『ライフ』などで知られる漫画家・すえのぶけいこ原作の『ライフ 2 ギバーテイカー』(講談社アフタヌーン KC)がWOWOWにて連続ドラマ化されることが決定。『連続ドラマ W ギバーテイカー』(全5話)として、2023年にWOWOW プライムにて放送・WOWOWオンデマンドにて配信される。原作は、累計発行部数1000万部越えのメガヒット漫画『ライフ』にて社会現象を巻き起こしたすえのぶけいこの初の青年誌連載作品。連載開始前から注目を集め、迫力あるタッチでエネルギッシュに描かれたその強烈なストーリーと独特な心理描写が、『ライフ』に次ぐ“第2の衝撃作”と話題を呼んだ。ドラマ化するにあたり、原作とキャラクターの魅力を最大限に活かし、作品に刻まれたメッセージを映像化ならではのアプローチでより深く表現するため、原作の設定である“妹が殺された刑事”を、“娘が殺された刑事”へと変更。監督は、WOWOW 開局 25周年記念『連続ドラマ W 沈まぬ太陽』、『WOWOW オリジナルドラマ ヒル』、『連続ドラマ W シャイロックの子供たち』の鈴木浩介、脚本は『連続ドラマ W 黒鳥の湖』、『ドクターホワイト』などを手掛けた小峯裕之が務める。そして、被害者遺族としての絶望が内在する、主演の刑事役を中谷美紀が演じることが決定した。中谷は来年、女優デビュー30周年。連続ドラマの主演は2019年の『ハル~総合商社の女~』以来、WOWOWのドラマへの出演は2017年の主演作『連続ドラマ W 東野圭吾 片想い』以来の2度目となる。中谷が演じる主人公・倉澤は元小学校教諭の刑事。彼女は可愛がっていた教え子・ルオトに、愛する娘を惨殺された過去を持つ。事件当時12歳という犯人の幼さも相まって、この猟奇的殺人事件は日本中に大きな衝撃をもたらした。倉澤は被害者遺族として絶望を味わい、その経験から生まれた“自分と同じように苦しむ人を一人でも多く救いたい”という想いのもと、刑事になった。その強い信念に突き動かされ、事件解決に奔走する日々を送ること12年。倉澤は娘の命日を目前に、ルオトが医療少年院を退院することを知る。そして、ルオトが「完全に更生した」との話を聞くも、被害者遺族として疑心を抱かずにはいられない彼女の元に、ある日、不審なメッセージが届く。「あなたの大切なものを、もういちど奪います」ーーそれは、再び日本中を震撼させる新たな事件の始まりだった……。倉澤は普段は冷静を保っているが、時に自身の危険を顧みずに行動する、“クールな頭脳派”とも一味違った刑事。理不尽な相手と闘い続け、刑事として理性を保とうとしながらも、内在する犯罪者への怒りや憎しみを発露させてしまう難役だ。中谷はそんな倉澤を見事に体現し、ルオトとの悲しき追跡劇の根底にある強いメッセージを、説得力のある確かな演技力で表現。中谷は「この人物の底なしの悲しみに寄り添いつつも、がむしゃらに事件に立ち向かう倉澤樹を演じる日々は大変苦しく、常に自責の念がつきまとい、死の淵に立たされているかのような感覚で現場におりましたが、素晴らしい監督とスタッフ、キャストの皆様に支えられて、怒濤の撮影を終え、無事に生還することができました」と撮影を振り返った。今回、公開されたティザービジュアルも添えられたキャッチコピー、そしてその表情、目線から、倉澤の信念を強く感じさせるデザインとなっている。中谷美紀、すえのぶけいこ、鈴木浩介監督コメント全文中谷美紀(倉澤樹役)「もしも自分の娘を自らが教鞭を執る学校の生徒に惨殺されたら?」という、想像もしたくないような事件がこの物語の冒頭で起こります。今回演じた倉澤樹という元教師は、これ以上の被害者を出さないように、同じ苦しみを味わう人を少しでもなくすために、刑事になることを選択しました。以来、警察の縦社会など物ともせず、単独行動で犯人逮捕に血道を上げる一方で、マザーテレサのような質素な暮らしぶりを続けます。