先日公開を迎えた『ノルウェイの森』が、アラブ首長国連邦を構成する首長国のひとつ、ドバイ首長国の首都・ドバイで開催中の第7回ドバイ国際映画祭で、最優秀作曲賞を受賞した。ドバイ国際映画祭は、中東地区で活躍する映画人にとって晴れの舞台ともいえる映画祭。アラブ、アジア、アフリカの映画産業の繁栄を目的に開催されてきた。今回、『ノルウェイの森』はアジアアフリカの長編映画部門に出品され、長編部門15本の中から最優秀作曲賞を受賞した。世界中で読まれている村上春樹のベストセラーを映画化した本作。主題歌にタイトルの由来となっているザ・ビートルズの「ノルウェーの森」の原盤が使用されていることが大きなニュースとして取り上げられてきたが、加えてレディオヘッドのギタリスト、ジョニー・グリーンウッドが音楽を担当していることも話題に。いま、世界で最も高い人気を誇るバンドのひとつ、レディオヘッドでトム・ヨークと共に作曲を手がけ、中核を担うマルチプレイヤーのジョニーだが、2007年には映画『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』の音楽を担当。英国アカデミー賞やグラミー賞の候補に名を連ねるなど、すでにその能力の高さは証明済み。そんな彼が、ギターソロから室内楽、ノイズやオーケストラまで様々な音楽を使い分けながら作品の世界観を見事に構築。それが今回、見事に認められた形となった。映画祭に出席していたトラン・アン・ユン監督は「ジョニーの美しいスコアは受賞に値する素晴らしいものでしたから、ここドバイ国際映画祭で評価されたことをとても嬉しく思います。おめでとう、ジョニー!」とコメント。壇上では笑顔でトロフィーを掲げた。主人公のワタナベを演じ、その演技、表現力をジョニーが絶賛していた松山ケンイチは受賞の一報に「ジョニーさん、万歳!」とシンプルかつ気持ちのこもったコメントを寄せてくれた。すでに日本国内でも賞レースが動き始めているが、クリスマスも近いこの時期に砂漠の国から届いた今回の朗報。今後の国内外での評価および興行成績も気になるところだ。『ノルウェイの森』は全国東宝系にて公開中。(photo/text:Yoko Saito)特集『ノルウェイの森』■関連作品:ノルウェイの森 2010年12月11日より全国東宝系にて公開© 2010「ノルウェイの森」村上春樹/アスミック・エース、フジテレビジョン■関連記事:松山ケンイチの逆質問に取材陣ドキッ!?『ノルウェイの森』が台湾上陸松山ケンイチ『ノルウェイの森』自信の初日舞台挨拶「大ヒットするつもり」『ノルウェイの森』配役に7割以上が「イメージと合ってる」松山ケンイチに絶賛の声松山ケンイチが菊地凛子抱きしめキス…『ノルウェイの森』コラボCMが到着!水原希子インタビューモデルから『ノルウェイの森』大抜擢「もっと自分を愛したい」
2010年12月22日今年もまた、六本木ヒルズがひときわ華やぐ季節がやってきました。そう、東京国際映画祭が開幕しましたね。今年で23回目となる映画祭も、昨年同様、環境・エコロジーをテーマに様々な取り組みを行っていますが、その象徴的な存在がグリーンカーペット。映画祭につきもののレッドカーペットの代わりに敷き詰めたのが、環境に配慮したコンセプトを反映させたグリーンのカーペット。素材も回収されたペットボトルを使っているそう。今年もその上を、映画祭大使の木村佳乃、グリーンアンバサダーの杏らをはじめ、出品作品に関連したゲストたちが闊歩しました。中でも、超一級の存在感と迫力で他を寄せ付けなかったのがカトリーヌ・ドヌーヴ。今回は『8人の女たち』以来のタッグが話題となっている、フランソワ・オゾン監督作品『しあわせの雨傘』を持っての来日。堂々たるブラックの着こなしを日本のファンに見せてくれました。ドキッとするような透け感のあるシフォン素材のカシュクールドレス。フリフリ&フリンジの組み合わせは、やはり自分に相当自信がないと着ることのできない大胆なもの。デザイン自体はそれほど奇をてらったものではないけれど、素材と細部の飾りで、フォーマル感たっぷりに。こういう技は、日常の延長でちょっとした食事会やパーティに訪れる際に参考にしたいものです。そう、夜のお出掛けには、二の腕だって気にせず出しちゃいましょう!また、ドレスを着ることに慣れていそうな雰囲気を醸し出していたのは『海炭市叙景』の南果歩。薄いピンク色のドレープたっぷりのドレスは、ご本人の雰囲気にも合っていて素敵でしたが、何よりグリーンのカーペットにパッと花が咲いたような華やぎを加えました。やはりハリウッド俳優・渡辺謙の妻ということで、フォーマルな席に参加する機会が多いせいでしょうか。隣にいた谷村美月も、爽やかな肌の出しっぷりが印象的。ボーイッシュな魅力があるから、少しぐらい肌を見せてしまっても、いやらしくなかったので好印象でした。また、海外TVドラマ「LOST」で世界的な知名度を獲得したキム・ユンジンも登場。残念ながら、選んだドレスの色は、グリーンの上では沈んでしまうブルー。レッドカーペットだったらきっと鮮やかに映えたでしょうに、痛い選択ミスとなってしまいました。全体的に、今年のグリーンカーペット・ファッションでちょっと気になったのは、ゲストたちのドレスもエコ傾向にあったということ。主流はブラックドレスで、いずれもデザインは控え目気味。肌の露出も少ない傾向にあり、フォーマルな印象は極めて低いものがほとんどでした。映画でエコに貢献しようという映画祭のコンセプトは素晴らしいものですが、やはりここ一番というときは、眩しいくらいに華やかであってほしいもの。しかも、女優同士が“張り合っているのではないか?”と思わせるほどに、挑戦的だったり、冒険心あふれるものだったり、攻撃的だったりすると、見ているこちらもワクワクしたりして。そういう意味では、胸元がぱっくり開いた赤いドレスと金髪が新鮮だったモデルの冨永愛、アイディア次第で、“無駄なくゴージャス”“エコ・リュクス”なんてこともできますからね。ぜひ、来年、いえ、クロージングでは、エコでリュクスなドレスの競演を目にしたいものです!(text:June Makiguchi)特集「東京国際映画祭のススメ2010」■関連作品:第23回東京国際映画祭 [映画祭] 2010年10月23日から10月31日まで六本木ヒルズをメイン会場に都内各所にて開催© 2010 TIFFしあわせの雨傘 2011年正月第2弾TOHOシネマズ シャンテ、新宿ピカデリーほか全国順次公開© Mandarin Cinema 2010海炭市叙景 2010年11月27日より函館先行公開、12月上旬、渋谷ユーロスペースにて公開© 2010佐藤泰志/『海炭市叙景』製作委員会■関連記事:【TIFFレポート】『チェブラーシカ』原作者ビックリ?日本の観客は「大人ばかり」【TIFFレポート】堀北真希初の究極悪女役「すごく悩みました」【TIFFレポート】創設者自ら試写会主催し鑑賞『ソーシャル・ネットワーク』会見【TIFFレポート】仲村トオル俳優デビュー25周年50度カクテル一気飲み「ファイヤー!」【TIFFレポート】大政絢&染谷将太が許せる「素敵な嘘」は…?
2010年10月27日映画『脇役物語』のオープニングのシーンで、アクション・オン・フィルム国際映画祭(Action On Film International Film Festival)にて最優秀オープニング賞を受賞したシーンの映像がシネマカフェに到着した。本作は、万年脇役のうだつの上がらない中年俳優が、突然やってきた恋と主演のチャンスに奮闘する姿を描いた人生讃歌。自身、“名脇役”と称賛を集める益岡徹の初主演映画で、永作博美がヒロイン役を演じている。アクション・オン・フィルム国際映画祭は2005年からカリフォルニア州のロングビーチで開催されてきた国際映画祭で、2008年からは同州のロサンゼルス近郊のパサデナに場所を移して開かれている。20近くの部門が設けられており、本作はその中で最優秀オープニング賞を受賞した。気になるこちらの映像だが、舞台の幕開けを思わせるような構図でスタート。さらに東京と思しき街並みや、映画の撮影現場を思わせる光景がアニメーションで描かれており、シンプルながらどこか温かみを感じさせる作りに仕上がっている。気になるこの続きの物語は…劇場へ!『脇役物語』は10月23日(土)よりヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国にて順次公開。※こちらの特別映像はMOVIE GALLERYにてご覧いただけます。MOVIE GALLERY『脇役物語』益岡徹×永作博美インタビュー■関連作品:脇役物語〜Cast me if you can 2010年10月23日よりヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国にて順次公開© 2010 Dream On Productions■関連記事:『脇役物語』益岡徹×永作博美年の差恋愛OK!「“好き”は突然やってくる」益岡徹ほかキャスト舞台挨拶付き『脇役物語』プレミア試写会に15組30名様ご招待
2010年10月22日第15回釜山国際映画祭の今年のメインゲストの一人である、フランスを代表する女優ジュリエット・ビノシュ。今年のカンヌ映画祭で主演女優賞に輝いた最新作『トスカーナの贋作』の舞台挨拶や、記者会見に加え、「They Walk Together」と題して海雲台ビーチでオープントーク、および手形セレモニーを行った。トークの相手は、『トスカーナの贋作』のアッバス・キアロスタミ監督と、『ホウ・シャオシェンのレッド・バルーン』のホウ・シャオシェン(侯孝賢)監督。ビノシュは、彼らと仕事をした経験を「二人の映画ではどちらも息子を持つ母親役を演じたのだけれど、ヒロインが求めるものがそれぞれ違っていて、とても興味深かった。アッバスの映画では、母としてだけでなく、女として愛されたいと求める女性。一方、シャオシェンの映画では、息子とのつながりの強さに気付く女性。アッバスもシャオシェンも、女性のことをよく理解しているし、もっと理解しよう、という気持ちを持っていてくれる。そのことに感謝したいです」と語った。また、各国の映画人との交流パーティーでは、今年で退任するキム・ドンホ釜山映画祭委員長と、ABBAの曲にあわせてチャーミングかつ熱烈なダンスを披露。15年間、本映画祭をゼロから育て、尽力してきたキム・ドンホ委員長の労をねぎらった。映画祭は15日に閉幕。閉幕式には、クロージング・フィルムで釜山を舞台にしたオムニバス映画『カメリア』(原題)の中の1本、『かもめ』の行定勲監督と主演の吉高由里子、ソル・ギョングも出席。今年の釜山には、レポートで取り上げたスターたちのほかにも、ウィレム・デフォー、オリバー・ストーン監督ら多くの映画人が登場、トークショーなどさまざまな企画が催された。アジアの若手監督から選ぶコンペ、ニューカレンツ部門に日本映画がノミネートされなかったのは残念だったが、製作支援をするPPPアワードを、荻上直子監督の企画作『マッシュルームとメロン』が受賞した。毎年、拡大しつつも、観客と映画人の距離の近さを感じさせる釜山国際映画祭。温厚な人柄と映画への愛情の深さで、世界中の映画人に愛されたキム・ドンホ委員長の退任で、来年以降どう変わっていくかが注目だ。(photo/text:Ayako Ishizu)■関連作品:第15回釜山国際映画祭 [映画祭]■関連記事:仲村トオル、チャン・ドンゴンとの再会に感激!『行きずりの街』韓国公開も即決定釜山の観客の熱烈歓迎に深津絵里「クセになりそう!」宮崎あおい&大竹しのぶに韓国人ファン熱狂「ステキ!」、「カワイイ!」と声援安藤政信が釜山登場!米中合作アクションコメディで天才料理人を熱演
