こんにちは! えみです。長女・みいちゃん、長男・とうくん、次女・あーちゃんを育てる母です。今回は、子どもの金銭感覚を培うためにはじめた“お金の教育”について紹介します。参考になる書籍を探していたところ、「お金のこと、子どもにきちんと教えられますか?(青春出版社)/母学アカデミー河村京子」を見つけ購入。長女がもうすぐ小学生! というタイミングで、子どもの金銭教育はじめました。次回に続く 「お金の教育」(全19話)は17時更新!参考:「お金のこと、子どもにきちんと教えられますか?」(青春出版社)/母学アカデミー河村京子
2021年11月09日この漫画は書籍『おうち性教育はじめます』(フクチマミ著、村瀬幸浩著)の内容から一部を掲載しています(全12話)。 ■前回のあらすじ子どもとテレビを見ていたらベッドシーンに…、子どもがあやしいサイトを見ていた…など対応に悩む親たち。村瀬先生のアドバイスは…。■性教育Q&A パートナーが性教育に無理解、非協力的なときは?■初公開! エピローグ最初は戸惑いばかりだった親たちも「性教育」のイメージがガラッと変化し、その大切さを改めて感じたようです。続きは本書で! 『おうち性教育はじめます』 フクチマミ著、村瀬幸浩著(KADOKAWA) ¥1,430(税込) \ この後どうなる!? /書籍「おうち性教育はじめます」はこちら 「うちにも赤ちゃんはくる?」といった、突然やってくる素朴な質問への答え方から、性犯罪の被害者・加害者にならないための日々の言葉かけ、思春期に訪れる男女の心と体の変化まで、親子で一緒に学ぶことができるパパママの必読本。毎日の家族の会話で子どもを守り、これからの時代を生き抜くための力を養うための「おうち性教育」のはじめ方をわかりやすく学べる一冊。
2021年10月29日この漫画は書籍『おうち性教育はじめます』(フクチマミ著、村瀬幸浩著)の内容から一部を掲載しています(全12話)。 ■前回のあらすじ性教育は幼児期からがベストという村瀬先生。幼少期から学ぶことで子どもにどんな影響があるのでしょうか。■勝手に触らない・触らせないプライベートパーツ「プライベートパーツ」は、お世話や看護で必要な場合以外は親でも勝手に触らない。日常生活の中で何度も伝えていくことで防犯になり、またエチケットやマナーにも繋がるのです。次回に続く(全12話)「おうち性教育はじめます」連載は6時更新! 『おうち性教育はじめます』 フクチマミ著、村瀬幸浩著(KADOKAWA) ¥1,430(税込) \ この後どうなる!? /書籍「おうち性教育はじめます」はこちら 「うちにも赤ちゃんはくる?」といった、突然やってくる素朴な質問への答え方から、性犯罪の被害者・加害者にならないための日々の言葉かけ、思春期に訪れる男女の心と体の変化まで、親子で一緒に学ぶことができるパパママの必読本。毎日の家族の会話で子どもを守り、これからの時代を生き抜くための力を養うための「おうち性教育」のはじめ方をわかりやすく学べる一冊。
2021年10月21日この漫画は書籍『おうち性教育はじめます』(フクチマミ著、村瀬幸浩著)の内容から一部を掲載しています(全12話)。 ■前回のあらすじ学校では詳しく教えてくれない「性教育」。子どもを守るためにきちんと教えてあげたいけど、いったいどうやって? 困惑する親の前に現れたのは…。■学校では学べない? 親が教えるメリット親世代も子どもの頃に学校・家庭でしっかり教わる機会の少なかった性教育。実は「いのち・からだ・健康」の学問であり、これからの世の中を生きていく人格を育てるのに必須の「教養・知性」だったのです。さらに、性教育が「自己肯定感の向上」につながるとは、いったいどういうことなのでしょうか。次回に続く(全12話)「おうち性教育はじめます」連載は6時更新! 『おうち性教育はじめます』 フクチマミ著、村瀬幸浩著(KADOKAWA) ¥1,430(税込) \ この後どうなる!? /書籍「おうち性教育はじめます」はこちら 「うちにも赤ちゃんはくる?」といった、突然やってくる素朴な質問への答え方から、性犯罪の被害者・加害者にならないための日々の言葉かけ、思春期に訪れる男女の心と体の変化まで、親子で一緒に学ぶことができるパパママの必読本。毎日の家族の会話で子どもを守り、これからの時代を生き抜くための力を養うための「おうち性教育」のはじめ方をわかりやすく学べる一冊。
2021年10月19日日本でも注目を集めるようになったオルタナティブ教育。オルタナティブ教育とは、「学校教育法によらない教育(機関)」という意味ですが、最近は「従来の教育法とはまったく別のアプローチに基づいた教育法」として使われることが多いようです。そしてその代表格が「モンテッソーリ教育」。Microsoft創設者のビル・ゲイツ氏をはじめとした、世界のリーダーたちが学んだ教育法としても知られています。モンテッソーリ教育の何が結果を生んでいるのか、知りたくありませんか?今回はモンテッソーリ教育のメリットにフォーカスします。モンテッソーリ教育を受けたリーダーは多い!モンテッソーリ教育は、20世紀初頭にイタリア初の女性医師、マリア・モンテッソーリ博士により開発されました。モンテッソーリ博士は、精神に障害をもつ子どもたちの治療に携わったことで、子どもの発達に法則性を見いだしたのです。モンテッソーリ教育を受けたとされる著名人は、Microsoft創設者ビル・ゲイツ氏、Amazon共同創設者ジェフ・ベソス氏、Goolgle共同創設者ラリー・ペイジ氏とセルゲイ・ブリン氏、Facebook共同創設者マーク・ザッカーバーグ氏など、いまの時代を牽引するリーダーばかり!日本でも、藤井聡太棋聖がモンテッソーリの幼稚園で学んでいたことが話題になりましたね。モンテッソーリ教育の何が、彼らの才能をぐんと伸ばしたのでしょうか。次は、その理由を探ってみます。モンテッソーリ教育には、「3つの重要なキーワード」があるようです。<キーワード1>発達の4段階モンテッソーリ博士は、「人間の成長には4つの段階がある」ととらえました。人は、「幼児期」「児童期」「思春期」「青年期」を経て、考え方などが安定し、自立すると考えたのです。【幼児期(変容期):0~6歳】環境(言語や文化を含む)から、いいものも悪いものもすべて吸収する成長期【児童期(一定安定期):6~12歳】道徳心が育まれ、想像力が豊かになり、探究心が旺盛になる時期【思春期(変容期):12~18歳】人としてあるべき姿や社会貢献について学び、人間としての基礎を築く時期【成熟期(安定期):18~24歳】自分の好きな分野や得意な分野で強みを活かし、自分の居場所を見つける時期<キーワード2>敏感期子どもは「やりたいこと」が発達に沿って現れてきます。たとえば、自分で服を着たい、数字を並べたい、道路脇にある縁石の上を歩きたいなどです。このタイミングのことをモンテッソーリ教育では「敏感期」と呼びます。敏感期は大きく6つのカテゴリーに分けることができます。【言語の敏感期】胎児期~3歳頃胎児期~3歳頃は「話し言葉の敏感期」、3歳半~5歳半頃は「文字に対する敏感期」。【秩序の敏感期】0歳半~2歳半頃物の位置や順番、物事の順序などにこだわりをもつように。「いつもと違う道から帰るのを嫌がる」「人形の置き場所が違うと癇癪を起こす」など。【感覚の敏感期】0歳~6歳頃五感を鍛える時期。目、耳、皮膚、鼻、舌を刺激するものに対して強い興味をもつ。「食べ物を手でぐちゃぐちゃにする」など。【運動の敏感期】0歳~6歳頃0~3歳頃に運動機能が発達し、3~6歳頃から洗練された細かい動作の敏感期に移る。「ティッシュペーパーを引き出す」「道路脇の縁石の上を歩く」など。【数の敏感期】3歳半~5歳頃年齢や日づけ、ものの数、順番、量など、生活のなかにある「数」に興味を示す時期。「おもちゃの車の数を数える」など。【文化の敏感期】6歳~9歳頃虫、恐竜、花、食べ物、世界、宇宙など、「世界のすべて」を知りたいと思う時期。インターネットの発達の影響で時期が早まっているとも言われている。学校法人天野学園「愛珠幼稚園」理事長・園長として、モンテッソーリ教育を30年以上にわたって実践してきた、故・天野珠子氏は、敏感期の子どもへの対応について「子どもが夢中になっている何かを、満足するまでやらせてあげることが大切」だと話しています。その経験により「子どもの欲求が満たされ、心の余裕が生じ、周囲に対して思いやりや温かい関わりができる人へと成長する」のだそうですよ。<キーワード3>おしごとモンテッソーリ教育では、子どもの発達・成長にとって必要な活動を「おしごと」と呼びます。ボタンを留める、小さなものをつまむ、お財布の中身を全部出す、水道の水を出しっぱなしにする、道路脇の縁石の上を歩くなど、子どもは自分が伸びるタイミングで、自分を伸ばすための「おしごと」をしています。そして、すべての子どもは「自分を伸ばす力」をもっていて、「いま自分の伸ばすべきところ」を知っています。その “いま” のタイミングこそが、前述した「敏感期」です。ですから、本人の発達に合わせたタイミングで「おしごと」を行なうということが最も大切になります。「次はこれを教えよう」だとか「〇〇ちゃんはもう数を数えられるみたいだから、うちの子も……」という大人の都合で、子どもに何かをさせるのはやめましょう。モンテッソーリ教育を掲げる「吉祥寺こどもの家」園長・百枝義雄氏は、その子の本当のタイミングである半年後であれば「私は数字が大好き」になったかもしれないのに、親が焦って先取りしてしまったがために「私は数字が苦手なんだ」と思い込んでしまうのは、とても残念なことだと言っています。子どもが子どものタイミングで「おしごと」に集中できるよう、親は見守り、環境を整えることが重要です。ひとりでできることが増えるほど自己肯定感が育つのですから。モンテッソーリ教育、5つのメリットでは次に、今回の本題である「モンテッソーリ教育のメリット」について考えてみます。モンテッソーリ教育を受けることで、子どもたちはどんな能力を身につけていくのでしょうか。メリット1:自主性が育まれるモンテッソーリ教育では、たとえば包丁や針、アイロンであっても、「危ないからダメ」とは言わず、丁寧に扱い方を紹介します。なぜならば、3~6歳の子どもたちは手先を細かく動かしたい欲求をもっているから。この適切な時期を逃してしまうと、次の成長につながらず自主性も育ちません。また、モンテッソーリ教育では、全員一斉に指導したり、子どもの発達を無視した指導をしたりといったことはしません。子どもに何かを聞かれたときも、「あなたはどうしたい?」「どうしたらいいと思う?」と子どもに問うのだそう。自分で考え、答えを出すからこそ自主性が育つのです。メリット2:集中力がアップするモンテッソーリ教育では、「子どもがやりたいことである『おしごと』に夢中になって没頭する『集中現象』によって、さまざまな能力が伸びる」とされています。この集中現象について、前出の天野氏は以下のように話しています。敏感期に適切な環境に出合うと子どもは集中現象を起こします。ほかの事は耳に入らないしお腹が空いたのも忘れるほど夢中になる状態です。集中現象が次々に満たされていくと、非常に心が満足します。(引用元:STUDY HACKER こどもまなび☆ラボ|子どもたちが自ら育つ力を応援する「モンテッソーリ教育」のメソッド【愛珠幼稚園園長 天野珠子先生】)モンテッソーリ教育では、自分の「おしごと」を自分で決めることができます。しかも、それを気がすむまで続けていいのです。好きなことを好きなだけやれるのですから、集中力が増すのも当然ですね。メリット3:意欲的になる国際モンテッソーリ協会認定モンテッソーリ教師であるシモーン・デイヴィス氏は、モンテッソーリ教育における子どもの成長について、次のように述べています。モンテッソーリ博士は、子ども自身が学びたがり、成長したがっていると大人が信じることが大切だと言っています。子どもは、自分はどう成長すればいいか、そのために何をしなくてはいけないかが本能的にわかっています。(引用元:シモーン・デイヴィス 著, 宮垣明子 訳(2020), 『おうちモンテッソーリはじめます 「生き抜く力」の伸ばし方』, 永岡書店.)子どもの「できない」には、いくつかの要因が重なっているのだそう。たとえば、「手が届かない」「大きすぎて使いこなせない」など。モンテッソーリ教育では、踏み台を置いたり、子どもサイズの包丁を用意したりと、そのできない要因を取り除きます。大人の役割は、信じて、安全な環境を整え、見守ること。すると、子どもたちは安心して、自分のやりたいことにどんどんチャレンジできるのです。メリット4:責任感と思いやりの心が生まれる「好きなことを自由にやる」という面だけがクローズアップされることも多く、「わがままになるのでは」と誤解されることもあるようですが、モンテッソーリ教育では「ルールのなかの自由」が基本となっています。ルールは、「子どもどうしで尊重しあう」「自分で学ぶ」「まわりを大切にする」という3つ。また、モンテッソーリ教育は縦割りクラスですから、年齢が上の子どもは、下の子のお手本になるために頑張ります。モンテッソーリ教育で育った子どもは、自分の役割を見いだすことができるので、思いやりの心と責任感が芽生えていくのです。メリット5:自己肯定感が育まれるモンテッソーリ教育では、子どもを「独立した市民」ととらえます。つまり、子どもも “ひとりの人間” として尊重されるのです。「ダメ!」「やめなさい」などの言葉は、モンテッソーリ教育では使いません。大人は子どもたちに、「あなたの気持ちを受け入れますよ」という姿勢で接します。子どもたちは、あるがままに受け入れてもらえる安心感に包まれるので、自己肯定感が育まれるというわけです。「自主性」「集中力」「意欲」「思いやりの心」「責任感」「自己肯定感」が育まれるモンテッソーリ教育――多くの著名人を輩出したのも納得です。“おうちモンテッソーリ” におすすめの本4選「子どもにモンテッソーリ教育を受けさせたい!」と思っている親御さんは少なくないのではないでしょうか。でも、モンテッソーリ教育が受けられる保育園や幼稚園が近くにあるとは限りません。そこで “おうちモンテッソーリ” を取り入れてみるのはいかがでしょう。じつは家庭で実践できるモンテッソーリ教育はたくさんあるのです。参考になるおすすめの4冊をご紹介します。『おうちモンテッソーリはじめます』世界20ヵ国以上でベストセラーとなっている、国際モンテッソーリ協会認定教師のシモーン・デイヴィス氏の著書で、初めてモンテッソーリ教育を学ぶ方でも理解しやすい1冊。モンテッソーリ教育の考え方を日常生活に落とし込んだアドバイスが満載で、特に「言葉が遅い」「スマホに夢中」「手先が不器用」「癇癪を起こす」「片づけられない」といったお子さまへの言葉かけがためになります。また「おうちのなかの準備」の章では、オーストリアの幼稚園を参考にした「部屋の整え方」が写真つきで紹介されています。『自分でできる子に育つ ほめ方 叱り方』オルタナティブ教育のなかでも特に人気な「モンテッソーリ教育」と「レッジョ・エミリア教育」に精通する島村華子氏の人気著書。子どもを「独立した市民」として尊重するという考え方や「無条件子育て」のメリットなど、モンテッソーリ教育を知るうえで大切なことが書かれています。また、「〇〇なときはどうすればいいの?」というシチュエーションごとの問いに、実践的な答えがあるのも嬉しいかぎり。日常でなにげなく投げかける子どもへの言葉がこんなに大切だったとは――。すぐに使ってみたくなる「声かけ」が詰まった1冊です。『「集中」すれば子どもは伸びる! モンテッソーリ園』モンテッソーリ教育とはどういう教育法なのか、実際の園ではどんな活動をしているのか、ということがわかりやすくまとまった1冊です。モンテッソーリ教育特有の「おしごと」と「教具」(おしごとに使う道具)が写真つきで詳しく紹介されているので、「おうちモンテッソーリ」の参考にもなりますよ。教具に使う材料は、100円ショップなどで代用品を購入しましょう。また、モンテッソーリ教育を実践する園に子どもを通わせていたママたちの座談会も掲載されています。モンテッソーリ教育の保育園や幼稚園を検討している親御さんは、ぜひ手にとってみてくださいね。『モンテッソーリ子育てグッズー子どもたちに作りたい贈り物―』著者は「ひづきの森」「モンテッソーリ教育つばめの家」を主宰する藤原愉美氏で、モンテッソーリ教育に欠かせない「教具」や日常生活で使う小物などを子どもと一緒に手作りする内容となっています。とても簡単なので、手芸好きな方もそうでない方にもおすすめです。たとえば、お茶碗やお皿の絵を縫いつけたランチョンマットは、子どもが自分で配膳できるようになる「教具」なのですが、北欧風のデザインがとてもかわいい!子どもと一緒につくることを楽しみながら、子どものチャレンジと成長を見守れる1冊です。***『おうちモンテッソーリはじめます』の著者 シモーン・デイヴィス氏は、自身がモンテッソーリ教育と出会ったときのことを、こう記しています。モンテッソーリの子どもとの接し方について、学ぶことばかりでした。幼児は少し難しいことがあると伸びるということ。子どもは理解されたがっていて、スポンジが水を吸い込むようにまわりからなんでも吸収するということ。わかってくると、幼児とうまく関わることができるようになり、幼児の考え方を知ったうえで、その学ぶ様子を見ているのが楽しかったのです。(引用元:シモーン・デイヴィス 著, 宮垣明子 訳(2020), 『おうちモンテッソーリはじめます』, 永岡書店.)ちょっとした知識を知ることと、見方を少し変えるだけで、目に映る子どもの姿が違って見えてきそうです。モンテッソーリ教育を取り入れることで、まず親の考え方が変わります。いままではイライラしていた子どもの行動も、「そうかそうか、キミはいま敏感期なのね」と思えるかもしれません。(参考)おおたとしまさ(2019),『世界7大教育法に学ぶ才能あふれる子の育て方』, 大和書房.シモーン・デイヴィス 著, 宮垣明子 訳(2020), 『おうちモンテッソーリはじめます』, 永岡書店.島村華子(2020),『自分でできる子に育つ ほめ方 叱り方』, ディスカヴァー・トゥエンティワン.東京書籍編集部 編集, 新浦安モンテッソーリ子どもの家 協力(2012),『「集中」すれば子どもは伸びる! モンテッソーリ園』, 東京書籍.藤原愉美(2019),『モンテッソーリ子育てグッズ』, 文化出版局.STUDY HACKER こどもまなび☆ラボ|子どもの自主性を尊重し、集中力と柔軟な対応力を育む「モンテッソーリ教育」【愛珠幼稚園園長 天野珠子先生】STUDY HACKER こどもまなび☆ラボ|子どもたちが自ら育つ力を応援する「モンテッソーリ教育」のメソッド【愛珠幼稚園園長 天野珠子先生】STUDY HACKER こどもまなび☆ラボ|「おしごと」と「集中現象」とは?“親にしかできない”もっとも重要なことベネッセ教育サイト|モンテッソーリ教育とはどんなもの?教育の特徴と5つの分野を解説!スタスタ|【徹底解説】モンテッソーリ教育とは?特徴、オススメの教具や有名人などダイヤモンドオンライン|藤井聡太にビル・ゲイツ、ビヨンセも…オルタナティブ教育は日本で浸透するか学校法人 広島信望愛学園|モンテッソーリ教育ってなあに?
