Jiransoft Japanは、同社の法人向けオンラインストレージサービス「DirectCloud-BOX(ダイレクトクラウド・ボックス)」を、7月15日にバージョンアップすると発表した。新バージョンでは、パスワードポリシーやホワイトリスト方式のデバイス認証機能に加え、文書の専用ビューア機能を追加し、よりセキュリティを強化。例えば、管理者が許可したモバイル機器からのみアクセスさせるホワイトリスト方式のデバイス認証が利用でき、パスワードポリシーを設定して、弱いパスワードを禁止したりパスワードに期限をつけたり、といったことができるようになる。また、モバイル機器でオフィス文書を開いた際、デスクトップやモバイル機器に直接ダウンロードすることなくアプリケーションで閲覧できるようになる。具体的には、Microsoft Office の専用ビューアを実装することにより、 Word 、Excel、PowerPoint形式の文書をDirectCloud-BOXのWEB版およびモバイルアプリケーションで開いた際に、ファイルをローカル環境にダウンロードすることなくオンライン上で文書をプレビューする機能を提供する。これにより、ブラウザやスマートフォンにキャッシュデータを残さずに済み、情報漏洩リスクを回避することができる。さらに、Word 、Excel、PowerPoint形式の文書を相手に送信する際に、「閲覧」、「ダウンロードの許可」、「ファイルの送信」の3つの選択肢の中から使用権限を指定することが可能になる。そのほか、今回、DirectCloud-BOXのWEB版を提供開始することにより、PCに専用アプリケーションをインストールしなくてもブラウザだけでクラウドストレージへのアクセスが可能になる。WEB版では、デスクトップから複数のファイルをドラッグ&ドロップ操作でオンラインストレージにアップロードすることができ、大容量ファイルを相手に送信する際にダウンロード時の有効期限、パスワード、ダウンロード回数制限など細な設定ができる。また、誤ってファイルを削除した場合に元に戻す「ゴミ箱」機能や、ファイルの更新履歴の確認・元に戻すことができる「バージョン履歴」機能も追加した。
2015年07月09日Alteraは7月1日(米国時間)、デュアルコア ARM CortexA9プロセッサ内蔵のSoC FPGA「Arria 10 SoC」ベースのストレージ・リファレンス・デザインを開発したと発表した。同デザインは、SoC FPGAにMobiveilのPCIeベースのSSDコントローラ、NVMduranceのNAND最適化ソフトウェアを実装した1チップソリューションで、ASICの設計に必要な長いデザイン・サイクルを要さずに、先端の3D NAND テクノロジを利用可能とする。また、NAND型フラッシュメモリの寿命を2倍に延長し、現在のNAND型フラッシュメモリ実装の最大7倍の書き込み/消去サイクル数を実現するとしている。なお、同デザインはすでに同社から入手することが可能となっている。
2015年07月02日富士通は、同社製ストレージの最上位機種にあたる「FUJITSU Storage ETERNUS DX8000 S3 series」(ETERNUS DX8000 S3 series)を7月1日より全世界で販売開始すると発表した。今回開始提供するのは、物理容量:最大288TB、ドライブ数:最大96の「ETERNUS DX8100 S3」(日本のみ販売)、物理容量:最大4,608TB、ドライブ数:最大1,536の「ETERNUS DX8700 S3」、物理容量:最大13,824TB、ドライブ数:最大4,608の「ETERNUS DX8900 S3」の3機種で、入出力スピードが従来機種と比べて約8倍性能向上し、新しい自動チューニング機能によるレスポンス性能の強化、仮想化環境におけるバックアップ運用やストレージ設定を容易にする連携機能の強化を図っている。最小構成販売価格(税別)は2,215万6,000円から。性能向上では、コントローラー性能の改善や最大コントローラー数の拡張により、約4百万IOPSを実現。最新フラッシュ技術を採用したコントローラー内蔵型SSDキャッシュ「Extreme Cache」を新規にサポートすることで、データ読み込み時のキャッシュヒット率を向上させ、「Extreme Cache」を追加した場合に約4倍の性能向上を実現したという。また、新しい自動チューニング機能によるレスポンスの向上を実現し、アクセス頻度に応じてデータの格納先をディスクからSSDに変更するなど、最適な格納先にデータを再配置するストレージ自動階層制御機能と、目標性能に応じてストレージ内部のリソース配分を自動調整するQoS機能とを新たに連携させ、レスポンス性能の向上を実現したという。運用面では、「VMware vSphere」のサーバ仮想化環境において、ストレージ運用を効率化する「VMware vSphere Virtual Volumes」を新規にサポート。従来は複数の仮想マシンを同一ストレージのボリュームに格納し、ボリューム単位で運用していたが、「VMware vSphere Virtual Volumes」の適用により、仮想マシンの管理GUI「vSphere Web Client」上で、バックアップやQoSなどの運用ポリシーを設定できるという。
2015年07月01日フォーカルポイントは26日、容量6,000mAhのストレージ内蔵バッテリー「mophie spacestation」を発売した。価格はオープンで、同社オンラインストアでの直販価格は32GBモデルが21,800円、64GBモデルが29,800円(いずれも税別)。iOS端末とPCに対応するストレージ内蔵バッテリー。ストレージが32GBのモデルと、64GBのモデルを用意する。スマートデバイスで専用アプリ「Space」をダウンロードすると、モバイルバッテリー内に保存したファイルをそのデバイスで管理できる。対応OSはiOS 7.0以降。PCとUSB接続した際には、mophie spacestationの充電と保存データの同期が行える。また、本体と接続したデバイスと同一ネットワーク内にいるPCから、内蔵ストレージにアクセスできる。本体サイズはW109.5×H57.4×D15.5mmで、重量は約164g。
2015年06月26日フォーカルポイントは26日、ストレージ内蔵のモバイルバッテリー「mophie spacestation」を発売した。価格はオープンで、同社オンラインストアでの直販価格は32GBモデルが21,800円、64GBモデルが29,800円(いずれも税別)。mophie spacestationはiPhone、iPad、MacやPCに接続して使うストレージ内蔵モバイルバッテリー。ストレージが32GBのモデルと、64GBのモデルを用意する。バッテリー容量はともに6,000mAh。スマートデバイスでiOS対応アプリ「Space」をダウンロードすると、モバイルバッテリー内に保存したファイルをそのデバイスで管理できる。対応OSはiOS 7.0以上。MacやPCとUSB接続した際には、mophie spacestationの充電と保存データの同期が行える。また、本体と接続したデバイスと同一ネットワーク内にいるPCから、内蔵ストレージにアクセスできる。本体サイズは約W109.5×H57.4×D15.5mmで、重量は約164g。
