「笑いすぎて涙が出た」「才能あふれる家族!」ベン・マーシュさん一家がFacebookに投稿した替え歌動画が、世界中で笑いの渦を巻き起こしています。レ・ミゼラブル劇中歌『ワン・デイ・モア』を替え歌でベンさん一家が暮らすイギリスでは、2020年3月23日からロックダウンが行われ、4月5日現在、いまだ解かれていません。新型コロナウイルス感染症(以下、コロナウイルス)のこれ以上の感染拡大を防ぐためとはいえ、多少なりともストレスや不満は出てしまうもの。ベンさん一家もまた、ロックダウンが続く日々の中で、さまざまな不満を募らせていました。しかし、ベンさん一家はその不満を、名作『レ・ミゼラブル』の劇中歌『ワン・デイ・モア』の替え歌にのせ、笑いに変えることに。歌詞の一部を紹介すると「ネット上で買い物しようにも、9月まで在庫切れ」や「サッカーの試合がなくなった」、「離れた場所に暮らす祖父母はスカイプが使えない」など、歌詞と壮大なメロディのギャップに、笑いが込み上げてきます。また、クライマックスの「明日には分かる、神の御心が」というオリジナルの歌詞が、「明日には分かる、オンラインスーパーの品ぞろえが」となるなど、替え歌のセンスも抜群。もちろん、劇中で印象的なシーンの1つ、旗をかかげるシーンも再現するのも忘れてはいません。6人全員、歌がうまい点にも注目して、ベンさん一家による『ワン・デイ・モア』替え歌バージョンをお聴きください。This is the last one we are going to do on a lockdown theme, but it felt very apt. And it might be just in time to cheer up some friends and family who have had - or are about to have - birthdays, all by themselves. Decided to include a bit of the intro so that you can see what kind of madness Danielle Marsh and I would be dealing with, if we didn't occupy them with music making...Hope everyone out there is doing okay.Ben Marshさんの投稿 2020年3月29日日曜日コロナウイルスにより世界中に不安感が広まる中、多くの人に笑いを届けたベンさん一家の替え歌。しかし、届けたのは笑顔だけではないはずです。この状況をみんなで乗り越えようとする勇気も届けたのではないでしょうか。[文・構成/grape編集部]
2020年04月05日北米の映画業界が新型コロナウイルスの影響で、アメリカ同時多発テロ発生時を上回る大打撃を受けている。月曜日(現地時間)を迎えるまでは「確定」とはならないが、「Comscore」によると3月13日から15日までの北米のチケットの売り上げは、5530万ドル。過去20年でワースト(最低)の見込みだ。2001年9月11日に起きたアメリカ同時多発テロ後でも、最初の週は6630万ドル、翌週は5970万ドルと、先週より売り上げている。これまでの史上最低記録は2000年9月15日から17日までの5450万ドルで、当時はキアヌ・リーヴス主演の『ザ・ウォッチャー』、ジェイミー・フォックス主演の『ワイルド・チェイス』、キルスティン・ダンスト主演の『チアーズ!』などが上映されていた。史上最低2番目の売り上げ記録となった先週は、ピクサーの『2分の1の魔法』(第1位)、K・J・アパ主演の『I Still Believe』(第2位)、ヴィン・ディーゼル主演の『Bloodshot』(第3位)などが上映。『2分の1の魔法』は先々週に公開が始まり、4000万ドルを売り上げたが、先週末は1050万ドルと売り上げが74パーセントも落ち込んだ。通常なら3月中旬といえば子連れファミリーが映画館に行く時期でもあり、このジャンルの映画は十分に売り上げが見込める。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大により、多くの映画館が閉鎖されていたり、外出を控える人が増えているため、このような結果となったとみられる。(Hiromi Kaku)
2020年03月16日「RABOT 1745」が日本初上陸イギリス発のカカオブランド「Hotel Chocolat(ホテルショコラ)」が展開するビューティ&ウェルネスコレクション「RABOT 1745」が日本初上陸。2020年2月21日(金)より、全国の店舗およびオンラインストアにて先行発売を開始、今後4月下旬より一般発売を回する予定です。肌にも環境にも優しい商品を「RABOT 1745」の製品には、カリブ海の島にあるカカオ農園で栽培された上質なカカオを使用しています。カカオには保湿力に優れたカカオバターが豊富に含まれ、肌を優しく潤します。コレクションはボディローション、リップバーム、ハンドクリーム、シャワージェルなどのボディケアアイテムに加え、空間を繊細な香りで包み込むディフューザーなど幅広いラインナップ。いずれも植物由来原料にこだわり、リサイクル可能なパッケージを採用するなど環境へも配慮しています。(画像はプレスリリースより)【参考】※株式会社ホテルショコラのプレスリリース※「Hotel Chocolat」公式サイト
2020年02月25日新年を迎えたばかりのこの時期は、新たな決意や夢など、さまざまな思いを胸に抱えて過ごしている人も多いのでは?そこで、そんな前向きな気持ちを後押ししてくれる驚きの実話をもとにしたオススメの注目作をご紹介します。それは……。『フィッシャーマンズ・ソングコーンウォールから愛をこめて』【映画、ときどき私】 vol. 284イギリスのコーンウォール地方にある小さな港町ポート・アイザック。レコード会社でマネージャーとして働くダニーは、同僚たちとの旅行でこの地を訪れていた。彼らが街を観光していると、現地の漁師たちが港で舟歌を歌っているところに遭遇する。すると、ダニーは上司から漁師たちと契約を交わすように命じられてしまうのだった。その後、よそ者嫌いの彼らをなんとか口説き落とすダニーだったが、はたして競争の厳しい音楽業界で成功を手にすることができるのか……。本国イギリスでは、なんと10億円の大ヒットを記録した本作ですが、その勢いに負けないほどの高い人気を誇っているのが、漁師たちで結成された実在のバンド「フィッシャーマンズ・フレンズ」。そこで、多くの人を虜にした彼らの魅力から舞台裏まで、こちらの方にお話をうかがってきました。イギリスのクリス・フォギン監督!完成した脚本を読み、すぐに心を鷲掴みにされたというフォギン監督。今回は、実際の漁師たちとの出会いやイギリスのパブ文化などについて教えていただきました。―本作に登場するフィッシャーマンズ・フレンズについておうかがいしますが、もともと監督はどの程度ご存じでしたか?監督実は、最初は彼らのことを知らなかったんですよ。でも、2013年に脚本を通して知り、「こんなバンドがいるのか!」と驚きました。そのあと、彼らのことをいろいろと調べていくうちに、ぜひ自分の手で映画化したいと思うようになったんです。―重厚感のある歌声とどこか懐かしい雰囲気は、彼らのことを知らない人にでも響くものがあると感じました。実際に彼らの歌を生で聴いたときは、いかがでしたか?監督初めて聴いたのは、彼らと地元のパブで会ったとき。突然彼らが歌い始めたんですが、まるで背骨に衝撃が走るようでした。歌声はもちろんのこと、その場にいた地元の人たちと一緒に食べたり、飲んだり、歌ったりしている姿を見て、ゾクゾクするような感覚があったんです。なぜなら、歌だけでなく、彼らの家族やコミュニティとのつながり方は心に響くものがあり、その姿が感動的だったから。今回は1年間ほどポート・アイザックに通いながら撮影しましたが、歌を聞くたびに息を飲むような体験をしました。彼らの歌声は本当に素晴らしいんですよ。住民たちの地元を愛する気持ちに心が動かされた―“海の男”といえば、厳しいイメージもありますが、交流を続けるなかで、彼らから学んだことは?監督これは彼らだけでなく、男性女性を含む地元のみなさんを見ていて気がついたことですが、自分の出身地を誇らしく思う意識にとても心を動かされました。僕はイギリス北部の出身ですが、同じようにコミュニティや地元に対する愛がすごく強いので、それを町全体から感じられたことが、一番印象的でしたね。―確かに、彼らの地元に対する愛情は、海のように深いものがありますが、その気持ちも理解できるほど、コーンウォール地方の自然と海の景色は素晴らしかったです。とはいえ、自然が相手の撮影で大変なことはありませんでしたか?監督海のシーンではいろいろと心配事があって、最初はかなりナーバスになってしまいました。でも、幸いなことにキャストと僕は船酔いすることなく、うまくいったのはよかったです。ただ、スタッフのなかには、かなり具合が悪くなった人もいて、大変なこともありましたが……。なので、船の上での撮影が終わったときは、本当にハッピーでしたね(笑)。監督がオススメするコーンウォール地方で過ごし方とは?―この作品がきっかけで日本から訪れてみたいと思う人もいると思うので、監督からオススメのコースを教えてください。監督まずは、街の中心にあるポート・アイザック港。フィッシャーマンズ・フレンズのライブも開催される浜辺なので、彼らが歌っているのを見たあとに、パブに行ってビールを1杯飲むというのが最高ですよ!―それは楽しそうですね。劇中では、彼らが繰り広げるテンポのいいやりとりや下ネタ、漁師ならではの迷信など、どれもおもしろかったですが、あれはコーンウォール地方の出身者特有のものですか?それともイギリス人全般的なものとして描いたものですか?監督いいところを突いてますね。うまく答えられるかわからないですが、僕はあの地方独特のものだと感じています。というのも、みんながお互いのことを知っているだけでなく、本当に仲が良いですし、何か問題が起きないようにちゃんとそれぞれがお互いに気配りしているような地域を僕はあまり知らないからです。みんなが相手のことを思い合っているからこそ、誰もがありのままの自分でいることもできるんですよね。そして、それによってリラックスした空気感があの土地全体から醸し出されているので、そういう部分はすごくユニークだなと感じました。家族や友人と一緒に過ごせるパブが何よりも好き―なるほど。また、本作ではパブが大きな役割を果たしていますが、イギリス人にとってパブは欠かせないものだと思います。監督にとってはどんな存在ですか?監督僕はパブで生まれるカルチャーも含めてパブが大好きなんですが、イギリス人はみんなそうだと思いますよ。以前、友達の結婚式で東京に滞在したとき、僕と妻はせっかくだから日本ならでは場所に行きたかったのに、ほかの友人たちの希望で日本にある英国風のパブに行ってしまったくらい(笑)。それはそれで楽しい経験だったし、そうやってみんなが一か所に集まって楽しめる場所であるところがパブの好きなところでもあります。僕はそこまでお酒が飲めるほうではないけれど、家族や友人と一緒にビールを飲んだり、楽しんだりできるから、パブが一番の趣味と言えるかもしれないですね。―劇中でもパブを舞台にさまざまなことが起きますが、監督にとって忘れられない思い出といえば?監督いろいろありますが、いま思い出すとすれば、この作品のためにポート・アイザックを訪れたときに、地元の人たちやキャスト、スタッフの全員でパブに行き、一緒に飲んだり、歌ったりしたことかな。それが僕にとっては、最高の思い出ですね!―その光景が目に浮かぶようです。それでは最後に、日本の観客に向けてメッセージをお願いします!監督僕にとって日本は大好きな国でもあるので、大好きな日本の方々にとにかく楽しんでもらいたいと願っています。映画を観て笑顔になってほしいし、イギリスやポート・アイザックに行ってみたいと思ってもらえたらいいですね。世界でもこういった場所はほとんどないですから。そして、家族や友人、地元のコミュニティを大切にする彼らの姿を見て、何か感じるところがあればうれしいです。笑いあり、涙あり、歌ありの三拍子そろった感動作!他人との交流や絆が希薄になりがちな現代に、改めてコミュニティの持つ力を感じさせてくれる本作。そして、年を重ねると新しい挑戦に対して逃げ腰になってしまう人にとっては、フィッシャーマンズ・フレンズの力強い歌声が応援歌としても心に響くはず。2020年は、男らしくてまっすぐな海の男たちが熱く盛り上がるかも思わず体が揺れる予告編はこちら!作品情報『フィッシャーマンズ・ソングコーンウォールから愛をこめて』1月10日(金)より新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国公開配給:アルバトロス・フィルム© FISHERMAN FILMS LIMITED 2019
2020年01月09日季節や自分の気持ちに沿って、フレグランス(香水)のコンバイニングを。イギリス(英国)のブランド、Jo Malone(ジョー マローン)の人気コロンや、組み合わせ体験をご紹介。フローラル、シトラス、フルーティーなど、まるでアロマのようにたくさんの香りを混ぜて、自分の香りをつくっていくことができるジョー マローンの魅力に迫ります。季節が変わると、服や小物などファッションといった衣替えはもちろん、コスメやスキンケアなど、身にまとうものを変えたくなりますよね。身にまとうものといえば、フレグランス…香水も同じ。季節に似合う香りがあります。たとえば夏なら、さわやかでフレッシュな香り、冬なら甘くて、どこかあたたかみのある香り。気候や朝目覚めた気分によって、求める香りを毎日選んでいく楽しさ。まさしく香水も、ファッションと1日のテンションをあげていく、大事なアイテムなのです。この記事では、香水を選ぶ楽しさを叶えてくれるのにまさしくピッタリな、イギリス発「ジョー マローン ロンドン」のフレグランスの魅力についてお伝えします。この投稿をInstagramで見るJo Malone London(@jomalonelondon)がシェアした投稿 – 2019年 2月月4日午前5時00分PSTジョー マローンの注目ポイント①豊富な種類のフレグランスジョー マローンは、テイラーメイドを謳った、シンプルでいて洗練されているフレグランスがたくさん。どの香りも主張しすぎないけれど、どこか個性的であり、ほんのりとやさしく身体を包みます。スッキリとシンプルでスタイリッシュなパッケージも印象的です。そのなかでも、人気のコロンシリーズの香りをいくつかご紹介します。出典:byBirthEnglish Pear & Freesiaイングリッシュ ペアー & フリージアジョー マローンのなかで一番人気がある香りで、アイコン的な存在。洋なしのフルーティな香りとフリージアの花の香りが合わさり、瑞々しさと可憐さを備えています。ベースノートがパチェリなので、ほんのり奥行きを感じさせてくれます。Blackberry & Bayブラックベリー & ベイこちらもフルーティにカテゴライズされるコロン。ブラックベリーの香りから、ジューシーな酸味が醸し出され、フレッシュな気持ちに。ハートノートがベイリーフ(月桂樹)で、爽やかでグリーンな情景を心に思い浮かばせてくれます。女性だけでなく、男性にも好まれる香りのようです。Wood Sage & Sea Saltウッド セージ & シー ソルトウッディ系のものも1つご紹介します。こちらは海風が吹く爽やかな海岸、さざめく波…、といったどこかのリゾートをイメージ。さきほど挙げた2つのコロンとは変わり、トップノートのアンブレッテ シードが、どことなくセクシーさを漂わせます。