シチズン・システムズは12月8日、メガネやアクセサリーなどを洗浄できる「超音波洗浄器 SWT710」(以下、SWT710)を発表した。発売は12月11日で、価格はオープン。推定市場価格は10,000円前後だ。超音波洗浄器は一般的に、振動子により超音波を発生させ、その振動で目に見えない気泡(キャビテーション)を発生させる。この気泡がはじける時に生じた衝撃波で、汚れを粉砕して落とす仕組みだ。布やブラシ、水流などでは落ちにくい、細かな部分の汚れも取り除ける。SWT710は2つの振動子を搭載することで、強力な洗浄力を実現しており、微細な隙間の汚れも洗い落とすという。洗浄槽は約W180×D87×H58mm、容積約800ml(ただし、上限は650ml)。汚れ具合に応じて、洗浄時間を60 / 120 / 180 / 240 / 300秒の5段階から選択できる。操作部分はタッチセンサー式。電源コードは着脱式なので、注水と排水時に邪魔になりにくい。アクセサリーなどの洗浄に使用する洗浄カゴと時計ホルダーが付属する。製品サイズは約W220×D138×H141mm、重量が約1,270g。コードの長さは約1.5m。消費電力は40W。なお、宝石やコンタクトレンズなどSWT710で洗浄できないものもある。
2015年12月08日三和化学研究所は12月4日、インフルエンザウイルス抗原検査キット「ファインビジョン Influenza」を12月7日に発売すると発表した。同製品は、A型およびB型インフルエンザウイルス抗原の検出を目的とした検査キットで、陰性判定を5分、陽性反応の大半を1分以内で検出できるという。また、カセット形状であり、判定ラインのマルチカラー採用で高い視認性を実現したため、必要に応じて患者自身に感染の有無を確認してもらうこともできる。価格は10テスト用で1万3000円/キット(税抜き)で、同社は初年度1万5000キットの販売を目標としている。
2015年12月04日東芝と東芝メディカルシステムズは11月30日、MRI検査装置のボア(検査空間)内に設置したドーム型スクリーンにプロジェクターから映像を投影することで、検査空間を感じさせない広視野・高臨場感映像を表示する技術を開発したと発表した。同技術は、寝台の位置に応じて動く半透過ドーム型スクリーンをボア内に設置し、磁界の影響がおよばないMRI検査装置の後方に設置したプロジェクターから、スクリーンとボア内カバーに映像を投影し、寝台に設置されたミラーに反射された映像を患者が見るというもの。ボア内のドーム型スクリーンは、車載用ヘッドアップディスプレイや超高臨場感用頭部搭載型ディスプレイの基盤技術が活かされており、物体の色や形状を処理する中心視野に加えて、空間の奥行や動きを処理する周辺視野に映像刺激を与えることで、視野角60度以上の広視野・高臨場感映像を実現。ミラーに反射された映像は実際のボア内カバーより遠くに映し出されているように感じられるという。検査前には、ドーム型スクリーンはボア入口に位置して映像を表示しており、トンネル構造が見えないため検査への不安を軽減するほか、検査開始時には、ドーム型スクリーンが寝台と連動してボア内に移動することで、患者は常に一定の映像を見続けることができ、閉所であるボア内へ入り込む感覚を低減するとする。今後は、患者がボア内で検査していることを忘れてしまうようなリラックスできる空間を提供するために騒音低減技術を融合させ、早期の実用化を目指すとしている。
2015年11月30日フィリップス エレクトロニクス ジャパンは11月17日、超音波診断装置解析ソフトウェア「ハートモデルA.I.」の販売を開始すると発表した。「ハートモデルA.I.」は、同社の超音波画像診断装置「EPIQ 7」に搭載可能なソフトウェアで、心臓の超音波画像から得られた3D データを短時間に処理し、左心室駆出率(LVEF)、左心房容量(LA Volume)などを自動で定量解析することができる。LVEFとLA Volumeは心臓の診断や治療方針を決める上で重要な指標とされており、LVEFは僧坊弁や大動脈弁の手術適用におけるガイドラインの指標として用いられているほか、LA Volumeは急性心筋梗塞後の生存率を予測する指標として利用されている。複雑な構造の心腔では、3Dスキャンによる定量化が理想とされる。そのため、CTやMRIのデータがゴールデンスタンダードとされる一方で、超音波検査においては3Dデータの解析には専門的な知識が必要であり、複雑で時間がかかることから2Dデータからの解析が一般的とされている。これに対し、同ソフトウェアを用いることで従来の2Dによる解析に比べ、3倍から6倍の速さで3Dでの解析結果が得られるとの研究結果もあり、現在一般的に行われている2Dでの検査フローの中で3D解析を行うことが可能となる。また、精度はMRI によるデータと同等であるという。「ハートモデルA.I.」の希望販売価格は1250万円(税抜き)で、国内初年度の販売台数は約100システムを見込んでいる。
2015年11月18日サンコーは11月16日、服についたしょう油、ケチャップ、ソースなどのシミを落とすハンディ洗浄器「シミトリエリック」を発売した。直販価格は税込5,980円。シミトリエリックは、先端に幅12mm・厚さ2mmの超音波プレートが付いたコンパクトな洗浄器。落としたいシミの上に水や洗剤をかけ、本体先端を押し当て電源を入れると、毎秒5万回の超音波振動が発生し汚れを浮かせ取る。単3形乾電池×4本かUSB接続で駆動し、推奨連続使用時間は3分。サイズはW51×D192×H48mm。重量は145g。
2015年11月17日国立がん研究センター(国がん)は11月13日、シスメックスと共同で次世代シークエンサー(NGS)を用いた網羅的遺伝子検査を行う「Sysmex Cancer Innovation Laboratory(SCI-Lab)」を同センター中央病院内に開設し、同検査を実臨床に導入することでがん患者の遺伝子情報を治療選択に活用することを目指す臨床研究「TOP-GEARプロジェクト」第2段(TOPICS-2試験)を2016年1月より開始すると発表した。がん診療における遺伝子解析には、正常な細胞から個人の体質を調べる生殖細胞系列遺伝子検査と、がん細胞の中の変化を調べる体細胞遺伝子検査がある。前者では個人の体質を対象としているため発見された異常が遺伝性のものである場合があるが、後者の場合はがん細胞の中で起こる変化であるため発見される異常は遺伝性ではない。SCI-Labが対象とするのはがん細胞の中の変化を調べる体細胞遺伝子検査で、遺伝子異常を解析することによって最適な治療薬の選択につなげることができる。同研究センター中央病院 病理・臨床検査科の角南久仁子 医員は「遺伝子異常に対する薬剤治療は、比較的副作用が少なく、治療効果が高い」と語り、適切な治療を行うためには正しい遺伝子診断が重要であると説明する。従来の検査法では、一度につき1つの遺伝子しか解析できず、結果が出るまでに2週間かかっていた。これに対し、SCI-Labでは国がんが開発した遺伝子パネルを用いて一度に約100種類の遺伝子を網羅的に調べることができるため、効率的に遺伝子診断を行い各患者の遺伝子情報に基づく個別化医療を実現できると考えられている。同センターは2013年から2014年にかけて同プロジェクトの第1段試験(TOPICS-1)を実施しており、そこで専門チームの設置など体制づくりを含めた網羅的遺伝子検査システムを構築し、有用性を検証した。その結果、網羅的遺伝子検査システムの有用性は確認された一方で、診断結果を患者にフィードバックし治療選択に導入するためには検査の品質保証が必要であることがわかった。来年1月より実施されるTOPICS-2では、TOPICS-1で構築した体制をベースに、実臨床で使える検査としての信頼性を確保するため、国際基準レベルの品質保証のもと、網羅的遺伝子検査システムを運用する。SCI-Labはシスメックスとの共同運営になるが、品質保証の面では、日本で初めて米国臨床検査室改善法(CLIA)を所得した理研ジェネシスの支援を受けるという。同臨床研究は、同センター中央病院と東病院において治療中で、担当医が網羅的遺伝子検査が治療選択に有用と判断した患者を対象に行う。具体的には、標準的な抗がん剤治療が終了、もしくは終了することが予想される患者や希少がん患者、15~39歳を含めた若年の患者などを想定しており、1年間で約200症例の検査を行うことを目標としている。