2021年05月25日性教育アドバイザーとして活躍し、とにかく明るい性教育【パンツの教室】協会代表理事や『お母さん!学校では防犯もSEXも避妊も教えてくれませんよ!』(辰巳出版)の著書を出版されている、のじまなみさんが性教育について教えてくれました。 我が子が性のトラブルに悩まないためにできることって?「あっちに可愛い子犬がいるよ」「道がわからなくて困っているんだ、一緒についてきてくれない?」「ねえ、君の体、触らせて」 もしあなたのお子さんが、こんな風に知らない人から声を掛けられたら……考えただけでもぞっとしますよね。その時に我が子がどんな風に答えるか、想像したことはありますか? 「やめてください」「ついて行ってはいけないと言われています」 そんな風に言える子であってほしい。親ならそう信じたいですが、残念ながら、実際にはそんな返事ができる子は多くありません。 「楽しそうだからついて行こう!」「困っているなら……」「触らせてもいいんじゃない?」 と、子どもたちはいとも簡単にその人について行ってしまうものなのです。一体、なぜなのでしょうか?それは、子どもたちが性教育を受けていないからです。ついて行った先に何があるのか、自分の体を触らせたあとに一体何が起こるのか、性教育を受けていない子どもたちは、想像することができないのです。 日本は世界の中でも驚くほど性教育後進国ユネスコが2009年に発表した「国際セクシュアリティ教育ガイダンス」では「性教育の開始年齢」が設定されています。さて、いくつだと思いますか?答えはなんと「5歳」です。このガイダンスは強制力を伴うものではありませんが、世界各国の教育現場に影響を与えています。では日本はどうでしょうか?実は、世界から見ると、日本は驚くほどの「性教育後進国」です。「寝た子は起こすな」という性教育に対する拒否反応は根強く、長くタブー視されています。その一方で日本は「性産業先進国」という、なんとも恥ずかしい汚名をいただいています。コンビニでは子どもの目の高さに、堂々とアダルト向けの本が陳列されています。インターネットは子どもと誤った性の情報を簡単につなぎ、子どもが性の対象になった事件を伝えるニュースは毎日のように聞こえてきます。保護者のみなさんも一度はヒヤッとした経験があるのではないでしょうか?親はみな、愛する我が子を性犯罪の被害者にしたくありません。もちろん加害者にもしたくありません。では親としてできることは何でしょうか?それは、「性教育」です。 性教育は3歳からスタートすると○生まれながらにインターネットがある世界に生まれた子どもたち。ちょっとクリックすれば、3歳でも卑猥な画像や映像が見られるのが今の時代です。性に関する情報に触れることは、避けようと思っても難しいのが現状です。しかもその情報は決して正しいものばかりではありません。だからこそ、子どもが間違った性情報にアクセスする前に、親の言葉で本当の「性」を伝えたいところです。私は、性の話も親の愛情も素直に受け入れる「3歳から10歳まで」が性教育の適齢期と考えています。 この年齢はズバリ、「うんこ・ちんちん・おっぱい」などの下ネタワードが大好きな年齢です。そして、3歳から5歳までの多くの子どもが「命のスタート」に関する質問、つまり「赤ちゃんはどうやってできるの?」というストレートな質問をしてくるとも言われています。一方、10歳を過ぎると子どもたちは思春期にさしかかり、性の話をするのには親子ともども抵抗が出てきてしまいます。そのため、性について話しておきたいと思っても、親から性の話をするチャンスはほとんどないと思っておいたほうがよいでしょう。だからこそ、3歳~10歳の「下ネタワード全盛期」を逆手にとって性の話をすることが重要なのです。嬉々として「おしり!」「おっぱい!」などと連呼する子どもには、「それは体の大切な部分のことだから、お外で大きな声では言わないよ。嫌な気持ちになる人がいるからね」と教えてあげましょう。「赤ちゃんはどこから出てくるの?」「赤ちゃんはどうやってできるの?」という質問にも、真摯に答えたいものです。つい焦って「そんなこと聞かなくていいの!」という拒絶の言葉が口を突いて出てしまいそうですが、子どもからの性の質問に「拒絶」はNGです。子どもはいやらしい気持ちではなく、「空はなんで青いの?」と同じ感覚で性の質問をしています。親としてもフラットに「赤ちゃんはお母さんのお股にある膣という穴から出てきたんだよ。それだけではなく、帝王切開といってお腹を手術して生まれてくる赤ちゃんもいるよ。どちらも、お母さんも赤ちゃんもとっても頑張って出てくるんだよ!」「女の人のお腹にある『卵子』と男の人のおちんちんから出る「精子」がくっつくと、赤ちゃんができるんだよ。そのためには女の人の膣に男の人のおちんちんを入れて、精子を送り届けるんだよ」といった具合に教えてあげましょう。もし答えに困ったら「うまく説明できないから、調べて今度答えるね」と言って、後日、心を落ち着けてからでも構いません。ただその場合も、必ず別の機会に説明してあげましょう(ただし、子どものほうがその質問をしたことを忘れている場合もあります)。こうした話を身を乗り出して聞く子もいれば、「ふーん」と言ってすぐ興味が逸れる子もいるでしょう。説明もほとんど理解できないことが多いですが、それでOKです。多少間違っていても構いません。大切なのは、拒絶しないことと、質問を受け止めること、そしてウソをつかないことです。 「3歳からの性教育」が当たり前の時代に私が2018年に『お母さん!学校では防犯もSEXも避妊も教えてくれませんよ!』(辰巳出版)を発表してから、この2年でも世の中は大きく変わったように思います。それまでタブーだった「性教育」についてのたくさんの書籍が発行され、新聞や雑誌、ネットニュースやテレビ番組までもが性教育をテーマに取り上げるようになり、家庭での性教育についての議論が活発になりました。「3歳からの性教育」も一つのキーワードとなっており、これからはこの「3歳からの性教育」が当たり前のことになっていくでしょう。家庭での「3歳からの性教育」がスタンダードになることで、学校での性教育も前進していくことを期待します。そして、そのためにはまず、親自身が「性教育」についての認識をアップデートすることが必要です。我が子が性犯罪の被害者にも加害者にもならないように、そして豊かな人生を送れるように、「3歳からの性教育」、ぜひトライしてみてください。 参考書籍『お母さん!学校では防犯もSEXも避妊も教えてくれませんよ!』(辰巳出版) イラスト:おぐらなおみ(『お母さん!学校では防犯もSEXも避妊も教えてくれませんよ!』より)※本稿は『お母さん!学校では防犯もSEXも避妊も教えてくれませんよ!』(辰巳出版)からのじまなみさんに加筆・再編集いただきました。 著者:カウンセラー 性教育アドバイザー のじまなみ性教育アドバイザー。とにかく明るい性教育【パンツの教室】協会代表理事。著書の『お母さん!学校では防犯もSEXも避妊も教えてくれませんよ!』(辰巳出版)は7万部を超える話題作となる。著書『男子は、みんな宇宙人!世界一わかりやすい男の子の性教育』(日本能率協会マネジメントセンター)、『赤ちゃんはどこから来るの?親子で学ぶはじめての性教育』(幻冬舎)、『「赤ちゃんてどうやってできるの?」にきちんと答える親になる!』(日本図書センター)。
2021年01月17日「教育虐待」という言葉を聞くことが増えました。「虐待」とありますが、子どもを叩いたり、蹴ったりするわけではありません。教育的な虐待です。今回は、「教育虐待とは?」「教育虐待に陥りやすい親」などについて考えていきましょう。「もしかして私、教育虐待をしているかも?」と、不安に感じている人に向けた “教育虐待チェックシート” もありますよ。教育虐待とは教育虐待とは、教育を理由に子どもに無理難題を押しつける心理的虐待のこと。教育虐待は、子どもに度を超えた勉強をさせる行為だけではありません。子どもが望んでいないのにもかかわらず、親が習い事を強要することなども教育虐待にあたります。教育虐待という言葉は、もともと、社会福祉法人カリヨン子どもセンター(さまざまな事情から家に帰ることができない少年少女を受け入れるシェルター)のスタッフ間で使われていた言葉で、「あの親は、教育という名のもとに虐待しているよね」といった文脈で使用されていました。「教育熱心な親の常識の範疇を超えた行為」が虐待にあたるということです。また、校則を全廃し、さまざまなメディアで話題となった、東京都世田谷区立桜丘中学校の前校長・西郷孝彦氏は、トークイベント「桜丘中学校ミライへのバトン~選びたくなる、公立学校とは?~」で、教育虐待について以下のように語っています。「教育虐待というのは、“見えない虐待” です。日本においては“教育熱心”という言葉で虐待の実態が見えなくなっているのです」(引用元:西郷孝彦・尾木直樹・吉原毅(2019),『「過干渉」をやめたら子どもは伸びる』, 小学館.)西郷氏は、明らかに行きすぎた教育であるのにもかかわらず、周囲からは「あの家庭は教育熱心だ」と称賛されるような日本の社会にも問題があると主張しています。教育虐待をする親が増え続けている『ルポ教育虐待 毒親と追いつめられる子どもたち』の著者である、教育ジャーナリストのおおたとしまさ氏は、「程度の違いこそあっても、以前より多くの親が教育虐待をしている」と話しています。“昔の教育熱心な親” には、「東大をはじめとした高偏差値の難関大学に入学させる」という明確なゴールがありました。しかし、いまは先が見えないと言われる時代。英語やプログラミング、コミュニケーション能力など、子どもに必要とされるスキルが多すぎて、「何が正しい教育なのか?」親自身もわからなくなってきているのです。そして、自らの不安を解消するために、子どもにあれこれとやらせてしまう――。では、どのような親の行動が教育虐待にあたるのでしょうか。教育虐待の例をいくつか挙げてみます。子どもをスケジュール漬けにしている子どもの勉強スケジュールを細かく管理する友だちと遊ぶことを許さない夜遅い時間まで勉強(習い事の練習)をさせる志望校や職業など、子どもの将来を勝手に決める成績が悪いなどの理由から子どもに暴力を振るう机や壁を叩く、怒鳴るなどの行為で子どもを威嚇する子どもの自尊心を傷つけるようなことを言う最後に挙げた、「子どもの自尊心を傷つけるようなことを言う」について、もう少し掘り下げてみましょう。教育虐待にあたるのは、以下のような言葉です。「なぜ15点も間違えたんだ!」「努力が足りないから100点をとれないんじゃないか?」「なぜこんな簡単な問題が解けないの!」「〇〇中学に合格しなければ、うちの子ではありません」「最低でも〇〇大学に行きなさい」「一番になれ!」「親の言うことが聞けないならば出ていけ!」文字にするだけでも胸が痛くなる言葉です。ですが、親は子どもが憎くて言っているわけではありません。最初は、「この子のために」「将来幸せになるために」という思いだったはずです。しかし、その「この子のために」という気持ちがエスカレートすることで、「あなたのために言っているのに……なぜ親の言うことが聞けないの!」という教育虐待になってしまうのです。教育虐待をされて育った子どもは……では、教育虐待を受けて育った子どもたちは、どのように成長していくのでしょう。前出の西郷氏は、「父親が勉強に口うるさいケースは、子どもの自己肯定感も成績も低下する傾向がある」と言っています。一緒に過ごす時間が多い母親ではなく、日常的な関わりが薄い父親からの教育虐待は、子どもの自尊心をガクッと低下させるのだそう。教育虐待は、子どもたちの心の成長に大きく関わっているのです。おおたとしまさ氏は、教育虐待を受けた子どもの傾向について以下を挙げています。自分自身で「やりたいこと」を見つけられない大人になって引きこもりになってしまった万引きなどの非行に走ってしまった過食や拒食などの摂食障害になってしまったぽっきりと心が折れて立ち上がれなくなった自分の子どもにも教育虐待をしてしまった「我が子の将来のために最高の教育を!」と頑張ってきたのに、頑張っているうちに子どもの顔が見えなくなり、結果的に教育虐待によって子どもを壊してしまう――とても残念なことです。教育虐待に陥りやすい親の「7つの特徴」どうやら、教育虐待をしてしまう親にはいくつかの特徴があるようです。『教育虐待・教育ネグレクト 日本の教育システムと親が抱える問題』の著者である、青山学院大学教育人間科学部教授・古荘純一氏は、教育虐待に走りやすい親の特徴を7つ挙げています。特徴1:両親ともに高学歴で、社会的地位が高い「成績がよくて当然、できなければ問題児」という考えが強い。また、「もし我が子がいい大学に入れなかったら……」という不安があるため、子どもに高成績を望み続ける。特徴2:自分の学歴に劣等感をもっている親自身が「学歴のせいで苦労してきた」ので、子どもには同じような苦労をさせたくないと強く思っている。子どもに過度な期待をしがち。自身の満たされない思いを子どもに投影している。特徴3:キャリアを捨てて育児に専念しているやりがいのある仕事についていたが、さまざまな理由から仕事を辞めなければいけなくなってしまった親。いままで仕事にかけていたエネルギーが、子どもの教育に向かうことが多い。特徴4:子どもの成績などの責任をすべて押しつけられている「子どもの成績が悪いのは、いつも世話をしている母親が原因だ」などのプレッシャーがある家。親族や父親からの重圧が大きいので、仕方なく、我が子に教育虐待をしてしまう。特徴5:母親は教育熱心だが、父親は教育に無関心父親は教育について無関心だけど、その一方で母親は異常に教育熱心。しかし「なぜ勉強しなければいけないのか」という哲学がないことが多いため、視野が狭く、情報に踊らされてしまう。特徴6:パートナーの教育虐待行為に反論できないパートナーの教育が「明らかに教育虐待」だとわかっていても、直接反論することができない親。パートナーの考え方に洗脳されてしまっている場合もある。特徴7:親自身が「きょうだい間の成績の差」に劣等感をもっている「お兄ちゃんは算数が得意なのに」などと、きょうだいと比較されて育った親。劣等感をもったまま育っているので、つい子どもの教育に厳しくなってしまう。我が子を教育虐待してしまうのは、親自身のコンプレックスが原因です。たとえば、教育虐待をする「東大に落ちて早慶に進学した親」は、はたから見たら高学歴ですが、当人は「東大に落ちた」というコンプレックスをもち続けています。だから、子どもがどんなに頑張って勉強をしていたとしても、「お父さん(お母さん)は、もっと頑張っていた。だから、お前もいま以上に頑張れ!」などと子どもに発破をかけるのです。頑張っているのに「もっと頑張れ」と言われる――子どもにとって、教育虐待は終わりのない虐待と言えるでしょう。教育虐待をチェックする「4つの問い」「もしかしたら、私も教育虐待しているかも?」そう感じた方は、以下のチェック項目にYES・NOで答えてみてください。じっくり考えてから答えを出してくださいね。□子どもは自分とは別の人間だと思えていますか?(YES・NO)□子どもの人生は子どもが選択するものだと認められていますか?(YES・NO)□子どもの人生を自分の人生と重ね合わせていないですか?(YES・NO)□子どものこと以外の自分の人生を持っていますか?(YES・NO)おおたとしまさ氏は、上記の質問の答えについて以下のように分析しています。◆迷いながらも「自分は大丈夫だ」と思えた人→問題なし◆NOに当てはまることがあるかも……と感じた人→これから改善していけばOK◆一切の迷いなく「YES!」と答えた人→教育虐待をしているかもいっさいの迷いなく「YES!」と答えた人は、「自分の教育は絶対に正しいんだ!」と思い込んでいます。それゆえ、子どもの気持ちに目を向けることができなくなってしまうのです。おおたとしまさ氏は、「教育虐待をしている親の多くは無自覚」だと言っています。教育虐待をしていることに親自身が気づいていないというのが、教育虐待のやっかいなところなのです。教育虐待をしないために気をつけることでは、教育虐待をしないために、親はどうすればよいのでしょうか?教育虐待という言葉を世間一般に広めたとされる、元武蔵大学人文学部教授の武田信子氏によると、教育熱心な親は「子どもの幸せ」を望んでいるのに対し、教育虐待をする親は「親としての成功」を望んでいるのだそう。子どもは親の所有物ではありません。子どもの人権は尊重しなければならないのです。「子どものため」と言いながら、実際は「親としての成功のため」になっていないかどうか、日々、自分自身の言動を確認しましょう。専門家の意見を参考に「教育虐待をしないために親が気をつけること」をまとめました。親は子育て以外の趣味や仕事をもつ子どもをまわりと比較しない子どもをひとりの人間として扱う子どもの意志を尊重する子どもの成果と親の評価は別である結果ではなく「過程」をほめる子どもにぼーっとする時間を与えるおおたとしまさ氏は、正しい家庭教育なんてものはないのだから、親はもっと迷うべきだと言っています。答えが出なくても、迷い続けていいのです。教育について、ああでもないこうでもないと迷う親を見て、子どもはこう思うはずです。「お母さん、お父さんは私のことを考えてくれている、こんなに愛してくれている」と。そして、迷いながらも、「この教育に、我が子は強い興味を示して目を輝かせているか」というアンテナを立て続けてください。子どもをしっかり見ていれば、教育虐待にはならないはずですよ。教育虐待について書かれた本最後に、教育虐待について書かれた書籍を紹介します。このなかの1冊だけでも読んでみてください。「親としての成功」ではなく、「子どもの幸せ」を願える親になれるでしょう。◆『ルポ教育虐待』教育虐待の事例を紹介しながら、親子の問題点に切り込んでいます。「毛根を食べるようになった息子」や「社会人になってから、うつ病を発症」など衝撃的な事例も。親自身の言動を見直すきっかけになるかもしれません。◆『受験で子どもを伸ばす親、つぶす親』著者は、精神科医でもあり、受験アドバイザーでもある和田秀樹氏。子どもの成績が悪いとき、学校や塾の勉強についていけないとき、親はどうするべき?目から鱗のアドバイスばかりが詰まっています。◆『教育虐待・教育ネグレクト』豊富な事例とともに、教育虐待を受けた子どもの心理が丁寧に説明されています。「発達障害だと決めつける親」「野球練習ばかりさせる親」など、勉強以外の教育虐待についても書かれています。***教育虐待は子どもの心に深い傷を負わせてしまいます。子どもの人生は子ども自身が決める!もし子どもが「決めた道」で失敗したとしても、自分で立ち上がり、また目標を見つけて頑張ることができるように、親は見守り続けることが大切です。親も子どもと一緒に “迷いながら” 成長していきましょう!そうすれば、教育虐待など絶対にしないはずですよ。(参考)おおたとしまさ(2019),『ルポ教育虐待 毒親と追いつめられる子どもたち』, ディスカヴァー・トゥエンティワン.西郷孝彦・尾木直樹・吉原毅(2019),『「過干渉」をやめたら子どもは伸びる』, 小学館.古荘純一・磯崎 祐介(2015),『教育虐待・教育ネグレクト 日本の教育システムと親が抱える問題』, 光文社.STUDY HACKERこどもまなび☆ラボ|「教育虐待」のやっかいな実態。今の子どもには“決定的に足りない”時間があるSTUDY HACKERこどもまなび☆ラボ|教育虐待をする親とその学歴。その教育、本当に子どものためですか?STUDY HACKERこどもまなび☆ラボ|教育虐待は教育という大義名分のもとで行う人権侵害。でも親の多くは無自覚であるSTUDY HACKERこどもまなび☆ラボ|心が折れて立ち上がれなくなってしまう、自信家なのに自己肯定感が低い人note|教育虐待(Educational Maltreatment)VERYオフィシャルサイト|そのひと言が“教育虐待”!?専門家に聞く“教育熱心”との違いとは?弁護士ドットコムニュース|耳元で「東大に行け」と怒鳴り続け、「医者になれ」と娘を暴行…弁護士が見た「教育虐待」エスカレートする親たち
2020年08月05日広島県尾道市にある『千光寺山ロープウェイ(@Senkoji_Ropeway)』。2020年7月7日には、雨宿りにやってきた猫の横暴な振る舞いに反響が上がっていました。雨宿りにやってきた客横暴なふるまいをするも、なぜか擁護の声が殺到!同月13日、再びこの猫がスタッフを困らす行動に出たのです。さすがお猫様!スタッフが気を使ったものの…すっかりこの販促物置き場を気に入ったのか、鎮座するようになった猫。神出鬼没で、雨の日には屋根のある山頂駅に雨宿りをしに来ているそうです。この日も、「雨宿りをしに来た」と思ったスタッフが猫のために『雨宿りボックス』を出してあげたところ…。あ、あの………………… pic.twitter.com/UVlexdeom4 — 千光寺山ロープウェイ (@Senkoji_Ropeway) July 13, 2020 そっちかーい!スタッフが用意した箱はむなしくも、もぬけの殻。しかも、猫が気持ちよさそうに入っている箱をよく見てみると…。ご自由にお取りくださいにゃ。スタッフが用意した箱ではなく、わざわざ『ご自由にお取りください』とパンフレットが置かれたボックスに入る猫。ここにいるということは、自由に猫も持ち帰っていいのでしょうか…。猫の行動にたくさんのコメントが寄せられていました。・え、いいんですか!?本当に持ち帰りたいぐらいかわいい!・なんていうところでくつろいでいるの!?さすがお猫様…。・下のパンフレットは絶対に取れないですね。こんなにかわいい姿を見たら、どんな場所でくつろいでいても怒ることはできませんね![文・構成/grape編集部]