この押しの強すぎない「さりげないさ」が、人気の秘密かもしれません。ジョー マローンには、シトラス・フルーティ・ライトフローラル・スパイシー・ウッディと、5つのカテゴリーがあり、紹介したもの以外にも、たくさんの素敵な香りがあるので、色々と試すと楽しいですよ!ジョー マローンの注目ポイント②香りのコンバイニング筆者のジョー マローンのお気に入りは、「Orange Blossomオレンジ ブロッサム」。2019年春に限定パッケージで登場したこちらです。出典:byBirthフローラル系なのですが、花と同時に、柑橘系の香りも持ち合わせており、個人的にはなんとなく紅茶のような、ほんの少し苦みを感じるところも好きなのです。さて、ジョー マローンの魅力は、テイラーメイドのように、数ある香水をいくつか組み合わせて自分が好きな香りをつくる、Combining(コンバイニング)ができること。春や夏に愛用していたこの「オレンジ ブロッサム」。柑橘系の香りの部分が、秋や冬の冷たい空気に対して、少し軽くて寒さを感じてくるようになりました。もう少し重みのある香りを嗅覚が求めるようになってきたのです。そこで、とある近隣の百貨店にある、ジョー マローンのカウンターで相談することに。たくさん並ぶ香水から、あたたかみがあるものを、いくつかテスティングさせてもらいました。この投稿をInstagramで見るJo Malone London(@jomalonelondon)がシェアした投稿 – 2018年 8月月17日午後12時05分PDT数ある中で、気に入ったのが、「Mimosa & Cardamom ミモザ & カルダモン」というコロン。出典:byBirth甘い香りと、スパイシーな香りが織りなす、まさしく寒い冬にふわっと身を包んでくれるような…、単独でも充分な冬にピッタリの香りです。そこに、オレンジ ブロッサムをコンバイニングすると、そのあたたかく重厚感ある香りにほんのりフルーティさが加わり…。 「コタツにミカン」というとムードがない(!)ですが、冬にとる暖のなかに、ほんのり感じるフルーティのエッセンスが、香りに奥行きをつくってくれます。ジョー マローンのフレグランスは、どの香水を組み合わせても成り立つということで、とても熟考されたものだということがよくわかります。ジョー マローンの注目ポイント③香水以外にも…クリームやオイルとのコンバイニングジョー マローンはコロンだけではありません。持続性の高い、パフュームもあります。ハンドクリーム、ボディクリーム、バスオイル、キャンドル、固形ソープなど、たくさんのプロダクトが揃っています。香水ばかり増えるのはちょっと…という方は、コンバイニングを、「香水+ボディクリーム」、「香水+ヘアミスト」といったかたちで組み合わせるのが、ボディケアをしながら楽しめるので、とってもおすすめの方法です!この投稿をInstagramで見るJo Malone London(@jomalonelondon)がシェアした投稿 – 2019年10月月21日午前5時01分PDTその日の気持ちによって、洋服やメイクを変えるように、香りも変える。その時間は、朝起きたときに、ちょっとしたわくわくする楽しみを生み出してくれますし、自分の状態をみつめるきっかけをくれます。アロマーテラピー的な役割もあるのかもしれません。そう思うと、ジョー マローンが織りなす、「コンバイニング」のコンセプトは、とっても素敵ですよね。ぜひ一度ジョー マローンの香りを手にとって、自分らしいフレグランスの組み合わせをみつけてみてください!香りのコーディネートを考えるのも楽しいですよ。この投稿をInstagramで見るJo Malone London(@jomalonelondon)がシェアした投稿 – 2017年11月月16日午前5時33分PST
2020年01月06日クリント・イーストウッド監督映画『リチャード・ジュエル』が、2020年1月17日(金)に日本公開。アトランタ・オリンピックの爆破テロ事件を題材に『アメリカン・スナイパー』『ハドソン川の奇跡』『15時17分、パリ行き』『運び屋』と、これまでも事実を基に物語を描いてきたクリント・イーストウッド。今年で89歳を迎えながらも現役監督を務める彼から、記念すべき40本目となる作品が到着。『リチャード・ジュエル』は、1996年のアトランタ・オリンピックで起こった爆破テロ事件の“真実”を描く衝撃の問題作だ。容疑者となってしまった1人の警備員物語の舞台は、アトランタ・オリンピックの開催真っ只中。突如爆破テロが勃発した会場はパニックに陥った人々で大混乱となる。そんな中、不審なバッグを発見した警備員リチャード・ジュエル(ポール・ウォルター・ハウザー)の迅速な通報によって、数多くの人命が救われた。…しかし事件は一転。爆弾の第一発見者であるジュエルが、FBIから容疑者の疑いがかけられ逮捕に追い込まれる。ジュエルの無実を信じるのは、実の母・ボピと、世界一無謀な弁護士ワトソン・ブライア(サム・ロックウェル)だけ。心優しい1人の男が、何故国民の敵となってしまったのか?姿なき誹謗中傷が蔓延する現代社会を舞台にしたサスペンスドラマが描かれる。“悪”はどこに潜んでいるのかー?公開された予告編では、彼の無実を信じる弁護士ワトソンが「容疑が晴れるまで黙認しろ」とジュエルにアドバイスする姿が。しかし声紋判定のためにボイスサンプルが欲しいFBIからは、執拗に「公園に爆弾がある、爆発まで30分」と言えと強要される様子が映し出されている。ジュエルを落とし込もうとしているのは、果たして政府やマスコミなのか?クリント・イーストウッドが描く衝撃の真実の結末を、是非シアターで確かめてみてはいかがだろう。ゴールデングローブ賞にノミネートなお第77回ゴールデングローブ賞においては、主人公の無実を頑なに信じ続ける母を演じたキャシー・ベイツが助演女優賞にノミネート。2020年2月9日(現地時間)に開催される第92回アカデミー賞においても、同じく助演女優賞にノミネートされている。息子の無実を世間に語りかける記者会見のシーンにおいては、6時間ぶっ続けで感情的な状態を保ち続けていたというキャシー。共演したサム・ロックウェルは、「あれほどの演技を見せる俳優を今まで見たことはない。キャシーは本当に大きな力をもつ女優だ」と、その集中力が生み出す渾身の演技に圧倒されたという。【詳細】映画『リチャード・ジュエル』公開日:2020年1月17日(金)監督/製作:クリント・イーストウッド原作:マリー・ブレナーバニティ・フェア「American Nightmare―The Ballad of Richard Jewell」脚本:ビリー・レイ『キャプテン・フィリップス』製作:ティム・ムーア、ジェシカ・マイヤー、ケビン・ミッシャー、レオナルド・ディカプリオ、ジェニファー・デイビソン、ジョナ・ヒル出演:サム・ロックウェル(『スリービルボード』)、キャシー・ベイツ(『ミザリー』)、ポール・ウォルター・ハウザー(『アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル』 )、オリビア・ワイルド(『トロン:レガシー』)、ジョン・ハム(ドラマ『MAD MEN マッドメン』)
2019年11月10日ほぼリアルタイムで進行する予測不可能なプロットで絶賛された『テロ,ライブ』の主演ハ・ジョンウとキム・ビョンウ監督の新たなタッグ作『PMC:ザ・バンカー』。その公開が2020年2月28日(金)に決定、場面写真が解禁となった。韓国と北朝鮮の軍事境界線、地下30メートルにある“地下要塞(バンカー)”で繰り広げられる極秘ミッションが、度重なる想定外の誤算に見舞われて混乱し、ついに世界レベルの“戦争”へと発展していく本作。『テロ,ライブ』のキム・ビョンウ監督と主演ハ・ジョンウが再びタッグを組んだ。今回、キム監督はリアルタイムで進行した『テロ,ライブ』の手法を大胆にアップグレード。地下バンカーでの熾烈なバトルを、P.O.V.(主観ショット)やドローンの視点を取り入れた驚異的なカメラワークで描き、“極限映像”のレベルを新次元に引き上げ、傭兵戦のスリルと臨場感を余すところなく描きだした。また、カンヌ国際映画祭パルムドールに輝いたポン・ジュノ監督作品『パラサイト 半地下の家族』の公開も控えるイ・ソンギュンが、ハ・ジョンウ演じる傭兵エイハブと共闘する北朝鮮の医師ユンに扮し、白熱の演技合戦を披露しているのも見逃せない。今回解禁された場面写真では、エイハブ率いる傭兵たちが銃を構える姿、そしてエイハブと共闘することとなる北朝鮮のエリート医師ミンが険しい表情でバンカーを突き進む、緊迫したものとなっている。迷路のように複雑な構造の地下バンカーという斬新な舞台設定で好奇心をかき立てる本作は、先読みを一切許さない怒濤のストーリー展開で観る者を圧倒。韓国特殊部隊の元兵士で、現在は民間軍事会社(=PMC)の傭兵として作戦成功率100%を誇る主人公エイハブは、依頼主であるCIAの密かな策謀、仲間の裏切り、国家間の政治的な駆け引きによって孤立し、バンカー内で絶体絶命の窮地に陥ってしまう。それでも戦友である部下たちの命を救い、愛する妻のもとへ帰ることを胸に誓ったエイハブは決してあきらめない。そこに本来は敵同士である北朝鮮のエリート医師との友情のドラマが加わり、悲壮感漂うミリタリー・サバイバル・アクションにこのうえなく熱いエモーションを加えている。『PMC:ザ・バンカー』は2020年2月28日(金)シネマート新宿ほか全国にて順次公開。(text:cinemacafe.net)
2019年11月06日“グロテスクさと美しさの融合”と評される独特の舞踊言語でコンテンポラリー・ダンス界を牽引するフィンランドの振付家テロ・サーリネンと、伝統的な韓国舞踊を紹介するとともに現代的要素を加えた作品にも取り組んでいる韓国国立舞踊団。そんな二者が2014年に組んでソウルで初演し、以降世界各地で上演され続けている話題作『VORTEX(渦動)』を、KAAT 神奈川芸術劇場が初めて日本に招聘する。昨年度よりKAATが展開している、“アジアの身体”にフィーチャーしたダンスシリーズの一環だ。サーリネンは舞踊団からの呼びかけを受け、北欧と韓国の文化・伝統が出会い、組み合わされ、時には激しく衝突するようなイメージを持って振付を施したという。タイトルが意味するのはそんな両者の“渦”であり、またソロからデュエット、群舞へと多彩に変化していく踊りの“渦”でもある。その“渦”が観る者をも巻き込むスリリングな舞台と評判の『VORTEX』は、本日10月25日から27日(日)までKAAT 神奈川芸術劇場 ホールでの上演(25日は貸切公演)。チャン・ヨンギュ率いる音楽バンド「Be-Being」によるライブ演奏にも注目だ。文:町田麻子
2019年10月25日クラシックの盛んなイギリスに於いて、“現在最もエキサイティングな指揮者”と讃えられるロビン・ティチアーティが来日公演を行う。2014年に、31歳の若さでイギリス伝統の音楽祭「グラインドボーン音楽祭」の監督に就任するなど、躍動感溢れる指揮ぶりと聴衆を魅了する音楽性によって、その評価はうなぎのぼりだ。今回は、2017年に音楽監督に就任したドイツの名門、「ベルリン・ドイツ放送交響楽団」を率いての来日公演となるのだから楽しみだ。しかも同公演に随行するソリストの顔ぶれがものすごい。三浦文彰(ヴァイオリン)、辻井伸行(ピアノ)、服部百音(ヴァイオリン)、森麻季(ソプラノ)、反田恭平(ピアノ)、高木綾子(フルート)、吉野直子(ハープ)と、日本のトップ奏者を散りばめた陣容は豪華絢爛。どれも聴き逃がせない公演のオンパレードだ。中でも注目は、10月9日に東京オペラシティコンサートホールで開催される森麻季との共演。リヒャルト・シュトラウスの『ドン・ファン』&『4つの最後の歌』とマーラーの交響曲第1番「巨人」を重ねたプログラムは、若きマエストロ、ティチアーティの実力を確認するのにうってつけ。ドイツの名門オーケストラが自国の作曲家の作品にかける思いにも興味津々だ。
2019年10月04日いよいよ「読書の秋」といわれる時季になってきたところですが、そんなときにオススメしたいのは、大人でも楽しめる絵本。そこで、今回ご紹介する映画は、まるで絵本を開いたかのような世界へと引き込まれる感動作です。それは……。夫婦の半生を描いた『エセルとアーネスト ふたりの物語』【映画、ときどき私】 vol. 2621928年、ロンドン。メイドとして働いていた生真面目なエセルは、牛乳配達をしている陽気なアーネストと出会い、恋に落ちる。その後、2人は結婚し、ひとり息子のレイモンドにも恵まれ、幸せな生活を送っていた。ところが、第二次世界大戦の影響で、苦難の日々を強いられることとなる。そんななかでも、エセルの隣には、つねにアーネストが寄り添っていたのだった……。本作で描かれているのは、ごく平凡な夫婦の40年にもわたる物語ですが、原作となるのは、イギリスでもっとも愛されている絵本作家レイモンド・ブリッグズさんの「エセルとアーネスト」。日本でも「スノーマン」で知られているレイモンドさんが、激動の時代のなかでも愛情あふれる人生を生き抜いた両親を描いた珠玉の名作です。今回は、本作を完成させた立役者でもあるこちらの方に、お話を聞いてきました。プロデューサーのカミーラ・ディーキンさん!映画やテレビ業界で25年以上のキャリアを誇るカミーラさん。これまでにさまざまなアニメーション作品を手掛けてきたカミーラさんですが、9年もの年月をかけて完成させた本作の舞台裏や忘れられないエピソードについて語っていただきました。―まずは、カミーラさんとこの作品との出会いから教えてください。カミーラさんこの本が出版されたのは1998年で、確か私が読んだのはその翌年だったと思います。当時、私はチャンネル4という公共放送に勤めていて、レイモンドさんのほかの作品に携わっていました。その後、2007年頃にレイモンド作品を数多く映像化してきたアニメーションのプロデューサーから、一緒に仕事をしないかと声をかけてもらったのが始まりです。―そのとき、この作品の魅力はどんなところだと感じていましたか?カミーラさんレイモンドさんのほかの作品よりも時代についての物語であり、リアリズムに基づいた作品ですが、私が感銘を受けたのは、非常に誠実で、感情面においても普遍的な物語であるところです。しかも、私は子どもの頃からレイモンドさんのファンであると同時に、人としても尊敬していたので、この企画は絶対に成功させたいという思いもありました。―とはいえ、資金集めにかなり苦労されたと聞きましたが、レイモンドさんほどのネームバリューがあるにもかかわらず、何が問題となっていたのでしょうか?カミーラさん通常のアニメーション作品と比べると、この作品にはアドベンチャーやファンタジーの要素はなく、どちらかというとドキュメンタリー的な物語だと思われてしまっていたことがまずひとつ。あとは、「大人向けのアニメーションは商業的に当たらないからリスクがある」ということも言われていました。しかも、手描きのアニメーションというのは、かなり予算がかかってしまうものなので、インディペンデントの作品でも実写よりもはるかに大きな予算が必要になります。そういう意味でも、超えなければならないハードルは非常に高かったです。―そんななか、どのようにして完成へと導いていったのでしょうか?カミーラさんまずは、テレビ局のBBC(英国放送協会)と映画に関連する機関であるBFI(英国映画協会)に制作資金を提供してもらい、さらに国が行っている税制優遇処置の制度も活用させてもらいました。イギリスには国としても最大限の資金提供をしてもらいましたが、それでもまだ不十分だったので、最終的にはルクセンブルクのアニメーション会社にも国際共同制作として入ってもらって、ようやく資金をすべて集めることができたという流れです。