2010年10月18日23日(土)に開幕する第23回東京国際映画祭での、GACKT(ガクト)がハリウッド進出を果たした映画『Bunraku』の特別上映が決定した。シンガーとしての活動に加え、近年では俳優、声優として映画やTVドラマへの参加、さらにはCMでコミカルな一面を見せるなど、活躍の場を広げていたGACKTさんがついに世界進出!映画『Bunraku』はタイトルどおり、日本の伝統芸能である文楽をはじめ、折り紙など“和”のテイストを盛り込んだ異色のハリウッド映画。最先端のビジュアルに激しいアクション、さらには漫画、マカロニ・ウエスタン、サムライ映画にTVゲームなどを組み合わせて未来を描いているという。GACKTは、主演を務めるジョシュ・ハートネットが演じる流れ者の相棒であるサムライのYoshiを演じている。2人がたどりついた街は、残虐なニコラとその手下である9人の暗殺者の支配下にあり、2人は街のバーテンダーと組んで、ニコラの圧制を転覆させようとする、という物語が展開する。サムライといえば、GACKTさんは2007年のNHK大河ドラマ『風林火山』で上杉謙信役を演じ、新たな謙信像を作り上げ、強烈な印象を残したが、今回はどのような“サムライ”姿を見せてくれるのか?ジョシュのほか、ウディ・ハレルソン、デミ・ムーアも共演陣に名を連ねており、この錚々たる面々とどのような掛け合いを見せてくれるかも楽しみなところ!『Bunraku』は本映画祭内で10月27日(水)20:30〜と10月29日(金)11:30〜の2度にわたっての上映が行われる。チケットは10月16日(土)よりチケットぴあ、ローソンチケットで発売開始。第23回東京国際映画祭は10月23日(土)より31日(日)まで開催。特集「東京国際映画祭のススメ2010」■関連作品:第23回東京国際映画祭 [映画祭] 2010年10月23日から10月31日まで六本木ヒルズをメイン会場に都内各所にて開催© 2010 TIFF■関連記事:邦画&話題作にあの人の作品も…見どころ伝授!東京国際映画祭の楽しみ方映画のヒロインに変身!「TIFF」ヘアデザインショーモデル体験に1名様ご招待早くもオスカー最有力?『ソーシャル・ネットワーク』北米初登場1位!来日も決定函館から世界へ!谷村美月、南果歩ら東京国際映画祭コンペ出品会見
2010年10月15日今年も東京・六本木ヒルズをメイン会場に、世界各国から選りすぐりの作品を集めて開催される東京国際映画祭(TIFF)。つい先日、コンペティション部門に出品される日本映画『海炭市叙景』の監督、キャスト陣が出席して公式記者会見が行われたが、さらにその後、中国映画『ブッダ・マウンテン』のコンペティション出品が発表され、コンペティション全15本が出揃った。ここでは邦画および話題作を中心にコンペティション部門の行方、さらにその他の部門に出品されている注目作品などをご紹介!まずはコンペ!まずは邦画!ということで、今年、「東京 サクラ グランプリ」獲得の期待を背負って日本からコンペティション部門に出品されるのは、先述の『海炭市叙景』と『一枚のハガキ』の2作品。『海炭市叙景』は、村上春樹らと並び称されるほどの文才を持ちつつも生前、不遇を囲った函館出身の作家・佐藤泰志の幻の小説を映画化した作品。海炭市という、函館を思わせる架空の街を舞台に、そこで暮らす様々な人々の日常のドラマを映し出し、函館市と市民の協力の下、函館で撮影が行われた。監督は『空の穴』、『ノン子36歳(家事手伝い)』の熊切和嘉。規模の大きな作品とは言えないが谷村美月、加瀬亮、小林薫、南果歩といった錚々たる顔ぶれが函館に集い、市井の人々の生きる様子を静かに、そして確かに演じている。もうひとつの邦画『一枚のハガキ』は脚本家および監督として数々の名作を世に送り出してきた新藤兼人が98歳にして「映画人生最後の作品」として挑んだ作品。戦争末期に召集された兵士と、彼が戦友から託された手紙に関するある頼みにまつわる物語を通じて、庶民の視点から見た戦争の惨禍が浮き彫りにされる。こちらも豊川悦司、大竹しのぶ、六平直政、大杉漣、柄本明、倍賞美津子と現在の邦画界になくてはならない名優たちがズラリと名を連ねる。時代背景は違えど市井の人々の姿を描き出す2作が邦画代表に!派手さはないものの静かな感動を呼び起こす。第1回(1985年)の『台風クラブ』(相米慎二監督)、第18回(2005年)の『雪に願うこと』(根岸吉太郎監督)に続く邦画の最高賞受賞なるか?両作に期待がかかる。邦画以外でコンペで注目を集めているのは、名作『日の名残り』の原作者カズオ・イシグロの小説を映画化した『わたしを離さないで』。謎めいた寄宿施設で育てられた3人の若者たちの絡み合う愛憎、痛切な運命を儚く描き出したラブストーリー。『17歳の肖像』で世界中の称賛を浴びたキャリー・マリガンに、“新スパイダーマン”アンドリュー・ガーフィールド、そして『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズのキーラ・ナイトレイという豪華キャストが揃っており、東京 サクラ グランプリ最有力候補と言えそう。それ以外の作品で、日本でも知名度の高い俳優の出演作としてはマイケル・シーン主演で大学構内で起こった銃乱射事件がある家族にもたらす悲劇を通じて家族の絆を問い直す『ビューティフル・ボーイ』に、海辺の町を舞台にした文豪グレアム・グリーンの名作を映画化した、サム・ライリーとヘレン・ミレン出演作『ブライトン・ロック』などが出品されている。とはいえ、過去の最高賞受賞作を見ても、知名度の高い俳優が出演している話題作が受賞するとは限らないのがTIFF。何より、いずれの作品もかなりの倍率を突破してこのコンペティションに名を連ねているだけに粒揃い。どの作品が受賞しても不思議はない。この映画祭を機にこれから世界へ羽ばたいていく監督も多いだけに、決して事前の注目度の高くない作品を見て回るのも一興?そしてコンペ以外にも話題作が続々と日本上陸!いまだ謎多き『トロン:レガシー』は全世界初公開となるフッテージ映像の上映が行われるほか、デヴィッド・フィンチャー監督最新作『ソーシャル・ネットワーク』がオープニングを飾り、そしてベン・アフレックが自ら監督・主演を務める『ザ・タウン』がトリを務める。また、「WORLD CINEMA」部門にも話題の作品が続々。9月に急逝したヌーヴェルヴァーグの巨匠クロード・シャブロルの遺作でジェラール・ドパルデュー主演の『刑事ベラミー』に、今年のヴェネチア国際映画祭で絶賛を浴び、ヴィンセント・ギャロに主演男優賞をもたらした『エッセンシャル・キリング』(原題)。ユアン・マクレガー扮するゴーストライターが、政治を巡るある陰謀に巻き込まれる『ゴースト・ライター』、フィリップ・シーモア・ホフマンの初監督作『ジャック、舟に乗る』、そして鬼才ミシェル・ゴンドリーが自らの叔母にカメラを向けたドキュメンタリー作品『心の棘』など気になる作品があちらこちら。ほかにも「アジアの風」、「日本映画・ある視点」、「natural TIFF」ほか部門もジャンルも多彩!会期は9日間。何を観るべきか?そして東京 サクラ グランプリの行方は――?東京国際映画祭は10月23日(土)より開催。特集「東京国際映画祭のススメ2010」■関連作品:第23回東京国際映画祭 [映画祭] 2010年10月23日から10月31日まで六本木ヒルズをメイン会場に都内各所にて開催© 2010 TIFF■関連記事:映画のヒロインに変身!「TIFF」ヘアデザインショーモデル体験に1名様ご招待早くもオスカー最有力?『ソーシャル・ネットワーク』北米初登場1位!来日も決定函館から世界へ!谷村美月、南果歩ら東京国際映画祭コンペ出品会見
2010年10月13日第23回東京国際映画祭のコンペティション部門出品が決定している映画『海炭市叙景』に出演する谷村美月、南果歩、熊切和嘉監督らが9月30日(木)、東京・港区の六本木ヒルズ内で行われた同映画祭の公式会見に出席した。北海道・函館市出身の小説家・佐藤泰志氏の遺作となった同名作の映画化で、函館市をモデルにした架空の都市・海炭市とそこで人生を送る人々の姿を6編の物語で描いている。熊切監督と初タッグとなった谷村さんは「その場に立っていればいい、そこに存在していれば『演じよう、演じよう』としなくていい、不思議な現場でした。とても居心地が良かったです」と撮影をふり返ってニッコリ。南さんも「函館で1か月半、撮影をしてきましたが、このような形で世界に向けて発信できることになり、函館の方々と喜びを分かち合いたいです」と晴れやかな笑顔を見せた。北海道帯広市出身の熊切監督は「小さな出会いから始まった映画が大きな映画祭で上映されるのは嬉しい」と喜びの言葉。「とある地方都市の現実とそこに暮らす人々の姿を描いた作品です。多くの人々に何かを感じ取ってもらいたい」と話した。ほかに出演の竹原ピストルが出席。この日の会見には映画祭チェアマンの依田巽氏らが出席。本作を含むコンペ作品15本などの概要発表、審査員紹介などを行った。コンペ15本中、1本は未発表。第23回東京国際映画祭は10月23日(土)から31日(日)まで、東京・六本木ヒルズほかで開催。映画『海炭市叙景』は11月27日(土)より函館先行公開、12月上旬、渋谷ユーロスペースにて公開。(photo/text:Yoko Saito)「第23回東京国際映画祭」公式サイト■関連作品:第23回東京国際映画祭 [映画祭] 2010年10月23日から10月31日まで六本木ヒルズをメイン会場に都内各所にて開催© 2010 TIFF
2010年09月30日女優のともさかりえ、歌手のスネオヘアーが9月25日(土)、福島県国見町観月台文化センターで開催された「福島こどものみらい映画祭2010」で、共演映画『アブラクサスの祭』(加藤直輝監督)の舞台挨拶に揃って出席した。2人は8月に、「同作での夫婦役をきっかけに熱愛中」などと一部スポーツ紙などで報じられて以来、ツーショットでは初の公の場。子役の山口拓を間に挟んで挨拶に立ち、ともさかさんは「父親が郡山出身でしたので、福島には学生時代はよく来ていました。地元の皆さんには撮影中は炊き出しですとか、温かい応援をしていただいた」と感謝の弁を述べつつ、「気に入っているシーンは、スネオさんとの夫婦でのちょっとしたやりとりのシーンと、ラストのライブシーンは個人的にも思い入れもあるのでぜひ見て頂きたいです」と意味深コメントも。今作で映画初主演したスネオヘア―さんは「監督が音楽にこだわってくれて、最初で最後の主役をやらせていただきました。なんとか演じきりました」と謙遜。ロック音楽に没入する僧侶という役どころについて「お坊さんという役作りで、思い切って頭を剃髪しました。やっぱりミュージシャンなので髪の毛ってとても大事なんですよね。だから非常に残念な姿になりましたね(笑)。お寺で剃髪式をやりましたが、意味があるんですよね、坊主にするということには。俗念を断つというか、恰好のいい風に自分を見せるという気持ちを一切断つということと、教えて頂きました」と感想を述べた。本作は、福島県三春町在住の現役僧侶で芥川賞作家・玄侑宗久氏の同名小説の映画化。加藤監督は「お坊さんがロックをするというところに惹かれてこの作品を映画化したいと思いました。ライブシーンをしっかりと描きたかったので、主演の浄念役にはミュージシャンのスネオヘアーさんにお願いして、ラストのライブシーンは素晴らしいシーンになりました」と仕上がりに自信をのぞかせていた。『アブラクサスの祭』は10月9日(土)より福島県にて先行公開、12月25日(土)よりテアトル新宿ほか全国にて順次公開。(text:Yoko Saito)■関連作品:アブラクサスの祭 2010年10月9日より福島県にて先行公開、12月25日よりテアトル新宿ほか全国にて順次公開© 「アブラクサスの祭」パートナーズ