2020年07月16日編集部:学研キッズネット編集部「佐藤亮子のニッコリ教育サロン」は三男一女を東大理Ⅲ合格に導いた佐藤ママに、教育・受験ノウハウを学ぶ会員制コミュニティクラブです。子育て、受験をサポートするママこそ、いつもニッコリ笑顔で、充実した人生を送ってほしい。この思いを胸に「メンバーのお悩み回答講座」動画配信、佐藤ママを囲む少数限定のオフ会、佐藤ママとチャットで交流…などさまざまな角度から子育てママを熱烈応援するサロンです。ドリル作成の背景今回会員向けにリリースしたのは、未就学児・小学生向けに、書き取り練習と九九を覚えるオリジナルドリルです。とてもシンプルなものですが、佐藤ママの以下のような問題意識から生まれました。・市販のものはなんだか使いづらいし、どれがいいのかわからない・忙しいお母さんが、用意しなくて済むように・ノートのマス目がもっと大きいと丁寧に書くのに・同じものを何枚もさせたいのに、コピーする時間がない・プリントだったら、保存しやすいのに・毎日いつでも、すぐ子どもに「はい!」と渡したい・子どものやる気がおきる、ほどよい分量のプリントがほしい・シンプルすぎるぐらいのものがいい・子供の様子などを書き込めるスペースがほしい忙しくてなかなかドリルを探しに書店まで行けなかったり、めんどくさかったりするママの助けになるという視点から作られており、何度も反復練習しやすいよう、家庭用プリンターで出力し放題のサービスになっています。そして、読者情報サイト「本がすき。」にてその一部を無料公開しています。【「本がすき。」ドリル公開URL】「佐藤亮子のニッコリ教育サロン」登録方法本サロンにお申し込みいただく際には、光文社の運営する「kokode digital(ココデジ)」上で、光文社IDに登録していただくことになります。会員費は月額5,000円(税別)です。会員登録はこちら●主なコンテンツ紹介「スカッと解決!「お悩み回答講座」毎週動画中継」三男一女全員を東大理Ⅲに導いた「佐藤メソッド」を動画で伝授します!これまでたくさんの著書がベストセラーとなり、講演会を満員にしてきた佐藤ママ。このサロンでしか明かせないメンバーの悩みに質疑応答形式で答えます。あなたの知りたい答えが必ず見つかるはずです!●「少人数限定!佐藤ママと直接じっくり‟オフ会“」メンバー限定のオフ会を随時開催、佐藤ママが全国を訪問します。一人一人にじっくり向き合い、的確なアドバイスを送ります。フェイス・ツ-・フェイスの叱咤激励は愛の言葉、あなたの教育観が180度変わるかも。※「オフ会」は少数限定のため抽選となる場合があります。 ※別途参加費が必要です。●「毎日更新!佐藤ママとチャット(ブログ)で交流」ほぼ毎日、佐藤ママが気になったニュースや、身の回りの出来事を、写真コラムでお届けします。日々、佐藤ママが何に関心を持ったのかを共有できます!書籍情報【志望校合格へと導く‟過去問攻略”を明かした最新刊も好評発売中!】4人の子ども全員を東大理IIIに導いた佐藤ママの「過去バラ勉強法」とは!?志望校の過去問題集を買ってきたものの、ほとんど活用しないまま本番がきてしまった――これでは志望校合格はおぼつかないでしょう。4人の子ども全員を東大理IIIに導いた佐藤ママがたどり着いた、志望校一発合格の秘策をあますところなくお伝えします!◆詳しい「バラし方」を口絵で徹底解説!◆分厚い過去問題集は1年分ずつバラバラに!◆本番直前に過去問に取り組むのは間違いだ!◆苦手科目は過去問10年分で克服できる【書籍詳細】書名:『三男一女東大理3合格! 中学 高校 大学 志望校に一発合格する過去問攻略法』著者:佐藤亮子発売:光文社判型:A5判128ページ定価:本体1,400円+税●著者プロフィール大分県出身津田塾大学卒業大分県内の私立高校で英語教師として勤務。 結婚後、夫の勤務先の奈良県に移り、専業主婦に。長男、次男、三男、長女の4人の子どもを育てる。長男、次男、三男は灘中学校・灘高等学校を経て、東京大学理科Ⅲ類に進学。長女は洛南中学・高等学校を経て、東京大学理科Ⅲ類に進学。現在、長男と次男は医師として活躍。三男と長女は東大医学部の学生。その育児法、教育法に注目が集まり、全国で講演をおこなう。■「学研キッズネットFor Parents」のニュース一覧はコチラ■学研キッズネット編集部(がっけんきっずねっと)『学研キッズネット』は、1996年にオープンした小・中学生のためのWebメディアです。学研の子ども向け書籍や雑誌の編集ノウハウを活かし、子どもたちが安全に楽しめるサイトとして運営しています。子どもたちのしあわせのために、家族のしあわせのために、有益な情報やサービスをお届けできるよう、いつも精一杯がんばっています。すくすく伸びる子どもたちのために
2020年05月16日水瓶座の男性はどこかミステリアスな雰囲気を持っています。それが魅力的な要素であり、同時に他の星座の女性からすると、不思議だと感じる部分があります。水瓶座男性と結婚するメリットデメリットはどんなところ?水瓶座男性と結婚する具体的なメリットとは?水瓶座男性と結婚するメリットは、良い意味で兄弟や親友のような関係になれる点です。水瓶座男性は性別や年齢にあまりこだわりません。自分と価値観や趣味嗜好がピタリと合う相手なら、既存の常識にこだわらず、パートナーに選ぶ、これが水瓶座男性特有の大胆な発想です。男女間の友情は成立しないと言われていますが、水瓶座男性は言わば例外です。夫婦間でも友達間でも、性差にこだわらず相手の意見を尊重し、常に客観的な視点からアドバイスをしたり、サポートをしてくれます。恋愛感情は勿論抱きますが、どちらかというとパートナーに対してはリスペクトの精神が強いです。熱しやすく冷めやすいとは無縁の性質であり、一度波長が合うと感じた女性に対しては常に誠実な態度を取ります。自由奔放な気質がやや目立つ水瓶座男性ですが、道理に反する行為は大嫌いです。パートナーを不幸にする不倫のリスクが少なく、水瓶座男性と結婚すれば、男女の壁を超えて兄と妹のような関係が築けますし、不倫やDVを嫌うモラリストなので不安とは無縁の結婚生活を築けるでしょう。水瓶座男性と結婚したときのデメリットとは?水瓶座男性は良いも悪いも理論派です。感情的に怒られたり、機嫌が悪くてコミュニケーションが上手く行かないという心配は少ないでしょう。一方で評論家や研究者のような、理論的な話し方をする人が多いです。自分の世間話をとりあえず聞いて欲しい、と思っても水瓶座男性からすれば「僕はもっと良いやり方があったと思うよ」や「その事で何かメリットはあったの?」等と、かなりドライなリアクションを取られやすいです。まるで職場の上司や同僚と話している、理論派特有の冷たさや共感性の低さに、ストレスを感じてしまう女性も多いかもしれません。癖が強いものの、充分魅力的な水瓶座男性の本質たとえ男女間でもドライで客観的、時としてビジネスライクな態度でコミュニケーションを交わすのが水瓶座男性の特徴です。ラブラブな夫婦関係を築くというよりも、ビジネスパートナーのような協力関係を築く事が水瓶座男性は大得意です。ただドライで共感性が低い反面、女性に対しては常に対等で誠実でありたいという純粋な精神を持っています。頭脳明晰でありながら、生まれながらのフェミニストであり、結婚後は頼りがいがあるお兄ちゃんとして甘えたり、専門家顔負けの的確な助言を常日頃が受けられるのがメリットです。インテリな兄貴分として頼れる水瓶座男性水瓶座男性は老若男女問わず、友情関係を構築出来る珍しいタイプです。独特の話し方や合理主義者な一面があり、普通の女性からすると感情が読みづらいと思うかもしれません。ただ常に女性に対してはフェアで誠実なのが水瓶座男性の魅力なところです。兄と妹のよう夫婦関係に憧れる女性に理想的な相手といえます。
2020年05月04日末っ子男性が惹かれる人は、束縛なく自由にさせてくれる女性と言われています。その理由と上手に付き合っていく方法をご紹介していきます。束縛を嫌う傾向がある最後に生まれた子供というのは親にとってただただ可愛いだけの存在と言われています。長男を授かった時には子育てで右往左往することも多いでしょうし、周囲の期待に応えなくてはいけないといった環境も相まって、親の期待が強い為、責任感のあるしっかりとした男性になることが多い傾向があります。その反面、末っ子はそのような期待や重圧を感じることもなく伸び伸びと成長していきますし、上の兄弟の姿を見て学ぶ機会も多い為、親の手を煩わせることがありません。期待や重圧が少ない環境なことから、ある程度のことは自由にさせてもらえたといった幼少期を過ごしていることも多く、束縛を嫌う傾向があります。彼女が出来ても、自分のやりたいことを一番に考える傾向がありますし、そのことでとやかく言ってくる女性を鬱陶しく感じるのです。末っ子男性と上手に付き合っていく為には、ある程度の自由を与えてあげることが大切です。ただし、自由にし過ぎて他の女性に浮気されるリスクもありますので、その点には注意が必要です。懐の広さをアピールする末っ子男性をゲットする為には、懐の広さをアピールすると効果的です。ちょっとしたことでは動じないような雰囲気や、自分の芯を持っている女性に対して興味を抱きやすく、一緒にいて甘えられる女性を好みます。母性が強い女性も有効です。自分の行動を遠くから見守ってくれているような存在を好む傾向もあり、ある程度の自由やワガママを許してくれることを望んでいるのです。女性からすれば自由でワガママな男性は厄介でしかないのですが、末っ子男性は母性本能をくすぐるような存在でもある為、お互いに合致したカップルは上手くいく傾向があります。自分だけを見て欲しい、自分と一緒に過ごすことを優先的にしてほしいといった女性だと一緒に居ることが難しくなる為、一度付き合っても破局してしまうケースが多いようです。ちょっとぐらいの浮気なら許してもいい、最後には自分のところに戻ってくるならどうぞご自由にと言えるような懐の広い女性なら、自由でワガママな末っ子ともうまくやっていくことができるでしょう。お互いを尊重できる女性も好まれる恋愛が全てといった恋愛脳の塊のような女性とは相性が悪く、逆にお互いの時間をしっかり確保しつつ、程よい距離感で付き合っていけるような女性なら相性が良いと言われています。束縛を嫌う末っ子男性にとって、常に一緒に居るということは苦痛ですし、自分のしたいことを我慢してしまうと、その女性に対して好意を持てなくなったり、他の女性に目移りしてしまいます。お互いにやりたいことがあって、自分の時間を有効に使いつつ、お互いのことを思いやれる関係を築くことができる女性であれば、上手くいくでしょう。距離感を大切にする末っ子男性は自由で束縛が嫌いな傾向があります。距離感を大切にし、相手を尊重できる女性が好まれると言われています。
2020年04月15日「子どもを自由にのびのび育てたい」というのは、どんな親も望んでいることだと思います。でも、「勉強はしたくない」「宿題するよりゲームしたい」と子どもが言ったときに、なかなか100%自由にはさせられないものです。そんななか、テストや成績表もなく、生徒たちの多様性を伸ばす教育を実践している学校があります。卒業生には、俳優やミュージシャンとして活躍している星野源さんや浜野謙太さんなど多くの著名人を輩出している自由の森学園。今回は、そんな自由の森学園の鬼沢理事長に、子どもを自由に育てるとはどういうことなのかについて話を聞きました。お話をうかがったのは…●鬼沢真之(おにざわ・まさゆき)さん1960年生まれ。1986年より自由の森学園社会科担当教師。2004年4月から、同学園高等学校校長。2013年より、同学園理事長を務める。●自由の森学園とは埼玉県飯能市にある私立の中高一貫校。1985年に点数序列主義に迎合しない新しい教育をめざして設立。自分の取り組みを自身で評価する「学習の記録」や、生徒たちが自ら作り上げる行事などが注目を集めている。■「自由」は子どもたちにどんな影響を与える?――なぜ点数と競争にこだわらない教育をしているのでしょうか?勉強の目的は「テストでいい点を取ること」と捉えている子どもたちが多いのではないでしょうか? 子ども自身「これを学んで何になるの?」と疑問には思っているのだけれど、親や周りから「偏差値が大切」と言われて、テストのためだけに一生懸命やっているように感じます。その現状に疑問を抱き、競争心を刺激する教育ではなく、子どもたちが主体的に課題に取り組み、知識を得て成長するという本来の学びを与えたいという思いから学校を設立することにしました。――子どもが小さいうちから自分で判断できるのでしょうか? 無制限に「自由」を与えるのも心配です。ヨーロッパの国々ではかなり早い段階から「あなたが決めなさい。そのかわり、あなたが決めたことにはあなたが責任を持ちなさい」という教育がされています。いつからその責任を持たせてもいいかというと、もちろん個人差もありますが、私は、日本はいつまでも子ども扱いする傾向が強いと感じています。高校を出てから自由を得たと感じる人は多いと思いますが、はたしてそれは正しいのか。近頃では、大学も出席をとるようになり、就職活動も早まり、子どもたちは「自分自身が何者か」、「何をしたいか」、「どんな人生を歩みたいのか」真剣に考える暇もなく、そのまま大人になっている気がしますね。目隠ししている時間が長すぎると、子どもたちは本当の自分の人生を選べないのではないかと懸念しています。■子どもたちにとって自由の弊害はないのか?――自由の弊害はないのでしょうか? 「好きにしなさい」と言うと、学ばなくなる子も増えてしまうという懸念もありますよね。そもそもの学ぶ目的は、「自分の頭で自分の行く道を選択」して、「自分らしく生きていく大人になる」ことですよね。そのために学校というのは、10代というある一定の期間に多くのいろいろな体験をさせ、自分の生きていく道を見出すサポートしていくところだと思っています。これまで35年間教育をしていますが、子どもたちがまったく学ばなくなるということはありません。――また、自由すぎると社会に適応できないのはないかという声もあると聞きますが、どのように感じますか?そういう声はあるだろうなと思います。ただそういった声に疑問に思うのは、「はたして子どもを何に適応させようとしているのだろうか」ということなんです。極端な言い方をすれば、自分で考える必要がない社会の歯車として、子どもをに適応させたいというように思っているならば、自由は与えないほうがいいわけですよね。■子どもたちにとって「自由であること」は幸せなのか――自分のやりたいことが見つからない場合、「好きなように選択しなさい」という「自由」は子どもにとってつらい場合もある気がします。たしかに、しんどい面もあると思います。学校でいい点数を取ることが目標にならない場合、子どもたちのアイデンティティを確立をする方法は、「やりたいことが見つかったかどうか」がひとつのキーとなる面はあります。だからこそ「やりたいことが見つからなくてしんどい」と言う子も多いです。しかし、私はやりたいことを見つけられている子と見つけられていない子の境界線は不確定だと思っています。例えば、「ギターをやりたい」と言う生徒がいたとしても、いつまでギターがやりたいかどうかなんてわからないじゃないですか。それに、見つかったからといって本当に幸せかどうかなんてわかりません。――たしかにそうですよね。では、何が大切なのでしょうか。やりたいことと言うより、生きていく上で「これは大事にしたい」と思うことではないでしょうか。例えば、「写真を撮りたい」と言っても、写真家として生きていける人はごくわずかです。でも、写真の周辺にはさまざまな仕事があるし、趣味で続けていくこともできますよね。明確に1つの職業として決めなくても、どういうジャンルの仕事にやりがいを感じるのかと言うことがある程度定まっていれば、自分のキャリアの方向性がみえてきます。■子どもが自由に生きるために家庭でできること――子どもたちが自由に選択していくために、親としてはどういうサポートができるのでしょうか。僕たちは、生徒がもう一歩先を行くために今どういう教材を投げかけたらいいのかを授業の中で考えますが、親もそれと同じで、子どもが何かする時に、親なりのカリキュラムというものをある程度イメージしてみるといいですよね。子どもが努力をして、「やった」と本人も思えるようなものを準備をしてあげるんです。子どもが自信を持つようになるには、小さな成功体験を繰り返す以外にはないですから、うまくいったときにはきちんと褒めてあげましょう。そして、失敗しても、必要以上に責めないことが大切です。その子の努力によって、小さな1歩を踏み出したとき、きちんとした評価をしてあげることを繰り返していくことで、子どもは自信を持って次の一歩を踏み出そうと思えます。――親としては、どうしても失敗をさせたくないと思ってしまいます。生きていくなかで、さまざまな局面において、子どもにきちんと選ばせる事は必要です。つい先回りしてしまう気持ちはわかりますが、それでは親が子どもの代わりに選択することになってしまいますから。――子どもが自由に生きるために、やりたいことを見つけさせてあげたい。これまで生徒をみてきたなかで、心がけていることはどのようなことでしょうか?自由の森学園では、できる限り多くのジャンルのものを見せて、実際に触れさせて体験させます。世の中のことって、数種類の教科ではわけられませんから。その中で、「これに手ごたえを感じたなぁ」とか、「これなら一生やっていけそうかもしれないなぁ」とか、そこまで導いてあげたい。その先は、大学なり専門学校なり、もしくは弟子入りするなり、いろんな道がありますが、何をしている時に一番自分らしくいられるか、満足できるかを知ることにつなげてあげたいと思っています。――親にはどんなことができますか?学校と同じようなことをするのは難しいとしても、学校と家の往復だけじゃなく地域での活動やさまざまなボランティア活動など、さまざまなジャンルの体験をさせてあげるといいかもしれません。■自由に生きるためには必要なものがある――教育において、自由を与えるのがいいのはわかりますが、子どもにとっての自由とは何なのか、なかなか難しく感じてしまいます。自由とは、なにものにも縛られないということですが、人間社会において、縛られないということはありえませんよね。法律はあるし、配慮しなければいけないことも多い。その制約の中で、どういう風に自分の意志で歩んでいけるか。最終的に自由は何かと言えば、「自分の意志で自分らしく自分の人生を決める」ということ。そのためにはまずは社会的制約に何があるのかを知らなければいけないし、自分自身のことを知らないといけないし、能力もある程度は必要です。――どこまで自由にさせるか、見極めが難しいですよね。どう判断すればいいのでしょうか?生徒たちが「挑戦したい」と言ったら、応援してあげることもあるし、長く教師をしていれば「それは無理だ」と言う時もある。時には、失敗することがなんとなくわかっていたとしても、頭ごなしにダメだとは言わず、失敗経験をさせてあげることもあります。――あえて失敗から学ばせるということもあるわけですね。ただ、親が同じことをするのはなかなか難しいなぁと感じます。じつは、私の子どもは自由の森には通わなかったんです。もちろん私自身はここの教育がいいと思っているし、来たらいいなと思ったけれど、それは彼らの自由意志で決めるべきだと思いました。必ずしも親がいいと思っていることを子どもが選ぶわけじゃないんですよね。そのときにどう振る舞うか、親としては試されているなと思います。子どもを所有物みたいに感じてしまっている場合、親は過干渉になるかもしれません。でも、子どもは自分とは違うということが腹の底からわかれば、子どもとの付き合い方はそれなりに見えてくるでしょう。■親も自由に生きることが子どもにとって大切――子どもが自由に生きるために、親にできることはあると思いますか?私は子どもたちに、節目ごとに自分が何を考えているかをしっかり伝えていました。「選ぶのは君の自由だけれど、僕はこういう風に感じて見ているよ」ということを、受験前や卒業などの節目で手紙を書いて送るんです。やはり、親は自分の意見を子どもに伝えなきゃいけないと思います。「これは正しい」とか、「これが好き」とか。大人が思っていることを子どもに伝えることを躊躇(ちゅうちょ)していけないと思う。なぜなら、親が言わなくとも、子どもたちは親の思いを感じ取ろうとしているから。――子どもが「自由」に生きていくために、親ができることはなんでしょうか。親自身が自分らしく生きていますか? みんな与えられた枠組みの中で、どれだけ自分の思いを実現するかという目的を持って生きていますが、たとえ、それがサラリーマンだろうと公務員だろうと、どこまで自分らしくその仕事を成し遂げられるかは同じですよね。人工知能(AI)ではなく、自分にしかできないことにチャレンジすべきだし、さらに実践していかなければと思う。その中でどこまでできるかは、大人自身も問われていることです。その立ち位置や、向きが子どもに影響するんじゃないかと思っています。――親自身、子どもになってほしい姿があれば、自分がまずはそれに近づくことが大切なんですね。私は、百の言葉よりそれが大事だと思います。とくに、一番重要な選択をしなくてはならないような場面で、どういう態度をとるかという事は、子どもにとっては重要な授業になるんじゃないでしょうか。親自身が自由ではないのに、子どもたちに自由を期待してはいけないと思います。ここまで、自由と子どもについて、鬼沢理事長に話を聞いてきました。学校教育のメソッドを家庭でも生かせそうなヒントを多く教えていただけたと思います。次回は、日本一「ふつうの家ごはん」と言われる学食について話を聞きます。■今回お話を伺った「自由の森学園」の学食を取り上げた書籍 『日本一の「ふつうの家ごはん」 自由の森学園の学食レシピ』 (自由の森学園食生活部/講談社 ¥1,300(税抜))
2020年02月09日あんふぁんWebで実施した「子どもの教育費」についてのアンケート。328件の回答の中で多かった悩みは、「1人につきかかる大学までの教育費の総額はいくら?」「教育費の貯め時はいつ?」でした。そこで今回は、ファイナンシャルプランナーである筆者が、教育費について解説します。※2019年6月28日〜7月19日、あんふぁんWebでアンケートを実施。回答数:328件学校に支払うお金だけで、大学までオール国公立でも500万円を超える一般的にかかるとされる「教育費」には、習い事や塾などの金額も含まれていますが、今回は、純粋に幼稚園や学校だけにかかる金額を算出しています。なお、教育費は私立、国公立によって大きく違いがあります。また、給食や通学方法によっても違いが出てきます。今回は、小中学校の項目で給食費は計算に入れていません(給食そのものの有無、お住まいの地域などにより差があるため)。一覧表から分かる通り、幼稚園から大学までオール国公立の場合で500万円を超え、オール私立の場合でおよそ1600万円です。都市部で多い、私立の中高一貫校に進学するパターンでは、およそ1000万円となります。また、入学のための塾や習い事によっても、かかる費用は大きく変わってきます。さらに、大学に進学し一人暮らしをする場合には、これに生活費がプラスされます。月平均10万円程の生活費を補助すると、4年間でかかる費用はプラス480万円必要となります。ただし、きょうだいでの割引や免除や奨学金、特待生など補助もありますので、今回の算出はそのような割引きのない場合と考えてください。細かいところでは給食や通学費によっても変化し、制服など学校で必要なものがお下がりでもらえるかなどでも大きく違ってきますね。みんなはどれくらい貯めているの?「子どもの教育費のために、1人あたり毎月いくら貯めていますか?」のアンケート結果のグラフを見ると、毎月2万円以下が46%で一番多いことがわかります。これをもとに単純に計算すると、だいたい中学卒業までに、2万円×12か月×15歳=360万円は貯蓄できることになりますね。また児童手当を別途教育用の貯金にまわすと、児童手当(※3歳未満は月額1万5000円、3歳〜12歳は月額1万円、中学生は月額1万円/所得により制限あり)によって、約196万5000円は貯蓄できることになります。これらをすべて貯蓄に回すと556万5000円が中学卒業までに貯蓄できる計算となります。安心ラインは、最低あと200万円中学卒業時点ではすでに小中学校の学費を考える必要がないとすると、用意すべきは高校と大学の学費となります。アンケート結果からの試算で、約550万円を中学卒業時点で貯めていたとすると、高校はそれまで貯蓄に回していた分を当てることができそうなので、自宅から通える公立の大学なら十分に賄えることがわかります。ただし、高校・大学が私立の場合、または国公立の大学でも一人暮らしの場合は、少なくともあと200万円は必要となるでしょう。あと月1万円プラスで貯めようとする意識が大切では、貯め時はいつなのか?やはり一番は、子どもが小さい時です。子どもが小・中学生になるとよりお金がかかってくることを考えると、それより以前のできるだけ早いうちに貯め始めることが大切といえます。そして一番お金のかかるのは大学です。大学までは教育資金を崩さずに日々のやりくりで教育費をまかなうとしても、「大学入学までにあと月1万円プラスで貯めること」を目標にするとより安心です。例えば、幼児期の習い事に月1万円、2万円とかけている場合や、大きな学校外教育費となる「塾代」も、本当に必要かを見極めていくことも、教育費の総額を考えると大切です。王道になりますが、大きな固定費の見直しや、レジャーや外食のあり方を見直すことは「あと月1万円プラスで貯めること」への近道になるでしょう。現在の家計を考えて、「これ以上の貯金は難しい!」という場合は、学校選びの段階で、自宅から無理なく通える範囲を検討していくのも一手です。また、学費の免除や奨学金、特待生に当てはまらないかを検討してみること、制服など大きな出費になるものはお下がりがないかなど、「プラス1万円を貯める代わりに、教育費の出費を1万円でも減らす」という工夫をしてみてもいいかもしれません。将来、大学も学費が安くなるのを切に願いますが、今できることは、子どもの選択の幅を広げて応援してあげられる「教育資金」の準備。子どもの学習と同じく、早い時期から無理せずコツコツが大事なポイントです。※参考:文部科学省平成28年度子供の学習費調査<文・写真:ライター結生>
