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昨年デビュー40周年を迎え、記念イヤーとして年をまたいで、各種ライブを展開中の岸谷香。昨年2月に開催した『岸谷香感謝祭2024』(ゲスト:トータス松本(ウルフルズ)/永井真理子)を皮切りに、6月からは自身のガールズバンド・Unlock the girlsで、PRINCESS PRINCESSの2ndアルバム『HERE WE ARE』をセルフカバーする全国ツアー『LIVE TOUR 2024 "57th SHOUT!"』を開催し、各地ソールドアウト(ツアーファイナルはBlu-ray化)。秋には『40th ANNIVERSARY LIVE TOUR KAORI PARADISE 2024』 と題した、ピアノやアコースティックギターを演奏する岸谷ひとりだけのステージを全国16カ所で開催。また年末にはFM802のフェス『RADIO CRAZY』へのゲスト出演など、アグレッシブな一年を送ってきた。そして、2025年はBig Bandを従えた恒例のビルボードツアー『KAORI PARADISE 2025 新春スペシャル』からスタート。1月11日ビルボードライブ横浜、1月17日ビルボードライブ大阪、1月19日ビルボードライブ東京の3カ所(6公演)、岸谷の盟友・sugarbeansをバンドマスターに迎え、総勢10名の「ダイアモンドスイングオーケストラ」と称したBig Bandと共に、自身のオリジナルに加えカバー曲も含めて、華やかなステージを魅せ、観客を大いに盛り上げた。1月19日ツアーファイナル・東京公演でも「これからも、こうしてステージに立てる幸せを本当に大切にしていきたい」と深々と頭を下げ、満員の会場からは惜しみない拍手が送られていた。2月には、恒例企画『岸谷香 感謝祭2025』を開催。ゲストに森高千里、渡瀬マキ(LINDBERG)を迎え、初の2デイズ開催となる今回のチケットは発売1分でソールドアウト。ゲストとの”この日限り”のコラボーレーションが見れる恒例企画に今回も大きな期待が集まっている。また6月からは自身のガールズバンド・Unlock the girlsを従えた、全国ツアー『LIVE TOUR 2025 “58th SHOUT!”』も決定。ピアノ、ギター弾き語りからBig Bandでのステージ、そしてロックバンドツアーと広く多彩な音楽性を惜しみなく披露する岸谷香。2025年も”ダイアモンド”のように輝く、変わらぬ明るい笑顔とその勢いで、シーンを大いに席巻していきそうだ。Photo:河合正仁<公演情報>岸谷香『KAORI PARADISE 2025 新春スペシャル』1月19日ビルボードライブ東京【セットリスト】01.空より海より(プリプリサンバ’91)02.The Summer Vacation03.楽園の扉04.Beautiful05.When a Man Loves a Woman(COVER)06.Midnight in Menphis (COVER)07. VANISING08.パパ09.ある朝魔女になってたら10.Diamonds<ダイアモンド><リリース情報>Blu-ray『KAORI KISHITANI 40th Anniversary LIVE TOUR 2024 “57th SHOUT!” -FINAL-』発売中8,500円(税込)<ライブ情報>岸谷香 感謝祭20252月22日(土)・23日(日) 東京・EX THEATER ROPPONGIゲスト:森高千里/渡瀬マキ(LINDBERG)※両日SOLD OUTLIVE TOUR 2025 『58th SHOUT!』6月7日(土) 神奈川・横浜ランドマークホール6月14日(土) 福岡・福岡DRUM LOGOS6月15日(日) 広島・広島クラブクアトロ6月21日(土) 北海道・札幌ペニーレーン246月28日(土) 大阪・心斎橋BIGCAT6月29日(日) 愛知・名古屋ダイアモンドホール7月6日(日) 宮城・仙台Rensa7月26日(土) 東京・恵比寿ザ・ガーデンホール【チケット情報】全席指定:9,000円※4月上旬発売予定岸谷香 オフィシャルサイト
2025年01月20日YouTuber柚木蘭丸が5日、自身のチャンネルを更新した。【画像】松村沙友理が最新ショットを披露あのYouTuberとの2ショットも「今までありがとう。改名します。」とタイトルに動画を投稿。動画内では両親について言及する場面があり、俳優の岸谷五朗&歌手の岸谷香の息子であると述べた。衝撃の発表に反響は続々である。コメント欄には「お父さんと顔にすぎでしょ」「言われてみれば似てるかも」など多く寄せられている。
2024年12月06日岸谷五朗と寺脇康文、豪華出演者によるエンターテインメントショー、チャリティプロジェクト『Act Against Anything VOL.3「THE VARIETY 29」』が2024年12月1日、東京・日本武道館で開催された。エイズと闘う子供たちへの寄付のため、1993年に岸谷五朗の呼びかけで始まったチャリティコンサート『Act Against AIDS』(略称AAA)が、2020年に名称を『Act Against Anything』と改め、エイズ以外にも幅を広げた支援活動を行なってきた。『Act Against Anything』としては3度目、日本武道館での公演は4年ぶりとなる。今年の『Act Against Anything VOL.3「THE VARIETY 29」』のサブタイトルは、“皆でチャリティ!異業種エンターテイナー団結!武道館降臨!”。岸谷、寺脇と舞台や映像で共演してきた俳優陣をはじめ、実力派ミュージシャンやお笑い芸人ら、異業種で活躍するエンターテイナーたちが武道館に集結。歌って踊って大いに笑って、渾身のパフォーマンスに会場は終始多幸感に満ちていた。会場が暗転すると、ステージ両サイドのスクリーンに『Act Against Anything VOL.3「THE VARIETY 29」』に向けた岸谷からのメッセージが流れた。チャリティコンサートを続けていくことの難しさ、子供たちが悲しむような出来事がなくならない世界に対しての憤り、そして“愛しい後輩”である三浦春馬の志を胸に続けていくこと。そんな熱い想いが綴られていた。岸谷五朗/寺脇康文岸谷五朗/寺脇康文幕開けは、息の合った振り付けで岸谷と寺脇が歌った、サザンオールスターズの「ボディ・スペシャルⅡ(BODY SPECIAL)」。杉山真梨佳、中村百花、小林由佳、田口恵那のコーラス隊を従え、“踊ろうよ 武道館で”“ステキなチャリティを”と、歌詞をイベントに合わせた言葉に変えて歌うと、会場は大盛り上がり。岸谷は「このエネルギーを被災地に届けましょう」とメッセージを送った。続いて、颯爽と現れた大黒摩季は、「熱くなれ〜夏が来る〜あなただけ見つめてる」と3曲のメドレーでパワフルな歌声を聴かせ、「心をひとつにしましょう!」と「ら・ら・ら」が始まると大きなクラップが始まり、サビでは左右に手を振りながら大合唱。大黒摩季会場が一体となったところで、斉藤和義の名曲「歌うたいのバラッド」を温かい声で歌ったのは小関裕太だ。ステージ向かって右側に伸びる花道から登場すると、ゆっくりとステージを歩きながら、観客に語りかけるように美声を聴かせた。日本武道館を歌の舞台にした爆風スランプの名曲「大きな玉ねぎの下で」で大きな感動を起こしたのは、サンプラザ中野くんとパッパラー河合。1994年からこの活動に参加し、本プロジェクトには欠かせない彼らは「これからも生き甲斐として続けていくぞ!」と、今年メジャーデビュー40周年を迎えた爆風スランプの最新曲「IKIGAI」に繋げた。小関裕太サンプラザ中野くん/パッパラー河合「ヒーローが来るよ」と曲紹介した後、拳を上げて歌った「Brave Love, TIGA」は、1996年のAAAで結成したチャリティユニット「地球防衛団」の楽曲で、「ウルトラマンティガ」のエンディングに起用されたナンバー。俳優の猪塚健太と新原泰佑に、岸谷と寺脇も加わってパワフルに歌い上げ、最後はウルトラマンポーズをきめた。しっとりとした歌声で空気を一変させたのは、今年デビュー50周年を迎えた中村雅俊。桑田佳祐が作詞作曲を手掛けた「恋人も濡れる街角」と、デビュー曲「ふれあい」の2曲を披露した。猪塚健太新原泰佑中村雅俊現在公演中の森雪之丞作、岸谷五朗演出のミュージカル『SONG WRITERS』からは、中川晃教、屋良朝幸、武田真治が登場。メインテーマの「ソングライターズ」では、W主演の屋良と中川が軽やかなステップで歌い踊り、武田はサックスを演奏。ロックチューンの「ハッピーエンドが待っている」では、岸谷と藤林美沙も加わり、エネルギッシュな歌とダンスで魅了した。続いて、ステージに現れた大きな階段の上には甲斐翔真。舞台『next to normal』より、「I’m Alive」を凛々しい歌声で響かせ、ピアノの調べとともに登場した城田優は、「夢の種〜I’ll be by your side」を情感たっぷりに届けた。中川晃教/武田真治/屋良朝幸城田優岸谷の新たな相棒として紹介されたのはロバートの秋山竜次。数種類のお面を使って変化する「変梅ショー」で盛り上げた後、岸谷との一夜限りのユニット“体格!Before After”を結成。「Before、After」とふたりのお腹を見せるというネタは岸谷の発案だったそう。秋山はショルキーを、岸谷は大きなほうきを肩に下げて「TOKAKUKA」を歌い終えたところで、「僕もこのユニットに混ぜてほしい」と現れたのは寺脇。3人揃いの髪型とつけ髭で、ささやかな願いを歌い連ねる名曲「願い」を熱唱。「みなさんに最後まで楽しんでもらいたい」と岸谷が歌うと、会場から大きな拍手が湧いた。秋山竜次(ロバート)/岸谷五朗/寺脇康文岸谷と寺脇が主催する『地球ゴージャス』も今年で30周年。舞台で生まれた名曲たちが聴けるのも、「Act Against Anything」のハイライトのひとつである。『地球ゴージャス』を飾る俳優陣がステージに集結し、地球ゴージャスコーナーのオープニングを飾った『X day』からは「奇跡の唄」、桑田佳祐の楽曲による音楽劇『クラウディア』からは「闘う戦士(もの)たちへ愛を込めて」と「真夏の果実」、『クザリアーナの翼』からは「ジャメーリアよ!蜂起せよ」と「クザリアーナの翼」をセレクト。『The PROM』の「Dance with you」では、ボーカルをとった三吉彩花と葵わかなが最後にハグをするシーンも。同じく『The PROM』から「It’s Time to Dance」、『The Love Bugs』から「伝説の雄(おとこ)」、そしてラストは『星の大地に降る涙』の「愛すべき未来へ」と、圧巻のパフォーマンスで締め括った。三吉彩花/葵わかな地球ゴージャス「AAA報告」のコーナーでは、2022年神奈川・パシフィコ横浜で開催した「Act Against Anything VOL.2『THE VARIETY 28』」で得た寄付金額と、その使い道について報告した。『Act Against Anything VOL.2』での寄付金総額は834万8680円。寄付先である「特定非営利活動法人国連UNHCR協会」を通じてウクライナ緊急支援に、「公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン」を通じてトルコ・シリア大地震の支援に充てられた。最後のアクトとして岸谷と寺脇が.ENDRECHERI.を呼び込むと、大きな歓声があがった。演奏に入る前に彼は静かに語った。「僕が音楽に込めている想いは3つあります。ひとつは命、ふたつめは平和、3つめは愛です」。今回披露する3曲は、それぞれのテーマから選んだという。1曲目はフリーセッション。.ENDRECHERI.バンドのメンバーと命を重ねるように、ギターをプレーし、熱いセッションを展開。次は平和をテーマにした「LOVE VS. LOVE」を、最後は愛をテーマに作ったというシンガーソングライターとしてのデビュー作「Machi....」をじっくりと聴かせた。ENDRECHERI.ラストは全出演者がステージに集結して、「Act Against Anything」で歌い継がれている「一人じゃないから」を大合唱。感動が渦巻く中、約3時間のステージは終了した。終演後に行なわれた囲み取材では、4年ぶりに立った日本武道館のステージに対し、岸谷は「今日お客様の顔を見られて、本当に幸せでした。このお客様たちのおかげでチャリティができているということを実感しました。30年やっているんですけど、今日は特に感じました、みなさんの熱を」と語り、寺脇は「武道館って本当に客席が近くて、あったかい雰囲気になるんですね。今日は最初から逆にお客さんが僕たちに力を与えてくださって、あたたかく迎えてくださったので、出だしからちょっとうるっとなったんですけど、とてもいいコンサートになったんじゃないかなと思います」と振り返った。初参加の.ENDRECHERI.は、「世の中だったり、世界に対して何かできたらなと思っていても、どうすればそれが繋がるのか、わからないところもあると思うんです。そういったチャリティのイベントというアクションをおこしてくれる方がいらっしゃることで架け橋になると思う」と語り、同じく初参加の秋山竜次は「緊張しちゃったんですけど、ものすごくみなさんが優しくて、素晴らしいステージの中でやらせてもらえて本当に光栄でした」と感想を述べた。中村雅俊は「本当にお客さんが優しいし、出ていくだけですごいリアクションをくれるし、チャリティという名目ですけど善意があふれていて、めちゃくちゃいいライブだったなと思います。実に楽しい時間でした」と語り、そして大黒摩季は「苦しいチャリティは続かないので、みなさんが楽しみながら、結果的にチャリティになっているという素敵なライブを死ぬまでやってください」と、ふたりにエールを送った。岸谷、寺脇によるチャリティイベントは、来年2025年に30回目を迎える。開催の可能性を問われると、「また来年も、できることをできる範囲で楽しみながらやりたいなと思います」と寺脇が語る一方、岸谷は「このショーを作るのは本当にきついんですよ」と本音を吐露。しかし「世界の情勢を見ていると、子供たちの泣き顔だらけで。それを見ていると弱音を吐いてられないなと思うので、それを踏まえながらまた画策したいなと思います」と、意欲を見せた。30回目の記念すべきステージに期待は高まるばかりだ。<公演情報>Act Against Anything VOL.3『THE VARIETY 29』12月1日(日) 日本武道館出演者:岸谷五朗 寺脇康文葵わかな / 秋山竜次(ロバート) / 猪塚健太 / .ENDRECHERI.(堂本剛)/ 大黒摩季 / 大村俊介(SHUN) / 甲斐翔真 / 小関裕太 / 小林由佳 / サンラザ中野くん・パッパラー河合 / 城田優 / 杉山真梨佳 / 田口恵那 / 武田真治 / 中川晃教 / 中村雅俊 / 中村百花 / 新原泰佑 / 藤林美沙 / 三吉彩花 / 屋良朝幸※岸谷五朗、寺脇康文以降の出演者クレジットは五十音順THE VARIETY BAND高木茂治 / 会田敏樹 / 高橋結子 / 曽根未宇司 / 金井央希 / 鈴木一葉/ 金山徹 / 寺内茂 /堀江有希子 セットリストM1. 「ボディ・スペシャル II(BODY SPECIAL)」岸谷五朗/寺脇康文/杉山真梨佳/中村百花/小林由佳/田口恵那M2. メドレー「熱くなれ〜夏が来る〜あなただけ見つめてる」大黒摩季M3. 「ら・ら・ら」大黒摩季M4. 「歌うたいのバラッド」小関裕太M5. 「大きな玉ねぎの下で」サンプラザ中野くん/パッパラー河合M6. 「IKIGAI」サンプラザ中野くん/パッパラー河合M7. 「Brave Love, TIGA」岸谷五朗/寺脇康文/猪塚健太/サンプラザ中野くん/パッパラー河合/新原泰佑M8. 「恋人も濡れる街角」中村雅俊M9. 「ふれあい」中村雅俊M10. 「ソングライターズ」(『SONG WRITERS』)中川晃教/屋良朝幸/武田真治M11. 「ハッピーエンドが待ってる」(『SONG WRITERS』)中川晃教/屋良朝幸/武田真治/岸谷五朗/藤林美沙M12. 「I’m Alive」(『next to normal』)甲斐翔真M13. 「夢の種~I’ll be by your side」城田優M14. 「変梅ショー」秋山竜次(ロバート)M15. 「TOKAKUKA」秋山竜次(ロバート)/岸谷五朗/杉山真梨佳/中村百花/小林由佳/田口恵那/大村俊介(SHUN)M16. 「願い」秋山竜次(ロバート)/岸谷五朗/寺脇康文M17. 「ゴージャスコーナー オープニング」(『X day』)岸谷五朗/寺脇康文/中川晃教/藤林美沙/葵わかな/猪塚健太/甲斐翔真/大村俊介(SHUN)/城田優/杉山真梨佳/中村百花/新原泰佑/三吉彩花/小林由佳/田口恵那M18. 「奇跡の唄」 (『X day』)岸谷五朗/寺脇康文/中川晃教/藤林美沙/猪塚健太/甲斐翔真/大村俊介(SHUN)/杉山真梨佳/中村百花/新原泰佑/小林由佳/田口恵那M19. 「闘う戦士(もの)たちへ愛を込めて」(『クラウディア』)新原泰佑/岸谷五朗/寺脇康文/猪塚健太/甲斐翔真/大村俊介(SHUN)/杉山真梨佳/中村百花/藤林美沙/小林由佳/田口恵那M20. 「真夏の果実」(『クラウディア』)甲斐翔真/岸谷五朗/寺脇康文/猪塚健太/大村俊介(SHUN)/杉山真梨佳/中村百花/新原泰佑/藤林美沙/小林由佳/田口恵那M21. 「ジャメーリアよ!蜂起せよ」 (『クザリアーナの翼』)岸谷五朗/寺脇康文/藤林美沙/猪塚健太/大村俊介(SHUN)/新原泰佑/杉山真梨/中村百花/小林由佳/田口恵那M22. 「クザリアーナの翼」(『クザリアーナの翼』)岸谷五朗/寺脇康文/猪塚健太/大村俊介(SHUN)/杉山真梨佳/中村百花/中村雅俊/藤林美沙/新原泰佑/小林由佳/田口恵那M23. 「Dance with you」(『The PROM』)葵わかな/三吉彩花/岸谷五朗/寺脇康文/猪塚健太/大村俊介(SHUN)/杉山真梨佳/中村百花/新原泰佑/藤林美沙/小林由佳/田口恵那M24. 「It’s Time to Dance」(『The PROM』)葵わかな/三吉彩花/大黒摩季/岸谷五朗/寺脇康文/猪塚健太/大村俊介(SHUN)/杉山真梨佳/中村百花/新原泰佑/藤林美沙/小林由佳/田口恵那M25. 「伝説の雄(おとこ)」 (『The Love Bugs』)城田優/岸谷五朗/寺脇康文/猪塚健太/大村俊介(SHUN)/杉山真梨佳/中村百花/新原泰佑/藤林美沙/小林由佳/田口恵那M26. 「愛すべき未来へ」(『星の大地に降る涙』)岸谷五朗/寺脇康文/猪塚健太/大村俊介(SHUN)/城田優/杉山真梨佳/中村百花/新原泰佑/藤林美沙/小林由佳/田口恵那M27. 「セッション」.ENDRECHERI.(堂本剛)M28. 「LOVE VS. LOVE」.ENDRECHERI.(堂本剛)M29. 「Machi....」.ENDRECHERI.(堂本剛)M30. 「一人じゃないから」ALL CASTAct Against Anything VOL.3「THE VARIETY 29」公式HP
2024年12月02日屋良朝幸と中川晃教が主演するミュージカル『SONG WRITERS』の再々演が11月6日に東京・シアタークリエにて開幕した。作詞家・森雪之丞と演出家・岸谷五朗がタッグを組み創作、2013年に初演されたもので、日本オリジナルミュージカルの傑作として名高い作品だ。今回は2015年の再演を経て9年ぶり、待望の登場となるが、キャスト陣のコメディセンスも冴え、いっそうパワーアップしたステージになっている。出演は初演から続投する屋良、中川、武田真治、コング桑田のほか、実咲凜音、相葉裕樹、青野紗穂、蒼木陣、東島京らが新キャストとして加わった。屋良朝幸中川晃教物語の舞台は1976年のアメリカ。自信過剰な作詞家のエディ・レイク(屋良朝幸)と、気弱な作曲家のピーター・フォックス(中川晃教)の幼馴染ふたりは、自分たちの作ったミュージカルがブロードウェイでヒットすることを夢見ている。ある日、音楽出版社のディレクター・ニック(武田真治)が「ふたりの曲をボスが気に入った」と言ってくる。ただし契約の条件は、その曲にふさわしい女性歌手を見つけること。偶然エディが出会った女優の卵マリーの歌声に全員が惚れ込み、ミュージカル制作は動き出す。武田真治実咲凜音一方、エディが書き始めた物語の世界では、マフィアのボス・カルロ(コング桑田)が内通者の刑事・ジミー(相葉裕樹)のおかげでニューヨーク市警の手から逃れ、大きな取引をしようとしているところ。だがカルロの情婦であるクラブ歌手パティ(青野紗穂)は、ジミーの元恋人で……。左から)蒼木陣、相葉裕樹、コング桑田、東島京左から)青野紗穂、相葉裕樹トリッキーな展開の中で、愛らしいキャラクターたちが右往左往しながらハッピーエンドを目指していく、パワフルな物語だ。コミカルなセリフの応酬や、ミュージカルファンのツボを突く“ブロードウェイ・オマージュ”にニヤリとしているうちに森雪之丞の仕掛けに嵌り、物語はとんでもない方向へ……。岸谷五朗らしいスピーディで躍動感ある演出も冴え、とにかく飽きさせない展開がいい。そしてこの世界の中、役者たちが本当に生き生きと躍動する。すべてのキャラクターに俳優本人の魅力が満ち満ちていて、隅から隅まで楽しい。特に屋良と中川は台詞のやりとりのテンポ感のしっくり具合、歌声の溶け合い具合がまさに“バディ”。もはやエディなのか屋良なのか、ピーターなのか中川なのか、演技なのか素なのかわからないほど自然体で相棒になっている。作曲はKO-ICHIRO(Skoop On Somebody)、さかいゆう、杉本雄治、中川晃教、福田裕彦。ミュージカルで複数人の音楽家がいることはややもすれば統一感がなくなってしまう危険性もあるのだが、本作においては様々に場面が飛ぶ複層的な構造を持つ物語にマッチ。ブロードウェイらしい煌びやかなナンバー、キャラクターの心情をしっとり歌い上げるナンバー、コミカルなナンバー、サスペンスフルな展開にぴったりのナンバー等々、音楽も玉手箱のようだ。俳優たちのパフォーマンスのレベルの高さもあり、ミュージカルとして満足度の高いものになっている。この作品で、運命の人と出会った― 初日前会見で絆を再確認初日前日の11月5日は、公開ゲネプロと屋良、中川、実咲、武田、森雪之丞、岸谷五朗による会見も。屋良と中川の息のあいっぷりを記者に指摘されたところ、中川が「伝わっちゃいました? やっぱりこの作品で出会って僕たち結婚したみたいな感覚あるから……」と嬉しそうに答え、屋良が「ないないない(笑)! いや、その発言は疑われるぞ!」と慌てるも、「それだけ運命の人と出会った」(中川)「それは、そう」(屋良)と話すなど、終始ふたりの絆の強さが伝わってくるものに。なお、自分にはないお互いの魅力は「(屋良は)何事にも臆さないところと、舞台に立つ人間としての厳しさ。僕もかなり自分にストイックではあるのですが」(中川)「アッキー(中川)は、ある意味器用じゃないんだけど、だからこそ綿密に、一つのセリフも紐解いていく。僕はわからなくてもとりあえず動いてしまうのですが、アッキーはわからなかったらストップする、ちょっと動物的な感覚があって、そこはすごく羨ましい。あとはやっぱり同年代というのも大きい」(屋良)とのこと。また初演から11年経ち変わったところは、という質問には「アッキーのダンスが上手くなりました! 振付を覚えるスピードも上がったし、技術的にもパワーアップしている。前回は絶対にできないステップが一ヵ所あったけど(今回はできている)」とダンサーでもある屋良が中川のダンスに太鼓判を押していた。実咲も「マリーは舞台上を駆け回っていてハードなのですが、不安よりワクワクの方が断然大きい。お三方(屋良、中川、武田)は心の若さがみなぎり、稽古場では小学生かのようにワチャワチャしていたけれど(笑)、それがこの作品にパワーを与えてくださっている」と話し、武田も「稽古場に通うのがこれほど楽しい作品ってなかなかない。9年前の再演で僕は『SONG WRITERS』はやり切ったかなと思ったけれど、雪之丞先生の脚本は、まだまだ深掘りするところがたくさんあった。10歳齢をとりましたが、パワーアップした舞台を届けたい」と意気込んだ。岸谷は「10年前の作品をまた上演できるというのは、ちょっとご褒美をいただいたような気持ち。キャストがめちゃくちゃ面白く、雪之丞さんの書いたキャラクターが役者の力で命を得てキュートに輝いている。普段の初日は不安が大きいので、こんなに初日が楽しみなのはなかなかない」と話し、森は「クリエイターとしては、僕がこの世からいなくなっても作品が残り、代々違うキャストが演じて、作品が受け継がれていくというのが最高のこと。なのだけれど、この作品はこのキャスト以外、考えられないというのが困ったところ。ひょっとしたらこの作品はこれで終わってもいいのかもと思うくらい」という最大の賛辞をキャストに贈っていた。ゲネプロが行われた11月5日にちょうど誕生日を迎えた中川は「初演の2013年も、ツアー中に誕生日を迎えました。作品をきっかけに、自分の時間を振り返ることができる、これもまた舞台やミュージカルのいいところ。すべての思いを込めて愛おしい舞台になっています」としみじみとしたコメントも。屋良は「盛りだくさんという言葉がこんなに似合うエンターテインメントはない。最高に笑える作品なので、たくさん笑って、たくさんストレス飛ばしに来ていただけたら」とアピール。公演は11月6日(水)から28日(木)まで同劇場にて。その後12月には大阪、愛知公演もあり。チケットは発売中。取材・文・撮影:平野祥恵★屋良朝幸さん&中川晃教さんのインタビュー掲載中!屋良朝幸&中川晃教の“名バディ”再び! 伝説のミュージカル『SONG WRITERS』から始まったふたりの絆()<公演情報>ミュージカル『SONG WRITERS』作・作詞・音楽プロデュース:森雪之丞演出:岸谷五朗音楽監督・作曲:福田裕彦作曲:KO-ICHIRO(Skoop On Somebody)、さかいゆう、杉本雄治、中川晃教出演:屋良朝幸中川晃教実咲凜音相葉裕樹青野紗穂蒼木陣東島京コング桑田武田真治他【東京公演】2024年11月6日(水)~11月28日(木)会場:シアタークリエ【大阪公演】2024年12月7日(土)・8日(日)会場:森ノ宮ピロティホール【愛知公演】2024年12月11日(水)会場:Niterra日本特殊陶業市民会館 ビレッジホールチケット情報:()公式サイト:
2024年11月07日日本を代表する作詞家・森雪之丞と、俳優のみならず演出家としても活躍する岸谷五朗によって、2013年に生み出されたオリジナル・ミュージカル『SONG WRITERS』。森が脚本・作詞と音楽プロデュースを、KO-ICHIRO(Skoop On Somebody)、さかいゆう、杉本雄治、中川晃教が作曲を、そして岸谷が演出を手掛けた舞台は客席を大いに沸かせ、2015年には再演もされている。それから約10年の時を経て、待望の復活公演が実現。屋良朝幸、中川晃教、武田真治、コング桑田らオリジナルメンバーに、実咲凜音、相葉裕樹、青野紗穂ら新キャストを加え、明日11月6日(水)に作品誕生の地・シアタークリエ(東京・日比谷)に帰ってくる。舞台は1976年のアメリカ。自信過剰な作詞家エディ・レイク(屋良)と気弱な作曲家ピーター・フォックス(中川)は、いつか自分たちの作ったミュージカルがブロードウェイで上演されることを夢見て創作に励んでいた。そんなふたりのもとにある日、音楽出版社のディレクター、ニック・クロフォード(武田)が現れ、ボスがふたりの曲を気に入っていると告げる。ニックが突き付けた契約の条件は、書きかけのミュージカルを1年以内に完成させることと、その作品に相応しいディーバを見つけること。エディは物語を書き始めるが、次第に物語と現実が交錯し、自身のミュージカルの世界に取り残されてしまう……。SONG WRITERS 2024 Teaser Trailer生みの親であるふたりはそれぞれ、「『SONG WRITERS』は、夢を叶えようとする人々の群像劇です。と同時に、それは日本発のミュージカルを立ち上げようとした12年前の僕と岸谷五朗の物語でもあります。(中略)ここからオリジナル・ミュージカルの本当の歴史が始まります」(森)、「雪之丞さんの“あったかな心”が詰まった、とってもキュートな作品『SONG WRITERS』!(中略)皆様の心も“あったか”にできるように頑張ります!」(岸谷)とコメント。日本発のミュージカルを育てようとするふたりの思いに、ふたりを慕う実力派キャスト陣が応える、大いに熱い舞台となりそうだ。文:熊田音子★ミュージカル『SONG WRITERS』公開稽古レポート掲載中!ミュージカル『SONG WRITERS』約10年ぶりの公演が来月開幕屋良朝幸、中川晃教らが息の合った稽古を披露()<公演情報>ミュージカル『SONG WRITERS』作・作詞・音楽プロデュース:森雪之丞演出:岸谷五朗音楽監督・作曲:福田裕彦作曲:KO-ICHIRO(Skoop On Somebody)、さかいゆう、杉本雄治、中川晃教出演:屋良朝幸中川晃教実咲凜音相葉裕樹青野紗穂蒼木陣東島京コング桑田武田真治他【東京公演】2024年11月6日(水)~11月28日(木)会場:シアタークリエ【大阪公演】2024年12月7日(土)・8日(日)会場:森ノ宮ピロティホール【愛知公演】2024年12月11日(水)会場:Niterra日本特殊陶業市民会館 ビレッジホールチケット情報:()公式サイト:
2024年11月05日岸谷香が、2025年2月に初の2デイズ開催される恒例企画『岸谷香感謝祭 2025』に、森高千里、渡瀬マキ(LINDBERG)がゲスト参加することを発表した。『感謝祭』は、岸谷自身が毎年元気に楽しく音楽をやれている事に感謝し、お客様に喜んで頂ける様にと毎回ゲストを迎えセッションをする、2019年から始めた年1回恒例のコラボイベント。毎回、何が飛び出すか分からない特別な公演となっている。なお、岸谷はクリスマスに初のライブBlu-ray『KAORI KISHITANI 40th Anniversary LIVE TOUR 2024 "57th SHOUT!"-FINAL- at Zepp DiverCity(TOKYO)』のリリースも控えている。<ライブ情報>『岸谷香感謝祭 2025』2025年2月22日(土)・23日(日)会場:東京・EX THEATER ROPPONGI22日:OPEN 16:45 / START 17:3023日:OPEN 15:45 / START 16:30ゲスト:森高千里 / 渡瀬マキ(LINDBERG)【チケット】全席指定:9,900円(ドリンク代別、税込)ぴあアプリ先行:11月19日(火)~11月24日(日)チケットぴあ独占先行:11月26日(火)~12月4日(水)<リリース情報>『KAORI KISHITANI 40th Anniversary LIVE TOUR 2024 "57th SHOUT!"-FINAL- at Zepp DiverCity(TOKYO)』2024年12月25日(水) リリース価格:8500円(税込)岸谷香 OFFICIAL SITE:
2024年10月27日現在放送中の大河ドラマ「光る君へ」に出演する高杉真宙の公式Xにて、“家族写真”が公開された。「光る君へ」は、吉高由里子演じる紫式部(まひろ)が主人公の物語。今回投稿された写真は、藤原惟規役の高杉のクランクアップ時のもの。そして、花束をもつ高杉の両側には、姉・まひろ役の吉高、父・藤原為時役の岸谷五朗が立ち、3ショットの家族写真となった。公開中の“君かたり”では、「人に愛されてきたキャラクターだった」と惟規についてふり返っていた高杉。今回の投稿のコメント欄は、「惟規を演じてくれてありがとう」、「とっても素敵な家族写真」、「きゃー泣ける弟くん、癒しでした~」、「クランクアップお疲れ様でした」、「惟規にもう会えないのは寂しいですが、最終回までしっかりと見届けたいと思います!」などと視聴者からの愛あるメッセージで溢れている。第40回「君を置きて」あらすじ(10月20日放送)一条天皇(塩野瑛久)が体調を崩したことで、次期皇位を巡る公卿たちの動きが加速。一方、天皇の容態を心配する彰子(見上愛)にまひろが付き添っていると、道長(柄本佑)がやってきて、彰子は感情を露わにする――。大河ドラマ「光る君へ」は毎週日曜日20時~NHK 総合(再放送 翌週土曜13時5分)、毎週日曜日18時~NHK BS・BSP4K、毎週日曜日12時15分~NHK BSP4Kにて放送中。(シネマカフェ編集部)
2024年10月16日12月1日(日) に東京・日本武道館で開催される、岸谷五朗・寺脇康文と豪華出演者によるエンターテインメントショー「Act Against Anything VOL.3『THE VARIETY 29』」(AAA)の第1弾出演者が発表された。1993年、岸谷の呼びかけにより、エイズ啓発を目的としたチャリティコンサートとして誕生した「Act Against AIDS『THE VARIETY』」。以降2018年までの間に26回のコンサートを、寺脇とともに様々なゲストを迎え開催してきた。その後、エイズ啓発という当初の目的から大きな前進があり、2020年12月より、“ひとりでも多くの子供たちとその未来を守りたい”と、貧困、難病、教育問題など多くの困難に立ち向かう子供たちへの支援を目的とした、「Act Against Anything『THE VARIETY』」として新たなスタートを切った。4年ぶりに日本武道館で開催される今回は、岸谷と寺脇のほかに、舞台・ドラマ・映画と多方面に活躍している猪塚健太、2016年の初出演以来8年ぶりの出演となるシンガーソングライターの大黒摩季、演出や振付だけでなく、キャストとしても活躍している大村俊介(SHUN)、ドラマ・舞台など注目作への出演が続き、最近はフォトグラファーとしても活躍している小関裕太、1994年から本プロジェクトの活動に参加しているサンプラザ中野くん・パッパラー河合、数多くの舞台に出演し、地球ゴージャス作品ではお馴染みの杉山真梨佳、中村百花、舞台・ドラマで主演を務めるなど、着実に活躍の幅を広げている新原泰佑、俳優・振付師として、多彩な経歴と実力の持ち主である藤林美沙といった面々が集結。この日しか観られない特別なエンターテインメントショーが届けられる。チケットは、地球ゴージャスFCおよびAmuse+の先行(抽選)が本日10月1日(火) よりスタート。オフィシャルサイト先行(抽選)は10月8日(火) より開始される。なお本公演の利益は、その時々に支援を必要としている子供たちのために充てられる。■岸谷五朗 コメント武道館を揺るがすミュージシャン続々参戦!とんでもない異業種のまさかの強者達(つわものたち)の乱入に大混乱!必死の地球ゴージャス!30周年ガラコンサートに俳優陣大集結!AAA始まって以来のキャスト数でお送りするビッグライブ!さあ!皆さま、こぞって武道館に集結してください!皆んなの力で、世界の平和を祈り、一人でも多くの子供たちが笑顔になれるように、本気のチャリティーいたしましょう!心から、よろしくお願いいたします!武道館でお待ちしております。<公演情報>Act Against Anything VOL.3『THE VARIETY 29』2024年12月1日(日) 東京・日本武道館開場16:30 / 開演17:30【出演】岸谷五朗 寺脇康文猪塚健太 / 大黒摩季 / 大村俊介(SHUN) / 小関裕太 / サンプラザ中野くん・パッパラー河合 / 杉山真梨佳 / 中村百花 / 新原泰佑 / 藤林美沙 and more……【バンドメンバー】THE VARIETY BAND高木茂治 / 会田敏樹 / 高橋結子 / 曽根未宇司 / 金井央希 / 鈴木一葉 / 金山徹 / 寺内茂 / 堀江有希子【チケット情報】指定席:8,800円(税込)※3歳以上チケット必要、2歳以下は膝上に限り無料/入場に関する年齢制限なし■地球ゴージャスFC先行 / Amuse+先行(抽選):10月7日(月) 23:59までAct Against Anything VOL.3『THE VARIETY 29』オフィシャルサイト:
2024年10月01日丸山隆平主演『金子差入店』より新たに7名のキャストの出演が発表された。本作は、刑務所や拘置所への差入を代行する「差入屋」を舞台に、家族の絆と人間ドラマを描く感涙のヒューマンサスペンス。この度解禁された追加キャストは、川口真奈、北村匠海、村川絵梨、甲本雅裕、根岸季衣、岸谷五朗、名取裕子の7名。川口はオーディションで抜擢され、映画初出演。毎日のように拘置所を訪れる女子高生・二ノ宮佐知を演じた。北村は罪を犯し拘置所に収容される小島高史を演じる。さらに、丸山演じる金子真司の息子の幼なじみの母親・徳山詩織役を演じるのは村川。金子家と関係性の深い弁護士・久保木役には、日本を代表する名バイプレイヤーの一人である甲本。差入の依頼のために金子を訪ねる小島の母・小島こず江役には、根岸。そして、佐知が毎日のように拘置所を訪れ、面会を求める男・横川哲役で、岸谷が出演。また真司の母、金子容子役として名取が参加する。差入店を中心に交差する複雑な事情を抱える人々のドラマという難しい題材を描くために、期待の新人から主演級の実力派俳優まで多彩なキャストが集結。その演技にも大きな注目が集まる。『金子差入店』は2025年、全国にて公開。(シネマカフェ編集部)■関連作品:金子差入店 2025年全国にて公開予定
2024年09月18日作詞家・森雪之丞と、俳優にして演出家でもある岸谷五朗がタッグを組み創作、2013年に初演された『SONG WRITERS』。日本発のオリジナルミュージカルの傑作として、いまや伝説と化しているこの作品が、2015年の再演を経て約10年ぶりに帰ってくる! しかも主人公の幼馴染ふたりには、初演・再演時も大いに沸かせた、屋良朝幸と中川晃教が続投! 三たび“名バディ”エディ&ピーターに扮する屋良と中川に話を聞いた。初対面は『Endless SHOCK』の幕間で――『SONG WRITERS』と言えば、屋良さんと中川さんの名バディぶりも話題になった、伝説のミュージカル。2013年の初演時がおふたりの初共演でしたね。初対面の時のことを覚えていますか?屋良俺が出演していた『Endless SHOCK』の楽屋に来てくれたんだよね?中川しかも1幕と2幕の間の休憩時間だった(笑)。屋良そうそう!「中川さん来ます」と言われて「嘘でしょ!?」と思った(笑)。中川たしか、終演後は化粧落としたりするので慌ただしいから幕間に……と誰かが気を遣った結果、そうなったんだよ。僕はあの時が初・SHOCKだったから、公演自体「すごー……」と思って観てたし、その中で屋良っちがすごくカッコ良くて。何て言うのかな……、僕たち比較的小柄じゃないですか。屋良っちを見て、そこがいいなと思ったの。つまり、大きい人たちをバックに従えて「お前らと俺は違うんだ!」という気迫を感じて、また役もちょっとそういう感じの役だったし。自分を投影して見てしまったんだよね。でもそもそも、屋良っちに関しては前情報がすごくて。「とにかくすごい人だから」って。屋良ほんとにやめてほしい……(苦笑)。お互いの魅力は「唯一無二」(中川)「自分にないものがある人」(屋良)中川アイドルの人たちって、僕らよりずっとレスポンスの速さを求められる世界に生きていて、そのヒリヒリハラハラなところすら、カッコいいとお客さんに思わせる人たち。表現者としてトップオブトップだと思ってるんです。その中でも同い年のほかの人とは何かが違ったし、屋良っちがまわりから一目置かれているというのは、実際に会って「なるほどね」と思った。クリエイターっぽいところも持ち合わせているけれど、やっぱりアイドルであることを大事にしている。……で、「なんでこの人が、俺と一緒にシアタークリエでオリジナルミュージカルをやろうと思ってくれたんだろう」「もしかしたらここからまたさらなる新しい場所を見つけていきたいのかな、きっと野心があるんじゃないかな」と感じたのが、最初の印象でした。屋良俺は……、緊張してた。中川そんな風には見えなかったけど(笑)。屋良いや、緊張するでしょう(笑)。でも今話していて思い出したけど、2012年のシアタークリエ公演『道化の瞳』が初単独主演だったんだけど、この時、すぐには(前所属)事務所からGOが出なかったんだよね。今でこそ舞台をやっている人も多いけど、その頃は事務所外の舞台公演に出る人はほとんどいなかった。自分がこの道を進まないと、後ろに道が出来ないなと思ってかなり頑張って説得したんです。――なんと。事務所から「次はこの舞台です」と来たお仕事なのではなく、屋良さんの方が熱意を持って舞台をやりたいと言ったんですね……!屋良そうなんです。『SONG WRITERS』もそうだったけど、『道化の瞳』はGOが出るまで1ヵ月くらい毎日話し合った。ここを切り拓かないと未来がないなと思って。でも『SONG WRITERS』は、最初にアッキーの名前を聞いて「ちょっと待って、俺は対等に並び立てるレベルじゃないよ」と思ったのも事実です。アッキーのことはアーティストとしてキャリアをスタートされたのも知ってたし、舞台に出た時は「俳優もやるんだ」と思ったし、帝劇で『モーツァルト!』も観ていますから。ずっとすごい人だと認識してた。でも俺がミュージカル界のトップの人とご一緒できる環境があるんだったら、やるべきだと思ってチャレンジしたんです。中川へぇ~。屋良『SONG WRITERS』はおかげさまでとても評判が良かったし、たぶんここから色々と流れが変わったんだよね。事務所の中で“演劇・ミュージカル”との向き合い方が。――いいお話です。そしてその初演から11年、おふたりは交友を深めていらっしゃるようですが、お互いのパフォーマーとしての魅力はどう見ていますか?中川唯一無二だと思います。常に新しいクリエーションを続け、一方でアイドルという肩書で求められる自分、その両方をひとつの額縁の中で成立させている人ってほかになかなか思い浮かばない。同じように堂本光一さんという方はアイドルでありながら後輩たちのことも考え、未来を見つめてエンターテインメントに取り組んでいらっしゃる。その光一さんが屋良っちのことを可愛がってたと聞いて、やっぱりなと思った。屋良光一くんもだけど、自分の中では少年隊の存在が大きいかな。あの方たちが、アイドルと舞台の垣根を超えてエンターテインメントというものに向き合ってきたパイオニアだと思う。もちろんダンスも歌もホンモノだし。それを間近で見てきたので、自分がやってることは自分にとっては“普通”なんだよね。振付とかを後輩に教えたりするから、少し特殊な部分もあったかもしれないけど。中川なるほどねー。屋良俺から見たアッキーは“自分にないものがある人”。歌声の素晴らしさはもちろんなんだけど、芝居へのアプローチもそう。俺はずっと、時間のない中で「理解できていなくてもとりあえず進める」ということを求められる世界で生きていて、良くも悪くも“それっぽく見せる”技が身についてしまったんだよね。中川それ、何て言うの?屋良え?中川今後のトークで使えるから言語化しといた方がいいよ(笑)!屋良(笑)。なんだろう、“臨機応変病”(笑)? 振付がわからなくなっても適当に踊ってごまかせる、みたいな。でもアッキーはわからないことを、わからないままにしておかないよね。一度止まって「ここは何ですか、どういうことですか」と一つひとつ解読していく。その姿勢が自分と真逆で、でも物事を真摯に創るってそういうことだなと思った。“臨機応変病”はある意味武器だと思っていたけれど、外の世界じゃ通用しないんだ、これは自分の薄っぺらさだと感じた。これはその後、(岸谷)五朗さんがきちんと指摘してくださったけれど、実はその前にすでにアッキーを見て自分の中では感じていたし、その強さをしっかり持って戦っている同世代として俺はアッキーに憧れました。中川確かに真逆かもね、僕たちのアプローチは。屋良俺はわからなくてもなんとなく形にして通過しちゃうところに、アッキーは素直に引っ掛かれるんだよね。でもたしかにそうしないと、深められない。そういう、表現者としての気付き含め『SONG WRITERS』は自分の中で転機となった作品です。10年を経たふたりの“分かり合ってる”さまにキュンとする?!――そんなおふたりの出会いの作品であり、転機となった『SONG WRITERS』。役柄としては、屋良さんが作詞家のエディ・レイク、中川さんが作曲家のピーター・フォックス。ふたりでブロードウェイにかけられるミュージカルを作ろう!という、幼馴染のクリエイターコンビですね。キャラクターとしての見どころを教えてください。屋良エディは自信過剰で、自分の作るものに対しても絶対の自信がある。そんな彼が、自分の作った物語世界の中に入っていっちゃって、物語のキャラクターや、現実でもピーターや歌手のマリーと関わる中でちょっと自信喪失したりもして……。すごく作中で変化し、成長するキャラクターなのでそこは楽しいところです。あとはパフォーマンスが華やかでとってもエンターテインメント。今回の演出がどうなるかはまだわかりませんが、アクションもダンスもあると思うので、そんなところも楽しんでいただけると思います。中川僕の演じるピーターはエディと逆で、気弱な青年です。でももしかしたら、エディという人間がいるから気弱でいられるのかも。もしエディがピーターの人生に現れなかったら別の性格だったんじゃないかなと思うくらい、エディが僕の傘になってくれている。エディがいなかったら生きていけないような気弱さもあります。でもエディの物語の中に入っていくことで……つまり彼はエンターテインメントを作っているわけなので、その中で歌ったり踊ったりする。ある意味、音楽を体現できるキャラクターでもある。踊りが得意なわけじゃないけれど、抜群に踊れるエディと対等に踊らせてもらえるのは役得ですね。屋良そこそこ踊ってるよね。中川同じ振付を踊ってるのはおかしいと思う……。屋良それ、10年前も同じこと言ってたね(笑)。――三度目の上演ということで、それだけ愛されている作品です。作品としてはどんなところが魅力ですか。中川僕はこの作品、ニューヨークを舞台にしているところが面白いと思っていて。僕らはブロードウェイで最高のミュージカルを作ってヒットさせようとしているコンビでしょ。僕らの居方次第で、そこがニューヨークに見えなければいけない。で、僕自身はともかく、エディを演じる屋良っちを見ていると、そこがスタイリッシュなニューヨークに見えてくる。一方で非現実の世界にも入っていくところが面白くコミカルに描かれていたりもするんだけど。なんかこの組み合わせが、僕は好きだなあ。屋良俺はやっぱり音楽の良さが魅力かな。雪さん(森雪之丞)の詩と、色々な人が担当してくださった音楽がそれぞれいい。アッキーも何曲か書いてくれてるよね。中川冒頭の『鎮魂歌』と、2幕の『現実の国で夢見る人』。屋良『現実の国で夢見る人』! あの曲最高。最後にふたりで歌うんだよね。中川楽屋で昼夜公演のあいだにふたりで練習した音源が、実はスマホに残ってたんだよ。(音源をかける)屋良うわ、なんで録ってるの(笑)。……俺たちちゃんと練習してるね、偉いね。――おふたりの声質、合いますよね。中川それ、初演の時も、再演の時も言われました! 僕ら、声が合うって。屋良ありがたいことです。中川屋良っちのソロ曲って何だっけ?屋良俺、実はソロ曲ないんだよ。アッキーとデュエットしてたり、マリーと歌ったりするけど。ソロはないの。中川じゃあ俺が書くよ! 足してもらおうよ! みんな聴きたいでしょ?屋良いい、いい。ソロ“パート”は山ほどあるから(笑)! アッキーは恐竜の歌があるよね。中川うん『Dinosaur in my heart』。親友が僕の大好きな女性とキスしているのを見て歌う嫉妬の歌(笑)。屋良めちゃめちゃいい曲! ……タイトル、すごいけど(笑)。――屋良さんのソロ曲が足されるのかはさておき、まずは約10年ぶりにエディとピーターが帰ってくるのを楽しみにしています!屋良この10年で色々な経験をしてきましたから、おのずとパワーアップするはずです! 俺らふたりももちろんだし……(武田)真治さんとかもめちゃくちゃパワーアップしてそうだよね。中川間違いない(笑)。僕らも、掛け合いはパワーアップしてるよね、きっと。初演は屋良っちから「ぅおい!(そっちかーい!)」みたいな箇所がいくつかあったけど、そこは「うんうん、こうくるよね、分かってたよ」と変化したりもするかも。その“分かり合ってる”さまに、お客さまが「キュン」となさるかもしれませんね(笑)。屋良冒頭のシーンなんか、けっこう……遊べそうだよね。中川イケそう。屋良稽古場でも、どんどんお互い出し合っていけるんじゃないかな。そうやって作り上げていきたいね。中川すでに楽しみだよ!〈あらすじ〉1976年のアメリカ。自信過剰な作詞家のエディ・レイク(屋良朝幸)と、気弱な作曲家のピーター・フォックス(中川晃教)の幼馴染のふたりは、自分たちの作ったミュージカルがブロードウェイでヒットすることを夢見ている。エディが書いているのはマフィアのボスや内通者の刑事たちが繰り広げる裏社会の物語。そんな彼らのもとにある日、音楽出版社のディレクター ニック・クロフォード(武田真治)がやって来て、ふたりの曲をボスが気に入ったと言う。ただし契約の条件は書きかけのミュージカルを1年以内に完成させること、そしてそのミュージカルにふさわしいディーバを見つけること。偶然にも女優の卵で素晴らしい歌声を持つ女性マリー・ローレンス(実咲凜音)と知り合い、契約に近づいたかに思われたが……。ミュージカル『SONG WRITERS』トレーラー映像取材・文:平野祥恵撮影:杉映貴子ヘアメイク:(屋良朝幸)大平真輝・(中川晃教)松本ミキスタイリスト:(屋良朝幸)柴田拡美(Creative GUILD)・(中川晃教)Kazu(TEN10)衣装(中川晃教):ジャケット ¥126,500・パンツ ¥48,400 /共にNEW ORDER(シアンPR TEL03-6662-5525)・その他スタイリスト私物★ぴあアプリにて、8/31(土) 11:00よりチケット先行受付開始!詳細は下記よりご確認ください。【「ぴあ」アプリ チケット先着先行受付中!】ミュージカル『SONG WRITERS』シアタークリエ()※上記リンクは8/31(土) 11:00より有効になります。<公演情報>ミュージカル『SONG WRITERS』作・作詞・音楽プロデュース:森雪之丞演出:岸谷五朗音楽監督・作曲:福田裕彦作曲:KO-ICHIRO(Skoop On Somebody)、さかいゆう、杉本雄治、中川晃教出演:屋良朝幸中川晃教実咲凜音相葉裕樹青野紗穂蒼木陣東島京コング桑田武田真治 ほか【東京公演】2024年11月6日(水)~11月28日(木)会場:シアタークリエ【大阪公演】2024年12月7日(土)・8日(日)会場:森ノ宮ピロティホール【愛知公演】2024年12月11日(水)会場:Niterra日本特殊陶業市民会館ビレッジホール公式サイト:
2024年08月30日吉高由里子主演大河ドラマ「光る君へ」より、藤原為時役・岸谷五朗の“君かたり”が、公式サイトにて公開された。映像では、おじいちゃん役は初めてだという岸谷が、「どういう思いになるんだろう」と興味があったこと、そして娘・まひろ(吉高)や孫・賢子について語る。また、まひろの「学問が私を不幸にしたことはございませぬ」ということばについては、「為時にとっては本当に親孝行なことば」と喜ばしいことであると言いつつも、「家族を築くとかいうことに関して、まだまひろにやらせてあげられていないことはたぶんいっぱいあって」とそこに関して言えば、おそらく後悔しているのではないかと話している。第30回あらすじ夫の死から3年、まひろ(吉高由里子)は四条宮の女房達に和歌を教えながら自作の物語を披露し、都中で話題になっていた。ある日、そこに歌人のあかね(泉里香)がやってくる。自由奔放なあかねに、どこか心ひかれるのだった。そのころ、宮中では「枕草子」が流行していた。「枕草子」を読んでは亡き定子(高畑充希)を思う一条天皇(塩野瑛久)。道長(柄本佑)は気をもみ、安倍晴明(ユースケ・サンタマリア)に相談すると…。大河ドラマ「光る君へ」は毎週日曜日20時~NHK 総合(再放送 翌週土曜13時5分)、毎週日曜日18時~NHK BS・BSP4K、毎週日曜日12時15分~NHK BSP4Kにて放送中。※パリ五輪放送のため8月11日は休止、第31回は18日放送予定(シネマカフェ編集部)
2024年08月04日岸谷香のデビュー40周年を記念したライブツアーのファイナル公演が、7月27日に超満員のZepp DiverCity(TOKYO)で開催された。自身のバンド“Unlock the girls(Yuko/g、 HALNA/b 、Yuumi/ds)”を従え、またサポートメンバーにsugarbeans(key)を迎え、満員のCLUB CITTA’からスタートし、全国8カ所を回った今回のツアー。プリンセス プリンセスの2ndアルバム『HERE WE ARE』のまるごとカバーを含む、新旧織り交ぜた圧巻のセットリストで観客を魅了し、各公演完売続出となる記念すべき周年ツアーになった。ステージ上で岸谷香は「懐かしいアルバムをカバーして、改めて音楽に対して大事にしてきているものは、何も変わってないことに気付けた。皆さんの笑顔や振り上げたこぶしを見て、これまでの道のりは間違ってなかったって、再確認できた。これからも皆さんの人生の主題歌になれるような音楽をたくさん作って、たくさん歌っていきます!」と高らかに宣言。アンコールでは、来年2月、恒例企画『岸谷香感謝祭2025』の初の2デイズ開催を発表。また、「このバンド“Unlock the girls”で来年も全国ツアーやります!」と2025年夏、全国8公演のツアー開催も同時に告知。満員の観客から惜しみない大きな拍手と歓声を受け止めた。また2024年9月からは『KAORI PARADISE 2024』と題し、全国を回る恒例の『ひとり旅ツアー』がスタートする。Photo:MASAHITO KAWAI<公演情報>KAORI KISHITANI 40th Anniversary LIVE TOUR 2024 "57th SHOUT!"2024年7月27日 東京・Zepp DiverCity(TOKYO)セットリスト1. ハッピーマン2. Unlocked3. Diamonds(ダイアモンド)4. Beautiful5. 19 GROWING UP -ode to my buddy-6. WONDER CASTLE7. MY WILL8. FLAME9. KEEP ON LOVIN’ YOU10. GO AWAY BOY11. SHE12. ROMANCIN’ BLUE13. 冗談じゃない14. 恋のペンディング15. PARAISO!16. ミラーボール17. Signs18. STAY BLUE19. レミニセンス20. シャウト!<ライブ情報>『岸谷香感謝祭2025』2月22日(土)・23日(日・祝) 東京・EX THEATER ROPPONGI岸谷香/Unlock the girls、2025年バンドツアー6月7日(土) 神奈川・横浜ランドマークホール6月14日(土) 福岡・DRUM LOGOS6月15日(日) 広島・広島CLUB QUATTRO6月21日(土) 北海道・札幌ペニーレーン246月28日(土) 大阪・BIGCAT6月29日(日) 愛知・ダイアモンドホール7月6日(日) 宮城・Rensa7月26日(土) 東京・恵比寿The Garden Hall40th ANNIVERSARY LIVE TOUR KAORI PARADISE 20249月7日(土) 富山・アイザック小杉文化ホール ラポール ひびきホール開場16:30 / 開演17:009月16日(月・祝) 栃木・小山市立文化センター開場15:30 / 開演16:009月21日(土) 東京・かつしかシンフォニーヒルズ モーツァルトホール開場15:30 / 開演16:009月22日(日) 千葉・成田市文化芸術センター なごみの米屋スカイタウンホール開場15:30 / 開演16:309月28日(土) 広島・世羅町せら文化センター パストラルホール開場16:00 / 開演16:309月29日(日) 広島・さんわ総合センター やまなみ文化ホール開場16:00 / 開演16:3010月5日(土) 愛知・穂の国とよはし芸術劇場 PLAT開場15:30 / 開演16:0010月6日(日) 岐阜・岐阜市文化センター 小劇場開場15:30 / 開演16:0010月19日(土) 茨城・つくば市ノバホール開場15:30 / 開演16:0010月27日(日) 東京・町田市民ホール開場15:30 / 開演16:0011月2日(土) 高知・宿毛市総合社会福祉センター開場15:30 / 開演16:0011月3日(日・祝) 高知・須崎市民文化会館開場16:00 / 開演16:3011月9日(土) 熊本・玉名市民会館 大ホール開場15:30 / 開演16:0011月17日(日) 福島・白河文化交流館 コミネス開場15:30 / 開演16:0011月24日(日) 秋田・あきた芸術劇場ミルハス 中ホール開場15:30 / 開演16:0012月14日(土) 埼玉・坂戸市文化会館 ふれあ開場15:30 / 開演16:00チケット情報:()公式サイト:
2024年07月29日6月14日(金)岸谷香がデビュー40周年を記念したライブツアーを自身のBAND”Unlock the girls”を従え、満員のクラブチッタ川崎でスタートした。今回はプリンセスプリンセスのアルバム1枚まるごとカバーを含む、新旧織り交ぜた圧巻のセットリストで観客を魅了。各公演SOLD OUT続出で記念すべき周年公演に華を添えている。尚、売り切れとなっていた最終のZepp DiverCity(TOKYO)公演が、ステージプラン決定につき、明日6月15日(土)正午より、若干数、チケットぴあにて追加販売されることになった。いつも前を向きアグレッシブに音楽活動を続ける岸谷香。この先も楽しみな活動が続いていく。LIVE PHOTO BY MASAHITO KAWAI<ツアー情報>『KAORI KISHITANI 40th Anniversary LIVE TOUR 2024 ”57th SHOUT!”』6月16日(日) 仙台Rensa ※SOLD OUT開場 16:15 / 開演 17:006月29日(土) 福岡スカラエスパシオ ※残席僅か開場 16:15 / 開演 17:006月30日(日) 広島クラブクアトロ ※残席僅か開場 16:30 / 開演 17:007月13日(土) 札幌ペニーレーン24 ※SOLD OUT開場 16:30 / 開演 17:007月20日(土) 大阪心斎橋BIGCAT ※SOLD OUT開場 16:15 / 開演 17:007月21日(日) 名古屋ダイアモンドホール ※SOLD OUT開場 16:15 / 開演 17:007月27日(土) Zepp DiverCity TOKYO ※SOLD OUT開場 16:15 / 開演 17:00全席指定8,500円(税込)※会場によりドリンク代が必要チケット発売中:()岸谷香 OFFICIAL SITE:
2024年06月14日元プリンセス プリンセスのボーカル、岸谷香。プリンセス プリンセスとしては1986年デビュー以降、数々のミリオンヒット作をリリースし、1989年には女性バンドとして初の東京・日本武道館での単独公演を行うなど、ガールズバンドのパイオニアとして多くの人に親しまれ続けている。1996年の解散後も精力的に活動を続け、デビュー40周年を迎えた彼女が「プリンセス プリンセスのアルバム1枚を“セルフカバー”」も入れ込んだ特別公演「KAORI KISHITANI 40th Anniversary LIVE TOUR 2024 “57th SHOUT!”」を開催!MUSIC ON! TV(エムオン!)では、すでにソールドアウトとなった7/27(土)に東京・Zepp DiverCity(TOKYO)で行われるライブの模様を独占生中継!■■番組情報■■<番組名>独占生中継! M-ON! LIVE 岸谷香 「KAORI KISHITANI 40th Anniversary LIVE TOUR 2024 “57th SHOUT!”」<放送日時>2024/7/27(土)17:00~19:30\プレゼントキャンペーン実施決定!/この放送を記念して、期間中にスカパー!サービスでエムオン!単チャンネルを新規ご契約いただき、キャンペーンにご応募いただいたお客様の中から抽選で3名様に、本人直筆サイン入りツアーグッズ(Tシャツ)をプレゼント!▼本キャンペーンに関する詳細は、こちらをご覧ください 以上MUSIC ON! TV(エムオン!)は、スカパー!、ケーブルテレビ、ひかりTVなどでご覧いただける音楽チャンネルです。詳しくは、MUSIC ON! TV(エムオン!)公式サイト( )まで。 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2024年06月14日大河ドラマ「光る君へ」より、町田啓太と岸谷五朗の君かたりが公開された。吉高由里子が紫式部を演じる本作。今回の君かたりでは、藤原公任役の町田さんが、伊周(三浦翔平)が母に会うことを許可する場面について「伊周があれだけ弱っていて、身なりもあれだけすさんだ姿になっていてっていうところを見て、すごく本心から本当に母にただただ会いたいと」「『まだ子どもなんだな中は』っていうのが見えました」とふり返り、「人として何か手を差し伸べてあげたい、寄り添いたいなって思いが強まったんじゃないかな」と話す。また、越前守になったまひろの父・藤原為時役の岸谷さんは「未知なる世界に挑む感じ」と語り、宋語のセリフについては「そんなにしゃべるって聞いてなかった」と苦労したそう。また、宋語の詩を読み、語学の先生に褒められて嬉しかったというエピソードが飛び出すが、「監督から『もっと下手にやってください』って言われて(笑)せっかく一生懸命先生について勉強したのに」とがっかりしたことも明かしている。第22回あらすじ敦賀の松原客館に立ち寄ったまひろ(吉高由里子)と為時(岸谷五朗)は、宋人の朱(浩歌)、通事の三国(安井順平)らに迎えられる。浜辺に出かけたまひろは、そこで佇む周明(松下洸平)と出会う。その夜、国守を歓迎する宴が行われ、まひろは皆と楽しいひと時を過ごす。翌日、越前国府に到着し、大野(徳井優)、源光雅(玉置孝匡)に出迎えられるが、為時は早々に激務で体調を崩してしまう。医師として現れたのは――。大河ドラマ「光る君へ」は毎週日曜日20時~NHK総合(再放送 翌週土曜13時5分)、毎週日曜日18時~NHK BS・BSP4K、毎週日曜日12時15分~NHK BSP4Kにて放送中。(シネマカフェ編集部)
2024年06月02日吉高由里子主演の大河ドラマ「光る君へ」第20回の相関図が公開された。5月19日(日)放送の第20回「望みの先に」は、為時(岸谷五朗)が淡路守に任命されるも、宋の言葉を解する父は越前守の方が適任だと考えたまひろ(吉高由里子)は、ある行動に出ることに。一方、内裏では、花山院(本郷奏多)の牛車に矢を放った件で、伊周(三浦翔平)と隆家(竜星涼)は厳しい処分を命じられる。さらに、定子(高畑充希)は兄弟の不祥事により、内裏を出ることを命じられ、絶望のふちに立たされる――というストーリー。大河ドラマ「光る君へ」は毎週日曜日20時~NHK総合(再放送 翌週土曜13時5分)、毎週日曜日18時~NHK BS・BSP4K、毎週日曜日12時15分~NHK BSP4Kにて放送中。(シネマカフェ編集部)
2024年05月13日吉高由里子主演大河ドラマ「光る君へ」の第18回相関図が、公式サイトにて公開された。紫式部の人生を描く本作。次回の放送は、まひろ(吉高由里子)と為時(岸谷五朗)の元に、大宰府から帰京した宣孝(佐々木蔵之介)がやってくる。一方、道隆(井浦新)の死後、内裏では、一条天皇(塩野瑛久)の命で道兼(玉置玲央)が関白となり、民のためによい政をと奮起する。第18回「岐路」は5月5日(日)放送だ。大河ドラマ「光る君へ」は毎週日曜日20時~NHK総合(再放送 翌週土曜13時5分)、毎週日曜日18時~NHK BS・BSP4K、毎週日曜日12時15分~NHK BSP4Kにて放送中。(シネマカフェ編集部)
2024年04月30日俳優の風間俊介が出演する、Daiwa House Special地球ゴージャス 三十周年記念公演『儚き光のラプソディ』(東京公演:明治座 4月28日〜5月26日、大阪公演:SkyシアターMBS 5月31日〜6月9日)が上演される。風間は2004年の地球ゴージャスVOL.7『クラウディア』、翌2005年の再演、2014年の地球ゴージャス VOL.13『クザリアーナの翼』に続く、10年ぶりの出演となる。最初に出演した時は20歳だったという風間。演劇ユニット・地球ゴージャスを手がける岸谷五朗、そして寺脇康文によって鍛えられ、これまでも公演を見てきたというが、その魅力はどこにあったのか。出演する俳優の目線から聞いた。○■10年周期で地球ゴージャス作品に出演する風間俊介――地球ゴージャス30周年舞台のオファーを受けた時のお気持ちを、まず教えていただければと思います。僕が地球ゴージャスに初めて出させていただいたのは20歳の時なので、20年前。その時にも冗談で「10年後、また」と言われたんですが、五朗さんは覚えている人なので、本当に10年後に『クザリアーナの翼』という作品がやってきました。五朗さんは「また10年後だな」と笑っていて、僕は「いや、もっと早く呼んでくれてもいいんですよ」と言っていたら、10年経って今回の話が来たので、本当にすごいなと思いました(笑)。お話が来た時は、作品の概要も全然わからなかったので、何よりも先に「あの約束だ」と思いました。おそらく次に出るのも10年後になると思うので、ぜひ皆さんに“10年男”を観に来ていただきたいなと思っております(笑)――ご自身でも「10年周期の男」と自称されてましたが…。僕は短いスパンでいいんですよ!(笑) 初めて『クラウディア』という作品に出た時には、カンパニーで五朗さんの40歳の誕生日を祝ったんです。僕も同じ歳をむかえ、感慨深いと同時に、あの時僕が見ていた五朗さんはそれはそれはもう大きくて偉大だったので、「自分は大丈夫なのか」と思います。でも人にはそれぞれの時間があるので、今回は僕なりの40歳を出していけたらと思っています。――岸谷さんや寺脇さんに、10年間の風間さんの成長を見せたいと思われていますか?地球ゴージャスの現場にはエンターテインメントが詰まっていて、スタッフも含めてみんな役者思いで、わーっと楽しく幸せに終わっていくので、今のうちに意気込んでおきます。地球ゴージャスの作品はほぼ観させていただいていて、その中でも僕が出た作品は、争いをテーマにしていて強く、でもどこか寂しげで悲しげな物語だと思っていました。僕は「反戦三部作」と呼んでいるんですが、地球ゴージャスにはそういう大切なメッセージをエンターテインメントで包む、みんなが「楽しかった」と言って帰れるような作品のラインがあると思います。地球ゴージャスにはもう一つ、『海盗セブン』『The Love Bugs』のような、一人ひとりのキャラクターが背負ってるものを出し「この時間はこのキャラクターが舞台を染め上げる」「次にまた新たなキャラクターがやってきて、このキャラクターがこの時間を埋め尽くす」と、だんだん人が集まって色が足されていく作品のラインがあるとも思っているんです。そういう作品も地球ゴージャスの代名詞だなと思いながら、今まであまり関わってこなかったので、今回参加させていただけるんじゃないかな、なんて勝手に想像しています。「仲間に入れて欲しいと思ってたんだよね」という作品を、やらせてもらえる機会になるんじゃないかなと思っています。――2004年に初めて参加されて、驚かれたことやカルチャーショックだったことはありますか?僕はステージ上でハーモニカを吹く役だったんですれども「俊介、ちょっと待ってな。群衆を固めるから」と言われ、多分3週間くらい放置されてたんですよね。ずっと端っこでハーモニカを吹き続けるという(笑)。でもみんなと仲良かったので、居心地は良かったです。あの時の若造の僕に「お前は大丈夫だから、自分で構築したのを1回見せて。違うと思ったら違うと言うし、信頼してるから」と言ってくださったので、僕はずっとハーモニカを吹きながら役のことを考えて、改めて「俊介、やろうか」となった時に、バンとやって見せて。そしたら「いいね。俊介、どうしたい?」と聞かれたことを覚えています。殺陣や動きをつける時に、僕の意見がバンバン通っていくんです。龍の子という役だったので、動きを「人ならざる者の動きといった感じで、爬虫類っぽくしたい」と言ったら「いいじゃん」となって。寺さんも含めて、すごい人たちが若造に「やってみな」と言う。大きいんですよ、器が!――当時20歳ぐらいの風間青年にとって岸谷さん、寺脇さんはどういう大人に映っていたんですか?かっこいい大人です。余裕なのかな、やっぱり。ステージ上でもユーモアや自由さを感じるし、めちゃくちゃ稽古してるけれど、変えるべきことは変えていくし、包容力みたいなものがかっこいい大人だなと思って見ていました。――そういった岸谷さん、寺脇さんをご覧になって勉強になったことというか、見習っていきたいなと思った部分はあったりしますか?間違いなく血肉になってると思うんですけど、文言化するとそれだけになっちゃいそうで、悔しいな! 地球ゴージャスには、たぶん、あんまり“アンサンブル”という概念がないんですよ。ステージに立ったら全員役者だし、「どこにフォーカスが当たっているか」だけであって。 今回の物語でこの役にフォーカスが当たって分量が多くなっているけど、ステージにいる奴らには全員物語があるという感覚が素敵で、マッチする部分もあるのかもしれません。ドラマだろうが映画だろうが舞台だろうが一緒の物語を作ったらそこに優劣はないと思っているし、その考えに確信を持てたのは、お二人のスタンスのおかげだと思います。地球ゴージャスはエンターテインメントであり生き様を大事にしていると僕は勝手に思っていて。大切なメッセージがあるんだけれども、観ている方たちが心躍ったり、喜びを感じたりするエンターテインメントの中に、そっとメッセージがある。いつも、メッセージを感じながら楽しいところに行くようなイメージで舞台に立っています。■風間俊介1983年6月17日生まれ、東京都出身。1999年に『3年B組金八先生 第5シリーズ』で話題となり、第3回日刊スポーツドラマ・グランプリ最優秀新人賞を受賞。2000年にはテレビアニメ『遊☆戯☆王デュエルモンスターズ』における武藤遊戯役で声優デビューを果たす。2011年にはドラマ『それでも、生きてゆく』で、第66回日本放送映画藝術大賞優秀助演男優賞、第70回ザテレビジョンドラマアカデミー賞助演男優賞を受賞した。近年の主な出演作にドラマ『silent』(22年)、『初恋、ざらり』『たとえあなたを忘れても』(23年)、舞台『恭しき娼婦』(22年)、『隠し砦の三悪人』(23年)など。公開待機作に映画『先生の白い嘘』(7月5日公開)がある。ヘアメイク:道中佳美、スタイリング:手塚陽介
2024年04月25日シアタークリエの11月公演として、ミュージカル『SONG WRITERS』が上演されることが決定した。本作は、日本を代表する作詞家・森雪之丞と、俳優であり演出家としても評価の高い岸谷五朗がタッグを組んだオリジナルミュージカルで、2013年にシアタークリエで初演。今回、約10年ぶりの復活公演となる。自信過剰な作詞家エディ・レイク役の屋良朝幸と、気弱な作曲家ピーター・フォックス役の中川晃教、お調子者の音楽ディレクターのニック・クロフォード役の武田真治、マフィアのボスのカルロ・ガンビーノ役を愛嬌たっぷりに演じるコング桑田ら、初演オリジナメンバーに加え、実咲凜音、相葉裕樹、青野紗穂、蒼木陣、東島京を新キャストに迎える。なお、東京公演の後は、12月に大阪、愛知でのツアー公演も予定されている。<スタッフ・キャスト コメント>■屋良朝幸(エディ・レイク)約10年の時を経て再び『SONG WRITERS』の世界に飛び込む事ができるとは。当時30代前半だった自分が今ではね……。だからこそ、今の自分がどんな風にこの作品の世界とエディという人物を想像し、創り上げていくのか。再再演という気持ちより新しい冒険の始まりとして走り出していこうと考えています。当時の仲間、そして新たなメンバー。森雪之丞さんと岸谷五朗さんの大好きな2人のタッグ。最高のチームで皆さんにパフォーマンスを届ける事ができるように頑張ります。お楽しみに。■中川晃教(ピーター・フォックス)今回の再演が決まったタイミングで、ちょうど森雪之丞さんの古希のお祝いがあり、再び上演できる喜びや興奮を分かち合いました!この日は岸谷五朗さんの計らいのもと、僕と、武田真治さんが参加させていただきました。屋良朝幸さんは絶賛公演中とLIVEの真っ只中でしたが、でも私たちの『SONG WRITERS』への真心と共に、プレゼントを雪之丞さんにお渡しすることができました。思えば、これまで私たちが育んでくることができた友情は、この作品から始まりました。11月シアタークリエで私たちエディ・ピーター&フレンズにゼッタイに会いにいらしてください♪お待ちしています!■実咲凜音(マリー・ローレンス)新しい作品、人との出会いは何よりもわくわくする事なので、お稽古が始まるのが待ち遠しいです。女優の卵マリーを演じさせて頂きますが、また新しい自分に出会えるのではないかと、今は楽しみで仕方がありません。私の持つパワーを出し切って、共演者の皆さんと共にエネルギッシュにお届け出来たらと思います!■相葉裕樹(ジミー・グラハム)ジミー役を務めます、相葉裕樹です。1976年のブロードウェイを舞台にしたこのミュージカルは、魅力的な音楽、感動的なダンス、そして思わず息をのむようなストーリーが詰まっています。この作品に参加できることを大変光栄に思い、素晴らしい物語を観客の皆さんにお届けすることが今からとても楽しみです。一緒にこの舞台を共有できることを心から期待しています。■青野紗穂(パティ・グレイ)素晴らしい作品、且つ約10年越しの再演に参加させて頂きとても感謝しています。今回ボスの愛人役として出演させていただきます青野紗穂と申します。ずっとご一緒したかった岸谷さんの元、精一杯素敵な作品になるよう精進して参ります。そして数々のソング・ライターズの皆様が大事に紡がれた楽曲を来てくださる皆様にお届け出来たら嬉しいです。 お会いできる事を心待ちにしております^_^■蒼木陣(ベンジャミン・デナーロ)沢山の方に愛される作品の再再演。凄いことです。参加できることを心から嬉しく感じています。役者を始めた頃から歌での表現に漠然とした憧れがありました。20代の終盤になる頃その目標が具体的になり、約2年前音楽劇『クラウディア』へ出演した際に前線で活躍される方々の表現を側で浴び、また演出 岸谷五朗さんのエネルギッシュ且つ愛に溢れた演出を感じて、なんて素敵な世界と出会えたのだと感動しました。再びの五朗さんとのご縁、そしてミュージカル作品に挑戦できる機会に感謝して懸命に取り組みたいと思います。■東島京(アントニオ・バルボア)岸谷五朗さん演出の作品に出演させて頂けること、本当に嬉しいです。以前、五朗さんのワークショップに参加させていただいた際に、お芝居に対する熱量を肌で感じて「いつかお仕事でご一緒したい」と思っていた中、こうしてひとつの夢が叶うことに興奮がとまりません。名立たる方々のお芝居を間近で見れる幸せを噛みしめながらたくさん勉強し、しっかり食らいついて、皆さんが待ちのぞんでくださっている『SONG WRITERS』の世界を全力で生きようと思います。よろしくお願いいたします。■コング桑田(カルロ・ガンビーノ)2013年初演、2015年再演、そして今回また呼んでもろて、ミュージカルを愛するギャングのカルロ・ガンビーノを演じる事が出来て無茶苦茶嬉しいです!再演から約10年、正直言って老いは否めません。ですから、武田真治さん演じるニック・クロフォードの笑いのツボにハマる「アレ」は出来無いかもしれません事、お許しください。劇場でお待ちしてます!■武田真治(ニック・クロフォード)ビッグニューースッ!!破茶滅茶に楽しくパワフルなミュージカル『SONG WRITERS』が約10年ぶりに帰ってきます!思いっきり歌って踊って笑って泣くヤツです!しかも僕はまたご機嫌なあのニックを演じられるんだと思うと、今からワクワクが止まりませんっ!前回よりさらに凄いものになることをお約束します。劇場でお待ちしてます!■森雪之丞(脚本・歌詞・音楽プロデュース)再再演から歴史が始まる。『SONG WRITERS』は、夢を叶えようとする人々の群像劇です。と同時に、それは日本発のミュージカルを立ち上げようとした12年前の僕と岸谷五朗の物語でもあります。再演されることでオリジナル曲が愛着あるナンバーへと変貌し、話の顛末は同じでも毎回違う歌唱シーンをライヴのように楽しめるのがミュージカルの醍醐味。観劇後に朝まで熱く語り合ったN.Y.の日々が蘇ります。初演&再演の最強キャストに加え、ニューフェイスも集結してくれました。そう、約10年ぶりの再再演!ここからオリジナルミュージカルの本当の歴史が始まります。■岸谷五朗(演出)雪之丞さんの「あったかな心」が詰まった、とってもキュートな作品『SONG WRITERS』!そしてまた、とってもキュートな俳優陣が人生の「時」を経て集まってくれる。この作品であるからこそ少し同窓会のような楽しみがある。そして新たなキャストが素晴らしき華を添えてくれるでしょう。ワクワクドキドキとは、こういう作品の稽古にあるのでしょうね。皆様の心も「あったか」にできるように頑張ります!劇場でお待ちしております!<公演情報>シアタークリエ2024年11月公演『MUSICAL SONG WRITERS ソング・ライターズ』【東京公演】11月6日(水)~11月28日(木) 東京・日比谷シアタークリエ一般前売:9月7日(土)【大阪&愛知ツアー公演】12月7日(土)~12月8日(日)大阪・森ノ宮ピロティホール12月11日(水)愛知・Niterra 日本特殊陶業市民会館 ビレッジホール公式サイト:
2024年04月18日岸谷香デビュー40周年の記念イヤーの始まりを告げる『岸谷香 感謝祭2024』が2024年2月23日、東京のEX THEATER ROPPONGIで開催された。この『感謝祭』は2020年から毎年2月に開催されている岸谷主催のイベントで、毎回豪華なゲストを招き、その夜にしかないスペシャルなコラボレーションを行うところに特色がある。5回目の開催となる今回は、岸谷の同級生でもあるトータス松本(ウルフルズ)と永井真理子という豪華なゲストを迎えての開催となった。『感謝祭』の趣旨は大きくふたつある。ひとつ目は観に来た人へ感謝の気持ちを音楽にして届けること、ふたつ目は参加するゲストに楽しんでもらうこと。つまり観る側も演奏する側も大いに楽しむことが最大の目標なのだ。この日、目標をはるかに越えて、楽しすぎる夜となった。『ポップンルージュ』(1989年から放送されていたラジオ番組)のジングル(番組の始まりで流れる短い音源)が流れて、ポニーテール姿で岸谷が登場すると、大きな拍手が起こった。2024年から一気に1989年にタイムトラベルしたかのような粋な演出だ。「まさか57になって、『ポップンルージュ』をできるとは思わなかったな。ラジオの前のみなさん、最後まで楽しんでいってね。本日のゲストは月曜日担当の永井真理子ちゃんです!」と岸谷の紹介で永井が登場すると、歓声が起こった。実は1989年当時の『ポップンルージュ』の月曜担当が永井、水曜担当が岸谷で、同じ帯番組のパーソナリティー同士という接点があったのだ。ラジオ番組という設定のもと、永井が1989年のヒット曲「ミラクルガール」を歌い始めると、さらに1989年ムードが色濃くなった。永井の伸びやかな歌声に、岸谷がキーボードを弾きながらハモっている。演奏はUnlock the girlsのメンバーで、下手側からYuko(Gt/Cho)、Yuumi(Ds/Cho)、HALNA(Ba/Cho)、そしてセンターには岸谷(Vo/Gt/Key/Cho)。懐かしさがありつつも、今の瞬間のキラキラとした輝きもある。観客がシンガロングする場面もあった。歌もコーラスも演奏も、そしてこんな空間が存在していること自体もミラクルと言いたくなる。ステージ上にはラジオのブース風のスペースがあり、テーブルを挟んでふたり向き合ってのトークコーナーもあった。「懐かしいなあ。超うれしいんだけど」と永井。「まさかこんな年になって、同じステージで歌える日がくるなんてね。真理ちゃん、あのころと全然変わってないよ」と岸谷が言うと、「香ちゃんこそ。ポニーテール、かわいい!」と永井。客席からも「かわいい!」の声。ふたりの息の合った会話が楽しい。当時のラジオリスナーにとっては、たまらない演出だろう。いや、当時を知らない人にも、この楽しい空気は届いたに違いない。永井のエネルギッシュな歌声とロックテイストあふれる演奏が会場内を揺らした「ハートをWASH!」では、永井のかけ声に合わせて、会場内が一斉にジャンプする場面もあった。「23歳のころをがむしゃらに生きた自分たちを振り返って、愛おしさも込めて、アレンジしました。真理ちゃんへのプレゼントです」との岸谷の言葉に続いて、永井の「23才」が披露された。23歳の頃の自分たちへのエールを送るような、温かさといとしさが詰まった歌と演奏だ。当時の思いと現在の思いとがミックスされた深みのある世界を堪能した。23歳以上の人の中には、もれなく今も23歳だったころの自分は存在しているだろう。演奏メンバーの3人は30代。多面的な「23才」の歌の世界が出現した。「ZUTTO」は永井の歌と岸谷のピアノとコーラスだけでの披露。ひとつひとつの歌詞を丁寧に紡ぐような、永井の丹念な歌声と、岸谷のたおやかなピアノが印象的だ。「ZUTTO」と「ミラクルガール」の作詞は亜伊林。2023年11月に逝去した作詞家の三浦徳子の別名義である。さまざまな思いが交錯するような歌声が深い余韻をもたらした。「感無量です。涙が出ちゃいそう」と永井。永井のゲストコーナーの最後は、「真理ちゃんにぴったりなナンバーを選んでみました」とのことで、プリンセス プリンセスの「だからハニー」が披露された。永井が歌い、Unlock the girlsのコーラスが加わると、会場内がドリーミーな空気に包まれた。1コーラス目のリードボーカルは永井、2コーラス目は岸谷で、かけあいコーラスもあり。永井と岸谷が並んでいる構図のなんと絵になることか。このふたりを観ているだけで、こちらの体の中にもエネルギーがあふれてきそうだ。夢のような共演だが、夢ではなく現実。「呼んでくれて、ありがとう」と永井。「こんなふうに出会えた奇跡に感謝だね」と岸谷。『ポップンルージュ』の「明日に乗り遅れないでね」という定番のフレーズをふたり一緒に発して、永井のゲストコーナーを締めくくった。続いてはUnlock the girlsのコーナーだ。岸谷はポニーテールから一転して、ミディアムヘアで登場。まずは、2023年のツアーでも披露している新境地を開拓した新曲「Beautiful」を演奏した。エレクトロ・テイストのあるダンスミュージックを、高揚感と浮遊感の漂うバンドサウンドとビビッドなコーラスワークで鮮やかに表現。Yuumiの自在なドラムに体が揺れる。岸谷がハンドマイクを持ち、ステップを踏みながら歌う姿が新鮮だ。セスナのエンジン音を連想させるHALNAの骨太なベースで始まったのは、プリンセス プリンセスの「世界でいちばん熱い夏」。この日は肌寒い天気だったが、冬から夏へ一気にワープするようなホットな演奏だ。「感謝祭、今年で5回目です。毎年毎年、なんでこんなに次から次へと楽しいことが出てくるんだろう、音楽って楽しいことがいっぱいあるんだなと、毎回思い知らされています」と岸谷。「また恋ができる」では、開放感と広がりのある歌声と演奏の中でたゆたっているのが気持ち良かった。この曲はラブソングであると同時に、音楽への愛の歌とも解釈できそうだ。岸谷とYukoのチャーミングなかけあいが楽しかったのは「Wrong Vacation」。メンバーそれぞれのソロプレイもあり、バンドの楽しさも伝わってきた。スケールの大きさと深遠さとを兼ね備えた歌と演奏が圧巻だったのは「Signs」だ。岸谷とYukoのエモーショナルなギター、YuumiとHALNAの伸びやかなコーラスも印象的だった。個々の声の特性を活かした自在な組み合わせのコーラスワークもUnlock the girlsの魅力のひとつだろう。