2015年06月26日EMCジャパンは6月22日、エンタープライズ向けハイエンドストレージ「EMC VMAX3」の機能強化を発表した。価格は個別見積、提供開始は2015年第2四半期より順次。新製品は、ソフトウェア・ベースのデータ・サービスと基盤になるハードウェアの分離により、ローカル・レプリケーション/リモート・レプリケーション/ストレージ階層化といった機能を同社の他のプラットフォームや他ベンダーのプラットフォームに拡張可能になるとしている。今回の機能強化は、FAST.Xの提供、「EMC ViPR Controller」ソフトウェアとVMAX3の統合、「EMC XtremIO」フラッシュ・ストレージへのストレージ自動階層化、クラウドへのストレージ自動階層化、VMAX3アクティブ/アクティブ・レプリケーションを柱とする。FAST.Xの提供により、データセンター全体およびデータセンターを越えた環境に自動階層化機能を拡張するという。エンタープライズ・データ・サービスを複数のプラットフォームに拡張すると共に、サービスレベル目標をVMAX3から他のストレージ・デバイスに広げることが可能になるとしている。VMAX3とViPR Controllerの統合では、ストレージ・サービスの提供を自動化できるとのこと。同社はSDDC(Software-Defined Data Center)におけるVMAX3ゲスト・コンテナで、ViPR Controllerの機能検証(PoC)を提供している。VMAX3とXtremIOの統合では、XtremIOによるデータ削減を実現できるという。また、VMAX3プラットフォームと「XtremIO X-Brick」を統合して提供するオプションも用意。これにより、低いレイテンシで圧縮したデータ層の容易な展開と管理が可能になるとのこと。クラウドへのストレージ自動階層化は、VMAX3と「EMC CloudArray」の統合による。アクティブなワークロードをコスト効率に優れたクラウド・ストレージへ移動するとし、これによりストレージ・コストを最大40%削減すると共に、拡張性に優れたバックアップ容量を確保できるとしている。VMAX3アクティブ/アクティブ レプリケーションは、2015年内に提供予定の「SRDF/Metro」機能の強化により実現。ノンストップのデータ・アクセスと最適なリソース・バランスを実現する、アクティブ/アクティブの高可用性環境を提供するという。提供開始時期は、FAST.Xが2015年第2四半期、SRDF/MetroとFAST.Xによる「CloudArray」およびサードパーティ・ストレージのサポートは2015年内の予定。
2015年06月23日キヤノンマーケティングジャパンは6月17日、フォトストレージ「Connect Station CS100」(以下、CS100)の発売を9月に延期すると発表した。それにともない、「SETでGET! キャッシュバック キャンペーン」の実施期間を延長する。2月に発表されたCS100は、1TBのハードディスクを内蔵するフォトストレージ。発表当初、6月の発売予定とされていたが、9月に延期する。「SETでGET! キャッシュバック キャンペーン」は、CS100と対象のデジタルカメラ、デジタルビデオカメラを購入することで、最大22,000円のキャッシュバックを受けられるというもの。CS100の発売延期にともない、対象期間と申し込み締め切りを変更した。対象期間は11月1日まで、申し込み締め切り日は11月18日まで。
2015年06月17日スターティアは6月16日、同社の法人向けオンライン・ストレージ・サービスである「セキュアSAMBA」において、マイナンバー利用向けの新プランである「マイナンバープラン」を提供開始した。料金は月額5,000円(税別)。同社は、法人向けオンライン・ストレージの利用で高いセキュリティを維持しつつ社外との情報共有が可能であり、マイナンバー制度の施行に伴い法人向けオンライン・ストレージの需要が増加すると見込んだことから、新プランの提供を決めたという。同プランは、従来のプランと比べてディスク容量を20GBから10GBに抑えたものの、マイナンバー制度の施行後に税理士や社会保険労務士(社労士)など外部の専門家との情報共有が増加すると予測し、従来は5ユーザーだった利用可能ユーザー数を10ユーザーまで増加した。ファイルをオンライン・ストレージ上で共有することで、メールを使わずにデータの受け渡しを行うことができ、またファイルを誰が閲覧・編集を行ったなどの履歴の取得が可能になるため、高いセキュリティを維持しながらマイナンバーの管理が可能になるとしている。
2015年06月17日シリコンパワージャパンは12日、MacBookのストレージ容量を簡単に拡張できるアダプタ「xDrive L12」と「xDrive L13」を発表した。容量は「xDrive L12」が64GB、「xDrive L13」が64GB / 128GBを用意する。7月上旬より発売し、価格はオープン。○xDrive L12「xDrive L12」は、MacBookのSDメモリーカードスロットに挿して使用する容量拡張用ストレージ。容量は64GB。本体が短いためMacBookのSDメモリーカードスロットに挿しても出っ張らない。転送速度はリード最大90MB/s、ライト最大60MB/s。本体サイズはW17.1×D28.4×H3.1mm、重量は約1.05g。対応機種は、13型MacBook Pro Retina 2012年モデル以降。○xDrive L13「xDrive L13」は、本体が大型のモデル。容量は64GBと128GBで、基本仕様はほぼ共通。本体サイズはW22.6×D28.4×H3.1mm、重量は約1.4g。対応機種は、13型MacBook Air 2008年モデル以降、15型MacBook Pro Retina 2012年モデル以降、13型MacBook Pro 2009年モデル以降、15型MacBook Pro 2009年モデル以降。
2015年06月12日iPhoneのストレージに余裕がないユーザーには朗報だ。今秋提供される「iOS 9」はOSアップグレードにあたって、iOS 8のときに比べ、必要な空き容量が大幅に減るという。iOS 9へのOSアップデートで必要なストレージの空き容量は1.3GB。iOS 8の際には4.58GBが必要だったことから3分の1以下に必要な容量が減る。iOS 8.1.3アップデート時にも空き容量の問題を解決する対策がとられてきたが、メジャーアップデートでこうしたアナウンスが行われるのは初とみられる。これまで、OSのアップデートがあるたびに、写真、動画、不要なアプリの削除をしてきた人も、容量不足に悩むことがなくなるかもしれない。
2015年06月09日レノボ・ジャパンは6月8日、新たなストレージ・エリア・ネットワーク(SAN)接続用ストレージ製品Lenovo Storage S2200およびS3200を発表した。Lenovo Storage S2200およびS3200は、2Uサイズのラックマウント型で、12および24ドライブを内蔵する構成を2つまたは1つのストレージ・コントローラーで制御する。S2200は最大96ドライブに、S3200は最大192ドライブにそれぞれ対応する拡張性を備えており、また、S2200とS3200はFibreChannel、iSCSI、SASの接続に対応、さらにS3200はFibreChannelとiSCSIを同時に使用するマルチ・プロトコル接続に対応する柔軟性と拡張性を兼ね備えている。また、Lenovo Storage S2200とS3200は、頻繁にアクセスされるデータを5秒毎により性能の高いドライブへ自動的に移動し、ストレージ性能を著しく向上する革新的な「IntelligentReal-TimeTiering」を可能にする。HDDとSSDを組み合わせるハイブリッドな構成とIntelligent Real-Time Tieringにより、最大120000 IOPSの高いパフォーマンスを実現できるという。また、Lenovo Storage S2200とS3200は、直観的なGUIでストレージ・アレイを制御するためのインタフェースとして、Lenovo SAN Managerを標準装備している。
2015年06月09日米Googleは29日(日本時間)、開発者イベント「Google I/O 2015」にて、同社運営のストレージサービス「Google+ フォト」を容量無制限で使用可能にし、新サービス「Google フォト」として独立させることを発表した。サービスは同日より提供されている。今回発表されたGoogle フォトは、画像や動画を容量制限なしでアップロードできる無料ストレージサービス。ストレージにはPC、スマートフォン、タブレットからアクセスする。アップロード可能なファイルは、1,600万画素までの静止画と1,080pまでの動画に制限されており、それを超えるものはアップロードの際に自動でリサイズされる。主な新機能として、画像と動画のカテゴリ分けを自動で行う「ディープラーニング」と、ストレージ内での画像、動画をキーワード検索できる機能を搭載。写真のタグ付けをせずとも、必要な写真にアクセスできるようになった。新サービスへの移行は、Google フォトの設定画面で「高画質(容量制限なし、無料)」欄にチェックを入れると行える。スマートフォン、タブレット向け専用アプリの対応OSは、Android 4.0以上、iOS 8.0以降。