しかし、娘を殺した犯人・貴志ルオトが医療少年院を退院したことをきっかけに、快楽のために人を殺める孤独な少年と、倉澤樹の死闘が開始のゴングを響かせます。怒り、憎悪、悲しみ、絶望と、ありとあらゆる感情を抱えて貴志ルオトと向き合う過程で、ハラハラドキドキな緊張感の絶えない、めくるめく展開が待ち受けています。この人物の底なしの悲しみに寄り添いつつも、がむしゃらに事件に立ち向かう倉澤樹を演じる日々は大変苦しく、常に自責の念がつきまとい、死の淵に立たされているかのような感覚で現場におりましたが、素晴らしい監督とスタッフ、キャストの皆様に支えられて、怒濤の撮影を終え、無事に生還することができました。果たして被害者遺族として犯人に復讐をするのか、あるいは刑事として事件を追うのか、究極の選択に迫られる倉澤樹と、周囲の登場人物たちの豊かな心情描写、そして、貴志ルオトというモンスターが仕掛ける数々の罠をお楽しみいただけましたら幸いです。すえのぶけいこ(原作者)最初にドラマ化のお話をいただいた時は主人公の年齢設定が変わるとのことでどうなるんだろう?と思っていたのですが、倉澤樹を中谷美紀さんに演じてもらえるという予想外の展開に大興奮。喜びとワクワクが込み上げてきました。連載中は未成年の犯罪や遺族となった家族の手記を調べていくうちに暗澹たる気持ちになったり、重いテーマに葛藤を感じながら日々奮闘していたので、豪華なキャストの皆様に演じていただけることになり感激しています。映像でよりリアルに、スリリングになっている部分がたくさんあると思うので私自身も放送が楽しみです。原作を読んでくれている方も、初めて知ったという方も、ぜひ『ギバーテイカー』の世界に浸ってもらえたら嬉しいです!鈴木浩介(監督)原作から脚本という形に変わり、色々な変更点など加味されましたが、わたしなりに作品のテーマを「家族」と捉え、主人公の樹が背負わされた生き方にどう寄り添うことができるか、驚愕な行動をしたルオトの家族の描き方も踏まえ、どのように映像にするかを模索する毎日でした。中谷さんとは初めてご一緒させていただきました。とても素敵な時間を共有させていただき、貴重な人生分の2ヶ月を過ごすことができました。そして何より、心地よい緊張感をスタッフ・キャストと共有し、本作と真摯に寄り添うことができました。10年ほど前からWOWOW作品に参加させていただきましたが、日々の撮影が終わった瞬間、もの凄い安堵感に包まれたのは本作がはじめてでした。本作独特の世界観が、そうさせたのかもしれません。【原作情報】『ライフ2ギバーテイカー』(講談社アフタヌーンKC)『月刊アフタヌーン』にて2016年~2018年に渡り連載、単行本・全6巻にて完結。詳細: :@keiko_suenobu『連続ドラマ W ギバーテイカー』2023年、WOWOW プライムにて放送・WOWOW オンデマンドにて配信
2022年09月15日山梨県身延町では2月1日より、山梨県外に向けた観光・文化をPRした100本動画「みのぶでできる100のこと」をYouTubeで公開しました。2016年にスタートした100本動画ですが、今回大型リニューアルを実施し、ナレーションはゆるキャン△でもおなじみの声優の大塚明夫さんにご出演いただきました。身延町観光課YouTubeチャンネル「みのぶでできる100のこと」 ■特徴(1)観光PR動画を100本制作日蓮宗の総本山として知られる身延山久遠寺をはじめ、下部温泉郷や本栖湖でのキャンプ、特産品、グルメ、あまり知られていないローカル情報を織り交ぜた100本動画。身延町の名物のみのぶまんじゅうや幻の大豆と呼ばれている「あけぼの大豆」、グルメでは「身延どんぶり街道」が登場します。 「みのぶでできる100のこと」ロゴ(2)住民や町職員をはじめ、町に関わりのある方の出演住民や身延町の役場職員を中心に、延べ250名を超える町関係者が出演。