Yuumiの力強いドラムとともに2人目のゲストであるトータス松本が登場すると、キャーという歓声。「エブリバディ・セイ・イエイ!」とトータスが叫び、客席とのコール&レスポンスが起こった。そのまま挨拶替わりに「ガッツだぜ!!」へ突入。トータスのパワフルな歌声に女性コーラスが加わる構図が新鮮だ。「紅一点」ならぬ「黒一点」。エネルギッシュなボーカルに応えるように、バンドの演奏もガッツにあふれている。<男も女も盛り上がってgo!>というフレーズが、この日のこの場面にぴったりだ。赤紫色のスーツ姿のトータスは、野に咲く花々を照らす朝陽のようでもあった。「呼んでくさってありがとうございます」とトータス。「同い年だけど、プリプリとウルフルズ、一緒になったことないんですよね」と岸谷。「ないですよ。だって(プリプリは)大先輩ですから」とトータス。ふたりがイベントで一緒になり、岸谷が『感謝祭』への出演を依頼し、トータスが快諾した経緯がある。Yuko、Yuumi、HALNAにとっては、多感な時期に出会ったのがウルフルズの音楽だった。演奏したい曲を挙げていったら、10曲(メドレーは8曲)になってしまい、どの曲も外せないとのことで、岸谷がアレンジして完成させたのが、このスペシャルメドレーだ。「ウルフルズメドレー、本邦初公開、前代未聞!」というトータスの紹介に続いて、メドレー1曲目の「笑えれば」が始まった。トータスのアコースティックギターの弾き語りに、Unlock the girlsのコーラスが加わる意外性のある構成だ。トータスの明朗な歌声と流麗なコーラスの組み合わせがいい。後半はバンドサウンド全開。観客全員をもれなく笑顔にする「笑えれば」だ。メドレーの曲名を挙げていくと、「笑えれば」~「かわいいひと」~「それが答えだ!」~「いい女」~「大阪ストラット」~「バカサバイバー」~「サムライソウル」~「ええねん」という8曲、16分あまり。次から次へと繰り出される名曲の数々に身を任せているのは、至福のひとときだった。いい歌、いい演奏、いい男、いい女たち。音楽的なアイディアも豊富で、工夫を凝らしたアレンジも見事だった。ぬくもりのある歌と演奏が染みてきた「かわいいひと」、爽快感あふれる「それが答えだ」、岸谷の歌声で始まり、トータスのハープが入る「いい女」、岸谷のクラビネット風キーボードと合いの手のようなキュートなコーラスが入り、途中で“六本木ストラット”へワープする「大阪ストラット」、フリ付きでの演奏となった「バカサバイバー」などなど。原曲の持ち味を生かしながらも、Unlock the girls風味も加えつつ。ゴスペル色のある岸谷のピアノとトータスの凜としたな歌声で始まったのは「サムライソウル」。ここではトータス、岸谷、Yukoのトリプルギターも実現。会場も一体となって歌ったのは「ええねん」だ。かつてトータスへの取材時に、「“ええねん”のもとになったのは“エーメン(アーメン)”という言葉の響き」と語っていたことがある。祈りと許容と肯定の思いの詰まったヒューマンな歌声は、時空を越えて今の時代にも真っ直ぐに届いてきた。ウルフルズの楽曲の素晴らしさを再認識するとともに、ウルフルズの音楽への愛とリスペクトにあふれるUnlock the girlsの演奏とコーラスにも胸が熱くなった。笑顔と涙を同時にもたらすステージだ。「こんな壮大なメドレーを作ってくれて、ありがとう」とトータス。トータスのコーナーの最後は「バンザイ~好きでよかった」。トータスと岸谷の歌声のハモリでの始まり。曲に込められた愛に、さらにこれでもかと愛を詰め込んでいくような歌と演奏だ。ウルフルズの音楽の根底には、愛とガッツが流れている。“人が人を思うことのかけがえのなさ”を描いた歌がたくさんある。そうしたウルフルズの音楽の根幹にある要素を、Unlock the girlsが見事に消化して表現していた。ルーツの音楽のジャンルは違うが、それぞれの音楽の核にある感情や衝動は、重なるところが大いにあるのだろう。本編最後のコーナーは再びUnlock the girls。ワイルドなシャウトで始まったのはファイティングスピリッツあふれる「WAR」だ。岸谷とYukoのユニゾンのギターもあり。YuumiとHALNAの生み出すグルーヴもダイナミックでエネルギッシュだ。戦火がモチーフになっていると思われる「And The Life Goes On」では、聴き手の意識を覚醒させるよう印象的なリフを織り交ぜながら、硬質なバンドサウンドを展開。終わりなき青春賛歌と表現したくなったのは「STAY BLUE」だ。最新のロックなUnlock the girlsの姿が見えてくる演奏の連続。岸谷の切れ味の鋭いテレキャスター、Yukoのニュアンス豊かなレスポールスペシャルというタイプの異なるツインギターを軸としたバンドサウンドも、Unlock the girlsの魅力のひとつだ。本編ラストはTRICERATOPSの和田唱との共作曲「ミラーボール」。ミラーボール型LEDの放つ七色の光が輝き、観客のハンドクラップも加わり、会場内にハッピーな空気が充満していく。演奏が終わった瞬間、客席から盛大な拍手とともに「最高!」との声がかかった。アンコールで、岸谷がシニヨンの髪型で登場して、Unlock the girlsのメンバーを紹介。さらにトータス、永井というゲスト陣も再登場して、プリンセス プリンセスの「Diamonds<ダイアモンド>」を全員でにぎやかに披露した。トータス、永井、岸谷が順番にリードボーカルを取ったのだが、トータスのパートでは、<悪いことしてへんで><ダイアモンドやね><オレを動かしている そんな気持ち>など、関西弁・男子バージョンになっていた。永井バージョンはキュート&カラフル。会場内が「フーッ」と一緒に歌っている。岸谷と永井がハモると、ワクワク感が倍増していく。同級生トリオとUnlock the girlsの放つ音楽という光が、会場内をキラキラ照らしていた。「世の中、いろいろなことがある中、コンサートができて、一緒に歌える世の中が戻ってきたことに感謝しながら、そして、私たちの音楽が何かの力になって届けばいいなと思いながら、ステージに立っていました」との岸谷の言葉もあった。アンコールの最後を締めたのは、Unlock the girlsによるプリンセス プリンセスの「HIGHWAY STAR」。この曲の<時を越えて旅は続いてく>というフレーズは、次のツアーの予告にも当てはまりそうだ。バンドは日々進化し続けている。それぞれの個性がさらに際立ち、より深いところで化学変化が起こっていると感じた。6月からUnlock the girlsでバンドツアーを行うことも発表された。40周年記念ツアーということで、プリンセス プリンセスのアルバムを1枚丸ごと演奏する企画もあるとのこと。観客が口々にアルバム名を叫んでリクエストする場面もあった。この企画は懐かしさとともに新鮮さをもたらすことになるだろう。どのアルバムが演奏されるかはツアー当日のお楽しみだ。『感謝祭』は、岸谷が聴き手への感謝を表す趣旨のイベントだが、「こちらこそ、おおきに」と感謝したくなるような、貴重な瞬間の連続だった。関西弁になったのは、もちろんトータスの影響である。ミラクルとガッツとキラキラが満載のスペシャルな感謝祭。令和の時代に昭和の空気をもたらし、冬に夏を到来させ、大阪から六本木へワープする。音楽とは時間も季節も空間も越えて届くものであることを実感した夜でもあった。時を越えて音楽の旅は続いていく。Text:長谷川誠Photo:MASAHITO KAWAI<公演情報>『岸谷香 感謝祭2024』2月23日 EX THEATER ROPPONGIセットリスト■w/永井真理子01.ミラクル・ガール02.ハートをWASH!03.23才04.ZUTTO05.だからハニー■Unlock the girls06.Beautiful07.世界でいちばん熱い夏08.また恋ができる09.Wrong Vacation10.Signs■w/トータス松本11.ガッツだぜ!!12.メドレー「笑えれば」~「かわいいひと」~「それが答えだ!」~「いい女」~「大阪ストラット」~「バカサバイバー」~「サムライソウル」~「ええねん」13.バンザイ ~好きでよかった~■Unlock the girls14.WAR15.And The Life Goes On16.STAY BLUE17.ミラーボール■ENCOREw/永井真理子、トータス松本18.Diamonds<ダイアモンド>■Unlock the girls19.HIGHWAY STAR<ツアー情報>岸谷香40th Anniversary LIVE TOUR 20246月14日(金) 神奈川・CLUB CITTA’6月16日(日) 宮城・仙台Rensa6月29日(土) 福岡・福岡トヨタホールスカラエスパシオ6月30日(日) 広島・CLUB QUATTRO7月13日(土) 北海道・札幌ペニーレーン247月20日(土) 大阪・心斎橋BIGCAT7月21日(日) 愛知・名古屋DIAMOND HALL7月27日(土) 東京・Zepp DiverCity(TOKYO)■ぴあアプリ先行受付:3月3日(日)23:59まで■岸谷香公式サイト:
2024年03月01日岸谷香が、「元気に楽しく音楽をやれていることに感謝し、お客様に喜んでいただけるように毎回ゲストを迎えて特別なセッションをする」恒例のコラボイベント『岸谷香感謝祭2024』を2月23日に東京・六本木のEX THEATERにて開催した。今回のゲストは、永井真理子とトータス松本(ウルフルズ)。永井真理子とは、曜日違いでお互いパーソナリティーをしていたTBSラジオ『ポップン・ルージュ』をオマージュし、ラジオ番組調にライブを展開。簡易スタジオブースも作り、当時の番組表などを紹介したり、トークでは架空のハガキも読む、徹底ぶり。「曲紹介し、そのまますぐにステージで演奏」というトーク&ライブ形式で展開。当時リスナーでもあった観客も多く、フロアを大いに盛り上げた。「昨年出会ったイベント現場で今回の参加を口説いた」と嬉しそうに岸谷が説明したトータス松本とのステージ。ゲスト決定後、自身のバンドUnlock the girlsメンバーとのミーティングで「あの曲はやりたい!」と意見が飛び交い収拾がつかず、結果、8曲を入れ込んだ大メドレーをリハーサルで固めデモ音源とし、ダメもとで共演スタイルを打診。トータスは「スタッフから話だけ聞いていたときは(8曲のメドレーは)『長いな』とは思いましたが、届いたリハ音源には岸谷さんとバンドの熱意がしっかり詰まっていて、それを聞いたら断る理由も全くなく、喜んでお受けしました」とMC。満員の会場からは惜しみない、割れんばかりの拍手を一手に受けとめた。アンコールでは、ステージ上の岸谷から、2024年の周年ツアー『岸谷香40th Anniversary LIVE TOUR 2024』の開催が発表に。しかも内容は「プリンセス プリンセスのアルバム、どれか1枚をフルカバーする」という周年ならではのもの。デビュー40周年。いつも前向きに音楽活動を続ける岸谷香に今年も大きな注目が集まりそうだ。40周年ツアーのチケットは、3月3日(日)までぴあアプリ先行を受け付けている。<ツアー情報>岸谷香40th Anniversary LIVE TOUR 20246月14日(金)神奈川・CLUB CITTA’open18:15 start19:006月16日(日)宮城・仙台Rensaopen16:15 start17:006月29日(土)福岡・福岡トヨタホールスカラエスパシオopen16:15 start17:006月30日(日)広島・CLUB QUATTROopen16:30 start17:007月13日(土)北海道・札幌ペニーレーン24open16:30 start17:007月20日(土)大阪・心斎橋BIGCATopen16:15 start17:007月21日(日)愛知・名古屋DIAMOND HALLopen16:15 start17:007月27日(土)東京・Zepp DiverCity(TOKYO)open16:15 start17:00■ぴあアプリ先行受付:3月3日(日)23:59まで
2024年02月24日5月24日(金) 公開の映画『帰ってきた あぶない刑事』の追加キャストが発表された。1986年にテレビドラマが放映され、軽妙なトークと激しいアクション、他の刑事ドラマとは一線を画すオリジナルな世界観で数多くのファンを魅了してきた『あぶない刑事』シリーズ。8年ぶりの新作となる今回は舘ひろし、柴田恭兵、浅野温子、仲村トオルといったおなじみのメンバーに加え、ヒロイン役で土屋太鳳が出演する。このたび追加キャストとしてアナウンスされたのは、吉瀬美智子、岸谷五朗、西野七瀬、早乙女太一、深水元基、鈴木康介、小越勇輝、杉本哲太の8名。吉瀬は横浜に帰ってきたタカ(舘)とユージ(柴田)の前に突如姿を現す謎の美女、ステラ・リー役、岸谷はタカ&ユージと因縁があり、ステラと手を組み極秘プロジェクトを謀る男・劉飛龍(リウ・フェイロン)役、西野は港署捜査課刑事・早瀬梨花役、早乙女は銀星会会長・前尾源次郎の息子で、タカ&ユージに強い恨みを抱えるベンチャー企業「ハイドニック」の社長・海堂巧役、深水はタカ&ユージに襲いかかる最強の傭兵・黄凱(ファン・カイ)役、鈴木は港署捜査課刑事・剣崎未来彦役、小越は剣崎と同じく港署捜査課刑事の宍戸隼人役、杉本は町田(仲村)の同期で県警刑事部長の八木沼大輝役をそれぞれ演じる。■吉瀬美智子(ステラ・リー役)コメント『あぶない刑事』という長年続いているシリーズ。私も幼少期から観ていた作品だったので、今回参加できて嬉しいです。舘さんと柴田さんがアイデアを出し合ってこの作品の魅力がより引き出されていき、何倍にも面白さが膨らんでいくことが、『あぶない刑事』が長くたくさんの方々に愛されている理由なんだと感じました。私が演じたステラは、ミステリアスで色気のある女性。このシリーズの魅力の一つでもある、コミカルさとシリアスさの中で、大人の色気が良いスパイスになればいいなと思い挑みました。セクシーな舘さんとのシーンは注目していただきたいです。映像も素敵に仕上がっていますし、キャストの皆さんもとても豪華。見どころ満載で期待を裏切らない作品になっていると思いますので、お楽しみにしてください!■岸谷五朗(劉飛龍役)コメント僕が演じた劉飛龍は、二十数年前からあぶない刑事のふたりと、実は関わりがあった役。当時観ていた時のお話の中に自分は存在していたんだと思うと、感慨深いと同時にプレッシャーを感じました。でも舘さんと柴田さんがきっかけを下さって、その歴史の部分に一本の筋が通せたと思います。このシリーズにしかない面白さや空気感。キャストが集まると、とんでもない空気になって、この作品の色が生まれて、みんなそこに夢中になる。それが『あぶない刑事』のような気がします。私も少しだけ傍にいさせて頂いて、そういった雰囲気をひしひしと感じました。今までのファンの皆さまを裏切る事なく、そして初めて観る方も楽しめる作品になっています。是非劇場でご覧いただきたいです。■西野七瀬(港署捜査課刑事・早瀬梨花役)コメントオファーを頂いた際はすごく楽しみな気持ちでした。アクションシーンでは事前に練習の時間を設けていただきました。舘さんは拳銃の構え方などを「大丈夫だよ、平気だよ」と教えてくださり、一緒に練習もしていただいて、とても楽しい時間でした。早瀬梨花は仕事のできる警察官で、とても真面目である一方、上司にもズバズバと意見を言ってしまうキャラクターです。部下がふたりいるのですが、今まで誰かを引っ張っていく役をあまり演じたことが無かったので、不安な部分もありました。ただ、“あぶ刑事”チームの皆さんのパワフルなチームワークで、その勢いに巻き込んでいただいたので、私もそこに乗っていけるように意識をして演じることができました。舘さんと柴田さんのかっこよさが溢れる作品で、銃撃戦などアクションシーンも沢山あるので、ハラハラしながら楽しんで観ていただけると思います。是非、楽しみにしていただけたらと思います。■早乙女太一(海堂巧役)コメント“あぶ刑事”という自分の年齢よりも長い歴史を持つ作品の世界に入れることや、このシリーズならではの破天荒な感じ、昭和のエネルギッシュさに触れることは中々ない経験だと思うので、参加できてとても嬉しかったです。僕が演じた海堂は表の顔は会社経営者ですが、裏は物静かさの中にある狂気や、不気味さを秘めている二面性のあるキャラクター。“あぶ刑事”のキャラクターはとてもキャラが濃いので、その中で印象付けられるかが不安でしたが、舘さんは優しく色々教えて下さって、柴田さんは「やっちゃったもん勝ちだから!」と言ってくださったことで、とても助けられたのを覚えています。懐深くこの作品に迎え入れて下さり、嬉しかったです。お言葉をいただいたおふたりに、そして“あぶ刑事”ファンのみなさまの期待に応えられるよう挑みましたので、楽しみにしていただけると嬉しいです。■深水元基(黄凱役)コメントあのっ!『あぶない刑事』に俺がっ!子どもの頃から観ていた作品に自分が出演できるなんて夢のようでした。ファンカイは、鷹山、大下と敵対する役。しかもアクションの絡みもあり!こんな光栄なことはありません。気合い入りましたよ!おふたりのチームワーク、アドリブなど現場で拝見した時はシビれました!超カッコいい鷹山、大下のアクションシーンは必見です!■鈴木康介(港署捜査課刑事・剣崎未来彦役)コメント『あぶない刑事』は僕が生まれる前からある作品だったので、観たことがなかったのですが、今回出演のお話をいただいた後、1カ月以上かけて全部観ました。それだけ長い歴史の詰まった作品なので、参加できる嬉しさと同時にプレッシャーもありました。でも、両親に決まった連絡をしたら、僕以上に喜んでくれて。こうして愛してくれているファンがたくさんいるんだな、応えないとな、と思い挑みました。車が大回転するとか、銃をぶっ放すとか、聞いたことのないスケールが詰まった台本で、最初はイメージが沸かなかったのですが、いざ撮影してみると本当に大迫力で、僕自身、大きなスクリーンで観るのが今から楽しみです。刺激が常にある現場でした。僕は最年少でしたが、皆さんがプロとして扱って下さって、いつか恩返しができたらなと思います。そしてファンの皆様も公開をお楽しみにしてください!■小越勇輝(港署捜査課刑事・宍戸隼人役)コメントもう“さらば”していたじゃないですか(笑)という驚きがあったのですが、徐々に『あぶない刑事』シリーズに関わることができる嬉しさが湧いてきました。過去の作品を観返してみて、現代には無い表現力があったり、出演している皆さんもすごくエネルギッシュで、今とはまた違った良さがたくさん詰まっている作品だと感じました。そこに自分が参加することでどんな風になるんだろうかと想像しながら、現場に入るのはすごく楽しかったです。生まれる前から続いている作品に携わることは誰もができることではないので、すごく貴重な経験をさせていただいたと思います。今まで皆さんが作ってきたこの『あぶない刑事』という作品を、よりパワーアップしていくというエネルギーを間近で見て、携わることができて良かったなと思います。是非劇場で観ていただけたら嬉しいです。■杉本哲太(県警刑事部長・八木沼大輝役)コメントレジェンド刑事ドラマ、あの“あぶ刑事”からの出演オファー。上がりました。世代的にもずっと見ていましたし、出演したかったし!(笑)今回やっと何十年越しの願いが叶いました!現場では仲村さんとの絡みがほとんどでしたが、トオルさんとは何度か共演もしていますし、そして年齢も同い年なので、緊張感の中で安心感もあり気持ちよく撮影に臨めました。舘さん柴田さんのコンビがまた見られるなんて!もう“最高”でしかありません!<作品情報>『帰ってきた あぶない刑事』5月24日(金) 公開公式サイト:「帰ってきた あぶない刑事」製作委員会
2024年01月17日岸谷香が、1月14日、六本木のBillboard Live TOKYOでビッグバンドを従えた特別なライブツアーのファイナルを敢行。満員の観客を大いに沸かせた。本公演は横浜、大阪、東京と3カ所(全6公演)を回るBillbordツアー。ピアノ兼バンドマスターに岸谷の盟友Sugarbeansを迎え、ドラム、ベース、トランペット×2、トロンボーン、アルトサックス、テナーサックス、バリトンサックスの豪華編成に。セットリストも大好きなElla Fitzgeraldのジャズナンバーを盛り込み、PRINCESS PRINCESS、奥居香、岸谷香、それぞれの時代からも選曲。岸谷香のヒストリーを垣間見れる凝縮されたステージ内容となった。MCでは「こんな風に豪華な演奏陣に囲まれて大好きな歌を歌えて、そしてそれを聴きに来て下さる皆さんがいて。本当にしあわせです」と感無量な笑顔を見せた岸谷。終演後も、満員の観衆からの惜しみない大きな拍手を全身で受け嬉しそうに応えていた。来月開催される、毎回ゲストを迎える恒例自主企画『岸谷香感謝祭 2024』(ゲスト:トータス松本、永井真理子)もソールドアウト。今年、デビュー40周年を迎え、ますます勢いに乗る岸谷香。今年も大きな注目を集めそうだ。<公演情報>『岸谷香 KAORI PARADISE 2024 新春スペシャル @Billbord LIVE TOKYO』1月14日(日) 東京・Billboard Live TOKYO【セットリスト】01. Mack The Knife (Ella Fitzgerald)02. Lullaby of Birdland (Ella Fitzgerald)03. Honeysuckle Rose (Ella Fitzgerald)04. ROLLIN’ ON THE CORNER (PRINCESS PRINCESS)05. 奇跡の時(奥居香)06. Ice Age ~氷河期の子供たち~(岸谷香)07. ジュリアン(PRINCESS PRINCESS)08. ある朝魔女になってたら(奥居香)09. VANISHING(奥居香)10. Diamonds〈ダイアモンド〉(PRINCESS PRINCESS)11. 台風の歌(PRINCESS PRINCESS)※()はオリジナルアーティスト<イベント情報>『岸谷香 感謝祭 2024』2月23日(金・祝) 東京・EX THEATER ROPPONGI開場 16:45 / 開演 17:30出演:岸谷香 / Unlock the girlsゲスト:トータス松本(ウルフルズ)永井真理子岸谷香 OFFICIAL SITE:
2024年01月15日岸谷香のデビュー40周年のタイミングで開催される主催イベント『岸谷香感謝祭2024』のゲストは、トータス松本と永井真理子というバラエティーに富んだ組み合わせとなった。3人とも同学年という共通点がある。今回も、このイベントでしか観られないスペシャルな共演が実現するだろう。ここでは、岸谷と永井との対談をお届けする。このふたりは同学年である以外にも、いくつかの共通点がある。80年代末から90年代前半にかけての大きなムーブメントを乗り越えてきたこと、子育てのために約10年にわたる休止期間を経て、音楽活動を再開していること、『ポップン・ルージュ』というラジオ番組で、それぞれ曜日違いのパーソナリティーを務めていたことなどだ。当時の懐かしい話、音楽の再開の仕方、さらには『感謝祭』のアイデアまで、さまざまな話題に話が及んだ。――おふたりは同学年なんですね。永井そう、同学年なんですよ。生まれた年は私のほうが1年早いんですけどね。岸谷えっ、そうなの?ごめんなさい(笑)。私、ずっと自分が年上だと思ってた。80年代の時のイメージがあったから。永井私、あの頃って、子供みたいだったもんね。岸谷そう(笑)。ショートカットで、いつもタートルでジーンズで。そのイメージが強かったからね。そうか、同学年なんだ。永井そうなの。一緒なんですよ。――2024年の「感謝際」のもうひとりのゲストであるトータス松本さんも同学年なんですよね。永井そうか。岸谷この学年って、「ROOT 66」にちなんで、「66年の会」というのがあって、みんなで集まって、ライブをやっているんだけど、私は67年生まれだから、入ってないのね。永井私、66年生まれだけど、呼ばれたことがないよ。――ほぼ男性ミュージシャンの集まりのようです。岸谷66年生まれのミュージシャン、たくさんいるのよ。永井でも丙午(ひのえうま)だから、女性の人口は少ないんだよね。“この年に生まれた女が強い”と言われている世代だから、産むのを控える傾向があったから。でも実は女性アーティストは、多いんですよ。渡辺美里さん、中村あゆみさん、みんな一緒だよ。岸谷そうか、でもみんな、強そうだよね(笑)。――おふたりは同学年という以外にも、いろいろな共通点があります。80年代末から90年代にかけての大きなムーブメントを経験し、ともに武道館など大きなステージに数多く立っています。また、子育てもあり、10年ほどブランクがあったうえで、音楽活動を再開していることも共通します。岸谷ラジオも共通点ですね。『ポップン・ルージュ』という同じ番組をやっていて、真理ちゃんが月曜日、私が水曜日だったんですよ。永井そうそう。――まず、永井さんを『感謝祭』に誘った経緯を教えていただけますか?岸谷ふたりの共通の友人であるチエちゃん(長井千恵子さん)というギタリストがいて、昔から真理ちゃんと一緒にやっていたんだよね。永井やってた。20年くらい前からかな。岸谷それで、チエちゃんに会うと、いつも「真理ちゃんがね」という話はよくしていました。だから私もつい、「真理ちゃん」ってなれなれしく言っちゃうんだけど。チエちゃんを通してのつきあいで、真理ちゃんとは個人的に遊んだりはしてなかったけれど、同じラジオ番組だったから、横のつながりはあったんですよ。たまに特番があって、月曜から金曜までのパーソナリティーが全員集まったりしていたのね。永井そうそう。岸谷当時のラジオ番組は活気があったから、どこかで飲んでいて、「今日って、月曜日だから真理ちゃんの日じゃない?」って言って、酔っ払ったまま菓子折りを持って、真理ちゃんの番組に顔を出したり(笑)。そんなことができる番組だったんですよ。それで89年から90年まで一緒にすごしてきて、久しぶりに再会したのも、チエちゃんを通じてだったよね。永井そう。岸谷「真理ちゃんがオーストラリアに移住して、日本に戻ってきて、音楽を再開するにあたって、聞きたいことがあるみたいよ」「香ちゃんがボイトレどうやっているのか、知りたいみたいよ」って、チエちゃんが話していたのね。それで、3人で会ったんだよね。永井それがもう6年前のことだよね。私が復帰したころのことです。岸谷その時は、「イベントやフェスで会ったら楽しいよね。じゃあまたどこかで」って、バイバイしました。『感謝祭』が恒例になってきて、ふたりゲストがいるなら、ひとりは女性がいいなあと思っていたのね。それも一緒にいろいろやってくれる人が良くて、「ここをこう変えてもいい?」って言ったときに、一緒に楽しんでくれる人がいいなあって。それで温めていた隠し球にお願いしました(笑)。――永井さんは岸谷さんの誘いをどう感じましたか?永井とてもうれしくて。最初、チエちゃんを通じて聞いたんですよ。それでチエちゃんのLINEに、「うれしい!」「めちゃくゃ光栄!」って書きこみました。逆に、「こっちこそお願いします」って返事したのかな。岸谷いいお返事をいただけて、こちらこそ、ありがたかったです。私たちのファンって、長年応援してくだっている方も結構いらっしゃるので、そういう方にはツボなんじゃないかな。永井私も発表したときに、ファンの方が大喜びで。“あのラジオが流れていた頃の青春が蘇ってくる”そんな気持ちになったみたいなのね。岸谷私はその『ポップン・ルージュ』の時の作家の方ともまたご縁もあって、『オールナイト・ニッポン』の作家もやってもらっているのね。だから新しい試みとして、ラジオ的な演出をやるのもおもしろいかなって考えています。会話だけ、当時のラジオ風にしてみるとか。一瞬、観に来た人たちが、ラジオを聞いている感覚になるのもありかなって。永井それはおもしろそう!――当時のラジオを聞いていた人にも感涙のイベントになりそうです。永井きっと喜び、そして泣いちゃうと思います(笑)。岸谷もしかしたら、スタッフが当時のジングル音源とか、持っているかもしれない。