ポール・マッカートニーさんとの仕事は素晴らしい経験―それだけの苦労をしてでも作り上げたいほどの魅力がこの作品にはあると思いますが、同じくこの企画に賛同してくれた存在として話題となっているのが、歌手のポール・マッカートニーさん。本作にエンディング曲を書き下ろしてくれた経緯を教えていただけますか?カミーラさんまさか曲を書いてもらえるとは思ってもいなかったので、ポールさんとのコラボレーションは本当に素晴らしい経験となりました。もともとポールさんはレイモンドさんの大ファンで、自分のお子さんにも読み聞かせていた『いたずらボギーのファンガスくん』という作品にインスピレーションを受けて、「ボギー・ミュージック」という曲を書いたこともあるほどだったのです。そこで、レイモンドさんがファンガスくんのキャラクターが描かれている便箋でポールさんに手紙を書いたところ、なんとOKをいただくことができました。―ポールさんと初めて会われたときの印象的なエピソードはありますか?カミーラさん初めてポールさんと会ったのは、ロンドンにある彼のオフィスにレイモンドさんとロジャー・メインウッド監督と私の3人で訪問したとき。私たちはとてもナーバスになってしまい、「ドキドキするよね」「怖いね」なんて話しながら、彼のもとを訪れたのです。部屋に入ると、あまり広くないスペースにイスが2脚と2人がけのソファ1つ置いてありました。すると、レイモンドも監督もシャイなタイプの人たちなので、すぐにイスを確保してしまい、私がポールさんと同じソファに座らないといけなくなってしまったのです。足が触れ合うくらい近い距離に並んで座ることになったので、そのときは震えてしまわないかが心配でした(笑)。でも、ポールさんは本当に優しい方ですし、これまでも自分に会って緊張している人たちとたくさん接してきたこともあり、冗談を言って私たちをリラックスさせてくれたのです。完璧な仕上がりに何も言うことなかった―ステキな方ですね。ちなみに、どのような冗談をおっしゃっていたのですか?カミーラさん「僕はコラボレーションすることが大好きだから、怖がらないでくださいね。だから、作った曲を聴いたら自由にいろいろとコメントしてもらって大丈夫ですよ。ただし、その言葉には耳を貸さずに無視しちゃうけどね(笑)」とおっしゃっていました。―さすがです(笑)。実際に、曲を聴いたときはどのように感じましたか?カミーラさん驚いたことに、ポールさんは私たちが初めて訪問した段階ですでにデモテープを作ってくれていました。そこで聴かせてもらったあと、監督が本当にフィードバックしていましたが、無視されることなく、「検討しますね」というお返事もきちんといただきましたよ(笑)。ただ、そのあとに歌詞を書いたり、オーケストラを加えてミックスをしたりという作業もあったので、できあがったのは映画の完成直前でしたが、曲を聴いたときは何も言うことがないくらい完璧だと思いました。なので、そのときは一切コメントする必要がありませんでしたね。しかも、ポールさんのマネージャーさんに聞いたところ、彼のスケジュールは5年先まで埋まっているくらい本当に忙しい方なので、かなり無理をして曲を作ってくれたのだと思うと感謝の気持ちでいっぱいです。―映画に関しては、ポールさんから何かコメントはありましたか?カミーラさん作品を観てくださったあと、「本当に素晴らしい映画だと思う。僕にできることはなんでもサポートしますよ」というご連絡をいただきました。とてもステキなメッセージをいただけて、私たちもうれしかったです。それから、興味深かったのは、ポールさんとレイモンドさんには多くの共通点があることがわかったこと。ふたりとも労働者階級の出身であったこともあり、育ってきた家の雰囲気やそれほど物が豊かではない家庭であったこと、学費が無料である代わりに難しい入試を受けなければ入れないグラマースクールに通っていたこと、父親が第二次世界大戦の兵士ではあったけれども戦場の前線ではなく、消防士として街で働いていたことなど、本当に多くの点で重なるところがあったのです。そして、ポールさんが感動していたのは、レイモンドさんが自分の両親へのオマージュを込めてこの作品を作ったこと。それもあって、今回の曲は、レイモンドさんの両親への思いを受けたポールさんが、14歳のときに他界したご自身の母親への気持ちを歌詞に込めたそうです。亡くなった両親へのオマージュが込められている―そういったおふたりの思いが作品を通して、多くの人の心を動かしているのだと思います。カミーラさんそうですね。あと、もうひとつこの作品に込めていることをお話すると、実はポールさんのお父さんは1920年代にジャズバンドでバンドリーダーをされていた人物。レコードは出していないものの、「Walking In The Park With Eloise」という曲を書いていて、これまでにポールさんがカバーしたこともありました。そこで、劇中でエセルとアーネストが初めて映画館にデートへ行くシーンで、通りかかったクラブから聴こえてくる音楽として使わせていただくことにしたのです。映されている看板にも、ポールさんのお父さんの名前を書いてありますし、最後にポールさんの曲に続けてお父さんの曲も流すようにしました。なので、この映画はレイモンドさんの両親へのオマージュであり、ポールさんの両親へのオマージュでもあるのです。―そういう家族への思いも含めて、本作は普段アニメを観ない人にでも響く作品となっているように感じました。カミーラさん確かに、この作品は家族や人間愛についての映画でもあるので、世界のどこに行っても前向きな反応をいただけていることに私たちも驚きました。というのも、非常に英国的な物語であるにもかかわらず、夫婦愛や親子愛、そして家族の話だとみなさんが捉えてくれたからです。実際、イギリスではBBCで放送したときに視聴率も非常に高かったですし、放送と同時にTwitterでも「美しい物語で泣いてしまった」とか「両親や祖父母のことを思い出して、久しぶりに電話してみようかな」といった声がたくさんあがりました。そんなふうに、映画が人に行動を起こさせたということ自体、ステキなことですよね。あとは、普段アニメを観ない人たちでさえも「偶然観始めたけれど、引き込まれて驚いた」といった感想を述べていたのも印象的でした。予想以上の大きな反響があったので、放送された日はイギリス国内のTwitterでは、この作品がトレンドの1位にもなったほど。ちなみに、そのことをレイモンドさんにも電話で伝えましたが、「何のことだかよくわからないけれど、いい話だね」と喜んでくれました(笑)。忘れがたい体験と驚きを感じて欲しい―ということは、大人向けのアニメはリスクがあると思われていますが、実際はそういう作品を求めている大人が多いということではないのでしょうか?カミーラさんそうなんです。つまり、大人たちもアニメーションを求めてはいるんだけど、自分たちに合った作品とまだ出会っていない、もしくはそういう作品があることを知らないというのが現状だと思います。なので、ananwebを読んでいるみなさんのなかにも、これまではあまりアニメを観てこなかったという人も多いかもしれませんが、この作品に関しては、自分のなかにある気持ちを呼び覚ますような感動を味わえるだけでなく、忘れがたい体験になることをお約束できると思います。ぜひ、その驚きを感じていただけたらうれしいです。まさに大人が観るべきアニメーション作品!手描きアニメの持つ温もりとともに、夫婦や親子の間にある愛情の深さを感じられる本作。人生における幸せや喜び、悲しみといった人が持つあらゆる感情に訴えかけるストーリーは、さまざまな経験をした大人だからこそ味わえる感動があるはずです。心温まる予告編はこちら!作品情報『エセルとアーネストふたりの物語』9月28日(土)より岩波ホールほか全国順次ロードショー配給:チャイルド・フィルム/ムヴィオラ© Ethel & Ernest Productions Limited, Melusine Productions S.A., The British Film Institute and Ffilm Cymru Wales CBC 2016原作:「エセルとアーネスト」(バベルプレス刊)
2019年09月27日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「英国新首相就任」です。英国も強行態勢に?いまこそ日本にできる役割を。7月24日にイギリスの新首相に保守党のボリス・ジョンソンさんが就任しました。これまで、ロンドン市長や外務大臣を務めてきており、EUからの離脱に関して「ハード・ブレグジット(合意なき離脱)」も辞さない考えを掲げています。これまでEU圏内はひとつの大きな国のように、関税を設けず、移動や就学、就労も自由でした。EUとの条件が調わないまま10月末に離脱が決まると、それらに制限がかかり、流通が混乱し、イギリス国内の食料や医療品不足が予測されています。ジョンソンさんは、イギリスの経済や産業の停滞、移民問題など、国民の不満をうまく取り込み、「強いイギリスを!」と復古主義的なことを主張し、支持を集めてきました。「イギリスのトランプ」ともいわれており、トランプ大統領からも絶賛され、アメリカとも良好な関係を築いています。EUからの離脱がうまくいけばよいですが、合意なき離脱をむかえた場合、イギリス国内の現状を見るかぎり、経済はおそらく混乱に向かうでしょう。そうなると、その状況を打開するため、対外強硬策に出る可能性が高まります。いまは中東が不安定な状態。トランプ大統領は、中東・ホルムズ海峡の安全な航行のために、「有志連合」の結成を先進国に呼びかけています。結束して、軍事行動や平和維持活動を共にしようというもの。ホルムズ海峡は、日本にとっても大事なエネルギー源である石油の輸送に不可欠な場所。ここが紛争により封鎖されれば、日本国内の生活も混乱を来しますから、安全を確保することは必須。しかし、日本は友好国であるイランを刺激したくはありません。イギリスは8月に有志連合への参加を表明。オーストラリアもそれに続きました。この状況のなか、日本はどういう役割を演じられるのか?アメリカとイランの対立のもとは、イランの核開発を巡ってのトラブルです。日本は被爆国として、「私たちの使命は核廃絶です」という明確なメッセージを掲げて、対立する両国の間に入ることができればよいのですが。いまこそ平和憲法を掲げる日本にしかできない、戦争を回避する方法を考えるべきときなのではないでしょうか。堀 潤ジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。2012年に市民ニュースサイト「8bitNews」を立ち上げ、その後フリーに。ツイッターは@8bit_HORIJUN※『anan』2019年9月18日号より。写真・中島慶子イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2019年09月16日カンヌ国際映画祭パルムドールに輝く『秘密と嘘』やヴェネチア国際映画祭金獅子賞を受賞した『ヴェラ・ドレイク』などで知られるイギリスの巨匠マイク・リー監督。寡作ながら発表する作品が常に世界的な評価を受ける監督が、新作『ピータールーマンチェスターの悲劇』では1819年にイギリスで起きた虐殺事件を扱った。なぜ、いま200年前の史実に目を向けたのか? リー監督が電話インタビューに応じてくれた。今回、彼が主題にした“ピータールーの虐殺”は、1819年8月16日にイギリス・マンチェスター、セント・ピーターズ・フィールドで起きた。この日、同地の聖ピーターズ広場では、経済の悪化で苦境にあえぐ労働者たちを対象にした集会が開かれた。当日の主は、カリスマ的な活動家として名をはせていたヘンリー・ハントの演説。それもあって6万人をこえる労働者たちが広場に集まったという。ただ、あくまで参加したのは市井の人々で武器なども持ってはいない。労働者にも選挙権などを求める、平和的なデモでしかなかった。ところがそこにサーベルを振り上げた義勇軍とライフル武装した軍隊が乱入。市民に多大な犠牲者が出た。リー監督自身、マンチェスター出身ながら、この事件のことをあまり知らなかったという。「マンチェスターで育ってきたけど、ほんとうにあまり知らなかったんだ。もちろん、こういう事件があったことは聞いていたんだけど、詳細については曖昧な形でしかしらなかったんだよ」事の重大さからすると教科書に載ってても不思議ではないのだが? 「教えている学校もある。でも、教えていない学校もある。おっしゃる通り、イギリス中の学校で教えられるべき、または教科書で説明されていないといけない事件だと思う。でも、実際はそうなっていないんだ」ここにこそ、実は自身が描く理由があったという。「イギリスの学校では、たとえばヘンリー8世には奥さんは何人いたかとか、何年にはこんなことがあったとか習うわけです。ただ、イギリスの体制にとっての汚点はあまり深く触れられない。たとえば、イギリスはインドを植民地にしていたことは触れられる。でも、インドに対して自分たちがどれほどひどいことをしたかは教えられない。ただ、これはイギリスに限ったことではないんじゃないかな。自国に都合の悪いことというのはとかく目をつぶってしまうものだ。だからこそ、この史実を描こうと思ったんだ」これだけの史実をまとめるのはそうとうな困難だったことは想像に難くない。「このプロジェクトは2014年にスタートした。まず最初の段階はリサーチ。この事件を様々な角度から調査した。これに2年半の時間が費やされた。それからキャスティングにとりかかって、ここにも多くの時間がかかった。そのあと、ご存知かもしれないけど、私はいわゆるスタンダードな脚本というものを作らない。俳優たちに実際に演じさせて、リハーサルをしながら脚本を作っていく。この作業を経ての脚本を作っていく過程に半年かかった。そして16週間の撮影を経て、ポストプロダクションに3、4カ月ぐらい。毎回のことだけど映画作りというのは時間がかかるんだよ。ただ、今回はリサーチには相当な綿密さと詳細さが求めたから、時間はかかったね」作品を見てどうしても感じてしまうのは無力感。権力者が弱者を圧し潰す社会構造は今も昔も変わらない。その事実に愕然とするが、リー監督はどう向き合っていたのだろう? 「さっき、このプロジェクトは2014年に始まったといったけど、そのときは、ピータールーの虐殺を描いて、ここまで既視感を覚えるような社会状況になっているとは想像していなかった。ほんとうに今、世界は極右やナショナリズムの台頭で、どんどん悪い方向へ進んでいる。寛容な社会とは程遠い。私自身、無力感にさいなまれているよ。ただ、それでも前を向かないといけない。自分たちに何ができるのか?それを問い続けなければならない」また、許しがたい“怒り”が作品に充満している。「私自身、虐殺そのものにも、治安判事たちをはじめとした権力側にいる人間たちの怒りを感じている。彼らの行為は許しがたい。それが映っているんじゃないかな。それにしても、この事件の顛末を見ていると、権力を持つ者には正気はないのかと思うよね」先ほど触れたように、リー監督は、いわゆる脚本を最初は用意しない。俳優とのリハーサルを重ねる中で脚本を作り上げていく。このスタイルを変えようとは思わないのだろうか? 「その質問は彫刻家に油絵をなんで描かないのか?といっているようなものだよ(苦笑)。このスタイルは私がデビューから続けてきたアートであり、技であり、手法だ。私は脚本家であり、映画作家。両方の役割をしながら、いつも思うのは俳優たちの可能性なんだ。彼らには無限の可能性がある。私が自宅でひとり考えて書いたことよりも、俳優に演じてもらって出てくるアイデアのほうが信じられないぐらいすばらしいものが生まれてくる。それがわかっているからね。新しいやり方を模索するのははっきり言って時間の無駄。これからもたぶんこのスタイルでいくと思うよ」気づけば彼も70代の半ばを超えた。歳が近いイギリスの巨匠といえば、ケン・ローチ、スティーヴン・フリアーズがいる。3人は同じBBCテレビ出身でもある。「ふたりはいい友人で盟友だ。ケン・ローチは紛れもなく世界的な巨匠であり、社会の現状に常にアプローチして、鋭いメッセージを発する作品を発表している。ある意味、彼はいま世界の何をみるべきか、何を知るべきか、何について考えればいいか、その方向を明確に示してくれる映画人といっていいだろう。一方、僕は彼よりももっとワイドでオープンというかな。ある問題を提示することで、いろいろなことを考えるきっかけを与えたいと思っている。そういうタイプの作家だと思う。対してフリアーズは僕とローチの折衷というかな。ある問題があったら、こういう解釈があると、新たな視点や発見を提示するタイプだと思う。僕らがBBCテレビにいた1970~80年代初頭というのは、すばらしい時代で。すごく自由で政治や社会的なことに批判をするような作品も作れた。映画でもできないことがBBCのテレビではできたんだ。すごくこれは私たちにとってラッキーだった。たぶん3人とも自身の基礎になっているんじゃないかな」『ピータールー マンチェスターの悲劇』公開中取材・文:水上賢治
