国内外の映画祭で60を超える賞を受賞した韓国映画『はちどり』のシナリオ、寄稿、対談をまとめた書籍の翻訳版『はちどり1994年、閉ざされることのない記憶の記録』が刊行。日本語版の特別企画として、キム・ボラ監督の最新インタビューが収録されている。映画『はちどり』 は、1994年のソウルに暮らす14歳の少女ウニの日常から、思春期ならではの葛藤や戸惑い、男性の優遇が当たり前だった社会背景を繊細に描いたキム・ボラ督の長編映画デビュー作。2018年釜山国際映画祭で初上映され、 韓国で異例の大ヒットとなり、日本では2020年6月に上映されて話題を呼んだ。今回の書籍には、本作の映画字幕翻訳者である根本理恵が訳したを全文公開。根本さんによる秀逸で詩的にも読める脚本集となっている。また、を収録。現在、日本でも注目を浴びる韓国の作家チェ・ウニョン、キム・ウォニョンなど、豪華な執筆陣によって紡がれた、映画を介して社会を見つめる珠玉の寄稿集。さらに、映画における性平等を守る「ベクダルテスト」で知られるアリソン・ベクダルとキム・ボラ監督が対談。として2日間にわたり、女性、ストーリー、創作について語り合った模様を収録。日本特別企画としては、撮影時の貴重な秘話やスチール写真を交えた、キム・ボラ監督のスペシャルロングインタビューも収録される。『はちどり1994年、閉ざされることのない記憶の記録』は発売中。出版元:オークラ出版定価:2,420円(税込)(text:cinemacafe.net)■関連作品:はちどり 2020年6月20日よりユーロスペースほか全国順次公開© 2018 EPIPHANY FILMS. All Rights Reserved.
2023年04月02日『はちどり』に続く、10代の少女の視点から家族と友人との関係を描いた韓国映画『夏時間』が2021年2月27日(土)より日本公開決定。本作が長編デビューとなる女性監督ユン・ダンビが手掛け、第24回釜山国際映画祭にて4冠の快挙を達成した。夏休みのある日、10代の少女オクジュは父親が事業に失敗したため、弟ドンジュと一緒に緑が生い茂る大きな庭のある祖父の家に引っ越した。しかし、そこに母親の姿はなかった。大きな居間とステレオセット、風が通る2階の窓際に置かれたミシン。日本の“昭和”のような懐かしい空気の家。弟は新しい環境にすぐ馴染むが、オクジュはどこか居心地の悪さを感じている。オクジュの逃げ道は、同級生との淡い恋模様。だが、そこに離婚寸前の叔母まで住みつき始め、ひとつ屋根の下に三世代が集まり、オクジュにとって、自分と家族のあり方を初めて意識せざるを得ない、ひと夏の日々が始まった――。『はちどり』のキム・ボラや『82年生まれ、キム・ジヨン』のキム・ドヨン、『わたしたち』のユン・ガウンらに並ぶ、新たな才能といえるユン・ダンビ監督は1990年生まれ。第24回釜山国際映画祭で4冠に輝いたことを筆頭に、ロッテルダム国際映画祭など数多くの映画祭で、デビュー作の繊細さと確かな演出力が絶賛された。姉オクジュ役のチェ・ジョンウンは本作で映画デビュー、監督が見つけた1枚の写真から大抜擢された。弟ドンジュ役のパク・スンジュンは人気ドラマ「愛の不時着」にも出演している天才子役。この姉弟と家族との自然なアンサンブルが観客の感情を刺激、緑色の庭や夏の西日、風に揺れる蚊帳、開け放たれた窓、真っ赤なスイカ、懐かしい古いミシン、午睡の夢など、ユン・ダンビ監督が描く、懐かしく繊細な夏の物語の中に息づく。『夏時間』は2021年2月27日(土)よりユーロスペースほか全国にて順次公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:夏時間 2021年2月27日よりユーロスペースほか全国にて公開© 2019 ONU FILM, ALL RIGHTS RESERVED
2020年12月11日6月20日(土)より都内1館(ユーロスペース)で公開スタートした韓国映画『はちどり』が、SNSや口コミを受けて公開劇場が続々と拡大されている。38歳のキム・ボラ監督による初長編作品である本作は、同年代の女性たちの共感を呼び、単館公開としては異例の大ヒット。キム・ボラ監督は、韓国で最も話題の女性監督のひとりに挙げられている。そんな本作に、「見逃してはいけない傑作」「評判の良さは聞いていたが、まさかこれ程とは」「昨日観た『はちどり』が素晴らしすぎて心から離れないでいる」などの絶賛口コミが拡散。こうした観客からの応援の声を受ける形で、ユナイテッド・シネマ豊洲の上映が早まったほか、7月3日(金)にオープンしたTOHOシネマズ 池袋のオープニング作品にも決定。TOHOシネマズ 日比谷とともに都内4館で拡大上映となり、公開1週目の土日の集客は664名だったが(公開館数:1館)、公開3週目の土日は1,522名(公開館数:9館)と1週目比・230%増の大ヒットに。客層の男女比は5:5で、メインは20代~40代と幅広く、初日はコアな映画ファンの姿が多く見受けられたが、公開日が経過するにつれ、大学生や30~40代女性の姿も目立ってきているとか。今後も、さらなる順次拡大公開が予定されている。『はちどり』は全国にて順次公開中。(text:cinemacafe.net)■関連作品:はちどり 2020年6月20日よりユーロスペースほか全国順次公開© 2018 EPIPHANY FILMS. All Rights Reserved.