2010年09月28日開催中のトロント国際映画祭にて9月15日(現地時間)、ロドリゴ・コルテス監督の『[リミット]』の正式上映が行われ、上映後には監督と主演のライアン・レイノルズが質疑応答に登壇し、喝采を浴びた。イラクの地で突然襲われ、目を覚ますと土に埋もれた小さな箱の中にいたポール。残り90分の酸素しかなく、手許にあるのは充電切れ間近の見慣れぬ携帯電話という絶望的な状況に陥った男の命がけの脱出劇を描いた異色作。『ウルヴァリン:X-MEN ZERO』などに出演し注目を集めるライアン。バンクーバー出身のカナダ人とあって、会場に姿を現すと客席からは悲鳴に近い歓声が上がった。この日は会場にはライアンの母親も姿を見せ、息子の晴れの姿を見守っていた。会場のノリの良さに合わせてか、監督もライアンも終始、ご機嫌でユーモアを交えてのトーク。コルテス監督は「こんなにたくさんの人が観てくれて嬉しい。ひとつだけ伝えたいことがある。僕の背丈は普通だ。ライアンが高すぎて小さく見えるだけだ。今日言いたいのはこれだけ!」と語り会場の笑いを誘った。作品については「とにかくライアンが演じるポールが体験していることを観客に実際に体験してもらいたかった。だからライトはなるべくリアルに、(劇中の)ジッポも携帯も実際にその光で撮影した。箱も必要なカットによって7つの棺を準備した」と本作の持つリアリティを強調した。ライアンは“箱の中”という状況が続く本作のストーリー展開について「最初に脚本を読んだときは、すごいけど、やる人は大変だろう、僕じゃない、グッドラック!と思った…なんてね(笑)。でも、全くこの通りにやるのはとても挑戦だと思ったよ。ある日、高いスーツを着た人が突然やって来て、回想シーンなど外のシーンを追加するべきだと言ってくるだろうと思ってた。そしたら台なしだっただろう」とふり返り「L.A.で監督と会って40分後には握手していたんだ。17日間撮影した。つらい撮影だったけど、作品の“質”を高めるためには必要だった。あまり大変だったと強調したくないけど、とにかく終わってよかったよ。一点、なんでバルセロナで撮らなくてはいけなかったのかだけは未だに分からないけどね(笑)」と冗談めかしつつ過酷な撮影について語り、会場からは大きな拍手と歓声がわき起こった。『[リミット]』は11月6日(土)よりシネセゾン渋谷ほか全国にて順次公開。■関連作品:[リミット] 2010年11月6日よりシネセゾン渋谷ほか全国順次公開© 2009 Versus Entertainment S.L. All Rights Reserved.
2010年09月16日モントリオール世界映画祭で『悪人』(李相日監督)に出演している深津絵里が最優秀女優賞を受賞した。本作は吉田修一の同名小説の映画化作品で、ある殺人事件を巡る被疑者、被害者、その遺族、被疑者の家族などの姿を通して、真の“悪人”とは何者かを問いかけるドラマ。深津さんは、妻夫木聡演じる殺人犯・祐一に付き添い、逃避行を繰り広げる女性・光代を演じており、全編にわたって九州の方言での演技で、官能シーンにも果敢に挑戦している。妹と二人暮らしで紳士服量販店に勤め、ほとんど地元の街から出たことのない、どこか垢抜けない女。そんな彼女が出会い系サイトを通じて祐一と出会い胸を躍らせるも、突如、彼から殺人を犯したという告白を受け、彼の逃避行に付き従う。登場からラストまで、揺れ動く心情を繊細に表現。北米の地でも高い評価を受け、見事、最優秀女優賞に輝いた。日本映画の同映画祭における受賞は2008年の『おくりびと』の最優秀作品賞と『誰も守ってくれない』の脚本賞(君塚良一)、2009年の『ヴィヨンの妻 〜桜桃とタンポポ〜』の監督賞(根岸吉太郎監督)に続き3年連続。また同最優秀女優賞の日本人受賞は1983年の『天城越え』における田中裕子の受賞以来の快挙となる。授賞式で壇上に上がった深津さんは「ありがとう、メルシーボク。私がここで手にしている賞は『悪人』という作品を作った全てのスタッフにいただいた賞だと思っています。本当に嬉しいです。日本にいるキャスト、スタッフのみんなにこの喜びを伝えたいです。ありがとうございました」と挨拶。授賞式後にコメントを求められた際も「監督の演出がなければあの演技はできなかったと思うし、(相手が)妻夫木さんでなかったら獲れなかった賞だと思います」と謙虚に監督と共演の妻夫木さんへの感謝を口にした。李相日監督は「役者の力を見せつけられた。全員で勝ちとったと思います」と語り、妻夫木さんも「夢のような感じがします。僕らの熱が伝わったと思います。深津さんがいたからこそ、高め合って、支え合って撮影できた。なにか家族が賞を獲ったような気がします」と喜びを語った。『悪人』は9月11日(土)より全国東宝系にて公開。今後、国内の賞レースでも注目を集めそうだ。■関連作品:悪人 2010年9月11日より全国東宝系にて公開© 2010「悪人」製作委員会■関連記事:『悪人』にモントリオール喝采!妻夫木聡&深津絵里も現地の反応に感激『悪人』の李相日監督がハンディカムCMを演出!真夏の大騎馬戦を珠玉のドラマに妻夫木聡は自称“仕事人”「仕事ください」妻夫木聡らが日本代表に声援!…も、樹木希林は「サッカーは頭の細胞に悪そう!」
2010年09月07日第67回ヴェネチア国際映画祭が、現地時間の9月1日夜、イタリア・ヴェネチアのリド島で始まった。開幕作品は、2年前に『レスラー』でグランプリの金獅子賞に輝いたダーレン・アロノフスキー監督によるサイコ・スリラー『ブラック・スワン』(仮題)。開幕式に先立ち行われた記者会見では、監督とともに主演のナタリー・ポートマン、共演のヴァンサン・カッセル、ベンジャミン・ミルピエが登壇した。ナタリーは、名門ニューヨーク・シティ・バレエの「白鳥の湖」で主役に抜擢されるが、純情な白鳥と官能的な黒鳥を演じ分けることに苦悩し、追い詰められていくバレリーナを演じる。13歳までバレエを習っていたナタリーは劇中、見事な踊りを見せるのはもちろん、レズビアン・シーンやマスターベーション・シーンにも果敢に挑戦。これについてナタリーが「8年前にこの企画をダーレンと話したときからセックスシーンがあると聞いていたので、覚悟はしていたわ。アーティストのエゴについての話だから避けられないもの」と語ると、監督から「でも最初は『なんで?』と言ってたじゃない」と突っ込まれる一面も。またバレエ団の芸術監督を演じたヴァンサン・カッセルは「実は子供の頃、バレエを習っていたんだけど、あまりに大変なんでやめたんだ。妻のモニカ(・ベルッチ)もバレエ経験者だから相談相手になってもらったり、撮影前もかなりハードな練習をしたよ。でも、それでギャラをもらってるんだからね」と笑わせた。また、この映画がきっかけで恋人関係に発展したナタリーと世界的なバレエ・ダンサーのベンジャミンは、会見では言葉を交わさなかったが、レッドカーペットには2人で仲良く登場。順調な交際をにおわせた。(photo/text:Ayako Ishizu)■関連作品:第67回ヴェネチア国際映画祭 [映画祭]ブラック・スワン (仮題) 2011年春、TOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開© 2010 Twentieth Century Fox.■関連記事:ヴェネチア国際映画祭、「ヴェネチア3Dアワード」審査委員長に清水崇が就任ナタリー・ポートマンがダークサイドに?主演作がヴェネチアでオープニング上映決定
2010年09月02日9月1日(現地時間)にいよいよ開幕する、世界三大国際映画祭のひとつ第67回ヴェネチア国際映画祭において、昨年より新たに設けられた「ヴェネチア3Dアワード」の本年度の審査委員長を清水崇監督が務めることが発表された。世界的な躍進を遂げる3Dというジャンルをいち早く取り込み、昨年より新設された「3D映画部門」におけるこちらのアワード。昨年は『グレムリン』で知られるジョー・ダンテ監督の『The Hole』が、『カールじいさんの空飛ぶ家』や『モンスターvsエイリアン』を抑えて初の栄誉を手にしたが、この授賞式でプレゼンターを務め、ダンテ監督にトロフィーを授けたのが清水監督。このときは、アジア圏で初のデジタル3D映画となる『戦慄迷宮3DTHE SHOCK LABYRINTH』を監督した功績からプレゼンターを任されたのだが今回、審査委員長というさらなる大役を務めることに!気になる今年のノミネート作品だが『アバター』に『アリス・イン・ワンダーランド』、『ヒックとドラゴン』、『タイタンの戦い』、『トイ・ストーリー3』、『エアベンダー』、『シュレック フォーエバー』、『Disney’sクリスマス・キャロル』、『ファイナルデッドサーキット 3D』、『スパイアニマル・Gフォース』、『キャッツ&ドッグス地球最大の肉球大戦争』など話題作がズラリ。映画祭本選の審査委員長を務めるのが、清水監督作の『呪怨』のファンを公言するクエンティン・タランティーノというのも奇縁。ちなみに、昨年のヴェネチアの地でフッテージ上映が行われた『戦慄迷宮3DTHE SHOCK LABYRINTH』は今年、特別招待作品として上映される。ジャパニーズホラーの旗手としてその名を轟かせ、アジアを代表する3D映画の監督としても世界に認められた清水監督は、果たしてどの作品に“No.1 3D映画”の栄誉を与えるのか? 『ノルウェイの森』、『十三人の刺客』という日本から出品されるコンペティション参加作品と共に注目が集まる!ヴェネチア国際映画祭は9月1日より11日まで開催。『戦慄迷宮 3D』プレミアム・エディション発売元:アスミック販売元:角川映画価格:4,935円(税込)発売中■関連作品:戦慄迷宮3DTHE SHOCK LABYRINTH 2009年10月17日新宿バルト9、梅田ブルク7ほか全国にて公開© ショック・ラビリンス・フィルム・コミッティ2009第67回ヴェネチア国際映画祭 [映画祭]■関連記事:BeeTVで清水崇がホラーを監修!星野真里が恐怖におののく前田愛、挙式を10日後に控え共演陣からの花束の祝福に、驚き過ぎて3Dメガネで…3連休は新感覚を先取り!『戦慄迷宮3D』見どころ凝縮のフッテージが無料で上映『戦慄迷宮3D』柳楽優弥インタビュー「お化け屋敷はM・キャリーに誘われてもノー」『戦慄迷宮3D』世界配給決定!柳楽優弥は映画祭よりも観光で海外に行きたい?
