韓国出身の人気グループ、「BIGBANG」のT.O.Pことチェ・スンヒョンが映画に初主演。しかも、その記念すべき作品は、韓国映画界が総力を結集し、巨額の製作費が投じられた戦争超大作だ。朝鮮戦争を戦う学徒兵が母親に宛てた手紙を基に、若くあどけない学徒兵たちの痛切な運命を描く『戦火の中へ』。学徒兵のリーダーとなる主人公、ジャンボムを熱演したスンヒョンと、そんな彼から映画スターとしての魅力を存分に引き出したイ・ジェハン監督に話を聞いた。ジェハン監督「スンヒョンは消化しきれないほどのエネルギーの持ち主」揃ってプロモーション来日を果たしたスンヒョンとジェハン監督。『私の頭の中の消しゴム』や『サヨナライツカ』を手掛けたことでも知られるジェハン監督は、スンヒョンにとっていまや「実の兄のような存在」だという。「ジェハン監督は正真正銘のプロ。真摯で温かく、慎重で落ち着いていらっしゃる方なんですが、演出の場では目力が強く、別人じゃないかと思わされる瞬間がよくありました。そんな中、監督はいつも僕を褒め、“君ならできる”と自信を与えてくれたんです。だからこそ、不可能だと感じたり、難しいと思えたシーンにもチャレンジできました。監督のいままでの作品をご覧になった方ならお分かりいただけると思いますが、監督は良い意味で繊細な面を持っている人。それがデリケートな作風や映像美になって表れていると思います。そんな監督といつか肩を並べられる自分になりたいですし、監督のような格好いい大人に憧れます」。尊敬の念を口にするスンヒョンを横に、「隣にいるので恥ずかしいんですが…」と照れる監督。そんなジェハン監督の“俳優チェ・スンヒョン評”はこうだ。「彼は素晴らしい俳優としての資質をたくさん備えています。想像力、集中力、観察力、さらには本人も消化しきれないほどのエネルギーと爆発力があるんです。この意見は、映画をご覧になった方にもきっと賛同していただけることでしょうね」。一言一言愛おしむように言い終えてから、「そうでしょ?」とスンヒョンに視線を送る監督。すると、「僕はもっと恥ずかしいです」とスンヒョンも照れ始めてしまった。過酷な朝鮮戦争の現状と、スンヒョン演じる学徒兵ジャンボムの不安や恐怖を物語るシーンから映画は始まる。「不可能だと感じたり、難しいと思えたシーンにもチャレンジできました」と言ったスンヒョンだが、最もハードだと感じたシーンはどれだろうか。「やはり冒頭の戦闘シーンですね。若きジャンボムが初めて戦場に赴く姿が描かれているんですが、手に武器を持ち、体にも武器を巻きつけているんです。ジャンボム自身も武器の重さを体感しているシーンですが、実際、生まれてからいままでの間で僕が最も“重い…”と感じた時間でしたね。100キロ以上はあったはずですし、物理的に感じ得る一番の重さだったと思います。しかも、初めて戦場に赴いた恐怖を表している場面でもあったので、リアルな緊張感を出すため、監督は爆発物がどこに仕掛けられているのかを教えてくれませんでした(笑)。本当に身が引き締まりましたし、本物の戦場に臨む心構えでしたね。肉体的にもハードで、その恐ろしさはショックに近いものがありました。他のどのシーンよりも傷が絶えなかったと思います」。リアリティの追求もここまで来ると恐れ入るが、見事にこなしたスンヒョンを監督は称賛する。「あれは10分以上に及ぶばかりか、その7割以上のカットを彼の役が牽引するシーンでした。そんな中でアクションをこなさなければいけないのですから、彼は非常に苦痛を感じたでしょうし、恐れも先立っていたでしょうね。けれど、素晴らしかったと思います」。一方、監督がハードだと感じた瞬間は、撮影現場の外にもあったのだそう。「全ての戦闘シーンが苦労の連続でしたから、大変だったことを挙げればきりがないです。撮影が進むにつれ、精神的にも体力的にも限界に近づいていきましたね。撮影自体、ちょうど昨年のいま頃に行われましたから、まさに真冬の撮影だったんです。