2015年11月13日東北大学は11月5日、40歳代女性を対象とした乳がん検診における超音波検査の有効性を検証するための比較試験から、マンモグラフィに超音波を加えることで早期乳がんの発見率が約1.5倍になるなどの結果が得られたと発表した。同成果は、東北大学大学院医学系研究科 大内 憲明 教授らのグループによるもので、11月5日付の医学誌「the Lancet(電子版)」に掲載された。今回の試験は、2007年7月から2011年3月にかけて、全国42の研究参加団体を通じ、7万6196人の女性の参加同意を得て施行された。参加者は参加同意後に 1:1 の割合で、マンモグラフィに加えて超音波検査を実施するグループ(介入群)と、通常のマンモグラフィ検診を実施するグループ(コントロール群)にランダムに割り振られ、初回および2年後の検診を受診した。その結果、介入群では感度91.1%、コントロール群では感度77.0%であり、有意差を持って介入群で感度が上昇。乳がん発見数、発見率においても介入群で有意に高値となった。発見がんのステージ別評価では、ステージIIまたはIII以上の発見がん数は、介入群、コントロール群で差は見られず、超音波検査はステージ0またはⅠのがんの発見に寄与していることが明らかとなった。一方で、介入群では精密検査が必要と判定される人の割合である要精検率が有意に上昇、針生検などの侵襲的な追加検査の施行数も増加しており、検診の不利益も増加していることがわかった。今後は、超音波検診導入による利益と不利益との相対バランスを厳密に検討することが不可欠であるとしている。
2015年11月05日オプテックス・エフエーは11月4日、高機能パターンマッチング検査システム「HVS-PMシリーズ」を発売すると発表した。同製品は、高解像度カメラと専用ソフトにより、カラーパターンマッチングを行う検査システムで、ニーズに応じて操作・モニタ画面を柔軟にカスタマイズできるのが特徴。高精細24ビットフルカラー抽出による高精度な色判別が可能で、形状に違いがなくても、わずかな色の違いを認識し品種を判別することが可能だという。また、位置検出アルゴリズムを採用した高速・高精度サーチにより、検査対象物が小さく、ライン速度が高速な電子部品・医薬品業界などにも対応できるほか、最大8000万枚の全画像保存と高速画像検索を実現している。システム構成は、コントローラ・タッチパネル・カメラ・画像処理用LED照明を基本構成とし、カメラは30万画素から1800万画素まで20種類から選択可能。システム販売価格は、基本構成で190万円(税別)からとなっており、同社は年間200台の販売を目指すとしている。
2015年11月05日「女に生まれたからには、いつかは子どもが欲しい。でも、いつまで産めるのだろう?」キャリアと結婚・出産とのタイムマネージメントに悩む私たち。周囲からは、不妊治療がどうのこうのという声が聞こえてきます。“妊活”という言葉もはやってはいるけれど、「そもそも妊活をしないと妊娠できないの?」。私たちの不安はつのるばかりです。 「AMH検査」というものをご存じでしょうか。卵巣内に残っている卵子の量を予測する検査で、キャリアと結婚・出産を考えるための、ひとつの基準としても有効になりそうです。今回、筆者が実際に卵巣年齢検査を受けてきました。■現代女性の出産事情。本当のところ、何歳まで産めるのか?現代女性の平均初婚年齢は29.4歳、平均出産年齢は30.3歳、平均出産人数は1.42人となっています。※1あらためて数字を並べてみると、親世代とはずいぶん時代が変わったことを実感させられます。ライフスタイルの多様化によって、女性の生き方はこうであるべきという枠組みはなくなりました。選択の自由によって人生を謳歌(おうか)しているようにも見えますが、選択肢が多すぎて判断できないというのが本音ではないでしょうか?しかし、いつかは産みたいと考えるのが正直なところ。「一体いつまで産めるのか?」、それは、個人によって差があるようです。■卵巣年齢がわかる! AMH検査って一体どんな検査なの?AMHとは、“アンチミューラリアンホルモン”の略で、発育過程の卵胞から分泌されるホルモンの一種です。AMHの数値をチェックすることで、卵巣内にどれくらいの卵子が残っているかの目安を知ることができます。卵巣年齢には個人差があり、実年齢に比例するわけではないのだとか。じつは卵子のもととなる卵は、まだお母さんのおなかのなかにいる胎児のころに作られます。卵子は新たに作られることはなく、産まれてからは減る一方。残念ながら、増えることはないのです。卵子が0になり、月経がなくなると閉経をむかえることになります。人によって卵子の減り方にも個人差があるので、いまの自分の卵巣年齢は何歳なのかを知っておくといいでしょう。また、30歳、35歳、40歳と節目節目での検査を行い自分のホルモンバランスを把握することで、自分と向き合うきっかけとなるのではないでしょうか。■AMH検査を受けてきました実際に、筆者(34歳1児の母)が検査を受けてきました。検査結果は0〜10の数値であらわされ、年齢ごとに、それぞれ平均値があります。34歳の場合、標準値は3.5前後。自分の数値が平均より高いか低いかを比較するということです。AMH数値が2を切ると、卵子が減るスピードが早まる可能性があり、妊娠が可能な期間が短くなることが予想されます。しかし、数値が0に限りなく近くなければ、自然妊娠の可能性はあると言えます。妊娠を考えている人は、生活習慣を整えて基礎体温を毎日記し、婦人科で検査を行って妊娠できる状態か調べておくといいでしょう。筆者の検査結果は、6.68。これは20代後半の数値ですので、よい結果だといえるでしょう。結果を待つ数日間は、心なしか落ち着かなかったです。「卵巣年齢の数値が悪かったらどうしよう、更年期に近い数値だったら困るな」ととても心配でした。しかし、どんな結果であっても、自分自身の体であることに変わりはありません。自分の体としっかり向きあうためにも、状況を受け入れることだと励ましました。AMHが低いからといって、妊娠力も低いというわけではありません。数値に関係なく、作られる卵子の質は、年齢とともに低下していきます。つまり、卵巣年齢よりも、自身の年齢の方が妊娠力には大きく影響しているということがいえます。自分の体と向きあって現状を把握することと、自身で決定を行うための判断素材を集めること。どちらもとても大切です。「こんなはずじゃなかった」と後悔しないためにも、いまからしっかりと考えていくことをおすすめします。※1出典: 「平成26年人口動態統計月報年計(概数)の概況」(厚生労働省) 「少子化社会対策白書」(平成26年版)(内閣府)
2015年10月29日日本ロレアルは、音波洗顔器「クラリソニック」シリーズの特別モデルとして、「クラリソニック ミア2 キース・ヘリング」を10月30日に発売する。画家のキース・ヘリングとコラボレーションした数量限定のモデルだ。直販価格は税別17,000円。2段階でスピードを調整できる洗顔ブラシ「クラリソニック ミア2」に、キース・ヘリングによるイラストがプリントされた限定モデル。付属のオリジナルポーチにもキース・ヘリングのイラストが施されている。ポーチのほか、超敏感肌用ブラシ、ユニバーサル充電器が付属。クラリソニック ミア2は、「ソニックテクノロジー」による毎秒300回以上の音波振動で、汚れを浮かせて落とす洗顔ブラシ。手洗顔に比べて約6倍の洗浄力を持つ。防水性能を持つため、浴室で使用できる。
2015年10月27日ビバテックはこのほど、「LUX360子ども音波歯ブラシ」(税別2,980円)を国内で発売した。同社では、2003年に世界で初めて360°型に毛を1万本以上植毛した「360°歯ブラシ」を発売。特に、歯みがきがうまくできない人や子ども、介護、ペット用として評価が高く、国内だけではなく海外10カ国以上(2015年10月時点)で販売している。今回発売する「LUX360子ども音波歯ブラシ」は、磨き残しの多い子どもを対象にした歯ブラシ。既存製品「360°歯ブラシ」に、毎分1万6,000回の音波振動をプラスした。大阪歯科大と共同開発した360°極細毛の先端ブラシは、歯ぐきの痛みに敏感な小さな子どもにも優しいという。植毛した毛は約2万本。微細な音波と、糸径0.06ミリの超極細毛を全面に採用し、歯ぐきを傷つけずに歯垢(しこう)をしっかり除去するという。また、全方向曲線ブラシのため、小さな子どもも角度を気にせず隅々まで磨くことができるとのこと。さらに、歯みがきが苦手な子どもも楽しく歯を磨けるよう、ヘッド部分にはLED照明が光る仕掛けも付いている。先端が光るため、小さな子どもの口の奥までよく見えるとのこと。また、2分間のナビタイマー付きで、30秒ごとに振動の変化でブラッシングエリアの移動を知らせ、2分間で自動停止する。カラーはブルーとピンク。替えブラシは2個入りで税別1,980円。