久遠寺のお坊さん、食堂や観光施設の皆さん、特産品の生産者の皆さん、町のこども達、平均年齢80歳以上の直売所の皆さんなどです。また、町の歌を歌っている身延町観光大使の佐々木恵梨さんも出演し町の魅力を伝えています。身延町観光大使の佐々木恵梨さん「夕方5時に町の歌を聞いてみた♪」出演できること100本動画サムネイル(3)ナレーションにゆるキャン△でおなじみの大塚明夫さんの出演身延町はアニメツーリズム協会の2022年版の「訪れてみたい日本のアニメ聖地88」にも選出されました。100本動画の全てのタイトルコール「みのぶでできる100のこと」に、ゆるキャン△でもおなじみの大塚明夫さんにご出演いただいております。 ナレーションを務める大塚明夫さん■身延町について町の中央を日本三大急流のひとつ「富士川」が流れ、四季折々の彩りが美しい清流と名山の峰々に囲まれた中山間地域です。町の観光資源として、南部には700年以上にわたり人々の信仰を集めてきた日蓮宗の総本山「身延山久遠寺」、東部には日本の名湯100選のひとつ武田信玄の隠し湯とも伝わる「下部温泉郷」や、戦国時代のゴールドラッシュを支えた「甲斐金山遺跡」、他にも富士五湖の一つ千円札の富士山が見られる「本栖湖」や、北部には450年以上もの伝統が現代まで引き継がれている「西嶋和紙」の生産地があります。また地域性が強く幻と呼ばれている「あけぼの大豆」が町の特産品として喜ばれています。日蓮宗の総本山 身延山久遠寺のしだれ桜身延町の本栖湖畔から望む富士山幻の大豆と呼ばれている あけぼの大豆観光のまち身延町ではWebサイトやSNSでも町の情報を発信しております。身延町公式マスコットキャラクター「みのワン」□「みのワン」がFacebookとTwitterを発信Facebook Twitter □身延町観光課公式Instagram □身延町観光課公式ウェブサイト 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2022年02月01日WOWOWオリジナルドラマ「異世界居酒屋 のぶ」の待望の新シリーズ「Season2~魔女と大司教編~」が5月より放送されることが決定。キャストらのコメントも到着した。蝉川夏哉の大人気シリーズ小説を実写ドラマ化した本作。異世界につながってしまった居酒屋を舞台に、庶民的な居酒屋料理やお酒を通じて温かな人間ドラマが繰り広げられるグルメファンタジーだ。コロナ禍においてステイホームが呼びかけられる真っただ中の、2020年5月に放送開始された前作。当時、居酒屋にいけない多くの視聴者などから支持を集め、最終回放送直後、Twitter上で「#のぶシーズン2希望」の署名運動が巻き起こり、トレンド入りするなど異例の現象を巻き起こした。その人気作が約2年の歳月を経て、ついにSeason2となって帰ってくる。前作同様に居酒屋「のぶ」を切り盛りする食にいちずな職人かたぎの料理人・大将こと矢澤信之役を大谷亮平が主演として務める。その「のぶ」で常連客に愛される看板娘・千家しのぶ役を武田玲奈が演じ、また、監督&脚本も前作に続き、品川ヒロシが手掛ける。待望の新シーズンでは、原作者の蝉川夏哉も太鼓判を押す品川監督こだわりの美術、アクションをさらに研ぎ澄ませつつ、異世界の人間関係に主眼を置き、Season1に登場した多様なキャスト陣に加え、更なる個性豊かなキャラクターたちが登場。壮大なストーリーが展開される。美味しそうにみせる料理描写が最大の魅力の本作。 ASMR効果で話題となった料理の効果音もさらに磨き上げ、温度が伝わってくるほどのシズル感や、実際に食べたときの「カリっ」「サクッ」「ジュワー」っとした擬音を最高レベルで追求してパワーアップしている。主演・大谷亮平(大将こと矢澤信之役)コメント続編は私自身も心待ちにしていました。