2019年08月09日みなさんはロンドンのお土産といえば何が思いつきますか?やはり紅茶でしょうか、それとも紅茶にぴったりなイギリスならではのクッキーでしょうか。今回はロンドン旅行に行ったスタッフが、地元スーパーから、お土産ショップ、市場に大英博物館と名所を巡り、バラマキにぴったりなお土産を探してきました!実際に購入したおすすめアイテムを紹介していきます♪まずはロンドンっ子御用達のスーパーマーケットをチェック!今回、私が行ったのはロンドン中心部。大英博物館やバッキンガム宮殿、ハイドパークにグリニッジ天文台など、言い出したらキリがないほど観光スポットが点在する言わずと知れた大都市です。そんな中でも中心街を少し外れれば庶民的なスーパーマーケットが並びます。・《ハリボー》グミ:2.5ポンド・《XTREME》ガム:0.9ポンド・《GODIVA》板チョコ:2ポンド・《EXTRA Peparmint》:0.5ポンドそこで見つけたのはこちら!現地ならではのお菓子はスーパーマーケットで安く売っていてコスパもいいのでばらまき用のお土産にはぴったりです。〔ゴディバ〕の板チョコや、ガム、日本でよく見る〔ハリボー〕もすごい色……!こんな色のお菓子も外国ならではですよね。・〔TWINGS〕の紅茶各種:2ポンドスーパーマーケットでは日本でも定番の〔TWININGS(トワイニング)〕の紅茶が各種フレーバーがそろいます。さすが紅茶の国・イギリス!やはりみなさんがイメージする英国のお土産、紅茶をもらったら家族にも自慢したくなりますよね♪定番のお土産ショップも見逃せない・《キーホルダー各種》:各1ポンドロンドンを代表するバスや電話ボックス、「LONDON」という文字、一見定番過ぎかな……?なんて思うかもしれませんが、形がかわいいのでお土産にすると喜ばれますよ。こちらのキーホルダーなら路面店やお土産屋さんなど、ロンドンのいたるところで目にします。例えば5つで5ポンド(日本円で約650円)など、お店によっては安く売っているのでたくさん買ってお友達に配ってあげましょう♪・《缶紅茶》:6つで7ポンド他にもおしゃれな缶に入った紅茶は小物入れとしてもつかえるので人気のようです。カムデンタウンのお土産をチェック!ロンドンの中心部から北に位置するカムデンタウンは、東京で言うなら原宿や下北沢のような雑貨やアパレルショップ、お土産屋さんなど、路面店が多く並ぶ街です。お土産に迷ったらここもおすすめです!・ザ・ビートルズのコースター:12ポンドカムデンタウンのマーケットで、ザ・ビートルズのイラストが描かれたかわいいコースターを購入しました。お客さんが4人来たときに出してあげたいですね♪ロンドン名物の一つ「バラマーケット」で紅茶を購入!テムズ川にかかるロンドンブリッジは晴れの日なら歩いているだけでもとっても気持ちのいいスポットです。ロンドンブリッジ近くにはバラマーケットという活気のある食料品の市場があります。野菜やフルーツ、シーフードにお肉が並び、地元の人や観光客など、多くの人でにぎわいます。・袋入り紅茶ティーバッグ:各2ポンドそんなバラマーケットでは紅茶を購入しました。やはりイギリスの紅茶はもらうと嬉しいですよね。その場でテイスティングができるのもマーケットのいいところです。スーパーマーケットなら定番の〔TWININGS〕を買えますが、マーケットでは地元ならではのオーガニックティーを見つけることができますよ♪大英博物館のミュージアムショップもチェック!世界を代表する大英博物館では、一日では見切れないほど世界中の展示品が並びます。入場も無料なのでおすすめです♪展示はもちろん、博物館や美術館のお楽しみの一つはミュージアムショップですよね♪ミュージアムならではのアイテムは見ていてもワクワクしてきます!・The British Museumの足型計算機:4ポンド●《The British Museum足型計算機》4ポンドかわいらしい足の形をした計算機を購入しました。「TheBritishMuseum」と記載があるのも嬉しいところ。裏面は迷路になっています。遊び心があってお子さんも喜びそうです。・(左)The British Museum EGYPTIAN HIPPO:6ポンド・(右)The British Museum ロゼッタストーンキーホルダー:3.8ポンド他にもおしゃれなカバのオブジェや、ロゼッタストーンをかたどったキーホルダーも購入しました。ついついこういうところに来ると買ってしまいますよね。ロンドンらしさとコスパも◎なお土産を見つけよういかがでしょうか。海外のお土産はもらうと嬉しいですよね。その土地ならではのもの、定番のものや外国ならではのかわいいデザインのアイテムなど、あげる人の顔を思い浮かべながらお土産を選ぶのも旅の楽しみの一つです♪みなさんもぜひロンドンに行った際は参考にしてみてくださいね♡
2019年06月27日イギリスをテーマにした1日限定マーケット2019年5月26日、”イギリスと旅”をテーマにした「BRITISH COLLECTORS MARKET(ブリティッシュコレクターズマーケット)」が、BRITISH MADE青山店にて開催されます。日本にいながらイギリス旅気分今回で6回目の開催となる同マーケット。イギリスの”蚤の市”をテーマに、アンティーク小物や雑貨、書籍、食品などが勢揃いします。フィッシュアンドチップスやサンドウィッチなど、イギリスらしいフード類も充実。日本に居ながらにして、週末のイギリスのマーケットを訪れたような気分を味わうことができます。本格ワークショップも開催当日はワークショップをはじめとしたイベントも充実。初夏のイングリッシュガーデンを思わせるブーケ作りや、スコットランド発の革製品ブランド「GLENROYAL」のブライドルレザーを使った、本格小物作り等を楽しめます。(事前予約制)また写真家KOOMI KIM氏と『UNION MAGAZINE』の編集長によるスペシャルトークライブでは、”イギリスと旅”をテーマとした談義が。参加費は無料で、誰でも気軽に来場可能です。イギリスの雰囲気漂う”蚤の市”に、足を運んでみてはいかがでしょうか。(画像はプレスリリースより)【参考】※渡辺産業株式会社のプレスリリース※「BRITISH COLLECTORS MARKET」
2019年05月15日スコットランドで生まれたブライドルレザーグッズブランド『GLENROYAL(グレンロイヤル)』はイギリス古来の伝統的な物づくりをベースにしたハンドメイドのレザーグッズブランド。1979年にスコットランドの中西部エア・シャーで設立し、高いグレードのブライドルレザーを使用したバッグ、財布、小物などを生み出してきました。ブライドルレザーとは、牛革をワックスや蜜蝋、牛脂で仕上げ、ベジタブルタンの製法で作られた革のこと。馬具で使われていたこともあり、耐久性が高くタフでありながら、自然な光沢感が美しいレザーなんです。高い品質のものを選び抜いていること、そして丁寧にメンテナンスをしていくことで、経年変化を楽しみながら長く愛用していけるアイテムが揃っているのもブランドの魅力。伝統的な素材や技術を継承しながら、現代の生活に合わせた機能性を加えたデザインに秀逸さを感じます。 MONEY CLIP WITH COIN POCKET ¥29,000www.british-made.jp/fs/british/glenroyal-moneyclip/gd476 1. 薄さを追求した高機能マネークリップまず最初にご紹介したいのは、『GLENROYAL』のロングセラーモデルであるコインケース付きマネークリップ。マネークリップというとお札だけをイメージしますが、こちらはお札、コイン、カードとすべてが収納可能なウォレットなんです。カードポケットは7つ付いているのですが、驚くほどに薄いので見た目にも美しく、小さなバッグにも収納できるのが魅力。マネークリップ部分のゴールドがアクセントになり、年齢を重ねても長く使っていける上品なプロダクトです。毎日ガンガン使って経年変化を楽しんでいけるほか、結婚式やパーティといったシーンにも活躍してくれるはず。一度使ってしまうと他の財布に戻れなくなってしまうくらいの使いやすさですよ。 SMALL PURSE ¥15,000www.british-made.jp/fs/british/glenroyal-coinpurse/GLR61880010000 2. 使い勝手のいいカードサイズのミニウォレットこちらはさらに小さなカードサイズのスナップボタン付きウォレット。ボタンを開けると内側が3部屋に分かれており、コインやカードはもちろん、4つ折にすればお札も持ち運べる便利さが魅力です。内側中央のポケットにもスナップボタンが付いているので、コインだけじゃなく鍵や貴重品も収納しておける優れもの。マチが大きいので開けたときに中身が見やすく、もたつかないところも◎です。よく見ると、ブランドロゴであるアザミの大きな刻印が施されているのも特徴。ブラックやグレーなどのベーシックな色はもちろん、イエロー、グリーン、ターコイズなど全部で11色のカラバリが揃っているので、お気に入りを見つけてみてくださいね。 ZIP MINI PURSE WITH GUSSET ¥19,000www.british-made.jp/fs/british/glenroyal-coinpurse/GLR6043001 3. クラッチバッグにも入るジップ式ウォレットシンプルなマチありのジップ式ミニウォレットは、小ぶりながらお札、コイン、カードすべてが収納できる作り。中に仕切りが付いているので、カード類や二つ折りにしたお札を分けていれることができます。サイドに取られたマチ部分は大きく開くので、コインの出し入れもスムーズ。かさばらずにすっきり持てるサイズ感なので、クラッチバッグやミニバッグ、ボトムのポケットにさっと入れて出かけられるのが嬉しいです。無駄な装飾のないユニセックスなデザインなので、男女問わず使えますし、ギフトとしても喜ばれるはず。旅行先なんかでも重宝しそうです。 WALLET WITH DIVIDERS ¥41,000www.british-made.jp/fs/british/gd1958 4. 二つ折りと長財布の中間サイズこちらはミニサイズでも収納力が欲しい人におすすめのジャバラ式ウォレット。大きさは二つ折りと長財布の中間くらいで、普段使いに収まりのいいサイズ感です。ジャバラ式の大きなポケットは5つに分かれており、お札、コイン、カードはもちろん、領収書などが多い人にも使いやすいように仕分けできるるのがポイント。両外側のポケットにはカードポケットが2つずつ付属しているので、クレジットカードやポイントカードなどもしっかり収納できます。ウォレットコード用のリングが付いていたりと、細やかなデザインと機能美のある優秀アイテムですよ。 ZIP AROUND SMALL PURSE ¥36,000www.british-made.jp/fs/british/glenroyal-compactwallet/GLR60140010000 5. 上品な雰囲気と高い収納力最後にご紹介するのは、「スタイルのある自立した女性」へ向けた新作のグレイスコレクション。ブランドのアイコンであるブライドルレザーを使用し、オフィスや休日、旅先やドレスアップのシーンなど、現代を生きる女性のさまざまな一日に寄り添ってくれるアイテムです。このウォレットはぐるりと3辺がジップになっており、中身が取り出しやすいデザイン。ミニサイズながら、カード、お札、コインまでしっかり仕分けできる収納力の高さが大きな魅力です。全部で4色あるカラーは写真以外にもボルドーやブラックなどの落ち着いたカラーを採用。ゴールドで施された『GLENROYAL』の刻印が上品な雰囲気を演出してくれます。ジップファスナー部分に取り付けられているレザーは、別売りのタッセルキーホルダーに付け替えるとさらに華やかですよ! スコットランドの職人気質なレザーグッズブランド、『GLENROYAL』のコンパクトウォレットを厳選してご紹介しました。毎日使うお財布は、デザインはもちろんですが、やっぱり使い勝手が命。なかなかこれだ!というものに出会うのが難しいかもしれませんが、『GLENROYAL』のミニウォレットはぜひ一度試してみてほしい逸品です。定期的にお手入れをするのも楽しいですよ。 GLENROYALBRITISH MADE 銀座店03-6263-9955www.british-made.jp/fs/british/c/glenroyal text:坂崎麻結