2015年10月16日音波洗顔器「クラリソニック」から、ストリート・アートの巨匠、キース・へリングとのコラボレーションキットを10月30日(金)より数量限定で発売する。(公式Webサイトでは、10月16日より先行発売となる)ホリデーシーズンに向けて、「時短美容のキレイをプレゼントする」なんてアイデアはいかが。いまや美容家電のベストセラーアイテムとなった「クラリソニック」は、米国シアトルで誕生した音波洗顔器のパイオニア。毎秒300回の音波振動と同時に発生する音波水流のダブルアクションで、手洗顔では落としきれない毛穴のなかの汚れまでしっかり落す(手洗顔の約6倍のクレンジング力。※クラリソニックの調べ)ことができると話題になった。今回登場のキース・へリングとのコラボレーションアイテムは、「クラリソニックミア2」に、誰もが一度は目にしたことがある、あのポップでハッピーなキースの代表作がプリントされている。超敏感肌用ブラシとユニバーサルデザインの充電器に、旅行などで携帯するのに便利なオリジナルポーチもセットになって、価格は、18,360円(税込)。忙しい毎日で、たった60秒間で理想的な洗顔ができ、時短美容にもなる「クラリソニック」は、一年間がんばった自分へのご褒美としてもうれしいアイテム。ぜひこの機会に、アーティなバージョンをゲットしてみては?(text:Miwa Ogata)
2015年10月15日キーエンスはこのほど、寸法測定・検査にかかる時間の短縮を実現した事例を集つめたウェブサイト「寸法測定“超”時短辞典」を公開した。 一般的な測定器は測定する点を1カ所ずつ測る必要があるため、複雑な形状のものほど測定箇所も多くなり、測定に要する時間もかかる。また、最近ではCADの普及に伴い、図面上の測定指示が増えており、製造業にとっては寸法測定・検査に要する時間が増加傾向にあるのが課題の1つとなっている。「寸法測定“超”時短辞典」は寸法測定の課題と解決事例を、歯車やスプールバルブなど製品ごとに掲載。事例はすべて実績に基づいており、今後も随時事例を追加していくとしている。
2015年10月09日ソシオネクストという会社をご存知だろうか。同社は、今年3月に富士通とパナソニックのシステムLSI事業を統合して誕生したファブレス半導体企業。京都や東京・あきる野など国内に7拠点、海外に15拠点を有し、「IoTシステム事業部」「ビジュアルシステム事業部」「グラフィックスソリューション事業部」「ネットワークSoC事業部」「ハイパフォーマンスSoC事業部」「カスタムSoC事業部」「ミルビュー事業部」「コネクテッドイメージング事業部」の8事業部で設計・開発および販売を手がけている。ちなみに、ソシオネクスト(Socionext)という社名は、SoCを中心とする半導体製品およびサービスの提供により、社会に貢献するという同社のミッションを表現するために創作されたもので、メインのビジネス領域である「SoC」に加えて、同社の強みである「Imaging」および「Optical Transport Network(io)」、「顧客、取引先、従業員をはじめとするすべてのステークホルダーにとってナンバーワンの企業となること(one)」、「つねに次の時代を見据える(next)」、「可能性を拡げていく(extention)」などの意味が込められているという。同社は、10月7日から10月10日まで幕張メッセで開催されているCEATEC 2015に出展しており、本稿ではそこで披露された内容の一部をご紹介する。○どこでも皮下脂肪を計測できるモバイル超音波ソリューション「viewphii」はサイズが約120(高さ)×60(幅)×24(厚さ)mm、重さが約170gという超小型モバイル超音波機器。同社によれば世界最小/最軽量の超音波機器だという。コードレスかつ小型ながら、深さおよそ6~7cmまで皮下脂肪や筋肉を計測し、タブレットでリアルタイムに映像として確認することができる。また、クラウドにデータを送信・蓄積し、ビッグデータとして活用することでアプリケーションへ展開することも可能だ。手軽に脂肪と筋肉をチェックすることができるため、病院や医療施設にいかなくてもトレーニングの効果を確認できることをメリットとしており、フィットネスジムでの導入実績があるという。○輝度差を感じない全周囲立体モニタシステム同ブースでは全周囲立体モニタシステムと画像認識技術がセットで展示されていた。同社の全周囲立体モニタシステムは、自由に視点を変えることができることや、車両周辺360度の映像を輝度差を感じずにシームレスかつ広範囲に表示できることを特徴とする。また、LSIと基本ソフトウェアをパッケージで提供するため、少ない開発工数でシステム構築が可能となることも同社の強みだとする。一方の画像認識技術は、既存PCシステムに画像認識エンジンを追加するだけで画像認識機能の性能を100倍に向上させ、リアルタイムに100人以上の人物を検出/追跡することが可能になるというもので、監視システムや店舗などの来客動線解析システムなどへ応用できるとしている。しかし、目と鼻と口を認識して人物を検出するため、カメラに対して後ろを向いている人や人間以外の動物や障害物の検出はできないなどの課題もある。画像認識技術は自動運転車などさまざまな領域での活用が見込まれることから、今後の開発が期待される。
2015年10月08日慶應義塾大学は10月5日、同大学理工学部の桂誠一郎 研究室と東京自働機械製作所が、食品包装のリーク(密封不完全)品を瞬時に検出する「リーク検査機」を共同開発したと発表した。なお、この「リーク検査機」は10月13日~16日に開催される「JAPAN PACK 2015」にプロトタイプ機が参考出品される予定。今回開発した「リーク検査機」は、袋を押した時の反力データを解析してリークの有無を判別する。基準サンプル品を用いた検証では、直径800ミクロンのピンホールを80個/分相当の処理能力で検査することに成功。ピンホールの大きさは、従来技術の3分の1に相当する。同研究グループはこの「リーク検査機」を用いることで、「抜き取り検査」が一般的であったリーク検査を生産ラインに組み込んだ「全品検査」で行うことが可能となるとしており、今後は実際の食品製造ラインで商品化に向けた検証を進めていくという。
2015年10月06日睡眠時無呼吸症候群を調べる方法に「睡眠ポリグラフ検査」というものがあります。日本睡眠学会は睡眠ポリグラフ検査を行うことの重要性を説く声明を発表しました。なぜ、そのような声明を発表する必要があったのでしょうか? その真相に迫ります。睡眠障害の評価方法日本睡眠学会は今年5月に「睡眠ポリグラフ検査の重要性について」という声明を発表しました。睡眠ポリグラフ検査とは、脳波や心電図、呼吸運動などを夜間の睡眠中に計測して、睡眠を評価するというもの。睡眠ポリグラフ検査を行うことで、睡眠時無呼吸症候群や睡眠行動障害、周期性四肢運動障害などの睡眠障害、睡眠中の不整脈などを調べることができると言われています。そして、もう少し簡単に睡眠を評価する方法としてOCST(out-of-center sleep testing)というものがあります。ですが、日本睡学会はOCSTでは睡眠の評価が十分にできないと述べています。それはなぜなのでしょうか?OCSTとは?日本睡眠学会によると、OCSTは脳波計測の機能がないため、睡眠を評価する装置ではなく、呼吸に伴ういくつかの指標を記録する「携帯型呼吸モニター」に過ぎないそうです。ところが、アメリカ睡眠医学会は睡眠障害国際分類(International Classification of Sleep Disorders 3rd version:IICSD-3)のなかで「睡眠時無呼吸症候群の診断にOCSTの使用を認める」と公表したと言われています。日本睡眠学会は、このIICSD-3の内容を受けて、日本の医療界が睡眠ポリグラフ検査よりも簡単に行えるOCSTを頻繁に取り入れる可能性が高まることに対して警鐘を鳴らしているというわけです。社会の安全を守ることに繋がるOCSTでは、呼吸の指標を中心に検査するため、睡眠時無呼吸症候群の病態の半分程度しか評価できないと日本睡眠学会は考えています。しかし、睡眠時無呼吸症候群を正しく評価するためには、呼吸だけでなく、脳波を計測し、覚醒反応や睡眠の質と量を調べることが欠かせないのだそう。発表された声明によると、睡眠時無呼吸症候群を正しく評価することは「社会の安全を守ること」にもつながるとされています。というのは、睡眠時無呼吸症候群の患者は深い睡眠を得られないため、日中に眠気を覚えることが多く、交通事故などを起こす確率が増えると言われているからです。検査方法は医療界だけのことではなく、私たちに深く関係した社会問題として捉えるべきかもしれませんね。photo by pixabay