2010年08月30日29日(木)、9月1日(水)から11日(土)まで開催の第67回ヴェネチア国際映画祭のラインナップが発表になり、日本から村上春樹原作、トラン・アン・ユン監督の『ノルウェイの森』と三池崇史監督の『十三人の刺客』がコンペティション部門に、『愛のむきだし』の園子温監督の『冷たい熱帯魚』がオリゾンティ部門に選出された。今年のコンペティション部門の特徴は、エントリー作品を撮った監督の平均年齢が若いこと。平均年齢47歳というのは同映画祭史上最年少だという。その中にはオープニング上映作である『Black Swan』(原題)のダレン・アロノフスキー(41歳)、『Somewhere』(原題)のソフィア・コッポラ(39歳)が含まれる。ほかにはポール・ジアマッティ、ダスティン・ホフマン主演の『Barney’s Version』(原題)、ドイツのトム・ティクヴァ監督の新作『Drei』(原題)が上映される。ベン・アフレックの監督第2作『The Town』(原題)はコンペティション外で上映、弟のケイシーが俳優引退後のホアキン・フェニックスに密着したドキュメンタリー『I Am Still Here: The Lost Year of Joaquin Phoenix』(原題)も上映される。今年のコンペティション部門の審査員長は、日本映画、加えて三池ファンとしても知られるクエンティン・タランティーノ。最高賞・金獅子賞の行方が早くも気になる。ちなみに金獅子功労賞は、これもタランティーノが大好きなジョン・ウー監督に贈られることが決定している。(text:Yuki Tominaga)■関連作品:ノルウェイの森 2010年12月11日より全国東宝系にて公開© 2010「ノルウェイの森」村上春樹/アスミック・エース、フジテレビジョン十三人の刺客 2010年9月25日より全国東宝系にて公開© 2010「十三人の刺客」製作委員会■関連記事:ヴェネチア出品決定で松山ケンイチ、役所広司らの喜びのコメント到着!異例!『ノルウェイの森』主題歌にザ・ビートルズ原盤の「ノルウェーの森」が決定高良健吾初のフォトブックが発売撮影現場&箱根プライベート旅行の様子も!あのシーンも原作の種田そのまま!『ソラニン』高良健吾の落書き顔公開2010年、最も活躍すると思う俳優は?1位は不動のジョニー・デップ!
2010年07月30日仲里依紗が7月16日(金)、韓国・プチョン(富川)市内で開催中の第14回プチョン国際ファンタスティック映画祭の、主演映画『時をかける少女』の公式上映後に行われた舞台挨拶とティーチインで、韓国語で挨拶し、現地ファンの大歓声を浴びた。同作は、SFやファンタジーの話題作を集めた「ワールド・ファンタスティック部門」出品作で、同映画祭期間中、16日(金)と17日(土)の2回上映。この日は大雨というあいにくの空模様と午後8時からという遅い上映にもかかわらず、会場のプチョン・シティホールは満席に近い状態となった。観客からの質問に5問ほど答えたところで、仲さんはポケットから紙を取りだし「読んでいいですか?」とニッコリ。「カムサハムニダ」と切り出すと、「今日はいらっしゃってくださってありがとうございます。お会いできて嬉しかったです」と韓国語で挨拶。客席からは歓声がわき起こり、「サイコーだ!」の声も飛んだ。原作の主人公・和子の一人娘、あかり(仲さん)が70年代へタイムリープし、母親の初恋相手を捜す中で、その時代を生きる青年・涼太と恋に落ちるという物語。ティーチインでは、もしあかりだったら?の問いに「涼太のためにその時代に残って時間を止めようとすると思います」。大林宣彦監督版を観たか?と聞かれると「1回しか観てない。毎回役作りはしないので。というのも、役作りをやってしまうと、そこまでの力しか出せない気がするので、自然体で現場に行き、どこまで力を出せるかを大切にしているから」と“大物ぶり”をうかがわせた。15歳のときにプライベートで訪れて以来で、公式に韓国を訪れるのはこれが初めて。主演ドラマの撮影の合間を縫った1泊2日の強行軍で、この日の午前11時半頃に韓国入りし、翌17日(土)の19時頃には離韓予定。約32時間の滞在中、舞台挨拶と現地メディアの取材をこなし「オフはゼロ」(関係者)というハードスケジュールで、食事もコンビニのおにぎりなどしか口にしておらず、「次に来たときには、屋台で庶民的な料理を食べたり、ショッピングをしたりしたい」とちょっぴり残念そうな顔も。とはいえ「上映中の観客のリアクションも良かったので、楽しんでもらえたと思います」と手応えをヒシヒシ感じた様子。谷口監督も「あかりという少女の成長を描こうと取り組み、仲さんという女優を得たことで想像の何十倍もの『時かけ』が出来た」と自信をのぞかせる一方、「初めての韓国ですが、韓国映画で好きな作品がたくさんあります。ポン・ジュノ監督の作品とか大好きです」と話し、観客を沸かせていた。会場を出る際には、サインを求めるファンに囲まれてロビーは一時騒然。仲さんは快くサインに応じ、笑顔を振りまくなどファンサービス。スタッフ約10人にガードされながら、5分近くかかって出口に辿りつき、会場を後にした。(photo/text:Yoko Saito)■関連作品:時をかける少女 (2010) 2010年3月13日より新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ渋谷、シネスイッチ銀座ほか全国にて公開© 「時をかける少女」製作委員会2010■関連記事:仲里依紗『時かけ』を引っさげ訪韓決定!プチョン映画祭出品が決定春爛漫!“桜”がキュートな『時をかける少女』オリジナル腕時計を3名様プレゼント仲里依紗、地元・長崎で『時かけ』舞台挨拶祖母からのサプライズ花束に思わず涙仲里依紗×中尾明慶インタビュー撮影をふり返り…激辛コメント続出でタジタジ仲里依紗中尾明慶の歌に正直コメント?「普通じゃん!」
2010年07月17日3月に劇場公開された『時をかける少女』が、7月15日(木)に韓国で開幕する第14回プチョン国際ファンタスティック映画祭に出品されることが決定。主演の仲里依紗が初めて訪韓し、現地で舞台挨拶することも発表された。本作は刊行以来、40年以上愛され続けてきた筒井康隆の同名小説を基に、原作の主人公・芳山和子の一人娘のあかり(仲さん)が1970年代にタイムリープするという物語。仲さんは本作に加え、セクシー衣裳が話題となった『ゼブラーマンゼブラシティの逆襲』、TVドラマ「ヤンキー君とメガネちゃん」(TBS系)などに出演。女子高生を対象にしたアンケートで本年度の上半期に最もブレイクした女優の第1位に輝くなど、幅広い活躍で注目を集めており、まもなく放送が開始されるドラマ「日本人の知らない日本語」(読売テレビ日本テレビ系)では連続ドラマ初主演を果たす。仲さんにとっては海外の映画祭参加は今回が初めて。発表に際し「私の大好きな『時をかける少女』という作品でプチョン国際ファンタスティック映画祭に参加できるのがすごく嬉しいです。プチョンでも時をかけたいです!」との喜びのコメントを寄せてくれた。すでに本作はイギリス、そして香港での公開も決定しているが、韓国の観客の評価はいかに?そして仲さんは韓国のファンにどのように迎えられるのか?舞台挨拶は16日(金)および17日(土)に行われる予定。なお、本作DVD&ブルーレイは10月13日(水)よりリリースされる。『時をかける少女』限定BOX【完全生産限定版】[DVD]価格:6,090円(税込)『時をかける少女』【DVD通常版】価格:3,990円(税込)『時をかける少女』【ブルーレイ通常版】価格:5,040円(税込)発売日:10月13日(水)販売元:アニプレックス© 映画「時をかける少女」制作委員会2010■関連作品:時をかける少女 (2010) 2010年3月13日より新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ渋谷、シネスイッチ銀座ほか全国にて公開© 「時をかける少女」製作委員会2010■関連記事:春爛漫!“桜”がキュートな『時をかける少女』オリジナル腕時計を3名様プレゼント仲里依紗、地元・長崎で『時かけ』舞台挨拶祖母からのサプライズ花束に思わず涙仲里依紗×中尾明慶インタビュー撮影をふり返り…激辛コメント続出でタジタジ仲里依紗中尾明慶の歌に正直コメント?「普通じゃん!」仲里依紗、いきものがかりと再タッグを約束!?『時をかける少女』舞台挨拶
2010年07月12日映画『必死剣鳥刺し』の完成報告会見が7月5日(月)、東京・千代田区の東京會舘で行われ、主演の豊川悦司らが、先月末に決定した本作の第34回モントリオール世界映画祭ワールド・コンペティション部門出品の喜びを語った。同映画祭は、1977年から開催されている、カンヌ、ヴェネチア、ベルリンに次ぐ北米最大級の映画祭で、今年は8月26日からカナダで開幕。配給元の東映によると、本作の上映日は現在未定ながら、平山秀幸監督、豊川さんらが現地入りする方向で調整中。“朗報”に豊川さんは「いろんな国の方々が、この映画をどんな風に観てくれるのか楽しみですね」と笑顔。1998年に『愛を乞うひと』で国際批評家連盟賞を受賞して以来、12年ぶりに同映画祭に参加する平山監督は、「チャンバラやサムライが日本映画の伝統と捉えられた時期がありましたが、2010年のいまでもそう思っていただけるか、楽しみです」と“武者震い”した。本作は作家、藤沢周平の同名小説を原作に、悲運の剣の達人、海坂藩士、兼見三左エ門が不条理な運命に巻き込まれながらも武士道を貫く姿を描く物語。劇中、吉川晃司扮する剣豪と命がけの対決を繰り広げるが、豊川さんは「吉川さん、本当に怖そうなので結構、真剣にやりました」。吉川さんは「音楽でセッションをするみたいにグルーヴ感が出るまでやった感じ」。2人は真剣勝負を経て認め合った様子で、笑顔で見つめ合っていた。ほかに、池脇千鶴、戸田菜穂、関めぐみらが総勢9人が顔を揃え、七夕が近いとあって、浴衣姿で出席した。2008年の第32回同映画祭では、『おくりびと』が最高賞のグランプリを受賞し、その後、アカデミー賞外国語映画賞を受賞しており、同コンペ部門をオスカーの前哨戦と見る向きもあるだけに、『必死剣鳥刺し』の“戦い”ぶりが注目を集めそうだ。『必死剣鳥刺し』は7月10日(土)より全国にて公開。(photo/text:Yoko Saito)■関連作品:必死剣鳥刺し 2010年7月10日より全国にて公開© 2010「必死剣鳥刺し」製作委員会■関連記事:豊川悦司殺陣シーン撮影後「肉を食べる気にどうしてもなれず」来年の東映は『ゼブラーマン2』セクシー衣裳から『桜田門外ノ変』まで注目作ズラリ!藤沢周平の原作映画化続々!トヨエツが悲運の剣士役で“隠し剣”シリーズの傑作映画化
