腰痛から解放されるために、自宅で一生懸命腹筋の筋力トレーニングを続けている人がいますが、これは本当に効果があるのでしょうか?今回も、カイロプラクティック理学士の檜垣先生に「腹筋と腰痛」の関係についてお聞きしました。(以下、檜垣先生)腹筋の筋力トレーニング方法にも、強度に応じていくつかの種類がありますが、軽度の負荷をかけるトレーニングにもかかわらず「かえって腰が痛くなってしまいました」と腰痛を悪化させてしまうケースもあります。これは、腹筋に力が入ることで、腰椎(ようつい)の背部にある筋肉の圧力が上昇してしまい、負荷が強まるためです。すると、一時的に筋肉の血流低下が起こり、もともと腰痛のある人は、痛みが誘発されやすくなる可能性があります。また、姿勢が変化すると、腰椎(ようつい)の本来有る自然なカーブが損なわれ、腰椎(ようつい)の背部にある筋肉への負担が増します。その姿勢とは……★あおむけで寝た状態で足を上げる★お辞儀は60度前傾までは、筋肉の頑張りがメインとなり、それ以上曲げると腰椎(ようつい)の関節や靱帯(じんたい)に負荷がかかります★いすに座ったり、あぐらをかいたりといった座り姿勢も負荷が強く、最も負荷が低いのは正座になります。★デスクワークでは、自然と前傾姿勢になりやすいですが、30~60度傾くだけでも負荷が上昇しますこのような負荷がかかりやすい姿勢は、腹筋よりも腰椎(ようつい)の背部にある筋肉とのかかわりが強いと言われています。つまり、腰椎(ようつい)の背部にある筋肉が疲労して、姿勢を支える働きが低下してしまい、腰部がしっかり安定せず、ぎっくり腰など腰痛発症につながってしまうというわけです。腰痛発症を予防するためには、腹筋の筋力トレーニングで、疲労した背部の筋肉にさらなる負荷をかけるよりは、背部の筋肉の働きを回復させましょう。下記にやり方を記します。●背部の筋肉疲労をためない方法★デスクワークや屈(かが)んで作業をすることが多い人は、同じ姿勢を続けないようにして、長くても1時間ごとに、歩いたり伸びをしたりするなどして、姿勢を変えてみる★帰宅したら、お風呂に浸かり、腰を温める★市販のホットパックを10分間ほど腰にあてて、腰部の血流を回復させる★丸めたバスタオルを腰にあててあおむけになり、バンザイ姿勢で10秒間ほどのびをする★布団の上にうつぶせに寝て、両手をバンザイし、両足を伸ばすポーズをした後、両手両足を交互に、バタバタさせて、背部の筋力をUP(プールの基本練習で、バタバタさせるような動作)ぜひ、腰痛持ちの方は、腹筋を鍛えるのではなく、上記のポイントに注意しながら、生活してみてください。●著者プロフィール檜垣 暁子オールアバウト肩こり・腰痛ガイドカイロプラクティック理学士・日本カイロプラクターズ協会正会員。現在は、横浜市に治療室を開院し、日々、肩こりや腰痛を始めとする不調を訴える患者さんの診療に当たっている。【関連リンク】【コラム】食欲の秋からエクササイズの秋に! 毎日たった5分の腹筋プログラム [無料]【コラム】鍛えるのは腹筋?!ビリーのネタ動画が人気急上昇中【コラム】北川景子が、減量に成功。「腹筋われました。」
2011年12月18日