2015年05月29日ストレージクラフト テクノロジーは5月18日、同社のバックアップソフト「ShadowProtect」に、Linuxサーバ対応版として、バックアップ、ディザスタリカバリー、データ保護、マネージドシステムの移行が可能なソフト「StorageCraft ShadowProtect SPX 日本語版(以下SPX)」を追加し、7月1日より提供すると発表した。。価格は11万7,600円(税別)。ShadowProtectはこれまでWindows対応版のみであったが、今回初めてLinux版をリリースする。対応OSはCentOS 6(64-bit)、Red Hat Enterprise Linux 6(64-bit)、Ubunts 12.04(64-bit)。ストレージクラフトテクノロジー ジェネラルマネージャー 岡出明紀氏は、ShadowProtectの特徴を、スケジュールによる自動バックアップ、業務時間中のバックアップ、バックアップ状況の自動通知などの「簡単バックアップ」、ファイル単位リカバリー、異機種へのシステムリストア、仮想環境への高速フェイルオーバーなどの「目的の応じて選べるリカバリー手段」、特別チューニングしたVSS、バックアップイメージのベリファイ、Hardware Independent Restore(HIR)などの「信頼性の高さ」を挙げた。HIRは、異機種への復元の際にデバイスドライバーを自動調整する機能。また、StorageCraft VirtualBoot テクノロジーを使用して、SPXのバックアップ・イメージを仮想マシン(VM)として起動できる機能も備える。SPXは今回新しく開発されたユーザーインタフェースと、StorageCraft独自のジョブタイムライン機能を採用。ジョブタイムラインでは、バックアップの実行タイミングと成功/失敗を直線上にグラフィカルに表示し、それぞれのバックアップポイントをマウスで選択することで、そのバックアップの詳細を表示し、バックアップ内容の確認やリカバリー操作ができる。また、Windows版にはなかったカスタマイズ可能なスケジュール機能を搭載。必要に応じて複数の完全バックアップや増分バックアップのスケジュールを作成することができ、これらを組み合わせたバックアップジョブを作成できる。同社は今回の新製品を機に組織強化とビジネス本格化し、代理店のマーケティング活動サポート、販売パートナー向けトレーニングなど日本のビジネスを本格化させ、販売額を2018年までに10億円の売上を目指す。なお、SPXは同社のサイトから、体験版をダウンロードできる。
2015年05月20日5月14日、米HP エンタープライズグループ HPストレージ バーチャル デベロップメント部門 バイスプレジデント ビル・フィルビン氏が来日し、プレス向けにコンバージドシステムに向けたHPの保護戦略を説明。同社のHP Converged Storageの優位点をアピールした。ビル・フィルビン氏はHPにおいて、マネジメントシステムやデータ保護、データ保持、Software Defined Storageの責任者だ。同氏はまず、現状のデータ保護(バックアップ/リカバリー)市場における課題を、「HPは長年、データ保護の市場に製品を投入してきた。この市場に参入した理由は、お客様の課題解決をお手伝いしたいからだ。これまでデータは予測できるスピードで増大してきたが、ここ数年で、ツイッターやfacebookなどのビッグデータアプリケーションの登場によって、非構造データが非常に増え、多くのストレージが必要になっている。まさに、データの爆発が起こっている。さらに、現在のデータ保護のソリューションでは、顧客が求めるSLAを満たすことができなくなっている。これによって、コスト、複雑性などが増大している」と指摘した。こういった非構造データの増大に対し同社は、3PAR File Personaアーキテクチャにより、iSCSI、FC、FCoEなどの構造データに対するブロックベースのアクセスと、CIFSやNFSなどの非構造データ対するファイルベースのアクセス、およびオブジェクトアクセスを1台で実現する。そして同社は、これらユニファイドストレージ機能を提供する新「HP 3PAR StoreServ」システムを昨年の12月に発表している。さらに、HP StoreOnce Recovery Manager Central (RMC) ソフトウェアを利用すれば、別途、バックアップ用ソフトやサーバを利用することなく、HP 3PAR StoreServプライマリストレージのスナップショットを重複排除したのち、同社のバックアップアプラインス「HP StoreOnce」にバックアップデータをそのまま移行できる。ビル・フィルビン氏は、「RMCで3PARのスナップショップ機能を利用して取得したバックアップデータをStoreOnceに簡単に移動できる。それによって高い経済性を実現できる。別途バックアップソフトやサーバは必要なく、3PARとStoreOneceだけで実現できる。これが統合されたストレージ(Converged Storage)だ」と語った。同社では、RMCによるバックアップは従来のバックアップよりも17倍高速だと主張する。ビル・フィルビン氏によれば、高速化のポイントは差分バックアップと重複排除だという。RMCは、HP 3PAR StoreServ SnapDiffテクノロジーを活用しており、最初はフルバックアップが行われるが、2回目以降は変更されたブロックのみがStoreOnceに送信される。また、複数の仮想サーバをバックアップした場合、仮想サーバ間の重複データも削除されるため、より高速になるという。また、同氏によればバックアップをアプリケーション単位で行えるのも特徴だという。同氏は、「アプリケーション管理者によって実現される。通常、アプリの起動やシャットダウンはアプリケーション管理者によって決められる。バックアップをアプリケーション管理者が行うことにより、アプリケーションの一貫性を持ったバックアップを行うことができる。アプリケーションの管理者がデータ保護を設定したほうがコストメリットがある」と利点を強調した。
2015年05月15日デルは5月11日、小・中規模の組織におけるプライマリ・ストレージや、プロジェクト・ベースのストレージ向けとしてエントリー・クラスのストレージ・アレイ「Dell SCv2000シリーズ」3機種を提供開始した。3年保証サービス及び配送料込みの最小構成価格は159万9,000円(税別)から。新製品は、1TB(テラバイト)あたりのコストを抑えながら8万5,000IOPSのパフォーマンスを2Uエンクロージャで実現。さらに、データ保護機能や、容量の最適化を実現するRAID階層化機能、データ移行サービスやマルチ・プロトコル接続などのソフトウェア・オプションを提供することで、膨大なワークロードへのニーズに対応するという。ハイエンドなエンタープライズ・クラスの機能が必要となった場合にも、新たなSC製品群の追加及びSC製品ファミリーのハイエンド・モデルへのデータ移行も可能で、総所有コスト削減に貢献すると共に、組織の成長戦略に応じた投資を最適化する。同製品は、「Enterprise Manager」を用いた同一のインタフェース上で、SC製品全体を円滑に管理できるとのこと。Enterprise Managerにより、エントリー・レベルのSCv2000からエンタープライズレベルの「SC4020」や「SC8000シリーズ」までの一元的な管理と、ITリソースの最適化を1つの管理コンソールで実現するという。ウィザード・ベースのシンプルなツールによりシンプルな導入が可能であり、データの増加にも対応できるマルチ・プロトコル・オプションや、キャパシティ・ライセンスが不要な拡張など、柔軟性を備えている。データ保護に関しては、「Remote Instant Replay」「Local Instant Replays」「Replay Manager」など、オプションのデータ保護ソフトウェアが利用可能。マイクロソフトや VMwareなど一般的なアプリケーション環境との統合により、仮想データセンターのシンプル化を実現するとしている。これらのアプリケーションが提供するローカルとリモートのデータ保護機能を用いて、パフォーマンスを犠牲せず仮想マシンのスナップショットを継続的に作成できるという。今回発表した新製品のラインナップは以下の通り。Dell Storage SCv2000アレイ: 2U、3.5インチHDD×12、HDDは最大168台まで拡張可能、1GB iSCSI/10GB iSCSI/12GB SASまたは16GB FC、コントローラあたり16GBのキャッシュ、インテル4コアプロセッサ、動的な容量、仮想ポート、動的なコントローラ、Enterprise Manager。Dell Storage SCv2020アレイ: 2U、2.5インチHDD×24、HDDは最大168台まで拡張可能、1GB iSCSI/10GB iSCSI/12GB SASまたは16GB FC、コントローラあたり16GBのキャッシュ、インテル4コアプロセッサ、動的な容量、仮想ポート、動的なコントローラ、Enterprise Manager。Dell Storage SCv2080高密度アレイ: 5U、3.5インチHDD×84、HDDは最大168台まで拡張可能、1GB iSCSI/10GB iSCSI/12GB SASまたは16GB FC、コントローラあたり16GBのキャッシュ、インテル4コアプロセッサ、動的な容量、仮想ポート、動的なコントローラ、Enterprise Manager。