2010年07月05日カンヌ映画祭のコンペティション部門でバイオレンス映画『アウトレイジ』が上映される“快挙”を成した北野武監督が、このほどシネマカフェほかの合同インタビューに応じ、本作に込めた思いから人間行動論までを語った。今回の暴力映画は「たまに食べたくなったカツ丼」新作は、ここ最近の3作『TAKESHIS’』、『監督・ばんざい!』、『アキレスと亀』と打って変わり、バイオレンスへの原点回帰とも言われる9年ぶりの力作。常に意表をついて周囲を驚かせる北野監督らしく、秀でたエンターテイメント作品として仕上がった。「前3作から“ゴダール病”とでも呼べるような自省的な内容の作品にはまっちゃって、先進的なアートとかワケ分かんないこと考えてやったら完全に失敗して、ダメだこりゃ、と。次、何やろう?と思ったら、暴力映画を全然撮っていないなって思って。食べ物と同じで、たまにはカツ丼食いたいな、と。ただ『ソナチネ』とかと比較されて、『何も進歩していない』とか言われるのは嫌だから、もうエンターテイメントだ!観客全員が喜べるようなものを撮ろうってなった。次に思いついた暴力シーンを書き出して、そっからストーリーを逆算したの。コイツはこう来てこう死ぬ、とか、こんな死に方はしないだろって。で、またひっくり返していって、こうなると思ったら大間違いだとか、ここで(観る側を)騙すとか、いろいろ考えて。そしたら完全にエンターテイメントだなって言える作品ができた」。5月のカンヌ国際映画祭ではコンペ上映され、激しい賛否両論で話題を振りまいた。ホラー、ファンタジーを好むティム・バートン監督が審査委員長を務めた賞レースでは賞を逃したものの、芸術性を好む同映画祭のメーン部門でヤクザもののバイオレンス・エンターテイメントが上映されただけで“珍事”だった。「海外のアート的なフェスティバルとかとは関係ねぇなと思ったら、急にカンヌとか呼ばれてしまって、これは結構大騒ぎになるぞ、って思ってたら、案の定、賛否両論になっちゃって。だから『ざまあみやがれ、こんな映画をコンペに選んだのはそっちなんだから、俺は知らないよ』って言ったんだけど。悪口言う人と褒める人と正反対で、まあまあっていう人がいなくて、いいか悪いかはっきりしていたね。でもまあ狙い通りだった。ショックな映画だろうな、とは思っていたから」。“全員悪人”をテーマに暴力団組織内部の抗争を描く同作では、自身、新たな試みとして主演と言えるキャラクターを7〜8人描く群像劇に挑戦。さらに北野組常連の俳優陣をキャスティングせず椎名桔平、三浦友和、國村隼、小日向文世、北村総一朗ら初タッグの俳優を揃えたのも新趣向。中でもインテリヤクザに扮した加瀬亮の怪演が、前評判を呼んでいる。「英語を使うシーンが途中からいっぱいあるインテリヤクザ役があって、英語も話せる役者を探していたら加瀬くんが来た。けど、普段の雰囲気からはどう見てもヤクザに見えないじゃない。どうしよう、と思ってメイクさんと相談して、オールバックにして、眉毛を剃ってみたり、結構苦労した。最終的に四角くて細いサングラスをかけさせたり。それでも『コノ野郎、バカ野郎』って怒鳴り合っている場面で、加瀬くんも入ってきて同じ台詞言っても全然怖くない。だから、この人は無口にしよう、でも、ひとつキレたら殴り出すという風に、徹底的に暴力に寄せた。キレたら怖い奴に設定に変えて台本を書き直して、かなり悪い奴に仕上がった。やっぱりパッと印象に残るようになったと思うし、うまいこといったかなって思うよね」。とはいえ、抗争の中心人物として動くのは、ビートたけし演じる、大友組の組長・大友。『戦場のメリークリスマス』を機に、俳優としても国内外で高い評価を得ているが、自身では顔をクシャクシャにして照れ笑いしながら厳しく自己評価する。「俺は基本的には演技、上手くないからねぇ。へたくそだから、しゃべんない方がいいもん。しゃべるとね、怪しいんだ俺は。『バカ野郎』なんて言ったら、単なる松村(邦洋)のモノマネになっちゃう。『ダンカン、バカ野郎』(松村さんによる、たけしさんのモノマネ)と変わってないって。『てめえ、何言ってんだ、バカ野郎』(本作の台詞)と同じだったっていう。だからできるだけ、怒鳴らないようにしようと思ったけど、みんなが怒鳴っているから、しょうがなくて怒鳴っていると、ふと我に返って、コレ、松村がモノマネするときと俺と、変わってないじゃないか、って(笑)」。大きな見どころのひとつが、バイオレンス描写の過激さ故に北野映画特有のバイオレンスと笑いが繋がって楽しめる感覚だ。「今回、あんまりにも描写が痛くてなぜか笑ってしまう。っていうか、これだけ追い込まれると人間笑うんだなって。編集していても順撮りじゃないから始めは気がつかなくて、ある程度繋がってくるとバカ笑いしちゃうシーンが出てきた。アレ?これ、お笑い映画撮っちゃった、参ったなーと思ったら、編集マンの人が『これだけ痛ければ笑いますよ、喜劇じゃないけど笑わずにはいられない状態になりますもの、これ』って。大丈夫かなって思っていたら、その感覚は世界共通で、カンヌでも観客がバカ笑いしてた。バカ笑いしている割にはみんな暴力映画って言っているわけ」。登場人物たちは、裏切り、騙し合いを続ける。北野監督の考える、人間の悪は?「悪っていうのは人間社会が進化する過程において、人間本来の欲望を規制するために、社会が悪と決め付けたこととも考えられる。例えば、人間が成長してある程度、性的能力とか体に備わって意識するようになったときには、ほかの奴を殴ってでも女を取るのが、生物として本能的だと思うよ。でもそれ、社会として成り立つために、悪=犯罪という括りを付けないと、人間社会自体が成り立たないというだけ。オットセイが周りの奴をかみ殺して十何匹もメスのオットセイをはべらせてハーレム作っているのを『恥ずかしくないのか、お前は。もっと女を分け与えろ、それじゃオットセイの社会は成り立たない』って言ったって、しょうがないじゃない。それは考えてないだけだもん。人間だったら少し頭が発達してきたから、弱者を救うことによって、全体的に盛り上げようとすることで、性とか食べ物の欲望とかそういうものを、独りよがりに行使することを悪としただけ。それがなきゃ、美味いものを食っている奴を後ろからぶん殴って、気絶している間に食って帰っちゃえばいいんだから。それは誰でもしたいと思うよ」。人間は欲望に抑制の効かない未完成な存在そういった悪とキッチリ一線ひけない人間の未熟さも明確に指摘する。「人間ってのは未完成な動物で、こういう暴力映画っていうと暴力は社会に対して悪影響があるんじゃないでしょうか?って言う。だけど拍手して観ている奴がいる。悪いことなら止めるんだけど止めないんだよ。食べ物でも何で腹いっぱい食っているんだ?肝臓壊したり糖尿になったり、体に悪いのになぜ食うかと言うと、頭と体のバランスが人間って全然取れていない。教えてくれないんだよ、体から信号出ていないんだもん。『それ以上食うと体に悪いです』なんて絶対言わないでしょ?だから食っちゃうの。それだけ人間ってね、欲望に対しては規制が効いていない、だからすごい未完成な動物なんだよ」。劇中、数人、生き残るワルがいる。現実社会で生き残るために必要なことは?「多分、グループがあってそこで生き残ろうとする。だから葛藤があるんじゃない?このグループじゃないところにポンと出ちゃえばいい。そうすればこのグループからしたらその人、関係ないだから、客観的に見たらその人、生き残っているってことじゃん、もしかしたらね。漫才ブームのときに一番最初に漫才辞めたの俺なんだもん、もう終わりだと思って。B&Bとかみんなそこにいたけど、俺、ポンと外に出ちゃった。で、結果的にブームはなくなって、たけしと紳助が漫才ブームを生き抜いたって言われるんだけど。俺、TVの次に、今度ラジオに行っちゃった。TV界からラジオに行っただけなんだけど、たけしはお笑いから生き抜いたってことになる。で、次に映画に行っちゃった。TVのタレントから俺だけ映画に行ったら、また生き抜いた、みたいなことを言われる。要するにグループの中に属さないってことじゃないかな。そうすりゃ生き抜いたことになる。怪しいんだけど、俺」。騙す、騙される、どっちが好き?の問いに、「あーあ」と嘆くような口調と優しい笑顔で答えた。「俺ら、騙す商売だからなぁ。騙す商売だけど、騙されることによってプラスマイナスゼロにしているところ、あるよね。よく騙されるの、騙してもらったお金、騙されてぼられているだけだよ」。(photo/text:Yoko Saito)■関連作品:アウトレイジ 2010年6月12日より丸の内ルーブルほか全国にて公開© 2010『アウトレイジ』製作委員会■関連記事:モナもシビれた!北野監督作『アウトレイジ』女性座談会ランキング企画!シネマカフェ読者ゴコロなんでもベスト5社長になってほしい俳優といえば?【カンヌレポート 最終回】バルデム受賞にペネロペ涙!最高賞はタイ作品山本モナと“男たち”を語ろう!『アウトレイジ』女性限定試写会&座談会に10組20名様ご招待【カンヌレポート 04】たけし、批評家の採点は辛口も観客からは5分の拍手の嵐
2010年06月10日カンヌ国際映画祭で賑わう南仏で20日、アメリカのエイズ研究のチャリティ・ガラ「amfAR’s Cinema Against AIDS Gala」が開催され、映画祭に参加中のハリウッド・スターたちも協力、総額536万ユーロを集めた。エイズ研究アメリカ基金(amfAR)主催で毎年恒例のガラには、最新主演作『ロビン・フッド』が映画祭でオープニング上映されたラッセル・クロウや、出演作2本が映画祭で上映されたナオミ・ワッツ、コンペティション部門審査員を務めたベニチオ・デル・トロといった面々が出席。カンヌから車で約15分の場所にあり、ヨーロッパで最も美しいホテルともいわれる「オテル・デュ・キャップエデン・ロック」の会場には、同時期にモナコで開かれた「ワールド・ミュージック・アワード」に出演したジェニファー・ロペスと夫のマーク・アンソニーも出席した。ペネロペ・クルスとハビエル・バルデムのカップルは、アカデミー賞授賞式のレッドカーペットで女優たち(シャーリーズ・セロン、マリオン・コティヤール、グウィネス・パルトロウ、サルマ・ハエック、スカーレット・ヨハンソン、ナオミ・ワッツ、ダイアン・クルーガー、デミ・ムーア)が着用したドレスのオークションの司会を担当、約27万ユーロを集めた。(text:Yuki Tominaga)写真はチャリティ・ガラの前々日、ワールド・ミュージック・アワードに出席した際のジェニファー・ロペス。© 2010 Dave Hogan第63回カンヌ国際映画祭 現地レポート■関連作品:第63回カンヌ国際映画祭 [映画祭] 2010年5月12日開幕© Brigitte Lacombe – ad design graphiqueロビン・フッド (2010) 2010年12月、全国にて公開■関連記事:【カンヌレポート 最終回】バルデム受賞にペネロペ涙!最高賞はタイ作品【カンヌレポート 番外編】ファッションで見るカンヌ!ベストドレッサーは誰?【カンヌレポート 06】ディエゴ・ルナ初監督作にカンヌっ子拍手!雨の日に観たい映画ランキング大発表!1位はあのミュージカルの傑作【カンヌレポート 05】パルムドールのゆくえ…現地評価&T・バートンの選択は?
