『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』の監督コンビ、ダニエル・クワンとダニエル・シャイナート(ダニエルズの愛称で知られる)の次回作が、2026年6月12日に北米公開されることになった。製作、配給はユニバーサル。タイトルは未定。内容、キャストなどは何も明かされていない。『エブリシング〜』は昨年のオスカーを、作品、監督、脚本、主演女優、助演男優、助演女優の6部門で受賞。A24の歴史で最高記録の1億4300万ドルを売り上げる大ヒットにもなっている。文=猿渡由紀
2024年03月01日アカデミー賞の発表が近づくにつれて、本年度の賞レースもさらなる盛り上がりを見せていますが、もっとも注目を集めている1本といえば『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』。数々の話題作がしのぎを削るなか、最多となる10部門で11ノミネートを果たしています。そこで、主演を務めたこちらの方にお話をうかがってきました。ミシェル・ヨーさん【映画、ときどき私】 vol. 554本作で、自身初となるアカデミー賞主演女優賞にノミネートされたミシェルさん。受賞すればアジア系の俳優として初の受賞となるため、大きな関心が寄せられています。劇中で演じたのは、人生のどん底にいたにも関わらず「全宇宙を救えるのは君だけだ」と世界の命運を突然託されてしまう“普通のおばさん”エヴリン。見事な熱演ぶりで観客を魅了し、絶賛されています。前哨戦と言われるゴールデングローブ賞で最優秀主演女優賞に輝くなど、アカデミー賞受賞への期待も高まるなか、ananwebでは単独インタビューを実施。前向きに生きる秘訣や苦境に立たされたときの乗り越え方、そして日本を好きな理由などについて語っていただきました。―本作では「あのとき別の決断をしていたら別の人生があったのに……」ということも描かれており、これは誰もが一度は考えることだと思います。演じている際に、ご自身の人生における後悔などが頭をよぎることもあったのでしょうか。ミシェルさんもちろん、誰もがそう思うことはあるかもしれませんね。でも、私自身はいままで後悔をするような生き方はしていません。というよりも、失敗することがあってもそれはそれで認めて引きずらず、逆にそこから何を学べるのかを考えるようにしています。実際、失敗したことを後悔するよりも、そこからどうしたら前に進めるかを考えるほうが大切ですよね。とはいえ、私もこの作品を制作しているときに、「もしも……」と想像したことはありましたよ。ただ、いまの自分は幸せなので、そんなことを考えること自体が無意味だと気がついたんです。他人の言葉は聞かずに、自分の声にだけ耳を傾ける―素晴らしいですね。ゴールデングローブ賞の授賞式で行ったスピーチにも感銘を受けましたが、アジアを代表する女優であるミシェルさんほどの方でも、さまざまな差別を経験されていたことに驚きました。しかも、本作出演前には年を取ったことが理由で周囲から引退を勧められたこともあったとか。厳しい状況を乗り切るために意識していることはありますか?ミシェルさんまず大事なのは、そういうときの他人からの言葉は聞き入れないことです。私は自分の声にしか耳を傾けないようにしています。そもそも他人のほうが私のことを知っているわけはありませんよね?なので、必要のない意見は聞かなくていいと思っています。あと、私の場合は、俳優という職業柄いつオファーが来ても応えられようにするというのは重要です。それは体調面を含めたさまざまな準備のことですが、それらが整っていればチャンスをしっかりとつかむことができますから。とはいえ、確かに年齢が上がって行くにつれて少しずついろんな機会が狭まってしまうところがいまだにあるのは事実です。でも、最近は映画業界にも女性が増えていて活躍できる場が広がりつつあるので、これからも私は戦い続けていきたいと思っています。この役を演じるために、40年間準備をしてきたと感じる―「もっと前にこの作品に出ていたらキャリアも変わっていたかも」と感じたこともあったそうですが、このタイミングで本作に出演したことで得たものもあったのではないでしょうか。ミシェルさんもし私が若いころにこの映画の話があったら、きっと私はエヴリンの娘役を演じていたでしょうね。おそらく、それでもアジア人である私にとっては十分に大きなチャンスだったと思います。実は最近、女優のエマ・トンプソンと「役が人生のどの時期にやってくるのかは運命かもしれない」という話をしたことがありました。つまり、その役を演じる準備ができたときに、役が目の前に現れて私たちを見つけてくるんじゃないかということです。現に、私はこの役を演じるために40年間リハーサルをして準備してきたような気がしているんですよ。だからこそ、どれほど混沌としていて不条理なことがあっても、劇中ではさまざまな役を同時に演じることができたし、どんなキャラクターでもブレることなく理解することができました。―確かに、この役は60歳を迎えて年齢と経験を積み重ねたいまだからこそ表現できた部分があると感じました。ご自身でも成熟していくことの素晴らしさを実感したところもあったのでは?