慣れ親しんだ居酒屋のセットに戻れることや、そこから生まれる新たな展開を再び集結して制作できることは純粋に嬉しかったです。今回は私が演じる大将のキャラクターにも多少変化があり、しのぶとの掛け合いなどクスッと笑える場面も散りばめられています。新 たな登場人物、「のぶ」ならではの料理から広がる心温まるエピソードの数々。非常に見応えのあるシーズン2となっていますので是非お楽しみに!武田玲奈(看板娘・千家しのぶ役)コメントこの度、また千家しのぶ役が演じられる事ができ、そしてまた皆様に異世界居酒屋「のぶ」をお届けできる事をとても嬉しく思います!Season2とあって、キャストもスタッフも更に一丸となって撮影に臨みました!現場は笑いが絶えなくとても最高な雰囲気での撮影でした!そして、新しい豪華なキャストやまたまた美味しい料理も沢山出てきます!皆様、是非お好きな飲み物を片手に異世界居酒屋「のぶ」を楽しんでください!品川ヒロシ(監督&脚本)コメントシーズン1のオンエア時にはTwitterのトレンド1位に輝くなど盛り上がっていただいたおかげで、シー ズン2の制作に結びついたと思います。なのでシーズン1を見て愛していただいたみなさんの期待に応えられるような作品になるよう気合が入りました。前作よりもパワーアップした作品になったと思います!!美味しい料理。常連さんのキャラクター。新しい登場人物。ぜひお楽しみに。原作者・蝉川夏哉コメント視聴者の皆様、原作者の蝉川夏哉です。ドラマ二期の放映決定ということで、感激しています。それもこれも、応援してくださった視聴者の皆様のお陰です。本当にありがとうございます!前回に引き続き、 最高のスタッフ、最高のキャストでのドラマ化で、私も放映が楽しみです。もちろん今回も美味しいお酒と料理がたくさん登場します。皆様も是非、温かく美味しい物語を、お召し上がりください!WOWOWオリジナルドラマ 「異世界居酒屋『のぶ』Season2~魔女と大司教編~」(全10話)は5月放送・配信(第1話無料放送)。(text:cinemacafe.net)
2022年01月19日人気声優たちでアニメ化もされた蝉川夏哉のライトノベル『異世界居酒屋「のぶ」』が、大谷亮平主演、品川ヒロシ監督・脚本で実写ドラマ化決定。クランクアップ時のスチールやキャストコメントが到着した。シリーズ累計300万部突破の『異世界居酒屋「のぶ」』は、中世ヨーロッパのような異世界の古都・アイテーリアになぜか繋がってしまった居酒屋「のぶ」を舞台にしたグルメファンタジー作品。小説投稿サイト「小説家になろう」で2012年10月より連載が始まると瞬く間に話題となり、書籍化、コミカライズ化、さらにアニメ化もされた。そのほか様々なメディア展開が行われており、日本のみならず世界中に多くのファンを持つ。本作は、異世界を舞台にしながらも、生ビールや唐揚げといった庶民的な居酒屋料理とお酒が登場し、それを通じて繰り広げられる、温かな人間ドラマが絶大な支持を得ているのだ。そんな人気作がついに実写化。主演の大谷さんが演じるのは、食に一途な職人気質の料理人で「のぶ」の大将・矢澤信之。「ファンタジー系の作品に参加させていただくのは初めて」と語る大谷さんは、「居酒屋を舞台に、初めて足を踏み入れる客との滑稽なやりとりに笑わせてもらい、ウルッとくるエピソードに心温まる事もありましたが、同時に様々な出来事が巻き起こる居酒屋の大将として、やりがいのある重要な役どころだなとも感じました」とコメント。また「のぶ」の給仕で看板娘の千家しのぶを演じるのは、『人狼ゲーム インフェルノ』「マジで航海してます。」に出演する女優でモデルの武田玲奈。「私はもともとアニメや漫画が好きで“異世界もの”もすごく好きなので、この作品に参加できてとても嬉しいです!」と今作への出演を喜んだ武田さんは、「小説は小説、漫画は漫画、ドラマはドラマならではの面白さがあると思います!