このインタビューが行われたとき、染谷将太はまだ『空海-KUKAI-』の撮影の最中。ただでさえ、年不相応とも言える落ち着きを備えているこの男、坊主頭になると、もはや悟りを開いたかのようだが…。ところが映画『海賊とよばれた男』では、これまで見せたことのないほどのハイテンション&はしゃぎっぷりで、気骨ある男たちの集団の中で、この男らしからぬムードメーカーとしての役割を果たしているのだ。主演の岡田准一、そして山崎貴監督など、その年の映画賞を総なめにし、大ヒットを記録した『永遠の0』のチームが再集結。戦前から戦後にかけて、身ひとつで事業を起こし、石油で日本の経済発展の礎を築いた男の一代記を描き出す。『永遠の0』、そして本作と、山崎監督と主演の岡田さんのコンビが強調されがちだが、染谷さんはそれ以前、『ALWAYS 三丁目の夕日’64』から、『永遠の0』、そして主演を務めた『寄生獣』二部作と、近年の実写の山崎作品には皆勤賞であり、いわば山崎組を最も知る男のひとり。「まず、題材は抜きにして、山崎監督からまたお話をいただけたことが、嬉しかったですね。前回、『寄生獣』をやり、主演ということもあっていままでで一番密に関わらせていただき、あれだけの大きなプロジェクトだったので『じゃあ、次は何をやらせてもらえるのか?はたまた、もう一緒にやることはないのか…?』と思っていたので(笑)、ホッとしました」。そして、この物語に対しては「山崎さんにとって、新たなチャレンジなんだなと感じた」とも。「平たく言っちゃえば、油を売るお話ですからね(笑)。このシンプルなことの中で、いまの時代にはないような男たちのあり方とかをダイナミックかつ繊細に描いている。ちょっと、これまでやって来たこととは毛色が違うな…とは感じました。『三丁目』にせよ、『永遠の0』にせよ『寄生獣』にしても、難しくはあるのだけど、物語の中に自然とドラマというか、探るべきポイントがしっかりとあるんですよ。今回は正反対で、やることはシンプルだけど、それをどうエモーショナルに表現できるか?そこは挑戦だったと思います」。染谷さんが演じたのは、岡田さん演じる店主・国岡鐡造に憧れ、漁師から転身して国岡商店の店員となる長谷部喜雄(通称・ハセ)。社員の中でも若いが、陽気で物怖じせずに鐡造にものを言う男で「ムードメーカーでみんなに愛される憎めないヤツ」というのが山崎監督からの注文だった。「サラッとすごく難しい注文を…って思いましたね(苦笑)。男クサい男たちの中で、みんなに愛されないといけない若僧ですからね。どうしたらみんなに愛されるなんてコツやノウハウなんてないし…。どう振舞ったらいいのか?いや、振舞ったらその時点で負けですよね。みんなに好かれるために何かしたら、ウザいですし。媚びを売ったらすぐバレる。正直、かなり難しい役でしたね」。そもそも、24歳にして“心の屈折”を表現させたら日本でもトップの染谷将太が、屈託のないヤンチャなムードメーカーを演じるということ自体、驚きである。たとえ、それが常連の山崎組であっても…。「普通に考えたら、驚きというか、なんで自分にこの役を?と思うんですけど、そこが山崎さんらしいなって思いましたね。そもそも、山崎さんは『染谷はこういうタイプ』と枠に当てはめるのではなく、『この人とこの人を組み合わせたら何が生まれる?』『この人にこんなことやらせてみたらどうなる?』と考えると仰っていたので、山崎さんならではのセンスを感じましたね」。『永遠の0』では、戦争の最も過酷な終戦間際に、特攻隊員として帰らぬ旅路に赴かねばならぬ若者を、『ALWAYS 三丁目の夕日’64』では、本作でも描かれる、高度経済成長期に差し掛かる時代の若者を演じた。そして本作で、染谷さん演じるハセが活躍するのは、戦前から戦中にかけて、日本の、そして軍の進撃に合わせて、国岡商店がビジネスをアジアへと拡大していく時期。現代を生きる20代の目にあの時代の人々、いまとはまた異なる価値観はどう映ったのか?「何かを『やらなくてはならない!』という意識――“使命感”を強制されてというよりも、自然と持っているのを、作品を通じてあの時代を疑似体験して感じましたね。『店主に付いていかなきゃ!やり遂げなきゃ!』という意識は、あの時代特有というか、いまの時代にはないものかもしれません」。では改めて、国岡商店の中でも若い世代を代表して、現代の若者たちが本作を楽しめるポイントを挙げるとすると?「僕は、単純に燃えましたね、男たちに。萌えではなく(笑)、燃えるものを感じて高揚しましたし、僕は会社勤めをしているわけじゃないけど、こんな上司がいたら、付いて行きたいなと思いました。