2019年05月09日新元号が発表され、いよいよ新たな時代の幕開けが近づいてきたと感じるところ。そこで今回は、「令和」に活躍が期待される若手の実力派イケメン俳優が主演の話題作をご紹介します。それは……。静かな感動に包まれる注目作『荒野にて』!【映画、ときどき私】 vol. 225赤ん坊のころに母親に捨てられ、父親と2人暮らしをしていた少年チャーリー。家計を助けるため、近所にある競馬場で手伝いをするようになる。そこで、年老いた競走馬のピートと出会い、心を通わせていた。そんなある日、父親が大ケガを負い、突然この世を去ってしまう。天涯孤独となってしまったチャーリーは、殺処分を宣告されたピートを連れて逃走するのだった……。本作は、作家で音楽家のウィリー・ヴローティンによる小説「Lean On Pete」を映画化した作品。今回は、完成までの道のりをこちらの方にお話いただきました。それは……。イギリスのアンドリュー・ヘイ監督2015年に発表された『さざなみ』で高く評価され、各国で数多くの賞に輝いたヘイ監督。前作では、高齢夫婦の姿にフォーカスしましたが、本作では15歳の少年が抱える孤独に迫っています。そこで、主役を決定するまでのいきさつや監督自身の経験などについて語ってもらいました。―今回チャーリー役に抜擢したのは、チャーリー・プラマー。本作では、第74回ヴェネチア国際映画祭で新人俳優賞にあたるマルチェロ・マストロヤンニ賞も受賞しましたが、何百人もの応募者のなかから彼を選んだのはなぜですか?監督キャスティングの際にたくさんビデオが送られてきて、彼もそのひとつだったんだけど、最初の1分を見ただけで、「この子がチャーリーだ!」とすぐにわかったよ。彼は非常に才能があるし、どのシーンでも微妙なニュアンスのある演技をすることができる能力を持っている俳優。それも普通じゃない、ちょっと違う面白いアプローチをすることができるんだ。プラマーは強さと繊細さを持ち合わせている俳優―確かに、劇中で見せる彼の存在感と佇まいには、非常に引き込まれるものがありました。監督それから、彼は強いんだけれど、どこかもろくて繊細なところがあるんだよね。今回、僕はいわゆる典型的なアメリカ人のタフな男の子のというものを求めていなかったこともあって、プラマーの持つ感受性や繊細さはキャラクターと同じものを持っていると感じたんだ。なかなかそういうものを持っている人はいないし、すぐには見つからないと思っていたんだけど、まさに彼がその人物だったんだよ。しかも、ビデオのなかで彼はいくつかのシーンを演じてくれていたんだけど、どれも予想外のものだった。監督としては、自分が思っていたものとまったく違うやり方をされることはうれしいことでもあるものなんだよね。―では、現場でも監督が細かく演出していくというよりも、俳優と話し合いながらキャラクターを作り上げていくような感じでしたか?監督そうだね。僕にとって俳優と議論したり、話し合ったりすることはすごく大事なこと。ただ、最初からあまり話しすぎるのではなく、まずは俳優に演技をしてもらって、それから深く話をするという方法を取っているんだ。というのも、僕が「こうしなさい」と厳密に指示するよりも、俳優自身が自分なりの演技を見つけていくという協力体制のほうがより自然な演技が出てくるものだからね。―そういった監督の演出もあり、俳優陣の演技にはリアリティに感じました。今回は小説が原作ということですが、映画化するうえで苦労したのはどのような点でしょうか?監督小説を映像化するのは、以前テレビシリーズで経験したこともあったけれど、映画にするという意味では僕にとっても大きなチャレンジだったよ。というのも、時間的にすべてを入れることはできないから、原作のスピリットを見つけて、テーマは何か、そしてあらすじのどの部分を取り入れるのか、原作に忠実でありつつも自分の解釈をどう入れるか、といったことを考えなければいけないからね。とにかく何が一番重要なのかということを見つけるのが大切だったよ。人間とはみんな欠陥があり、過ちを犯すもの―映画を撮るにあたって、監督が心にとめていたのは、原作の序文にある「確かに我々人間は弱く、病気にもかかり、醜く、堪え性のない生き物だ。だが、本当にそれだけの存在であるとしたら、我々は何千年も前にこの地上から消えていただろう」というアメリカの作家ジョン・スタインベックの言葉。そこから監督が得たものはどのようなことでしょうか?監督まず、僕が原作に惹かれた理由は、登場人物を誰も非難していないところ。それどころか、できるだけ彼らの状況を理解しようとしているんだ。僕たち人間はみんな欠陥があり、誰もが過ちを犯すことがあるよね?特にお金がなかったり、人生が複雑な状況にあったりする場合、正しい選択をすることが難しくなるものなんだ。そういったことが、このジョン・スタインベックの文章には表れていると感じたから、大事にしたいと思ったんだよ。つまり、誰のことも批判せず、どうしてそういうことをするのかを理解して、共感するということだね。―リサーチのために3か月間アメリカを旅されたそうですが、そのときの忘れられない出来事などがあれば教えてください。監督僕はアメリカに何度も行ったことがあるし、住んでいたこともあるけれど、今回は本当にすばらしい旅だったよ。原作のなかのチャーリーの旅路をたどるような3か月間で、キャンプしたり、モーテルに泊まったりしてみたんだ。もちろん、僕の経験はチャーリーとはまったく違うものではあるけれど、少なくともいろいろなコミュニティや人々、そして風景を理解するように努力はしていたつもりだよ。なかでも興味深かったのは、アメリカンドリームが叶わなくて大変な生活をしている人たちがどこにでもいたこと。でも、そういうなかでも彼らはお互いに助け合い、まるで家族のような強い絆で結ばれていたから、僕はそれを映画のなかで再現したいと思うようになったんだ。今回は大都市を訪れているだけではわからないアメリカの“ハート”みたいな部分を知ることができたけれど、そういうところは時間をかけてみないとわからないものだよね。僕の映画ではつねに孤独を描いている―そういう意味では、チャーリーと同じような状況に陥った人たちと触れ合う機会も多かったと思いますが、監督自身も若い頃に同じような苦悩や孤独を感じたことがありましたか?監督もちろん、僕もそういうものは経験してきたけど、みなさんも孤独感は味わったことがあるんじゃないかな。それに、これまでの僕の映画もある意味で「孤独であること」がテーマ。つまり、孤独のなかでどうにか生き延びていこうとする人の姿を描いているということだよ。チャーリーという人物は、孤立しているなかでもせめて自分が安全でいられる場所や思いやりを持って接してくれる人を求めているのだけれど、そういう部分は僕自身も理解できるし、この物語に惹かれた理由のひとつと言えるかもしれないね。―それでは最後にこれから作品を観るananweb読者に向けて、伝えたいことをメッセージとしてお願いします!監督僕が監督であるうえでつねに持っている野心は、観客のみなさんに何かを感じて欲しいということ。だから、劇場を出たときにチャーリーに対して共感を覚えたり、自分の周りにいる人たちを見る目が変わったりしたらうれしいかな。あとは、「人が思いやりを持てば持つほど世の中はよくなる」という僕の信念も伝わればいいなと思っているよ。誰もが自分の居場所を求めて人生の旅に出る!どんな困難でも諦めない希望の光を内に秘め、瑞々しさを放つ新星チャーリー・プラマー。先の見えない孤独と闘い、“人生の荒野”へと足を踏み出す姿に心を揺さぶられるはず。新たな生活にとまどいやすいこの時期だからこそ、オススメの作品です。美しい景色が広がる予告編はこちら!作品情報『荒野にて』4月12日(金)ヒューマントラストシネマ渋谷他 全国順次ロードショー配給:GAGA© The Bureau Film Company Limited, Channel Four Television Corporation and The British Film Institute 2017
2019年04月10日人生において、忘れられない出会いというのは、人に対してだけでなく、映画や本にも言えるもの。そこで今回ご紹介するオススメの映画は、本によって人生が変わったひとりの女性を描いた感動作です。それは……。素朴さと美しさの詰まった『マイ・ブックショップ』!【映画、ときどき私】 vol. 219戦争で夫を亡くしたフローレンス。長年悲しみに沈んでいたが、夫との夢であった書店を小さな海辺の町に開くことを決意する。しかし、町の有力者であるガマート夫人による邪魔が入り、フローレンスは頭を悩ませることに。そんななか、ようやくオープンの日を迎えて幸せをかみしめていると、フローレンスのもとへ町で唯一の読書家で40年以上引きこもっている老紳士のブランディッシュ氏から注文の手紙が届くのだった。書店も軌道に乗るかと思われていたが、ついにガマート夫人の徹底攻撃が始まろうとしていた……。本作は2018年のスペイン・ゴヤ賞で作品賞をはじめ、監督賞や脚色賞を受賞し、高い評価を得ていますが、今回はこちらの方に見どころなどについてお話を伺ってきました。それは……。スペインが誇る女性監督のイザベル・コイシェ監督!これまでに、『死ぬまでにしたい10のこと』や『エレジー』、『しあわせへのまわり道』といった人気作を生み出してきたコイシェ監督。今回は、英ブッカー賞受賞作家でもあるペネロピ・フィッツジェラルドの小説『The Bookshop』の映画化に挑んでいます。そこで、原作への思いや読書の大切さについて語ってもらいました。―まずは原作との出会いから教えてください。監督10年前にたまたまロンドンの古本屋さんで見つけたの。もともと私は本を読むことも本屋さんに行くことも大好きだから、「ブックショップ」と付くタイトルなら、私が買わなきゃと思って手に取ったのよ。まさに、本が私を見つけてくれた感じだったわ。―ネットで本を買うのが主流のいまでは味わえない運命的な出会いだったんですね。監督そうね、本屋さんで本を買うというのは冒険でもあるのよ。だから、私はネットで本を買うのが大嫌いなの(笑)。なかでも必要ないのは、「これに興味がある人は、ほかにもこんなものを読んでいます」という表示。いまの世の中がアルゴリズムで動いているのはわかっているけれど、私にはまったく関係ないことだわ。本を読むことで得られるものとは?―確かに、本屋さんでしか味わえないことが失われつつありますが、そういう意味ではいまの活字離れに関しても危機的なものをお感じになっていますか?監督危機でもあるけれど、非常に愚かな状況でもあると感じているわ。だって、本を読むということは、自分のなかにある建設的な批評家精神を養う方法でもあり、世界の見方を教えてくれるものなのよ。だからこそ、私にとっても本はとても重要な存在であり続けているし、ときには孤独や愚かさというものに対する薬の役割も果たしてくれていると思うわ。―本への強い情熱を感じますが、監督がこれまでに影響を受けた作家や本はありますか?監督まず日本の作家だと、川端康成、大江健三郎、村上春樹、村上龍、小川洋子、吉本ばななかしら。あとは、ヴィクトル・ユーゴー、トルストイ、パトリック・モディアーノ、ホルヘ・ルイス・ボルヘス、フリオ・コルタサル。とにかくたくさんいるわね。読書の魔法というのは、他人の人生に触れられること。そして、それが自分の人生の一部となり、新しい “声” を持っている人と繋がりを持てるところが魅力的なのよ。だから、読書が好きじゃない人はかわいそうだと感じているくらい。―では、原作者であるペネロピ・フィッツジェラルドの魅力はどんなところですか?監督彼女はすごく変わった経歴を持っていて、60歳になってからはじめて作品が出版された人。しかも、3人の子どもと病気の夫と船でイギリスのテムズ川に暮らしていたんだけれど、船が沈んでしまって、すべてを失ったこともあるようなつらい人生を送っていたの。本当に素晴らしい作家だから、もっと多くの人に知られて欲しいと思っているわ。フローレンスには深い繋がりを感じた―映画化するにあたって、意識されたことはありますか?監督今回はこの物語にある核の部分を忠実に描きたいという思いはあったわ。ただし、エンディングだけは原作よりも希望を持てるような形に変えることにしたの。なぜなら、いまの時代、映画で観客に希望を感じさせたいと思ったから。その部分に関しては、ご家族に許可をお願いしたわ。―主人公のフローレンスに対して、監督はこれまでにはない深い繋がりを感じているそうですが、その理由は?監督フローレンスは本当に性格がよくて、とてもイノセントな人間。でも、自分の行動によってどういう結果が引き起こされるかということをまったく自覚していないわよね。とはいえ、どんな逆境にあっても、どんな結果になっても、自分のやりたいことを形にしようと戦う人に私はとても敬意を持っているのよ。自分とは人生が違うかもしれないけれど、そういう姿に心を動かされるものがあり、小説を読んでいるときから、彼女と繋がりを感じていたわ。―ということは、監督自身もフローレンス同様に、やりたいことは貫くタイプですか?監督そう言えるわね。ただし、ときにはブランディッシュみたいにただ読書に没頭して、世界のことをまったく気にしないでいたい瞬間もあるわよ(笑)。でも、基本的にはフローレンスに近いんじゃないかしら。―そのフローレンスを演じたエミリー・モーティマーも素晴らしく、キャスティングも絶妙でしたが、決め手を教えてください。監督当初はプロデューサーが違う女優の名前を挙げてきたこともあるけれど、私のなかでは最初から「エミリーでいきたい」という強い思いがあったわ。それは彼女が英国らしい資質を持ち、知的であったから。そして、甘すぎない甘さを持ち合わせていて、さまざまな美徳がちょうどよく混ざり合っていることを感じさせてくれる人だったからよ。しかも、彼女はロシア文学の修士号も持っていて、本が彼女の人生の一部であるというのも大きかったわね。やっぱりこの役は本を心から愛している俳優じゃないとできなかったと思うわ。それに、私は人が本を手にしたときに、その人が読書家かそうではないかすぐにわかるのよ。人の顔と手からは読み取れるものがある―では、ブランディッシュ役の名優ビル・ナイについてはいかがですか?監督彼を選んだ理由は、はじめからこのキャラクターはビルの顔がぴったりだと思っていたし、彼の所作や彼のなかにある静の部分がすごく好きだったの。エミリーとビルはそれまで面識はなかったけれど、出会った瞬間から相性もよかったから、すごく美しいシーンが撮れたと自負しているわ。―監督は写真家としても活動されていて、俳優たちの表情をとらえている写真を「フェイス」と題した展覧会で発表されていましたが、ビルの顔に惹かれたように、人間の顔に興味を持つ理由はどのようなところですか?監督顔はとても魅力的なものよね。だから、「私にとって人の顔というのは風景であり、森であり、庭である」といつも言っているの。あと、同じく興味があるのは、人の手。人がどんなことを考えているのかとか、どんな人なのか、というのは表情や手から読み取れることができるわよね。だから、映画のなかでも重要なのは、顔のアップや表情。美しいロケーションで撮影しようが、何もないところで撮影しようが、顔の表情で伝えられることのほうが大きいものだから。―今回は映像もとても美しかったですが、衣装や美術の色使いでこだわったところはありますか?監督色みや質感については、かなりリサーチを重ねて作っていったわ。特に色彩設計は、物語やフローレンスの心情に合わせて変化していくように意識しているのよ。だから、衣装に関しても、フローレンスが何を感じているのかという心象風景をワードローブで表現してもらったわ。それから、本屋の建物についても空き家を使って自分たちで全部作り込みをしていったものよ。あと、本棚に並べている本については、「ロリータ」を含め、いくつかは実は本物の初版なの。でも、俳優たちが手にしているものは、全部複製。なぜなら、小道具として彼らが扱うには貴重すぎるものだったから(笑)。事前に仕事相手をきちんと選ぶことが大事―各スタッフとの見事な連携によって生み出された部分が大きかったと思いますが、とはいえご自身もフローレンスのように周りからの協力を得られないような経験もありましたか?監督私は事前に仕事する相手をきちんと選んでいるから、現場で大変な思いをすることはないわね。だから、私が映画学校で講義をするときに学生に言っているのは、「どんなものを作ろうと思っても構わないけれど、一緒にコラボレーションする相手だけは慎重に選びなさい」ということ。私が仕事相手を選ぶうえで大切にしているのは、人柄の良さ、才能があって仕事ができること、そしてユーモアがあるかどうかということかしら。あと、自分よりも専門的な知識があることも重要ね。そういう人たちと一緒に仕事をするには、もちろんそれだけ自分にも強さが必要にはなるけれど、私にとっては楽なものなのよ。温かい感動が胸に広がる!人はつねにあらゆる選択をしながら生きていくものですが、フローレンスの勇敢な姿に女性としての強さや自分らしく生きるとは何かを感じさせられるはず。そして、活字離れをしているようならば、人としてさらなる輝きを増すためにも、この機会に本を読むことの大切さも味わってみては?心に届く予告編はこちら!作品情報『マイ・ブックショップ』3月9日(土)よりシネスイッチ銀座、YEBISU GARDEN CINEMA他にて全国順次ロードショー配給:ココロヲ・動かす・映画社© 2017 Green Films AIE, Diagonal Televisió SLU, A Contracorriente Films SL, Zephyr Films The Bookshop Ltd.