ミシェルさんそうですね。私たちは生まれたときから年を取る運命にあるので、年齢を重ねることは避けられません。若さにしがみつくことは不可能ですし、若さは私たちの手から離れていくものなので、それは仕方がないことですよね。でも、英語で「Grow Old Gracefully(優雅に年を重ねる)」という言葉があるように、どうしたら美しく年を重ねていくことができるかを考えることはできます。エヴリンのように短所があったとしても、知恵と強さを合わせ持った女性として周りに響くような人になることはできるはずです。日本の好きなところは、本質にある純粋さや奥深さ―まさにミシェルさんが体現されていることですね。また、監督であるダニエルズのおふたりは、本作を制作するうえで日本のアニメからもインスピレーションを受けているとお話されていますが、演じるうえで感じたことはありましたか?ミシェルさん日本のアニメやポップカルチャーなど、目に飛び込んでくるような刺激的なものから影響を受けているんだろうなというのは私にも伝わってきました。そのなかでも彼らが素晴らしいのは、原宿のようなカオスもしっかりと捉えられるところだと思っています。ただ、私もエヴリンと同じように「一体何が起きているんだ!」と現場で混乱してしまったこともありましたが(笑)。―ちなみに、ミシェルさんは日本に対してどのような印象をお持ちですか?ミシェルさんオー・マイ・ゴッド!日本には大好きなものがたくさんあるので、どこから始めたらいいのでしょうか……。とはいえ、まずは食べ物ですね(笑)。あと、私は日本で最高の休日を過ごしたこともあるんですよ。それは箱根に富士山を見渡せる素敵な家を持っている友人のところを訪ねたときのことですが、温泉に入って自然を堪能することができました。そういった純粋さや奥深さが日本文化の本質だと思いますし、そういうところが日本の好きなところです。また、日本の街はトレンディなのに伝統や歴史がある。その関係性とコントラストが日本の美しさを生み出していますし、それが日本に対して畏敬の念を抱く理由だと思います。観る方に好きなユニバースを選んで楽しんでほしい―ありがとうございます。本作ではまるで10本ほどの映画を観たような感覚に陥りましたし、細部にわたってさまざまなこだわりも感じました。見どころが多いので、もしそのなかでもミシェルさん的に注目してほしいポイントがあれば、日本の観客に教えてください。ミシェルさん確かに、この映画が10本分というのはその通りかもしれないですね!実際、SFとコメディとマーシャルアーツとドラマとホラーと5種類のジャンルが入っていて、それをいっぺんに体験できる作品となっていますから。ただ、改めていろいろ思い返すと私自身も一つを選ぶのは不可能なので、これはいい質問ですね。それくらい本当に見るべきところがたくさんありすぎる作品になっています。おそらく1回目は「え?どうなってるの?」となると思いますが、2回目、3回目となると少し落ち着いて観られるので「なるほど」となるかなと。そうなったときに、異なるユニバースやそれぞれのニュアンスを理解することができるはずです。とにかくいろいろと見逃してしまう可能性がたくさんある作品でもあるので、「何があっても上映中にお手洗いには行かないでくださいね」というのは伝えておきたいです(笑)。あとは、どのユニバースでも、観る方が好きに選んで楽しんでください。ぜひ、何回も観てほしいです。インタビューを終えてみて……。今回はオンラインでの取材でしたが、画面越しでもオーラがひしひしと伝わってきたミシェルさん。限られた時間ではあったものの、そのなかでも人生のヒントになるような素敵な言葉をたくさんいただき、感動しっぱなしの取材となりました。凛とした美しさと優しい笑顔はもちろん、知性が溢れる佇まいもまさに目指したい理想の女性像です。本作では、新境地で七変化するミシェルさんの魅力を堪能してください。アクションも笑いも涙も何でもあり!見たことのない映像と息つく間もない展開に、誰もがカオスの世界へと誘われる本作。奇想天外なストーリーに衝撃を受けながらも、そのなかにある普遍的な愛のメッセージには込み上げてくるものを感じるはず。あらゆる映画の醍醐味が体感でき、1本の映画とは思えない満足感を味わえる必見作です。取材、文・志村昌美ストーリー家族で経営するコインランドリーの税金問題に頭を悩ませているエヴリン。それに加えて、父親の介護や反抗期の娘、優しいだけで頼りにならない夫と、盛りだくさんのトラブルを抱えていた。そんななか、夫に乗り移った“別の宇宙の夫”が現れ、「全宇宙にカオスをもたらす強大な悪を倒せるのは君だけだ」と突如告げられる。まさかと驚いていたエヴリンだが、悪の手先に襲われるとマルチバースにジャンプ。そして、カンフーの達人である“別の宇宙のエヴリン”の力を得て、闘いに挑むことになるのだが……。異次元に引き込まれる予告編はこちら!作品情報『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』3月3日(金)TOHOシネマズ 日比谷ほか全国ロードショー配給:ギャガ(c) 2022 A24 Distribution, LLC. All Rights Reserved.
