。■習い始めて5ヶ月、ようやく入れた教室で見たものは発表会では、まずはウォーミングアップということで、親も参加する場が持たれました。子どもとその両親全員が小さな舞台にのぼって輪になり、1人1人名前を言いながら輪の真ん中に進み出て、終えたら元の位置まで下がるということを繰り返していきます。ニコニコしながら名前を言うのも良し、厳しい面持ちで言っても良し、落ち着いた様子で言っても良し。自分の感情を表現しながら堂々とふるまい、発話することが目的なのです。子どもも大人も含め25人くらいが様子を見守る中、自分の番はたった5秒程度のことなのに、それでも「人前で何とかうまくできた」という達成感の大きさに驚きました。続いて、教師のストップの合図があるまで輪を描きながら皆で歩き、指示を受けてから一斉に動きを止めるという練習をしました。指示の内容は、「怒りながら隣りに止まった人をにらむ」、「優しく隣りの人の肩に右手をかける」、「悲しい顔をしながら隣りの人の顔を覗き込む」といった具合に、毎回変わります。ここでは、感情を表現しながらどんな風に人と接するのか、という自分なりの姿勢について考えさせられました。そこからは子どもたちだけで輪になり、先生の太鼓のリズムにのって歩きながら合図とともに立ち止まり、キリン、ウマ、ヘビ、ゾウなどを、体全体を使って思い思いに表現して見せてくれます。十人十色とはまさにこのことで、誰ひとりとして同じ表現をする子どもがいないことを実感しました。続いて、「水の中にいるものは?」という先生の問いかけを受けて、1人ずつ前に出て表現するということをしました。人魚、ワニ、魚、滑り台など問いかけに対するさまざまな答えを、子どもたちが表現していくのです。 ■自己表現することで自分を受け入れ、信頼できるようになっていく最後に少し長めの「1人だけの見せ場」として、舞台に置かれたひとつの風船を取りにいき、風船と一緒に飛んだり動いたりするというお題を与えられます。舞台の裾からすでに走ってくる子もいれば、のそのそと出てくる子もいます。また、風船に引っぱられてどんどん速く走って去っていくさまを表現する子がいれば、笑いながら空を風船で飛ぶ様子を表現する子もいます。つまり、フランスの演劇教室とは、演技力を身につけるのではなく、ほかの人の表現を見ながら、「自分はこうしよう」という自己主張を身につける場所なのです。娘と一緒に発表をしていた子どもたちは皆、4歳~5歳の子どもたちでしたが、誰ひとりとして恥ずかしがらないところがとても立派だと思いました。人前に立って話し、表現をすることは大人でも恥ずかしく、子どもならばなおさら勇気のいることです。そのプレッシャーを跳ねきって自己表現することに慣れていく過程では、自然と自分を受け入れ、自分を信頼できるようになるものです。また、それを見る他人に自分を委ねる以上、他人との信頼関係も築かれやすいのではないかと感じました。 5ヶ月間、わが子がテアートルで何をやっているのか誰も知らない、という謎は大きかったものの、先生のサプライズは結果的に子どもの成長の大きさを見せつけ、親たちにたくさんの感動をもたらしてくれました。幼稚園の先生からも「恥ずかしがらずに、本当に自己主張ができるようになった」と言われたのは、言うまでもありません。今後テアートルでは、年齢と共にセリフをつけながら表現する段階に入っていくようです。フランスでは、役者を目指すわけでなくても大人向けのテアートルが一般的に存在します。いわば演劇を学ぶことは大衆文化。それほど自分の表現力を磨き、表現しきることに喜びを感じる人が多いということがわかりますね。
2016年06月25日昨年11月より東京、大阪、宮城で初演され、全公演完売という人気ぶりを見せたハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」“頂の景色”が、パワーアップして再演。4月8日、大阪・シアターBRAVA!にて、公開舞台稽古と囲み取材が行われた。ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」チケット情報本作は「週刊少年ジャンプ」(集英社)で連載中の大人気バレーボール漫画「ハイキュー!!」を原作にした舞台で、バレーボールに魅せられた身長162.8cmの主人公・日向翔陽(須賀健太)を中心に物語が展開。「小さな巨人」と呼ばれる選手に憧れて進学した烏野高校で、中学時代の憎きライバル・影山飛雄(木村達成)をはじめ、共に戦う仲間と出会い、キャラクターそれぞれが成長していく姿が描かれる。“ハイパープロジェクション演劇”と銘打ち、生身の役者が演じる熱と、最新の映像テクノロジーを駆使して魅せるこの舞台。前方に向かって傾斜した「八百屋舞台」で遠近感を演出しつつ、廻り舞台や巧みに練り上げられたキャストたちの動きで、クルクルと目まぐるしく展開。アクロバティックな動きやダンス的な動きで見せたり、時には漫画のコマ割りを映像で映し出しながら、まるで漫画を読み進めるように見せるなど、その心地いいテンポ感で、観る者をグイグイと演劇「ハイキュー!!」の世界に引き込んでいく。第一幕では、日向と影山の出会いと烏野部内の練習試合、第二幕では烏野高校の休部状態のエースを巡る物語が展開。たとえ技術が高くても、仲間と気持ちが通わなければ勝ちには繋がらないのがチームプレー。プライドの高さやコンプレックス、それぞれに悩みや葛藤を抱えてもがくけれど、バレーボールにかける熱い思いで心が繋がっていく姿が胸を打つ。舞台を縦横無尽に駆け巡り、天高くジャンプしてスパイクを打ち抜く日向。演じる須賀が囲み取材で「運動量はこの舞台に出てくるキャラクターの中で一番だと自信を持って言える」と言う通り、小柄な身体を目いっぱい使い、汗を撒き散らしながらほぼ出ずっぱりで演じきる。また、木村も「影山が“コートの王様”と呼ばれることに対して、どれだけダークな気持ちを持っているかを重点的に意識した」と、初演以上に影山というキャラクターに寄り添い、役を作り込んでいる。他にも、まさに“強豪”と呼ぶべき青葉城西メンバーの高い跳躍力や身体性にも注目。キャプテン・及川 徹役の遊馬(あすま)晃祐は「“青城(せいじょう)”は3人が新キャスト。初演よりもさらに強くなっています。烏野に負けない熱量で魅せたい」とコメントし、初参加の岩泉 一役・小波津亜廉(こはつあれん)は「続投メンバーに負けない熱量で、“頂の景色”を見に行きたい」とアピールした。大阪公演は4月17日(日)まで。チケットぴあにて当日引換券を発売中。取材・文:黒石悦子
2016年04月12日