2015年05月11日デジタルコンテンツがリッチ化している現在、ビジネスにおいても動画や大量の写真をやり取りする機会が増加している。こうした状況において、日常的にオンラインストレージサービスを利用しているビジネスユーザーも多いだろう。ただし、ビジネスで利用する以上、セキュリティや信頼性が担保されているサービスを利用することが大前提だ。○DirectCloud-BOXを中心とした包括的ソリューションジランソフトが提供する「DirectCloud-BOX」は、企業ユーザーを対象とした、ユーザー数無制限のオンラインストレージである。ストレージ容量1TB(テラバイト)の「プレミアムプラン」なら、月額9万円で企業の社員全員が利用できる。顧客のセキュリティポリシーに則って、効率的に大容量ファイル転送/共有する機能が多数搭載されており、すでに多くの企業で活用されている。ジランソフト日本法人でダイレクトクラウド事業部事業統括取締役を務める安貞善氏は、「DirectCloud-BOXがほかのオンラインストレージサービスと一線を画すポイントは、企業がストレージ上に保有するデジタル資産を手軽に活用できることです」と説明する。同社は、「DirectCloud-BOX」を核に、オプションサービスとして「共有」「活用」「コミュニケーション」を実現するアプリケーションを提供している。中でも注目したいのが、セミナーや教育の現場で活用できるプレゼンテーションアプリの「DirectCloud-VIEW」と、ユーザーの反応をリアルタイムに集計できるアンケートアプリの「DirectCloud-SURVEY」、そしてIoT(Internet of Things)を活用したモバイル端末向け文書共有アプリの「DirectCloud-FOLDER」だ。「DirectCloud-VIEW」は、講演や社内外の会議などの際、DirectCloud-BOXに格納されているPDF形式のドキュメントを、参加者と共有できるものである。共有したいドキュメントが保存されているロケーション(URL)を、参加者に配布する。参加者が手持ちのモバイルデバイスから指定URLにアクセスすれば、Webブラウザ上で同じドキュメントを参照できる仕組みだ。参加者には共有ドキュメントの参照権限のみが提供されるため、ドキュメントの書き換えや、DirectCloud-BOX内のそのほかのドキュメントにアクセスすることはできない。DirectCloud-VIEWで特筆すべきは、講演者と参加者が同じ画面を同期できることである。ページをめくったりペンツールで書き込んだりした画面が、リアルタイムに参加者のモバイルデバイス画面に反映される。安氏は、「大ホールでの講演では、壇上のスクリーンが見えなかったり、会議では紙の資料がかさばったりすることが多いです。DirectCloud-VIEWがあれば、そうしたストレスから解放されるのです」と説明する。また、こうした講演やセミナーで、ユーザーの反応をリアルタイムに集計できるのが「DirectCloud-SURVEY」である。あらかじめ用意したアンケート画面のURLを参加者に配布し、回答してもらうことで、リアルタイムでの集計結果を、参加者と共有できる。さらに、Bluetoothセンサの「Beacon」機能を利用した、ファイル共有の「DirectCloud-FOLDER」は、今後、もっとも活用が期待されるサービスだ。これはアカウント作成や認証などをしなくても、Beaconの電波が受信できるエリアにいれば、「DirectCloud-BOX」に格納されている特定のフォルダにアクセスができるサービスである。例えば、「本会議に出席した人のみで資料を共有する」といった使い方が可能だ。安氏は、「個々のアプリだけを見れば、同じような機能を提供するサービスは存在します。しかし、ビジネスで利用するのであれば、セキュリティはもちろん、アプリどうしの連携も考慮しなければなりません。例えば、一般的な無償のIM(Instant Messaging)アプリは、セキュリティ機能が十分でなかったり、チャットログを記録する機能が備わっていなかったりします。一方、われわれが提供するIMアプリの『DirectCloud-TALK』は、こうした管理機能を包含しています。また、送受信はすべてSSL(Secure Sockets Layer)経由の暗号化通信で行われます。さらに、やり取りしたテキストデータをファイルに保存して議事録にしたり、DirectCloud-BOXで送信したりといった、他のアプリの連携もスムーズなのです」と説明する。○充実のセキュリティ機能企業のデジタル資産をセキュアにクラウド化してビジネスに活用する。それをいちばん具現化したサービスが、「DirectCloud-GATE」だろう。これは、社内にあるFTP/SAMBA/NASといったサーバに格納されているデジタル資産をクラウド化し、外部ネットワークからのセキュアなアクセスを実現するものだ。なお、「DirectCloud-BOX」では、社員個人が持ち込んだデバイスの利用を制限するデバイス制限、IPアドレス制限、ネットワーク制限などアクセス制御機能が標準装備されている。また、エンドポイントとサーバー間のデータ通信にSSLを採用(256ビット)し、サーバーにデータを保存する際には、「AES-256暗号化方式」を採用している。もう1つ、セキュリティ機能で特筆すべきは、管理者機能の充実である。「Control Center」では、ユーザーやデバイスの利用状況をひと目で把握するダッシュボードをはじめ、ユーザログイン/ファイル送信履歴のほか、ユーザーが作成したファイルリンク履歴を参照する機能を提供している。また、ユーザーの追加や管理者が特定ユーザーのアクセスを強制的に無効にする機能、さらにグループごとに「リンク作成(転送)」や「フォルダ作成」の権限を付与する権限管理機能なども備わっている。安氏は、「日本にクラウドサービスが広がって約10年になりますが、『セキュリティに対する懸念』などから多くの企業は財務・会計システムをはじめとするデジタル資産のクラウド環境への移行に二の足を踏んでいる。」ジランソフトは、セキュアなクラウド・プラットフォームでお客様のデータ資産を守ると同時に、これらの資産をビジネスユースに最適な形で、最大限活用できるアプリを提供します」と力説する。なお、ジランソフトは、5月13日から15日まで東京ビッグサイトで開催される「第6回クラウドコンピューティングEXPO」で、「DirectCloud-BOX」を展示する。会場では、今回紹介した機能のデモンストレーションが行われる予定だ。DirectCloud-BOXには今回紹介した機能以外にも、便利な機能が多数搭載されている。ぜひ、この機会に直接体験してみてはいかがだろうか。
2015年05月07日「Yahoo!ボックス」はYahoo! Japanの提供するオンラインストレージだ。ブラウザから利用するほか、PC向けのアプリとスマートフォン向けのアプリが用意されている辺りは、他のオンラインストレージサービスと共通している。特徴的なのは、Yahoo!および関連サービスに加入していると、利用できる容量が変化するなどの特典があることだろう。Yahoo!ボックス(2015年4月現在)Yahoo!ボックスは、さまざまなサービスを展開しているYahoo! Japanが提供しているだけあり、料金に関する特典が複雑なので整理しておこう。まず、Yahoo!の一般アカウントだと5GBの無料容量を利用でき、月額410円(税込)のYahoo!プレミアム会員なら無料容量が50GBと大幅に増える。さらに、同社のブロードバンドサービス利用者の場合は、Yahoo! BB「プレミアム」プラン会員なら100GB、Yahoo! BB「スタンダードプラン」会員なら50GBが無料で利用可能だ。加えて、スマートフォンを利用している場合、ワイモバイルの「スマホプラン」または「Pocket WiFiプラン」に加入していると30GBを無料で利用できる。また、ソフトバンクモバイルのスマートフォンを利用していて「とく放題」に加入していれば、会員特典として20GBの容量が他の無料容量に追加される。これに、スマートフォンアプリから利用できる特定のフォルダに対し、無制限の容量を開放してくれる「容量無制限オプション」が存在するが、現在のところ、新規の申し込みを停止している。