2015年09月21日第一興商はこのほど、東京都や大阪府などのカラオケボックス「ビッグエコー」7店舗にてカラオケルーム「V6コラボルーム」を開設した。2016年1月31日までの期間限定で順次展開している。今回展開するのは、2016年1月1日でデビュー20周年を迎えるアイドルグループ・V6とコラボレーションしたカラオケルーム。7月29日に発売された同グループのベストアルバム「SUPER Very best」のビジュアルイメージをもとにデザインした空間となっており、壁面にはメンバー全員の写真をダイナミックにレイアウトしている。ルーム内にはプロジェクターを設置しており、同ルームでしか見られないメンバーからのオリジナルメッセージ、ミュージックビデオ(2曲)、ライブ映像(メドレー)を壁面に映し出すという。対象店舗は、すすきの南三条店(北海道札幌市)、渋谷宮益坂口駅前店(東京都渋谷区)、吉祥寺店(東京都武蔵野市)、新横浜店(神奈川県横浜市)、名古屋太閣通口店(愛知県名古屋市)、阪急東通り店(大阪府大阪市)、天神西通り店(福岡県福岡市)の7店。なお、同ルームは2名以上・最大2時間までの利用となる。スムーズに利用できるよう、事前予約がおすすめと同社。また、11月1日までの期間、「20周年企画! 精密採点でV6の楽曲を歌おう!」キャンペーンを実施。期間中、通信カラオケシステム「LIVE DAM STADIUM」「LIVE DAM」設置店で「DAM★とも」にログイン後、「精密採点DX-G」または「精密採点DX」で同グループの楽曲20曲を歌った人の中から、抽選20人に他では手に入らないという「V6×DAM オリジナル盾」をプレゼントする。
2015年09月08日フィリップス エレクトロニクス ジャパン(フィリップス)は9月1日、タブレット型超音波診断装置「VISIQ」の販売を、フクダ電子を通じて同日より開始すると発表した。「VISIQ」はタブレット型タッチパネル式の専用本体と、USBで接続する腹部用のコンベックスプローブ「C5-2」トランスジューサーという構成で、複数の画像自動最適化機能を備え、高画質で簡便に超音波装置を行うことができる装置となっている。タッチパネルはピンチイン・ピンチアウトで拡大・縮小を操作できるなどスマートフォンやタブレットPCと同様に直感的な操作方法が可能。また、2D、カラーMモード、パルスドプラなど検査に必要なモードを揃え、腹部全般の検査に対応できるほか、産婦人科用の計測アプリケーションも搭載している。価格はオープンで、フィリップスは国内初年度の販売台数は約250台を見込んでいる。
2015年09月01日きっかけは6月、弊誌マーケティングチャンネルにて掲載する事例記事として、消費者向け遺伝子検査サービス「MYCODE」のWebサイトについて取材させてもらったことに遡る。筆者は以前にも、同サービス開始を発表する記者会見に参加し、DNAの解析を行うことを目的に東京大学医科学研究所内に設けられた「MYCODE専用の検査ラボ」を見学。遺伝子検査への興味は高まったものの、なにかしらの病気の発症リスクが高いことが分かった場合、その情報と向き合えるかという不安を感じ、これまで手を出せずにいた。同サービスは、2014年8月の開始当初、すべての検査項目を網羅した「オールインワン280+(現ヘルスケア)」と、がん・生活習慣病・体質から選定された100項目の受検が可能な「ヘルスケア100+(現在は提供終了)」、肥満・肌質・髪質など体質に関する35項目のみの「カラダ30+」という3つのメニューを設けていたが、2015年2月、これらメニューの名称変更や「カラダ30+」の提供を終了したほか、遺伝子で自分の祖先のルーツを知ることができるメニュー「ディスカバリー」を追加した。ちなみに、2015年8月にはがんに特化した「がんパック」がメニューに追加されるなど、サービスの拡充が続けられている。前置きが長くなったが、筆者は6月の取材をきっかけに「ディスカバリー」の存在を知り、「祖先の特徴を知れるなんて面白そうだし、このプランなら気軽にできる」と思い利用することにしたのである。○筆者の祖先は、北海を制した 流氷の民!?「ディスカバリー」では、身長や体重、目の色、毛の太さなど自分の体質の遺伝的な傾向のほか、人類発祥の地から日本に至るまで自分の祖先がどのように移動したかという「祖先のルーツ」を知ることができる。(通常価格は9,800円(税別)で、申込みから検査結果の開示まで、おおよそ1カ月ほどで完了する。サービスの利用フローは「こちら」を参考にされたい。)祖先のルーツは、ハプログループ(ミトコンドリアハプログループ)という、人間の細胞内にあるミトコンドリアと呼ばれる小器官のDNAの多型を用いて遺伝的に分類されるグループに基づいて明らかにされる。このミトコンドリアが、祖母から母、母から自分と母系を伝わって受け継がれるため、そのDNAを調べることにより母系の系譜を辿ることができるというわけだ。日本人の多くは、祖先の系統ごとに大きく10タイプのハプログループに分けられるそうで、どのグループかにより自身の祖先が、約20万年前のアフリカから「どの時代に、どの土地を経由して日本にやってきたのか」が異なってくる。さて、待ちに待った検査結果が届きマイページにアクセスすると、「原田 綾子さんの結果サマリ」という欄に「ハプログループ : N9北海を制した『流氷の民』」との表示が。「寒い地域から海を渡ってきたのか~」くらいのことは想像がつくが、具体的には、「ユーラシア北部が起源とされ、日本人の7%程度を占める。カムチャツカ半島などの北東アジアに分布しており、日本へは比較的古い時代にやってきて縄文人になったグループと、比較的新しい時代にやってきてオホーツク文化を形成したグループとがいると考えられており、遠い昔から魚を食べてきたグループ」ということらしい。また、ユーラシア北部以前については、アフリカから北へと開拓し、今から5~7万年前に中東において洞窟生活をしていたようだ。このころには、いずれ日本に辿り着く他のグループとも行動を共にしており、貝殻を使ったアクセサリーを身につけたり、洞窟の壁に絵を描いたりしていたそう。なんだかワクワクする話しだ。なお、この「自分のルーツ」は、マイページにてアニメーションを用いて分かりやすく解説されるほか、そのほかのグループ、例えば中国中部を起源とし、日本で37%の割合を占める「稲作の民」や、今や海底に沈んだスンダランドと呼ばれる大陸が起源の「日本最古の定住者」、遠い血縁に中国の漢民族をもつ「大陸民族」などの詳細も閲覧することができる。○自分の遺伝子情報と、どう向き合うか「ディスカバリー」では、前述のとおり、自分の祖先だけでなく「遺伝的な体質傾向」も知ることが可能。提示される情報としては以下の19項目で、これらの結果は、他の遺伝子型と比較した場合の傾向を3段階で示したものとなる。実際のところは遺伝的要因のみで決まらないため、異なる場合もあると注意書きがされていた。身長・体重・腹囲のサイズ・胸のサイズ・腰のくびれ・鼻筋の通り・目の色・肌のくすみ・赤外線による肌の光老化・そばかすのできやすさ・男性脱毛症のなりやすさ・髪の太さ・髪色の明るさ・男性ホルモン値・アルコールによる顔の赤くなりやすさ・虫歯のなりやすさ・アスパラガスの代謝産物の臭いを感じ取る能力・麦芽の香りを感じとる能力・85歳以上まで長生きする可能性(任意)MYCODEのメインメニューとなる「病気の疾患リスクを判断するもの」でないため、"悪い結果として受け止めてしまう可能性をもつ"項目は設けられていない。いや、唯一同意のもと閲覧できる「85歳以上まで長生きする可能性」に関しては、実際のところ、結果を見るとき少々緊張してしまった。筆者が小心者であることはもちろんだが、「自分は結果をどのように受け止めるか」という不安にここで直面したのである。これは、サービス提供側に立って言い換えれば「消費者に検査結果が適切に伝わるか」であり、消費者向け遺伝子検査サービスが抱える課題の1つでもある。2月に厚生労働省の厚生科学審議が開催した第14回会議では、「遺伝子検査ビジネス」を今後の課題として整理し、対応策を検討することが確認され、情報提供の方法のほか、検査の質の担保や科学的根拠の適切さ、遺伝子的差別などが問題点となることを指摘している。(これらに対するDeNAライフサイエンスの取り組みは、こちらを参考にされたい。)筆者は、この課題を身を持って実感したように思うが、「疾患リスクが分かるメニューも受けてみたい」とも感じた。それはおそらく、祖先のルーツや体質の傾向を知れたことで「自分のことをもっと知りたい」という気持ちが芽生えたからだと思う。筆者と同様に、例えば「がんの疾患リスクが比較的高かったら、どうしよう」など不安に感じる人は、まずは「ディスカバリー」のような体質を中心としたサービスから利用し、その情報を自分がどのように受け止めるかを見極めてもよいかもしれない。