原作ファンの方もそうでない方も是非お腹が空いている時に見てみてください!(笑)究極の飯テロです!」と呼びかけている。一方、品川監督は「この原作を僕が脚本・監督でというお話をいただいた時は正直ビックリしました」とふり返り、「日本人が異世界の人間を演じるので安いコントになってしまわないように、とにかくセットと絵作りにこだわりました。そして料理を美味しそうに撮る。全キャストを魅力的に撮る。原作を最大限リスペクトしつつ、実写ならではの良さが出るようにこだわりました」とポイントを明かした。そして、原作者の蝉川氏は「信じられない、というのが率直な感想でした。居酒屋を舞台にしているとはいえ、異世界のお話ですから、いろいろと実写には難しい面もあります」とドラマ化決定時の心境を語りつつ、「この作品を実写にする際に一番のネックになるのが異世界の文物だろうなと思っていたのですが、撮影のセットも小道具も大道具も本当に見事なできばえで、早く皆さんにご覧頂きたいです。そして、居酒屋『のぶ』!この内装が実に拘っていて、とても細かいところまで入念に作られているのが実に素晴らしかったです」と絶賛している。<ストーリー>京都の寂れた通りに店を構えた居酒屋「のぶ」は、正面入口がなぜか中世ヨーロッパのような異世界・アイテーリアへと繋がってしまう。元は料亭の板前だった大将こと矢澤信之(大谷亮平)と明るく利発な看板娘の千家しのぶ(武田玲奈)は、アイテーリアで店を始めることに。すると冷えたビール“トリアエズナマ”が人気となり、徐々に店は繁盛していった。兵士、職人、商人、貴族など、仕事も身分も様々な客たち誰もが気軽にちょっと一杯。彼らは「のぶ」で未体験の料理とお酒の美味しさに驚きながら、幸せな時間を過ごし日々の疲れから解き放たれていく。WOWOWオリジナルドラマ『異世界居酒屋「のぶ」』は5月、WOWOWにて放送予定(全10話/第1話無料放送)。(cinemacafe.net)
2020年01月25日どうしてこの1曲に、ママたちはモヤモヤするのでしょうか…。動画配信サービスのHuluで始まった親子向け番組「だい! だい! だいすけおにいさん!!」で、絵本作家のぶみ氏の作詞による「あたし、おかあさんだから」という歌が流れ、その歌詞が「母親の犠牲を美化している」などとしてTwitterなどネットで炎上しています。のぶみ氏が「『あたしおかあさんだから』発表」と歌のリリースを告知したTweetには、200件以上の批判のリプライが寄せられました。テレビの地上波放送で流れたわけでもないのに、「あたし、おかあさんだから」はどうしてこんなに炎上してしまったのでしょうか?原因のひとつは、歌を歌う番組MCの横山だいすけさんがNHK Eテレ「おかあさんといっしょ」11代目うたのおにいさんであり、9年間にわたって乳幼児を育てるママたちに寄り添ってきたメジャーな存在だから。もうひとつの原因は、作詞をしたのぶみ氏がママたちの間で物議を醸すのは今回が初めてではなく、以前から彼のベストセラー絵本「ママがおばけになっちゃった!」などの内容に違和感を抱くママが少なからずいたからでしょう。この歌詞が拡散された時「また、あの人?」と即座に反発する動きになったと思われます。■歌の中の“おかあさん”はワンオペ育児で大変すぎる!?「あたし、おかあさんだから」の歌詞は、ひとりのママの物語として綴られているようです。内容を追ってみると、そのストーリーは…以前はひとり暮らしをし、ネイルしてヒールはいて働いていた女性。若い頃はやせていて、好きなことばっかりして好きなものを買っていた。自分のことばかり考えていた。↓(おそらく結婚・出産し)お母さんになって爪を切ってパートに出るようになった。↓毎朝5時に起きて、料理は苦手だけれど頑張って作り、好きなおかずは子どもにあげ、カレーも子ども用の甘いカレーしか作らない。