2020年07月09日ベルリン国際映画祭を始め、世界各国で50以上の賞を受賞した韓国映画『はちどり』。この度、本作の主人公、14歳のウニが憧れの大人の女性ヨンジと夜の公園で心を通わせる本編特別映像が解禁となった。今回解禁された本編映像は、思い通りにいかない日常に行き詰まったウニが、そのモヤモヤした気持ちを抱えたまま自身が通う漢文塾のヨンジ先生(キム・セビョク)のもとを訪れ、そこからの帰宅途中に夜の公園で2人だけで休息するシーンから始まる。「私が可哀想だから親切に?」そう、ヨンジ先生に尋ねるウニ。自分にとって憧れの女性である先生がこんなにも“何もない”自分に優しくしてくれる理由がわからないのだ。さらにウニは、「先生は自分が嫌になったりしない?」と質問する。それに対してヨンジ先生は「何度もある」「本当に何度も」「自分を好きになるには時間がかかると思う」「自分が嫌になる時、心をのぞいてみるの。“こんな心があるから、今の私を愛せないんだ”って」と正直に答える。パーフェクトな大人の女性である先生から、そんな答えを聞いて驚くウニ。そんなウニを見ながら、ヨンジ先生は続ける。「ウニ。つらい時は指を見て。そして指を1本1本動かすの。すると神秘を感じる」「何も出来ないようでも、指は動かせる」…毎日いろんなことに翻弄され、悩むかもしれないけれど、何気ない日常こそ奇跡で大事なことがつまっている、ということをヨンジがそっと伝え、ウニが理解する。年齢の差は関係なく、“自分や人生に対して悩む者同士”のウニとヨンジが心を通わせる印象的なシーンとなっている。『はちどり』は6月20日(土)よりユーロスペースほか全国にて順次公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:はちどり 2020年6月20日よりユーロスペースほか全国順次公開© 2018 EPIPHANY FILMS. All Rights Reserved.
2020年06月20日誰もが経験する思春期は、大人になったいまでも忘れられない出来事や胸がキュンとする思いがいくつもあるもの。そんな人生の“原点”を改めて思い出させてくれるオススメの新作がいよいよ公開を迎えます。それは……。韓国で異例の大ヒットを果たした『はちどり』【映画、ときどき私】 vol. 3051994年、両親と姉、兄とともにソウルの集合住宅に暮らしていた中学二年生のウニ。クラスになじめず、無気力な学校生活を送っていたが、男子学生のジワンや後輩の女の子ユリとデートをして過ごしていた。自分に無関心な大人に囲まれ、孤独な思いを抱えていたウニだったが、ある日通っていた塾に新しく教師としてやってきたヨンジと出会う。ヨンジに対して、徐々に心を開いていくウニだったが、新たな問題がウニに降りかかろうとしていた……。世界各国の名だたる映画祭で50を超える賞を受賞し、2019年の韓国の公開作品ベストテンではあの『パラサイト 半地下の家族』に次ぐ2位という高い評価を得ている本作。今回は監督・脚本を手がけたこちらの方に、作品の背景などについてお話をうかがいました。韓国のキム・ボラ監督現在38歳のキム・ボラ監督は、韓国でもっとも注目されている女性監督のひとり。本作が初の長編作品となりますが、完成までの道のりを振り返った心境や今後のこと、さらには韓国映画界のいまについても語っていただきました。―本作はシナリオだけで4年かけ、30代の多くの時間をこの作品に捧げて完成させたとのことですが、一番苦労したのはどのあたりでしょうか?監督もともと私は文章を書いたりするのが好きなので、シナリオを書くのは楽しかったんですが、気苦労のひとつは、出資会社が見つからなかったこと。政府からの支援金をもらうまでも何年もかかったので、製作費が集まらなくて本当に苦労しました。―創作活動とは別の現実的な問題のほうが大きかったのですね。監督そうですね。とはいえ、シナリオを書いているときは楽しいだけでなく、苦労した点もありました。なかでも、完成度を高めるためにディテールにこだわり、何度も修正したのは大変でしたね。なぜなら、人間というのは複雑なものなので、「善か悪か」「白か黒か」と決めつけてひとつの面しか見せないようなキャラクターや物語にしたくなかったからです。だからこそ、キャラクターを描くうえで、“ボーダーライン”をさまよっているような様子を入れることを意識しました。つまり、悪人のように見えるんだけど善があったり、善人のように見えるんだけど悪があったり、強く見えるけど弱さもある、弱く見えるけど強さもある、といった複雑な人間像であること。そこは特に苦労した点だと思います。―なるほど。