この「無制限フォルダ」内のフォルダやファイルは共有や公開ができないなど、機能に制限がある。ただ、Yahoo!プレミアムの登録自体はオークションを利用している関係などですでにしているという人も多いだろう。また、自宅がYahoo! BBのサービスを利用しているケースなどと合わせると、実際には50GBを無料で利用できる人も多そうだ。○Yahoo!ユーザーに親しみやすいインタフェースブラウザでアクセスした時の見た目は、今風のデザインではなく、Yahoo!メールなどを使っている人にとっては親しみやすい雰囲気だ。あらかじめ「共有」、「写真」、「書類」、「連携サービス」といったフォルダが用意されているが、このほかに「移行データ(Yahoo! JAPAN)」というフォルダが存在することもある。Yahoo!は以前、オンラインストレージとして「Yahoo!ブリーフケース」を提供していた。さらに、画像に特化した「Yahoo!フォト」というサービスもあり、これらを統合したものが「Yahoo!ボックス」だ。そのため、過去にどちらかのサービスを利用していたアカウントでYahoo!ボックスを利用しようとすると、「移行データ(Yahoo! JAPAN)」というフォルダが作られている。中には。過去の写真などが保存されているから、チェックしておきたい。ファイルのアップロードは、ブラウザ画面へのドラッグ&ドロップではなく「アップロード」ボタンをクリックして出てきたダイアログから行う。「アップロードするファイルを選択」をクリックして、開かれた画面でファイルを1つ、または複数選択してアップロードする形式だ。アップロード中を示すバーが表示され、完全にアップロードできてからアイコンが表示されるなど、「Dropbox」などと比較すると少々もたつく感じはあるが、わかりやすい。昔からYahoo!のサービスを利用してきてインタフェースに慣れている人や、すでにYahoo!プレミアム会員であるという人にとって使いやすいのが特徴であるため、ゼロから使い始めるというよりは、すでに持っているアカウントでそのまま使いたいユーザーに向いているサービスと言えるだろう。
2015年05月01日日本ヒューレット・パッカード(日本HP)は4月9日、中堅・中小企業向けのストレージ5製品を発売した。価格は、最も低価格の「HP StoreEasy 1450 Storage」が59万9,000円(税別)から。HP StoreEasy Storageの新製品は、「HP ProLiant Gen9」サーバを採用して60万円を切る価格から提供することにより、企業のファイル・ストレージの需要拡大を支援するとしている。生産性を高め業務遂行を保護するため、新製品は25倍高速のRAIDリビルドに対応するという。さらに、「StoreEasy Dashboard」の機能を強化してシステム容量が不足すると自動でアラートを発信し、ビジネスの成長に素早く対応できるよう支援する。価格は、HP StoreEasy 1450 Storageが59万9,000円から、同1650 Storageが84万円から、同1850 Storageが88万円から(いずれも税別)。HP StoreOnce Backupファミリーでは、主力製品「HP StoreOnce 6500 Backup」アプライアンスと同じ技術を元に設計したエントリー・レベルの新製品「HP StoreOnce 2900 Backup」を投入。同クラスの他社システムと比較し、2倍のバックアップ容量と30%優れたパフォーマンスを持つとしている。2Uラックスペースの省スペース型であり、小規模で導入して31.5TBまで使用可能な容量の拡大が可能。また「HP StoreOnce Recovery Manager Central」と互換性を備え、「HP 3PAR StoreServ Storage」アレイと連携し、ハイパーバイザー管理によるシンプルなデータ保護が可能とのこと。「HP StoreOnce Integrity Plus」セキュリティ機能やアプリケーション統合型バックアップ向けの「HP StoreOnce Catalyst」など、「HP StoreOnceファミリー」が提供するエンタープライズ・クラスのデータ・サービス全てをサポートするという。価格は260万円(税別)から。追加ハードウェアの購入が不要でソフトウェア定義型のバックアップ・アプライアンスである「HP StoreOnce Virtual Storage Appliance(VSA)」では、新たに50TBの大容量オプションとフル機能の1TB無償版の提供を開始する。同製品は、重複排除型ディスク・バックアップ機能に加え、VMware vSphereやMicrosoft Hyper-V、Linux KVMを実行する仮想サーバ上でアプリケーション・ベースの仮想マシンに対応する。50TB版であるHP StoreOnce VSA 50TB LTU(3年間)の価格は210万円(税別)から。1TB無償版の提供は5月1日から。
2015年04月10日米Amazon.comは3月26日(現地時間)、クラウドストレージサービス「Amazon Cloud Drive」の新たなストレージプランとして、「Unlimited Photos Plan」と「Unlimited Everything Plan」を発表した。年会費は「Unlimited Photos Plan」が11.99ドル、「Unlimited Everything Plan」が59.99ドル。Unlimited Photos Planは、写真ファイルを容量無制限でCloud Driveに保存できるストレージプラン。写真以外の動画やドキュメントファイルを保存するためのストレージとして5GB用意する。Unlimited Everything Planは、写真だけでなく動画や音楽、映画も容量無制限でCloud Driveに保存できるストレージプラン。いずれのプランも3カ月の無料トライアル期間を設ける。Amazon.comは2014年11月、米国のAmazon Prime会員向けに容量無制限の写真ストレージサービス「Prime Photos」を無料で提供開始している。このたび発表されたUnlimited Photos PlanとUnlimited Everything Planは、Amazon Prime会員だけでなく一般会員も利用可能だ。
2015年03月27日米Amazon.comは26日(現地時間)、クラウドストレージサービス「Amazon Cloud Drive」に容量無制限の2つのプラン「Unlimited Photos」と「Unlimited Everything」を設けた。Unlimited Photosを契約するとCloud Driveに写真を無制限にアップロードできる。動画やドキュメントなど、写真以外のファイルについては5GBまで保存できる。料金は11.99ドル/年。Unlimited Everythingには、あらゆる種類のファイルを保管できる。料金は59.99ドル/年だ。27日時点でGoogle DriveとDropboxの有料プランは1TB(9.99ドル/月)、MicrosoftのOneDriveはOffice 365 Personal (6.99ドル/月)を契約すると容量無制限になる。Amazon Cloud Driveはサービス料金の安さでライバルを上回る。ただし、DropboxのようなOSと連動した同期機能が全てのプラットフォーム向けに用意されていない。Unlimited PhotosとUnlimited Everythingには3カ月の試用期間が用意されているので、使いやすさなどを確認した上で契約できる。
2015年03月27日SanDiskは、次世代型のスマートフォン、タブレット、スマートデバイス向けの、大容量組み込みストレージソリューション「iNAND 7132」を発表した。SmartSLCテクノロジーを搭載した新しいiNANDアクセラレータアーキテクチャを採用することで、高い負荷のアプリケーションでも快適な操作性を実現する。同ソリューションは、同社の1Ynmのセル当たり3ビット(X3)のNANDフラッシュストレージによって構成。ドライブのSmartSLCテクノロジーと組み合わせることにより、ユーザーのニーズに合わせて、シングルレベルセルのようなパフォーマンスを提供する。さらに、1Gビット/秒を超えるシーケンシャル書き込み速度も実現。負荷の高いビジネス向けアプリケーションや動画、写真撮影、モバイルゲームアプリケーションにも優れたパフォーマンスをもたらすと共に、802.11acおよび802.11adのネットワーク規格に対応している。また、最適化されたスマートフォンで使用することにより、RAWフォーマットでの画像撮影といったプロフェッショナル仕様のデジタル写真撮影容量に対応。さらに、4K Ultra HDビデオの撮影や再生も可能となっている。e.MMC 5.0+仕様を採用し、洗練されたエラー訂正ハードウェアおよびソフトウェアテクノロジーが組み込まれており、耐久性と応答性が向上すると共に、レイテンシーが短縮されている。これにより、同ソリューションを使用したデバイスは、ストレージ容量の上限に達した状態でも、デバイスを使い続ける間、高いレベルのパフォーマンスを維持し続ける。現在、同ソリューションのサンプルを最大64GBの容量で提供している。