2019年03月07日ビフとチップ、それにキッパーという3人の子供が出てくる物語があります。日本では決して有名な作品ではありません。けれどイギリスの子供だったら、誰でも知っているでしょう。実はこの3人、イギリスの子供達が学校で文字を読む練習をするために使う、オックスフォード大学出版社の「リーディングツリー」シリーズの登場人物です。英語圏を一歩出たら、知っている人はあまりいないでしょう。けれどイギリスでの知名度は、『ハリー・ポッター』にも劣らないかもしれません。検定教科書のないイギリスの小学校での「国語」教育前にもお話ししましたが、イギリスの小学校には検定教科書がありません。クラス内でディスカッションをするために、英語の授業ではクラス全員が同じ本を読みますが、日々の宿題や音読課題には、それぞれの子供のレベルに合った本が渡されるのです。字の読み方に慣れていない子供が、少しずつ新しい単語に出会い、読むのに慣れていくようにデザインされた、オックスフォードの「リーディングツリー」シリーズ。英語を母語とする子供にとって、いわゆる「国語」の副読本として、イギリスの約80%以上の小学校で採用されています。「オックスフォードリーディングツリー」の中でさらにシリーズ分けがされており、冒頭でご紹介した3人の子供が登場するお話に加え、ドキュメンタリーや、過去の名作の書き直し版、詩や科学、歴史など、取り扱われるトピックも多彩です。ビフとチップ、そしてキッパーが出てくる物語は、だいたい4歳から6歳ぐらいまでの年齢の子供が、よく学校で手渡されて家に持って帰ってきます。我が家の下の子供は、7歳になってからビフやチップと別れて、SFのシリーズやスポーツ選手の伝記を持って帰ってくるようになりました。下の子の読書のペースは最近までゆっくりだったので、私も下の子供の宿題に付き合っているうちに、この3人の様々な冒険を何度も耳にすることになりました。日本でも購入が可能です。8つのレベル別のストーリーがまとめて紹介されているガイドブックもあります。教科書がないことの大きなメリット科目によっては教科書がないことを不便だと感じることも多いのですが、こと英語に関しては、このシステムはとてもうまく機能しているように思います。様々な家庭から、全くバラバラな能力を持って子供達が集まってくるとき、画一的に授業をするのではなく、その子供のレベルに合った本を読み進められるというのは、大きなメリットです。読むのが苦手な子には低いレベルの本が、読むのが得意な子には高いレベルの本が手渡されます。家で数回読んで満足したら先生にチェックしてもらって次に進むので、本を読むのが好きな子はどんどん先へ進んでいきます。最初は低いレベルで始まったはずなのに、次々に読み進めていき、気づいたらクラスで一番高いレベルの本を読んでいた、というような子供もいます。逆にそうでない子は、ゆっくりと自分のペースで読書を進めることになります。英語の授業内で週に2度ほど、先生やティーチングアシスタントさんが、一人一人音読と理解度をテストしてくれます。日によっては上級生が下級生のクラスに来て、リーディング・バディ(Reading buddy・読み仲間)としてペアを組み、ちゃんと読めているか確認してくれることもあります。小学校の音読の宿題、こんなに違う!日本 VS. イギリス実は上の子は、日本の小学校で出される、国語の音読の宿題がとても苦手な子供でした。読むのは上手だったのですが、毎日同じ内容を何度も声を出して読むのがとても苦痛だったようです。その後、小学3年生でイギリスに来て、様々な本が週に何冊も手渡され、どんどん音読の課題図書が変わっていった時には、あまり嫌がることもなく読み進めていくことができました。数日ごとに異なるお話に出会うことで、好奇心が刺激されたのでしょう。そういえば私も、小学1年生の国語の教科書を、手渡されたその日に読み終えてしまうような子供でした。渡されてすぐに読み終えてしまい、「半年間これで勉強するの?」と呆然としたことを覚えています。教科書による制限がある日本の学校の音読では、比較的少ない量の文章が与えられ、それを完璧に仕上げていきますね。一方、イギリスの識字教育では、一度一度は完璧でなくてもいいから、飽きない程度に、近いレベルの本がたくさん手渡され、少しずつ難易度を上げていきます。そのうちに、どんどん読めるようになっていくのです。日本では、教科書で足りない読書量を図書室が補っていました。もちろん、イギリスの小学校でも、学校の図書室や街の図書館を使って、学校の読み物に限らない読書教育も施されています。それを考えると、小学3年生の下の子供は、クラスで渡される多読教材と図書館で借りた本を合わせて、少なくとも週に3冊から4冊の本を学校から持ち帰っていることになるでしょうか。この量は、教科書が「貸し出し」されるものであるからこそ、財源的に可能なのでしょう。本は「まるまる一冊」、そして「大量に」読むもの「リーディングツリー」を使った識字教育には様々な利点があるのですが、私が最も評価しているのは、実は個別のレベルに合わせた教育ができるという点ではありません。むしろ、子供達が早い段階で本を「まるまる読むもの」「たくさん並べて読むもの」と認識できるという点を、一番高く評価しています。小学校低学年の子供でも、最初から最後まで、本をまるごと一冊通して読むのが当たり前になっているのです。また、週に何冊も読むので、大量の文章を読むことに対する抵抗感がぐんと減ります。さらに、同じトピックについて書かれた様々な本に出会う機会も多いので、「同じ物事を扱っていても本によってちょっとした違いがある」ことに気づくのも早いようです。実は以前、日本の大学で英文学を教えていた頃は、学生さんの英語力を上げるために多読教材(学習者のレベルに合わせて、単語や文法の難しさが調整されている薄い書籍)を使っていました。学校の教科書や、問題集の「切れ切れになった英語の文章」を読むことの方が圧倒的に多い日本の学生さんに、どれだけ薄っぺらくても、「最初から最後まで」「大量に」読む経験を積んで欲しかったからです。実際に多読教材を多く読んでいくにつれ、英語を読む能力は上がっていきます。並行して、授業で扱う原著も読んでいたのですから、負担でなかったはずはないのですが、それでも原書だけでなく大量の英文を読む訓練は遠回りではなかったはずです。私が日本の大学で使っていたものは英語学習者のためのグレーデッド・リーダー(Graded Reader)であり、下の子供が通うイギリスの小学校で使われている読み物はネイティブの子供達のためのものですから、内容も難しさのポイントも違いますが、基本的な考え方は同じです。少ないものを完璧にするのではなく、好奇心やワクワクするような感情が死なない程度の難しさで、数多くの文章に触れること。子供達が成長していくうちに、現実の世界で触れる英文は多岐にわたるものですから、広く雑多な文章の世界への入り口として、イギリスの小学校に「リーディングツリー」のような教材があることは、素直に羨ましいことだなあと、私は思うのです。Roderick Hunt, Oxford Reading Tree Read with Biff, Chip and Kipper: Level 11 First Chapter Books: The Strange Box (Read with Biff, Chip and Kipper. First Chapter Books. Level), (Oxford University Press, 2014)Oxford University Press|オックスフォード・リーディング・ツリー古川 昭夫, 宮下 いづみ(2007),『イギリスの小学校教科書で楽しく英語を学ぶ』, 小学館Roderick Hunt, STAGE 1+ FIRST SENTENCES PACK (Oxford Reading Tree), (Oxford University Press, 2011)
2019年03月07日年始は下着を新調することの多いタイミング。縁起を担いで真新しい下着を身につけて元旦を迎えたり、年末の大掃除で古いものを整理して買い換えたり。肌に直接触れるものだから、新しくすることで気分までリフレッシュされるようですよね。見目麗しい華やかなセットアップもステキですが、スタンダードにしたいのはやはり体がほっとするような快適なアンダーウェアではないでしょうか。素材や着心地にこだわった、なによりも自身に優しいアイテムで今年はスタート。 ボンドも着たイギリス老舗ブランド 1860年にイギリス・ノッティンガムで誕生した『SUNSPEL(サンスペル)』は、高級下着ブランドのパイオニア。「シンプルな日常着を美しい素材で作る」という創始者のビジョンのもと、繊細なコットンを使った軽くソフトなアイテムはイギリスが誇る名品で、映画『007 カジノ・ロワイヤル』の中ではボンド役のダニエル・クレイグによっていくつも身に付けられたそう。ボンドも愛用したメンズだけではなくレディースのラインナップも充実していて、ミニマルで洗練されたデザインがシンプル一辺倒でない品のよさを感じさせます。 ブラレットは通気性に優れたコットン素材・QUALITY14:セルラー・ワープを使用し、なめらかな肌触りでストレスフリー。細いストラップがほどよく女性らしさもアピールし、乙女心も満たしてくれます。 ショーツはブラレットと同じコットン素材を使用し、ふわっと優しくフィット。ヒップもしっかりカバーしてくれて安心です。シンプルなデザインなので、上下セットであることにこだわらない人にとっても色々なブラに合わせやすい一枚。 ゆったり履けるフレンチニッカーフレンチニッカー¥5,000/SUNSPEL (サンスペル 表参道店) よりリラックスした履き心地を叶えてくれるフレアショーツ型のフレンチニッカーもブラレット、ショーツと同じ素材を使用。太ももまわりが気になる人にも嬉しいカッティングに。ブリーフタイプと一緒に買い揃えて、気分で履き分けられるようバリエーションを増やすのもおすすめです。 (トップ画像)ブラレット¥6,000、ショーツ¥4,000/SUNSPEL (サンスペル 表参道店) SUNSPEL(サンスペル 表参道店) photograph:kimyongduckstyling:Rina Taruyamatext:Momoko Yokomizo
2019年01月24日イギリスの小学校では、クリスマスの時期によく、教会でクリスマス発表会を開きます。上の子はキリスト教系の公立校に行ったので、もちろんですが、宗教と特に関わりのない公立校に通っている下の子も、7歳になった今年、教会での発表会デビューをしました。クリスマスの歌を歌ったり、クリスマスの話をしたり。楽器の得意な子は楽器を弾きますし、詩を朗読する子供もいます。7歳から12歳までの子供たちが、生き生きと発表をしていったのですが、今回特に興味深かったのは、発表のテーマが単純に「クリスマス」ではなく、「世界の冬の祭り」だったことでした。キリスト教の(より詳しく言えば英国国教会の)建物の中で、キリスト教ではあるものの、異なる風習を持つロシア正教やギリシャ正教、さらにキリスト教とは異なる宗教であるユダヤ教やヒンズー教のお祭りが紹介され、歌が歌われたのです。これは、イギリスの小学校できちんとカリキュラム化されている「RE」と地理、音楽や国語などの勉強がすべて渾然となったような、とても面白い催し物でした。世界には異なる文化やしきたりがあふれているイギリスは移民の多い国です。ですから、お互いの文化的背景を、幼い頃からある程度理解していくことがとても大切になります。実際にこの国に暮らす私は、ディーワリー(ヒンズー教のお祭りで10月から11月頃に行われるもの)の時期には道路が渋滞することに気づくことがあります。同僚をお茶に誘って、ラマダン(イスラム教の断食月)が終わったらまたねと断られたことも、引っ越したばかりの頃はありました。さすがに今では日付を気にしていますが、その頃は全く考えていなかったのですね。ちょうどクリスマスのあたりには、ユダヤ教のハヌカー(光の祭り)がありますから、「良いクリスマスを!」ではなく「良いハヌカーを!」という挨拶を時折耳にすることになります。イギリスの小学校の必須科目「RE」とは自分の家庭のものとは異なる文化はどうしてもわかりにくいものですから、イギリスの小学校や中学校では、RE(Religious Education「宗教学」)が必須となっています。必ずしも信じるために学ぶのではなく、不必要な摩擦をさけ、お互いを尊重するために学ぶのです。グローバル化が進み、様々な人々が肩を並べて暮らす現代社会を生きるための基礎素養だと考えられているとも言えるでしょう。REの時間は、地方自治体ごとに、何を教えるのかが変わりますが、多くの場合、子供達にとっては日々の生活に密着した情報を学ぶ時間でもあります。イスラムの人たちは豚肉を食べないから、お弁当のベーコンサンドイッチをあげちゃだめですよシク教徒の男の子たちは髪の毛を神様からもらった大切なものであると考えているから、学校でふざけてでもターバンをとろうとしちゃいけませんよこのように、REの時間は、まさに「自分にとってはふつう」のことが、同じクラスで勉強するお友達にとっては「ふつう」ではないのかもしれない、ということを、学ぶ時間でもあるのです。ニュースの理解度を左右する!?哲学、公民、地理と共にさらにセカンダリースクール(日本でいう中学校のようなもの)に通う上の子供をみると、小学校で学んだREの知識が、上の学校で学ぶ哲学や、公民、地理といった教科に密接に結び付けられていることがわかります。イスラム教がどのような宗教なのか、シク教は一体どのような教義を持っているのか。知っているか知らないかで、ニュースの理解もまるで変わってしまうことでしょう。日本の教育には多くの長所がありますが、イギリスの子供達がREの時間に学ぶような基本的な知識を、まだあまり偏見を持たない年齢の時に教えられることがないのは、残念なことだと思います。異なる文化やしきたりが学べる絵本日本で育つ子供達も今後、様々な習慣や文化をもつ人々と触れ合うことが多くなると予測されます。そういった人たちが近所にやってくる可能性もあれば、自分たちがやがて日本の外へ出ていく可能性もあるでしょう。様々な文化を持つ人たちに囲まれた社会で育つ子供達のために、平易な言葉で様々な習慣を説明する絵本があります。そのうちのいくつか、日本語に訳されているものを中心にご紹介しましょう。■『イライジャの天使―ハヌカとクリスマスの物語』舞台はアメリカ。年老いた黒人のキリスト教徒であるイライジャが、白人のユダヤ教徒の男の子マイケルに、自分が彫った木彫りの天使を渡すのですが、ユダヤ教では偶像崇拝は禁止されていますから、マイケルは困ってしまいます。宗教も人種も年齢も飛び越えて、友情は友情であると力強く訴える、心温まる物語ですが、同時に、こういった文化的ルーツを持つ家庭のしきたりも垣間見ることができます。■『ラマダンのお月さま』イギリスの作家、ナイマ・ロバートによる本書は、本国でも高い評価を得ている絵本です。1ヶ月間のイスラム教の断食を家族と過ごし、月の満ち欠けを見まもる少女の気持ちが、美しい絵と言葉で表現されています。これを読んでいてわかるのは、ラマダン(断食)が、必ずしも「苦しいこと」「我慢をすること」なのではなく、世界中のイスラム教徒たちにとって、共に信仰を確認し、月を見上げる1ヶ月であるということです。■Rama and Sita: The Story of Diwali英語絵本に目を向けると、日本ではなかなか馴染みのないような文化にも触れることができます。例えばこちらは、ディーワーリー(ヒンズー教のお祭り)の起源を描いた、ポップな色彩の楽しい絵本です。探せば日本語の絵本も数多くある、世界の風習や信仰、そしてしきたりの本。自分の家庭の中にいるだけでは見えないもの、より多様性のある社会への道しるべとなる本を、ぜひ意識的に選んでいただきたいと思います。(参考)マイケル J.ローゼン 著, さくま ゆみこ 訳(2012),『イライジャの天使―ハヌカとクリスマスの物語』,晶文社.ナイマ・ロバート 著, 前田 君江 訳(2016),『ラマダンのお月さま』解放出版社.Malachy Doyle, Rama and Sita: The Story of Diwali, (A & C Black, 2012)
2019年01月24日1930年代に製作されたアングルポイズ社のオリジナルランプに、イギリスのプロダクトデザイナーであるケネス・グランジが新たにデザインを加えた「アングルポイズ タイプ 75」は2004年に発売されて以来ベストセラーとなり、いまやスタンダードといえるモデルです。マーガレット・ハウエルとのコラボレーションではカラーカスタマイズが施され、インテリアとしても“映える”カラーが魅力。 マーガレット・ハウエルらしさあふれる、オリジナルカラー 70年代に発売されたオリジナルのクラシカルなムードを継承しつつ、シェードの形などよりミニマルでモダンなデザインに進化した「アングルポイズ タイプ 75」。マーガレット・ハウエルのカスタマイズではポップなカラーもラインナップし、コラボならではの意外性のある遊び心が楽しめます。サクソンブルーは明るさと深みのある洗練された青色に。マットな質感がさりげなくエッジを効かせています。 アームを動かして、ポジションも自在 オリジナルはスプリング式アームランプの元祖であり、作業をするときのタスクライトとしても画期的でした。3本のスプリングが重量バランスを取りアームをスムーズに動かすことができ、自由度の高いポジションキープで扱いやすさは抜群。シンプルで機能的なランプはデスクまわりを照らしながら、部屋の彩りにもなってくれます。 ライト アングルポイズ タイプ75¥28,000/MARGARET HOWELL HOUSEHOLD GOODS (アングローバル) MARGARET HOWELL HOUSEHOLD GOODS (アングローバル)photograph:kimyongduckstyling:Rina Taruyamatext : Momoko Yokomizo