2015年08月31日ウェアラブル端末が計測する自身の活動量や脈拍データ、遺伝子検査で明らかになる病気リスクや潜在能力レベル、スマートフォンに蓄積される行動ログ・データなど、自分の身体状態に関する大量のデータ「マイビッグデータ」を共有できる相手は「いない」と回答した割合が過半数に上るという実態が、博報堂生活総合研究所が実施した「自分情報に関する意識調査 (第2回)」で浮かび上がった。同調査は、ウェアラブル端末や遺伝子検査などの発展・浸透によって飛躍的に増加が見込まれる、これまで知ることができなかった自分自身の情報(マイビッグデータ)に対する生活者の意識について調査・分析したもの。2015年5月に、首都圏・名古屋圏・阪神地区における20~69歳までの男女各500人の計1,500人を対象に実施した。これによると、「自分のことをすべて包み隠さず話したり共有できたりする存在」として、「異性 (恋人や配偶者)(17.9%)」が最も多く挙がり、「親 (4.7%)」との回答を大きく引き離す結果に。加えて、全体の53.8%と過半数が「そのような存在はいない」と回答し、「パートナーといえども、自分を包み隠さず共有できるほどの信頼関係を築くのは難しいようだ」と同社は分析する。また、自分のプライベートな情報に関する管理意識に関して、69.0%が「特に必要な場合以外は、自分のプライベートな情報はできるだけ秘密にしておきたい」と回答。これらの結果から、「生活者のマイビッグデータに対する高いプライバシー意識がうかがえる」と同社はいう。一方、「もっと
2015年08月28日産婦人科を受診して、超音波検査で子宮内に胎のう(胎児を包む袋状のもの)を認められた日から、妊婦としての日々が始まります。妊娠中は、子供の将来に思いをはせ、超音波検査のときに自分たちに似ている部分を探してみたりするもの。それと同時に、無事に生まれてくるかどうか、赤ちゃんに何か異常がないだろうか、と出産する日まで不安もあります。現在、日本では出産前に胎児について調べる方法がいくつかあり、その検査をまとめて「出生前診断」と呼んでいます。○出生前診断の種類出生前診断は、検査の内容によって「非確定的検査」と「確定的検査」の2つに分けられます。非確定的検査は、胎児の病気の可能性を推定するもので、母体への侵襲が少ないことが特徴です。種類には、「超音波検査」「母体血清マーカー検査(クアトロ検査)」「新型出生前検査」があります。一方、病気を正確に診断するために行われる確定的検査は、「羊水検査」「絨(じゅう)毛検査」の2種類があり、母体に針を刺すので侵襲的な内容となります。○母体への侵襲が少ない「非確定的検査」まず、非確定的検査のそれぞれの特徴についてお話しします。超音波検査通常の妊婦健診で行う検査です。妊娠初期に胎児の首の後ろにある皮下のむくみ(NT)の厚さが一定以上あった場合、染色体異常や心疾患の異常の可能性が高くなるといわれています。妊娠11週0日から13週6日のときに厚みについては判定します。厚みがあるからといって必ずしも異常があるとは限らず、あくまでも補助的な診断です。母体血清マーカー検査(クアトロ検査)母体の血液中に含まれている成分を測定する検査で、以前より行われています。「αフェトプロテイン」「ヒト絨毛性ゴナドトロピン」「エストリオール」「インヒビンA」の4種類の成分を調べ、日本人の基準値や妊娠週数、家族歴、インスリン依存性の糖尿病の有無、そして母体の年齢をもとに、その人固有の確率を算出します。その確率がカットオフ値(検査で陰性と陽性を分ける値)より高いか低いかで陰性、陽性という判断も出てきます。この検査で評価可能な病気は、21トリソミー症候群(ダウン症候群)、18トリソミー症候群、神経管閉鎖障害の3つです。新型出生前検査正式名称は「無侵襲的出生前遺伝学的検査(NIPT)」といいます。母体の血液からDNA成分を分析し、対象となる染色体疾患が胎児にあるかどうかを推定する検査で、妊娠10週以降で受けることができます。現在のところ対象となる染色体疾患は限られていて、21トリソミー症候群(ダウン症候群)、18トリソミー症候群、13トリソミー症候群の3疾患になります。○新型出生前検査の「陽性」と「陰性」が示すこと日本における新型出生前検査は、検査を受けられる場所や対象者が限られているのが現状です。日本では2013年4月より、日本医学会より認定された施設で臨床研究という形で実施され、検査前後に遺伝カウンセリングを行うことが必須とされています。また、研究結果などは、臨床研究施設による共同研究組織「NIPTコンソーシアム」より報告されています。この検査が大きく取り上げられたのは、検査感度の99%という値にありました。超音波検査が64~70%、母体血清マーカー検査(クアトロ検査)が81%であることと比較すると、非常に確実性が高いように思われたのです。しかし検査感度とは、実際に異常がある方の中で検査で異常と出ている方の割合であって、陽性的中率(検査で陽性と判定された方の中で実際に異常がある率)とは異なるので、注意しましょう。ただ、新型出生前検査で「陰性」と判定されれば、胎児がその染色体疾患ではない可能性(陰性的中率)は99.9%といわれています。一方の陽性的中率は、年齢や疾患によってばらつきがありますが、21トリソミー症候群(ダウン症候群)で50~98%程度。21トリソミー症候群より出生頻度が低い他2つの疾患は、これより確率が下がります。ただし「陽性」とは、あくまで対象となる染色体疾患の可能性が高いことを示しているにすぎません。確実に診断するには、次にあげる確定的検査で調べる必要があります。○確定的検査とは?確定的検査は、それぞれ次のような内容となります。羊水検査超音波で胎児や胎盤の位置を確認しながら、お腹に針を刺して羊水を吸引し(羊水せん刺)、その中に含まれる胎児由来の細胞を培養して染色体の数を調べます。妊娠15~18週の間に検査が可能です。絨毛検査羊水検査と同じく超音波で観察しながら、胎盤を構成する絨毛組織を採取して染色体を調べる検査。お腹から針を刺す方法(経腹法)と、膣から針を入れる方法(経腟法)があります。妊娠10週以降から14週までの羊水検査より早い時期に受けることができます。○妊娠を続行するべきか否か、問われる倫理的問題NIPTコンソーシアムの報告によると、2013年4月の検査開始時から2015年3月までの間で、新型出生前検査を受けた人は1万8,337人。そのうち陽性が確定した297人のうち約75%が人工妊娠中絶を選択したといいます。出産前に胎児の染色体疾患が判明したら、妊娠を続行するべきか否か――。新型出生前検査は、よく倫理的問題をテーマに論じられることがあります。だからこそ、検査前の遺伝カウンセリングでは、検査の説明は大前提として、対象となる染色体疾患への正しい知識と、望まない結果だったときの影響を十分に伝えることが求められます。また、検査で陽性だった場合は、特に精神面のケアが重要になってきます。夫婦が次の決断へ納得して進めるよう、できる限り専門家が寄り添える環境が整えられるとよいでしょう。もちろん、検査の対象となる病気と付き合いながら生きている方やその家族の方へのサポートも、社会全体で考えていかなければなりません。妊娠や出産、育児など、どれを1つ取ってみても不安や悩みは尽きないものです。正解がないからこそ、周りはどうなのか、一般的にはどうなのかを気にしてしまうこともあるでしょう。でも十人十色、夫婦それぞれのカタチがあるのが当然だと思います。新型出生前検査を含む出生前診断は、知ることと知らないこと、それぞれにリスクを伴います。夫婦間で十分話し合うことはもちろん、専門家によく相談をして、検査を受けるかどうかについて検討することが大切です。※画像は本文と関係ありません○記事監修: 疋田裕美(ひきだ・ひろみ)日本産婦人科学会認定医、母体保護法指定医九州大学医学部卒業後、九州大学付属病院、板橋中央総合病院での勤務を経て水口病院産婦人科に勤務。150名以上の女性医師(医科・歯科)が参加するEn女医会の会長も務め、ボランティア活動などを通じて、女性として医師としての社会貢献を目指した活動に従事する。