2015年03月09日ティントリジャパンは3月6日、同社の仮想化専用ストレージであるTintri VMstoreのHyper-Vへの対応を発表した。対象はTintri OS 3.1以上、サポート対象となるTintri VMstoreのユーザーには無償で提供する。Hyper-Vのサポートにより、仮想化したSQL Server/Exchange/SharePointなどのアプリが複数同時に稼働するような状況においても、仮想マシンの稼働状況に合わせた性能チューニングを自動的に実施し、パフォーマンス問題を改善するという。同時に、NFSおよびSMB 3.0に対応。Hyper-Vを始めとする複数のハイパーバイザーによる様々なワークロードを単一のTintri VMstore上で稼働させられる。独自の管理画面により、異なるハイパーバイザーであってもシームレスに明瞭な可視化を実現しており、ユーザーはハイパーバイザーを意識せず仮想マシンを管理できるという。また、Hyper-V ManagerおよびSystem Center Virtual Machine Manager(SCVMM)とネイティブに連携し、スナップショット/クローン/レプリケーションといったデータ保護を仮想マシン単位で可能だ。それぞれの仮想ディスクのI/Oを監視し、必要に応じてストレージ リソースを自動的に割り与えることで、パフォーマンスのQoS(Quality of Service)確保を仮想マシン単位で実行する。さらに、Hyper-V上で稼働するCitrix XenDesktopおよびXenApp VDIをサポート。ハイエンドモデルであるTintri VMstore T880の場合、4Uサイズの筐体で3,500台の仮想デスクトップを運用でき、ラックスペースを大幅に縮小可能としている。今回Hyper-Vをサポートしたことで、VMware vSphere/Red Hat Enterprise Virtualization(RHEV)/Hyper-Vと主要ハイパーバイザー3種類全てをサポートすることになったと同社はいう。同社はまた、VMware vSphere 6および関連するアプリケーションであるVMware vSphere Virtual Volumes/VMware vRealize Operations/VMware Integrated OpenStackのサポート予定を発表した。これらはTintri OSの次期リリースでの予定であり、対象となるTintri VMstoreのユーザーには無償で提供する。
2015年03月09日ノベルは3月4日、オープンソースのCeph Fireflyベースのエンタープライズ向けの分散ストレージソリューション「SUSE Enterprise Storage」の提供を開始したと発表した。同ソリューションは、最小構成が4ノードで、価格は1万ドルから。この製品はSUSE Linux Enterprise 12上で動作することを前提に提供されるSoftware Defined Storage(SDS)ソリューション。Ceph Fireflyの機能をすべて網羅した上で、SUSE Linux Enterprise 12に最適化しているという。本製品は、キャッシュ階層化、シンプロビジョニング、コピーオンライト方式のクローン作成、erasure coding(消失訂正符号)などの機能を搭載。また、自己管理機能と自己修復機能を備えており、フルシステムのロールバックに対応し、ノードリブートなしにカーネルパッチの適用が可能。さらに、Anti VirusソフトであるClamAVに対応する。ノベル エバンジェリスト 村川了氏は「非構造データは指数関数的に増えており、既存のストレージでやりくりするのは限界になってきている。 Cephは分散ストレージ、オブジェクトストレージとして利用でき、人気が高い。SUSE Enterprise Storageは、1つのソフトウェアでパラメータを変えるだけで、4つの用途に対応できるという柔軟性がある。とくに、ミッドレンジ以下をターゲットに販売していきたい」と述べたテーゲットはパブリッッククラウドサービスを第一に、OpenStackのストレージ、Hadoop/HPCなどの分散処理用Storage、一般的な共有ファイルシステムなどの利用を想定しているという。代表取締役社長の河合哲也氏は、「最近はSoftware Definedが大きなキーワードになっており、これが今回の発表の背景になっている。すなわち、これまで専用機だったものが、Software Definedに置き換わっている。そこで、ソフトウェアベンダーでもあるノベルもストレージ業界に参入する。まずは、Cephを普及することを目的に、戦略的な価格設定にした。今後はパートナーと組んで、クラウドサービスプロバイダに提供していきたい」と述べた。
2015年03月04日2月18日、サンディスクは車載用のフラッシュストレージソリューションを発表した。同製品はカーオーディオやシンプルなアプリ、2D/3Dナビゲーションシステムを備えた従来のベーシックナビ市場はもちろんのこと、4G LTEによるインターネット接続により車内の情報端末化を進め利便性を高める「コネクテッドカー」市場、そして先進運転支援システム(ADAS)や自動運転システムなどによってさらに需要が広がるであろう未来のドライビングシステムを見据えたものだ。2014年にはApple CarPlayやAndroid Autoなど、数多くのカープラットフォームへの参入が発表された。このたびの発表は、こういった車載システムに対応したフラッシュストレージへサンディスクが本格的に参入する決意の表れと言えるだろう。NANDフラッシュメモリの製品マーケティングを担当しているラッセル・ルーベン氏に、サンディスクが車載用フラッシュストレージソリューション向けの製品を発表した経緯についてお話を伺う機会を得られたので、その様子をお伝えしよう。なお実際に出荷される製品は、4GB~64GBのSDカードと、8GB~64GBのiNAND組み込みフラッシュドライブ(EFD)となる。いずれも一次サプライヤーを通じて自動車メーカー各社にすでに供給されており、現在は実際に製品に組み込むための評価テストが行われている最中だという。○コネクテッドカー市場をフラッシュメモリ技術で支えるサンディスク──フラッシュメモリのパイオニアとして市場を牽引してきたサンディスクまずはサンディスクについてお話します。ご存じのとおり弊社はNANDフラッシュメモリを専門としている会社です。8,700人以上の社員が世界中で働いておりまして、25年以上にわたってNANDフラッシュメモリ市場をリードしています。数多くのデジタルカメラやモバイル機器用のフラッシュメモリ、PC用のSSDなどを生産していますので、リテール製品が主力と思われるかもしれません。しかし弊社の売り上げでいうとリテール品は33%でして、残りの67%はビジネス向けに出荷されているOEM製品が占めています。今回発表した車載向けSDカードと車載向けiNANDのNANDフラッシュメモリの製造は四日市の工場で行っておりまして、アセンブリ工程をサンディスクの上海工場で行っております。──車載用フラッシュメモリに求められる高い信頼性とは調査会社のガートナーでは、2020年には世界中で走行する自動車のうち、およそ20%がなんらかの通信接続を利用することになると予想しています。つまり、2億5千万台以上の自動車がインターネットに接続する時代がやってくるのです。そんな自動車の情報端末化に向けて、いま信頼性と応答性、そして容量に優れたフラッシュメモリが求められています。しかし、車載に耐えうるフラッシュメモリを製造するのは簡単ではありません。自動車市場には、大手自動車メーカーおよび電子部品メーカーによって作られた車載用電子部品の信頼性についての規格「AEC-Q100」(Automotive Electronics Council)というものがあり、この規格をクリアした製品でなくては自動車メーカーも製品を採用できないのです。