2019年01月17日これまでに海外旅行のべ30回、海外留学3回の経験を持つライター・志村がお送りする「実録!トラブルトラベラーMasamiの事件簿」。ゆるくお届けしている連載も、ようやく10回目を迎えました!ということで今回は、これまでのスリやひったくり、ATM襲撃といった事件性のあるトラブルではなく、私が海外で出会った不思議な人たちとのエピソードを箸休め的にご紹介したいと思います。なぜか海辺で絵のモデルになった in イギリス!【実録! トラブルトラベラーMasamiの事件簿】Vol. 10前回のVol.9でも少し触れていますが、私は昔からどこにいてもなぜか変わった人たちに絡まれやすい体質。本題に入る前にまずはその一例をご紹介したいと思います。それは、ある日表参道を歩いていたときのこと。向かい側から歩いてくる男性が明らかにこちらを見て驚きの表情を浮かべ、目を見開いていました。「あれ? 知り合いだっけ?誰だろう?」と考えているうちに容赦なく近づいていく2人の距離。思い出せないまま案の定「あの、すいません」と声をかけられることに。「あー、ヤバい! 誰だかまったく思い出せないよ!」というこちらの心配もよそに、彼が放った驚きの言葉とは……。「おでこから見たことない光が出ています」「え!?お、おでこから光!?」と動揺する私。確かにそこそこ広めのおでこを持つ私ですが、真剣な表情からはとてもそれをディスってるようには見えない。彼の説明によると、どうやら人相などを見ている人らしく、あまり見たことのない光線(?)が私のおでこから出ているので、思わず声をかけてしまったのだとか。そこで、「はいはい、これはこの後どこかに連れて行かれて壺とか買わされるやつですな」とトラブル経験豊富な私が一気に警戒レベルを上げた瞬間……。肩透かしな一言がっ!「珍しかったのでそれだけです。これからもがんばってくださいね」と笑顔で言い残して去って行きました。あまりにも意味不明で、消化不良のまま取り残されたので、いまだにあれは褒められたのか、いたずらだったのかさっぱりわかりませんが、もし同じ経験をした人がいたらぜひ教えてください。ということで、前置きが長くなりましたが、こんな感じで不思議な人が近づいてくることが日常生活でよくあるのですが、その能力(?)は海外でも健在!それは、イギリスのブライトンという街に行ったときのこと。人との待ち合わせまでかなり時間があったので、行き先も決めずひとりでブラブラと街中を散歩していました。上記の写真からもわかるように、ブライトンは「海辺の街」としても有名なリゾート地。ということで、気が付けば海辺にたどり着いていた私は、ちょっとしたベンチのようなところに腰かけて海を眺めていました。時期は9月末でしたが、私はすでにニットのガーディアンを羽織っていたほどの肌寒さ。とても泳げるような陽気ではありませんでした。そんななか、まさかの泳ぐ人を発見!寒いのはもちろんのこと、その日はなかなかの荒波だったので、いろいろな意味で遊泳禁止レベル。にも関わらず、泳ぎ続けるチャレンジャーな男性がいたので、暇な私は何となく遠くからぼーっと様子を見ていました。しばらくして海から上がってきたので、「ああ、無事でよかった」と思っていたら、徐々にこちらに近づいてくる男性。彼に熱い視線を送った覚えは1ミリもありませんが、気がつけば隣に座られ、話しかけられることに。英語が苦手だったので、何となくわかるとこだけ微笑んでみたりして適当にやり過ごしていたら、まさかの展開が待ち受けていたのです。それは……。「似顔絵を描かせて欲しい」と謎のオファー!あまりにも唐突で意味不明な流れではあるものの、時間を持てあましていたのと、うまい断り方がわからなかったので、なぜか海辺で絵のモデルをするはめに。「自分から提案するからには相当うまいのだろう」と期待に胸を膨らませること30分以上。海風に吹かれ続けて身体も冷え切ったところで絵が完成したのですが……。その出来上がりがこちら!読んでいるかたの10割近くは私の顔がわからないと思いますので、「実は似ているかも?」という疑問にお答えするために恥を忍んで比較画像を載せてみました。鼻やほお骨、えくぼなどところどころ特徴はつかんでいるとは思うものの、「イギリス人には私の顔はこんな風に見えているのか?」ともはや自分の顔がわからなくなるほどの不安に襲われる出来栄え。言葉を失うほどの衝撃に何と感想を言ったのか思い出せませんが、おそらく「ありがとう」というのが精一杯だったかと思います。さらに……。追い打ちをかけるプレゼントがこちら!おそらく似顔絵に気を取られて見逃している方が多いと思いますが、写真の右上に得体の知れない物体が映っているのにお気づきですか?これはそのときに彼が絵と合わせて記念にくれた石です。海で男子が女子にあげるものといえば、きれいな貝殻が定番だと思っていましたが、私の場合はガイコツのようなボコボコのうす汚れた謎の石でした……。真面目そうなタイプでふざけている様子もないので、彼なりの旅行者へのおもてなしだったのかもしれません。それらを受け取ってすぐにその場を離れたので、いまだに彼の意図はよくわからないままですが、イギリスでの忘れられない思いでのひとつとなったのはいうまでもありません。何年か前にFacebookの「知り合いかも」に彼が上がってきたときはびっくりしましたが、いまでもきっとあの荒波にもまれながら、絵を描いて元気に暮らしていることでしょう。ということで、いつもならここでトラブルの回避法をお伝えするところですが、今回はトラブルではないので、言いたいことはひとつだけです。それは……。普段ない出会いこそが旅の醍醐味!日本では絶対にないような出来事や出会うはずのない人と巡り合ったりするのは、旅に出たからこそ。ただし、Vol.9で私が経験したように、知らない人に連れ回されて怖い思いをすることのないようにだけはくれぐれも気をつけてくださいね。そのうえで、みなさんも道中で起きるハプニングを思う存分に楽しみましょう!最後に、似顔絵事件のあとに訪れたイギリスのセブンシスターズの絶景とそこではしゃぐ豆粒のような私をお届けしてお別れしたいと思います。世界の大きさを知ると、自分の悩みなんかもちっぽけに感じられるもの。みなさんもどんどんいろんなところに旅をして、新たな体験を味わいながら、おもしろいエピソードをたくさん持ち帰ってくださいね。次回は、イギリスの公園で変なおじさんに絡まれて困った編です。お楽しみに!©Martin Dimitrov/Gettyimages©Deagreez/Gettyimages©eyewave/Gettyimages
2019年01月12日14日(現地時間)、イギリス王室から今年のクリスマスカードに使われる写真が公開された。今年はヘンリー王子(サセックス公爵)がメーガン妃と結婚、兄のウィリアム王子(ケンブリッジ公爵)とキャサリン妃夫妻には第3子のルイ王子が誕生、兄弟の父・チャールズ皇太子は70歳の誕生日を迎え、とおめでた続き。カードの写真から、明るいニュースが続いた王室の2018年をふり返る。ケンブリッジ公ご一家の1枚は、ノーフォークにある別邸アンマー・ホールの屋外で撮った家族写真。夫妻はデニム、3人の子どもたちもカジュアルな装いで自然な笑顔。5歳になる長男ジョージ王子はパパの両肩に手を置き、左足をあげたわんぱくなポーズ、3歳の長女シャーロット王女はお澄まし顔で、4月23日(現地時間)に誕生した次男のルイ王子はママに抱かれて、しっかりカメラ目線。7月9日(現地時間)にロンドンのセント・ジェームズ宮殿で行われた洗礼式の時から目覚ましい成長だ。ちなみにキャサリン妃はルイ王子を4月23日午前11時1分(現地時間)に出産し、7時間後の午後6時に退院。王子を抱いて、ワンピースにハイヒール姿で笑顔を見せ、世間を驚かせた。5月19日に結婚したヘンリー王子とメーガン妃夫妻がカード用に選んだのは、フロッグモア・ハウスで開かれた披露宴の夜、花火を並んで見ている後ろ姿をとらえたモノクロ写真。背後でつながれた2人の手がロマンティックな1枚だ。メーガン妃に離婚歴があることや母親がアフリカ系であることへの中傷を乗り越えてのゴールインは世界中で大きく報じられ、祝福された。もともと人気女優で注目を浴びることに慣れていた妃は、婚約時代からヘンリー王子の公務に同行していたが、結婚後は早速6月にエリザベス女王に誘われ、ロイヤル・トレインで一泊する公務も行った。フレンドリーなキャラクターで、一般の人々とふれ合う場で見せる親しみやすさで、ますます人気が高まっている。10月には待望の第1子の妊娠が発表、誕生は来春の予定。2019年はさらに幸せな年になりそうだ。チャールズ皇太子はカミラ夫人(コーンウォール公爵夫人)と公邸のクラレンス・ハウスの庭で撮った1枚。夏の緑に囲まれ、ベンチに座って互いを見つめ合う夫妻の仲むつまじい様子が伝わってくる。11月14日(現地時間)に70歳の誕生日を迎えられたが、その記念にBBCが制作したドキュメンタリー番組では、9月にクラレンス・ハウスで孫のルイ王子をあやす姿が収められた。またケンジントン宮殿も、インスタグラムで皇太子の誕生日を祝って、2人の息子夫妻と3人の孫たちとの記念写真を公開。こちらでも皇太子は優しいおじいちゃんの表情を見せている。10月には、ウィリアム王子やヘンリー王子の従妹にあたるユージェニー王女(ヨーク公爵夫妻の娘)が実業家のジャック・ブルックスバンク氏と結婚した。ウエディングドレスは背中が大きく開いたデザインで、王女は12歳のときに受けた脊柱側弯症の手術痕を隠さずに見せた。自分を助けてくれた医療関係者たちへの敬意と同じ病を患っている人たちに希望を示したいという気持ちからの、あえての行動には称賛の声が寄せられた。ジョージ王子とシャーロット王女が通う学校やナースリー・スクールは冬休み。ロイヤル・ファミリーは今年も例年通り、92歳になるエリザベス女王とフィリップ殿下夫妻とノーフォークの別邸サンドリンガム・ハウスでクリスマスを過ごしたようだ。(text:Yuki Tominaga)
2018年12月30日美しい靴を履くと、自然と気持ちが高まる。そんなスイッチを押してくれるのが、英国ブランド『JOSEPH CHEANEY(ジョセフ チーニー)』の革靴。1886年の創業以来、その伝統と技法を守りながら靴を作り続けています。その全てがノーザンプトンの自社工場で行われていて、一足に費やされる時間はなんと約8週間!160工程をも経て、最初から最後まで一貫して担当している貴重なブランドなのです。 コンビカラーの美しい靴。紳士靴のイメージが強いけれど、実はレディースラインも作っている『JOSEPH CHEANEY』。これからチェックするなら、履くだけでトラッドルックを完成させてくれるローファーは外せません。今回ご紹介するのは、メンズコレクションでも定番のローファーをネイビー×アイボリーの女性らしいコンビカラーにアレンジした「BONNIE(ボニー)」。上品な大人の女性にハマる美しい靴です。 『JOSEPH CHEANEY』の魅力に、レザーソールがあります。初めは少し滑りやすいけれど、履き込むうちに柔らかく変化。すっと自分の足に馴染んだ瞬間を感じられるのです。また、天然素材だから吸湿性があり、足裏の湿気を外に逃してくれるのです。一見するとメンズシューズと変わりないと思うかもしれませんが、アウトソールのデザインや土踏まずのシェイプなど、細かな部分で女性の足に似合う工夫が施されているのです。 真上から見るとよくわかりますが、すっきりとしたシルエットでエレガントな印象です。使われている牛革は、きちんとお手入れすることで美しさに磨きがかかるというのも愛すべきポイント。この靴を履いている自分を想像すると、なんだか少し恥ずかしさもあり、この靴が似合う女性になりたいと思わせてくれるはずです。 JOSEPH CHEANEY(ブリティッシュメイド 銀座)03-6263-9955www.british-made.jp
2018年12月30日2018年も残すところ数日、大掃除と一緒にワードローブの断捨離もしてすっきりと新年を迎えたいですよね。後回しになりがちな靴棚をあらめてのぞくと、くたびれたスニーカーやもう古い型のパンプスが場所を取っていたり…。ここは思い切って整理して空いたスペースに新しい靴を迎え、新年を足元からフレッシュにスタート!お気に入りの真新しい靴と一緒にはじめれば、2019年もいいことが起こりそうな予感。 イギリスの老舗シューズメーカー『SANDERS(サンダース)』 仕事はじめやお正月の集まり、普段どおりでもいいけれどいつもより少しだけフォーマルな装いで出かけるのも背筋がシャキッと伸びるようでいいもの。足元の選択は品のいいクラシカルなレザーシューズなら間違いなく、きれいめのデニムやタイツ&スカートを合わせてもいつもよりドレスアップした印象を与えてくれます。 イギリスの老舗シューズメーカー『SANDERS(サンダース)』から発売されているプレーントゥは、マニッシュでありながらどこか肩の力が入りすぎていないところが女性にも履きやすい革靴。丸くぽってりとしたつま先のやわらかさのあるシルエットがスカートとも相性がよく、ソックスやタイツで遊ぶのもステキです。 2色のシューレースをコーディネートに合わせてチェンジ アッパーには雨の日にも強く、手入れのしやすいポリッシュドレザーを使用。上品なレザーの艶が高級感もプラスしてくれます。ソールは伝統的な“グッドイヤーウェルト製法”で仕上げ、耐久性に優れているので長く足元のパートナーに。レザーカラーと同色のシューレースのほかにオリーブ色のシューレースが付き、色を変えるだけでだいぶ印象が変わります。ちょっと面倒でもコーディネートに合わせて変えればおしゃれ度がぐんとアップするので、支度にゆとりを持ってお試しを。 プレーン トゥ シューズ¥46,000/SANDERS(グラストンベリーショールーム) SANDERS(グラストンベリーショールーム)03-6231-0213:kimyongduckstyling:Mari Nagasakahair&make:Daisuke Yamada(Cake)model:Rio Kajiyamatext : Momoko Yokomizo
2018年12月27日歴史あるメーカーは、やはり愛される確かな理由があります。今回ご紹介する『SANDERS(サンダース)』もそのひとつ。靴の聖地とも呼ばれるイギリスのノーサンプトンで、1873年に創業した老舗のメーカーです。イギリス国防省(MOD)の制服用の革靴の大部分を担当しているという実績から、本国での信頼が厚いことが伺えます。 ミリタリームードも加わった一足。アルバートスリッパー¥54,000/SANDERS(グラストンベリーショールーム)そんな『SANDERS』のアイテムの中から注目したいのは、〝ミリタリーコレクション〟と呼ばれる、木型から企画された日本限定のコレクション。そのデザインは、サンダース社のミリタリーシューズのアーカイブが元になっているというのも、心惹かれる理由です。 シンプルな佇まい。美しいツヤのあるレザー。そこにあるだけで心を掴んで離さないスリッポンは、スニーカーによくあるようなスリッポンタイプのデザインというところがミソ。無駄が一切なく、どんな着こなしにもすっと馴染んでくれる懐の大きさを感じます。 革靴は滑ってしまうなんてイメージは、この靴では無用。その秘密は、しっかりとグリップするこのラバーソール。とはいえ、気品を損なわないようなドレッシーなデザインに仕上げられているところは、さすがと唸りたくなります。 横顔だってこの美しさ!ソールの耐久性が高く、足にフィットしてくれるので、レザーシューズでも歩きやすいという魅力があります。トラッドスタイルだけでなく、フレンチスタイルやミリタリースタイルともマッチしてくれるので、この革靴を持っておけばいろいろなコーディネートを楽しめます。新しい年の購入リストに仲間入りさせましょう。 SANDERS(グラストンベリーショールーム)03-6231-0213