2015年08月27日こんにちは!歯科医師の中嶋麻優子です。みなさんも、歯が痛くなって歯医者さんに行った時に、レントゲン検査を受けたことがあると思います。ですが、女性の中には、妊娠への影響を考えて、レントゲン検査を受けることに不安を感じたこともあるのではないでしょうか。今回は、そんな女性のみなさんの不安を少しでも取り除くことができればと思い、レントゲンについてお話ししていきたいと思います。■1.放射線とは?歯科医院でのレントゲン検査の際には放射線を使用します。放射線には大きく分けて、自然放射線と人工放射線の2つがあります。自然放射線とは、宇宙や大地、建物、食べ物など、自然界に存在するものから出される放射線のことをさします。住んでいる地域や環境にもよりますが、世界平均では年間約2.4ミリシーベルト、日本では年間1.4ミリシーベルトの放射線量を受けています。(シーベルトとは放射線の量を表す単位を示します。)つまり、私たちは普段の生活の中でも、放射線を浴びて生活をしているということになります。一方で、人工放射線とは人工的に作られた放射線のことで、歯科放射線もこれに含まれます。■2.レントゲン検査は危険なものではないの?私たちの周りには、たばこ、肥満、自動車事故、お酒など健康を害するものが数多く存在しています。寿命の短縮からみたリスクの比較というデータからお話しさせていただくと、たばこの場合には、1日20本吸う人は全く吸わない人に比べて寿命が2250日縮まるそうです。また、肥満は900日、自動車事故は207日、お酒は130日、自然放射線においては8日、レントゲン検査においては6日、寿命を縮めるというデータが出ています。このデータを見ていただくと、レントゲン検査の危険度は他の要因に比べて高くないということが分かります。■3.どれくらいの放射線を浴びると人体に影響が現れるの?身体に影響が現れるとされているのは、一度に大量の放射線を浴びた場合で、その線量は200ミリシーベルト以上とされています。これは、歯科のレントゲン撮影を2000回以上撮影したときの総量に相当します。また歯科用のレントゲンに限らず、通常の検査で用いられる放射線も200ミリシーベルトよりははるかに少ないので、身体に悪影響を及ぼすと心配はないと考えられています。■4.妊娠中でもレントゲン検査を受けて大丈夫なの?妊娠中は、特に口腔内の環境が乱れやすい時期のため、急に歯が痛くなってしまうなんてことがあります。また中には自分が妊娠していることに気付かず、レントゲン検査を受けてしまったなんて方もいるのではないでしょうか。ここで気になってくるのが、妊娠中にレントゲン検査を受けても大丈夫なのかということです。妊娠中、レントゲン妊娠中の女性が、下腹部に100ミリシーベルトを超える放射線を一度に浴びると胎児に影響を及ぼすと言われています。これは、歯科レントゲン検査1000回分に相当します。つまり、妊娠中に歯科レントゲン検査を受けたとしても問題はありません。■さいごにとはいえ、妊娠中は精神的にとてもナイーブな時期のため、心配のもととなる要因は少しでも避けるべきだと思います。将来生まれてくる大切なお子さんのためにも、定期的に歯医者さんを訪れて、検診やクリーニングをするように心がけてもらえればと思います。参考文献BERNARD.L.COHEN.I-SING.LEEの文献(中嶋麻優子/ハウコレ)
2015年08月26日ノバックは8月21日、音波振動式クレンジングブラシ「美・more(ビ・モア)」(NV-ICS201)を発表した。発売は8月28日。価格はオープンで、推定市場価格は税込4,280円前後だ。NV-ICS201は、毎分約10,000回の音波振動と0.065mm・約20万本のマイクロ毛で洗顔するクレンジングブラシ。ノバックの美容機器第1弾の製品となる。ユーザーが普段使用している洗顔料に対応。交換用ブラシも単独で発売し、推定市場価格は税込1,580円前後だ。ノバックは週2~3回の使用を想定している。サイズはW46×D44×H157mm、重量は約85g。電源は単4アルカリ乾電池×4本。カラーはスカイブルーとピンク。
2015年08月21日味の素は8月7日、同社のがんリスクスクリーニング検査「アミノインデックス(AICS)」が、膵臓がんの早期発見に対応したと発表した。AICSは、味の素と臨床検査会社であるエスアールエルが2011年より共同で提供している検査で、血中アミノ酸濃度バランスの変化を解析・指標化し、胃がんや肺がんなどのリスクを調べることができる。検査に要する血がわずか5mlと少量なことから、体に負担の少ないスクリーニング検査となっており、2015年7月現在で956の医療機関で受診可能となっているほか、地方自治体の住民検診に採用されるなど普及が進んでいる。これまでは胃がん、肺がん、大腸がん、前立腺がん(男性のみ)、乳がん(女性のみ)、子宮・卵巣がん(女性のみ)という6種類のがんを対象としていたが、膵臓がんが新たに加えられた。これは、味の素と大阪府立成人病センターの片山和宏 副院長を中心としたグループとの多施設共同研究による成果で、膵臓がん患者360名と健康な人8372名の血中アミノ酸濃度バランスの変化を解析した結果、膵臓がん患者の血中アミノ酸濃度バランスが有意に変化していることがわかった。また、手術可能な段階の患者でも進行がん患者と同様の変化を示すことが判明し、その変化を解析する事で、膵臓がんの早期発見技術の開発が可能となった。膵臓がんは早期の発見が難しく、切除手術も長時間となり患者への負担が大きいだけでなく、腫瘍が2cmを超えると周囲へ浸潤して取りきれないことがあるなど、治療が極めて難しいがんとして知られているだけに、AICSによる膵臓がんの早期発見が可能となり、より効果的な治療につながることが期待される。
2015年08月07日●病気150種の発症リスクと130体質項目を調べることができる当サイトの読者の中でも、遺伝子検査に興味があるという方は多いのではないだろうか。近年、遺伝子検査にかかる費用が下がり、検査時間も短くなったことで、遺伝子検査をサービスとして提供する事業者が増えており、病気のかかりやすさや体質などの遺伝情報を知ることができるため、病気の予防や効果的なダイエットにつながるとして人気が広がっている。DeNAが提供している遺伝子検査サービス「MYCODE」では、唾液を採取して送付するだけで、最大150種類の病気の発症リスクと130の体質項目を調べ、結果をウェブ上で確認することができる。今回、3種類ある検査コースのうち、最も多くの項目を調べることができる「ヘルスケア」を体験してみたので、その内容と検査の結果をご紹介する。○さあ、遺伝子を採取しよう!こちらがMYCODE「ヘルスケア」のキットである。早速唾液の採取に入る。ちなみに、検査前30分は水以外口にしてはいけない。ここで使用するのがキットに付属してくるレモンの写真だ。人は酸っぱいものを見ると唾液が出やすくなるため、眺めながら唾液を貯めることで採取がスムーズに行くようにというDeNAの配慮である。ただ、筆者の場合体質に合わなかったのか、さほど効果を得られなかったため、ほかの酸っぱそうなものも試してみたところ、冷蔵庫にあった梅干しの香りが一番効果があった。唾液を容器の線まで貯めたら、キャップをして振る。容器内の唾液が青色に変わったことを確認し、指定の封筒に入れて返送すれば、遺伝子の採取が完了したことになる。○結果の見方送付したサンプルに問題がなければおよそ2週間後、件名が「【MYCODE】検査が完了しました」というメールを受信する。マイページにログインして結果を見てみると、ずらーっとさまざまな病名がリストアップされている。各疾患には、日本人平均と比較した時の発症リスクを示す「日本人平均との比較」、公的機関・学会が調査した当該疾患の患者数を示す「患者数」、結果の根拠となる論文を4つの観点から評価した「論文評価レベル」という指標が設定されている。したがって、「日本人平均との比較」で数値が1を超えていれば日本人の平均より発症リスクが高く、逆に1未満であれば発症リスクが低いということを意味する。「論文評価レベル」は3段階あり、レベルが高いほどその結果の信頼性も高いということになる。なお、「患者数」に関してはデータがない場合もある。●発症リスク2位は1型糖尿病 - 1位は脳の血管に関わる疾患○発症リスクトップ5を発表! - 1位はなんと4.03倍さて、ここからは「MYCODE」によって判明した、筆者の疾患発症リスクを発表しよう。全150項目もあるので、ここではリスクの高い順にトップ5をランキング形式でご紹介する。第1位: もやもや病発症リスク: 4.03倍論文評価レベル:3全体を100人とした時、同じ遺伝子型の人数: 100人中13人2位に大差を付けて見事(?)1位になったのは「もやもや病」。「もやもや病」は脳の動脈が何らかの原因で細くなったり詰まったりする疾患で、太い動脈の閉塞を補って血流量を保つために拡張した細い血管の血管網が、煙がもやもやしているように見えることが病名の由来となっている。第2位: 1型糖尿病 末期腎不全発症リスク: 2.62倍論文評価レベル:2全体を100人とした時、同じ遺伝子型の人数: 100人中1人「1型糖尿病」は血液中のリンパ球が、インスリンを作るすい臓のランゲルハンス島にあるβ細胞を攻撃して炎症を起こし、すい臓自らインスリンを分泌できなくなることで発症する自己免疫疾患。