2019年12月20日2016年4月に電力自由化してから3年経ちましたが、ご家庭にあった電気料金プランを使っていらっしゃるでしょうか。2019年2月の時点で従来の電力会社から新しい電力会社に切り替えた件数が約944万件に達しました。その一方で切り替えされていない方も少なくなく、様々なメディアで新電力の広告・案内がなされている状況です。 ご家庭にあった電力会社や電気料金プランに設定できれば、固定費の削減にもつながりますが、適切でないプランに切り替えてしまうと電気料金が上がってしまうこともあります。今回は電力自由化の現状とメリットや注意点についてお伝えします。 電力自由化とメリット2016年3月以前は電力会社を選択できなかったため、地域の電力会社(東京電力、関西電力等)から電力を購入することしかできなかったのですが、現在では電力を供給する会社等を自由に選べるため、料金やサービスなどの競争が始まり新しい電力会社等から電気料金が下がる電気料金プランが出てきました。 一方で今までの電力会社も新たな料金プランを設定して、サービスを向上させています。また、従来のガスや電話、インターネット回線等と合わせて料金を一本化でき、ポイントやその他サービスの優遇を実施する会社等もあります。しかし、変更すれば必ず電気料金が下がるわけではありませんので、料金体系やシミュレーション等を確認し、ご家庭の状況にあった内容のものを選ぶことが大切です。 電力会社・電気料金プランを検討したい方は、「価格.com[電気料金比較]」でご家庭の状況にあったプランを入力してご参考にしてください。電力自由化の手続きにおける注意点注意点1:手続きや契約後の取扱いについて手続きはインターネットや電話等で簡単にできますが、マンションの管理組合等で一括契約している場合やブレーカーのアンペア数が低い場合(主に20アンペア以下)は手続きできないケースもあります。また、携帯電話同様に短期間の解約は違約金が掛かる場合や、ガスや電話、インターネット回線と電力のセットプランがある場合には、電力を切り替えるとセットプランに影響がある場合もありますので、不明な際は詳細な内容の確認や問い合わせを忘れずに行いましょう。 注意点2:ご家庭ごとに適切なプランが異なります電気料金プランは細分化されていることも少なくありません。平日の昼間も電力を使うことが多いのか少ないのか、週末に電力を使うことが多いのか少ないのか、深夜に電力を使うことが多いのか少ないのかなど、検討する項目があります。例えば、平日にお仕事等で不在のことが多いご家庭と主婦や育児休暇中等で在宅のことが多いご家庭では、最適な電気料金プランが異なる場合があります。ある電力会社では通常のプランでは安いものの、夜間や深夜重視のプラン電力プランは安くなりにくいプランであることも想定できますので、電気料金プランはなるべく詳細に確認をしましょう。 注意点3:詐欺まがいの案内に注意しましょうまた、電力会社等を変更する場合にはスマートメーターの設置が必要ですが、こちらは原則無料です。法外な工事費用やメーターそのものの費用を請求される詐欺まがいな話や電力に直接関係のない給湯や通信設備のしつこい勧誘が実際にあったので、慎重な対応が必要です。検討している電力会社がサービスを行っているかどうかは、資源エネルギー庁・登録小売電気事業者一覧をご確認ください。 電力会社・電気料金プランの変更はご家庭の電気の使用状況に合っているかがどうか大切です。短期的な特典だけでなく、長期の電力料金を考えた上での検討を踏まえてからのお手続きをおすすめします。監修者・著者:ファイナンシャルプランナー 大野高志1級ファイナンシャルプランニング技能士、CFP®(日本FP協会認定)。独立系FP事務所・株式会社とし生活設計取締役。予備校チューター、地方公務員、金融機関勤務を経て2011年に独立。教育費・老後資金準備、税や社会保障、住宅ローンや保険の見直し、貯蓄・資産運用等 多角的にライフプランの個別相談を行うとともにセミナー講師として活動しています。
2019年08月26日編集部:学研キッズネット編集部新しい学習指導要領の改訂により、デジタル教育が大きく注目されています。私たち親は、こどもたちにどんな教育を心がけるべきでしょうか。学研でSTEAM教育の事業化に携わっている佐久裕昭さんにお伺いしました。STEAM教育が注目されている理由——佐久さんはSTEAM教育の事業化に携わっているそうですね。あらためてお伺いしたいのですが、STEAM教育が注目されているのはどうしてですか?「STEAM」とは、Science(科学)、Technology(技術)、Engineering(工学)、Arts(芸術・感性)、Mathematics(数学)のそれぞれの単語の頭文字をとった造語です。もともとは、アメリカが科学技術分野の人材育成に力を入れる中で出てきた「STEM」という教育のキーワードがあり、そこに世界的に有名なデザイナーであるジョン・前田氏が「Arts」を加えた「STEAM」を提唱しました。私が言うまでもありませんが、昨今では特にITの分野が著しく発展していると思いますよ。ITの進化にともなって社会が大きく変化する世の中になっていますから、それに対応できる総合的な知とイノベーティブな感性を持った人材の育成が必要だと言われているのです。小学校でのプログラミング教育が必修に~親はどうすればいい?——2020年からは小学校でのプログラミング教育が必修となりますね。子どもたちが 「ITとは何か?」ということに興味を持つきっかけとして最適なのではないでしょうか。コンピューターに命令するということが、どのようなことであるかを知ることで、ITがどのような仕組みで動いているかを理解できると思います。またプログラミング教育には、論理的な思考方法が身につくという側面もあります。AIやIoTなど今後ますますIT化する社会に対応し、さらに日本発のイノベーションを起こせるような児童を育てるための教育が始まろうとしているのです。——IT機器というと、スマホ、タブレット、パソコンなどありますが、その違いを聞かれたら親はなんと答えればいいでしょうか。ハードウェア的にはキーボードがあるかないかという違いかなと思います。最近はスマホやタブレットにキーボードをつけることも一般的になっていますから、それほど大きな差はなくなっているような気がしますね。機能という面ではほとんど違いがないのではないでしょうか。ただ、決定的に違うのは「使われ方」だと思います。パソコンがサービスを作り、スマホやタブレットはそのサービスを使うための道具。つまり、今の社会における生産のためのツールはパソコンで、スマホやタブレットはそれを受け取るためのツールという認識になるのではないでしょうか。パソコンの重要性——子どもがスマホやタブレットではなく、パソコンを使う必要性や利点というのはありますか?先ほども言いましたが、現代社会においては生産の大元のツールはパソコンです。そのため、教育の現場でも、子ども達が使用するデジタル機器はパソコンを推奨したいと考えられているんです。新学習指導要領でも子どもたちのタイピングスキルを伸ばしたいと言われていて、小学校に導入する端末の要件として、キーボード機能を有している必要があるんです。今後は大学入試にもCBT方式(Computer Based Testingの略。コンピューターを利用した試験方式を指す)のテストを導入していく予定があるそうなので、パソコンの重要性はますます上がっていくと思います。ただし、スマホやタブレットが重要でないということでは決してありません。個人的にはスマホやタブレットに日常的に触れている子どもの方が、これからのデジタル社会に馴染んでインパクトのあるイノベーションを起こせるんじゃないかと思っているくらいです。こどもを有害な情報から守る——こどもがデジタル機器に触れる際に注意しておくことは?インターネットからITに触れ始める子どもが多いと思いますので、ペアレンタルコントロールはするべきでしょうね。ネットは便利な反面、子供にとって有害なコンテンツが溢れています。また勝手にネットショッピングをしたり、ゲームに課金したりしてしまう危険性もあります。まずは子どもにそう言った危険をしっかり説明して、リスクをつまびらかにし、共有することが大切です。最初は必ず親と一緒に使うようにするとか、自分の部屋ではなくリビングでしか使わせない、ブロッキング機能を使うなど各家庭の対処方法を見つけて可能なかたちで実践するべきだと思います。VRにAR~新しい技術に対する親の心構え——VRや AIなど新しい技術がどんどん登場していくデジタルの世界。親の心構えはどうあるべきでしょうか?私は、これからの社会はITを使わない進化の方向性はないと考えています。それくらい、デジタル技術が現代社会にもたらしたものは大きいのではないでしょうか。コンピューターが現代社会のシステムを支えていると考えても過言ではありませんし、今後さらにそうなっていくと思います。そんな中で大切なのは、大人が怖がらずに子どもをデジタル機器に触れさせることです。大人は自分が子供の頃になかった技術を否定しがちです。テレビだって昔は子どもに観せると有害と言われていましたし、ゲームも子どもへの悪影響ばかり指摘されました。現代ではスマホやタブレットがそれに当たる存在となっています。子どもに使わせないメリットより、使わないままで将来的に受けてしまうデメリットの方が大きいのではないでしょうか。子どもの好奇心を止めずに、どんどんやらせてあげてほしいと思います。まずは親子で一緒に楽しむことから——最後に親子で楽しめるパソコンの活用術を教えてください。大人が普段使っているサービスを一緒に楽しむことから始めてみてはどうでしょうか。「エクセル」や「ワード」といった仕事で使用しているソフトで夏休みの予定表を作ったり、「パワーポイント」で自由研究のレポートを作成したりと、大人が普段行っているパソコンの使い方を一緒に体験させるだけでも、好奇心が湧いてくると思います。おすすめしたいのは、一緒にプログラミングして何かを作ってみることです。残念ながら、できあがる作品は大人よりも子どもの方が間違いなくいいものになると思いますよ(笑)(学研キッズネット編集部)今年のお子さんの夏休みの「自由研究」は、パソコンを使わせてまとめ作りにチャレンジさせてみてはいかがでしょうか。豪華賞品がもらえる「パソコン×自由研究」コンテストも開催中!学研キッズネット編集部(がっけんきっずねっと)『学研キッズネット』は、1996年にオープンした小・中学生のためのWebメディアです。学研の子ども向け書籍や雑誌の編集ノウハウを活かし、子どもたちが安全に楽しめるサイトとして運営しています。子どもたちのしあわせのために、家族のしあわせのために、有益な情報やサービスをお届けできるよう、いつも精一杯がんばっています。すくすく伸びる子どもたちのために
2019年08月14日夏休みの自由研究は、普段の生活ではなかなか取り組めないことにトライするいい機会です。家族旅行もそのひとつ。今年の夏休みは、家族旅行をまるごと自由研究のテーマにして、楽しみながら学んでみてはいかがでしょうか?今回は、家族旅行が自由研究に向いている理由と、実際に自由研究で取り扱うときに必要な準備や注意点、まとめる際のコツなどをご紹介します。家族旅行を自由研究にして、体験そのものを学びにつなげる子どもは長い夏休みに入りますが、親は仕事や家事が全部休みになるわけではありませんよね。そのなかで、皆の休みを合わせて出かける家族旅行は、親子一緒に過ごせる貴重な時間になります。もちろん、日頃の疲れを癒すためにゆっくり羽を伸ばすのも良いですが、この機会を生かして、お子さんの夏休みの自由研究に取り組んでみてはいかがでしょうか。遠出した旅行先の土地ならではの体験をテーマにして、お子さんに旅行先でのプランを立てさせるのもいいですし、前もって調べさせるだけでも十分な自由研究になりますよ。旅行を通じた子どもの教育が「旅育」と呼ばれていることを、ご存じですか?観光マーケティングを専門とする東洋大学の森下晶美教授は、「旅育」を「旅は人間性の成長を促すとする考え方で、旅によって得られる知識や興味・価値観の広がり、共感力を人の成長に役立てようとするもの」と定義しています。同教授いわく、旅育には以下の3要素が含まれているのだそう。①旅の体験(異文化・非日常体験、旅先での交流など)、②人との時間共有(家族・友人との共通体験、想い出づくり、日常と比較した共有時間の長さなど)、③旅を素材とした教育(職業教育、郷土教育、地理・歴史教育、国際化教育など)(引用元:日本国際観光学会|“旅育”の現状と定義を考える)学校で行なわれる社会科見学や修学旅行を家族単位で実施するのが「旅育」だと言えますね。家族旅行を自由研究にするならプランづくりからせっかく自由研究に家族旅行を取り上げるのですから、旅行プランを立てるところからお子さんも家族会議に参加させましょう。たとえば、次のような流れで準備を進めるのがおすすめです。旅行の日程と行き先を決めるパパ、ママ、子どもの行きたいところや休みがとれる日を調整して、旅行の日程と行き先を決めます。お子さんに家族の希望をヒアリングさせて、まとめてもらってもいいですね。どんなことを調べたいか決める旅先でどんなことを調べたいか決めます。インターネットで検索したり、図書館や書店でガイドブックを入手したりして情報を集めましょう。レポートでまとめられるよう、情報を集めた方法もメモしておくようにします。訪れる先を決め、下調べをする調べたいテーマにあった行き先を探します。ここでもインターネットやガイドブックを活用しましょう。行き先が決まったら、その施設についての下調べをします。どんな内容が調べられそうか、持ち物、営業日時、交通アクセス、大まかな所要時間や入館料などをメモに控えておきましょう。 たとえば、旅行先に合わせて次のようなテーマはいかがでしょうか。●海外旅行では……・旅行先の国の言葉で挨拶してみよう。英語は通じるかな?・古い建物を訪れてみよう。いつの時代に作られたのかな?・マーケットを探検してみよう。日本にある食べ物とない食べ物は?●国内旅行では……・道の駅や直売所をめぐって、旅行先の名産を調べよう。・旅の途中でお世話になった、はたらく人々(乗務員、駅員、フロントマン、土産物店員など)を特集しよう。・キャンプでごはんを作ろう。●帰省旅行では……・お盆の過ごし方(時期、お墓参りの仕方、仏壇へのお供えなど)を知ろう。・おじいちゃんやおばあちゃんの子ども時代の話を聞いてみよう。大がかりなテーマでなくても、十分自由研究になります。お子さんの興味に合わせてテーマを決めるのが、意欲的に取り組めるコツです。必要な情報を旅行先でゲットしよう旅の計画・下調べ・体験・わかったこと・感想などを書いておくノートは、持ち運びしやすい大きさがおすすめです。屋外で立ったままでもメモをしやすいよう、ノートの表紙はかためのものが良いですね。旅行先では、カメラやビデオ撮影ができるようなら、なるべくたくさんの写真や映像を残しましょう。加えて、ノートにスケッチやメモで感想を記しておくと、あとでまとめるときに便利です。観光地には、記念スタンプやパンフレットが置いてありますので、極力もらってくるようにしましょう。記念スタンプは専用の白い紙を持っていくと、あとでまとめるときに切り貼りが楽になりますよ。チケットの半券や切符なども、できるだけ保管するようにしましょう。旅行から帰ってきたら、こんなふうにレポートをまとめようレポートは、最初のプランづくりから次の順にまとめていきましょう。旅の行き先と日程、プランこの行き先を選んだ理由、テーマの説明どんなことを調べたか、わかったこと感想 ●A4サイズのポケットファイルが便利大きな模造紙や画用紙のスケッチブックにまとめるのも良いですが、コピー用紙にまとめて、同サイズのポケットファイルに収納してまとめるのはいかがでしょう。もし、まとめている段階で書き間違えてしまっても新しい紙に書き直して差し替えることができますし、追加で調べてわかった情報を加筆するのも簡単です。また、旅先でもらったパンフレットやチケット類も収納できますね。●ひとつひとつの項目を欲張らない楽しい思い出は、ひとつ残らず記録したいところですが、お子さんの集中力と相談しながらメリハリをつけてまとめていくように声かけしましょう。すべての項目にフルパワーで取り組もうとして、途中で息切れしてギブアップ!しないための大人のサポートは大切です。レポートをまとめるのが苦手だという人は、JTBが運営する「旅いく」の体験ノートを活用するといいでしょう。フォーマットは、サイトで会員登録(無料)するとダウンロードできますよ。「旅いく」のサイトはこちら。旅先で撮った写真やパフレット、スタンプなども活用して、オリジナリティあふれるレポートを作ってみませんか?***家族旅行を自由研究にする場合は、旅の前に調べ学習をしっかり行ない、帰ってきてからのまとめは簡単にするのがポイント。ギリギリまで大変な思いをしなくて済みます。楽しい思い出になるはずの家族旅行が、辛い自由研究の思い出にならないようにしたいものですね。(参考)StudyHackerこどもまなび☆ラボ|「旅育」が流行中!成功させる6つのメソッドと、季節別おすすめプランStudyHackerこどもまなび☆ラボ|旅の計画には “正解がない”。子どもの「考える力」を育む旅行プランの立て方日本国際観光学会|“旅育”の現状と定義を考えるStudyHackerこどもまなび☆ラボ|忘れてはいけない “旅の記録”。旅先での成功体験を思い出すたび「自己肯定力」が高まるママノート|夏休みの自由研究のテーマに“家族旅行”を活用してみよう!スクスクのっぽくん|夏休みの旅行やイベントは子供も計画から参加させよう!自由研究にも役立つ過ごし方JTB旅いく|体験ノート
2019年07月31日夏休みの自由研究、何をするか決まりましたか?私がおすすめしたいのは、「セミの羽化の観察」です。今回は、現在小学5年生の娘が、小学1年生のとき、初めての夏休み自由研究で制作した「セミの研究ノート」を公開します。娘はこの自由研究で、セミの羽化の不思議を体感し、副産物として、時計への理解が深まったのです。時間とともに変化する「セミの羽化」をテーマに決定初めての自由研究。何をすればいいのか見当もつかず、学校からの夏休みのワークショップの案内などを参考にし、自宅でできるものを探していました。そこで気になったのが「セミの羽化の観察」です。羽化は夕方から朝方にかけて行われ、経過によって色の変化などがあるとのこと。娘は小学1年生の1学期、時計の学習についていけず悩んでいたのですが、これなら観察しながら時間の流れの感覚が身につくのではないかと考えました。羽化の様子と時計の絵を組み合わせた観察ノートづくり自由研究として提出するために、観察ノートを作ることにしました。観察ノートには、以下をまとめることに。・セミの幼虫の捕獲方法・羽化するスペースの作り方・羽化の様子と時間の経過スケッチブックに、変化の様子が分かる写真を貼り、その時々の様子をメモします。時間の経過は時計の絵に長針、短針を書き込ませたものを貼って表すことにしました。セミの幼虫を捕まえる方法を検索実際に観察するにあたり、セミの幼虫を捕まえる方法をインターネットで検索しました。ポイントは2つ・時期は7月下旬から8月の上旬・前日に雨が降るか、夕立があった日の18時から19時までの間、土から這い出てくる土から這い出てきたところを捕まえて、自宅へ持ち帰ればゆっくりと観察することができそうです。まずは羽化のスペースづくり捕まえに行く前に、セミの幼虫が羽化する場所として、割りばしとプラスチックのケースで羽が広げられるスペースを作りました。変化の様子がよく見えるように、ケースは透明のものに。セミの幼虫を見つけに行った様子をリポート木の根元に、傘の先で開けたような穴があれば、幼虫が抜け出た場所です。見つけた時刻を時計の絵で表し、メモに記します。私たちが幼虫を見つけたのはマンションの並木道でした。羽化がスタート羽化がスタートしたらその時刻を記入します。羽化は、部屋を暗めにしないと始まりません。捕まえてきたら部屋を暗くしましょう。羽化が始まってしまえば、途中で止まることはないので、部屋を明るくして大丈夫です。羽化してからの変化と時間の流れをまとめるセミは羽化したときは、明るい黄緑色の羽でしたが、その後、こげ茶色の羽へ変化していきました。娘は「幼虫の背中が割れて、黄緑色の虫が出てきた時、また幼虫が出てきたかと思ったけど、本当にセミになったね!すごいね!足もちゃんあるよ!」と興奮しながら話していました。完全に羽化を終えたのは、夜中の1時10分。その間、娘は初めての夜更かしにとても眠そうにしながら「セミさんはみんなが寝てる時に大人になるんだね。」と不思議そうにしていました。そして「夜にも12時があるんだね!」と0時を起きて体験したことで、昼の12時との違いがイメージできた様子でした。リアルな体験はドリルを超える!時間の感覚がすんなりと刻々と変化する羽化の観察をしながら、「今何時?」「何分たった?」と娘自身が時間を書きこんでいた数時間。観察が終わるころには、娘は「さっきより何分経ったね!」「羽が乾くのに何時間かかったよ!」と時計をすっかり読めるようになっていました。ドリルを何冊も購入し、たくさん勉強しても、なかなか時間の感覚が身につかない娘でしたが、羽化の不思議に夢中になりながら、時計を実際に書きこんだことにより、長針、短針がどう動いていくのかすんなりと身についたようです。特に理解しづらかった、昼間の12時と夜中の12時の違いはセミの羽化が夕方から朝方にかけて行なわれたおかげで、スムーズに理解できました。時期さえずれなければ幼虫自体は見つけやすく、取り組みやすい自由研究だと思います。特に昆虫好きな子どもには忘れられない体験になるのではないでしょうか。夜中まで一緒に起きて観察する大変さや、変化の様子を見逃さないように写真におさめるのは気を遣いましたが、親子ともに生命の不思議に夢中になった数時間でした。今の時期がセミの幼虫を見つけるベストシーズンです!ぜひトライしてみてくださいね。<文・写真:ライターあんぱんだYO>========あんふぁん読者限定RIZAPトライアルモニター募集中!「シェイプアッププログラム」を4万9800円(4回・税別)でお試し。さらにモニター謝礼として1万円のキャッシュバック!さらにモニター終了者から抽選でクオカード3000円分を100人にプレゼント。さらに本コースへの入会金5万円無料。店舗により受け入れ制限がかかる場合が想定されますのでお早めにお申し込みください。申し込みはこちら ⇒申し込み〆切:2019年8月31日(土)