サンディスクの車載用フラッシュストレージはこの「AEC-Q100」に準拠した車載用途に耐えうる製品です。動作温度は-40℃~85℃となり、一般的なモバイル機器向けの製品の-25℃~85℃に比べてより温度の低い環境で動作可能です。読み書き耐性や動作速度なども求められるため、信頼性を重視した設計にしています。また車載向けiNANDはeMMC 4.51(HS200モード)規格に準拠した製品となり、連続書き込み最大30MB//読み出し最大120MB/秒を実現しています。地図読み込みの高速化やタッチスクリーンの応答速度向上などに高い効果を発揮することでしょう。──サンディスクが自動車メーカーの厳しい基準をクリアできる理由サンディスクがこういった車載向けの厳しい基準をクリアできる理由は、垂直統合モデルを採用していることにあります。製品の開発・生産・販売を一社で行うことにより、徹底した品質管理と、迅速な対応を実現しているのです。ファームウェアやコントローラも自社で開発しており、他の会社は介在していません。このような一貫した生産体制により、顧客の要望や不具合にも即座に対応が可能なのです。また自動車に電子機器を組み込むためには、1~2年という非常に長い評価テストが必要となります。そして、一度採用された製品は長い間使用され続けます。つまり、品質を保ったままひとつのプロセスを長期間供給し続けなくてはならないわけです。ですが、サンディスクなら生産ラインを自社でコントロールできるため、このような厳しい要求にも答えられるのです。──サンディスクの車載向け市場への参入の意気込み今回の車載用フラッシュストレージソリューションの発表以前から、サンディスクでは自動車向けにNANDフラッシュメモリの供給を行っていました。過去の評価テストでも他社と比べて信頼性で高い評価を得ています。今後、車載向け市場はより多くの需要が見込まれており、求められる品質も高くなっていくでしょう。サンディスクでは、そんな車載向け市場の動向に合わせて社内組織を改編し、自動車メーカーの要望に答えられる新製品の開発を進めてきました。これから一層、車載向けフラッシュメモリの製造・販売に注力していきます。***ラッセル・ルーベン氏のお話の通り、サンディスクは今後、本格的に車載向けフラッシュメモリの開発・生産・販売を行っていく方針だ。NANDフラッシュメモリに特化したビジネスを行ってきたサンディスクが長い歴史で培ったノウハウが、これから車載向けフラッシュメモリの製造にも活かされることだろう。急速に進んでいる自動車の情報端末化。サンディスクはそんな高度情報処理システムを支える重要な役割を担うことになりそうだ。
2015年02月27日アーク情報システムは25日、WindowsをUSBストレージから起動可能にするソフト「BOOT 革命/USB Ver.6」を発表した。3月6日から発売する。税別価格は、Professional通常版が8,300円(アカデミック版とダウンロード版が6,000円)、Standard通常版が5,600円(アカデミック版・ダウンロード版が4,100円)。USBストレージからWindowsを起動できるようにするソフト。新たにシステムドライブ以外のデータドライブのコピーに対応。Cドライブだけでなく、データドライブを含めた環境をまるごとコピーできるようになった。また、コピー時のパーティションサイズ変更が可能になり、システムドライブがGPTディスクでらうHDDコピーにも対応している。Professional版のみの機能として、WindowsをUSBストレージへ直接インストールできる「エクスターナルインストール」と、USBストレージから内蔵HDDにコピーする機能が追加されている。対応OSはWindows 7 / 8 / 8.1。
2015年02月26日米Dellは2月25日(現地時間)、ストレージソリューションの新製品「Dell XC Webスケール・コンバージド・アプライアンス バージョン2.0」として、「Dell XC630」(1U)および「Dell XC 730xd」(2U)の2モデルを発表した。提供開始は北米では3月3日、日本を含むその他の地域では3月下旬から。新製品は、第13世代目となる同社PowerEdgeサーバにNutanix製ソフトウェアを搭載したハイパー・コンバージド・ソリューション。デルによると、第13世代目の同サーバへのNutanix製ソフトウェアの搭載は初めてという。企業におけるストレージやコンピューティング、ハイパバイザーを単一のソリューションとして統合し、デルの「Software-Definedストレージ(SDS)ポートフォリオ」を拡大させるものだとしている。仮想化環境上におけるさまざまなワークロードに対応する統合ソリューションとして設計した新製品は、既存製品と比べて高いパフォーマンスのサーバとドライブ・オプション(フラッシュまたはHDD)を選択でき、VDIやプライベート・クラウド、ビッグデータなどの要求水準が高いワークロードを支援する。ラックあたりの搭載容量を16TBに倍増したことで同じレベルのデータを半分のラックスペースで運用可能になり、特にマネジメント・サービス・プロバイダ(MSP)や共用型のデータセンターにとってメリットが大きいという。複数のドライブ/メモリー/プロセッサのオプションをアプライアンスごとに用意し、要求の厳しいワークロードへの対応やきめ細やかな拡張を実現するとのことだ。1Uモデルの「Dell XC630」は、前モデルの「XC720xd」と比べ約半分のラックスペースで、より多くのデスクトップ仮想化ユーザーを支援できるとしている。これにより、ラック設置スペースに限りがある場合や、VDIなどの仮想化ワークロードを展開する組織にとって、より魅力的なソリューションだという。2Uモデルの「Dell XC 730xd」は、前モデルと比べてストレージ容量を60%増加し、最大32TBとした。ビッグデータやプライベート・クラウド関連のワークロードの実行において高い効果を発揮するとしている。
2015年02月26日日本IBMは2月24日、企業向けのフラッシュ・ストレージ・ソリューションの新製品として「IBM FlashSystem 900」および「IBM FlashSystem V9000」を発表した。最小構成価格はいずれも税別で、FlashSystem 900が1,339万2,000円、同V9000が3,625万1,200円。出荷開始はFlashSystem 900が3月20日、同V9000が4月24日。FlashSystem 900は2Uサイズであり、2.4TBから57TBの使用可能容量と、最速で110万IOPSの速度を確保した。FlashSystem V9000は同900をベースに、同社の「Software Defined Storage機能」を統合。10年以上の実績があるというストレージ仮想化により、高速コピー/遠隔コピー/リアルタイム圧縮などの機能を250種類以上の主要ベンダーのストレージで利用できる。既存ストレージ・システムの非効率性を解消しつつ、複雑で管理方法が異なる複数ストレージの一元的な管理を実現するという。6Uサイズから34Uサイズまでの拡張が可能で、リアルタイム圧縮と組み合わせて圧縮率20%の場合で最大2.2PBのデータを最速252万IOPSでアクセス可能だとする。同社は新製品のためMicron Technologyと共同で、MLCフラッシュ・チップをベースに10倍の信頼性を持つeMLCフラッシュ・チップとほぼ同等の書き込み回数を実現する、高密度MLCフラッシュ・チップを新たに開発した。新チップを搭載する新製品は、最大容量が約40%増加したという。さらに、企業向けストレージとしての信頼性や可用性、運用容易性を高めるため、サイバー犯罪やデータ・セキュリティの脅威からリアルタイムにデータを保護するハードウェアベースの暗号化機能、フラッシュ・モジュール内で発生した障害のリビルドを数秒から数分で完了し多重障害によるデータ消失のリスクを最小化する「Variable Stripe RAID」、システムを止めることなく最新の状態に保つファームウェアのコンカレント・ロードなど、自社独自の技術を採用した。専用回路によるフラッシュ・チップの制御により、24個のSSDを搭載する2Uストレージ装置と比較し、同じく2UのFlashSystem 900では最大67倍の同時並列読み書き処理を実現したとしている。