2010年05月24日各賞が発表され、まもなく幕を閉じるカンヌ国際映画祭。オープニング作品『ロビン・フッド』を皮切りに、数々の話題作が上映されてきたが、もちろん映画祭の見どころは作品のみにあらず。レッドカーペットや公式上映、そして各所で開催されたパーティに人気の俳優、女優たちが着飾った姿で登場し、カンヌっ子たちの歓声を浴びていた。ここでは写真と共に、祭典を彩った女優、俳優たちをご紹介!『ロビン・フッド』の公式会見にラッセル・クロウらと共に出席したケイト・ブランシェットは開幕の夜、オープニングディナーに姿を現した。黒地に鳥の模様が豪快に描かれたドレスで、手にはRoger Vivierのバッグを手に、あいにくの雨模様の中でも笑顔を見せていた(上写真)。同日の『ロビン・フッド』のプレミアにはサルマ・ハエックもGucciで身をかためて登場!同じくGucciのドレスで出演作『You Will Meet A Tall Dark Stranger』(原題)のレッドカーペットに姿を現したのはナオミ・ワッツ。薄いピンク色のドレスで、ウディ・アレン監督と共にカーペットを歩き観客を魅了した。Gucciといえば、マーティン・スコセッシ監督が率いる財団「THE FILM FOUNDATION」を支援しており、名作の修復活動に力を注いでいる。映画祭ではかつてパルムドールを受賞した『山猫』のデジタル復元版が上映され、同作に出演するアラン・ドロン、クラウディア・カルディナーレも姿を見せ会場をわかせた。その後のVanity Fairとの記念パーティにはジェニファー・ロペス、ナオミ・キャンベル、ケイト・ベッキンセールらの姿も。もちろん、Gucci以外のブランドもズラリ。中国人女優ファン・ビンビン、そしてカミーラ・ベルはCartierの宝石を身につけて『ロビン・フッド』や『山猫』のプレミアに出席した。先述のウディ・アレン監督作のプレミアにEmilo Pucciのドレスで登場したのは香港出身のスター、ミシェル・ヨー。男優では、映画祭審査委員に名を連ねるベニチオ・デルトロも『山猫』プレミアに姿を見せていた。さて、あなたが選ぶ今年のカンヌのベストドレッサーは?第63回カンヌ国際映画祭 現地レポート© Venturelli/WireImage.com■関連作品:第63回カンヌ国際映画祭 [映画祭] 2010年5月12日開幕© Brigitte Lacombe – ad design graphiqueロビン・フッド (2010) 2010年12月、全国にて公開■関連記事:【カンヌレポート 06】ディエゴ・ルナ初監督作にカンヌっ子拍手!雨の日に観たい映画ランキング大発表!1位はあのミュージカルの傑作【カンヌレポート 05】パルムドールのゆくえ…現地評価&T・バートンの選択は?審問に出廷しなかったリンジー・ローハンに逮捕状発布【カンヌレポート 04】たけし、批評家の採点は辛口も観客からは5分の拍手の嵐
2010年05月23日ディエゴ・ルナの監督デビュー作『Abel』(原題)が招待作品としてカンヌで公式上映され、大きな拍手で迎えられた。『Abel』は父親に家出されて以来、2年間言葉を話さなかった10歳のアベルが、突然口を開いた途端、姉弟の父親、そして母親の夫として振舞うようになるという物語。コミカルな場面をはさみつつ、子供の視点から大人の身勝手、そして一人で子育てをしなければならない母親の困難さを描いた感動作で、ディエゴの亡き母に捧げられている。プロデューサーを務めた親友ガエル・ガルシア・ベルナルはカメラ・ドール(新人監督賞)の審査委員長のため上映には立ち会えなかったが、ディエゴは「ガエルや多くの友人のおかげで完成でききた映画を、カンヌで上映できて本当に嬉しい」と興奮気味に挨拶。さらに会場にいた父親を観客に紹介していた。ディエゴだけでなく、今年のカンヌには俳優の監督作が目立つ。コンペ入りしたマチュー・アマルリックの『On Tour』(原題)、グザビエ・ブーヴォワの『Of Gods and Men』(原題)に加え、批評家週間部門ではキルスティン・ダンスト、ジェームズ・フランコの短編監督作が上映されている。もしかするとここからイーストウッドに続く、次の巨匠が出てくるかもしれない。(text:Ayako Ishizu)第63回カンヌ国際映画祭 現地レポート■関連作品:第63回カンヌ国際映画祭 [映画祭] 2010年5月12日開幕© Brigitte Lacombe – ad design graphique■関連記事:【カンヌレポート 番外編】ファッションで見るカンヌ!ベストドレッサーは誰?雨の日に観たい映画ランキング大発表!1位はあのミュージカルの傑作【カンヌレポート 05】パルムドールのゆくえ…現地評価&T・バートンの選択は?審問に出廷しなかったリンジー・ローハンに逮捕状発布【カンヌレポート 04】たけし、批評家の採点は辛口も観客からは5分の拍手の嵐
2010年05月23日カンヌ映画祭も残すところあと3日。こちらでの評価を総合すると、最高賞パルムドールに一番近いところにいると思われるのが、イギリスのマイク・リー(『秘密と嘘』でパルムドール受賞経験あり)が中高年シングルの悲喜劇をつづる『Another Year』(原題)と、地元フランスの監督兼俳優グザビエ・ブーヴォワによるアルジェリアの修道士殺害事件に基づく美しくも悲しいドラマ『Of Gods and Men』(原題)。これに続くのが、タイのアピチャットポン・ウィーラセタクンが輪廻転生を独自のスタイルで描く『Uncle Boonmee Recalls His Past Lives』(原題)も、そのあまりにぶっ飛んだ表現に否定的な意見もあるものの評価が高い。また、昨年審査員を務めた韓国のイ・チャンドン(『シークレット・サンシャイン』)の『Poetry』(原題)も、60代女性の魂の彷徨を描き、パルム候補のひとつ。さらに、フランスのラシッド・ブシャレブの『Outside The Law』(原題)もアルジェリア独立運動を扱い論争を巻き起こしているが、力強い1本。映像の美しさ、演技、そしてテーマ性の高さからいって、この中では『Of Gods and Men』がもっともパルムドールにふさわしいと思えるが、果たしてティム・バートン以下審査員団のジャッジはいかに?日本の北野武監督の『アウトレイジ』はスクリーン誌が4点中0.9点という厳しい点数の一方、カイエ・デュ・シネマ誌などは高く評価。意外とカンヌはこうした極端な映画に賞を与える傾向があるので、パルムは難しくとも、監督賞あたりをさらう可能性は捨てきれない。今年は死を描く映画が多すぎたため、個人的にはマチュー・アマルリックが監督、主演したバーレスク・ショーの舞台裏を描く『On Tour』(原題)のような、生命力あふれる映画に光をあてたい。結果発表は23日夜。(photo/text:Ayako Ishizu)第63回カンヌ国際映画祭 現地レポート■関連作品:第63回カンヌ国際映画祭 [映画祭] 2010年5月12日開幕© Brigitte Lacombe – ad design graphique■関連記事:審問に出廷しなかったリンジー・ローハンに逮捕状発布【カンヌレポート 04】たけし、批評家の採点は辛口も観客からは5分の拍手の嵐【カンヌレポート 03】74歳ウディ・アレン意気軒昂!「モテる役じゃなきゃ嫌」【カンヌレポート 02】『ウォール・ストリート』シャイア&キャリー揃って登場成海璃子カンヌで“最後の”書道パフォーマンスを披露することが決定!