2019年07月28日編集部:学研キッズネット編集部2020年教育改革まであと1年を切り、多くの小学校でプログラミング教育がスタートしています。小学校だけでなく、今後は中学校、高校でもプログラミング教育が必修・拡充化され、大学入試にもプログラミングなどの情報科目の導入が検討されています。まずは今後の教育改革への理解を深め、早めの準備を検討してみてはいかがでしょうか?教育改革はこう進む90秒でわかる今後の教育改革ムービーパソコン学習、関心はあるけどお子さんに使わせるのはやっぱり不安…?お子さんがパソコンを使うことに不安を感じられる親御さまがいらっしゃるのも事実。有害サイト、課金、パソコンばかりで外で遊ばなくなる…確かにそんな話を聞いたら消極的になってしまうかもしれません。でも、その不安もかんたんな設定でクリアできます。パソコンから広がるお子さんの可能性に、安心して期待できる環境をつくってはいかがでしょうか?その不安、「ファミリー機能」で解決できます。「ファミリー機能」の安心ポイント【ポイント01】フィルタリング機能で有害サイトへのアクセスを制限できます「ファミリー機能」の「フィルタリング機能」を使えば、お子さまが有害なサイトにアクセスするのを防ぐことができます。また制限のレベルやコンテンツのカテゴリー別に制限をかけるなど、より細かな設定も可能です。【ポイント02】使えるアプリとゲームを制限できます「ファミリー機能」を使えば、アプリやゲームへのアクセスを制限したり、特定のアプリやゲームの利用を禁止することができます。またクレジットカード番号の入力の際に暗証番号を設定しておけば、不用意にお子さまが課金できなくなります。【ポイント03】パソコンの使用時間を制限できますお子さまがバーチャルの世界で時間を費やしすぎないように、使用時間を制限することができます。方法は2つ。パソコンを使用できる時間帯を設定する方法と、パソコンを1日何時間まで使用できるかを決める最大時間数を設定する方法です。たとえば平日は1日2時間までに制限し、週末はもっと長く使えるようにすることも可能です。今年の夏休みの自由研究で、パソコンにチャレンジしませんか?タイピング、プログラミングなど、パソコン学習にもいろいろとありますが、今年はパソコンを使った自由研究にチャレンジするのはいかがでしょうか?学研キッズネットの自由研究プロジェクトなら、豊富なテーマの中から自分の研究したいテーマが選べ、自由研究に必要な要素が予めデザインされたテンプレートを使えば、簡単にきれいな作品が作れます。夏休み限定で、「パソコンでつくる自由研究コンテスト」も実施していますので、この機会に是非ご参加ください!学研キッズネット編集部(がっけんきっずねっと)『学研キッズネット』は、1996年にオープンした小・中学生のためのWebメディアです。学研の子ども向け書籍や雑誌の編集ノウハウを活かし、子どもたちが安全に楽しめるサイトとして運営しています。子どもたちのしあわせのために、家族のしあわせのために、有益な情報やサービスをお届けできるよう、いつも精一杯がんばっています。すくすく伸びる子どもたちのために
2019年07月19日教育先進国として名高いフィンランド。そのメソッドが優れていることは世界的に有名ですが、実際にどのような教育や政策が実施されているかご存じですか?日本で行なわれている教育との差は、いったい何なのでしょうか?今回は、日本とフィンランドの教育を徹底比較していきましょう。フィンランドの学校教育フィンランドの教育が世界から注目されるようになったのは、1968年に行なわれた大々的な教育改革がきっかけでした。この改革により、フィンランドは「持てる資源のほとんどを教育に投資する」「男女、家族の背景、財力は関係なく、万人に教育の機会を与える」という方針のもと、1972年には初等学校・中等学校を総合学校として統合し、義務教育をこれまでの6年から9年に延長します。この総合学校とは、日本の小学校と中学校にあたるものです。9学年全てが同じ校舎で学ぶ場合と、1~6学年と7~9学年の校舎が分かれている場合があります。総合学校を卒業した後、子どもの約半数は普通高校に進み、大学または応用化学大学への進学を目指します。それ以外の子どもは職業高校へ進み、実際の現場や学校などで職業訓練を受け、職業資格、上級職業資格、専門職業資格という3段階の資格を取得するのだそう。いずれの学校も、卒業までに2~4年かかります。待機児童問題とは無縁なフィンランド日本ではここ数年、保育園不足や待機児童問題が深刻化しています。厚生労働省の調査によると、平成29年度の待機児童数は全国で26,081人。前年比2,528人の増加でした。一方、フィンランドでは保育が必要な全ての子どもに保育施設を24時間確保することが各自治体に義務づけられており、違反した場合は罰則があります。そして、親の就労状況に関係なく、0歳から保育園(日本の保育園・幼稚園に相当)を利用することができるのです。また、総合学校での初等教育が始まる前の1年間は、保育園もしくは学校内でのプレスクール(就学前教育)に通って社会性を育てることが義務教育に含まれています。フィンランドと日本の教育比較日本とフィンランドには、幼児教育や義務教育のシステム以外にも、さまざまな違いがあります。・教育費日本では、認可保育園の場合は保護者の収入に応じた保育料がかかり、高校や大学では学費などの負担があります。しかしフィンランドでは、プレスクールから大学・大学院まで無料で通うことが可能です。総合学校では、教科書や給食も無料。高校では、教科書代の負担はありますが、給食は無料です。家庭の経済状況にかかわらず、学びたい子どもはしっかり学べるという体制が整っているのです。昨今日本で増えている、大学卒業後の奨学金返済が生活を圧迫しているという問題も、フィンランドであれば起こることがなさそうですね。・読書量フィンランドの読書量は世界1位。図書館の数はもちろん、図書館を利用しにくい地域を巡回する移動式図書館の数も多く、国民が図書館利用に熱心であることで知られています。昨今読書離れが指摘されている日本とは対照的ですね。ところで、「読書量が算数の成績を左右する」ことはご存知ですか?「読書量の多い人は国語の成績が良い」というイメージを抱いている方は多いかもしれませんが、「読書量が多いほど算数の偏差値が高い」という研究結果も出ているのです。2016年から2017年にかけてベネッセが行なった調査によると、読書量の多いグループと全く読書をしないグループとでは、読書量の多いグループのほうが全ての科目において成績が良く、中でも算数の偏差値において最も大きな差が開いたのだそう。フィンランドが教育先進国として成績を残している理由には、読書量も関係しているかもしれませんね。・授業や休みの日数フィンランドの年間授業日数は190日程度で、日本よりも40日程度少なくなっています。加えて、夏休みが2ヶ月。さらに、小学生のうちは宿題やテストもほとんどなく、塾もないので、学習時間そのものが他の国と比べて短い傾向にあります。小学生のうちから塾に通うことが当たり前になっている場合も多い日本からすると「そんなに休んで、勉強は大丈夫なの?」と不安になってしまいそうですが、逆に遊びと勉強の切り替えがしっかりとできるようになり、限られた時間で集中して学習に取り組むようになるのです。・PISAテストの結果フィンランドは、経済協力開発機構(OECD)が3年に1回、世界各国の15歳の子どもを対象に実施している「国際学習到達度調査(PISA)」で常に上位となっていましたが、2016年には数学の結果が12位と順位を落としています。一方で日本の数学の成績は5位でした。しかし、フィンランドではこの結果を受けても教育制度の改革をする予定はないそうです。その理由は、フィンランドの教育指針は生徒の勉強時間を多くすること“ではなく”、「学校を楽しくおもしろい場所にすること」だから。順位という数字に一喜一憂することなく、教育の本当の目的をしっかりと見定めているのです。・地域の子育て支援日本では、ワーキングマザーや、子どもがいる共働き家庭に対する理解や支援が、まだまだ充分ではありませんよね。一方、フィンランドのヘルシンキ市には、「レイッキプイスト」という日本の学童保育と子育て支援センターを併せたような施設があります。ここでは、おやつ代のみという格安の料金で放課後の学童保育を利用できるほか、夏休み期間は子どもに無料で昼食を提供するサービスを行なっているそう。このように、社会全体で子育てをする文化があり、子育てと仕事が両立できる体制が整っているのです。フィンランド式教育のメリット日本に比べて授業時間が少なく、休暇を十分に取っているフィンランドの教育ですが、さまざまなメリットがあります。一般財団法人基礎力財団理事長の陰山英男氏いわく、勉強は短時間で済ませたほうが学力が上がるのだそう。小学校高学年では、2時間程度をピークに、3時間、4時間と学習時間が増えるにつれて成績が落ちていったという結果が出ていると言います。反対に、学習時間が短ければ、そのぶん集中して学習することができるようになり、脳が鍛えられていくのだそう。「○分だけ」と時間を決めて行なうことで、毎日続けやすくなる効果もあるため、勉強の習慣も身につきやすくなります。また、自由時間がきちんと確保されていることから、自分の得意分野を見つけたり個性や能力を伸ばしたりする機会につながり、子どもの自己肯定感を伸ばすきっかけになるのも利点です。幼少期から習い事や塾などの教育に熱心になるケースが多い日本ですが、たまにはフィンランドのように、「遊ぶ時間を十分確保して、限られた時間で集中して勉強する」ことを実践してはいかがでしょうか。***フィンランドと日本の教育には、それぞれ優れた面があります。子どもの性格や生活環境に合わせて、適宜使い分けてみるのもいいかもしれませんね。文/田口るい(参考)Compathy Magazine|日本も後に続け!世界一の学力を誇るフィンランドの教育とは?こどもまなび☆ラボ|「フィンランド教育」の特徴とは?「教育費無料」にとどまらない、教育大国のシステムホンシェルジュ|ゆとり教育風のフィンランド教育?特徴と課題、日本の教育との違いに迫るクーリエ・ジャポン|子供を高い私学に入れるのはカネの無駄?「PISA」の結果を各国メディアはこう報じた東洋経済オンライン|フィンランドのワーママに「罪悪感」などない厚生労働省|「保育所等関連状況取りまとめ(平成 29 年4月1日)」カレントアウェアネス・ポータル|フィンランドの公共図書HugKum|小1は15分、小2は30分。勉強は短時間で済ませるほうが、学力が上がる!【隂山英男の家で伸ばす! 子どもの学力】こどもまなび☆ラボ|読書量が算数の成績を左右する!?子どもの学力を上げるために「1日数分」からできること影山ラボ|子どもは無限に育つ
2019年06月22日ICT教育とは、簡単に言うと「デジタル機器(タブレットやパソコン)を使った教育」のことを指しますが、そのメリットや注意点を正しく理解しているでしょうか。ICT教育は、国もその重要性を認識し、ガイドラインが策定されています。そのため、今後多くの学校でICT教育が取り入れられると予想されているのです。この記事では、ICT教育の代表的なメリットや、ICT教育を受ける際に注意しておきたいことも紹介していますので、ぜひ参考にしてください。そもそもICT教育とは?そもそもICT教育とは、インターネット、パソコンやタブレットを利用した教育のことです。「ICT」は、「Information and Communication Technology」の頭文字をとった言葉で、「情報通信技術」という意味で、現在非常に注目されています。ICT教育では生徒1人ひとりに端末を配布し、紙ではなくデジタルを媒体とした授業を行います。事前に作成したデータや動画を用いて授業を行うため、紙を使った授業ではできなかった五感を刺激する授業が可能です。特に、紙では伝えづらかった英会話や図形問題では、理解を深めるのに役立つでしょう。今後は情報通信技術が益々重要になっていくことが考えられているので、総務省や文部科学省もガイドラインを策定するほど重要でありと認識されています。しかし、現在はすべての学校でICT教育を受けられるわけではありません。子どもにICT教育を受けさせたいのであれば、ICT教育を導入している学校を探す必要があります。ICT教育のメリットとは?ICT教育のメリットには、代表的なものに以下の3つがあります。授業が分かりやすくなる効率的に授業の準備ができるデジタル機器が身近な存在になるひとつずつ解説していきます。●授業が分かりやすくなるICT教育を導入することにより、インターネット環境や映像を使うことで授業が理解しやすくなります。具体的な例を挙げると英会話がイメージしやすいのではないでしょうか。英語の授業は、英語が話せない日本人教師が教えています。そのため、ネイティブな発音による授業が難しく、文法ばかりの授業で英会話が身につきにくい環境です。しかし、ICT教育を取り入れることで、インターネットを通じてネイティブに話せる講師が授業を受け持てるため、子ども達は日頃からネイティブな英語に慣れ親しめます。幼いころからこの環境が整っていれば英会話が身近なものになり、今以上に実用的な英語力が身につくことに期待ができるのです。他にも、アニメーションを使った授業を行えば、図形を立体的に認識する手伝いができたり、歴史に興味を持ちやすくなったりすることに期待できます。また、端末を使った授業なので、何度も同じ授業を見直せるため、自習がしやすくなり理解度の向上にも役立つでしょう。ICT教育を取り入れれば、再生するだけで教師の授業を何度でも受けられます。興味が持ちやすく分かりやすい授業を受けることが可能なので、子ども達の理解度を高められる可能性があるのです。●効率的に授業の準備ができるこちらは教員側のメリットになりますが、ICT教育を取り入れることで効率的に授業の準備ができるため、教師の負担を軽減することができます。というのも、紙が媒体の授業を行う場合はプリントを作ったり、1人ひとりのテストの採点を教師が行ったりする必要がありました。授業の準備やテストの採点は教師への負担が大きく、退職する理由のひとつでもあったのです。しかし、ICT教育ならデジタル機器を使った授業になるので、授業の準備はデータの必要な箇所の修正や追加で済みます。小テストのような頻繁なテストもデジタル化することで、準備が簡単になるだけではなく、採点の時間を大幅に削られるようにもなるでしょう。その結果、ICT教育は残業や休日での仕事を減らせるので、教師の負担を大きく軽減させることができます。●デジタル機器が身近な存在になる日本に限らず、世界的にパソコンやスマートフォンなどのデジタル機器が身近な存在になりつつあります。一昔前まで、パソコンやスマートフォンを持っている人は多くありませんでしたが、現在は仕事や大学でも使用する場面が増えたため、デジタル機器を取り扱えるスキルが必須になってきています。このような流れからも、パソコンやスマートフォンが使えなくては、社会に出てから戦力になりづらくなってきています。そのため、これからの子ども達は今までの授業と同時に、デジタル機器の取り扱いについても理解することが必要と言えるのです。ICT教育を導入することで幼いころからデジタル機器の扱いに慣れさせることができるため、デジタル機器の導入による授業の効率化に加え取り扱いも学ぶことができるため一石二鳥です。さらに、デジタル機器は非常に高価なので、家庭の収入差によるデジタル機器を取り扱う機会に差がありましたが、ICT教育を受けることによりすべての子ども達が平等にデジタル機器を身近な存在にできるようになるのもメリットの一つです。仕事の自動化やビッグデータの取り扱いなど、今後益々デジタル機器を使った仕事が増えていくことが考えられており、ICT教育はそんな状況になっても対応できるような教育が期待できるのです。ICT教育の注意点生徒の理解度を深めたり教師の負担を軽減させたりと、ICT教育には大きなメリットがあります。しかし、ICT教育は大きなメリットと同時に、注意したほうが良いこともあるのです。ICT教育で注意しておきたいことは、主に以下の3つです。時代とともにトレンドが変化するVDT症候群になる可能性がある想像力が低下する可能性もある子どもにICT教育を受けさせたいのならば、情報収集してよく注意しておきましょう。●時代とともにトレンドが変化するデジタル機器や情報通信技術というものは、進化が非常に早いです。つい最近出たデジタル機器や技術でも、数年後には古くて誰も使わなくなっている可能性があります。せっかく学校で習得したことや慣れた端末がトレンドではなくなり、将来役に立たない知識や技術になるかもしれません。そのため、ICT教育を受ける際はトレンド色の強い知識や技術だけではなく、ワードやエクセルなど凡庸性が高い教育も受けることをおすすめします。●VDT症候群になる可能性があるデジタル機器を使いすぎると、VDT症候群になる可能性があります。VDT症候群とは、パソコンやスマートフォンのディスプレイやキーボードの使いすぎで、肉体的・精神的に疲労をすることで起こる症状です。VDT症候群には、以下のような症状が確認されています。眼球……ドライアイ、視力低下、頭痛体……肩こり、腰痛、手のしびれ精神……イライラ、耳鳴り、頭痛VDT症候群を予防するためには、連続作業時間を60分以内にして定期的に休憩をするようにしてください。また、正しい姿勢で作業することも重要です。ICT教育を取り入れる場合は、自然とパソコンやスマートフォント接触する時間が増加しますので、子どもがVDT症候群にならないように常に注意してあげましょう。●想像力が低下する可能性もあるICT教育では、視覚から得られる情報量が非常に多くなります。調べれば解決してしまうため自分で考える機会が減ってしまい、その結果想像力が低下するかもしれないと考えられているのです。もし、ICT教育を取り入れるのなら、五感を使う教育をしたり、自分で考える時間を作ったりと、子どもの想像力を向上させる工夫をする必要があるでしょう。モバイル機器を禁止する時間を設けたり、親子で会話するときは調べることを禁止したり、子どもが想像力を働かせられる環境を整えることをおすすめします。まとめICT教育は学習効率を上げられるため、子どもには大きなメリットがあります。また、世界的にモバイル機器の取り扱いスキルや情報通信技術は必須スキルとなっていくことが予想されているので、社会に出てから苦労しないようにぜひとも取り入れておきたい教育方法です。しかし、ICT教育には気をつけなければいけないことが多々あります。もし子どもにICT教育を受けさせるのならばデメリットに関して把握しておき、ICT教育によるデメリットを最小限にする努力が必要になるでしょう。●ライター/高須 亮
2019年06月06日子どもたちの個性を大切にする『イエナプラン』教育で知られるオランダ。その教育環境の良さや子どもの幸福度の高さ(2013年・世界第1位)から、日本でもオランダ教育の要素を取り入れていこうという動きが出てきています。今回は、教師の役割や通知表の評価の仕方を通して、日本とは何もかも違うオランダ教育について考えていきましょう。イエナプランだけじゃない!?学校ごとに異なる教育方針オランダでは、学校が「子どもの未来を作る場」だと考えられています。そして、学校は「自分の好きなことや得意なことを見つける場所」という考えが、社会に根づいているのです。このように、国全体で子どもの未来につながる教育を目指していて、憲法でも『教育の自由』が保証されているオランダ。よく知られているのは「イエナプラン教育」ではないでしょうか。■イエナプラン教育って?ドイツのイエナ大学教授ペーター・ペーターゼンが生み出した、子どもたちの個性を大切にして対話を重視する教育のこと。<特徴>○異なる年齢の子どもたちが一緒に学習する。○子どもたちが輪になって、さまざまなテーマについて話し合い発表する。教師は進行役に徹する。○教室は「リビングルーム」という考え。グループ活動がしやすいように、自由に移動可能な机・椅子が配置されている。※イエナプランについて、詳しくは過去記事をご覧ください。□尾木ママ絶賛!“日本教育の3周先を行く”オランダの「イエナプラン教育」□オランダで大人気「イエナプラン教育」とは?日本でも開校間近“期待のスクール”の魅力。もちろん、オランダのすべての小学校がイエナプラン教育を取り入れているわけではありません。「100人いれば、100通りの教育方法がある」といわれるくらい多様性に富んでいるオランダ教育には、他国で生まれた教育も積極的に取り入れる柔軟さがあるようです。先生はコーチ!自己肯定感を育む授業の仕組み『子どもを伸ばす共育コーチング』(拓殖書房新社)の著者でコーチングのプロとして活躍中の石川尚子先生は、視察に行ったオランダの学校で次のような授業風景を目にしたそう。オランダの学校では、授業の折々に、先生から質問が投げかけられます。(中略)純粋に、子どもたちの考えを促す質問です。どんな答えが返ってきても、先生はまず受け止めます。ですから、子どもたちにも、先生が求めている正解を答えなければという思考がありません。誰かの評価を得るためではなく、純粋に自分はどう思うかを考え、表現し合います。(引用元:ベネッセ 教育情報サイト|教育にコーチングが根付いている国の子どもは幸福度が高い?[やる気を引き出すコーチング])その質問とは、「ここまでやってみてどう思った?」「どんなことに気がついた?」といった、子どもの内に秘められている言葉を引き出すものばかりだったそうです。そして授業の最後には、必ずこの学びの体験を次に活かす質問を投げかけます。先生から「次やるときは、どうしたらもっとよくなると思う?」などの問いを受けることによって、子どもたちは今回の体験を振り返り、次に活かすための気づきが生まれるのです。やってみて振り返り、またやってみて振り返る。オランダの教育現場ではこの過程が大事にされており、それはまさにコーチングのプロセスと手法だと石川先生は述べます。このプロセスを繰り返し、実践したことがうまくいくと、自己肯定感はより高まるそう。まずは大人が答えを持たずに、子どもの考えを受け止めることが大切です。そして、次に進むためにはどうしたらいいか、この学びからどんな気づきが得られたか、など子どもなりの考えを引き出すように導く「質問力」が必要なのですね。オランダは「先生こそが社会のことを一番知らない」という前提で教育プログラムが作られているそうです。極端な言い方になりますが、それは「社会に出たことがないから」。しかし、私たちが生活している「社会」は、日々ものすごいスピードで変わっていっているという現実があります。だからこそ先生は「教える人」「指導する人」ではなく、子ども一人ひとりの適性を見抜き、適した道に進めるようにアシストしてあげる「コーチ」に徹しているのです。点数で評価しない。通知表は子ども自身の成長の記録博報堂のクリエイティブディレクターを経て、家族の教育環境のためにオランダに移住した吉田和充さんは、小学校に通うお子さんが持ち帰ってきた通知表に非常に驚かされたそう。それは、日本の学校で渡される通知表とはまったく違うものでした。日本との大きな違いは、分厚いバインダーに挟まれた書類のような形式で渡されることです。このバインダーは入学時からずっと同じものを使い続けていて、4歳の最年少学年では絵や工作がファイルされているだけのこともあるそうです。学年が上がるにつれて、全国統一試験の結果なども加わってきます。内容としては、まず担任の先生の総評から入ります。A4サイズ1ページ分にもわたり、生徒のことをかなり詳細に記しているそう。次に生徒自身のコメントです。仲の良い友だちや好きな活動や遊び、授業について自分の言葉で書かれています。このように最初の2ページほどは、先生と生徒双方の総評のようなコメントが書かれているそうです。次にようやく成績に関するページが出てきます。ただし各教科で点数が重視されることはなく、過去の自分と比べた成長率が評価のポイントになります。つまり、すべての評価は『絶対評価』であり、大事なのは「前の学期の自分と比べてどう成長したか」ということだというのです。テストの点数や偏差値を重視しないのは、オランダが国として「学校は自分の適性や好きなことを見つけて、将来の自分の進む道を決める場所」という共通の認識をもっていることにほかなりません。通知表に記されている42個の評価項目の一部をご紹介します。・積極性・人の話を聴く力・リーダーシップ・プレゼン能力・計画性・他人を助ける能力・学校行事への参加度・自己主張力・協調性・独創性日本の学校の通知表でも同じような評価項目がありますが、「プレゼン能力」や「自己主張力」「独創性」などは、これからの社会を生き抜くために、ぜひ身につけたい能力です。我が子の成長と向き合うとき、「テストの点数が上がった」「同級生のほかの子に比べて優れている」という視点で見るのではなく、「1年前に比べて積極的に発言できるようになった」と評価してあげたいですね。***日本でも少しずつオランダ式の教育を取り入れようという動きが出てきているようです。いいところは取り入れつつも、日本独自の優れた教育は否定すべきではありません。目まぐるしく変化する世の中の流れに合わせながらも、常に「子どもにとって何が最善なのか」を考えて導いてあげる必要がありそうですね。(参考)現代ビジネス|「世界一の教育」オランダの小学校は日本とはレベルが違ったStudy Hacker こどもまなび☆ラボ|オランダで大人気「イエナプラン教育」とは?日本でも開校間近“期待のスクール”の魅力。Study Hacker こどもまなび☆ラボ|尾木ママ絶賛!“日本教育の3周先を行く”オランダの「イエナプラン教育」ベネッセ 教育情報サイト|教育にコーチングが根付いている国の子どもは幸福度が高い?[やる気を引き出すコーチング]FINDERS|「通知表」が変われば教育が変わる?オランダの通知表に見る世界一子どもが幸せな理由【連載】オランダ発スロージャーナリズム(11)