2015年02月25日サンディスクは18日、次世代の「コネクテッドカー」や車載インフォテインメントシステムを対象とした、車載用のフラッシュストレージソリューションを発表した。サプライヤー向けのラインナップとしては、車載使用に耐えうるSanDisk SDカード、iNAND組み込みフラッシュドライブ(EFD)を用意。容量は最大64GBとなる。信頼性を重視して開発、製造されており、AEC-Q100認証を取得。今回のソリューションによって、カーナビ地図の読み込みを高速化したり、タッチパネル応答性を向上したりといった効果を実現できるとしている。
2015年02月18日米MicrosoftのOfficeチームは現地17日、サードパーティのクラウドストレージサービス事業者向けプログラム「Cloud Storage Partner Program」の立ち上げを発表、「Office for iOS」と「Office Online.」で外部クラウドストレージサービスとの統合をすすめることを発表した。すでに発表済みのDropboxとの提携に続くもので、さまざまなプラットフォームやサービスでOfficeを利用できるようにする"新しいOffice"戦略を進めるものとなる。今回の発表は、2014年11月に発表した米Dropboxとの提携に続くもの。Dropboxとの提携は、OfficeアプリからDropboxに保存されているファイルへのアクセス、編集、共有を容易にするものだが、さまざまなデバイス、プラットフォーム、サービスからOfficeを利用できるようにするという方向性をさらに進展させる。まずは、iPadとiPhone向けの「Office for iOS」で、クラウドストレージサービスのネイティブ統合を実現した。これにより、ファイルの場所として、米Appleの「iCloud」とBoxなどが表示され、選択できるようになった。Microsoftによると、同じような統合を「Windows 10」のユニバーサルアプリ、Android向け「Office for Android」でも提供すべく作業を進めていくという。また、無料で提供するブラウザ版の「Office Online」側でも、各種ストレージサービスとの連携を進める。ユーザーが各ストレージサービスに保存されているドキュメントにブラウザからアクセスして開き、閲覧し、編集できるようにするもの。Microsoftはこれらを進めるにあたって、パートナープログラム「Cloud Storage Partner Program」を立ち上げており、すでにBox、Citrix、Salesforceが統合に向けた作業を進めているという。今後もクラウド事業者を拡大する意向だ。Microsoftは、「小さな強化に見えるかもしれないが、これらの新機能はわれわれの顧客にとって大切なアプリやサービスとOfficeとの統合に向けた大きな一歩となる」と記している。
2015年02月18日クラウディアンは2015年1月30日、東京・帝国ホテルにてメディア・コンファレンスを開催し、オブジェクトストレージの導入を促進するパートナー企業プログラムとして「CLOUDIAN HyperStore Ready」の本格展開を開始することを発表した。また、米CLOUDIANのCMOも来日し、ワールドワイドでの市場動向やオブジェクトストレージのニーズなどについて、事例を交えて語った。代表取締役の太田洋氏は、冒頭で2015年のストレージ市場のトレンドが「ハイブリッドクラウド」「スマートデータ(ビッグデータ&アナライズ)」「コスト効率」にシフトしてきていることを述べた。つまり、ネットワークを介した膨大なデータのやり取りが頻繁になり、より安価で柔軟性の高いストレージが必要となってきているということだ。オブジェクトストレージは、SSDやSAN/NASのような従来のブロックストレージと比べると読み書きの速度こそ劣るものの、拡張性、価格、容量、堅牢性・耐障害性において、遥かに勝る。従来は、こうした特長を持ったストレージとしてテープメディアが主流であった。しかし、テープはオフラインでの利用が一般的で、データのリカバリには膨大な時間がかかる。この点で、アクセス性に優れたオブジェクトストレージのほうがメリットは大きい。クラウディアンの提供するオブジェクトストレージソフトウェア「CLOUDIAN Hyperstore」は、標準的なx86サーバを活用してオブジェクトストレージを構築するソフトウェア製品である。2~3台のサーバを用いて数TBという容量からスモールスタートすることが可能なため、一般企業での活用にも適している。クラウドストレージ「Amazon S3」に準拠しており、S3に対応するアプリケーションやNASなどから容易に接続することができるのも特長だ。取締役 COOの本橋信也氏は、「Software Defined Storageであれば、大きな内蔵ディスクを搭載した最近の汎用サーバを活用して、大きなストレージ空間を構築することができます。ベンダーロックインされることもなく、目的にあったハードウェアを選択していくことができるのは、大きなメリットの1つです」と長期にわたってコスト削減を期待できると説明する。「SDS技術の特長に加えて、クラウディアン独自の機能や性能が評価され、単なるオブジェクトストレージというカテゴリとしてではなく、CLOUDIANという製品として認識されるようになってきたと感じている」(本橋氏)○エンタープライズ市場を戦うためにパートナーを強化CLOUDIAN Hyperstoreは、データセンター事業者やサービスプロバイダーでの導入が中心で、一般企業での導入は遅れていた。しかし昨今では、エンタープライズを中心に上述のようなストレージニーズが高まっており、2013年後半ごろから問い合わせが急増していたという。「十分な技術者・管理者を確保できない企業においては、オブジェクトストレージの導入・運用は困難です。そこで当社では、企業ユーザーでも容易にCLOUDIANを導入・活用できるよう、3つの戦略を展開しています」(太田氏)1つは、アプライアンスだ。サーバハードウェアにCLOUDIANをインストールしてチューニングを施し、ネットワークに接続するだけで使えるようにした製品として提供する。2つ目は、ビッグデータ分析やメールアーカイブ、ファイル共有、バックアップなどの各種アプリケーションと組み合わせて販売することで、すぐにユーザーのビジネスに貢献できるソリューションパッケージとしての提供。3つ目は、インストールと運用の仕組みを簡素化し、手間をかけずに導入・運用できるように工夫した点である。これは、顧客に製品を導入するシステムインテグレータにとっても有用な機能となるだろう。これらのエンタープライズ市場戦略においては、ハードウェア/ソフトウェアベンダー、システムインテグレータとの協業が非常に重要となる。そこでクラウディアンは、パートナープログラムを強化してエコシステムを形成する「CLOUDIAN HyperStore Readyプログラム」を開始した。日立システムズや科学情報システムズ、コアマイクロシステムズ、ファイルフォースなどの参加企業と共に、「時代に則したソリューション展開を目指す」(太田氏)とのことだ。米CLOUDIANのCMOであるPaul Turner氏も、世界的にストレージへのニーズが変化しており、これまでとは異なるストレージ──オブジェクトストレージ=CLOUDIANが求められるようになっているとする。特にエンタープライズ市場でのアプライアンス展開が重要であることを述べ、次のようにそのメリットを説明した。「従来のトラディショナルなストレージは、導入や運用こそ容易ですが、柔軟性に欠け、高価です。また単純なストレージソフトウェアは、柔軟性・コスト効率こそ優れていますが、導入や運用が煩雑になりがちです。CLOUDIAN HyperStoreアプライアンスは、その双方を兼ね備えた製品です」(Turner氏)さらにTurner氏は、CLOUDIANの活用がグローバルで増えていることを強調し、米国シリコンバレーとインドにデータセンターを持つソフトウェアベンダーが、CLOUDIANを活用して地域をまたがる「ジオクラスタ」を形成し、グローバルなデータ共有に活用している事例などを紹介した。太田氏は、CLOUDIANのエンタープライズ市場とグローバル市場への展開について、次のようにまとめている。「クラウディアンは、高品質な日本発の製品をグローバル市場に届けるため、米国を中心にグローバルな営業体制を整え、1つのチームとして展開していくことを目指しています。日本だけでなく、海外ユーザーも順調に増えており、ストレージ市場とともに成長しているところです。今後も、国内外でのパートナー化とプレゼンスを強化し、エンタープライズ市場向けの製品を強化していきます」(太田氏)
2015年02月13日