第3位: 脳血管性認知症発症リスク: 2.33倍論文評価レベル:2全体を100人とした時、同じ遺伝子型の人数: 100人中13人「もやもや病」と同じ脳血管の疾患が3位に。「脳血管性認知症」は脳梗塞をはじめ脳血管障害によって発症する。記憶、言語、ものごとの認知などに関係する海馬や大脳皮質の神経細胞が脳血管障害により死んでしまうことが原因とされている。根本的な治療はなく、脳血管障害の進行を防ぎながら、症状を抑える治療を実施する。第4位: 心房細動発症リスク: 2.17倍論文評価レベル:3全体を100人とした時、同じ遺伝子型の人数: 100人中9人ここまでが2倍超え。「心房細動」は高齢者に多く見られる疾患で、心臓のリズムを調節する電気信号が何らかの原因で乱れて心臓本来の動きができなくなり発生する不整脈の一種。第5位: 胃がん(噴門部胃がん)発症リスク: 1.98倍論文評価レベル:3全体を100人とした時、同じ遺伝子型の人数: 100人中4人胃の入口にあたる部分(噴門部)にできるがんの一種で、食道胃接合部腺がんとも呼ばれる。噴門部がんはあまり多くはなく、胃がん全体の1~2割程度といわれている。また、胃酸の逆流が発症に関係している可能性がある。○遺伝子検査で疾患の発症リスクを知ることのメリット今回の結果は個人的にかなり意外だった。というのも、筆者はがん家系なので、何かしらのがんが1位にくると予想していたのだ。また、1位に「もやもや病」、3位に「脳血管性認知症」と、脳血管の疾患が上位に入ったことに遺伝子の力を感じた。一方、トップ5には入らなかったが、8位に胃がん(1.62倍)、10位に前立腺がん(1.49倍)が入っていたのでがんに注意しなくてもいいというわけではない。そもそもがんは、日本人の死亡理由1位に長らく君臨しているわけで、この場合「(がんの中では)自分は胃がんのリスクが高いんだな」と認識できたことに価値があるのだ。「脳の血管が弱い」「がんでは胃がんに特に気をつけよう」などは、「MYCODE」を受けて初めて気づいたことだ。唾液を採取するだけというシンプルな作業で、思いもよらなかった疾患への注意が喚起され、結果を生活改善の指針として病気の予防に活用できる点は、遺伝子検査の大きなメリットといえるだろう。●生活改善につなげるための具体的なアドバイスも○アドバイスを見る前にぜひアンケートに回答を遺伝子検査のメリットは、結果を病気の予防に活かせる点だと前頁で述べた。しかし、どのように生活習慣を改善すればよいのか、より具体的に知りたいところだ。MYCODEでは、「運動・生活」「栄養素」「食品・食料」という3つの観点から、検査結果に応じた、生活習慣改善へのアドバイスが提供される。筆者の場合であれば、喫煙が10個の疾患に関わっている(実際、吸っている)。当然、禁煙をしたほうが健康的にはベターなわけだが、そう簡単に禁煙できるものではない。これに対し「コーヒーを控えて紅茶やお茶にする」「熱いお茶や冷たい水を飲む」「禁煙開始から2週間は外での飲酒は控える」など、吸いたい気持ちを抑えるための具体的なメソッドが示される。また、禁煙に準備するための心得や、開始後の禁煙日記の付け方なども提示されるほか、禁煙に関するエピソードを持つ著名人のインタビューを読むことも可能だ。また、生活習慣に関するアンケートに答えておくと、生活改善アドバイスが自分の生活習慣を踏まえたものになるので、より効果的なアドバイスを得るためにアンケートに答えることをおすすめする。このほか、検査結果のページから「発症を予防するもの・促進するもの」をクリックすると、主だった疾患の発症予防や発症促進に関係する要因が色分けされたリストを見ることができるので、そちらも参考にしよう。○麦芽の香りが感じにくい体質だったとは…冒頭でご紹介したように、「MYCODE」では疾患の発症リスクのほかに遺伝的な体質についても知ることができる。尿酸値、骨密度からそばかすのできやすさまで、その内容は多岐にわたるので疾患の発症リスクとともに生活改善に役立てることができる。一方、中にはやけにピンポイントな項目もある。以下では全130の体質項目中から筆者が「こんなこともわかるの?」と驚いた項目をピックアップしてご紹介する。・麦芽の香りを感じとる能力ビールの原料である麦芽の芳しい香りは、麦芽を焙煎したり麦汁を発酵させたりする過程で化学反応が起こり、60種類もの成分が混じり合うことで生み出されているという。この香りを感じ取る能力は、実は遺伝的素因によって、ある程度左右されているのだそうだ。筆者は「麦芽の香りを感じにくいタイプ」と判定され、ほぼ毎日晩酌を楽しんでいる身としては少々ショッキングな結果に…・アスパラガスの代謝産物の臭いを感じ取る能力「アスパラガスを食べると尿が臭う」といわれることがあるが、これは、体内でアスパラガスの成分が消化酵素に分解されるときにできる化学物質メタンチオールが尿中に排出され、臭いを発するためと考えられてる。臭いの元となる成分を尿に排出する能力は、遺伝的に一部の人にしかないと考えられていた。しかし、実際には「一部の人の尿が臭う」のではなく、「一部の人が尿の臭いを嗅ぎ分けることができる」という嗅覚の問題であり、遺伝的な要因によって左右されることが近年明らかになってきた。・頸動脈の血管壁の厚さ頸動脈は心臓につながった大動脈から脳へと血液を送る血管で、気管の両脇を走っている。血管は内膜、中膜、外膜の3層構造になっているが、内膜と外膜を合わせて1.1mm以上だと動脈硬化と診断される。頸動脈の硬化は全身の動脈硬化を反映しているといわれており、動脈硬化になると、脳梗塞や心筋梗塞、大動脈瘤などを引き起こすリスクが高まる。動脈硬化は遺伝的要因も関係しているとされる。・苦味(PROP)の感じやすさ苦味の指標となる「プロピルチオウラシル(PROP)」と呼ばれる物質の感じやすさも、遺伝的な要因の影響を受けるとされており、PROPを感じるタンパク質に関わる遺伝子が苦味の感受性を決めていることが判明している。苦味の感じ方は食生活や健康にも影響することが分かってきている。・乳歯から永久歯への生え変わりの早さ永久歯は6歳頃から徐々に出てきて、初めに乳歯の奥に出てくる第一大臼歯や、中切歯と呼ばれる中央の前歯から生え変わり、12~13歳くらいにかけて28本の永久歯がそろう。一方、第3大臼歯(親知らず)だけは出てくる時期が異なり、通常18~24歳頃に生えてくる。乳歯から永久歯への生え変わりの時期は、遺伝子の影響を受けることが知られている。ちなみに、日本人では約94%の人が「乳歯から永久歯への生え変わりがやや早いタイプ」で、「乳歯から永久歯への生え変わりが遅いタイプ」は0.1%しかいない。○受けるだけでは意味が無い以上が遺伝子検査「MYCODE」の大まかな内容だ。初めての遺伝子検査だったので、検査結果を見るときは若干ドキドキしたが、前述したように自分が今まで知らなかった病気の発症リスクを知ることができて良かったと素直に感じる。ただ、注意しなくてはならないのは、例えば「もやもや病」が平均より4.03倍発症しやすくても、それが必ず発症するわけではないということ。なので、仮に何か重大な疾患の発症リスクが高いと判定されても気落ちせずに、「だったらどうすれば発症する確率を低くできるのか」という思考に切り替えないと、せっかく遺伝子を調べてもその意義が半減してしまう。もちろん、普段の食生活や住環境など、環境要因も病気には大きく関わることも忘れてはならない。自分でさえ知らなかった部分を明らかにしてくれる「MYCODE」は、受けることに意味があるのではなく、検査結果を見て何かを変えるきっかけとし、生活改善の方針を決めるのに役立てることが重要なのだ。
2015年08月05日ユービーセキュアは、Webアプリケーション脆弱性検査ツール「VEX」に、検査対象ページを自動登録する自動巡回機能を7月29日にリリースするバージョン 5.8より提供開始すると発表した。自動巡回機能は、検査員に代わって検査対象ページを自動登録するもので、既存検査ツールが抱える「正しく巡回できない」課題を解決し、これまで検査員に依存する検査ノウハウ(最短遷移で検査)の自動化を実現する。「VEX」の自動巡回機能では、同じ画面を繰り返し自動巡回することを防ぐ「重複判定」、自動巡回できなかったページを検出。必要な情報を追加設定し、巡回に失敗したページから再度巡回を開始する「巡回エラー検出」、自動巡回が困難な場合、手動で巡回したデータ(ログ)をインポートし、自動巡回のデータとして検査に使用できる「インポート」を搭載する。また、ユービーセキュアのツール検査ノウハウを自動化した「最適化機能」を提供することで、ツール検査のさらなる効率化を実現した。最適化機能では、巡回で取得したページの最短遷移を検索し、検査時間短縮を実現する。