2019年06月04日先行き不透明なこの時代、子どもの将来に不安を感じる親が、わが子になるべくたくさんの教育をほどこそうとする風潮があります。ですが中には、子どもが大きな負担を強いられているようなケースや、課題をさぼったり期待通りの成果を出さない時に、つい強く叱りすぎてしまったり、時には罰を与えてしまったり…。そんな話を聞くことも決して少なくはありません。どこまでが教育で、どこからが虐待なのか? 何が親をそこまで駆り立ててしまうのか?『追いつめる親』『習い事狂騒曲』の著者であり、教育ジャーナリストのおおたとしまささんにインタビュー。第2回は、「教育」と「虐待」の境目についておうかがいします。お話をうかがったのは… おおたとしまささん教育ジャーナリスト。麻布中高卒業、東京外国語大学中退、上智大学卒業後、リクルートにて雑誌編集。独立後、多数の育児・教育関連媒体の編集・企画に関わる。学校や塾などの教育現場を丹念に取材し、斬新な切り口で考察する筆致に定評がある。しつけから中学受験、夫婦関係までをテーマに、講演・メディア出演も多数。中高教育の資格、カウンセラーの資格。小学校教育の経験もある。『ルポ塾歴社会』『名門校とは何か?』『受験と進学の新常識』『中学受験「必笑法」』など著書は50冊以上。 『追いつめる親「あなたのため」は呪いの言葉』 の改訂版が2019年7月に出版予定。■教育と虐待、その境い目の見極め方法――明確な線引きは難しいと思うのですが、「教育的指導」と「虐待」の境目をきちんと知っておきたいです。おおたとしまささん(以下、おおたさん):概念的な線引きとしては、「子どもの人権を尊重しているか」というところです。子どもを親の所有物ではなく、自分と同じひとりの人間だと思うことができているかどうか、それが「教育的指導」と「虐待」の境目だと思います。――具体的な目安はありますか?おおたさん:例えば、1日5時間勉強させても全然平気な子もいるのですが、普通の子にさせたら大抵はつぶれてしまいます。それと同じで、負荷はその子にとっての相対的なものである、ということがまず大前提です。そして、その相対的な負荷が子どもの受忍限度を超えていることに気づくには、なんらかの負荷(勉強や習い事など)をかけた後の子どもの表情を見ればわかると思います。例えば、勉強が終わった後、「つらかったけどやっと終わったぜー!」というふうに晴ればれとした明るい表情になっているのか。それとも宿題が終わった後も「また明日もあるのか…」というふうに全然表情が輝かないのか。それが、ひとつの判断材料になると思います。負荷が終わった後にショボンとしているようでしたら、それは明らかに「これ以上やったらマズイ」というサインです。■「どうしてできないの?」「約束したでしょう?」2つの言葉が子どもを追いつめる――教育熱心すぎる親がやってしまいがちなNG対応はありますか? おおたさん:2つのパターンがあります。1つは、「どうしてできないの?」という言い方。そう言われても、わからないものはわからないのだからどうしようもないですよね。追いつめられれば追いつめられるほど、子どもの頭は真っ白になってしまいますし、「こんな問題ができないあなたはバカ」という含意が子どもを直撃します。――確かに…。ですが、親がつい言ってしまいがちな言葉です…。おおたさん:もう1つは「約束」です。例えば、テストで悪い点を取ると、教育熱心な親御さんは「どうしてこうなったのか?」「これからどうするか?」と冷静に原因と対策について話します。そして、「じゃあ具体的にどうするんだ?」と問いつめます。ヘビににらまれたカエル状態の子どもは、「これからはゲームの時間を減らして毎日勉強する」などと言わざるを得ません。ほとんど誘導尋問なのですが、こうして子どもは約束させられるわけです。でも、約束した時は本気でも、人間はそんなに強くありませんし、ましてや子どもです。ですが、約束が破られた時、「やるって約束したのに! 約束を破ったのか!」と親は理論武装して責め、子どもは言い逃れができず、追いつめられてしまうのです。――身に覚えがあるような…(苦笑)。おおたさん:実は、むやみに怒鳴ったりたたいたりする親御さんは少数で。最近の多くの親御さんは、こうして子どもを叱るに十分な理由をみつけてから、その正論を振りかざして、子どもを追いつめるのです。でも、たとえ、そこに正論があったとしても、相手を傷つけすぎて良いわけがないのです。親がやるべきことは、どうしたら子どもが悪かったと理解してくれるのか、次から改善してくれるのかを考えること。なのに、目的が自分のネガティブな感情を全部吐き出して、子どもにぶつけることに変わってしまっているのです。■体罰は愛ではない! 指導者としての未熟さが原因――「時には、ビシッと親の力を見せつけてやらないとなめられる」という厳しい親の意見も耳にしますが、どう思われますか?おおたさん:家庭において、親は絶対的な強者で子どもは弱者です。親という圧倒的に強い立場を利用して、逃げ場がない子どもを追い込むのは、穴に落ちた犬に石を投げるような卑怯(ひきょう)なことだと思いますけどね。以前、北海道で、親がしつけと称して山中に7歳の子どもを置き去りにした事件(※)がありましたよね? 当時も「親の行為はしつけか、虐待か?」と話題になりましたが、山中に幼い子どもを置いていくなどということがしつけのわけがない。あれは命に関わるような暴力的な行為で、たとえどんな理由があっても絶対にやってはいけないのです。――当時、「似たようなことをやってしまったことがある」という親御さんも少なくなかったですよね。おおたさん:中には、しつけと称して、愛があればたたいていいと体罰を容認する人もいますが、私は、体罰を生むのは愛ではなく、指導者としての未熟さだと思っています。言葉や態度による罵倒も同じです。スパルタ的な指導で子どもが伸びるという人もいますが、罰による成長は一時的なものであり、本質的な成長にはなりません。人は変えられる(外的動機づけ)のではなく、自ら変わる(内的動機づけ)のですから。 ■子どもの言動にイラッ「どうしても怒りが抑えられない時は?」――でも、親も未熟で、怒りの感情が抑えられない時もあります。そんな時はどうしたらよいのでしょう?おおたさん:ひとつ提案があります。子どもの言動にイラッとしてしまった時は、「今、自分は溺れかけているんだ」と考えてみてください。溺れている時、あなたはまず何をしますか? まず、口を閉じますよね? 次に、ジタバタするのをやめますよね? そうやって溺れた時と同じようにふるまったうえで、自分の感じていることをただ言葉にするのではなく、どうやったら子どもが前向きな気持ちで、自らの行動を改めようと思えるようになるか、翻訳するひと手間を考えましょう。いい翻訳が思いつかない時は、そのまま口を閉じていることが最善の策であることも少なくありません。――すでにやってしまった(手を出してしまったり暴言を吐いてしまったり)場合、親はどうやってリカバリーしたらいいのでしょう?おおたさん:間違いに気づいた瞬間から、親子関係をどうつくっていくのか、どんな親になりたいのか、それを考えればいいと思います。大切なことは、起きてしまったことを否定するのではなく、それを糧にするにはどうしたらいいかを考えること。望ましくないことが生じてしまった時、それを今後の糧にすることができるかどうかが、その人の強さだと思います。親も強くならなければいけないし、子どもにもその強さを学んでもらわなければならない。親も子どもも成長しています。親子関係も修復可能です。取り返しがつかないなんてことはないのですから。友人や仕事関係の相手にはきちんと配慮できるのに、わが子となると遠慮なく追いつめてしまう。子どもなら許されると思ってしまう。そこには、どんなに傷つけても結局、子どもは親以外には頼れない、という親のおごりや甘えがあるのかもしれません。でも、おおたさんが言うように、「たとえ、正論だとして相手を傷つけすぎて良いわけがない」のです。怒りが抑えられない時は、せめて「口を閉じる」こと。心に留めておきたいと思いました。次回は、おおたさんが考える「これからの時代に必要な力」についてうかがいます。※2016年、北海道の山中で、親が子どもをしつけのために車から降ろし、置き去りにした事件。7日後、子どもは無事発見された。取材・文/まちとこ出版社N
2019年05月29日先行き不透明なこの時代、子どもの将来に不安を感じる親が、わが子になるべくたくさんの教育をほどこそうとする風潮があります。著者の周囲でも、幼児期から塾に通ったり、毎日が習い事で埋まっているという話はざらです。もちろん、子どもが楽しんでいるなら良いのですが、中には、大きな負担を強いられているようなケースも見受けられます。さらに、子どもが宿題や習い事の練習をさぼったり、成績がふるわなかった時、つい強く叱りすぎてしまったり、時には罰を与えてしまったり…。そんな話を聞くことも、決して少なくはありません。そんな時に知ったのが、「教育虐待」という言葉でした。教育虐待とは、「子どもの受忍限度を超えて勉強させること」、「親の所得格差が子どもの学習権に大きく影響する」状態も教育虐待とされています。もし、上記の話に少しでも引っかかる方がいたら、一度立ち止まって考えてほしい。そんな思いで、『追いつめる親』『習い事狂騒曲』の著者であり、教育ジャーナリストのおおたとしまささんにお話をうかがってきました。著書には、驚くような悲惨な教育虐待のケースも紹介されていますが、それは決してひとごとではありません。本書を読んでいくと、この問題が親個人の問題ではないこと、そして程度の差こそあれ、親であれば誰もが陥る危険性があることがよくわかります。どこまでが教育で、どこからが虐待なのか? 何が親をそこまで駆り立ててしまうのでしょうか?お話をうかがったのは… おおたとしまささん教育ジャーナリスト。麻布中高卒業、東京外国語大学中退、上智大学卒業後、リクルートにて雑誌編集。独立後、多数の育児・教育関連媒体の編集・企画に関わる。学校や塾などの教育現場を丹念に取材し、斬新な切り口で考察する筆致に定評がある。しつけから中学受験、夫婦関係までをテーマに、講演・メディア出演も多数。中高教育の資格、カウンセラーの資格。小学校教育の経験もある。『ルポ塾歴社会』『名門校とは何か?』『受験と進学の新常識』『中学受験「必笑法」』など著書は50冊以上。 『追いつめる親「あなたのため」は呪いの言葉』 の改訂版が2019年7月に出版予定。■「子どもをスーパーマンに」求め過ぎる親たちおおたとしまささん(以下、おおたさん):教育熱心な親が子どもを追い詰めてしまうのは、今にはじまったことではありません。教育虐待という言葉ができる前の1970年代から、教育虐待に関する事件は起きています。ただ、昨今の教育虐待の状況は、以前とは少し変わってきたところがあると感じています。――どこらへんが変わってきているのでしょうか?おおたさん:高度経済成長期はテストで良い点がとれる子を育て、「高学歴」というパッケージ商品さえ手にすれば、それで親は満足でした。いい大学にさえ入れば、そこから先の将来は良い会社に入って終身雇用というレールができていたからです。ですが昨今、高学歴はもう役に立たないと言われるようになりました。とはいえ、学歴が要らなくなったというわけではなく、高学歴があることはもう大前提。それプラス、スポーツも音楽もといった、ほかのオプションもできなくてはいけないという、まるでスーパーマンのような人間を育てなければならないという、ある種の暴走が社会にはびこっているように感じます。それを真に受けてしまった親御さんが、幼児期からいろいろな習い事をさせたり、何かの役に立ちそうなスキルを身に着けさせたりと、躍起になっている傾向があります。――求められるハードルがどんどん上がっているのですね。おおたさん:子どもの特技や強みを伸ばすための習い事ならまだ良いのですが、例えば、英語やプログラミングの場合は、将来の職業スキルとして、幼児期からやらせているわけですよね? 「このスキルを身につけておかないと、将来仕事に就けない」というふうに。そういう面が目立ってきているように感じます。■「教育」とは何? 「人材育成」との混同が引き起こす虐待――子どもの将来に対する、親の不安が押しつけられてしまっているのでしょうか?おおたさん:現在の教育虐待の構造の前提として、教育そのものがビジネスの原理に汚染されている、というところがあります。そもそも、教育とビジネスというのは、全く違う力学として働くものですが、経済至上主義的な現在の価値観で、教育がビジネス的な論理に当てはめて語られるようになってしまったのです。――具体的に、どういうことなのでしょう?おおたさん:「教育」と「人材育成」がごっちゃになっているのですよ。そもそも教育とは、子どもの持つ能力を、その子らしく最大化して自己実現し、かつ、余った力を社会に還元してより良い社会を作ること。つまり、「教育はまずその子ありき」なのです。一方で、人材育成というのは、なんらかの目的に合致した人を育てることです。例えば、「わが社にはプログラムができる人材が必要」というふうに。つまり、「人材は目的ありき」なのです。本来「教育」とは、「どうしたらこの子が輝けるよう育つのだろう?」と、その子を見て考えるべきものなのに、その子を見ずに「これからの時代はこんな人材が求められているから、そういう人材にするためにどうしたらいいのか?」と、型にはめていく発想になってしまっているわけです。■子どもだけではない「追いつめられる親」――時代に求められる「型」に、親が子どもをはめようと躍起になってしまう。その焦りや不安が教育虐待の引き金になっていくのですね?おおたさん:それ以外にも、親が脅迫概念にかられる背景がもうひとつあります。それは、「子どものできは親次第」という社会的通念があることです。例えば、東大に子どもを合格させた親がメディアでチヤホヤされるなど。子育てにおける成功事例は、その子、その親、その関係性があったうえで、その場限りのものでしかないのに、たまたまうまくいった例をあたかも親の手柄のようにいう風潮がおかしいのです。逆に、子どもがひきこもりやニートになってしまった親が「自分の子育てが間違っていたのではないか?」と自分を責めてしまったり、周囲から非難されたり…。本来、親の関わり方と子どもの人生の在り方とは、直線的因果律(結果が生じるには、ある特定された原因が存在するという考え方)で結びつけることはできないのですが。これは、マスメディアの責任も大きいと思います。――確かに、核家族で子育てしていると、子どもの責任が全部親の肩にかかってくるような、そんなプレッシャーは感じます。おおたさん:現代の子育てでは親の責任が大きすぎて、親の方に力が入りすぎているのかもしれません。親こそが、すでに追い詰められているのかもしれません。だとすれば、教育虐待は単なる親の人格的な問題として片づけることはできないのです。「教育」と「人材育成」は似て非なるもの。「本来の意味での教育が、虐待に直結することはありえず、教育虐待のように見えるものの本質は、『人材育成虐待』なのではないか?」とおおさたんは言います。自分が子どもにしているのは、本当に教育なのか? それとも、人材育成なのか? 非常に考えさせられるお話でした。 次回 は、「教育」と「虐待」の境い目についておうかがいします。取材・文/まちとこ出版社N
2019年05月28日教育といえば「何かを教える」というイメージが強いですよね。しかし最近では「教えない」教育が重視されています。今回は、教えない教育がもたらすメリットや、家庭でもできる教えない教育について紹介しましょう。詰め込み教育から「教えない」教育へこれまでの教育は、試験や受験に役立つ知識をただひたすら詰め込む形が主流でした。教科書の内容を暗記したり、計算問題をひたすら反復練習したりして知識を蓄えることこそが、正しい勉強方法だと考えていらっしゃった親御さん方も多いのではないでしょうか。しかし、時代は変化しました。今やロボットやAIが人間の代わりに仕事や作業をすることが当たり前になりつつあります。その結果、これからを生きる子どもたちに必要なのは、知識を詰め込むことではなく、物事をより柔軟に、かつ自主的に考える力を身に付けることに変わってきているのです。こうした力を育てるためには、かつての教育とは真逆ともいえる「教えない」教育が有効だとされています。教えない教育がもたらすメリット教えない教育とは、子どもに何も教えずにただ放置することではありません。学びの基礎となる部分をしっかり教えたり、安全な環境を整えたりした上で、その先を子ども自身に考えさせることに重点を置いた教育です。結果として、子どもには以下のようなメリットがあります。・思考力が身につく教えない教育は、言い方を変えれば「子どもに考えさせる教育」です。「どうしたらこれが達成できるのか」「どうしたら前よりもうまくできるのか」などと考えることで、思考力がどんどん身についていきます。・自分の意見を言えるようになる教えない教育では、自分の中の考えをまとめて実行したり、相手にわかりやすく伝えたりすることが必須です。その結果、子どもは、自分の意見を言うことに慣れていき、やがてプレゼンテーション能力が向上していくことも期待されています。・問題解決能力が伸びる子どもが自分なりに試行錯誤することで、納得のいく答えを導き出したり、自分の本意とは違う結果を受け入れたりする場面が、教えない教育ではたくさん存在します。そうした経験をした子どもは、問題にぶち当たった時にも諦めたりせず、どうすれば解決できるのかをしっかりと考えることができるのです。・知的好奇心が伸びる教えない教育を行うと、子どもは新しい発見にたくさん出会います。その結果、自分で考えることの楽しさや、気づくことの喜びを知っていくようになり、知的好奇心がどんどん伸びていきます。子どもが「学びたい」と思える環境づくりのコツ教えない教育を通して、子どもが自ら「学びたい」と思えるようにするために、以下に取り組んでみましょう。・子どもが集中している時は見守る子どもが何かに集中している時間は、まさに「自ら学んでいる」状態です。そんな時はついつい「すごいじゃん!」「ママ(パパ)にも見せて!」などと声をかけたくなりますが、その気持ちをぐっとこらえて見守るようにしましょう。教えない教育では、子どもが行なっていることに親がやたらと手出しをするのではなく、子どもが安心して集中できる環境を整えてあげることこそが重要とされています。・自然の中で遊ばせる自然には、木の香りや太陽の光、土の感触や鳥の鳴き声など、五感への刺激が溢れています。脳科学分野の権威である小泉英明氏は、自然がもたらすさまざまな刺激についてこう述べています。「光、音、様々な形や色、感触――自然は、意図しない刺激に満ちています。一方、人間が与える教育は、意識上の言語で作られたもの。良い教育をしているつもりでも知らず知らずのうちに意識下への刺激がカットされて、刺激が狭められてしまう危険性があるのです」(引用元:日経DUAL|“教えない”早期教育を脳科学者らが勧める理由)さらに小泉氏は、意欲ややる気にかかわっている脳の内側を鍛えるためには、ひらがなや数字を教えるといった知育的な学びよりも、まずは自然に触れることが大切だとおっしゃっています。子どもと自然がいっぱいの公園などで遊ぶのはもちろん、キャンプや農作業体験をするのも、教えない教育の一環として有効です。・子どもの質問にすぐ答えを出さない子どもに「どうしてこれはこうなるの?」と質問されたら、「それはこうだからだよ」と答えを教えて説明する親は多いでしょう。しかし、それでは子どもの考える機会を奪うことにつながる場合もあります。そのため、子どもに質問されたら「どうしてだと思う?」と質問返しをして、子どもなりの考えを引き出しましょう。そうして自分の考えを言えたら「しっかり考えたんだね」と褒めてあげるのがコツです。そんなやりとりを通して、子どもは考えることの楽しさを覚えていきます。***昨今では、低年齢から塾や習い事をする子どもも多く、親はつい「うちの子にも何かさせなければ……」と焦りがちです。しかし、何かを教えたり与えたりする教育だけでなく、あえて教えない教育も、子どもの成長を促すことを知っておきたいですね。文/田口るい(参考)プレジデントオンライン|ペラペラな親ほど早期英語教育に“冷淡”日経DUAL|“教えない”早期教育を脳科学者らが勧める理由プレジデントオンライン|自ら机に向かう子の親が欠かさない習慣日経ビジネス|先生が「教えない」ほうが学力は伸びるぎゅってweb|一生モノの「集中力」は子どものときにベネッセ教育情報サイト|どうなる?大学入学共通テスト小学生のうちから「考える」習慣づけが大切に!?Study Hackerこどもまなび☆ラボ|2020年度から「大学入学共通テスト」がスタート!親が今からやっておくべきことは?