2010年05月21日カンヌに世界のキタノが帰ってきた。17日夜(現地時間)、コンペティション部門に選ばれた北野武監督の『アウトレイジ』の公式上映が行われた。上映直前、監督が会場内に入ったときから、まず3分ほど拍手が鳴り止まず、上映後も5分近くスタンディング・オベーションが贈られた。これには北野監督は顔を赤くして、照れまくることしきり。手を胸の前で合わせて、観客に感謝の意を伝えていた。そんな照れ屋の北野監督も、上映後のレセプションではいつもの毒舌が復活。ヨーロッパの中でも特にフランスで人気があることについて聞かれると、「(お互い)人が悪いし、ケチだからかな?」と笑わせた。カンヌにやってきたのはカンヌの60周年記念映画「それぞれのシネマ」以来、3年ぶりで、コンペティションへの参加は、『菊次郎の夏』以来、11年ぶりとなる。その際に現地での評判に反して結果は無冠に終わった経験から、「散々な目に遭ったから、カンヌに何も期待してないよ」と笑いつつも、「こんなバイオレンス映画をコンペに選んだだけですごい。700本くらいの中からコンペに選ばれるんだから、それだけでありがたい」と語っていた。ちなみに映画の中で北野監督演じるヤクザの大友が乗る車のナンバーは「8333」。これはもしや「やーさん、散々」という物語を暗示している?と聞くと、「あ、分かった?」とニヤリ。しかしバイオレンスとブラックな笑いが強烈すぎたのか、現地雑誌での星取評では、かなり辛い採点がつけられた。もっとも、カンヌでは批評家と審査員の意見はまったく別物。23日(現地時間)の結果発表が楽しみだ。『アウトレイジ』は6月12日(土)より丸の内ルーブルほか全国にて公開。(photo/text:Ayako Ishizu)第63回カンヌ国際映画祭 現地レポート■関連作品:第63回カンヌ国際映画祭 [映画祭] 2010年5月12日開幕© Brigitte Lacombe – ad design graphiqueアウトレイジ 2010年6月12日より丸の内ルーブルほか全国にて公開© 2010『アウトレイジ』製作委員会■関連記事:【カンヌレポート 03】74歳ウディ・アレン意気軒昂!「モテる役じゃなきゃ嫌」【カンヌレポート 02】『ウォール・ストリート』シャイア&キャリー揃って登場成海璃子カンヌで“最後の”書道パフォーマンスを披露することが決定!【カンヌレポート 01】『ロビン・フッド』で開幕!会見でケイトがR・クロウに質問世界のキタノ、ヤクザ映画でカンヌへ殴りこみ!『アウトレイジ』コンペ出品決定
2010年05月19日ウディ・アレンが、今年もカンヌを大いに沸かせた。本国アメリカのアカデミー賞にもめったに現れないアレンだが、カンヌには毎年のように登場。今年も新作『You Will Meet A Tall Dark Stranger』(原題)がコンペティション外の招待作品に選ばれ、主演のナオミ・ワッツ、ジョシュ・ブローリンらと共にカンヌ入りした。『You Will Meet A Tall Dark Stranger』は、ロンドンを舞台に60代で離婚した両親と、その娘と作家志望のダメ夫がそれぞれ繰り広げる恋愛騒動を描いたコメディ。再婚した若い妻に嫉妬する父親をアンソニー・ホプキンスが演じ、ウディ自身は今回は監督、脚本業に専念している。公式会見で出演をしなかった理由について「もうこの年じゃ、ロマンティック・コメディの主人公は出来ないよ。僕は映画に出るなら、女の子にモテる役じゃなきゃ嫌なんだ。ほかの男に恋人を取られる老人役なんて、やりたくないんだよ」と語り、会場を爆笑させた。また、同じくカンヌに参加している、101才の監督マノエル・ド・オリヴェイラが「人生で確実な意味を持つのは、死だけだ」と言ったことに関して感想を聞かれると「100年以上生きている人はさすがだ。100パーセント賛成…しないね」と、74歳でまだまだ意気盛んなところを見せていた。(photo/text:Ayako Ishizu)第63回カンヌ国際映画祭 現地レポート■関連作品:第63回カンヌ国際映画祭 [映画祭] 2010年5月12日開幕© Brigitte Lacombe – ad design graphique■関連記事:【カンヌレポート 02】『ウォール・ストリート』シャイア&キャリー揃って登場成海璃子カンヌで“最後の”書道パフォーマンスを披露することが決定!【カンヌレポート 01】『ロビン・フッド』で開幕!会見でケイトがR・クロウに質問
2010年05月18日第63回カンヌ国際映画祭が5月12日(現地時間)、南フランスのリゾート地カンヌで開幕した。今年のオープニング作品は、リドリー・スコット監督のエンターテイメント巨編『ロビン・フッド』。スコットの母国イギリスが生んだ伝説の英雄をラッセル・クロウが演じる。レッドカーペットに先立ち行われた公式記者会見には、クロウ、ヒロインのマリアンを演じたケイト・ブランシェット、プロデューサーのブライアン・グレイザーらが出席。スコットは膝の手術を受けたばかりで、ドクター・ストップがかかり、欠席となってしまい「この栄えある場に出席できず大変残念ですが、ラッセルたちにこの映画を託します」とメッセージを発表した。『グラディエーター』以来、スコット作品の常連であるラッセル・クロウは、監督欠席の無念をはらそうとしたのか、鮮やかな弁舌ぶりを発揮。時節柄、ワールドカップがらみの質問が何度も出たが、そのたびに各国の選手をほめつつ、「でも、オーストラリアが勝つよ」と切り返した。その見事な受け答えに感銘を受けたのか、記者だけではなく、なんと共演のケイトからも「当初、あなたが二役をやるって噂があったけど、本当?」と、質問が飛び出した。これに対し、製作も手がけたクロウは「ロビン・フッドが別人になりすます、という設定をいろんな人に説明しているうちに、なぜか僕が二役になる、という話が広まってしまったんだよ」と答え、ケイトも納得の表情だった。13日からは、いよいよコンペティション作品19本の上映が始まる。日本期待の北野武監督作品『アウトレイジ』は、17日夜(現地時間)に上映予定。(photo/text:Ayako Ishizu)第63回カンヌ国際映画祭 現地レポート■関連作品:第63回カンヌ国際映画祭 [映画祭] 2010年5月12日開幕© Brigitte Lacombe – ad design graphiqueロビン・フッド (2010) 2010年12月、全国にて公開■関連記事:成海璃子カンヌで“最後の”書道パフォーマンスを披露することが決定!
2010年05月13日“世界のキタノ”が再びカンヌの地へ!北野武監督の最新作『アウトレイジ』が、第63回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門に出品されることが発表された。北野監督自ら、ビートたけしとして出演するほか、椎名桔平、三浦友和、加瀬亮、國村隼、杉本哲太、塚本高史、石橋蓮司、小日向文世ら豪華俳優陣が集結。ヤクザの世界に生きる男たちが、生き残りを賭け、裏切りや駆け引きなど激しい権力闘争を繰り広げられ、登場人物は全員“悪人”というバイオレンス・アクション。北野組初参加の俳優陣ばかりを揃えているが、中でも“いい人”の役柄のイメージが強い、加瀬さんや小日向さんがどのようにタンカを切り、拳をふるい、悪に手を染めていくのか注目したいところ。『BROTHER』、『座頭市』以来7年ぶりとなる本格的なバイオレンス作品となるが、北野監督は「久しぶりのアクション映画だから期待感もあると思うし、自分としてもお客さんの反応が楽しみだね」と自信のほどをうかがわせるコメント。ちなみに、北野作品がカンヌのコンペティション部門に出品されるのは、第52回の『菊次郎の夏』以来2度目。パルムドール獲得となれば、邦画では1997年『うなぎ』以来5作目の快挙となるが果たして?映画祭は5月12日(現地時間)から23日までの日程で開催され、審査委員長を、まもなく日本で公開される『アリス・イン・ワンダーランド』の鬼才、ティム・バートンが務める。北野監督は上映に合わせ、現地入りする予定になっており、現地フランスでも根強い人気を持つ“世界のキタノ”から目が離せない!『アウトレイジ』は6月12日(土)より丸の内ルーブルほか全国にて公開。■関連作品:アウトレイジ 2010年6月12日より丸の内ルーブルほか全国にて公開■関連記事:たけし帰国会見仏芸術文化勲章最高章は「黒澤さんが貰ったやつ、すげえ」“いい人”加瀬亮がヤクザ役でマジギレ!?たけし最新作、題名の意味は“極悪非道”
2010年04月16日これはやはり、映画祭関連イベントならではの顔ぶれ。会場に足を踏み入れて、そう思ったのがフランス映画祭期間中の3月20日(土)に、原宿の「Audi Forum Tokyo」で開催されたパーティです。足を踏み入れると、パッと目をひいたのは立ち姿の素敵な男性。暗がりの中で目を凝らすと、その正体は大森南朋氏。なるほど、シルエットだけでもカッコいいはずですね。先日、ベルリン国際映画祭で主演女優賞に輝いた寺島しのぶ女史の姿も見えるし、『007/慰めの報酬』、『潜水服は蝶の夢を見る』で強い印象を残したマチュー・アマルリック、新作『エンター・ザ・ボイド』がまたしても映画界を震撼させたギャスパー・ノエ監督、『オーケストラ!』がフランス国内外で高い評価を得ているラデュ・ミヘイレアニュ監督らの姿も。インタビューで覗かせる仕事モードの表情とはちょっと違った、カジュアルなムードでひとときを楽しんでいました。パーティの冒頭には、フランス映画祭団長を務めたジェーン・バーキンの姿も。いつも肩の力が抜けている彼女は、ナチュラルなメイクと、なかなか出来そうで出来ない無造作ヘア、華やかなシルバースパンコールのトップス×ブラックのパンツで登場。一緒に乾杯の音頭をとった寺島女史の白いジャケットも、ダークな服が目立つパーティ会場でひときわ輝いていました。それにしても、400人が集ったというこのパーティ、決して内輪の会ではないのだけれど、映画人のみなさんの表情がなぜか柔らかい。その理由を考えてみると、どうやら客層に関係がありそう。この日集まったのは、映画関係者よりもファッション関係の方がちょっと多めの様子。映画周辺のプレス関係者があまりいなかったせいで、日本の映画関係者も仕事を忘れ、普段着の表情でいられたのかもしれません。日仏の映画人がシャンパン片手に交流したことで、また素晴らしい作品が生まれることになれば映画ファンとしても嬉しいですね。今年のフランス映画祭の主要テーマである「パッション」と、アウディのコーポレートカラーである「赤」をかけて、「Red Passion」をテーマに据えたこの催し、その名も「Audi Red Passion Party」。会場となったフォーラムの2Fは、赤が基調でとってもパッショネイト。会場に展示された真っ赤なスーパーカー「R8」も、車好きにはたまらない演出だったことでしょう。映画の話はもちろん、車の話にも花が咲き、いつまでも賑わっていた夜でした。(text:June Makiguchi)■関連作品:オーケストラ! 2010年4月17日よりBunkamuraル・シネマ、シネスイッチ銀座ほか全国順次公開© 2009 Focus Features LLC. All Rights Reservedエンター・ザ・ボイド 2010年5月15日よりシネマスクエアとうきゅうほかにて公開■関連記事:クラシックが奇跡を起こす!『オーケストラ!』五線譜ノートを5名様プレゼントジェーン・バーキン仏語は「セルジュの腕の中で学んだ」フランス映画祭開幕さあ、人生を奏でよう!『オーケストラ!』試写会に10組20名様ご招待ギャスパー・ノエのTOKYOを舞台にした衝撃作『エンター・ザ・ボイド』予告編初公開