↓子どもの好きな新幹線の名前を覚え、テレビも子ども向けのものばかり見ている。夜中に遊びに行ったり、ライブに行ったりすることはやめた。自分用の服も買わなくなった。↓でも、それらをすべてやめても、おかあさんになってよかった。あなた(子ども)のことばっかり考えている。という流れ。まとめると、「母親になってあきらめたことがいっぱいあるし、育児はしんどいけれど、子を持った喜びには代えられない」というメッセージになっているようです。■「実際の育児はそんなに我慢ばかりではない」という違和感のぶみ氏がFacebookなどで「お母さんだから我慢していることは何ですか?」と呼びかけ、実際のママたちの声を集めて歌詞を書いたというだけあって、ひとつひとつのエピソードはそれなりにリアルです。例えば、子育て中のママが友だちから「子どもできたら、大変なことって何?」と質問された場合、「唐揚げ作ると、ほとんど子どもに食べられちゃう」、「辛党なのにカレー辛口にできないんだよね」、「ライブには2年ぐらい行ってない~」などと(笑)付きで答えそうなことばかり。ひとつひとつはちょっとした愚痴ていどなのに、それを歌詞の中で“ひとりのお母さん”に全部背負わせ、「お母さんだから頑張るの」と言わせてしまったとたん、歌詞から漂いだす悲壮感たるや! ママたちがこの歌詞に抱いた違和感は、第一に「私たちの子育ては、ここまで大変じゃない。なにもかも我慢しているわけではない」ということではないでしょうか。実際に、Huluの番組でこの歌が流れた時は、番組で募集したらしき母子のハッピーな写真が映し出されていました。歌詞ではネイルをやめた“おかあさん”ですが、写真にはきれいにネイルしているママも出てきましたし、歌詞では自分の服を買えない“おかあさん”ですが、写真にはおしゃれな母子コーデをしているママもいました。どうも実際のママたちと歌の中の“おかあさん”にギャップがあるのです。多くの場合、子育てってこんなに悲惨なものじゃないはず。私たちママを“かわいそうな”存在にしないでほしいという思いが、反発を呼んだのかもしれません。 ■ママが死ぬという衝撃的な幼児用絵本にも批判があった“かわいそうなお母さん”は、のぶみ氏の絵本にも登場します。ベストセラーにもなった「ママがおばけになっちゃった!」では、おっちょこちょいゆえに交通事故で死んでしまったママが、ひとり息子のかんたろうの前に幽霊として現われ、「(あの世に)行かないで」と息子に大泣きされて自分も泣いてしまいます。それ自体は泣ける話ではあるのですが、版元の講談社は対象年齢を「3歳から」としており、同社のサイトには「冒頭でママが死ぬ、衝撃のベストセラー」というキャッチコピーも載っています。それについて、親子の愛着形成が大切な幼児期にこの本を読むことで、子どもたちに「お母さんが死んでしまう、いなくなってしまう」というこれ以上ないほどの大きな不安を与えていいのか? という指摘もされてきました。ママと子どもがボロボロと大泣きして「さよならしたくない」と言い合うこの絵本。のぶみ氏のほかの作品でも「ママのスマホになりたい」、「おこらせるくん」など母子の関係を描いたものでは、最後におかあさんが涙を流して、子どもも泣くというウェットな展開が多いように感じます。母と子だけの完全なる愛の世界。これらの絵本には一度も「お父さん(父親)」が描かれず、まるで、お父さんがいないかのようなことになっています。■「あたし、おかあさんだから」の世界にはお父さんがいない…「あたし、おかあさんだから」の歌詞にも、お父さんはいっさい出てきません。この父親の不在が、ママたちに違和感を抱かせるもうひとつの理由になっているのではないでしょうか。