本作は家族構成や両親の職業、主人公がある病気になることなど、監督自身のエピソードも数多く盛り込まれているそうですね。それらを映画として表現するうえで、葛藤したことはなかったでしょうか?監督映画というものは、クリエイターが作るものではありますが、同時に芸術作品でもありますよね。私は、映画というのは工場で作られるような作品にしてはいけないと思いますし、個人的な気持ちや考えを入れて作るからこそ、映画は芸術作品となり、美しくなるのだと考えています。ただし、今回はすべてが私の自叙伝というわけではありません。私が経験した具体的なエピソードをもとにはしていますが、それをどうやって普遍化させるかというのが非常に大きな課題でした。人を動かす軸になるのは「家族」―その問題を解決するために、何か特別な方法を取られましたか?監督物語の普遍化を実現するため、シナリオを書いているときに、韓国人だけでなく、ヨーロッパ、アメリカ、アジアという文化圏の異なるいろいろな国のさまざまな世代の方々に対してインタビューやモニタリングを行い、たくさんの意見を聞かせてもらうことにしたのです。そのうえで、そこにある共通点はなんだろうと考えましたが、結果的に「家族」というものが人の心を動かす軸になるというのがよくわかりました。そういったこともあり、本作では家族を軸に主人公のウニが成長していく姿を描いています。―ちなみに、ウニのキャラクターは監督の少女時代に近いところがありますか?監督劇中では、ユニと塾の教師であるヨンジの2人に、私の一部が反映されていると思います。とはいえ、父親や母親をはじめとするさまざまなキャラクターのなかにも、少しずつ私が入っているところがありますね。たとえば、彼氏のジワンの優柔不断さは私に似ていますし、後輩のユリがすぐに気が変わってしまうところも誰にでもある部分ですから。そんなふうに自叙伝的な要素が下地にはあるものの、あくまでもフィクションとして話を作り変えて描いています。―ただ、本作ではソンス大橋の崩落事故など、実際に起きた出来事なども描かれていますよね。監督ソンス大橋の崩落をモチーフに選んだのは、ウニというひとりの少女の内面や人間関係が崩壊していく様子と彼女が抱く喪失感を重ね合わせてみたいと思ったから。韓国は1988年のソウルオリンピック以降、「とにかく早く成長しなければいけない」という風潮があり、がんばりすぎたあまりに、ソンス大橋だけでなく、三豊(サンプン)デパートの崩壊といった象徴的な事故が立て続けに起きてしまいました。人間を無視した発展というものがどんな影響を与えるのか、といったことに対する警鐘を鳴らしている事件のようにも思えたので、この映画のなかに取り入れることにしたのです。そんなふうに個人的な出来事と社会的な事件には重なるところがあるんだ、というのも見せたいと思いました。女性監督の声が構図を塗り替えると期待されている―ウニの年齢設定に関しては、意図したところもありますか?監督厳密にいうと、ウニは私の1歳上になりますが、なぜ中学二年生という設定にしたかというと、韓国でも「中二病」という言葉がよく使われているからです。それほど中学二年生というのは、内面的にも大変な時期ですよね。たとえば、感情的に不安定な人を見ると「中二病なの?」なんて言うこともあり、中学二年生がよくないことのように受け止めている人が多いようですが、それぞれの年齢に合わせた感情の動きというのがあると思うので、その年齢のときに感情が不安定になるというのは当然のことだと私は考えています。―確かにそうですね。では、いまの韓国の映画界についてもおうかがいしますが、世界的な注目が集まり、人気実力ともに勢いをさらに増していると思います。そのなかにいるひとりとして、感じていることはありますか?監督韓国映画は、すごくうまくいっているように見えますし、実際にうまくいっている部分もありますが、実はいま韓国では反省の声も上がっているんです。―それは意外ですが、具体的にはどのあたりについてでしょうか?監督当然のことながらいい映画もたくさん撮られていますが、現在の文在寅(ムン・ジェイン)大統領の前の政権が非常に保守的だったため、その時期は画一化された作品が数多く作られていました。その結果、当時は新人監督がデビューするのはなかなか難しく、作られる映画は、まるで工場で作ったような多くの集客が見込める“超大作”ばかりになってしまったからです。ポン・ジュノ監督が『パラサイト』でたくさんの賞を受賞したことによって、「では、なぜ第二のポン・ジュノは現れないのか?」といった声が高まっています。