2010年04月07日日本唯一のこどもたちの世界映画祭として1992年にスタートし、世界三大映画祭の一つ、ベルリン国際映画祭より厳選した作品を届けている「キンダー・フィルム・フェスティバル」。今年で第18回目となる本映画祭の実行委員長に、このたび女優の戸田恵子が就任!8月10日(火)の青山劇場を皮切りにこの夏開催される。ベルリン国際映画史祭の児童映画部門ディレクター、レナーテ・ツィラ氏を迎え、国内外から上映作品を厳選。会場では、声優たちによるライヴ吹き替え上映が行われるほか、子供が主体となって審査を行ったり、映画作りを体験するなどこどもから大人まで親子一緒に楽しめるイベントが毎年行われている。戸田さんは、2年前から実行委員としてプログラム監修に携わっているが、開催にあたり「今年も世界からのたくさんのユニークな作品に出会えることを、とても嬉しく思います。大人もこどもも一緒に学ぶことのできるこの映画祭を、私は応援しています。映画祭を通して、みなさまと触れ合い新たな感動に出会えることを心より楽しみにしております」と意気込みを見せている。また、数ある作品の中でも目玉となるのは、70年代に日本で放送された大人気TVアニメ「小さなバイキング ビッケ」をドイツで実写映画化し、本国で大ヒットを収めた『Wickie und die starken Manner』(原題)の上映。さらに、日本で唯一の技法である、描いている工程が一つのアニメーションになっていくコマ撮りアニメ、“壁アニメ”もオープニングで上映されるなど、こども発信のイベントが盛りだくさん!開催は少し先となるが、どうしても制限の多い通常の映画鑑賞では体験できない、親子一緒での映画体験ができるこの映画祭。未体験の方はもちろん、童心に返って映画を楽しんでみるのもいいかも?「キンダー・フィルム・フェスティバル」は、8月10日(火)に青山劇場にて開幕、8月19日(木)〜22日(日)の調布市文化会館にて開催予定。「キンダー・フィルム・フェスティバル」公式サイト
2010年03月31日沖縄・宜野湾市の沖縄コンベンションセンターほかで開催された第2回沖縄国際映画祭が、カウントダウンイベント4日間を含む全9日間の日程を終えて、3月28日(日)、閉幕した。同日、長編プログラム部門向け3賞ほかを発表するクロージング・セレモニーが同所で行われ、お笑いトリオ、森三中の黒沢かずこ主演の映画『クロサワ映画』が、「Laugh部門」海人賞グランプリとゴールデンシーサー賞(審査員特別賞)の2冠に輝いた。3賞は、長編プログラム2部門「Laugh部門」、「Peace部門」各13本からそれぞれ1本を、一般審査員20人と観客の投票で選出する海人賞グランプリと、両部門26本から特別審査員5人と観客の投票で1本を選ぶゴールデンシーサー賞。特別審査員は審査委員長を務めるキム・ドンホ氏(釜山国際映画祭執行委員長)、香港のリー・チーガイ監督らによって選出された。先に「Laugh部門」が発表され、渡辺琢監督が帰京していたため、黒沢さんは一人で登壇。なかなか言葉を発することができずモジモジしており、「がんばれ」の声が飛ぶ中、ようやく述べたコメントは「やることがないので(雑誌の)テレビジョンを買って部屋でテレビを見ていました。まちゃまちゃさんと2日間も飲めました」。会場から温かい拍手が送られた。ゴールデンシーサー賞の発表でキム氏から『クロサワ映画』と読み上げられると、さらに驚いた様子で千鳥足になって壇上に。顔をゆがめて涙をにじませ「演技やって良かったなと。人にこんなに見られたことがない。何を言っていいか分からない…」と動揺。司会の今田耕司から「歌で表現してもらいましょう」と助け船を出されると「OH!Thank you恥ずかしくて目が開けられない〜」と即興で歌ってみせた。本作は、初めて恋をした女芸人・黒沢かずこの姿を通じ、女芸人の悲喜こもごもを描くドキュメンタリー風ドラマ。キム氏から「女芸人の孤独と愛、友情をユニークにリアルに独創的に描かれて素晴らしい」と寸評が述べられる間、何度も顔をゆがめてうなずき、最後に頭を深々と下げた。「Peace部門」海人賞グランプリはインド映画『RAB NE BANA DI JODI』(原題)。同映画祭実行委員会の委員長を務める吉本興業の大崎洋社長は「ブスが泣くと美人よりリアリティがある」と“笑撃”の祝福。同映画祭については「オープニング・セレモニーで100年続けると言ってしまいましたが、語呂がいいのでつい(口から)出てしまった。沖縄は流れ星がよく見える島。ロマンチックですし語呂がいいからいいかなと」と締めくくり、会場の笑いを誘った。黒沢さんは、クロージング後の質疑の場で、渡辺監督に携帯電話で「Wでいただきました。いま(トロフィーの)シーサーを2個抱えているんですよ」と報告。渡辺監督は電話の向こうで「マジですか!やったー』と大声をあげていました」(黒沢さん)という。海人賞グランプリ2つには賞金各250万円が贈られた。250万円の目録を手にし、使い道については「プロデューサーがみんなで温泉に行きたいねって言っていました」と話した。(photo/text:Yoko Saito)沖縄国際映画祭現地レポート■関連作品:第2回沖縄国際映画祭 [映画祭] 2010年3月20日よりカウントダウンイベント開始、24日から28日まで映画祭開催■関連記事:【沖縄国際映画祭】キム兄、鈴木杏樹の天然トークに苦笑い【沖縄国際映画祭】ロバート秋山竜次、出演場面13秒の映画で舞台挨拶【沖縄国際映画祭】間寛平、イランから衛星中継でギャグ3連発【沖縄国際映画祭】ナベアツの晴れ舞台でケンコバ暴走挨拶【沖縄国際映画祭】次長課長・河本が沢尻ネタで悪ノリ&大鶴義丹の衝撃NGを暴露
2010年03月28日お笑い芸人、木村祐一が3月28日(日)、第2回沖縄国際映画祭「Peace部門」に出品中の監督第2作映画『ワラライフ!!』の公式上映で舞台挨拶に立ち、キャストの一人、鈴木杏樹の天然トークによる“ネタばれ”に苦笑いを浮かべる一幕があった。同作は5人家族の物語。一家の母親を演じた鈴木さんは「12月の撮影ですごく寒かったんですけど、お父さん役の吉川晃司さんが『寒いときは体に力を入れろ、力を入れるんだ、ふぅ〜』ってやられるので、みんなで体に力を入れて血圧上げて撮影に臨みました」とジェスチャーを交えて解説。「あ、ここだってわかると思うので、そういうところも観てもらえると…」と呼びかけ。“問題”の場面は夏の設定だったためキム兄は、「鈴木さん、それはいらん見方ちゃうかな、夏なら夏で。そのためにこっち、セミの鳴き声とか入れとんねん」と演出をばらすハメになり、苦笑いだった。挨拶では鈴木さんは「木村さんのことを前々から尊敬申し上げていたので、まさか参加できるとは思わなくて光栄でした。新たなキム兄さんのあったかさ、優しさが感じられる作品です」とキム兄に“ラブコール”。キム兄は照れ臭そうにうつむいていた。ほかに主演の村上純一(しずる)、香椎由宇、田畑智子らも出席。田畑さんは「沖縄は初めてで、来ることができて嬉しい」と挨拶。すかさずキム兄から「田畑さんが楽しみにしているのは泡盛です」と暴露されたが、酒豪としても知られるだけに「お酒?好きです」とニッコリ。司会の女性からもう試した?と聞かれ、「今夜です」と嬉しそうに答えると、またキム兄から「今夜っていうか午後3時からです」とまた暴露され、会場の笑いを誘っていた。『ワラライフ!!』は2010年、全国にて公開予定。(photo/text:Yoko Saito)沖縄国際映画祭現地レポート■関連作品:第2回沖縄国際映画祭 [映画祭] 2010年3月20日よりカウントダウンイベント開始、24日から28日まで映画祭開催■関連記事:【沖縄国際映画祭】黒沢かずこ主演『クロサワ映画』2冠!即興の歌で喜び表現【沖縄国際映画祭】ロバート秋山竜次、出演場面13秒の映画で舞台挨拶【沖縄国際映画祭】間寛平、イランから衛星中継でギャグ3連発【沖縄国際映画祭】ナベアツの晴れ舞台でケンコバ暴走挨拶【沖縄国際映画祭】次長課長・河本が沢尻ネタで悪ノリ&大鶴義丹の衝撃NGを暴露
2010年03月28日お笑いトリオ、ロバートの秋山竜次が3月28日(日)、沖縄・宜野湾市の沖縄コンベンションセンター内ほかで開催中の第2回沖縄国際映画祭「Laugh部門」に出品中の出演映画『宇宙で一番ワガママな星』の公式上映で、ゴリ(ガレッジセール)、田中直樹(ココリコ)、監督を務めたテレビ朝日のディレクター、伊東寛晃と舞台挨拶を行った。宇宙旅行を夢見る5人の男の宇宙訓練施設での生活を描くコメディで、ゴリさんは5人のうちの一人。ほかにきたろう、マイケル富岡らが出演。秋山さんは「信者役で、10秒ぐらいで終わっちゃうんですよ。だから10秒に魂を込めました」と告白。ゴリが「自白しちゃった?俺も言いたくて言いたくて仕方がなかった。ほかに舞台挨拶に来るべきな長い時間出ている人たくさんいるのに、10秒だよ、お前」と可笑しそうに突っ込むと、「参加したんだから舞台挨拶する権利はある。前半10秒、後半3秒。とにかく13秒に魂を込めました。本当に信者で洗脳されているテイストを出したんで」と訴え、観客の笑いを誘った。一方で“熟女好き”で知られる秋山さんは、「沖縄は40代、50代のレベルが高い」とニンマリ。ゴリから「さっき楽屋に来た73歳のうちの母ちゃんをヘンな目で見てただろう!」と問われ「5年前ならギリですよ」と答えた。『宇宙で一番ワガママな星』は現在、劇場公開に向けて調整中。(photo/text:Yoko Saito)沖縄国際映画祭現地レポート■関連作品:第2回沖縄国際映画祭 [映画祭] 2010年3月20日よりカウントダウンイベント開始、24日から28日まで映画祭開催■関連記事:【沖縄国際映画祭】黒沢かずこ主演『クロサワ映画』2冠!即興の歌で喜び表現【沖縄国際映画祭】キム兄、鈴木杏樹の天然トークに苦笑い【沖縄国際映画祭】間寛平、イランから衛星中継でギャグ3連発【沖縄国際映画祭】ナベアツの晴れ舞台でケンコバ暴走挨拶【沖縄国際映画祭】次長課長・河本が沢尻ネタで悪ノリ&大鶴義丹の衝撃NGを暴露
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