2015年07月30日NTTデータ四国は、タブレット端末を活用した「建物・設備検査ソリューション」を8月1日より販売開始すると発表した。「建物・設備検査ソリューション」は、建物や設備の検査・点検・調査・修繕等を行う際にタブレット端末を用いて、検査項目の確認・結果入力を行い、報告書の自動生成・保存を行うもの。建物や設備の検査・点検・調査・修繕等を行う際に、結果入力や報告書作成でタブレット端末を用いて行うことで作業を効率化する。このソリューションは、建物や設備の状況をカメラ機能で撮影し、写真や検査項目画面にタッチペンを用いた手書き入力で登録することができ、従来の紙作業と同様のイメージで行いながら、報告書を自動作成できる。また、図面や検査結果は文書管理システムに登録、保管することで情報の機密性、完全性、可用性を確保しつつ、作業管理者、現場作業者の間の業務をシームレスに連携する。すでにJR四国から建物検査業務を委託されている四国開発建設に4月より先行導入され、四国全域の鉄道網の建物検査業務において運用されているという。NTTデータ四国では、本ソリューションを検査・点検・調査・修繕などフィールド作業を行う事業者に販売し、今後3年間で50社への導入を目指す。
2015年07月29日SCREENホールティングスは7月7日、エンジンをはじめとする自動車の主要な基幹部に使われる鍛造部品向けの外観検査装置「IM-3100」を開発、9月より販売すると発表した。エンジンやブレーキなど安全に関わる重要な部位に使用される強度・耐久性の高い鍛造部品の検査は従来、目視による全数検査が中心として行われてきたが、安全性や信頼性の向上を目指して、より確実な品質管理体制と歩留まり向上を両立できるオートメーション化の実現が求められていた。同製品は、同社が半導体やプリント基板関連の検査装置向けに培ってきた外観検査技術ならびに、独自の画像処理技術を組み合わせることで実現したもの。独自開発の光学系カメラシステム「Multi-Angle Multi-Shot」と高精度な比較検査アルゴリズムを採用しており、複数の条件で撮影した画像を用いることで虚報を抑え、選別すべき欠陥のみの検出を可能にしたとするほか、検査結果を解析し、前工程にフィードバックすることで欠陥の原因を特定することも可能だという。なお、同製品の国内希望販売価格は5000万円(税別)。同社ではこれを機に、車載用鍛造部品の外観検査装置のデファクトスタンダードを目指すとするほか、今後も検査分野に向けた製品ラインアップの拡充を図っていく計画としている。
2015年07月09日病気予防や美容に役立つ指標を得られるということで、個人向け遺伝子検査サービスの利用が増えているという。今回、遺伝子検査サービス「MYCODE」を提供するDeNAライフサイエンスに取材して印象的だったことは、同サービスを開始するにあたり「ELSI(エルシィ)」を重視した公式会員サイトの構築が重要であったということだ。○「倫理的、法的、社会的な議論」が不可欠「個人向け遺伝子検査サービス」の認知度は、今や、非常に高いと言えるだろう。同サービスの草分け的存在となる「23andMe(トゥエンティースリー・アンド・ミー)」では、全世界 約100万人が利用したと公表しているほどだ。同サービスが人気を博した要因の1つは、簡単な手続きだけで検査できることだろう。DeNAライフサイエンスが提供する遺伝子検査「MYCODE」では、自分で唾液を採取・郵送し、3週間程度で解析結果をWebサイト上で確認できる。(同サービスの詳細は、こちらの記事を参照されたい。)DeNAグループはこれまで、「インターネットを使ってリアル産業を変革し、人々の生活をもっと楽しくもっと豊かにする」をコンセプトに多彩な事業を拡大してきたが、健康ライフサイエンスも同コンセプトに当てはまるとし、その第一歩として誕生したサービスが「MYCODE」となる。「MYCODEは、学術的基盤がしっかりしていることや、ELSIに十分な配慮をしていることが大きな特徴です」と語るのは、DeNAライフサイエンス システムグループ グループリーダーを務める泉雄介氏。同サービスは、東京大学医科学研究所との共同研究に基づき、アジア人・日本人を対象とした論文を中心に発症リスクモデルを構築した点が差別化のポイントだという。そして、同サービスを運用する上で大切なことが「ELSI」だ。これは、「Ethical, Legal and Social Issues」の略であり、遺伝子研究を進める際に、倫理的・法的・社会的な議論を並行して進める取り組みを指す。「遺伝子情報は非常にセンシティブなものです。使い方次第で有用なものになりますが、一方で差別などに使われる可能性もあります。米国では、従業員の採用にあたって遺伝情報に基づく差別を行ってはならないという『遺伝情報差別禁止法』が2009年から施行されていますが、日本には現在このような法令はありません。こういった背景があり、弊社も遺伝子検査サービスにおけるELSIを十分に議論しながら進めています」(泉氏)○Adobe Experience Managerを使って遺伝子データを守るシステムを短期開発MYCODEがサービスを開始した時期は2014年8月。要となるWebサイトの開発には、アドビ システムズのデジタルマーケティングソリューション「Adobe Marketing Cloud」に含まれるWebコンテンツ管理(WCM)ソリューション「Adobe Experience Manager(以下、Experience Manager)」を採用した。サービス開始時点から約1,500ページもあった膨大なコンテンツを効率よく管理できることや、医師が監修するコンテンツの作成・修正ステップを強力なワークフローで管理できること、そして、コンサルティングの窓口がしっかりある点を評価したという。「トレーニングを3日間受けただけで、既に、シンプルなページは作り始めることができました。ドキュメントやQ&Aなどのサポートもしっかりしていた。つまり、開発にあたってのハードルを取り去ってくれたという印象です」(泉氏)同グループは以前より、モバイルゲームのユーザー行動分析のためにデータ分析ソリューション「Adobe Analytics」を利用しており、Adobe Marketing Cloud内にWCMの機能があることは知っていたため、導入しやすかったという背景もある。また、前述のとおり、遺伝子情報は究極の個人情報となる。必要なセキュリティレベルを、ELSIに沿ってさまざまな角度から調査・検討し、セキュリティポリシーを定めた。「画像や説明文など共通のアセット・コンテンツはExperience Managerで管理し、検査結果を含む個人情報は切り離して管理することで、セキュリティポリシーに忠実な実装が容易に実現できました。Experience ManagerはJavaで構築されており、自由度が高いシステムのため、私たちが設計をする上で制約を課されることはほとんどありませんでした」(泉氏)加えて、開発の柔軟性が高いことは、短期開発の実現にもつながっている。「Experience Managerでは、エンジニアが開発したページを、ノン・エンジニアのスタッフが自分で修正することができます。これを使用しなかった場合、3~4カ月は余分に開発期間が必要となり、サービスのスタートも遅れていただろうと思います」(泉氏)○「研究」という行為そのものがインターネット技術で変革できるDeNAライフサイエンスが掲げる次なる目標は、研究開発という既存の活動自体の変革となる。「研究というと、いままでは少人数で研究室にこもって、結論が出るまで発表もしない、クローズドなイメージでした。しかしこれからは、一般消費者からデータを提供して頂いたり、アンケートで意見を聞くこともできる。インターネットというオープンな技術の力で、研究開発のサイクルを速くしていきたいと考えています」(泉氏)遺伝子検査サービスが潜在的に持つ革新の力は、まだその一端を垣間見せたところにすぎない。今後、多方面にその効果が広がっていくことも予測されるが、あくまでも「ELSI」とのバランスをとりながら、進化させていくことが大切だ。
2015年06月26日サンコーは19日、USB充電式のポータブル扇風機「超音波ミストクーラー」を発売した。直販サイト「サンコーレアモノショップ」での価格は税込2,980円。超音波ミストクーラーは、本体からナノレベルのミストを送り出すポータブル扇風機。ミストが気体になる際の気化熱によって、使用者の体感温度を下げる。バッテリー容量は2,000mAhで、USB端子から充電する。バッテリー駆動時間は風とミストの同時供給時で約3時間。内蔵のタンクには35mlまでの水を入れられる。本体サイズはW87×H180×D50mmで、重量は253g。
2015年06月22日