2023年03月01日11月25日(金)~27日(日)に開催される「東京コミコン2022」で、アンソニー・ダニエルズとクリストファー・ロイドの来日が決定した。3年ぶりのリアル開催となる「東京コミックコンベンション2022」(以下、「東京コミコン2022」)。先日、来日セレブ第1弾ゲストとして、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』シリーズ出演のカレン・ギランと、ポム・クレメンティエフの来日が発表されたが、この度、来日セレブ第2弾として『スター・ウォーズ』シリーズのC-3PO役でお馴染みのアンソニー・ダニエルズと、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズのドク役や『アダムス・ファミリー』シリーズのフェスター役などのクリストファー・ロイドの来日が発表された。2人は期間中全ての日程で来場し、当日は会場において写真撮影会およびサイン会等も予定されている。2大レジェンドが来日する、映画ファンには見逃せないまたとない機会に注目が集まる。※イメージ:2019年開催時の主催者物販の模様また、マーベル/スター・ウォーズストアの3年ぶりのリアル出展が決定。大人気ファッションブランド「A BATHING APE」の出展も決まっており、大きな盛り上がりを見せそうだ。「東京コミックコンベンション2022」は11月25日(金)~27日(日)、幕張メッセ4ホール~8ホールにて開催予定。(text:cinemacafe.net)
2022年09月29日『スター・ウォーズ』シリーズでC-3PO役を演じ、唯一、シリーズ全作に出演しているアンソニー・ダニエルズが、C-3POのデザインを模したANAのジェット機が就航するのを記念し来日!3月20日(月・祝)のお披露目式にC-3PO、そして相棒のR2-D2と共に来場した。ANAでは過去にR2-D2、BB-8の仕様の飛行機が就航しており、ドロイトのデザインはこれが3度目。3月21日(火)より国内線で就航となる。最初にC-3POとR2-D2が来場し、C-3POは“日本語吹き替え版”で、自身がデザインされた機体について「なななな、なんと!どうしましょう!」と驚きを口にし、「忘れないでください。私は宇宙旅行が好きなわけではないのです。でも空を飛ぶのは別です!」と喜びをあらわにしていた。続いてアンソニー本人が、機内からタラップに登場!最初に英語で挨拶を始めるも「ちょっと待って!すみません。日本のみなさま、こんにちは!私はアンソニー・ダニエルズといいます、本日はこのイベントに参加することができてとても光栄に思います」と日本語で挨拶。C-3POになりきって「私は600万もの言語を操りますが、日本語は残念ながら含まれていなくて…」と謙遜するが、見事な日本語に会場は温かい拍手に包まれた。今回のC-3POジェットの就航について、アンソニーは「C-3POもとても喜んでます。私は彼のスポークスマンではありませんが(笑)、40年もの間、すごくよく見てきて、文字通り中身まで全部わかってます。デザインを模したこの飛行機を見てとても喜んでいるんじゃないかと思います。不思議なことにC-3POは、日本の方々にとても似ていると思います。礼儀正しく、誠実で真面目でチャーミングで、カッコよく、とても忠実です。彼のそういう部分がデザインに込められていると思います」と語る。さらに「たぶん、ファンのみなさんは私が最初、『スター・ウォーズ』に出たくないと思っていたと聞いたらビックリするかもしれませんね。でもそうなんです。1975年にジョージ・ルーカスにお目にかかり、でもそのときも『どうしようかな?』と思っていたんです」と驚きの告白。「でも、彼の事務所で壁に貼ってあったC-3POのコンセプト画を見たんです。もともと、ボーイングのデザイナーだった人間がデザインしたのですが、そのデザインが私の人生を変えました。その画にひとめぼれして、さらにその6か月後には本物のC-3POが私の前に現れました。そして、それから41年が経ってANAがそれを飛行機にしてくれました」と感激を口にした。