2019年05月17日「将来、子どもが英語を話せるようにするためにはどうしたらよいですか?」これは私が幼児の英語教育に携わってから、一番よく聞かれる質問です。2020年度に全国の小学校で英語教育が必修化することを受け、英語教育を重視するママが増えています。そんな教育熱心なママたちからの質問の中には「あれ?」と感じてしまうものも。今回は私の経験も含めながら、みなさんが勘違いしているかもしれない英語教育のいろいろをQ&A形式で紹介したいと思います。Q. 英語耳・英語脳は6歳までしか育たないの?A. 幼児期(1~6歳)は「聞く」と「話す」がとても得意な時期です。そして、リスニング能力については、やはり早い時期から英語を始めた子どものほうが発音が良いと感じます。でも、6歳を過ぎても英語耳、英語脳を育てることは可能です。私の経験の範囲内ですが、年齢に関わらず、良い耳を持つ人は日本語にない"R"と"L"の聞き取りもできますし、聞き取りができれば、その音を自分で作り出すこともできます。英語と日本語は周波数が違う、音節が違うから聞き取りづらいなどと言われますが、大人になってから環境や勉強法で克服し、ネィティブ並みの発音を身につけている人が私の周りにはたくさんいます。Q. 英語に興味がないわが子。英語を学ばせるのはムリ?A. 子どもが英語に興味がないと悲しんでいる人は、まず自分が英語に興味があるかを考えてみましょう。私が英語を学ぶ上で一番大切だと思うのは、子どもだけでなく、大人も一緒にやってみること。一番効果的なのは、で以前にお伝えした、子どもが好きな遊びを英語で大人が一緒にやることです。でも、それが難しい場合は、自分が好きな海外アーティストの曲を子どもに聴かせたり、海外旅行に行ったときのエピソードを話してあげるだけでも大丈夫。家庭で身近に英語の存在を感じられる環境が子どもの言語感覚を養います。Q. 日本人の親が英語を教えるのはよくないの?A. 発音を重視される保護者にはネィティブの先生とのレッスンをおすすめしています。しかし、「英語を嫌いにならない子ども」を育てたいのであれば、日本人のママやパパが英語を教えることに私は大賛成です。幼少期から英語に触れておけば、子どもが成長してやる気になった時にぐんと伸びます。そのためにはやはり子ども本人が楽しめる形を大人が一緒になって作り上げることが一番。幼少期は「大好きなママやパパ」と一緒に「遊びながら学ぶ」ことが、子どもの心も育てます。Q. お金をかけているのにちっとも上達しない!A. レッスンに通わせているのに、英語が身についていない!」という相談もよく受けます。そのような相談に限って「レッスンにさえ通わせていれば大丈夫」と家庭でのサポートがない場合がほとんど。週に1度、1時間程度のレッスンに通わせているだけでは英語は身につきません。家庭で習い事と連動している教材のCDを聴かせ、DVDを見せるのは大切な親の役目。子どもと一緒にCDを聴いて、DVD鑑賞ができればなおよしです。私が教えているクラスの子どもたちも家庭でのサポートのあるなしで、あきらかに習熟度に違いが見られます。英語教育は年齢があがると、子どもの努力も親の努力もより必要になりますが、幼児期に種まきをしておくと、この努力が軽減されます。「大人も一緒に楽しむ」をキーワードにこの春から親子で英語を楽しんでみませんか。<文・写真:フリーランス記者稲井華子>
2019年04月15日近年、子どもを取り巻くお金の環境が大きく変わったことで、学校教育でも間もなく「お金の教育」がはじまります。日本はようやく国としてマネー教育に本腰を入れることになったのです。では、海外のマネー教育とはどんなものなのでしょうか。マネー教育の第一人者である横浜国立大学名誉教授の西村隆男先生にお話を聞きました。構成/岩川悟取材・文/清家茂樹写真/石塚雅人(インタビューカットのみ)いまの日本にもマネー教育はあるが……間もなく実施される新学習指導要領による公教育には、いわゆるマネー教育が組み込まれることになりました。とはいえ、現在も学校においてマネー教育がまったくされていないわけではありません。ひとつは日本銀行が組織している金融広報中央委員会によるもの。金融広報中央委員会のかつての名称は貯蓄増強中央委員会。もともとは、戦後間もない頃に、国民に貯蓄を奨励し、お金を財政と企業融資に使って日本の産業拡大を図るための組織でした。「貯蓄は美徳だ」と国民を教育していたわけです。現在も傘下の組織が各都道府県にあります。主な活動は、小学校、中学校、高校向けのマネー教育の教材をつくること。それから、金融・金銭教育研究校を指定して、「かしこい消費者になり、かしこい買い物をする」という教育をおこなっています。子どもの頃に通っていた学校が、「子ども銀行」の活動をしていたという方もいるかもしれません。それも金融広報中央委員会によるマネー教育の一環です。もうひとつは最近のものです。2012年に消費者教育推進法という法律が制定されました。これは、自分のためだけではなく、「世のなかのためにもいい買い物をしよう」という教育をおこなうための法律です。「世のなかのためのいい買い物」とは、たとえば持続可能な社会をつくるために環境にいいものを買う、あるいは人権のことも考えてフェアトレード商品を買うといったものですね。この法律により、現行の学習指導要領でも家庭科や社会科の学習内容に「消費者教育」という名称でマネー教育が盛り込まれています。たとえば、小学3年生なら、社会科の勉強として商店街や小売店のお金の流れやそこで働く人の視点を学ぶ。これも広い意味ではマネー教育といえます。欧米の教育は「生き方教育」とはいえ、授業時間全体からすれば日本のマネー教育はごく限られたものです。では、海外のマネー教育はどうなのかというと、特に欧米では日本よりもはるかに進んでいるといっていいでしょう。そのちがいは、教育そのもののとらえ方によるところが大きいと感じています。日本の中央集権的な教育の目的は、健全な勤労者を育てて経済のパイを大きくしようとするもの。いわばエリート養成のための「知識注入型教育」が中心です。一方、もともと子どもに自立心や権利意識を持たせることを重視する欧米の教育は「生き方教育」といえます。そのため、特に北欧の教育では、手に職を持たせるという意味もあってか、「ものづくり」を重視する。それどころか、小学4年生になると自分で仕事をつくって生活していくための「起業家精神」を教える授業もあるほどです。そういう教育ですから、当然、マネー教育にも力を入れています。スウェーデンでは子どもたちに生活設計をさせる授業があります。収入がいくらで家賃がいくらで、毎月いくら貯金できるとか、利息が○%だから年末には預金がいくらになるというふうに生活設計をさせる。しかも、面白いことにこれが算数の授業なのです。フィンランドでは図工の時間に広告をつくるという授業を視察しました。図工の授業とはいえ、ただのアートでは終わりません。子どもたちは「これなら商品が売れるだろう」と考えた文言を広告に入れる。売り手がどのように買い手を誘導しようするのか、マーケティング戦略を学ぶわけです。さらに、今度は消費者サイドに立ってそういう戦略に乗せられないための方法を学んでいました。求められる「実生活に根ざした教育」アメリカのマネー教育もわたしのなかでは強く印象に残っています。わたしがアメリカでマネー教育の視察をしたのは1987年頃。少し古い話になりますが、逆にいえばアメリカでは少なくとも30年以上も前から積極的にマネー教育がおこなわれていたということになる。さて、肝心の授業内容です。当時のアメリカは小切手社会でした。すると、小学生が小切手を切る授業を受けていたのです。子どもが「$100」と小切手に書いたら、先生は「それじゃ、駄目だ」という。ただ「$100」と書いたのでは、線を書き足されて「$400」にされるかもしれないし、0をふたつ加えて「$10000」に書き換えられるかもしれませんよね。不正防止のために「$100と書いたら、その下に『one hundred dollars』と書きなさい」と指導するのです。完全に実用的な内容でした。また、高校生になると、中古車ディーラーで車を買うシミュレーションをおこなう授業もありました。走行距離や事故歴、燃費など、車を買うときになにをチェックするべきかを教える。それこそかしこい消費者になるための教育をしているわけです。これは「コンシューマーエコノミクス(消費者経済学)」という教科の授業でした。独立教科でマネー教育をするアメリカ、さまざまな教科で横断的にマネー教育をするヨーロッパというちがいはありますが、学校でリアル経済を教える点では共通しています。そうして、子どもを社会のなかで自立した人間に育てることこそが教育だという思考があるのでしょう。二次関数や因数分解、微分積分を学んで数学の面白さに目覚めた子どもが数学者やエンジニアを目指す――そんな教育もたしかに大事なものでしょう。でも、日本の教育にももっと実生活に直結する内容が必要とされているのかもしれません。『子どもにおこづかいをあげよう!』藍ひろ子 著・西村隆男 監修/主婦の友社(2014)■ 横浜国立大学名誉教授・西村隆男先生 インタビュー一覧第1回:「子どもにお金はまだ早い」ではなぜダメなのか。マネー教育不足はこんなにも危険だ第2回:遅れが著しい日本の「マネー教育」。日本の子どもは“社会のなかで自立”できるのか?第3回:「会議・交渉・契約書」で自己肯定感が育つ。子どもをぐんと伸ばす“おこづかい”のあげ方(※近日公開)【プロフィール】西村隆男(にしむら・たかお)1951年生まれ、東京都出身。横浜国立大学名誉教授。経済学博士。高校教諭を経て、横浜国立大学教育学部で25年教壇に立つ。研究テーマは金融教育、消費者教育、パーソナルファイナンス(家計財務管理)など。金融広報中央委員会委員、金融経済教育推進会議委員、前日本消費者教育学会会長。著書に『消費者教育学の地平』(慶應義塾大学出版会)、『社会人なら知っておきたい金融リテラシー』(祥伝社)、『子どもとマスターする46の金の知識』(合同出版)など。【ライタープロフィール】清家茂樹(せいけ・しげき)1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。
2019年03月29日日本という国で育つ子どもたちが、学校教育を受けはじめるのは誰もが小学生になってから。でも、生きていくうえで欠かせない「お金の教育」に関しては、はじまる時期もその内容も各家庭の方針によってまちまちです。正解がないだけに、マネー教育に関して悩んでいるという親御さんも少なくないでしょう。アドバイスをしてくれたのは、マネー教育の第一人者である横浜国立大学名誉教授の西村隆男先生です。構成/岩川悟取材・文/清家茂樹写真/石塚雅人(インタビューカットのみ)ようやく動きはじめた日本のマネー教育これまでの日本には「マネー教育」というものは存在しなかったというと、やや語弊があるかもしれませんが、あたらずといえども遠からずという状況でした。それは、日本人の国民性によるものでしょう。古くは日本ではお金は不浄のものと考えられ、家庭の話題に上げない、子どもは口を出すべきではないものとされてきました。お金に対してそういう感覚を持たされ育てられたのがいまの親世代です。ところが、ここ数十年でお金をめぐる状況は一変しました。最近ではキャッシュレス決済が急激に拡大しています。小学生でもスマホを手にしているいま、塾に行くにも「Suica」「ICOCA」などの電子マネーを使って電車に乗る。コンビニでちょっとしたお菓子や飲み物を買うにも電子マネーで支払う。子どもが使うお金を親がコントロールするためです。また、わたしのような60代くらいの世代だと、クレジットカードにはまだ若干の抵抗感があるもの。つい「借金」と考え、罪悪感があるわけです。でも、いまの親世代にとって、クレジットカードはひとつの決済ツールに過ぎません。借金だとは考えず、スーパーで500円の買い物をするにもクレジットカードを使います。こうして、子どもだけではなく、親世代にも現金が見えにくくなっているのです。もちろん、利便性という点ではほんの20年あまりの間に飛躍的に進化したと見ることができるでしょう。でも、まともにマネー教育を受けてこなかった世代が親になっているわけですから、その利便性の裏には子どもに対する大きな危険も潜んでいます。かつては「金融商品」なんて言葉は存在しませんでした。「株取引をしている」などというと、ギャンブル的な意味合いをもってさげすまれるような印象すら持たれたものです。ところが、ネット証券が広まって「金融商品」という言葉が一般的になり、最近では仮想通貨なんてものも出てきた。「マネーゲーム」という言葉も使われるほどです。それこそ、現金が見えにくくなっている時代に育った子どもがゲーム感覚でマネーゲームに走るようになったらどうするのか――。こうしてようやく日本でも、国策としてマネー教育を進めていこうとする動きが出てきたわけです。マネー教育開始は早ければ早いほどいいしかも、子どもたちがお金をめぐる問題に巻き込まれる危険性はこれからさらに拡大することも考えられます。その要因は成年年齢の引き下げです。明治時代から約120年にもわたって20歳だった成年年齢は、2022年4月から18歳に引き下げられます。18歳になれば高校生であっても自由に契約をすることができる、クレジットカードをつくることもできる時代になるのです。それを受けて、新しい学習指導要領は、高校卒業までに子どもたちに契約意識を持たせる内容になっています。ただ、新学習指導要領に基づく教育がはじまるのは小学校で2020年から。中学校では2021年、高校では2022年からです。高校を卒業してすぐに成人となる2019年度の高校1年生からは前倒しでその教育かおこなわれることになっていますが、それでもやはり遅すぎるように感じるのです。マネー教育をはじめるのは早ければ早いほうがいい――。それがわたしの考えです。それこそ、小学校でマネー教育がはじまる前から家庭ではじめておくべきでしょう。ものの価値もわからない、自分で買い物をした経験もないのに、小学校で売買契約の基礎を教えるといっても難しいというものです。しかも、幼い子どもにマネー教育をするにも現金を使うべきですね。実際に小銭を持って、10円玉10個が100円玉と交換できるものだということを感じたり、あるいは自分で買い物をして支払う金額を間違ったりする経験によって、お金がどういうものかを実感できるようになるからです。実体験としてお金を使ってみないとわからないこともあるはずです。学校でマネー教育をはじめるといっても、教室でシミュレーションするのではピンとこないこともあるでしょう。「魚が切り身のかたちで泳いでいると思っている子どもがいる」という笑い話がありますが、マネー教育も内容次第ではそれに近いことも起こり得るはずです。マネー教育不足が引き起こすさまざまな問題仮にマネー教育をまったく受けないまま大人になると、さまざまな問題に見舞われることが考えられます。何枚もクレジットカードをつくって多重債務を抱えて破産するというのもそのひとつかもしれません。また、現在、大きな問題として取り上げられるのが「奨学金破産」です。連帯保証人になっていた親が病気になるなどして、親が破産するというケースも見られます。まして少子高齢化がますます進むこれからは、老後の生活をイメージして個人でも年金をつくらないといけない時代になる。いま、大企業で必ず導入しているのが確定拠出年金です。個人型だろうと企業型だろうと、その企業に就職すれば必ず加入することになる。大学を卒業した途端に資産運用について選択を迫られることになるのです。どの投資信託にするのか、元本保証の預金にするのか、それとも別の選択肢にするのか……。それぞれがどういうものか理解できなければ、自分の将来を自分で決められないことになってしまいます。あるいは、振り込め詐欺の片棒を担ぐようなことにもなりかねません。「簡単に稼げる」といった犯罪の誘いに乗ってしまうのは、地道に稼いだお金を有効に使うとか、ある程度節約した生活をして計画的にお金をためるといった長期スパンでお金のことを考える姿勢が身についていないからです。公教育でマネー教育がはじまるのはこれから。その教育に臨む姿勢をつくってあげるのは家庭に他なりません。そのために大切だとわたしが考えているのが、「お手伝いの対価としておこづかいをあげる」ということ。責任を持って手伝いという自分の仕事(役割分担)をしてはじめてお金を得る。その経験を幼い頃からさせるのです。「まだ子どもだから」とお金に関する話を子どもに対してシャットアウトしてはいけません。むしろ、子どもだからこそ、きちんと導いてお金に触れさせてあげるべきです。そうでないとお金に対する正しい意識が育たず、将来、自立できない人間になってしまうことを親御さんには意識してほしいと思います。『子どもにおこづかいをあげよう!』藍ひろ子 著・西村隆男 監修/主婦の友社(2014)■ 横浜国立大学名誉教授・西村隆男先生 インタビュー一覧第1回:「子どもにお金はまだ早い」ではなぜダメなのか。マネー教育不足はこんなにも危険だ第2回:遅れが著しい日本の「マネー教育」。日本の子どもは“社会のなかで自立”できるのか?(※近日公開)第3回:「会議・交渉・契約書」で自己肯定感が育つ。子どもをぐんと伸ばす“おこづかい”のあげ方(※近日公開)【プロフィール】西村隆男(にしむら・たかお)1951年生まれ、東京都出身。横浜国立大学名誉教授。経済学博士。高校教諭を経て、横浜国立大学教育学部で25年教壇に立つ。研究テーマは金融教育、消費者教育、パーソナルファイナンス(家計財務管理)など。金融広報中央委員会委員、金融経済教育推進会議委員、前日本消費者教育学会会長。著書に『消費者教育学の地平』(慶應義塾大学出版会)、『社会人なら知っておきたい金融リテラシー』(祥伝社)、『子どもとマスターする46の金の知識』(合同出版)など。【ライタープロフィール】清家茂樹(せいけ・しげき)1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。