もちろん、パク・チャヌク監督やイ・チャンドン監督など、韓国にはポン・ジュノ監督以外にも素晴らしい監督はいますが、そういった監督たちに続く次の世代が生まれていないことを反省しているのです。そんななか、去年あたりには女性監督ブームが起きたのですが、それによって「女性監督の新しい声が韓国映画界の構図を塗り替えてくれるのではないか」という希望の声もいっぽうでは聞かれています。そういう意味でも、この作品はいい時期に公開できたんだと感じているところです。―興味深いお話ですね。ちなみに、韓国は日本に比べると、国をあげて映画作りをサポートされている印象ですが、そういったシステムの良さを実感したことは?監督私はアメリカでも勉強した経験がありますが、アメリカではインディーズ映画に対する支援があまりなかったので、そういう面では韓国にはいくつものサポートがあると思います。たとえば今回は、韓国映像資料院や韓国映画振興委員会、釜山国際映画祭など、数多くの機関から支援をしていただきました。ただ、それでも足りなくてスタッフやキャストが自分を犠牲にしてがんばってくれたところもありましたが、いくつもの支援制度があることは確かですし、インディーズ映画でもサポートしてもらえるのは、ありがたいことです。なかでもよかったのは、ベルリン国際映画祭でこの作品のプレミアを行ったとき、多額の渡航費などを負担してくれたこと、それからポストプロダクションといわれる撮影後の作業に対しても支援をしてくれる制度があることでした。そんなふうに、撮影から完成、そしてプレミア上映まですべてを支援していただいたことは、本当に感謝しています。―監督は、これからの韓国映画界をけん引する女性監督のひとりになると思います。最後に、映画監督として目指していることや取り組みたい題材などがあれば、教えてください。監督まずは、自分にうそをつくような映画や私自身の魂が入っていない映画は作りたくないと思っています。「魂が込められた映画とは何か?」というのは、人生を白か黒かだけで見ることなく、現実にある小さな声もしっかりと伝えていくような作品のことです。そのほかには、女性や世間があまり目を向けないような疎外された人たちを取り上げたいとも考えていますが、そういった作品でも決して誰かを悪者にしたくはないというのは根底にあります。ちなみに、韓国の観客から「次は30代のウニを見てみたい」と言っていただいているのですが、この作品にかけた時間があまりにも長かったので、いまは少しだけ距離を置こうかなと(笑)。でも、未来のことはわからないので、この作品の続編に関しても、開かれた状態にはしておきたいと思っています。心に沁みわたる感動を味わう!世界で最も⼩さな⿃のひとつと言われ、蜜を求めるために1 秒に80 回も⽻ばたかせて⻑く⾶び続けるという“はちどり”。孤独や葛藤を抱えながらも、「希望・愛・⽣命⼒」の象徴とされるはちどりのごとく成長していく少女の姿に、共感せずにはいられないはず。そして、韓国が生んだ新たな女性監督の才能からも、刺激をもらってみては?胸に響く予告編はこちら!作品情報『はちどり』6月20日(土)より、ユーロスペースほか全国順次ロードショー!配給:アニモプロデュース© 2018 EPIPHANY FILMS. All Rights Reserved.
2020年06月19日韓国で最も話題の女性監督キム・ボラが手がけ、10代の日々を切り取った『はちどり』の公開日が6月20日(土)に決定した。政府および関係機関等による新型コロナウイルス感染拡大防止対策の方針に鑑み、当初の4月25日(土)から劇場公開を延期していたが、待望の劇場公開が決定。2018年、釜山国際映画祭でのワールドプレミア上映を皮切りに、ベルリン国際映画祭ジェネレーション14plus部門をはじめ、世界各国で50以上の賞を受賞した本作。韓国では単館公開としては異例の、公開1か月で観客動員数12万人超、最終的に15万に迫る大ヒットを果たし、かつて世界を熱狂させた『息もできない』(2008年)を凌ぐ評価を得た。主人公・ウニは、2016年に韓国で発売されるやベストセラーとなり、映画化もされた小説「82年生まれ、キム・ジヨン」の主人公の少女時代とも重なる。男性が優遇されることが当たり前だった時代に生きた女性の物語であり、声をあげようとする姿は、韓国の同年代の女性の共感を呼んだ作品となっている。『はちどり』は6月20日(土)よりユーロスペースほか全国にて順次公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:はちどり 2020年6月20日よりユーロスペースほか全国順次公開© 2018 EPIPHANY FILMS. All Rights Reserved.