歌詞に登場するお母さんは、毎朝5時に起きて家事に育児にパートにと追われているのですが、その間、お父さんは何をしているのでしょうか? お父さんは、休日ぐらい“子鉄”の息子に付き合って新幹線を見に行き、その間、お母さんを好きなライブに行かせてあげればいいのでは? お母さんにパート代で自分の服を買ったらいいよと言うことだってできるはずです。Twitterでこの歌の内容に反発する「#あたしおかあさんだけど」というハッシュタグが生まれ、ママたちが次々に「私はお母さんだけど、おしゃれや趣味を楽しんでいるよ」と投稿しました。そこから、さらに育児しない夫のことを愚痴るハッシュタグ「#おまえおとうさんなのに」へと広がっていったのは象徴的です。お母さんにとって、育児はこの歌で歌われるような苦行ではない。けれど、育児の負担がお母さんばかりにのしかかっている現状は不公平だと思っているし、もっとお父さんが育児を分担するようになってほしい。そんなふうに考えているママたちの願いを、この歌は「あたし、おかあさんだから」つまり「あなたはお母さんなんだから我慢しなさい」と封じ込めているようにも聞こえるのです。のぶみ氏はTwitterで「これはママおつかれさまの応援歌」とも説明しましたが(現在そのツイートは削除)、「不公平な状況を我慢している“おかあさん”ってすごい!」と男性の立場から言われても、馬鹿にされているようにしか思えないのかもしれません。
2018年02月07日2015年に発行された絵本『ママがおばけになっちゃった!』(講談社刊)。シリーズ累計55万部を記録するベストセラー絵本。事故で突然死んでしまったママが、おばけになって4歳の息子のもとへ現れ、ママがいなくなってさみしがる息子を励ましながら、じっくりと大切なことを伝えていく絵本です。発売当初から「ありえないストーリー」「子どもがショックを受ける」など、賛否両論あり話題になりましたが、「子どもに“大好き”と伝えることの大切さを知った」や「泣けて、なぜか笑ってしまう絵本」など多くのファンから支持されている絵本です。その人気絵本の世界が楽しめる展覧会『ママがおばけになっちゃった! 絵本作家のぶみの世界展』が8月3日(木)から、二子玉川ライズのiTSCOM STUDIO&HALLで開催されます。半年以上前から準備をしてきた絵本作家のぶみさんに展覧会への意気込み、作品への思いをインタビューしました。子どももママも、おばあちゃんも。3世代がそれぞれ楽しめるイベントに昨年、阪急うめだ本店でも開催され、大盛況のイベントだったそうですね。今回はどんな展示になっていますか?「一番の見どころは、このイベントで初公開する『ママがおばけになっちゃった!』の最新作『ぼく、ママとけっこんする!』です! 9月15日に発売なのですが、ひと足早く読み聞かせをします。この最新作も含めて、これまでのシリーズの原画を一同に展示しますよ。原画展というと、ママや大人は楽しめるけど子どもは退屈…ということが多いのですが、今回は子どもが楽しめて、ママやおばあちゃんもくつろげるような空間づくりをしました。子どもには、巨大なママおばけとボールプール、自由に作ったり描いたりできる粘土コーナー&落書きコーナーで、たっぷり遊びながら、『ママが〜』の世界を楽しんでもらう。ママには原画やインタビュー映像がじっくり楽しめるように、おばあちゃんのためには椅子を増やし、そこに絵本を置いて、休みながら読めるように工夫しました。コーヒーが無料で飲めるコーナーもあるんですよ。昨年は“子どもが帰らない展覧会”と言われましたが(笑)、それ以上に楽しめる展覧会になったはず」新作『おこらせるくん』『このママにきーめた!』も新作「『おこらせるくん』(KADOKAWA刊)は、全国のママから聞いたお悩み第1位「子どもにすぐ怒ってしまう」の理由を絵本にしたもの。なぜママが怒るかといえば、子どものことが好きすぎて、自分より幸せになってほしい・成功してほしいという思いが加熱するからなんです。