“仕事”というものに対する自分の価値観を変えてくれるこんな人がいるのかと感動を覚えました。“胸キュン”と言っちゃうと、安っぽいけど、女性が見ても、男の汗と涙に感じるものがあると思います」。“店主”岡田准一とは、『永遠の0』に続いて、人生の先輩・後輩という間柄を演じたが、染谷さんから見た、現場での岡田さんの姿は、今回の鐡造と重なる部分も?「岡田さんは、自然なんですよね。『やるぞ!』とか『よっしゃ、みんな!』みたいな、わざとらしい言葉は口にされないけど、現場で細かくみんなを見てくれていて、そこに安心感があって、みんな現場にいやすいんです。それを感じさせずに、でも細かいところまで気を配ってくださる。クールに見えて、結果的にこの鐡造のように、周りを熱くさせてくれるリーダー。尊敬しますね」。ちなみに、この取材の時点で『空海 -KUKAI-』の撮影は「年末で終わる予定…おそらく(笑)」とのこと。ここ近年、当たり前のように年に数本の作品に参加してきたが、今年は5か月もの期間を空海というひとつの役に、しかも海外の現場で向き合ってきた。「まだ、終わってないので、この先、何か違うものが見えてくるのか?自分でもよくわかりませんが…」。まだまだこの男、スクリーンで見せていない表情がたくさんあるはずだ!(photo / text:Naoki Kurozu)■関連作品:海賊とよばれた男 2016年12月10日より全国にて公開(C) 2016「海賊とよばれた男」製作委員会(C) 百田尚樹/講談社
2016年12月09日男性は目で、女性は耳で恋をする・・・なんて言われていますが、女性が目で恋をすることもあるのと同様、男性も耳で恋をすることがあります。もちろん、モテやすい外見があるのと同じで、男性が好みやすい「モテる声」もあります。ここでは、思わず恋に落ちてしまいそうな、モテ声の4つのポイントをご紹介します。■1.いつもより少しゆっくり話す「ゆったりしゃべっている子って女の子らしいなって思うし、癒される」(20代/学生)早口で話すよりも、ゆったりと落ち着いて話すほうが女性らしさがあります。ひとつひとつの言葉を丁寧に発音しながら、いつもより少しだけスローペースで話すようにしましょう。このとき、語尾だけを延ばすのではなく、会話全体のゆったりペースにするのが◎ひとつひとつの単語を大事に発音するのを意識してくださいね。■2.ほんのちょっとだけ高めにする「ボーイッシュな女の子の声が高めだとドキッとする」(20代/商社)ドレミファソラシドで表すと、モテる声のトーンは、男性より1オクターブほど高いレ~ミになります。日本人女性の平均のトーンは、そこから少しさがったシ~ドなので、ほんの少しだけ声を高めにすると、モテ声になります。少し高めの声にするためにも、お腹の底からきちんと発生するよう心がけましょう。■3.笑うときに声を出す「笑うときに声がもれている女の子に胸キュン。口を押せて控えめに笑っているのが可愛い」(20歳/不動産)くすっと声を出さずに笑うのもいいですが、ときには声を出して笑うのもオススメです。笑う時は自然と顔の筋肉が引き上げられ、声帯もぴんと張るので若々しくハリのある声になるんです。短く笑うときは「アハハ」「ウフフ」など、ほんの少しだけ声に出すとモテ声度がアップします。彼の話へのリアクションするときには、笑い声をあげてみてくださいね。■4.擬音語を声に出す「“さらさら”とか“ふわふわ”とか、説明をするときに擬音をうまく使っている女の子って話し上手だなぁと思う」(20代/製造)ふわふわ、キラキラ、さらさら、カサカサ・・・などの擬音語を声に出すのもモテ声のひとつ。擬音語を使うことで、聞き手はイメージをしやすくなり、話に引き込まれるようになります。「この間食べたプリンがね、すごくぷるぷるしてて美味しかったの」「フレンチトースト、すごくとろとろしてるね」などとバリエーション豊かに使ってみましょう。■5.こそこそ話をする「飲み会で周りがうるさかったときに、耳元で“梅酒頼んでくれる?”って頼まれたドキドキした」(20代/金融)こそこそ話は男性をドキドキさせるモテ声の鉄板です。大事な話をしたいときや、周囲が騒がしいときなど、こっそり彼の耳元で囁くように会話をしてみましょう。このときは、声のトーンなどは気にせず、息をたっぷり使って話すようにするのが色っぽくて人気です。■おわりにモテというと、ヘアメイクやファッションにばかり注目しがち。でも、実際に顔を合わせて話すときはもちろん、電話でも効力を発揮する「モテ声」を手に入れることも重要なはず。今度はモテ声を意識して、素敵な声を手に入れちゃいましょう!(小林リズム/ライター)(ハウコレ編集部)
2016年12月03日