2020年05月19日ベルリン国際映画祭を始め、世界各国で45以上の賞を受賞し、韓国の単館公開作品としては異例の大ヒットとなった『はちどり』の公開日が4月25日(土)に決定。併せて、ポスタービジュアルと新たなシーン写真5点が到着した。今回解禁されたポスタービジュアルは、主人公ウニの未来への強い意志を秘めた眼差しをとらえたもの。「この世界が、気になった」というキャッチコピーが中心に添えられており、ウニがこれから出会う世界への希望と不安を感じさせるものになっている。また、新たに解禁されたシーン写真は、友人とともに教室で勉強する様子や、放課後のデートシーン、友人とのたわいない時間などが収められたもの。いずれも、ささやかでありふれているけれど、決して忘れることのできない貴重な瞬間を切り取っており、思春期特有の揺れ動く思い、そして家族との関わりを繊細に描いた本作の世界観を映し出すものとなっている。『はちどり』は4月25日(土)よりユーロスペースほか全国にて順次公開。(text:cinemacafe.net)
2020年03月02日1990年代の韓国を舞台に、思春期特有の揺れ動く思い、そして家族との関わりを繊細に描いた『HOUSE OF HUMMINGBIRD』(英題)の邦題が『はちどり』として4月下旬から公開決定、場面写真が解禁となった。38歳のキム・ボラ監督による初長編作品である本作は、監督自身の少女時代の体験がベースとなっている作品。2018年、釜山国際映画祭でのワールドプレミア上映を皮切りに、ベルリン国際映画祭ジェネレーション14plus部門をはじめ国内外の映画祭で44を超える賞を受賞(1月現在)。2019年8月に公開され、単館公開規模ながら公開1か月で観客動員数12万人超、最終的に15万人に迫る異例の大ヒットを果たし、かつて世界を熱狂させた韓国映画『息もできない』(2008年)を凌ぐ評価を得るなど、いま韓国で最も話題の女性監督のひとりだ。今回解禁されたシーン写真は3点。ウニの強い意志を秘めた凛とした眼差しや、友人との放課後のささやかな時間、家族との日常の食卓風景など、いずれも“二度と戻らないありふれた少女時代特有の風景”を切り取ったものとなっている。1990年代を生きる本作の主人公・ウニは、2016年に韓国で発売されるやベストセラーとなった小説「82年生まれ、キム・ジヨン」の主人公の少女時代とも重なる。男性が優遇されることが当たり前だった時代、女性であるという理由で我慢しなくてはいけなかったこと、それがおかしいということに気がつかなかったこと。この2つの作品に共通するのは、そんな時代に生きた女性の物語であり、声をあげようとする姿。そして、その姿は韓国の同年代の女性の共感を呼んだ。世界で最も小さい鳥のひとつでありながら、その羽を1秒に80回も羽ばたかせ、蜜を求めて長く飛び続けるという「はちどり」。それは希望、愛、生命力の象徴とされ、その姿が主人公のウニと似ていると思った、と監督は語っている。様々な感情を抱えながら、成長し、この世界に羽ばたいていこうとするウニの姿に注目してほしい。ストーリー14歳の少女ウニ(パク・ジフ)は、何百もの世帯が暮らす無機質な姿をした集合団地で両親、姉、兄と共に生活している。思春期を迎え、大人の世界への興味も持ち始めていたウニは、学校にあまりなじめず、別の学校に通う親友と悪さをしたり、男子生徒や後輩の女の子とデートをしたりして過ごしていた。ウニの両親は、朝から晩まで小さな店を切り盛りし、厳格な父は子どもたちに学歴や世間体を求めるばかりで、彼らの心の動きと向き合う余裕がない。ウニは自分に無関心な大人たちに囲まれ、どこか孤独な思いを抱えていた。そんななか、初めて自分の人生を気にかけてくれる大人に出会う――。『はちどり』は4月下旬、ユーロスペースほか全国にて順次公開。(text:cinemacafe.net)
2020年01月27日