でも子どもは、怒っているママが嫌い。絵本を通じて、ママはなぜ怒るかの理由を冷静に判断できるし、子どもはママが怒る理由を知り、お互いの絆がきっと深まるはずです。『このママにきーめた!』(サンマーク出版刊)は、体内記憶がある子どもたち100人から話を聞いて作った絵本です。体内記憶がある子どもになぜ産まれてきたかを聞くと、『ママを選んで産まれてきた。ママを喜ばせるために』とみんなが答えました。子どもはママを喜ばせたい一心で、ふざけたり、バカなことをやってしまう。しかしママは、子どもを思って怒ってばかり。この関係性のズレを知ることで、少ししつけや子育ての概念が変わると思います。他にも、『おにごっこできるえほん』(幻冬舎刊)、うんこちゃんシリーズ最新作『うんこちゃんけっこんする』(ひかりのくに刊)、『あくまちゃんとてんしちゃん』(幻冬舎刊)は2017年8月発売です。展覧会に行けない方は、ぜひ書店でチェックしてみてください」“究極の絵本”と実体験がミックスして完成した『ママがおばけになっちゃた!』話を聞いていると、ママの本音や夫婦のあり方、子どもの興味深いデータなど、まるで“歩く子育て分析家”のように情報が満載ののぶみさん。『ママがおばけになっちゃた!』は、どんなきっかけでできた絵本なのでしょうか?「究極の絵本が作りたかったからです。ある日、僕の奥さんが『あたしが死んだら、みんなどうなるんだろうね』と言ったんですね。それがきっかけで、『ママがおばけになっちゃた!』は生まれました。話の最後に、おばけになったママが『新幹線が好きなあなたが好きよ、ブロックが好きなあなたが好きよ、友達に優しくできるあなたが好きよ』と言う場面があるのですが、これは僕の奥さんが息子に言っていた言葉です。『いいところも好きだけど、ダメなところが好きだった』というセリフも実は深くて、みんな悪いところがあるのが普通で、それを認めてあげることが、子どもにとって一番の癒しになる。良いところ以外は嫌いとなると、子どもがウソをついたり、苦しくなってしまうんですよね。『ママが〜』の最新作『ぼく、ママとけっこんする!』(講談社刊)は、3歳の男の子がママと結婚したいというシーンからはじまり、実際に大人になって結婚するまでの話です。前2作が悲しすぎて読めないという人にも、こちらはおすすめ。とてもあたたかい気持ちになれるはずです」「化学実験みたいに作る絵本」と語るように、のぶみさんの絵本には、ママ本人でも気づかないような、小さな心の動きや迷い、ふと忘れてしまいがちな一瞬の喜びが散りばめられています。ただ感覚で描くだけでなく、たくさんのママや子どもたちの声を聞きながら、分析しながら作る絵本だからこそ、心が動かされる瞬間が多くあるのだと思いました。シリーズ最新作が初公開! 親子で楽しめる、絵本作家のぶみさんの展覧会原画をはじめ、のぶみさんが描く世界をより深く感じられる期間限定の展覧会は、2017年8月3日(木)から8月18日(金)までの開催です。また 8/3 (木)、6 (日)、13 (日)それぞれ14時から、のぶみさん本人による『読み聞かせ会』も開催します。のぶみさんの気さくな人柄や作品の魅力を直接感じられる貴重なチャンスです。------------------------------------『ママがおばけになっちゃった! 絵本作家のぶみの世界展』日程2017年8月3日(木)~8月18日(金)時間10:00-18:00(最終入場 17:30)※ 最終日 8/18(金)は17時まで(最終入場 16:30)料金大人(中学生以上)800円こども(3歳~小学生) 500円※ 税込。3歳未満無料。問い合わせ 事務局(株式会社 第一通信社内)TEL: 03-3237-4131---------------------<写真・文:フリーランス記者武田由紀子>
2017年08月03日