2018年12月25日外科医と薬剤師の兄弟が作った香り高い化粧品 『D.R.HARRIS&CO.LTD』は、外科医のヘンリー・ハリスと薬剤師のダニエル・ロートリーの兄弟が1790年に創業したロンドン最古の薬局。薬局とはいえ、石鹸やシャンプー、オーデコロンといった香り高い化粧品が人気なのが特徴。現在も創業当初から変わらぬレシピで作る化粧品が、幅広い年代で愛され続けています。また「ロイヤル・ワラント(英国王室御用達)」の称号を持つことも有名。厳選な審査が必要な称号で、現在は、エリザベス女王とチャールズ皇太子の御用達です。 トリプルミルド製法で作られた濃密な泡立ちの石鹸シリーズ 形成された石鹸をパウダー状に砕いてから固めるミルド製法を3回も繰り返して作っているというこだわり。この製法で、キメが細かく、香りが均一に行き渡った石鹸が出来上がります。通常の石鹸よりも濃厚でリッチな泡立ちが特徴です。 (左から)アーモンドオイル ミニソープ 40g ¥1,000、アーモンドオイルソープ(S 75g) ¥1,800、同(L 150g)¥2,400、アーモンドハンドウォッシュ 250ml ¥4,500 『D.R.HARRIS&CO.LTD』社の中でも、世界的に有名なのがアーモンドオイルソープ。ローズマリー、シダーをブレンドした深みのある香りです。保湿性も高く、豊かな泡立ちでデリケートな肌も優しく洗い上げます。 (右)ウィンザー ソープ 40g ¥1,000、150g ¥2,400、(左)アーリントン ソープ 40g ¥1,000、150g ¥2,400 シアバターなど天然由来の保湿成分を贅沢に配合。ウィンザーは、シトラス、ブラックペッパーをブレンドした温かみのある香り。アーリントンは、シダーのきいたシトラスノートです。 (左から)ラベンダー ミニソープ 40g ¥1,000、ラベンダー ソープ(S 75g) ¥1,800、同(L 150g)¥2,400、ラベンダーウォーター(コロン) 50ml ¥8,000 本国でも定番になっているラベンダーシリーズ。フレッシュで芳しいラベンダーがリラックスさせてくれます。ラベンダーウォーターは、ラベンダーにくわえてムスクも配合されているので、香りが甘過ぎず、ユニセックスで使えます。 クラシカルな気品が漂う香りのコロンもラインナップコロン 30ml 各¥3,800(左から、クラシック、フレッシュ、トラディショナル、アルバニー、アーリントン、マールボロ、メイフェア) 石鹸と同じ香りのコロンも揃います。爽やかなシトラス系の香りのバリエーションが豊富なことが特徴。フレッシュなもの、甘く温かみのある香りなど、繊細でニュアンスのある上品な香りです。 オードトワレ ウィンザー 30ml ¥3,800、50ml ¥9,800、100ml ¥10,000 ウィンザーは、英国王室エリザベス女王の即位60周年を記念して作られた香り。爽やかなシトラスをベースに、ブラックペッパー、ベティベールをブレンドした温かみと重厚感を感じる香りです。オードトワレ TWENTY NINE 30ml ¥3,800、50ml ¥9,800、100ml ¥10,000 『D.R.HARRIS&CO.LTD』のロンドンの店舗がある29番通りが名前の由来のコロン。香りは、アーモンドオイルソープと同じで、ローズマリー、シナモン、クローブがブレンドされた深みを感じる香りです。 クラシカルな香りをつけて気品を漂わせよう 香りが人に与えるインパクトは、意外と大きいもの。クラシカルな香りをつければ、気持ちが華やかになり、レディな気分を楽しめます。ぜひ、『D.R.HARRIS&CO.LTD』の石鹸やコロンで、気品あるムードを演出してくださいね。 問い合わせ先:宮崎寛子
2018年12月14日130年一貫した靴作りを続ける『JOSEPH CHEANEY』 男性で、ファッションに関心が高い人は「ノーザンプトン」と聞けばすぐに「英国靴の聖地!」と連想する人も多いようです。その伝統的製靴の街・ノーザンプトンで、1886年からクオリティの高い靴作りを続けているのがジョセフ チーニーの工場。「グッドイヤーウェルト製法」というソールの付け替えが可能な伝統的製法を今も受け継いで作っています。細部まで丁寧に作られていて、そのため、一足の靴を作るのに費やされる工程は、最低でもなんと160工程!約8週間もの時間をかけて作られているんです。写真は、靴に使われるパーツの一部やラスト(靴型)。一足の靴に、大きく分けて17ものパーツが使われています。 AppleMark 女性のために作られた上品なプレーントゥ・シューズ「LORA(ローラ)」 このベーシックなプレーントゥは、まさにジョセフ チーニーらしい一足。すっきりと細めでスタイリッシュなフォルムが特徴です。幅は広くもなく、狭くもなく絶妙なフィット感。つま先にゆとりのあるシルエットになっています。アッパーにはドイツのウィンハイマー社を代表するレザー「ボックスカーフ」が使われています。また、インソールに施されているゴールドの刻印はレディースモデルのレギュラーデザインです。 プレーントゥ・シューズ「LORA(ローラ)」¥62,000プレーントゥ・シューズ「LORA(ローラ)」¥62,000 ウイングチップの装飾が目を引く「MILLY(ミリー)」 クラシックな飾り穴がスタイルに存在感を持たせてくれる、ウイングチップシューズ。コーディネートのアクセントになる華やかさがあるので、デニムにはもちろん、女性らしいワンピースに合わせても相性抜群。すっきりと細めのスタイリッシュなフォルムで、メンズライクな靴を女性らしいムードで履くことができます。 ウィングチップ・シューズ「MILLY(ミリー)」¥62,000ウィングチップ・シューズ「MILLY(ミリー)」¥62,000 なめらなかフォルムが上品なローファー「BONNIE(ボニー)」 ジョセフ チーニーのローファーは、洗練された印象が特徴。その理由は、凹凸の少ないすべらかなフォルムにあります。無骨に見えがちな甲のU字ステッチを、革の立ち上がりが少ない縫製で作られているからです。カジュアルさが抑えられた、あくまで上品な大人のローファーです。 ローファー「BONNIE(ボニー)」¥62,000ローファー「BONNIE(ボニー)」¥62,000 少し値は張るけど、何年も履けるからそれ以上の価値あり! ジョセフ チーニーは、アフターメンテナンスのサービス(有料)も充実しているところが魅力。ソールを取り替えて長く履くことができます。レディースの靴は汚れて捨ててしまうこともあるけれど、トラディショナルなシューズは、汚れやシワも味になり、手入れをしながら履くことで、自分の足になじむ靴を育てる楽しみがあります。トレンドに左右されずに長く愛用できるジョセフ チーニーの靴、ぜひ、自分へのご褒美に一足手に入れてください。 問い合わせ先www.british-made.jp text:宮崎寛子
2018年12月08日ジブリの映画には、イギリスがよく登場します。『ハウルの動く城』や『借りぐらしのアリエッティ』、『思い出のマーニー』はイギリスの児童文学をベースにしていますし、『天空の城ラピュタ』の舞台はウェールズをモデルにした架空の国です。日本の子どもたちになじみのあるジブリ映画は、ある意味では、より大きな英文学の世界、イギリス史の世界へと子どもたちを誘うさまざまな糸口を隠し持っています。今日は、身近なジブリ作品から、親子で少し知識の幅を広げてみましょう。『天空の城ラピュタ』製作のきっかけは宮崎駿のウェールズ訪問『天空の城ラピュタ』をご覧になったことはありますか?炭鉱で働く少年、パズーの元に、ある日空から少女、シータが降ってくることから始まる冒険活劇です。海賊ならぬ空賊や、失われた古代文明の技術など、ロマンチックなモチーフが多く、人気があります。宮崎駿作詞、久石譲作曲の主題歌『君をのせて』も有名ですね。架空の世界を舞台にした物語ですが、実はこの映画は、宮崎駿がイギリス、ウェールズの炭鉱街を訪れたことに大きな影響を受けています。宮崎駿がウェールズを訪ねたのは、ちょうど1984年から1985年にかけてのこと。サッチャー政権のもと、国営の炭鉱が次々と閉鎖され、炭鉱でのストライキが起きていた時期でした。そのような背景もあり、『ラピュタ』は、イギリス労働者の団結や、19世紀からのイギリス労働者階級の文化をある程度知っていると、非常に面白い映画でもあります。ウェールズってどこ?4つの地域で構成されているイギリスとはいえ、イギリス、という国名がイングリッシュ(English)から来ていることを考えると、イギリスのウェールズ、という言い方はちょっと語弊があるかもしれません。ウェールズはUK、すなわち「グレートブリテン及び北アイルランド連合王国」(イギリスの正式国名)の中の一つの国、になります。連合王国、の名の通り、イングランド、スコットランド、そしてウェールズの王国が集まってできているのがUKです。イギリスの次期国王はプリンス・オブ・ウェールズと呼ばれますね。北アイルランドは、1922年、アイルランドが独立するにあたり、UKの内部にとどまりました。今回はふれませんが、複雑な政治的背景を持っています。ウェールズにはすでに王はいませんが、独自の言語と文化を保っています。お子さんと一緒に地図を確認してみてください。こちらの地図の黄色い部分にあたります。『天空の城ラピュタ』にみる、イギリスの階級と文化「空から女の子が降ってきた」——印象的なシーンで始まる『ラピュタ』の冒頭で、少年パズーは鳩に餌をあげ、トランペットを吹いています。朝日が差し込み、炭鉱を照らす美しい場面です。『天空の城ラピュタ』には、イギリスの労働者階級の文化を象徴するものがたくさん登場します。冒頭の短いシーンをはじめとして、映画の中から、その鍵となるモチーフを一緒に読み取っていきましょう。1. 炭鉱主人公パズーは、鉱山で働く見習い機械工です。パズーの親方、ダッフィーも、鉱山の地下道にあるエレベーターやエンジンなどの大型機械を扱うベテラン機械工です。石炭は産業革命を可能にした、ある意味イギリスの繁栄の基礎となる燃料でもあります。2. トランペット工場や炭鉱の騒音にも負けずに美しい音色を奏でるブラスバンドは、労働者に広く愛された楽器です。現在でもイギリスでは、かつての工業地帯にブラスバンドの伝統が根付いていることが多いのです。産業革命以降の労働者と金管楽器の強い結びつきがわかります。3. ハトパズーは鳩を飼っていますね。レース鳩の飼育は、そもそもは教育をうけた、どちらかといえば上のほうの階級の趣味として始まりました。チャールズ・ダーウィンも飼っていたのです。しかし19世紀の終わり頃には、多くの労働者階級の、特に男性の間で人気を集めるようになります。レースにつきもののギャンブルも行われ、それこそ炭鉱で稼いだ日銭を鳩のレースに費やす人々も現れました。もちろん純粋に鳩の世話とレースを楽しむ人々もいました。空を飛びたい、というパズーの純粋な夢を表しながら、同時にパズーが労働者階級の子供であることを端的に表現するシンボルとして、鳩はうまく機能しています。4. ストライキのポスター空賊から逃げ出すパズーを質問もせずに助けようとする親方の家には、ストライキのポスターが貼ってあります。イギリスの労働者階級は、自分たちを「労働者階級」と認識し、団結することで、その権利を広げていこうとした側面を持っています。例えば、賃金の引き上げや労働時間の短縮を求めるために、労働組合を作ってストライキをすることもありました。同時に、集まって勉強会をするなど、お互いの教育レベルを上げるための試みも行われました。産業革命の引き起こした急激な工業化の歪みを、労働者自身が団結することで、是正しようとしたのです。ジョン・レノンが1970年に Working Class Hero「労働者階級の英雄」という歌を発表したことを、ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんね。労働者階級には、労働者階級独自の文化やものの考え方があり、そこに誇りを持つべきだ、という考え方は、今でもイギリス社会に根強く残っています。アニメ映画をきっかけに親子で学びを深めようさて、ウェールズ、階級といったテーマに着目して、皆さんに親しみのあるアニメ映画のモチーフをいくつか解読してみました。子どもを持つ親としては、そういった知識を背景に、家庭での語り合いを広げたいですし、また、これをきっかけにより広い作品群へと手を伸ばしていきたいところです。では、ウェールズの作家、あるいは労働者階級を扱った物語で、日本語で入手しやすい作品には、どのようなものがあるでしょうか。人気作家「ロアルド・ダール」の児童書から階級問題を学ぶウェールズ出身の児童小説家でどうしても忘れることができないのは、ロアルド・ダールです。『チョコレート工場の秘密』『マチルダはちいさな大天才』などの作品を目にしたことがある方も多いでしょう。『チョコレート工場の秘密』はティム・バートン監督により映画化され、ジョニー・デップも出演して話題を集めました。『マチルダはちいさな大天才』は『ハリー・ポッターと賢者の石』が出る以前、イギリスで児童書部門の売り上げ1位を独走していた作品です。独特のブラックユーモアで知られる作者ですが、彼の作品群から階級間の対立を描いた『ダニーは世界チャンピオン』をご紹介しましょう。労働者階級の父と子の愛情を軸に、犯罪物語を「子ども向けに」書いてしまうダールならではの作品です。我が家の読み聞かせは6歳ぐらいから始まりましたが、自分で読むのであれば小学校中学年以上でしょうか。日本語訳は少々分厚い本になりますが、子どもをぐいぐいと引き込むお話です。映画やテレビ、そしてゲームでも、身近に知っている作品の中には、しばしばより広い世界へと結びついているものがあります。以前ポケモンとシェイクスピア、今回は『天空の城ラピュタ』とイギリスの労働者階級についてお話ししましたが、それだけではありません。実にさまざまな子ども向けエンターテインメントの中に、新たな学びのきっかけとなる要素が散らばっているのです。誰もが一度は見たことのある映画。隣に座って鑑賞し、そこから親子の対話へとつなげてみませんか?こうしたちょっとした知識をきっかけに、お子さんと一緒に調べてみるのも面白いはずです。日常の中に、学びの種を探してみる。受け身ではなく、自ら主体的に学ぶことを楽しむ。親御さんのそんな姿が、お子さんの学びに対する姿勢を形作るのかもしれません。(参考)Martin Jones, “Pigeon Fancying and Working Class Culture in Britain, c.1870-1950” in Cultural and Social History, Volume 4, Issue 3, pp. 361–383.ロアルド ダール, 田村 隆一 訳(1972), 『チョコレート工場の秘密』,評論社.ロアルド ダール, 宮下 嶺夫 訳(1991),『マチルダはちいさな大天才』,評論社.ロアルド ダール, 柳瀬 尚紀 訳(2006), 『ダニーは世界チャンピオン』,評論社,
2018年11月15日青山のオシャレセレクトショップ『BLOOM&BRANCH』がイギリスのニットブランド『Corgi』とコラボ!『Corgi (コーギ)』はサウスウェールズで1892年に創業したロイヤル・ワラントを持つ英国を代表する老舗ニットブランド。元々は良質なソックスの製造・販売をし、1960年からハンドフレーム製法のニットウェアを展開。コンピューターに制御されたマシンではなく、熟練の職人による昔ながらの製法は、1点1点目の詰まり方やサイズ感など職人の感覚により個々の仕上がりが異なり、その独特で温かみのある風合いは正解中のファンを魅了!AOYOMA ・TOKYO・WEB SHOPの3店舗にて発売中です! 『PUNK YARN KNIT』(Womens) 価格 / 40,000円 (税別) カラー / Purple、Prange、Bronze、Brown サイズ / Free ふんわりとした風合いと軽量さが魅力の毛足が長いウール生地、パンクヤーン。メンズのライン入りパンクヤーンニットをベースに、ショルダーポイントはそのままに着丈・袖丈・リブの長さなどパターン調整を加え、別注制作をリクエストしました。丸みを持ちながらも、メンズのニットを着ているような雰囲気に仕上げている自信作。カラー展開は、女性らしい明るさと温かみをもつパープル、オレンジ、ブロンズ、ベージュの4色展開。暗くなりがちな秋冬のワードローブに存在感のあるニットとして大活躍。シンプルなのにさらっと着るだけで今っぽい着こなしになるから、きれいなスラックス、スカートスタイルに遊びを添えてくれます。 『MOHAIR SOCKS』(Womens) 価格 / 4,800円 (税別) カラー / Burnt Orange、Brown、Port、Cream、Silver サイズ / Free 元々靴下製造からスタートした『Corgi (コーギ)』。今回のコラボ商品は毛足の長さによるフワフワ感がたまらないMOHAIR SOCKS。オシャレは足元からといいますが、最近は靴だけではなくソックスにも注目が。カラーはコーディネートしやすい展開になっていて、女性バイヤーならではの優しい心遣いが感じられます。冬の足もとの演出として、靴からチラッとモヘアの柔らかな毛足、その日のコーディネートがばっちり決まります。 《BLOOM&BRANCH SHOP INFORMATION》AOYAMA〒107-0062 東京都港区南青山5-10-5 第1九曜ビル101 / TEL:03-6892-2014 / 営業時間:11時〜20時TOKYO〒160-0022 東京都新宿区新宿4-1-6 NEWoMan新宿 4F / TEL:03-5379-2016 / 営業時間:11時〜21時30分BLOOM&BRANCH WEB SHOP
2018年11月12日