2019年03月28日ベストセラー書籍 『お母さん! 学校では防犯もSEXも避妊も教えてくれませんよ!』 の著者、のじまなみさんにインタビュー。性教育アドバイザーでもあるのじまさんは「セックスを伝えることは最大の防犯になる」と断言しています。最大のタブーを親子間で共有することは、後々のコミュニケーションにも役立つはず。子育ては長期間に及ぶものなので、リスク管理は欠かせません。第二回目の記事では「具体的な性教育の仕方」をお伝えしましたが、なかなかハードルは高いけれど、それでもトライするメリットが多大にあるということはおわかりいただけたのではないでしょうか。そして今回は、「性教育によってもたらされるもの」についてです。のじまなみ さん性教育アドバイザー。「とにかく明るい性教育【パンツの教室】協会」理事長。防衛医科大学高等看護学校卒業後、看護師として泌尿器科に勤務。自身にも三人の娘がおり「子供達が危険な性の情報に簡単にアクセスできる世界にいる」ことに危機感を抱き、2016年「とにかく明るい性教育【パンツの教室】アカデミー」を設立し、その後協会を立ち上げ、国内外のお母さんたちに性教育を伝えるべく、日々飛び回っている。 とにかく明るい性教育 パンツの教室協会 のじまなみ ブログ ■性教育は最大の防犯教育である「セックスは素晴らしいもの。でも不用意な妊娠を防ぐためには、避妊の方法も同時に伝えなければいけません」とのじまさん。男女関係なく、性被害は起こりますが、妊娠については、男の子側と女の子側と受けるダメージは違ってきます。前回の記事でもお伝えしましたが、なぜ不用意にセックスをしてはいけないのか、若いうちに妊娠するとどうなるのか、と言うことも含めて包み隠さず話すことが大切です。セックスに対して興味を持つのはごく当たり前のこと。「興味本位ではなくて、セックスの先に伝えたいことを考えるといいと思います。性教育は子どもの笑顔と未来を守るものであり、恥ずかしいことではない、とお母さんが自身に言い聞かせながら、やってみてください」のじまさんによると、性教育を受けている子はセックスの初体験の年齢が上がるというデータもあるそうです。聞けば聞くほどに重要性を持つ性教育ですが、ここで素朴な疑問をもう1つ、のじまさんにお聞きしました。―― これまではお母さんが行うことを基本としてお話が進んできましたが、では、お父さんは性教育にどのように関わってもらえばよいのでしょうか?「ここまでお話ししてきたことからもお分かりいただけるように、性教育は“待ったなし”です。私自身は父親に性教育を受けましたが、基本的にはお母さんが取り組んだほうが良いと思っています。なぜなら、それが一番の近道だからです。繰り返しますが、性教育は“待ったなし”です。いつ我が子が性トラブルに巻き込まれるか分からないのです。 これまで私は4,000人のお母さんに性教育の手ほどきをしてきましたが、親からきちんと性の話を受けたことがあるのはたった4人、つまり全体の0.1%です。お父さんはそれ以上に性教育を受けてきていません。今のお父さんたちは『いずれ知るだろう』というスタンスで、内心子どもを心配していても言えることがない。お母さん自身が、性教育のハードルを乗り越えることに加えて、お父さんの意識まで変えようとするのは、正直言ってなかなかしんどいです。つまり“時間がかかるの”です。まずはお母さんから性教育をはじめれば、自然と家庭内で性教育に対する前向きな意識が育っていくでしょう。もちろん、お父さんが積極的に性教育に関わるのに越したことはありません。でも、最初は“参加してくれたらラッキー”くらいに構えているとよいかもしれませんね」なるほどの意見! 過剰に期待せずに、でんと構えてもらい、夫婦として基本的な考えを合致しておけば、子どもも安心ですね。ちなみに、すでに独自で性教育している方で、今回お聞きしたお話のようにできていなかったと言う方もいらっしゃると思いますが「心配はありません」と、のじまさん。「マイナスの性教育をしてしまった場合は、2倍の性教育をして肯定してあげることです。何しろ自己肯定感を育てることが大切です」自己肯定感を育むということは、子育てにおいては肝となるべきこと。「性」だけを切り抜かず、子育て全体の中のひとつとして捉えて見てはどうでしょうか。■性トラブルは身近にゴロゴロ転がっている!性教育については、ちょっと怖い話も伺いました。「これまでは知らない人からの危険を回避する、というお話でしたが、実は知っている人からの性トラブルも多いという現実があります」。これはなかなかに怖い話。身近な人間からの性トラブルは、子ども自身、母親に話すことを躊躇してしまいそうですが、日頃からなんでも話せる関係性を作っておけば回避できそう。子どもにとって、味方なのだ、ということを常に伝えておくことで安心させるといいのかもしれません。また、ネットが発達した最近では、ライン婚やSNS婚なども増えてきているのだそう。人と人との可能性、出会いも広がりましたが、気軽に人間関係も繋がれるということは、リスクもその分強まったことにもなります。危険はあちこちに転がっているということ。決してそれは、他人事ではないのです。母親として未然にトラブルを防ぐこと。性教育は必須の教育なのだということがわかるでしょう。■アイデンティティーの強要社会性教育の話の延長で、のじまさんが現代の「子育て」の変化について実感していることも話してくれました。「ここまでは子どもへの話でしたが、デジタル時代になって生きづらくなったのは大人も同じ。SNSが広がったことで、得られる情報は増えたけれど、余計な情報も知ることになりました。そのことによって、人は無理やり『アイデンティティ』を持たないといけなくなった。それは子育て中のお母さんにとってマイナスになることもあります」支持されるのは、“素敵なお母さん”。おしゃれなファッションをして、スタイリッシュな家具に囲まれ、家事も上手で、教育にも熱心。比べてはいけない、と思いつつ自分と比べてしまうのが人間の心理というもの。このような必要性が問われる情報が、母親自身の自己肯定感をも奪ってしまう、とのじまさんは指摘しています。筆者も育児と仕事の両立で悩んで挫折した経験があるのですが、その頃はまだそんなにSNSを使ってない時代でした。あの時にSNSがあったらと思うと正直、ゾッとすることもあります。「気にしない」「私は私!」と強い自分を持つこと。そのままの自分を認めてあげること。子どもを大切にできるのは、自分を大切にすることができるお母さんなのではないでしょうか。そういう意味でも、性教育から「自己肯定感」を育むことは、お母さんにとっても得るものはとても大きい。■お母さん同士で共感する時代へ!性について、セックス、生理、命が生まれること。今回ののじまさんのお話は、どれをとっても心を掴まれる事柄ばかり。堂々と性教育していきたいものです。確かに、性教育をすぐにしようと思っても、いくつものハードルがあり、なかなか手がけられないというお母さんもいるかもしれません。日々、性教育の他にたくさんやらなければならないことがあり、なんでもお母さんへ負担がのしかかってしまっている現実はありますが、こういう時こそ、お母さん同士で繋がり、必要なことをシェアしてみてはどうでしょうか。タブーなことからは見て見ぬ振りをして、踏み込まなかった時代から、タブーを打ち破り、共感しあう時代へ。今こそ、お母さんの意識改革の時なのかもしれません。
2019年03月25日性教育アドバイザーで、 「お母さん! 学校では防犯もSEXも避妊も教えてくれませんよ!」 の著者であるのじまなみさんに、「性教育」についてお話を伺いながらご紹介する連載の2回目です。前回は日本の性教育の実態を伺い、なぜ性教育が必要なのか、その危険性について述べました。今回は、具体的な性教育の実践法についてご紹介したいと思います。のじまなみ さん性教育アドバイザー。「とにかく明るい性教育【パンツの教室】協会」理事長。防衛医科大学高等看護学校卒業後、看護師として泌尿器科に勤務。自身にも三人の娘がおり「子供達が危険な性の情報に簡単にアクセスできる世界にいる」ことに危機感を抱き、2016年「とにかく明るい性教育【パンツの教室】アカデミー」を設立し、その後協会を立ち上げ、国内外のお母さんたちに性教育を伝えるべく、日々飛び回っている。 とにかく明るい性教育 パンツの教室協会 のじまなみ ブログ ■性教育は、子どもの「自己肯定感」を育むために必要まずは前回触れた、のじまさんによる性教育の3つのメリットについてお話ししていきましょう。1、自己肯定感が高まり、自分も人も愛せる人間になる2、性犯罪の被害者・加害者にならない3、低年齢の性体験・妊娠・中絶のリスクを回避できる1、自己肯定感が高まり、自分も人も愛せる人間になる1 についてですが、日本の子どもは、世界有数の先進国であるのにも関わらず、自己肯定感が低いと問題視されています。深刻なのは、10代の死因のトップが自殺であること。背景にあるのがこの自己肯定感の欠如だ、とのじまさんは指摘しています。「性教育を通じて、あなたは奇跡が重なって生まれてきたのだ、ということを伝えると、子どもは『愛情』を受けとり、エネルギーにしていくことができます。そして、子どもの自己肯定感を育むことで、親子間のコミュニケーションがスムーズになり、深い絆で結ばれるようになります」2、性犯罪の被害者・加害者にならない2 の性犯罪については、筆者が 「SEIJUKU」 (セイジュク)という性教育ワークショップを始めた理由とも重なっています。社会のトラブルの根幹にあるのは性問題。そのことから身を守るには、きちんと性について知ることが親子で必要だと考え、興味のある方同士でセッションを始めたのですが、この中でよく話題に上るのがいつ自分の子どもが加害者に、被害者になるかわからないという不安についてです。「まだまだ子どもだから」と思っているうちに、子どもはどんどん外からの情報を得て、親が感知できない知識を増やし、危険な領域に入っていきます。善悪を見極められるようになるまで、大人が正しい知識を持ってストップをかけなければいけません。「覚えておきたいのは、性犯罪の被害者は女の子だという思い込み。実は被害者の4割は男の子だという事実です。男の子を好む小児性愛者は一定数おり、とても陰湿です。性犯罪にあった子の精神ダメージは計り知れません。お母さんが積極的に防犯に関わり、女の子も男の子も性犯罪から、身を守る方法を教えてあげてください」3、低年齢の性体験・妊娠・中絶のリスクを回避できる3 の不用意な妊娠については、誰もが避けたい大きな関心事ではないでしょうか。ただ、ここで重要なのはセックスを語らずに性教育はできないということ、とのじまさん。「セックスについては常に説明できるように準備しておく必要があります。そして、今どうしてセックスをしてはいけないのか、デメリットとメリットをお母さんの口から伝えることが重要です。思春期のセックスへの興味本位による行為を防ぐためにも、きちんとした知識を、明確に伝えてください」■性教育は、何歳の時に、何から始めるか3大メリットについては子育てにおいてとても重要であることはご理解いただけたと思います。早速始めいところですが、気になるのが性教育をスタートする年齢です。のじまさん曰く性教育をスタートさせるのに適しているのは「3歳」だというから驚き。「私は、子どもたちが、まだうんこ、おっぱい、ちんちん、が大好きな年齢である3歳から10歳の下ネタ全盛期の時に行うべきだと考えています」性を本格的に意識しないうちに始めるというところがポイント。のじまさんによると、精神分析学の創始者として知られるフロイトが研究した発達段階から考えても3歳から10歳は性教育の適齢期に当てはまると言います。「フロイトの説では、母乳などから栄養を得ることが快感の『口唇期』をへて、幼児はトイレトレーニングがうまくいくようになる『肛門期』に移ります。そして、幼稚園から小学校入学前くらいになる『男根期』を迎え、男の子と女の子の体の違いに気づく。男の子が自分のおちんちんを触ったり、興味を示す頃ですね。この子どもが自分の体に興味を持った時にこそ、声をかけましょう」ここで、のじまさんにある疑問をぶつけてみました。―― 家族構成や、兄弟の有無、一番めか二番目か、そして気になる男の子と女の子では、性教育の仕方は変えたほうがいいのでしょうか?「男の子と、女の子でも基本的には同じことを話します。男の子の体と女の子の体の違いをお互いに知らないと、相手のこともいたわれませんし、自分の身も守れません」男女の違いで大きいのはちんちんとおっぱいなど、体のつくりが違うこと。そして、外せないのが生理のことでしょう。お母さんの中には、異性である男の子に生理の話をするのを躊躇してしまう、という方もいると思います。けれど、生理があって初めて子どもができるのです。そのことを知らずに、ナプキンを持っている女の子をからかうようになっては、お互いに傷ついてしまい、生理が『悪者』として捉えかねません」「よく性教育のデメリットを気にされるお母さんもいらっしゃいますが、性教育を知らない子ほど、外で大人をからかったり、他人との距離を測りかねて、土足で踏み込んだりします。パーソナルゾーンに入ってしまうのは知らないからです。女の子には毎月の生理を楽しみにさせられるのはお母さんの力です。男の子には、毎月生理が女の子にはあり、いたわるように教えてあげる。お互いのことをきちんと理解できれば、やさしい子どもたちに、そしてなんでも話せる親子関係を築くことができますよ」■性教育の伝え方にも順番がある!性教育は、男女の体の違いから、同じことを男の子にも女の子にも始める、ということはお分かりになったと思います。その後は、どんな順序で伝えていけばいいのか、のじまさんに伺ってみました。「まずは体の違いそして次に命の話、最後に防犯の話。この順序ですね。命の話というのは『赤ちゃんはどうやってできるか』というセックスの話です。最初はわからないことも多いと思いますが、話をしているうちに、ちゃんとそれぞれが繋がるようになり、自分で理解できるようになります」性教育を実践するには、まずはお母さんがペニスやセックス、膣といった言葉を恥ずかしがらずに言える必要があります。そのほかに、男の子のマスターベーションや精通についてもお母さん自身が理解していなければいけません。生理や精通を迎えるということは、体の成長の証でとても喜ばしいこと。とはいえ、あれこれ一気には伝えられませんから、焦らず少しずつ伝えていってみてください。「体の話の時に、ぜひ伝えていただきたいのが体にはプライベートな大切な場所・水着ゾーンがあるということです。人には見せても、触らせてもいけない大事な場所があるということを具体的に説明することで、身を守る基準を教えることができます。もし突然身の危険が迫っても、子ども自身がはっきりと『NO』と断ることができるように教育することが大切です。見知らぬ人だけでなく、友達同士でも水着ゾーンに対しては踏み込んではいけないということも教えてください」ちなみに私が娘二人に性教育を始めたのはお風呂の時間です。とっても大事なところである『おまた』を洗おうというデリケートゾーンコスメを使うところから始めました。私はついついお風呂にこだわって話していましたが、「お風呂でももちろんよいと思いますが、場所やシーンは特にこだわらず、日常的に話ができるようになると、性教育のハードルも下がると思いますよ」とのじまさん。ご飯を食べている時や、くつろいでいる時など、さりげない日常に挟み込むことができるようになれば、お母さんの方もよし、やるぞ! と構えなくて済むようになりそう。また、のじまさんは繰り返し伝えることが重要だと言います。「いろんなパターンで、やるなら徹底的に行うことです。1度で済む話ではないので、繰り返し行い、子どもの中で繋がるように話していくことが大事です」性教育をしていくイメージ、少しは浮かんだでしょうか。難しく考えることはなく、わかりやすく少しずつ、長い時間をかけて伝えるということだと思います。そして、この性教育というのは、現代社会を生きるお母さんにとっても実は大きな意味のあることなのです。このことについては、次の3回目で詳しく述べたいと思います。
2019年03月24日先日、実に興味深い本が発売されました。それは 「お母さん! 学校では防犯もSEXも避妊も教えてくれませんよ!」 というショッキングなタイトル。これは、父親から性教育を受け、パンツの教室協会理事として日々奔走していらっしゃるのじまなみさん著書による性教育の本です。これが今、売れに売れているのだそう。表立っては「悩んでいる」とは言えない。けれど、この本を手に取る人がたくさんいると言うことは、つまり、のじまさんが投げかけたこの言葉、この不安要素は、子育て中のママの核の部分に刺さった、ということではないでしょうか。のじまなみ さん性教育アドバイザー。「とにかく明るい性教育【パンツの教室】協会」理事長。防衛医科大学高等看護学校卒業後、看護師として泌尿器科に勤務。自身にも三人の娘がおり「子供達が危険な性の情報に簡単にアクセスできる世界にいる」ことに危機感を抱き、2016年「とにかく明るい性教育【パンツの教室】アカデミー」を設立し、その後協会を立ち上げ、国内外のお母さんたちに性教育を伝えるべく、日々飛び回っている。 とにかく明るい性教育 パンツの教室協会 のじまなみ ブログ ■「性教育」は子どもたちを危険から守る手段情報氾濫時代。私たちは今、インターネットを通して、あらゆる情報に常に囲まれ、監視し、されながら日常を過ごしています。これはここ10年くらいのこと。スマホやパソコン、タブレット、ゲーム機などは、もはや現代人には欠かせない生活必需品です。でも、ここからどんどん「性」に対しての情報は発信されています。こんなに身近に「性」に対するモノやコトが手に入ってしまうのは、じつはとても怖いこと。特に、子育て中のママたちにとって、これは驚異以外の何者でもありません。一方で、私たちはその「リスク対策」をきちんと取れているでしょうか? そのために今、必要なのは、これまで“なあなあ” にされてきた「性教育」という教育です。これが、親自身にとっても子どもたちにとっても「危険から守る手段」になるのです。子育ての一般常識が30年前とは全く違うように、性教育もまた、新たなステージにきています。■「まだ早い」は「もう遅い」! 性教育は何歳から?筆者は、小さい頃から二人の娘に性教育をし始め、数年前から性教育ワークショップ「SEIJUKU」と言うグループを主宰しています。性教育に関心が高いママたち同士で、性教育についての情報をシェアする活動を行なっているのですが、そのセッションでも、それぞれのママが非常に不安を抱えていることが浮き彫りになっています。ママ自身が受けてきた性教育もバラバラ、性教育の指針がなく、どうやって伝えてよいのかわからない、迷っている人がとても多いという現状は、思ったよりも深刻なのでは? と感じています。ちなみに、のじまさんの話によると、ユネスコが2009年に発表した「国際セクシュアリティ教育ガイダンス」では「性教育の開始年齢」が設定されており、なんと5歳だといいます。そして、のじまさんが行なっているパンツの教室では、「3歳から10歳の間に行うべし!」と伝えています。この年齢を聞いて、みなさんはどう思いますか?そんな世界の指針を尻目に、日本の性教育の現状といえば、全く進んでいない、と言ってよいでしょう。1990年に入りHIV問題が起きた時に、慌てて性教育を推進する動きが始まりましたが、すぐにバッシングが起こって、それ以降は後退する一方。政府も統一した指針は示さず、学校によって応対もバラバラ。熱心に性教育しようとする先生がいれば、それが問題視されると言うネガティブな方向へ進んでしまう。人の前では性教育の話はしてはいけない、それは学校でも同じ。タブー視されているのが「性教育」なのです。「日本でまだまだの性教育事情。なのに、その一方で日本は『性産業先進国』と、なんとも恥ずかしい汚名をいただいています。世界のポルノの6割は日本で生産されており、コンビニでは子どもの目線の高さに堂々とHな本が置いてあります。活発になったインターネットは、子どもと誤った性の情報を簡単につなぎ、子どもが性の対象になった事件を伝えるニュースは、毎日のように聞こえてきます。ママたちも一度はヒヤッとした経験があるのではないでしょうか?」と、のじまさんは警鐘を鳴らします。■「うちの子に限って」が起こり得るスマホやタブレット、ゲームは子育て中のママにとってはありがたいツールです。働きながら子育てをして家事も担って、そして最近では受験する子も増えています。何もかもがママたちの肩にのしかかってきて負担が大きい今の社会で、『ちょっと子どもに動画を見てもらってひと休みする』ことをダメだとは言えないでしょう。しかし、ここに恐ろしいリスクが潜んでいると言うことも自覚しなければいけません。のじまさんによると、2歳でもYouTubeからアダルトサイトに飛んでHな動画を目にしてしまった、と相談してくるケースはたくさんあるといいます。わずか2歳。「まだまだ赤ちゃんだから」と、うかうかしてはいられません。「それだけではありません。自分の裸の動画を撮って相手に送る、と言ったトラブルも多数報告されています。もちろん、撮りたくなるような仕掛けをされているので、子どもにはなんの罪もありません。子どもは面白いからやってしまう。そこにどんな危険があるか知らないから、そうしてしまうだけ。気をつけることができるのは、身近なお母さんしかいないんです」これらはなぜ起こってしまうのか?「交通ルールと同じです。教わっていないから。誰かがストップをかけて、イエス、ノーの判断を教えなければならないのに、教えられる大人が少ないんです」学校で教えられる性教育は20年前から何も進んでいないと言われています。また、教える内容も学校によってバラバラだし、4年生の保健体育では時間数も少なく、肝心なことは教えてくれません。そう、そもそも“母親が性教育について何も知らない状況では、何も始まらない”ということなのです。「性教育にはメリットしかありません!」とのじまさんは力強く断言します。その3大メリットは以下の3つ。1、自己肯定感が高まり、自分も人も愛せる人間になる2、性犯罪の被害者・加害者にならない3、低年齢の性体験・妊娠・中絶のリスクを回避できる子育てに悩むすべての女性が、どきっとさせられる事ばかりです。この3つを読むだけでも、性教育の必要性を感じていただけたのではないでしょうか。詳しくは2回目の記事で「では、性教育を具体的にどう行なっていくべきか」を含め、詳しく触れます。
2019年03月24日