いまだからこそ話せる撮影時のエピソードを尋ねると「この飛行機の底面にC-3POのバッテリーパックが描かれてるんですけど、それは本物のバッテリーで、彼の目を光らせる電源があるんです。あのC-3POのスーツを着るのはとても大変なんですけど、ある日、背中が痛くなりました。スタッフに見てもらったら、電池がショートしてて、もうちょっとで感電するところだったんです(苦笑)!」と危険な思い出話を楽しそうに明かした。そして最後に日本語で「フォースと共にあらんことを!」と語り、翌日から就航となるこの機体に乗る乗客の幸運を祈った。(text:cinemacafe.net)
2017年03月20日ジム・キャリーとジェフ・ダニエルズが出演する傑作の20年ぶりの最新作『帰ってきた Mr.ダマー バカ MAX!』の本編映像が公開になった。キャリーとダニエルズが20年のギャップをまったく感じさせないアクションとギャグと顔芸を連発している。その他の画像/本編映像本作はボビー&ピーター・ファレリーが監督を務めた『ジム・キャリーはMr.ダマー』の20年ぶりの続編で、ひたすらバカなことしかないロイドとハリーの名コンビが、腎臓病になってしまったハリーの病気を治すべく旅立ち、行く先々で騒動を巻き起こしていく。このほど公開になったのは、パーティ会場にハリーが現れるも、なぜかニンジャ軍団のナイフ攻撃でピンチに陥り、そばにいたロイドがニンジャ軍団と戦い、ついにはヒーローに変身する……という説明していてもバカな気分になってくる場面だ。映像でキャリーとダニエルはアクションの合間にも、ギャグと変顔を休むことなく連発。前作のファンにはふたりの帰還を確信させる、初めて本シリーズを観た人にはあまりのおバカさとテンションの高さに呆然となる場面だ。本作には、ふたりの他にも前作に登場したあのキャラクターや、強烈な新キャラクターなどが次々に出演。20年経っても続編が待望される“伝説のコメディ映画”の新作に期待が高まる。『帰ってきた Mr.ダマー バカ MAX!』11月20日(金)より全国順次ロードショー
2015年11月04日ショーン・ペンが『プレシャス』『大統領の執事の涙』のリー・ダニエルズを名誉毀損で訴訟した。ペンは損害賠償として1000万ドルを要求している。その他の情報焦点となっているのは、ダニエルズがThe Hollywood Reporterへのインタビューで語った発言。ダニエルズは、アメリカで大ヒットしているテレビドラマ『Empire 成功の代償』のクリエーターで、主演のテレンス・ハワードが妻に対する家庭内暴力で逮捕されるなどトラブルを起こしていることについて、「彼はマーロン・ブランドやショーン・ペンと変わりない。なのに突然、彼は悪魔扱いされている。これは時代、人種、アメリカが今どんな状態にあるかを示すものだ」とコメントした。しかしペン側は、ハワードが実際に女性に暴力をふるったことを認め、5回ほど逮捕されているのと違い、ペンは逮捕されたことも、家庭内暴力で裁判沙汰になったこともないと主張。また、ダニエルズの発言はハワードの行動を容認するものだとも指摘している。『Empire 成功の代償』の第2シーズンはアメリカ時間23日にスタートした。文:猿渡由紀
2015年09月23日ユニバーサル・ピクチャーズが製作準備を進めているスティーブ・ジョブズの自伝映画に、ジェフ・ダニエルズが出演することになるかもしれない。役柄は、元アップルのCEOジョン・スカリー。ダニエルズは、アーロン・ソーキンがクリエータ-を務めるテレビドラマ『ニュースルーム』でエミー賞に輝いた。この映画は、ウォルター・アイザクソンのベストセラーノンフィクション本をソーキンが脚色したもので、ふたりはビッグスクリーンで再びコンビを組むことになる。まだ正式なオファーは出されていないが、ダニエルズはダニー・ボイル監督の第一候補だそうだ。ジョブズ役にはマイケル・ファスベンダーが正式に決まり、スティーブ・ウォズニアック役はセス・ローゲンで進んでいる。ジョアンナ・ホフマン役にはナタリー・ポートマンが興味を示していたが実現には至らなかった。文:猿渡由紀
2014年12月10日