「月曜日の永井真理子です」「水曜日の奥居香です」って、そんなことを言いながら、ジングルを使ってもいいし。永井それは最高にいい!(笑)岸谷曲紹介をラジオ風にやるのもおもしろいかも。話をしていると、いろいろアイデアが湧いてきます。やっぱり、当時の本物がふたりいるって素晴らしい!(笑)『感謝祭』って、お招きするアーティストの方にも楽しんでもらうのが大きなテーマなので、気楽に楽しんでください。永井良かった!おおいに楽しませてもらいます。うれしいです。――話が戻ってしまいますが、80年代にそういう形で出会って、お互いについて、どんな印象を持っていたのですか?岸谷しつこいようだけど、真理ちゃんと言えば、ショートカットで黒いタートル、ジーンズのイメージ(笑)。白いTシャツもあったね。黒いタートルか白いTシャツ。永井そうそう、あれは全部自前なの(笑)。――永井さんから見た岸谷さんは?永井もうピカピカしていましたね。そして、プリプリしていました(笑)。忘れられないのは、テレビで共演させていただいたことがあって、大きな楽屋で一緒になったときのこと。香ちゃんは覚えてないと思うけれど、「あっ、プリプリさんがいる!」と思って、楽屋のすみっこのほうで固まっていました。面と向かっては見られないんですが、鏡越しに見えちゃうわけですよ、そのピカピカが(笑)。ドキドキしちゃって、挨拶もうまくできなかった。岸谷えー、なんで?同い年でしょう。永井いやいやいや、先輩です。だって1年、プリプリのほうがデビューも早かったしね。で、鏡越しに見ていると、「なんだか、テレビを観ているみたいだぞ」って、「ダイアモンドだね~♪」ってつい口ずさみそうになって、ダメだ、今は本人がいるぞって(笑)。岸谷真理ちゃんはヨーグルトのCMやってたでしょ。永井やってた(笑)。岸谷そういうのを断片的に覚えているんだよね。――80年代末から90年代前半には、それぞれ大きなムーブメントを体験された共通点もあります。“ガールポップ”という言葉も生まれました。当時のそうした流れをどう感じていましたか?岸谷“ガールポップ”という言葉は強烈に覚えていますね。私たちはバンドだったから、その“ガールポップ”の仲間に入っていたのか、入れてもらってなかったのか、ちょっとイメージはわからないんだけど、真理ちゃんとか、あと、千里ちゃん(森高千里さん)とか、谷村有美ちゃんとか、女性アーティストがたくさん出てきた時代でもあったよね。永井そうだね。わりとソロの人が多かったのかな。岸谷華やかな時代というか、“ガールポップ”のイベントもあったよね。永井イベントもあったし、雑誌もあった。私としては、かなりボーイッシュだったので、「“ガールポップ”に入っていいんですか」みたいな感覚だったんだけどね。岸谷確かに髪は短かったけど、そこまでボーイッシュでもなかったというか、そんなに強そうでもなかったよね。永井うん。ちっちゃかったしね(笑)。岸谷真理ちゃんは、“ガールポップ”の象徴みたいなイメージがあるよね。私たちは、バンドのイメージが強かったんだと思うけど。あと、当時はイカ天から始まって、バンドブームもあったから。永井いろいろなブームが入り混じっていたと思います。――そうしたムーブメントの中で、おふたりともとても忙しいハードな日々を送っていたと思います。どのようにして、自分のペースを作り、乗り越えてきたのでしょうか?永井忙しかったでしょう?岸谷忙しかったと思うけど、若かったし、どっちかというと、“やった~! お客さんが増えたぞ”みたいな気持ちのほうが強かった気がする。会場がどんどん大きくなっていったことについても、まだ子供だし、怖い物知らずなところがあった気がする。不安もそんなになかったんじゃないかな。今とは時代が違うし。今は忙しくなると、メンタルが辛くなって、お休みするアーティストもたくさんいると聞くけれど、私たちの時代って、そっちに行かなかったんですよ。むしろ、「忙しくなってきた。やったぜ!」みたいな。永井それはバンドだからというのはあると思う。岸谷真理ちゃん、しんどかった?永井私はソロだから、まわりから、「もっとこっちがいいんじゃないか」「いや、あっちがいいんじゃないか」っていろいろと言われることがたくさんあるわけ。岸谷そうなんだ。永井そう。バンドは全部自分たちで作品を作るじゃない?で、「これしかないし」って言えるじゃない。でもソロだと、いくらでも味付けの仕方はあるわけで。だから、気がつくと、“えっ、こんな番組、私できないよ”みたいなことがあふれてしまって、気持ちがバーンと落ちてしまう時があったのね。“私は本当に自分を出せているのかな。苦しい苦しい苦しい”って。岸谷そっか。そこはやっぱりソロとバンドの違いなのかもしれないね。バンドだと、5人一緒になって、誰かの悪口を言って、発散することもできたしね。「なんだよ、アレ!」みたいな(笑)。永井私の場合は、そういうことを言ったら、逆に「いや、今は頑張りなさい」「走りながら悩みなさい」みたいな。岸谷ええっ!そうだったんだ。永井当時は葛藤があったけれど、そういう時があったから、今は何がやりたいとかやりたくないとか、しっかり選択できるようになったんだよね。あの時は若かったがゆえの苦しさでもあったし、今はそうした経験も良かったのかなと思っている。岸谷真理ちゃんにとってはハードな時代だったかもしれないけれど、当時は世の中もバブルだったし、なんでもかんでもキラキラしていた気がする。番組に出れば、誰か知っている人がいて、気安くしゃべっていたし。私としてつらい時があったとしたら、バンド内で、音楽の方向性について意見の違いが出た時かな。永井バンドはそこは難しいところだね。岸谷一長一短なんだよね。外部に対しては、みんなで一緒になって、悪口も言えるけれど、バンドの内部で意見が割れたときは、深刻だったし、解散することになったわけだし。そういう意味では、真理ちゃんは今も昔も永井真理子だよね。私の場合は、バンドだったのがひとりになり、休憩があって、またひとりだし、名前も変えちゃったしね。だから“ゼロから再出発”という感覚があった気がする。永井私はハタから見ていて、そういうところがかっこいいなと思っていた。ちゃんと名前も変えて、新しくゼロからスタートしているんだな、素敵だなって。岸谷あまり深く考えずに、子供ができた時に、名前も変えちゃったのね。離婚したらどうするんだろうと、ふと思ったんだけど、どうせプリンセス プリンセスじゃないんだったら、奥居香じゃなくたっていいやぐらいに考えていたというか。それはそれで良かったのかなと思いながら、今に至っています。永井ふたつ違う形で音楽ができるってことだしね。岸谷求められるものはそんなに変わらないというか、昔のものを求められることも多いんだよね。とは言え、やりたいことはぶっちぎってやっていこうと思っている。母親になると、少し視点が変わってくるから、昔のようなラブソングは書けなくなるのね。 書いてるつもりでも愛情の対象がずれてきたりするし、描くものが変化してきているし。でもそれは自分の中の自然の変化だからね。もう前とは名前も違うし、許してね、みたいな。そこは楽だったかもしれない。逆に真理ちゃんはずっと永井真理子だから、大変なところもあったんじゃない?永井いや、そんなにはないかな。――おふたりとも、子育てで10年ほど音楽活動を休止していたという共通点もあります。以前、岸谷さんが「自分の中からドレミファソラシドが消えた気がする」とおっしゃっていました。永井さんはお休みの間、音楽との関係は、どんな感じでしたか?永井私は真っ白になりました(笑)。とくに私はオーストラリアに行っちゃったし、子育てもしたかったし、1回真っ白になって、今までのことを見つめ直そうかなと思ったんですね。でも、海外に行くと、まったく日本の音楽を聴かなくなるから、自分は何者だったのかもわからなくなっちゃうの。岸谷そうだったんだ。永井立ち位置もわからなくなるし、自分なんか全然必要がないものなのかな、本当にステージに立っていた人間なのかなってところまで、いっちゃった。岸谷へぇー。永井気持ちが離れすぎちゃって。だから、そこからまた音楽に戻るエネルギーがなかなか湧いてこなかった。岸谷確かにエネルギーがいるよね。永井すごいいるでしょ。特にお休みした後なんかは、なかなか戻れない。だから、10年以上あいちゃった。――その間は、音楽を聴いたり、楽器にふれたりというのは?永井普通に一般人として、ラジオから聴こえる音楽にふれたりはしてました。洋楽だけですけど。これ、かっこいいなとか、そういう感じ。岸谷なぜオーストラリアだったの?永井本当はアメリカとかイギリスとか、音楽がいっぱいあるところに行きたかったんだけど、子供を抱えていくから、子供のいちばん過ごしやすいところがいいわけで、オーストラリアがいちばん受け入れ体制があったの。子供に優しくて、教育もとても良かったから。岸谷言葉は?永井言葉は全然わからなかったので、辞書を抱えて勉強した。岸谷学校に行ったの?永井子供はオーストラリアの地元に学校に行って、私も英語学校に通ったよ。全然うまくならなかったけどね。向こうで英語で仕事をしていれば、うまくなるけど、家の中では日本語を話しているから、一向にうまくならない(笑)。――休止期間があったことについて、岸谷さんはどう思っていますか?岸谷子育てをして、音楽から丸々離れちゃったことを、私は良かったなと思っています。1回違うことをすることで、リフレッシュするというか。私たちって、さんざん子育てやったわけじゃない?永井やったやった(笑)。お弁当を作って、学校に送ってね。岸谷“もう後悔はない”“うんざりしたよ”“疲れたよ”っていうくらい、子育てしたじゃない?そうやって子育てをやりきって、“はい、もうお終い!”ってとこまでやったから、「そろそろお母さんも好きなことをやっていい?」ってことで、音楽に戻ってこれたところはあるのね。永井それはとてもいいね。だったら、迷いなんてないよね。岸谷だから逆に、子供を産んですぐ仕事をしている子を見ると、“もったいないなあ”と思うことがあります。“初めて子供が立った瞬間を見逃しちゃうじゃん”って。永井私も休んでいる間は、完全におかあさんだけやっている日々でした。学校の送り迎えをしたり、お弁当を作ったり、子供のスポーツの試合に行って応援したり。――それぞれ音楽活動を再開するきっかけを教えてください。岸谷大きなきっかけになったのは、プリンセス プリンセスの再結成ですけど、その前に、夫が年に1回、AAAというエイズチャリティーのコンサートを武道館でやっていて、そこに参加していたことも大きかったと思っています。子育て中とはいえ、チャリティーだし、1日ぐらい出かけてもいいのかなって、年一だけで武道館に歌いにいってたのね。その時にイントロを聴いても、普通に歌い出せない瞬間があったの。ドレミファソラシドを確認したいなって。それまでは“パブロフの犬”じゃないけど、イントロが鳴ったら、黙っていても、歌が勝手に出てくるみたいな感じだったのね。それがシンガーだと思っていたんだけど、ドレミファソラシドを探さなきゃって思ったときに、私は本当に音楽家じゃなくなったんだなって悲しくなっちゃって。それで、リハビリみたいなことをバンドと始めたのが、音楽を再開するきっかけ。永井ああ、そうなんだ。震災がきっかけなのかと思っていた。岸谷震災がきっかけでもあるんだけどね。年1くらいで集まって、リハビリと称してライブをやっていたからこそ、震災が起こったときに、“自分たちのできることをやるために、プリンセス プリンセスを再結成しよう”って、決断できたんだと思う。真っ白なままだったら、あんなふうにはやれてなかったと思う。だって、かつてやったことのなかった東京ドームまでやったんだから、すごい道のりじゃない?永井そうだね。少しずつやることって大切だね。岸谷本当にそうなの。“3歩進んで2歩下がる”を繰り返して、“気づいたら5歩ぐらいは進んでた”っていうところで再結成を決めたのね。で、再結成して活動していったら、やっぱり音楽って楽しいなあって、改めて感じたのね。永井音楽を休んでた時間があるから、余計にやりたくなったんだよね、きっと。だから、休んでいた間もすごくいい時間だったんだと思う。岸谷真理ちゃんは再結成とか、そういうことではないじゃない?ボイストレーナーの先生を紹介した時が、音楽を再会する時期だったと思うけれど、なんでまたやろうと思ったの?永井あの時はちょうどデビュー30周年を迎える年で、年齢も50歳になる年だったのね。かと言って、声も体力も、今まで休んでいたところから、急にやれるようになるわけはないじゃない?岸谷どちらかというと、あちこちガタがくる年頃だしね(笑)。永井そうそう。でもそのタイミングで不思議と、今までお付き合いのあったミュージシャンとかファンの人が、“なにかまた始まるんじゃないか”って、私の背中をワイワイ押してくれたのね。私はそういうつもりじゃなかったんだけど、まわりが私の気持ちを底上げしてくれて、だんだんその気になってきたんだよ。逆にこれが最後のジャンプなのかもしれない、もしかしたらエネルギーが吹き上がるかもしれないと思って、香ちゃんにボイトレの先生を紹介してもらったの。でも、紹介してもらって良かった。岸谷本当に?永井本当に良かった。私、女性が年齢とともに高い音域が出なくなることを知らなくて、自分の声がちゃんと出なくなって、もう終わったと思っていたのね。発声を変えていかなきゃいけないということも知らなかったから、すごく悩んだんだけど、ボイトレの先生から喉の筋肉を鍛えることを教えていただいて、半年かけて、ライブをやったのね。岸谷オーストラリアは引き払ったの?永井そう。岸谷じゃあ行くのも転機だけど、引き払って戻って来るのも転機だね。永井そうなの。日本に帰ってきてから、2、3年あってから、音楽活動を再開したんだけど、自分でもよく始めたなと思う。10年休んでいたから、復帰するのに10年かかると思っていた。休んでいる期間が長ければ長いほど、若い時とは違うから、リハビリも長くかかるかなって。岸谷私も同じボイトレの先生に習っていて、最近も結構かよっているんだけど、我々の年代、女性は更年期もあるし、いろんなことが変わるじゃない。だから昔に戻ろうとしなくなったかな。永井あ、そうそう。それはある。岸谷だから、新しいプチシニア世代の自分になればいい、みたいなことは思った。永井それは私も思っている。岸谷昔のようにはできないわけだし、昔のようにやれたところで、やりたいことはそれじゃないかもしれないなって思う。休んでいた分、変身していいんだよねって。永井そう。私もまた新しく始められる気がした。声もやっぱり、少し下に下がったのね。でも上が減った分、下が広がったので、音域の広さ自体はそんなに変わっていないの。今の声って、嫌いじゃなくて。今の自分の言いたいことには、そっちの声のほうが合ってるっていうか。若い時にはピーピーした声が若い時の気持ちに合うのかなって。だったら、逆もいいのかもって思う。岸谷コンスタントに続けている人も、それなりにつらい時もいっぱいあるだろうしね。私たちはたまたま与えられた“子育て”という最高の理由があったから、気分を変えて、また戻ってこれたところはあるかもしれない。永井そういうところはあるね。岸谷私は子育て中は、外国のアーティストをまったく聴かなかったのね。来日しても観にいく時間がないから、2000年から10年、15年は洋楽の知識もぽっかり空いている。『感謝祭』で一緒にやるバンド、Unlock the girlsの若い子たちに教えてもらって、新たに今いろいろ聴いているところなの。それはそれでとてもいいものだなって。永井そうなんだ、すごい!しかもまた下の世代から教わるのが新鮮だね。岸谷バンドの子たちって、みんな89年生まれだから、私たちの当時の活動なんて、知らないのよ。だから曲の解釈も全然違うし、そこがおもしろいなって感じている。真理ちゃんの「ミラクル・ガール」もあの子たちだったら、全然違う解釈になるし、楽しくできたらいいなって思っています。永井あっ、それは私も楽しい。一緒に何か新鮮なものを作っていきたいな。岸谷結構極端にやるかもよ。永井極端にやってほしい(笑)。きっと観ている方も楽しいと思う。岸谷『感謝祭』はいつも、バンドの子たちとみんなで練りに練って、「これ、イエスと言ってもらえるかなあ」っていいながら、あれこれアレンジするのが楽しいんだよ。永井楽しみ。なんだかうれしいプレゼントみたい(笑)。――永井さんは久々に音楽活動を再開して、日本の音楽シーンについて感じたことはありますか?永井もう完全に浦島太郎状態ですね。全然わかりません。音楽のことも芸能界のこともわからないので、ポカーンです(笑)。岸谷日本のJ-POPだって独特の発展の仕方だしね。浦島太郎、わかる。日本に住んでいたって浦島太郎だよ。永井音楽は変わったと思いました。配信が主になったしね。私たちのころはCDしかなくて、下手したらアナログの時代だから。岸谷『感謝祭』の時にいつも思うのは、私たちの世代を知っていて、しかもこの世代を観ることをうれしく思ってくれる人が観にくるわけじゃない?今って、個人でチョイスする時代だから、こういう音楽が好き、ああいう音楽が好きって、チョイスして、そのグループの中ではよく知っているけれど、他のグループに行くと、誰もしらないという時代でしょ。だから『感謝祭』も、80年代の匂いやラジオを一緒に楽しくやっていた時代の匂いを楽しみたい人が来ると思うのね。そういう人たちに喜んでもらえるように、しっかり考えたい。永井そこにバンドのメンバーの若い子たちも入ってくるから、おもしろいよね。岸谷しかも、そこにトータス松本さんも参加するんだから、楽しいよね。トータスさんは、同学年だけど、デビューした時期が遅いから、私たちの世代のアーティストではないわけじゃない?――ウルフルズの「バンザイ」がヒットした頃って、おふたりとも活動を休止する時期ですもんね。永井そうなの。だから私は共演したことがないです。岸谷トータスさんとイベントで一緒になった時に、「『Diamonds』をバイトで皿洗いしながら、聴いていた」って言うから、「えっ、年は一緒じゃない?」って言ったら、「デビューが遅かったんだよ」って。あ、そうなんだと思ったことを覚えている。永井私は初めてお会いするんですよね。岸谷私もそんなに共演したことはないんだけど、トータスさんって、存在感があるし、私がやっている音楽とはちょっとジャンルも違うし、そういうところも楽しみ。あと、同い年でありながら、先輩風も吹かせられるしね(笑)。永井そっか。それは楽しみすぎる。――トータスさんが今回の『感謝祭』に参加される経緯は?岸谷トータスさんとは、今年3月に両国国技館で開催されたギターの弾き語りのイベント『J-WAVE TOKYO GUITAR JAMBOREE 2023 supported by 奥村組』で一緒になったのね。参加者全員が土俵のあるセンターステージで弾き語りをするイベントで、出番が最初のほうだったの。自分のステージが終わって、メイクも落として帰ろうかなという時に、トータスさんがやってきたので、「久しぶり~」って挨拶したんですね。その時に、「私はこういうイベントをやっているんだけど、良かったら出てよ?」って言ったら、「えっ、なんか目が怖いな」って。「怖くないよ、優しいよ。出てよ」って言ったら、「いいよ」って言ったんですよ。「今、いいよって言ったよね」って。それで本当に出てもらうことになりました。いい男だな、素敵な人だなと思って感激しました。同級生だけど、同級生じゃないみたいな不思議な感じ。――先ほどもラジオの話が出ましたが、『感謝祭』について、現時点で考えていることはありますか?岸谷今考え中ですね。真理ちゃんは女の子バンドとやったことはあるの?永井女の子バンドでは3年前くらいに『女祭』という企画イベントでやったことがある。若い子たちと一緒に。岸谷そっか。とにかく女の子バンドで一緒にやったら楽しいこと、考えます。まずともかくラジオがらみだね。永井懐かしいものとか、歌おうかな。岸谷曲に関してはご相談だけど、みんなが知っている曲は盛り上がるから、それもやって、一緒にやったら楽しい曲とか、考えます。――最後に観にくる人にメッセージをいただけますか?岸谷2020年からだから、『感謝祭』も5年目になるのかな。毎年、「今年は最高だったな。これ以上おもしろいことできるかな?」って思うんですけど、やりたいこと、やれることって、アーティストの数だけあって、ゲストが違うと、毎回カラーも変わるから、その中に入っていくのがすごく楽しいんですよね。今回は本当に同世代で、一緒に時代を駆け抜けた真理ちゃんだから、そこにヒントがある気がします。こうやって会って話しているだけで、どんどんアイデアが出てきているし。今後、ある時からちょっと気持ち悪いファンみたいに、ずっと真理ちゃんのことを考えるモードに入る予定です。寝ても覚めても、夢の中でも、ずっと真理ちゃんのことを考えて、アイデアを練ると思います。永井そうかそうか。私はまず、その仲間に入れていただけて、うれしいな。だから、できることはなんでもやります。岸谷言ったな(笑)。永井言ったよ。でも大丈夫(笑)。岸谷じゃあ、当時の私物のTシャツとジーンズ、持ってきてください(笑)。永井入るかな。っていうか、もう持ってないし(笑)。岸谷でも真理ちゃんはルックスの強烈な印象もあるし、例えば、みんなで真似したらおもしろいよね(笑)。みんなでお揃いのデニムとか、何か考えよう。私も衣装、探さなきゃ(笑)。Text:長谷川誠Photo:吉田圭子<公演情報>『岸谷香感謝祭2024』公演日:2024年2月23日(金・祝) 16:45開場/17:30開演会場:EX THEATER ROPPONGI出演:岸谷香/Unlock the girls/トータス松本(ウルフルズ) /永井真理子料金:全席指定9,000円※ドリンク代別途必要★チケット情報はこちら()関連リンク岸谷香 オフィシャルサイト:永井真理子 オフィシャルサイト:
2023年12月23日来年放送予定の吉高由里子主演大河ドラマ「光る君へ」より、吉高さんをはじめ、岸谷五朗、国仲涼子、高杉真宙、佐々木蔵之介、5名の扮装写真が公開された。大河ドラマ第63作目となる本作は、平安中期、のちに世界最古の女性文学といわれる「源氏物語」を生み出した紫式部の人生を、大石静が紡ぐ物語。今回公開されたビジュアルでは、大ベストセラー「源氏物語」の作者、吉高さんが演じるまひろ(紫式部)をはじめ、岸谷さん演じるまひろに文学の素養を授ける父・藤原為時、国仲さん演じる母・ちやは、高杉さん演じる勉学が苦手な弟・藤原惟規。藤原惟規役/高杉真宙そして、為時とは職場の同僚で、同年配の友人同士、幼いころから知るまひろの良い話し相手となって温かく見守る存在、佐々木さん演じる藤原宣孝の姿が公開。藤原宣孝役/佐々木蔵之介なお、本日より8日(金)までの5日間、本作の登場人物の扮装写真が公開予定となっている。大河ドラマ「光る君へ」は2024年1月7日(日)より放送(初回15分拡大)。NHK総合/日曜20時(再放送 翌週土曜13時5分)、BS・BSP4K/日曜18時、BSP4K/日曜12時15分。(シネマカフェ編集部)
2023年12月04日岸谷香のライブイベント『岸谷香 感謝祭2024』が、2024年2月23日(金・祝) に東京・EX THEATER ROPPONGIで開催されることが決定した。『岸谷香 感謝祭』は、「日ごろの活動に感謝して特別な一夜をお見せしたい!」という岸谷の想いから、毎年2月に行われている自主企画ライブ。2024年は岸谷のデビュー40周年となる記念イヤーでもあり、その幕明けを飾る第1弾として開催される。今回はゲストにトータス松本(ウルフルズ)と永井真理子を迎え、この日限りのコラボレーションをそれぞれ披露する。チケットはぴあアプリ先行を12月10日(日) まで受付中。『岸谷香 感謝祭2024』ぴあアプリ先行の詳細はこちら!()<イベント情報>『岸谷香 感謝祭2024』2024年2月23日(金・祝) 東京・EX THEATER ROPPONGI開場16:45 / 開演17:30出演:岸谷香 / Unlock the girlsゲスト:トータス松本(ウルフルズ) / 永井真理子【チケット情報】全席指定:9,000円(税込)※ドリンク代別途必要■ぴあアプリ先行:12月10日(日) 23:59まで詳細は こちら()岸谷香 オフィシャルサイト:
2023年12月04日2023年の岸谷香のライブ活動は実に多彩で濃密だ。2月には荻野目洋子と藤巻亮太をゲストに招いて『岸谷香感謝祭』を開催し、6月にはスガシカオ、馬場俊英、miwaとの弾き語り形式のツーマンツアー『2人ぼっちの大パーティー』を開催。それぞれ、ここでしか観られない素晴らしいコラボレーションが実現した。この他にも『The Unforgettable Day 3.11-2023-』『LuckyFes’23』『TOKYO GUITAR JAMBOREE 2023』など、さまざまなフェスやイベントにも参加している。さらに9月9日からは弾き語りツアー『KAORI PARADISE 2023』がスタート。そしてそのツアー終了後の11月24日からはUnlock the girlsでのバンドツアー『Kaori Kishitani Live Tour 2023 “56th SHOUT!”』も控えている。デビューから40年近くたった今もなお、新たな挑戦を続けている彼女の音楽への情熱はどこから来るのだろうか?主催イベントやライブについての思い、バンドツアーに向けての抱負、今後の展望などについて、話を聞いた。――2023年はライブ三昧の年になっています。しかも『岸谷香感謝際』や『2人ぼっちの大パーティー』など、岸谷さん主催のコンサートも数多く行っています。ライブの主催には、かなりの労力、エネルギーが必要だったのではないですか?『2人ぼっちの大パーティー』は準備があまりにも大変すぎたので、最終日本番前には「当分はいいかな」と考えていました。でもすべてのステージが終わった瞬間に、“なんて楽しかったんだろう!”と思いました。なので、毎年というわけにはいきませんが、3年に2回くらいのペースでやれたらいいなって考えています。ツーマンって、ワンマンとは違うおもしろさがありますね。――というと?対バン相手のステージを観に来たお客さんもいるわけじゃないですか。そういう方々にも、いいステージをお見せしたいという気持ちが強くなるせいか、ツーマンでは不思議なパワーが出るんですよ。スガさん、馬場さん、miwaちゃんのステージも素晴らしかったですし、貴重な経験になりました。スガさんとのツーマンでは、あだ名まで付けられました。――どんなあだ名ですか?“ブルドーザー”ってあだ名を付けられて、スタッフにも大ウケでした(笑)。――岸谷さんが情熱を持ってツーマンに臨んでいたから、そんなあだ名が付いたのではないですか?どうなんでしょう。いろいろな意味があるような気がしますが、命名者に聞いてみないとわかりませんね(笑)。――あだ名を付けられるって、同級生同士の共演ならではですよね。そういうところも楽しかったですね。馬場さんとは「人生という名の列車」を一緒に歌うこともできましたし、miwaちゃんとは世代が違うからこその楽しさを感じました。――さまざまな形態でのライブを精力的に行ってきています。これは意図しての展開なのですか?今年に関しては、“私のできることを全部並べました”という感じでやっています。まだ発表されてないスケジュールも含めて、本当にいろいろな形でライブをやっている実感があります。――ライブへのモチベーションが高いのは、どうしてなのでしょうか?コロナでライブを出来ない時期があったことが大きかったんだと思います。ライブを行うために必要なものを貯金する期間になりました。ピアノを練習する時間もありましたし、ライブアレンジ、曲の構成、演出など、ライブに必要なことについて、突き詰める時間になりました。ライブができない状況があったので、ピアノの弾き語りをYouTubeで定期的に配信した時期もあって。「あの曲をやって」「この曲をやって」って、私の想像が付かないような曲を視聴者がどんどんリクエストしてきたんですよ。――かなりたくさんの曲を生演奏されたんですよね。そこで再発見したこともたくさんありました。「えっ、この曲、やったことないよ」と言いながら、弾き語りでやってみたら、意外とおもしろい曲もあったんですね。そこからさらにアレンジを突き詰めて、弾き語りツアーのセットリストに入れた曲もいくつかあります。YouTubeでリクエストされなかったら、おそらく弾き語りでやることはなかったので、“無駄なことってないんだな”って思いました。あとは、ライブの構成や流れについて考えるようになって、よりライブが楽しくなったところもありました。実際のライブで活用できるくらい、ライブをやるために必要な能力の貯金が貯まったタイミングだったんじゃないかと思います。ついにその貯金を使うぞー!って(笑)。――ライブに必要な能力って、ステージで歌って演奏するだけでなく、ライブをトータルで表現していく能力ということでしょうか?そうですね。ここに来て、その楽しさを知ったという感じですね。大きかったのは弾き語りツアーなんじゃないかな。弾き語りって、ひとりで演奏して歌うことだけではなくて、アレンジを新たにゼロから作りあげる作業もあるし、流れを考える作業もあります。これがなかなか難しいという。――どういうところが難しいのですか?自分では、“こんな風に聴こえてほしい”と思って演奏したとしても、他人にそう聴こえるかどうかは別問題であるところですね。自分のイメージを主観的に追求することと観客の視点で客観的に判断することを両立させなきゃいけないので、その判断力を養う必要があります。――デビューから40年近くたった今も、さらなる成長を目指しているところが素晴らしいです。この1年で“自分がどんなミュージシャンなのか”を思い知ったことも、大きかったと思います。例えば、miwaちゃんとのツーマンで、何が一番のプライオリティーかということでは、miwaちゃんは「歌」と言ってましたが、私は歌ではないんですよ。馬場さんは「歌詞をしっかり表現したい」って言っていたけれど、私は歌詞へのこだわりはそこまでではないし。スガさんはスガさんで、私がどうやっても思いつかないようなコード進行を作る才能を持っていらっしゃるし。他のミュージシャンと共演することで、自分に足りない部分を思い知らされました。――岸谷さんは作曲・アレンジ・プロデュースへのこだわりを強く持っている印象を受けます。曲作りもアレンジも好きですし、プロデュースも好きですね。一時期、“私はプロデュースにあんまり向いてないな。自分のことしか考えられないタイプだな”って思っていたんですよ。でも最近になってイベントを主催する機会も増えてきて、やっぱりプロデュースするのが好きだなって再認識しました。――Unlock the girlsを組んでからは、バンドのプロデューサーという役割も担っていますよね。自分とは全然違う音楽を聴いてきた子たちと一緒に音楽を作るのは、とても楽しいです。みんなと一緒に曲を作る時に思っているのは、それぞれが持っているものをそのまま出してほしいということ。それぞれのメンバーから出てくるものをまとめる作業は大変かなと想像していたんですが、やってみたら、意外とできるものだなと思いました。今年からコンサート制作の経験豊富なプロデューサーが新たにチームに参加してくれたこともプラスになっていると感じています。――ブラスになっているのは、どんなことですか?そのプロデューサー、私の曲を全然知らないんですよ(笑)。せいぜい代表曲を何曲か知ってるくらい。でもそこもいいというか。私の曲を知らない人がどう感じるかは重要なことですし、客観的かつ的確に指摘してくれるので、とても参考になっています。弾き語りツアーなどで地方に行くと、「Diamonds<ダイアモンド>」と「世界でいちばん熱い夏」と「M」くらいしか知らないお客さんがたくさんいるんですが、そのプロデューサーが「いい」と言ってくれたら、そういう人たちにもちゃんと届くんだろうなって思えるようになりました。――来た人全員に届けるためには、構成や流れも重要な要素になるんですね。ある意味、「M」や「Diamonds<ダイアモンド>」の扱いって、とても難しいんですよ。これらの曲を何十年もやってきている側からしてみると、「『M』が良かったです」って言われることも、もちろんうれしいんですが、それだけじゃ困るというか。「今の岸谷香の音楽もいいね」「初めて聴いたあの曲、いいね。CD探してみようかな」って、他の曲にも興味を持ってもらいたいじゃないですか。――ミュージシャンとしては当然の思いですよね。私は“懐メロおばさん”みたいになるのはイヤだから、いかに昔の曲がコンサートの目玉にならないようにするか、いつも考えているんですね。そこでプロデューサーの指摘がとても参考になっています。なので、プロデューサーをリハーサルスタジオにお呼びして、通して聴いてもらって、「私はこういう意識でやっているけれど、そう聴こえますか?」と確認するようにしています。「だったら、この曲は入れ替えたほうがいいね」「ここはこういう照明の演出をすれば大丈夫」といった感じで、プロデューサーの意見を参考にしながらコンサートを組み立てています。――実際のコンサートで、そうしたやり方の成果を感じていますか?明らかな違いがありますね。その日のライブの舵を自分が取っているという実感があるんですよ。弾き語りは要素が少ないので、出発地点はいつもほぼ一緒なんですが、これまでは“その日の潮の流れによって行き先も変わるし、どこに到着するかわからない”という意識でやっていました。でも客観的な視点を意識するようになってからは、潮や風の流れによって迂回することもあるけれど、到着地点は常に一緒というライブができるようになってきました。その日のステージの出来が良くて、たまたま感動してくれたのではなくて、“感動してもらえるように組み立てているのだから、感動は必然”という風に意識も変わってきました。――客席の反応をコントロールすることも重要なんですね。以前はいかに大きな声援と拍手をもらうかということばかりを考えていましたが、客席に求める反応って、それだけじゃないなと気がつきました。例えば、ここはじっくり聴き入ってもらいたいから、拍手はいらないという場面でパラパラと拍手が来たら、舵を取れていないんですよ。そういう場面では拍手をさせないやり方が必要になります。これまでは行き当たりばったりでやっていたことでも、今は自分がイメージしたとおりのステージをできるようになってきました。――近年の岸谷さんの弾き語りのステージを観ていて感じるのは、1曲1曲の歌が深く染みてくるということです。流れ以外のことで、ステージにのぞむ意識で変わってきたことはありますか?弾き語りって、ひとりでやっているわけだから、個人的なメッセージを伝える意味あいもあると思うんですね。そうした時に、これまでの人生で感じたことを包み隠さず音楽で表現できたらいいなって思うようになってきました。例えば、大切な友達が亡くなってしまって感じたこと、命の尊さやその人が生きていた証しのかけがえのなさなど、素直に歌に込めて届けたいなって。もちろんライブってエンターテインメントだから、暗くなりすぎるのは違いますが、弾き語りだったら、そうしたテーマでも自然にさらっと歌うこともできるし、しっとりと届けることもできるし、ニュアンス豊かに表現できるところが魅力だと感じています。――弾き語りって、奥が深いですね。弾き語りのライブを観に来る人って、ハッピーになりたい人ばかりじゃないと思うんですよ。泣きに来る人もいるかもしれないですし、いろいろな瞬間があっていいのかなと考えています。幸いなことに私の曲って、基本的に明るいものが多いので、弾き語りで賑やかな気分になったり、しんみりしたり、いろいろな場面を作れるんじゃないかなと思っています。“新譜が出たから、新譜を中心にやります”ということではなくて、最近はコンサートの核になるものはなんなのかを意識するようになりました。――コンサートの核になるものって、どのようなものですか?その時々に歌いたいこと、届けたいことのファーストイメージ、テーマみたいなものを探し出して、そのイメージに沿って構成するようになってきました。今年、バート・バカラックが亡くなったじゃないですか。“今の私があるのは、バート・バカラックを始めとするさまざまな音楽家から影響を受けたからだ”という発想からストーリーを作って選曲したりもしています。バート・バカラックのことを思って書いた曲は、セットリストからはずれたんですけど、自分のスタート地点を意識するところはありますね。今年のライブの選曲で、スタッフから言われるまで気がつかなくて、びっくりしたことがありました。――それはどんなことですか?「今年はPRINCESS PRINCESSのオンパレードみたいだね」って言われたんですが、確かに多いんですよ。それもみんなが大好きなPRINCESS PRINCESSの曲ではなくて、ソロになって初めてやるPRINCESS PRINCESSの曲もいくつかあって。おそらく私が今年作りたかったシーンとPRINCESS PRINCESSの曲がたまたま合ったんだと思います。それらの曲をやるのがとても新鮮で楽しかったです。――例えば、どんな曲ですか?PRINCESS PRINCESSの再結成の時に初めて5人でやった「I LOVE YOU」とか、解散前に1回もステージでやっていない曲とか。選曲する時点でPRINCESS PRINCESSの曲かどうかを意識する必要はないな、その時々にやりたい曲をやるのがいいなって思うようになりました。――11月24日からバンド編成でのツアー『Kaori Kishitani Live Tour 2023 “56th SHOUT!”』が始まります。数字と“SHOUT!”という言葉が付いたツアーが最初にスタートしたのが2014年で、“47th SHOUT!”からでした。そもそもこういうタイトルにしたのはどうしてなんですか?新譜のないツアーだったので、“ツアータイトルを考えるのもめんどうだな。きっとこの先もずっと歌っていくだろうから、年齢でいいんじゃないかな?”っていうノリで、“47th SHOUT!”と付けて始めたら、いつのまにか50も越えて、56になっていました(笑)。――コロナ禍での中断はありましたが、ほぼ毎年の恒例のツアーとなっています。弾き語りとバンド編成というふたつの異なるツアーがあることで、観客もさまざまな楽しみ方ができますよね。基本的には弾き語りツアーは“KAORI PARADISE”、バンド編成でのツアーは“SHOUT!”で統一しています。ゆっくり座ってじっくり聴きたい、泣きたいという時には“KAORI PARADISE”、スカッとしたい時には“SHOUT!”に来てもらったら、観る目的が達成されるのではないでしょうか(笑)。ツアーが2種類あるおかげで、すべてを網羅する必要がなくなったので、構成を考えやすくなりました。“KAORI PARADISE”ではPRINCESS PRINCESS時代の曲が多めになることもあると思いますが、“SHOUT!”は、今の私の音楽、56歳のシャウトを楽しんでもらいたいですね。――ツアータイトルに年齢の数字が入っているのは、その時々のリアルタイムの音楽をやっていることの証しでもあるわけですね。そう考えています。56歳のシャウトが47歳のシャウトと同じになっちゃったら違うだろうし、今年は今年のシャウトになると思います。CDでリリースしていない新曲もやる予定です。――ツアータイトルの中に年齢という数字が入ることで、リスナーの人と一緒に年を重ねて併走しているというニュアンスも出てきそうですね。一生のファンみたいな人もいるでしょうしね。年齢をカウントすることで、この年はこうだった、あの年はこうだったって、自分の歴史と重ねやすいところはあると思います。――バンド編成のライブの魅力って、どんなところにあると考えていますか?エレキギターの楽しさに尽きますね。リハーサルで、エフェクターを踏んで、エレキギターのあの音色が響くだけで、テンションが上がりますから(笑)。自由度の高さもバンドの楽しさの1つですね。例えば、途中まで私がピアノを弾いて、間奏を入れて途中でギターに持ち替えて、私とYukoのツインギターで演奏するのもありですし。その場で出てきたアイディアを実行するのが楽しいです。――Unlock the girlsを結成して約6年とのことですが、変わってきたことは?どんどんバンドになってきていますよね。スタート時点では、Yuko・HALNA・Yuumiの3人と私とでは、年齢もキャリアも聴いてきた音楽もまったく違ったので、対等の関係になれるかどうか、それぞれ不安もあったと思うんですよ。でも今はみんな、機嫌が悪かったら、遠慮せずにそのまま機嫌の悪さを出すようになってきました。そうそう、バンドってこういうことだよねって(笑)。音楽的にもこの4人で演奏したら、こうなるなってイメージできるようになってきました。――バンドのオリジナリティーが確立されてきたということなのでしょうね。バンドになったとしか言いようがないですね。誰かが誰かに合わせるのではなくて、それぞれが自分のやりたいように演奏した結果、バンドの音になっているのが理想なんですよ。その境地に近づいている実感がありますね。一緒に曲を作ったり、ライブをやったり、レッド・ホット・チリ・ペッパーズのライブを観に行ったり、みんなで集まってYouTubeのライブ映像を観たり。楽しいことも共有できているのが大きいですね。3人ともいろいろなところに出て行って演奏する機会があるんですが、“ホームは楽だな”って感じてくれたらと思っています。――バンドになったなと実感したのはどんな瞬間ですか?あるライブのリハの時にHALNAが「アンコールの曲の後奏、レッチリのあれにしちゃおうよ」と提案してきて、「いいね」「やろうやろう」とすぐに決まり、HALNAが本番でフリーの振りまで真似して、大ウケした瞬間ですね。観ている人たちはポカンとしたかもしれませんが、バンドって、たまには内輪ウケがあってもいいんじゃないかなと思います。――バンドの楽しさって、そういうところにもありますよね。ツアーでは新曲を披露する予定とのことですが、新曲の曲作りはどんな感じで進んだのですか?みんなで飲んでいる時に、「シャッフルの曲がないから、あるといいよね」「マイナーの曲もないから、やろうよ」って話していたんですよ。最初は「私はマイナーの曲は書かないんだよね」って言っていたのですが、他のメンバーがこれまでマイナーの曲を多くやってきたこともあり、「じゃあ作るか」ということになりました。その後、私が大本の音源を作り、その音源をもとにして、メンバーがちょっと変えてデモテープを作り、そこからさらにみんなで話しながら作っていったら、どんどん曲が良くなりました。――そうした作り方はバンドならではなんでしょうね。バンドっておもしろいなと思いました。今はすっかりライブモードになっているので、レコーディングもリリースの時期も決まっていませんが、ライブが一段落したら、作品作りをしたいですね。――バンドツアーは“56th SHOUT!”となるわけですが、今の時期について、どう感じていますか?いい時期だなと感じています。今が収穫期ですね。今まで一生懸命種をまいて育ててきて、音楽の果実を収穫している感覚があります。私はPRINCESS PRINCESSを解散して奥居香になって、その後、岸谷香になり、しばらく子育てでお休みして、名前がコロコロ変わったので、若い音楽ファンからすると、「あんた誰?」の極地だと思うんですね。Unlock the girlsでのバンド活動も始めて、ここ数年でやっと岸谷香としての音楽活動が落ち着いてきたかな、この時期を楽しみたいなという心境になっています。――収穫期とのことですが、収穫すると同時にまた種をまいているのではないですか?植物も花が咲いて、実がなって、その実が地面に落ちて、また種になったりするじゃないですか。音楽もそういう、いいサイクルでやっていけたらと思っています。――2024年にはデビュー40周年を迎えます。実感はありますか?40周年と言っても、私はほとんど10年は休んでいるようなものだから、中身は30年くらいの感覚ですね。だから今の私のミュージシャン年齢は46歳(笑)。周年にはまったく興味がないんですが、スタッフは周年が好きなので、今後、いろいろな展開があるかもしれません。私としては今年、自分ができることを全部並べたという意識があって、その流れが2024年頭まで続くイメージですね。2022年の年末に『KAORI PARADISE 2022 年末スペシャル』ということで、ビッグバンドと共演するステージを3本やったんですね。そのステージがとても楽しかったので、2024年の初めに再びビッグバンドと一緒にやる予定です。これまでにフルオーケストラとの共演はあるんですが、ビッグバンドとは、PRINCESS PRINCESS時代に、六本木PIT INNというライブハウスで遊びで1回やっただけだったんですよ。――これまで共演してことなかったのはどうしてなのですか?私は弦楽器には馴染みがあるんですが、管楽器ってほとんど馴染みがなかったんですよ。管楽器って、ジャズやブルースやR&Bを通っていないと、わからないところがあると思っていたから。私はブラックミュージックをほとんど通らないまま、ここまで来ちゃったので、“管楽器は得意じゃないな”という意識がありました。でも私の曲って基本は明るいし、ロックンロールもあるし、実は結構管楽器が入っているんですよ。友達のミュージシャンから「ビッグバンドとやってみない」と声をかけられて、やってみたらとても楽しかったんですね。なのでもう1回やりたいと思い、おそるおそる「また一緒にやってもらえますか?」と聞いたら、みなさん、快くOKしてくださって、再び共演できることになりました。最近の若いミュージシャンのやっているビッグバンドって、女の子たちもたくさんいて、次にやる時にも女の子が二人入る予定なので、今から楽しみです。ここに来て、また新たな音楽の楽しさと出会えました。――年々、音楽表現の幅が広がっているということですね。2024年も感謝祭をやる予定ですし、バンドでのツアーもやりたいし、弾き語りの一人旅もやりたいと思っています。何人か分のミュージシャン人生を一人で体験しているようで、とても欲張りに生きている気がします。“全力で仕事して全力で遊ぶ”というのが、2023年の私のモットーなのですが、実際に今年はおおいに働き、おおいに遊んでいます。――これだけ多種多様なライブ活動をやりながら、遊びも充実させるところが素晴らしいですね。大きな仕事が終わった翌日には「さらば!」って、さっさと日本を出国したこともありますね(笑)。子どもたちも大きくなったし、そういう過ごし方が私にとっては、いちばんハッピーなんですよ。ライブで放電した後には、いろいろな刺激を受けて充電することも必要だと思っています。海外にライブを観に行くことは私にとって最高の充電の1つですね。――岸谷さんの音楽活動、さらに自由自在になっているという印象を受けます。若い頃って、“自分はこういうミュージシャンだから、こういうことをしたらおかしいだろう”と、自分で自分を枠にはめてしまうところもありました。でも今は“何をやってもいいかな”と思うようになりました。死ぬまでに世界各国のいろいろな料理を食べておきたい、みたいなノリに近いのかな。やったことのないことをやっておきたいんですよ。やってないことって、まだまだたくさんあるので、楽しみは尽きないだろうなと思っています。Text:長谷川誠Photo:吉田圭子<公演情報>Kaori Kishitani Live Tour 2023 ”56th SHOUT!”11月24日(金) 名古屋BOTTM LINE開場18:15 / 開演19:0011月25日(土) 大阪BIGCAT開場16:15 / 開演17:0012月3日(日) 東京日本橋三井ホール開場16:15 / 開演17:0012月9日(土) 福岡トヨタホールスカラエスパシオ開場16:15 / 開演17:00チケット料金:全席指定8,500円(入場時ドリンク代が必要)()岸谷香 公式サイト:
2023年09月19日この日のステージでしか見られないスペシャルな瞬間がたくさんあった。感動と驚きと胸の高まりを同時に味わった。「岸谷香プレミアム弾き語り2マンライブ~ふたりぼっちの大パーティー!!~」の6月18日、日本橋三井ホール。6月9日の名古屋公演でのスガシカオとのツーマン、6月11日の大阪公演での馬場俊英とのツーマンに続いて、東京公演のツーマンの相手はmiwaだ。ツーマンライブにも様々な形態がある。それぞれのミュージシャンが完全に独立したステージを行って、共演しないケースも少なくない。しかし岸谷が主催するツーマンは、出演者同士がっちり組んでコラボレーションする場面が、複数用意されているところに特徴がある。個々のステージだけでなく、共演による音楽の化学変化も楽しめるのだ。ステージ上に2本のマイクスタンドが立ち、後ろにはスタインウェイのグランドピアノが設置されている。岸谷とmiwaがステージに登場し、ステージセンターで握手し、それぞれの位置についた。下手側のスタンドの前には赤いMartinのアコースティックギターを持った岸谷が、上手側にはブラウンのMartinのアコースティックギターを持ったmiwaが立っている。ふたりがギターを抱えて並んでいる構図が新鮮だ。オープニングナンバーはmiwaのデビュー曲「don’t cry anymore」。miwaのギターのワンストロークに続いて、ふたりのハモリが聴こえた瞬間に、早くも鳥肌が立った。miwaのボーカルに岸谷がハーモニーをつける構成になっていたのだが、歌に込められた思いが増幅されて伝わってくるようだった。ふたりには歌・作詞・作曲・楽器演奏・弾き語りツアーという5つの共通点がある。それぞれが多面的に音楽と向き合っているからこその歌に対する理解の深さと歌心を備えた楽器演奏とが、深みのある世界を生み出しているのだろう。ふたりのギターの音色も生み出すグルーヴがとても気持ちいい。間奏では岸谷のギターソロが入るアレンジになっていた。ふたりが向き合ってのフィニッシュに、客席から盛大な拍手と歓声が起こった。「miwaちゃんとはこれまでも数回、共演したことがあります。今日は仲良くふたりで楽しく音楽をやっていきたいと思います」と岸谷が挨拶。ここからしばらくmiwaのソロステージが続く構成だ。「岸谷さんとツーマンのステージに立てるということで緊張もしていますが、初めての方にも楽しんでもらえたらと思っています。心をこめて歌います」というmiwaのMCに続いて、「Delight」が演奏された。ギターのつまびきで始まり、伸びやかな歌声がすーっと届いてきた。天気にたとえるならば、青空の中で光輝きながら降るパウダースノーのように軽やかで伸びやかでピュアな歌声だ。曲が進むほどに、力強さを増していく。彼女のシンガーとしての表現力の豊かさが実感できる。あだち充のコミックの名作『タッチ』の約30年後を描いたアニメ『MIX MEISEI STORY~二度目の夏、空の向こうへ~』のエンディングテーマになっている新曲「ハルノオト」も披露された。みずみずしい歌声とリズミカルなギターとで、主人公のせつなさやもどかしさを鮮やかに表現。歌とギターだけなのに、時の流れまでもが伝わってくるようだった。「ミラクル」では客席からのハンドクラップも交えての歌と演奏。輝くような歌声と開放感あふれるギターに、会場内が揺れている。ドラマ『リッチマン、プアウーマン』主題歌である「ヒカリへ」は、弾き語りバージョンで演奏されることで、音源とはまた違う歌の表情が見えてきた。旋律の美しさが際立ち、パーソナルな思いが浮かび上がってくると感じたのだ。後半にいくほどに歌の世界が広がり、高揚感が漂い、サビでは観客がハンドクラップで参加。伸びやかな歌声がどこまでも届きそうだ。アカペラを効果的に使った緩急自在の演奏も見事だった。ドラマ『コウノドリ』主題歌でもある「あなたがここにいて抱きしめることができるなら」では、歌とギターが一体になって歌っているかのようだった。ドラマの主題歌が多く選曲されていたのは、ツーマンならではだろう。初めて観る人でも存分に楽しめる“敷居の低さ”もツーマンの醍醐味のひとつだ。いや、このツーマンにはもともと敷居なんてものは存在しないのかもしれない。オープンマインドも、このツーマンの魅力のひとつだ。再び岸谷が登場して、「横で聴いていたけど、本当に上手だね。素晴らしい歌だった」とmiwaの歌とギターを絶賛する場面もあった。続いてmiwaの曲「片想い」は岸谷のピアノ、miwaの歌というコラボレーションが実現した。岸谷の奏でるたおやかさと繊細さを備えたピアノの演奏のもとで、miwaが透明感あふれる歌声を披露。岸谷によるピアノの演奏とアレンジの素晴らしさにも、息を飲んで聴き入ってしまった。ピアノが曲にさらなる奥行きや広がりをもたらしている。歌とピアノとが共鳴しあってエモーショナルな世界を生み出していた。名作映画を観終えたような深い余韻が残った。「ふたりでひとつになったなという『片想い』でした。自分で鳥肌が立ってしまいました」と岸谷。「岸谷さんのピアノのアレンジが最高でした」とmiwa。今回の共演に、ともに手ごたえを感じていることが伝わってくるMCだった。ここから、岸谷のソロステージへ。岸谷ソロの1曲目はPRINCESS PRINCESSのヒット曲「GET CRAZY」。この曲もドラマの主題歌(1988年放映の『君が嘘をついた』)だ。ロックンロール調の曲をアコースティックギターによるアレンジで披露するところがニクい。艶やかさとタフさとワイルドさを兼ね備えたボーカルとノリのいいグルーヴィーなギターのカッティングに体が揺れる。ギターソロもファンキー。ルーパーを駆使して、「ヘイ!三井ホール、楽しんでいるかな」というフレーズの多重コーラスを入れる演出も楽しかった。弾き語りツアーなどで培った技がさらにブラッシュアップされていると感じた。フェイクでのフィニッシュに大きな歓声。コロナ禍に制作・発表された現時点での最新曲「STAY BLUE」では、爽快感と開放感の漂う歌の世界を歌とギターで見事に表現。エネルギッシュな歌声が真っ直ぐ届いてきた。この曲でも効果的にルーパーを使い、広がりのある世界が出現。屋内なのに頭上に青空が広がっているかのようだった。楽器をギターからピアノに替えて演奏されたのは、miwaのカバー曲「ホイッスル~君と過ごした日々~」。ちなみに岸谷が作曲して森口博子に提供した楽曲にも同じタイトルの「ホイッスル」という曲がある。やはり、このふたりにはいろいろな共通点があるのだろう。岸谷がmiwaの曲を歌うのも、ツーマンならではの楽しさのひとつ。この曲は全国高等学校サッカー選手権大会のテーマソングとして制作された曲だ。miwaの「ホイッスル~君と過ごした日々~」とは、またちょっと違う“青春”が見え隠れする。ノスタルジックなテイストのにじむピアノも味わい深かった。PRINCESS PRINCESSの「パパ」もピアノの弾き語りで披露された。「ホイッスル~君と過ごした日々~」はmiwaが22歳の時に書いた作品なのだが、この「パパ」も岸谷香22歳の作品である。世代の違うmiwaと共演することによって、岸谷も時代を自在に超えて、歌い演奏しているようだった。「パパ」は“今の思い”と“かつて感じた思い”が混ざりあっているような歌と演奏が素晴らしかった。みずみずしさと懐かしさとが共存しているのだ。間奏のせつないピアノにも、ハッとさせられた。この曲はラブソングであると同時に、親子間の愛情を歌った歌でもあるだろう。6月18日は「父の日」でもあったので、しんみり聴きいった父親である観客もいたのではないだろうか。ピアノの弾き語りでの「Diamonds<ダイアモンド>」は、バンドとはまた違うきらめきを放っていた。朗らかな歌声と弾むピアノによって、会場内に明るい空気が漂っている。聴く人たちをもれなく笑顔にするような温かな歌と演奏に胸が熱くなる。ハンドクラップやコール&レスポンスもあり。間奏の演奏はスリリングかつトリッキー。グリッサンドでのフィニッシュに会場内は拍手喝采。ツーマンの終盤は岸谷とmiwaとの三度目のコラボレーションが実現。岸谷の歌とピアノとmiwaの歌とギターでの披露となったのはPRINCESS PRINCESSの「世界でいちばん熱い夏」だ。イントロが鳴り響いた瞬間から、観客も熱いハンドクラップで参加。1コーラス目はmiwaのリードボーカルと岸谷のコーラス、2コーラス目は岸谷のリードボーカルとmiwaのコーラスという構成になっていた。miwaの歌声は成層圏まで一気に届きそうだ。そして、ふたりの声が混ざり合った瞬間に、マジカルな空気が生まれた。ラブもパッションもたっぷり詰まったハーモニーによって、会場内が熱気に包まれていく。miwaは曲のエンディングで岸谷の隣へと移動して、岸谷の肩越しにギターをかき鳴らしている。ふたりとも笑顔でのフィニッシュ。こんな場面からも、ふたりの息がぴったり合っていることがわかる。この日のMCのテーマのひとつはふたりの共通点である。“東京育ちであること”と“実家から仕事先に通っていたこと”とともに挙がったのは、“コンプレックスがないこと”だった。「悪エピソードと青春エピソードないのがコンプレックスです」とmiwaが答えると、「一緒」と岸谷。つまりふたりともすくすく“真っ直ぐ”に育ってきたのだろう。真っ直ぐさと真っ直ぐさとが混ざり合うことで生まれる“純粋さ”“曲がらない強さ”などをふたりの歌と演奏から強く感じた夜だった。終盤ではふたりとも大好きだというシンディ・ローパーのカバー「TRUE COLORS」と「ALL THROUGH THE NIGHT」も披露された。「TRUE COLORS」はmiwaがリードボーカルをとり、岸谷がコーラス、「ALL THROUGH THE NIGHT」は岸谷がリードボーカルをとり、miwaがコーラスをとる構成。どちらの曲もヒューマンな歌声とギターが素晴らしかった。互いが互いの奏でる音を聴き、高め合うような歌と演奏なのだ。演奏が終わった瞬間に、握手するふたりを温かな拍手が包み込んだ。岸谷にとって、弾き語りツーマンは今回の3本が初めて、miwaも弾き語りツーマンは初めてとのこと。「今日は正解がわからないもの同士がやっています」との岸谷の言葉もあった。“正解不正解”を超えた“音楽の楽しさ、美しさ、かけがえのなさ”を堪能した。この夜の最後の曲はPRINCESS PRINCESSの「M」。岸谷の歌とピアノとmiwaの歌での披露となった。やはりふたりのハーモニーは特別だ。包容力あふれる岸谷のピアノが、miwaの歌声を包み込んでいく。演奏が終わった瞬間、大きな拍手と歓声が起こった。ふたりが手をつないで、お辞儀してステージを去った後も拍手が鳴り止まず、再び登場して挨拶する場面もあった。おそらく観客全員をハッピーにするツーマンになったのではないだろうか。「私たち自身が楽しいステージでした。またmiwaちゃんとやりたいと思いました」と岸谷が語り、「またぜひやりましょう」とmiwaも即答していた。それぞれの音楽性だけでなく、人間性も共鳴しあうようなステージだ。音楽の楽しさとともに、人と人とが心を合わせることのかけがえのなさも感じた。「Diamonds<ダイアモンド>」の歌詞を借りて表現するならば、宝物のような瞬間がたくさんある夜だった。ふたりの歌声と演奏は、終演後も胸の中で輝いていた。Text:長谷川誠Photo:MAKOTO YOSHIOKA<公演情報>岸谷香プレミアム弾き語り2マンライブ ~ふたりぼっちの大パーティー!!~2023年6月18日東京・日本橋三井ホールセットリスト01. don’t cry anymore(共演)■miwa02. delight03. ハルノオト04. ミラクル05. ヒカリへ06. あなたがここにいて抱きしめることができるなら07. 片想い(共演)■岸谷香08. GET CRAZY09. STAY BLUE10. ホイッスル(miwaカバー)11. パパ12. Diamonds<ダイヤモンド>13. 世界でいちばん熱い夏(共演)14. TURE COLORS~ALL THROUGH THE NIGHT(共演)15. M(共演)<ライブ情報>岸谷香 バンドツアー2023年11月24日(金) 名古屋・BOTTOM LINE2023年11月25日(土) 大阪・BIGCAT2023年12月3日(日) 東京・日本橋三井ホール2023年12月9日(土) 福岡・トヨタホール・スカラエスパシオ関連リンク岸谷香 公式サイト: 公式サイト:
2023年06月23日岸谷香が主催する弾き語り形式のツーマンツアー『ふたりぼっちの大パーティー』、6月18日の東京公演の対バンゲストはmiwaである。ふたりはこれまでも、テレビの音楽番組やイベントで何度も共演している。近年の共演は、2022年8月に山形で開催された、武部聡志プロデュースのコンサート「TIMELESS SESSIONS in 山形 2022」だった。岸谷がピアノを弾き、miwaがPRINCESS PRINCESSの名曲「M」を歌う貴重なコラボレーションも実現。これまでの共演の積み重ねが今回のツーマンにつながった。弾き語りに情熱を持って向き合ってきたふたりの対談。世代こそ違うが、たくさんの共通点が浮上した。たとえば、「母親の手作り弁当」や「リビングでの楽器練習」。ふたりの音楽の源泉は近いところにありそうだ。コラボレーションへの期待がさらに高まる対談となった。――岸谷さんがmiwaさんをツーマンライブに誘った経緯を教えてください。岸谷バンド時代に、いろいろやりつくした気がしていたんですが、ひとりで音楽活動を再開してから、やりたいことがどんどん増えてきたんですね。50歳を越えてからイベントをやるようになり、“コラボっておもしろいな”と思うようになりました。“世の中にはツーマンという形式があるらしい”と聞きつけて、弾き語りのコラボって、そんなにないから、おもしろいんじゃないかなって。去年、武部聡志さんの山形のイベントに呼んでもらった時に、miwaちゃんとコラボさせてもらったんですが、その時に、miwaちゃんが歌ったユーミンの「Hello, my friend」のカバーがとても良くて。『FNS歌謡祭』でも、シンディ・ローパーの「トゥルー・カラーズ」を気持ち良さそうにギターを弾きながら歌っていたなとか、いろいろと思い出したんですね。miwaちゃんとコラボできたら、おもしろいんじゃないかなって。世代も違うし、出てくれるかどうかわからないけれど、聞くだけ聞いてみようと、スタッフにご相談したのが経緯です。――miwaさんは、岸谷さんからの誘いがあって、どう感じましたか?miwa『FNS歌謡祭』や武部さんのイベントなどで、何度かセッションさせていただいたことはありましたが、ツーマンライブに、しかも、大事な東京公演にお誘いしていただいたのが、とても光栄でした。山形で一緒にセッションさせていただいた時はライブ配信があり、画面越しに見てくださった方も含めて、世代を越えて反響があったんです。今回、こうして誘っていただいたということは、岸谷さんの中でも、悪い思い出ではなくて、いい思い出にしていただけているのかなと思いました。岸谷とてもいい思い出ですよ。miwa私自身、山形のイベント、リハーサルから和気あいあいとしていて、とても楽しかったんです。武部さんと親しいミュージシャンが集まっていて、それぞれ楽器を弾くメンバーだったので、武部さんを介して、みなさんと仲良くやれたのがうれしかったです。岸谷あの時、武部さんが掲げていたテーマは、“楽器を弾く人たち”だったんですよ。その前年度は、“ザ・シンガー”がテーマとのことでしたが、楽器好きが集まったのも、良かったなと思います。――山形のイベントでは、一緒に「M」をやられたんですよね。miwaそうなんですよ。なんと岸谷さんがピアノを弾いてくださって、“えっ、私が歌っていいんですか?”って(笑)。私の歌に合わせて伴奏してくださってることが夢みたいで、信じられないような時間でした。歌い始める時も、私のほうを見て、合わせてくださって。多分、岸谷さんはご自分で弾き語りする時は、間のことなんか考えず、自分のタイミングで弾いて歌われていると思うので、大変恐縮しつつも、“幸せだな、なんて贅沢なんだろう”と思いながら歌っていました。岸谷いえいえ(笑)。私は歌手の伴奏をするのが好きなのね。自分も歌手だけど、シンガーって、人それぞれ個性があるので、こんな楽しいことはなくて。自分自身、歌いながら弾くから、手が歌についていくことを知っていて、歌われると、必然的に手はついていくようになっているのね。ふたりでひとつのことをやっている感じが、とても楽しくて大好き。miwaちゃん、歌がとても素直でストレートだから、主人公が想像できるんですよ。miwaちゃんの歌う「M」の主人公って、私とは違って、いい子なんだろうなって思いながら演奏していました(笑)。とても良かったです。miwaありがとうございます。岸谷アーティストって、歌への興味が強い人、楽器への興味が強い人、いろいろなタイプがいるけど、両方への興味を持っているという意味では、似たところがあるかもしれない。音楽って、なかなか孤独なものだから、共有するチャンスって、そうはないんだけど、伴奏している時は、共同作業という感じがしました。“一緒に”という感覚が貴重だし、楽しかった。――これまで何度も共演されていますが、印象に残った会話はありますか?miwa『MUSIC FAIR』でご一緒させていただいたことがあるのですが、リハーサルが終わった時に、廊下で話をさせていただいて、「実家に住んでいて、母親が作ったおにぎりやお弁当を持ち歩いています」とお話ししたら、岸谷さんが「同じ~!」っておっしゃって、「えー、同じですか!」って(笑)。岸谷思い出しました。「私もPRINCESS PRINCESS時代、そうだったんだよ」という話をしたよね。同じような感じなんだなという印象がありました。世代はまったく違うけれど、miwaちゃんとは、同じような感じがする瞬間があります。miwa私はその時、“この話で初めて共感してもらえるアーティストの方に出会えた!”って思いました(笑)。岸谷なかなかいないよね、家からお母さんの作ったおにぎりを持って、取材に行く人なんて(笑)。miwa母親がPRINCESS PRINCESSの大ファンで、山形のイベントを観て、とても感激してました。「うらやましい!」って(笑)。子どものころも、母がPRINCESS PRINCESSの音楽を聴いていたので、自然に耳に入ってくる環境でした。――おふたりとも、音楽活動の柱のひとつとして弾き語りをされています。弾き語りの楽しさと難しさについて、どう感じていますか?miwa私は今、弾き語りのツアー中(※5月で終了)なんですが、流れで始まらない感じが怖いなって感じています(笑)。バンドがいる時は前奏が始まってから、私の歌が始まることが多いので、流れでライブがスタートする感じがするのですが、弾き語りは私が弾き始めるまでライブが始まらないじゃないですか。ライブを始める瞬間って緊張するなぁって、久しぶりに思いました。しかもコードを一個間違えたミスが、こんなに目立つのかって(笑)。岸谷バンドだったら、知らんぷりだよね(笑)。そうしたら誰も気づかないうちに、どんどん先に進んでいく(笑)。miwaちゃんはアコースティックギターだけでやっているの?miwaはい。アコギだけでやっています。岸谷アコギだけでやるのは大変だよね。――岸谷さんはアコギとピアノ、交互ですもんね。岸谷ギターとピアノでやっていると、あっちに行ったり、こっちに行ったりできるし、自分が飽きないので、成立しているところはありますね。でもアコギ1本だと、ずっと真ん中にいるわけだから、大変だと思う。――miwaさんは2011年から定期的に弾き語りでツアーをやられていますが、弾き語りツアーをやろうと思ったのはどうしてなのですか?miwaバンドツアーでは行けない県に行こうと思ったのがきっかけです。例えば、今回も11年半ぶりに青森に行きました。弾き語りはフットワークが軽いので、ひとりでいろんな県に行けるじゃないですか。普段はライブに来られない人、ライブを見たことのない人にも見てもらいたくて始めました。岸谷私もまったく同じ。大所帯になると、大きい都市に限定されてしまうから。私は、県庁所在地じゃないところにも、積極的に行きたいと思っているのね。愛知県でやる場合でも、名古屋には行かないけど、その隣町には行くとか。だからスケジュール帳を見ても、“これは何県だろう?”ってすぐにはわからないことがあります。そういう場所に素晴らしいホールがあったり、ベーゼンドルファーのすごいピアノがあったり。びっくりするようなピアノやホールとの出会いも、弾き語りツアーの楽しみのひとつだと思う。――弾き語りで心がけていることはありますか?岸谷miwaちゃんはストリートでやってきた背景もあるから、必然的に以前からひとりという状況があったでしょ。miwaはい。岸谷私はバンドから始めたので、ひとりになったスタートの時点で、“大丈夫かな?5分の1になっちゃった”というネガティブな感覚があって、“ひとりで持つかなあ”という不安を抱きながら始めたのね。サポートに入ってもらうやり方もあるけど、バンドメンバーのスケジュール調整が大変だし、バンドあがりなので、メンバー選びのハードルが高くなるので、“めんどくさいなぁ。ひとりでやるよ”みたいな(笑)。それで弾き語りを始めたんだけど、最初は全然思いどおりにできなかったのね。miwaそうなんですか?岸谷アコギの弾き語りにした時に、“みんな同じじゃん”っていう感じになっちゃった気がしたの。でもそのうち、アレンジをすればいいんだと気がついて。自分が過去に作った曲でも、“ひとり用に新たにアレンジを作る”と考えたら、楽しいかもって思うようになってきたんだよね。たとえば、イントロに全然関係ないものをつけて、歌いだして、「あっ、この曲なんだ」って、感動があるじゃない?そんな感動のさせ方もあるなとか、やりながら、いろいろ発見があって、弾き語りがおもしろくなってきました。miwa弾き語りだと、ギター1本でサウンドを全部表現しなきゃいけないので、難しいところがあるなぁと感じます。ギターだけで、“あの曲だな”ってところまでいかなければいけないので、やるべきことがたくさんありますよね。――弾き語りは、客席の反応も独特なのではないですか?岸谷弾き語りは、みんなで「わーっ!」って騒ぐタイプのライブではないから、お客さんの感情の変化がわかりやすいですよね。たとえば、みんなが大好きなフレーズをずっとやらずにいて、最後にポンって入れたら、マンガの吹き出しみたいにわかりやすく、「おおっ!」って感じになったり。それで味をしめたところはありますね(笑)。間違えたり、止まったり、その日によって全然感じが違うし、観ている人も受け止め方が違うし。毎回違うところがおもしろいんじゃないかな。――miwaさんは、弾き語りの醍醐味をどういうところに感じていますか?miwaシンプルになればなるほど、歌詞やメロディの魅力に改めて気づけるところですね。弾き語りを聴いてもらうことで、曲の一番根本にあるところを、改めて紐解いてもらえるところがいいなあと感じてます。“この曲って、こんな美メロだったんだ”みたいな(笑)。通常のライブでは、盛り上がる曲だったのに、弾き語りでシンプルにやったら、実はちょっと泣けるメロディだったんだなって発見があったりしますから。あとは、相当練習してのぞむので、やればやるほど自分のギターの腕が上がるところがいいですね。岸谷私の場合は簡単にめげてしまって、“この曲を弾き語りでやるのは無理!”ってさっさと見切りをつけて、全然違う方向から考えてみることもよくあって。どんなに頑張っても、ギター1本でコード感を出せないなという時には、一から考え直しています。バービー人形のかわいい洋服を全部ひっぺがして、さあ、何を着せようかみたいな感じ(笑)。ある時、みんなが大好きな盛り上がる曲を、バラードに変えてやってみたことがあったのね。そうしたら、いけるじゃんって手応えがあって、その時、弾き語りって、おもしろいなって思いました。音楽って、正解がひとつじゃないから。miwa確かに。岸谷実は今度のツーマンで、miwaちゃんの曲で、私が好きな曲をカバーさせてもらおうと思っているのね。miwaちゃんのファンは、なんの曲が始まったかわからなくて、歌い出したら、“あっ、この曲なんだ!”というふうにしたいなって。miwaそれはとても楽しみです。岸谷「それ、違ったね」と言われるかもしれないけど、せっかくだから、“おもしろい”って思ってもらえるように仕上げたいな。miwaそうやっていろいろ工夫できるのは、岸谷さんが楽器がお上手だからだと思います。もともとですか?それとも弾き語りをするようになって、さらに上達されたのですか?岸谷もともとは全然弾けなかった。そもそもギターって、PRINCESS PRINCESSになってから手にした楽器だから。最初はピアノ、それからベースとドラムを少しやって、最後がギター。だから弾き語りを始めたころは、ギターの弾き語りが全然できなくて、ピアノが9割だった。でもルーパーを使い出してから、ギターもおもしろくなってきたのね。そういう意味では、遅ればせながら50過ぎてから少し進歩はしてるのかな。“こういう風に弾きたいんだけど、弾けない”という現実を目の当たりにするでしょ。それで、何年かに一回の割合で、猛練習する期間があって、狂ったように練習してみるっていう。だから今も発展途上ですね。miwa磨き続けているところがすごいです。岸谷だって、弾きたいことが弾けないんだもん(笑)。――miwaさんは、ギターの練習は?miwa高校生の時がいちばん練習していました。まだ何も弾けない時に、毎週習いに行って、いろいろなワザを教えてもらっていました。当時はカバーではなくて、純粋にコピーしていたので、教えてもらったワザをあまり使う機会がなかったんですよ。でも最近、ようやく自分の楽曲に、そのワザを取り入れられるようになってきました。岸谷へえー!どんなワザか知りたい!miwaスライドして弾くとかです。レコーディングの時には、ソロを弾く機会がないので、スライドを弾くこともないのですが、弾き語りのライブで取り入れたら、「ギターが上手くなったね」って褒めていただけたんです(笑)。そうやって、高校の時に練習していたものが役に立つんだなと思いました。岸谷素晴らしい!私は、「don’t cry anymore」をmiwaちゃんがひとりでやっている映像をめっちゃ観ていたんだけど、Aメロでガッと落ちるじゃない?弾き語りをやり続けていると、強弱がとても重要だということに行き着くと思うんだけど、miwaちゃんがちゃんと下げていたので、“わかってるな”って(笑)。miwaそう言っていただけると、うれしいです。岸谷「don’t cry anymore」を聴いていると、今のmiwaちゃんの持っている雰囲気とはまた違って、ファイティングポーズみたいなものを感じたのね。だけど東京でお母さんにおにぎりを作ってもらっていたって言うし、不思議だなって、いろいろ想像しながら聞いています。miwaめちゃめちゃ聞き込んでくださってる(笑)。岸谷さんは楽器の特別練習の期間って、具体的にどんなことをされているんですか?岸谷今はYouTubeがあるから、検索するといろいろ出てくるし、やりやすいんだけど、少し前まではその術がなかったから、友達のミュージシャンの上手な子を呼んで、「ご飯食べさせてあげるから、ちょっと来て、ちょっと弾いてみて」って(笑)。運指がわからない時は、「撮っていい?」って録画して、どうやって弾いてるのかチェックしたり。教科書みたいなものがないから、一生懸命、見よう見真似(笑)。あとはもうひたすら、ああでもないこうでもないって、一日中、楽器の前にいるみたいな感じ。miwaどれくらい練習されるのですか?岸谷今年のゴールデンウィークは、何年かぶりぐらいでライブがなかったので、ここだと思って、ずっと練習していた。子供たちももう独立しちゃったし、好き放題、自分のものを置けるから、ピアノとアコギとエレキと小さいアンプと小さいシンセとか、いろんなものをリビングに置いてあるのね。朝起きて、お花に水をあげて、コーヒーを飲んで、食事しながらCDをかけて、“あれ?これどうやってるんだろう”って気になったら、楽器を持って弾きながら研究して、気がついたら、もう夕方じゃんみたいな(笑)。miwaリビングってとこ、すごく似ています。私もピアノとギターをリビングに置いています。“これでいいのだろうか”と思いながら(笑)。岸谷本当?いいんだよ(笑)。昔、矢野顕子さんのお宅にお邪魔した時に、リビングのど真ん中にグランドピアノが置いてあって、“かっけー!”と思ったのね(笑)。“ミュージシャンとして長くやってる人って、これなんだろうな”、“音楽が生活の一部ということでいいんだな”って(笑)。だから思いついたらすぐメモできるように、五線紙をいろんなところに置いてあるのね。“あっ!”ってひらめいたら、すぐ書いている。miwa私も昔から食卓で曲を作ってました。実家にいる時、母親が目の前でサスペンスドラマとかを見てるのに、私は全然関係ない歌詞を書いていたり(笑)。――日常の中でいつでも音楽に集中できるところは共通しているのではないですか?岸谷そこがいちばん似てるとこかもしれませんね。その日、とくに予定がないと、延々練習したり。miwa練習期間って、すぐに過ぎていきますよね。一日かけて練習しているのに、“2曲しか練習してなかった。これじゃセットリストが終わらないや!”って(笑)。岸谷さんざん練習して、できるようになったことがあればまだしも、できるようになったことが何もないような気がすると、“今日の一日は何だったんだろう”って、むなしくなることもある(笑)。でもそれが多分、必要な栄養を取る時間なんだろうなって思う。「練習」というと、かっこよく聞こえるけど、結局好きだからいじってるだけなんだけどね。miwa私は、リビングの食卓にスマホを置いて、ギターを弾いてる映像をスタッフに送って、「このギターの演奏、どうですか?」って聞いたりしているんですよ。あと、妹に送って、「これ、どう思う?」って聞いたり。岸谷へえ~!miwa妹は結構まともな返答をしてくれるんですよ。「2番のサビは、もうちょっと抑え目に弾いた方がいいと思うよ」とか、プロデューサーみたいな妹(笑)。岸谷すごくいいね。客観的という意味で、いちばん困るのは弾き語りだから。私も最近、客観的な耳を持った人を見つけたのね。で、「私が思っている通りにあなたに伝わってるかどうか知りたいので、感想を聞かせて」って。その答えが私のイメージと全然違っていると、ガクッみたいな(笑)。やってるつもりと聴いている印象とでは全然違うことがあるから、人の意見って大切だよね。miwa妹はリハーサルにも一緒に付き合ってくれるんですよ。温存したいから声を出したくない、でもギターを練習したい時には、代わりに歌ってくれます。岸谷仮歌もできる妹!miwaそうなんです。妹の歌に合わせて弾けるから、とてもいい練習になります。岸谷いいな。私もそんな有能な妹がほしい!(笑)――弾き語りの難しさは、どういうところに感じていますか?miwa弾き語りのセットリストがいちばん悩むかもしれないです。いろんなタイプの人がいると思うんですよ。普段のバンドスタイルが好きで、盛り上がりたい人、しっとり聴きたい人、いろんな人が集まってるけど、出ている音はギターと歌だけなので、どういうバランスで皆さんを楽しませるか、悩みますね。どう始まってどう終わると、皆さんが良かったと思ってくれるのかなって。岸谷ライブって正解がないから、難しいよね。単体の1曲ずつですら、その日どうなるかなんて、始まってみないとわからないところもあるし。コンディションや気分でも違う雰囲気になるし。船は出たけど、どこの港に着くのか、見切り発車するみたいな。弾き語りを始めたころは、“どこに行くかは、その日の様子や流れ次第だから、どこかに着けばいいや”と思っていたんだけど、最近は“自分でもっと舵を取りたいな、目的地を決めてスタートしたいな”って思うようになったのね。だから、セットリストが難しいのはよくわかる。ひとりでやっていると、どれぐらいの間をあけるのかとか、全部を自分ひとりで決められるわけじゃない?そういうところも含めて楽しめたらいいな。どこまで待ったっていいし、間を怖がらなくていいし。miwa弾き語りって、感覚が研ぎ澄まされますよね。だから拍手がいつ鳴り止むかとか、しっかり察知しますよね。岸谷会場によって拍手の長さがとても長い時と“えっ、もう終わり?”という時があったり(笑)。でもきっとその拍手も、こっちがそうさせてるんだと思う。だから、拍手が短い時はサラッとした演奏だったんだろうし、長い時はなにかがヒットしたんだろうし。全部こっちが作っていると考えると、めっちゃ集中力がいるよね。miwaはい。めっちゃ集中します。岸谷一本やると、次の日、頭皮のあたりがすごく凝っているのがよくわかる(笑)。――弾き語りをやることで、改めて曲作りについて気づいたことはありますか?岸谷真面目に曲作りをしてきて良かったなぁと思いますね。曲が丸裸になるので、自分で“よし!”って納得できるとこまで追求した作品じゃないと、弾き語りではやれないですから。miwaちゃんもきっととても真面目に努力してきてるよね。だから誘いたくなったんだと思います。miwaありがたいです。弾き語りをやっていると、改めてメロディの強さを確認できるところはありますね。アレンジが良くて、曲の雰囲気が良くて、歌詞の内容にも共感してくれているから、好きになってくれたんだろうなという前提がありつつも、“私の書いたメロディもいいのではないかな”って(笑)。メロディはとても大事な役目を担っているから、これからもいいメロディを書いていきたいと思います。――岸谷さんもメロディに対するこだわりが強いですよね。岸谷私は本当に言葉より音符のタイプなのね。だから、自分の曲でも他人の曲でも、12個しかない白い鍵盤と5個しかない黒い鍵盤の織りなす綺麗なメロディには感動するし、この先何年音楽を続けられるかわからないけど、いいメロディを書くことは、一生のお題だと思っていますね。――作詞についてもうかがいたいのですが。岸谷私はできることなら、書きたくないんですよ(笑)。miwa一緒です(笑)。岸谷本当?とってもそんな風には見えないけど。miwa最近ようやく、歌詞を書いていて、楽しいなって感じるようになりました。――楽しさを感じるようになったきっかけはありますか?miwa大学院に2年間行って、3月に卒業したんですけど、その2年間で、大学院の人とオンラインでやり取りしたり、長い文章を書いたりするようになって、活性化されたのかもしれません。でもこれまでは、この1番と2番を書くのがどれだけ苦痛だったかって(笑)。岸谷わかる!(笑)私の場合は最初に書き出す時に、上に言葉を書けるように、“1番のA”とか、まず線だけ引くのね。メロディとブレスによって、これぐらいの文字数が入るって、だいたいわかるから。“1番のBは2行分、サビは3行分”とか、線を引いた時に、“この線の上を全部埋めるのか。遠い道のりだな”って、めっちゃ気が重くなるという(笑)。あの気の重い感じが嫌なの。miwaわかります(笑)。――でも克服してきているわけですよね。岸谷いや、もうしょうがなく(笑)。バンドの時は他に歌詞を書くメンバーがいて、その人たちが責任を持って書いてくれていたので、「ここは嫌だ」とか言えたんだけど、プロの作家の方には、言いにくいじゃない?だったら、デタラメでもいいから、自分で書いた方が気が楽かなと思って書き出したのね。でも、できることならば書きたくない(笑)。今は作詞のパートナーがいて、ちょっと年下の女の子なんだけど、とても才能があるので、「忙しいとこ、ごめん、ちょっとここの歌詞、あいてるんだけど、入れてみない?」って、頼んだりしています(笑)。miwa私も共作することもあります。それもあって、気が楽になった面はありますね。海外の人とコライトする機会があって、英語で一緒に書いて、あとで日本語に直すこともあるんですよ。ソングライティングキャンプに参加して、一緒に海外の女の子と作ったりしています。岸谷へえ~、すごい!今の世の中の流れを聞いた気がしました。勉強になる(笑)。――『ふたりぼっちの大パーティー』、どんな感じでやろうと思っていますか?岸谷“ひとりとひとりでふたり”ではなく、せっかくふたりが集まったんだから、観たことのない3個目のものが生まれたらいいですね。弾き語りって、メロディとコードしかないから、それぞれの個性がより際立つんですよ。ちょっとした歌い回しとか手癖とか。せっかくだから、その違いが融合することで、お客さんが驚いたり、楽しんだりできるものをお見せしたいなと思っています。miwa弾き語りという形態でのツーマンは初めてなので、正解がわからないですけど、コラボもあるとのことで、ワクワクしています。お客さんもきっと同じように、ワクワクしてくれるんじゃないかなって思っています。――ツーマンライブを観に来る人たちに向けて、メッセージをいただけますか?岸谷私は今日の取材でいろいろとお話して、miwaちゃんと一緒にやりたいという気持ちがさらに強くなったんですよ。好きだなと思う人と一緒にやる時って、みんな、がんばれるし、1+1が2じゃなくて、もっといろんなものが出てくるはずだから、楽しい本番になるだろうなって思っています。miwaちゃんのファンの方々と一緒に、miwaちゃんの素敵なところを共有できたら最高ですね。miwa私もとても楽しみにしています。岸谷さんのピアノやギターと一緒に歌わせてもらえる機会がまたあって、贅沢な時間を味わえることがうれしいです。もちろん私のパートは責任を持ってがんばって弾き語りをさせていただきますし、何よりもコラボの時間がとても楽しみです。岸谷miwaちゃんと一緒にやるとなると、アイディアがいろいろ湧いてきます。後でこっそり相談しようと思っています(笑)。Text:長谷川誠Photo:吉田圭子<ライブ情報>岸谷香プレミアム弾き語り2マンライブ ~ふたりぼっちの大パーティー!!~6月9日(金) 愛知・名古屋ダイアモンドホール開場18:15 / 開演19:00ゲスト:スガ シカオ6月11日(日) 大阪・BIGCAT開場16:15 / 開演17:00ゲスト:馬場俊英※予定枚数終了6月18日(日) 東京・日本橋三井ホール開場16:15 / 開演17:00ゲスト:miwa★6月8日(木)18:00より若干数の追加販売決定!!!(先着販売)申し込みはこちら()※予定枚数に達し次第受付終了チケット料金:全席指定7,000円(税込)※ドリンク代別途必要関連リンク岸谷香 公式サイト:( )miwa 公式サイト:
2023年06月08日岸谷香にとって初となる弾き語り形式のツーマンツアー『2人ぼっちの大パーティー』がまもなく開催される。6月11日(日) の大阪公演の対バンゲストは馬場俊英である。もともとは5年前の2018年2月13日に、馬場が中心となって開催されたイベント、『TOYONAKA LIVE SQUARE 2018』に、岸谷がゲストとして参加したことがきっかけで、今回の共演が実現した。名古屋公演のゲストであるスガシカオと同様に、馬場も岸谷と同級生という共通点がある。柔らかさと揺るぎなさを兼ね備えているところもどこか似ている。ふたりのなごやかな会話から、ツーマンライブのコラボレーションのアイデアが生まれ、発展していく様子にワクワクしてしまった。ライブへの期待がふくらむ実り多き対談となった。――岸谷さんが馬場さんを弾き語りツーマンのゲストとして誘った経緯を教えてください。岸谷『TOYONAKA LIVE SQUARE 2018』に馬場さんに呼んでいただき、あのイベントを経験したおかげで、いろいろなつながりができましたし、貴重な体験になりました。私はもともとバンドマンだったので、自分ひとりだけが、どこかのイベントに呼ばれることは、なかったんですね。時代的にフェスもなかったので、イベントに参加する経験がほとんどありませんでした。その後、PRINCESS PRINCESSの再結成があり、フェスやイベントなど、人が集まる機会が増えていて、“今の世の中って、こんなに変わっているんだ”って実感しました。そして、お会いしたこともなかったのに、馬場さんに声をかけていただき、たくさん刺激を受けて、自分でもイベントをやりたいという気持ちが強くなりました。なので、“鶴の恩返し”じゃないですけど、関西で自分のイベントをやる時には、馬場さんをお誘いしようと決めていました。馬場ありがとうございます。――馬場さんは、2018年のイベントで、どういう理由から岸谷さんに声をかけたのですか?馬場お誘いしたのは、岸谷さんへのリスペクトの気持ちが強かったからです。日本の音楽史に足跡を残して、新たな音楽の歴史を切り開いた方ですし、来ていただけたらうれしいなって。でも、声をかけさせていただいたものの、内心では「きっと無理だろうな」と思っていたんですよ。参加いただけると返事をいただき、とてもうれしかったことを覚えています。――そこでできたつながりが、また、さらなるつながりを生んでいくところが素晴らしいですね。岸谷本当にそうだと思います。あの時、藤巻亮太くんも参加していて、イベントが終わってから、楽屋でちょっとだけビールを飲んで話したんですね。あの出会いがあって、藤巻くんのフェスに呼んでもらうことになり、そのお返しとして、私の『感謝祭』に出演していただいた流れもありました。この歳になると、自分と人がつながることの大切さを実感するのと同時に、人と人とをつなげる役割を果たしている人って、いいなと思うようになったんですね。自分もそういう役割を果たせるようになりたいと思ったし、馬場さんにイベントで呼んでもらったおかげで、つながりが広がった経緯もあるし、あの時のお礼をしたいなって。馬場そうなんですね。声をかけていただいて、最初は“なんで僕なんだろう?”と思ったんですが、とてもうれしいですし、楽しみです。――2018年当日のセットリストを確認すると、「Diamonds(ダイアモンド)」「世界でいちばん熱い夏」「ハッピーマン」「M」と4曲で一緒にコラボしているんですね。馬場「ハッピーマン」では僕も少し歌わせてもらい、「M」はハモリをやらせていただきました。岸谷当日、リハをやっていたら、「『M』をハモっていいですか?」と馬場さんが言うので、「もちろんどうぞ」って、その場で決めて、一緒にやりました。馬場直前に負担をかけてしまって、申し訳なかったのですが。岸谷いえいえ、あの日は特別な準備もしていないのに、いろんなことがたくさんできちゃった、みたいなところはありましたよね。馬場狙っていたところはありました(笑)。でも僕がハモったことで。曲が台無しになったら、お客さんに怒られるじゃないですか。緊迫しながらも、そういう貴重な機会はなかなかないので、自分としてはチャレンジでもありました。――それぞれの音楽をどう感じていますか?岸谷馬場さんのCDを聴いて感じるのは、ミュージシャンとして、ここまで直球かというくらい、ストレートな人はそうはいないなということでした。私もハタから見たら、ストレートな人という印象があると思いますが、私は実はこっそり変化球を投げるタイプなんですね。馬場さんこそ、正面からまっすぐストレート直球だなぁって感じています。馬場もともとそういうキャラじゃないんですけど、そういうところがお客さんに響いて、自分としてもここをやるんだなって、決断の時期がありました。そう決めたら、どんどんその気になったというか。でも時には変化球も投げたいんですよ。――馬場さんは、ソロデビューする前には、バンドをやっていたんですよね。馬場そうです。岸谷バンド時代は変化球を投げなかったんですか?馬場バンド時代は変化球もやっていました。もともとメッセージ性のある曲はあまり作っていませんでした。アレンジも好きなようにやっていましたし、語りかける対象もいませんでしたし。少しずつお客さんが来てくれるようになり、メッセージ性のある曲も作るようになりました。――馬場さんは岸谷さんの音楽について、どう思っていますか?馬場まず、2018年に初めて一緒にステージに立たせていただいた時に、感慨深いものがありました。岸谷さんは、僕にとってはテレビで見ていた人なので、共演できて、“ついにここまで来たか”と(笑)。リハーサルも印象深かったです。スタジオに2、3時間来てくれて、その場を見事に仕切ってくれて(笑)。さすがだなと思いました。岸谷すみません(笑)。「ここは違う」とか、すぐに言っちゃうんですよ(笑)。馬場いや、初めて会ったメンバーに、適切に指示を出してくれてありがたかったです。風のように現れて、テキパキ指示を出し、風のように去っていき、かっこいいなあって。やはり場面場面で戦ってきたミュージシャンなんだなという印象を持ちました。ほんの数時間で、“テレビで見ていた人”から、“一緒に演奏する音楽仲間”みたいになって、本番がますます楽しみになり、「M」のコーラスを作ったんですよ。当日はもうひとり、広沢タダシという男性のシンガーソングライターがいて、男性で二声なので、あまり重くなるのもうっとうしいかもしれないと思いながら、でもこの日だけのバージョンでやりたいなって。岸谷そうやって考えてきてくれるのが、うれしかったですし、テンションが上がりました。せっかく出会ったんだから、どうせなら、観たことも聴いたことのないものをやるほうが楽しいですから。――「ハッピーマン」はどういう感じでやったんですか?馬場バンドでやって、僕が少しメインも歌わせてもらって。岸谷優しい声でね。馬場女性でロックでギターが炸裂して、というタイプの曲って、あまりないので、演奏していて楽しかったです。岸谷さんはロックのアイドルがいたんですか?岸谷いえ、私はもともとピアノをやっていたんですね。なので、クラシックも含めて、幅広くいろいろなジャンルの音楽を聴いていました。もちろんプリテンダーズも好きだったし、ブライアン・アダムスも追っかけちゃうくらい好きだったけど、80年代の多様な音楽がある時代の中で育ってきたので、広く浅くいろいろな音楽を聴いて育ってきました。馬場だから、あんなに幅広い曲を書けるんですね。岸谷あまりこだわりがないのかもしれません。当時の私たちの世代って、「ロックなの?ロックじゃないの?」みたいな垣根があったんじゃないですか。どっちかじゃなきゃいけないのかなって思っていました。「Diamonds(ダイアモンド)」や「世界でいちばん熱い夏」を作った時は、「ロックじゃないじゃん」って言われることもあって、“えっ?ロックじゃなきゃダメなの?”って(笑)。馬場バンドをやっていたころ、僕はイエローモンキーみたいになりたかったんですよ。でも、そういうキャラじゃなかったので、これは違うかなって(笑)。僕も岸谷さんと一緒で、いろんな音楽を聴いて育ってきました。『ザ・ベストテン』から始まって、洋楽、MTV、なんでも聴いていました。岸谷誕生日が1カ月しか違わないので、似たような音楽の環境だったと思うんですが、選び放題の時代でしたよね。日本のバンドだと、ゴダイゴやKODOMO BAND(旧表記は子供ばんど)が好きで、その後、RCサクセションが好きになりました。馬場ゴダイゴは僕も大好きでした。サザンオールスターズもRCサクセションも大好きで。KODOMO BANDは、追っかけみたいになっていました(笑)。岸谷あとは『ベストヒットUSA』で紹介された音楽を聴いたり。馬場僕も『ベストヒットUSA』、よく観ていました。――同級生ですし、聴いてきた音楽もかなり重なっていると言えそうですね。岸谷重なっていると思いますね。今回、名古屋でツーマンをやるスガさんも同級生で、同じ時代に育ってきて、共通する音楽も聴いてきているんですよ。それなのに、みんな、まったく違う音楽をやっているところがおもしろいですよね。――馬場さんのルーツには、フォークもありそうですよね。馬場僕は中学の頃はフォークでした。だから、バンドで挫折して、ひとりでやり始めてから、もともとフォークも好きだったことを思い出しました。それで、自分が感じたことを歌詞に書き、ギターを弾きながら歌うようになり、だんだん今の形に近づいたんですよ。岸谷私はフォークを通っていなくて。そこが馬場さんと違うところですね。中学のころはディープパープルやレインボー。リッチー・ブラックモアの夢を見ていましたから。私の原点にある“ジョンジョンジョン”というギターの音は、そこから来ていますね(笑)。馬場当時は、ギターヒーローがいて、ギターがかっこいい時代でしたよね。岸谷でも私は当時ギターは弾いていなかったんですよ。馬場いつからギターなんですか?岸谷私は16歳でデビューしたんですね、PRINCESS PRINCESSと同じメンバーで。その時はベースだったんですよ。でもバンド内でいろいろあり、“ギターを持っとけ、歌も歌え”ということになり、「えっ、私ですか?」という感じで、ギターも弾くようになりました。スタートはピアノで、学生のころはベース、ドラムも少しやって、ギターはバンドでデビューしてからですね。馬場最後がギターって、珍しいパターンですね。でも今思えば、全部やっていて良かったのではないですか?岸谷そうですね。楽器のこともいろいろわかるし、純粋に楽器が好きなんですよ。――馬場さんもバンドで活動したのちに、ソロデビューして、弾き語りもやっていますし、さまざまな形態で音楽をやってきたという点では、共通していますよね。馬場僕の場合は、好きな者同士が集まって勝手にバンドをやっていただけですから、岸谷さんとは状況が違いますよね。多くの人たちが関わる中バンドで活動するとなると、難しいことがたくさんあるんだろうなと思います。岸谷バンドって枠みたいなもので、その枠からはみ出したことはできないよ、みたいな制限のあるものだと思っています。馬場あっ、よくわかります。僕も、もともとバンドの音楽が好きで聴いてきているから、ライブをやる時はバンドだし、重視しているのはバンドサウンドなんですね。で、バンドの個性は何かと考えると、“そこにいる人でなんとかする”ってことだと思うんですよ。バンドは、これはできない、あれもできないという制限の中でやりくりするおもしろさがありますよね。「もがき」がいいというか。岸谷バンドでやっている時には、その制限がうっとうしく感じる時もあるんですけど、いざ、バンドをやめてソロになると、その枠がなくなるわけじゃないですか。自由にやれる状況になると、“あれっ?何をしたらいいんだっけ?”って、とまどってしまう時期がありました。あのサークルの中にいるのって、居心地が良かったんだなって(笑)。“隣の芝生は青い”じゃないけど、バンドを解散したことで、制約って素敵なものだったんだなと気づく瞬間がありました。馬場ひとりでやってると、好きな人を呼べますし、自由にできるんだけど、それだけに逆に、何がしたいのかがわからなくなることがありますよね。――ソロになって、自分の音楽にたどりつくまでは、どのような感じだったのですか?馬場いや、まだたどりついていないのかもしれません。今もずっと試行錯誤している感覚はあるんですよ。自分で曲を作っても、それがいいのかどうかも、よくわかりませんし。でも、ライブでやるうちに、だんだんわかってくるというか。これはまたやるべき曲だなとか、いい曲なのかなとか、力があるのかなとか、コンサートをやることで、お客さんというか、“場”が教えてくれるんですよ。それで、ライブをやることで、だんだん“こういうところが自分らしいんだな”って見つけていく感じですね。岸谷私の場合も、曲を作ってレコーディングした時に、“これはいいじゃん”と思っても、実際にライブでやってみると、しっくり来なくて、だんだんやらなくなってしまった曲もあって。音楽って、ライブでやってみないとわからないところがありますよね。紆余曲折いろいろなことをやってきて最近思うのは、制約があることの楽しさですね。とくに弾き語りは、究極の制約じゃないですか。ひとりしかいないから、ギター1本かピアノ1本か、頑張ってルーパーを使うかしか、やり方がない。その制約のある感じが、バンドみたいで楽しいなと思っています。制約があるから、私なんじゃないかな、それって自分にしかできないことなんじゃないかなって。馬場僕もそう思いますね。歳を重ねてきて、だんだん“どう思われてもいいか”みたいな境地になってきました(笑)。失敗してもいいというか。“取り繕って、良いとこだけを見せよう”という気持ちがなくなってきました。岸谷私は50歳になってから、女の子たちとバンドをやっていて、弾き語りとバンドを並行してやっているんですね。ひとりの時って、本当にかっこうをつけてないことがよくわかります。バンドの時はかっこをつけてるなって自分でも感じることがあります(笑)。どっちも楽しいんですが、バンドと弾き語りって、似たところがありますよね。私の中で一番違う感覚になるのがソロなんですよ。ソロでサポートメンバーに入ってもらうと、自分の居場所がよくわからなくなることがあります。バンドだと、みんなで責任を持つという意識がありますが、ソロでサポートメンバーが入っているときって、責任の持ち方が難しいんですよ。弾き語りはすべて自分の責任ですし、わかりやすい良さがありますよね。――馬場さんは、弾き語りについてどう思っていますか?馬場身軽にできますし、演奏しながら途中で変えたり、1小節伸ばしたり繰り返したり、自由度が高いので、気楽という言葉が合ってるかどうかわかりませんが、気楽に勝負できるところが好きです。岸谷気楽な部分と最高に緊迫する部分、両方ありますよね。馬場確かにそうですね。僕が人のコンサートを観にいく時って、その人のことを見ようとする傾向があります。どんな風にそこに存在しているのかに感動することが多いんですよ。だから自分のコンサートでも、“自分をさらけだして帰れたら成功なんだろうな”と思うようになってきました。――岸谷さんはアコギとピアノとを交互に演奏するスタイルの弾き語りですが、馬場さんはずっとアコギ1本でやっているのですか?馬場それがですね、今年からキーボードも弾き始めました。岸谷マジですか?いいこと聞いちゃった(笑)。馬場これまでは曲作りで弾くくらいだったので、運指も自己流なんですが、この歳になって、挑戦するところをお客さんに見せたくなりました。そうなると、あまり変なことはできないので、練習して、前のツアーでは3分の1ぐらいキーボードでやりました。でもまだまだなんですよ。僕もそうですが、きっとお客さんも“ギターでやればいいのに”って思っていますね(笑)。ピアノ向きの曲もあるじゃないですか。過去のコンサートではそういう曲は、はずしていました。でもやりやすい曲ばかりをやっていると、似た傾向の曲ばかりになってしまうので、キーボードの合う曲をキーボードで演奏する挑戦をしています。岸谷決めた!ツーマンでは一緒にピアノを弾きましょう(笑)。馬場ただ、僕はトランスポーズ(移調機能)で弾いていて、CとGとDしか弾けないんですよ。夏から弾き語りのツアーもやるので、今練習中ですが、やれることは限られています。岸谷連弾しましょう(笑)。今、馬場さんとお話していて、アイデアがどんどん湧いてきました(笑)。コラボって、その日だけのチャームポイントがないとダメだなと思っていたのですが、今日そこがしっかり見えました(笑)。馬場楽しそうですね。でもできるかな。岸谷安心してください。馬場さんが練習してできるようになったピアノの弾き語りの音源をもらって、それにアレンジをつけるので、弾き方を変えなくても大丈夫です。馬場ありがとうございます(笑)。「ここを変えて」と言われても、おそらく対応はできませんが、頑張ります。――馬場さんは、キーボードの弾き語りをやってみて、気づいたこことはありますか?馬場ギターの弾き語りとはかなり感覚が違いますね。ギターの弾き語りはお客さんのほうを向いて歌いますが、キーボードは横を向いて歌うことが多いじゃないですか。ステージにいる気分が違う気がします。――岸谷さんは、ピアノの弾き語りとギターの弾き語りの違いをどう感じていますか?岸谷私は馬場さんとは逆で、ピアノよりもギターの方が下手だったんですね。だから最初は、ギターの割合が少なかったんですよ。で、ある時気づいたのは、“ギターの弾き語りに説得力があるのは前を向いているからだな”ということでした。そう気づいてからは、ギターをもうちょっと弾けるようになりたいと思って練習して、今はギターもピアノと同じ割合で弾き語りするようになりました。馬場ピアノは鏡に向かって弾いているような気分になることがありますね。懺悔しつつ演奏しているみたいな(笑)。椅子の高さとか、マイクスタンドの位置とか、今研究しているところです。岸谷確かにピアノって、ちょっとしたことでしっくりこないこともありますね。ギターはその点、“だいたいでいいよ”って感じだし、マイクも歌いながらいじっちゃうし。――それぞれの曲作りの方法についても、うかがいたいのですが。岸谷さんは、先に曲を書くとおっしゃってましたよね。岸谷そうですね。馬場さんは先に歌詞を書いているんですか?馬場歌詞が先の時もありますが、歌詞と曲を一緒に作ることが多いですね。歌詞とメロディーでハマったフレーズが1個でてきたら、そこから広げていくやり方です。歌詞が多い曲は、歌詞から書いていきます。自分なりに歌詞が気に入って、感動がある時には、曲ができるのが待ちきれないんですよ。早くゴールしたいから、曲は歌えればいいみたいな感じになることもあります。岸谷私は逆で、歌詞は全部「ラララ」でいいかなって思うことがあるくらいですね(笑)。いつも歌詞を書くのに苦労しています。――馬場さんは、歌詞がでてこないことはありますか?馬場曲と詞が同時に出てくる時は、わりとすんなりいくことが多いですが、歌詞が残ってしまって、ゴールにたどり着かず、何年もさまよってしまうこともあります(笑)。――さまよってしまった時はどうするんですか?馬場曲作りでいうと、コロナ禍になってから、『マンスリーミュージックショー』というのをやったんですよ。毎月新曲を1曲作ってCDにして届けるという企画。ストックなしのガチ企画で、10カ月連続でやりました。でも最後のほうは本当につらくて、後悔しました(笑)。岸谷連絡をくれたら、曲を作ったのに(笑)。馬場いや、そんなことをしてもらったら、申し訳ないですよ(笑)。その企画を2021年にやって、やりきったら消耗してしまって、それからは作っていません。それはきっと新しい気分になったからだと思います。“あと何年くらいできるかな”とか、“どういう曲を作るのがいいんだろう”とか、いろいろ考え始めてしまったんですよ。それで、これは少し時間をおいて作ったほうがいいのかなという結論に達しました。岸谷私は書く気にならない時は、まったく書かないですね。その気ゼロみたいなことはよくあります。サウンドやアレンジで頭がいっぱいになる時は、興味のすべてがそちらに向いてしまうんですよ。今も曲作りモードというよりは、ライブモードですね。馬場僕も岸谷さんと一緒で、今はライブモードだと思います。岸谷書きたい時が書く時だし、書きたくない時は書く時じゃないんだろうって思います。若い時って、頭の中の引き出しの中はパンパンで、いくらでも書けたんですが、長くやってくると、頭の中や胸の中の引き出しというは、満タンの状態ではなくなるんですよ。“あの音楽のあの演奏が最高”とか、ときめきを感じた時に、少しずつたまっていくものだろうなって感じています。だから、無理して急いで作る必要はないし、満を持して、“今これを聴いてほしいよ”という時に作って発表することを大事にしたいです。馬場僕も同じように思っています。本当にいいものをいいタイミングで出せたらと考えています。――ツーマンという形態については、どう感じていますか?馬場コラボレーションって、自分が作ったのではない曲を歌う楽しさがありますよね。自分の体に入っていない曲だと、ここの節はこうなっているんだなって、歌うことで、気がつくことがあるんですよ。PRINCESS PRINCESSの曲は入っているので、そうはならないかな(笑)。でも、実際に自分が歌ってみることで、発見することはありますよね。力のある曲って、実際に人前で歌ってみることで、そのパワーを実感できるものなので。そういう発見が次につながることがありますね。岸谷実際に歌ってみて、わかることって、ありますよね。――連弾の話もでましたが、コラボレーションで、ほかに考えていることはありますか?馬場実は岸谷さんとコラボレーションしたい曲を考えてきたんですよ。僕が20代の頃に見ていたテレビドラマで『ダブル・キッチン』というのがあって、そのドラマの主題歌がPRINCESS PRINCESSの「だからハニー」で、大好きだったんですよ。この曲を一緒にやらせていただけないかなって。岸谷ぜひぜひ。「これがやりたい」と言ってもらえると、うれしいですし、コラボって、“なぜこれをやるのか?”の理由があったほうがおもしろいですよね。馬場『ダブル・キッチン』は、ほのぼのするホームドラマなんですが、「だからハニー」の“トゥルルルッツ”というところで、胸がいっぱいになるんですよ(笑)。一緒にやれるのは、うれしいですし、ハモらせてもらえると最高ですね。岸谷いいですね。私は馬場さんの「ボーイズ・オン・ザ・ラン」もいいかなと思っています。馬場「ボーイズ・オン・ザ・ラン」はいろんな人とやらせてもらう機会のある曲なんですが、女性とはやったことがないです。岸谷私が“ボーイズ”に参加するのもおもしろいですよね。実はこの曲とどっちがいいかなって、迷っている曲があって、「人生という名の列車」なんですよ。「昭和四十二年」という歌詞があって、生まれ年も一緒だし、同級生ならではのコラボができそうかな、でも9分やるのかなとか(笑)。馬場今、バンドでツアーを回っていて、「人生という名の列車」もやっているんですが、長いので大変なんですよ。岸谷やるならば、いろいろ工夫する必要があるかもしれないですね。――貴重なコラボレーションになるのは、間違いなさそうです。岸谷ピアノとギターとが使えるから、ピアノピアノもあれば、ピアノギターもありますよね。ギターギターの組み合わせもあるし、途中で楽器を変えるやり方もあるし、どんどんアイデアが湧いてきますね(笑)。馬場さんがピアノを弾いている横に行って、「ちょっとどいてよ」って、代わりに私がピアノを弾いて、馬場さんがギターを弾き始めるとかね。馬場おもしろそうですね。岸谷同級生同士だし、小学校の男女のノリで(笑)。今日、話をしていて、“馬場さんと同級生だな”という感じがしました。当日、ライブを観に来る人にも、そういうところも含めて、楽しさが伝わったらいいですね。じゃあ、「馬場くんと岸谷くん」でいきましょうか(笑)。同級生って、呼び捨てかな。でもさすがに、馬場さんを呼び捨てにはできないから。なんて呼びます?馬場「香ちゃんと馬場くん」ですかね(笑)。――クラスメートっぽいですね。ツーマンの魅力満載のステージになりそうです。馬場ツーマンって、ステージ上の出会いもありますが、お客さん同士の出会いもあるだろうし、初めてステージを観る出会いもあるだろうし、岸谷さんとのツーマンライブも、出会いにあふれる一日にできたらいいですね。岸谷2018年の豊中のイベントに参加した時も、馬場さんのファンの方々から、温かい拍手をいっぱいいただいたんですね。あの時に私がもらったように、新しい音楽との出会いや新しいファン同士の出会いを、馬場さんのファンの方にもお返しできたらと思っています。これまで聴いたことのない馬場さんの連弾など、馬場さんのファンの人も喜んでくれることを用意したいです。――観に来る方にメッセージをいただけますか?岸谷今日の対談でいろいろなことが見えてきました。ツーマンライブの企画がこんなに進展する取材もそうはないと思うんですが、多分、多分ファンの方々が想像される、100倍くらいおもしろいステージができるんじゃないでしょうか。今回のツーマン、ゲストが3人いらっしゃるんですけど、それぞれまったく違う3日間になると思います。馬場さんとのツーマンも想像を絶するような楽しい日にしますので、楽しみにしていてください。馬場公演ごとに違うゲストを迎えてコラボをするという今回の企画、自分でやるとしたら相当なチャレンジなんですよ。気持ちの面でも勇気が必要だろうし、企画を聞いた時に、岸谷さんほどのキャリアを持っている方が、こうやって新しいことをやるのは、すごいなあと思いました。年齢も同じなので、余計にそう感じました。チャレンジしている姿がかっこいいですし、その企画に呼んでもらってうれしいです。いいライブにして、お客さんにも大いに楽しんでもらって、“音楽ってやっぱりいいな”という気持ちを持って帰ってもらえるよう頑張ります。ピアノも練習します(笑)。Text:長谷川誠Photo:吉田圭子<ライブ情報>岸谷香プレミアム弾き語り2マンライブ ~ふたりぼっちの大パーティー!!~6月9日(金) 愛知・名古屋ダイアモンドホール開場18:15 / 開演19:00出演:岸谷香/スガ シカオチケット発売中()※予定枚数に達し次第受付終了6月11日(日) 大阪・BIGCAT開場16:15 / 開演17:00出演:岸谷香/馬場俊英※5/29(月)18:00より若干数の追加販売決定!!!(先着販売)申し込みはこちら()※予定枚数に達し次第受付終了6月18日(日) 東京・日本橋三井ホール開場16:15 / 開演17:00出演:岸谷香/miwaチケット発売中()※予定枚数に達し次第受付終了チケット料金:全席指定7,000円(税込)※ドリンク代別途必要関連リンク岸谷香 公式サイト:( )馬場俊英 公式サイト:
2023年05月29日