マイナス20度の朝に撮影を始めることもあり、ベッドから渾身の力を振り絞って起き上がる瞬間が最もハードでした(笑)」。スンヒョン「新たな自分を発見することができた」心身共に過酷な現場を生き抜いたからこそ、スンヒョンに寄せる監督の信頼もあつい。再びタッグを組むとしたら?と尋ねると、「私は彼をアジアのジェームズ・ディーンにしたいんですよ。『理由なき反抗』なんて、彼にぴったりだと思いませんか?」と監督。それを聞いたスンヒョンは「僕の隣の家にジェームズという名前のアメリカ人が住んでいるので、彼と一緒に演じようかな。僕はディーンになります(笑)」と若干微妙なジョーク(?)で照れ隠し。「冗談デス…」と日本語で呟いた後、嬉しさを隠しきれない様子でこう語った。「ジェハン監督は常に様々なアドバイスをしてくれるし、プライベートで会うことも多いんです。撮影中よりも、撮影を終えてからの方がたくさん会っているかもしれない(笑)。僕はまだ未熟なので自分自身のことをよく知れていない面もあるのですが、もしかしたら監督は僕自身が分かっていない僕のことを分かってくれているかもしれない。ですから、監督が着せてくれる服が自分に最もよく似合う服じゃないかなと思いますし、今回の作品を通して、いままでは気づかなかった自分を発見することもできました。そんなことを考えるきっかけになった作品と監督に巡り合えて幸せです」。(photo:Yoshio Kumagai/text:Hikaru Watanabe)■関連作品:戦火の中へ 2011年2月19日より角川シネマ新宿ほか全国にて公開© 2010 LOTTE ENTERTAINMENT & TAEWON ENTERTAINMENT. All Rights Reserved■関連記事:BIGBANGのチェ・スンヒョン、先輩俳優との共演に「あんなお兄さんになりたい」BIGBANGのT.O.Pことチェ・スンヒョン初主演作携え来日!舞台挨拶では…戦争アクション超大作『戦火の中へ』レッドカーペットイベントに15組30名様ご招待ビョンホン主演「アイリス」今度は映画化!韓国よりも早く日本で世界最速公開
2011年02月17日韓国の人気ダンスボーカルグループ「BIGBANG」のT.O.Pことチェ・スンヒョンが1月26日(水)、初主演映画『戦火の中へ』の来日記者会見に出席。メガホンをとったイ・ジェハン監督(『私の頭の中の消しゴム』、『サヨナライツカ』)、製作を手掛けるチョン・テウォン(ドラマ「アイリス」)と共に、渾身の一作を力強くアピールした。朝鮮戦争で散った学徒兵が母親宛に綴った手紙を基に、学徒兵たちの儚い生き様を描いた青春ドラマ。スンヒョンは学徒兵・中隊長を体当たりで熱演。あどけなさの残る少年の繊細さも見事に表現し、早くも演技の幅広さを披露した。「生傷が絶えない日々。気が滅入るのでなるべく鏡を見ないようにしました」とふり返るスンヒョンを支えたのは、チャ・スンウォンやクォン・サンウといった先輩俳優との共演。「先輩の姿をそばで見て感じるだけで勉強になった。おかげでハードな撮影も楽しむことができました。僕もいつかあんなお兄さんになりたい」とメロメロ(!?)だった。ジェハン監督のこだわりは「リアリティの追及」。ときに主演であるスンウォンにさえ、爆発物のセッティング位置を教えなかったといい、「まるで戦場にいるかのような、すさまじい恐怖を感じました。自分がNGを出せば、爆破されたセットは作り直し。緊張感も高かっただけに、戦闘シーンはどれも思い入れが強いです」(スンヒョン)。爆破の破片が目を直撃し、あわや失明の危機もあったのだとか。無事作品が完成したいまは「これまで自分でも気づかなかった表情を発見するきっかけになった。自分自身、(俳優として)ステップアップできた」と胸を張る。一方、いわば“スパルタ演出”でスンヒョンの演技を引き出したジェハン監督は「彼は想像力が豊かだし、集中力も高い。俳優として持つべき“感性”というべきものも持っている」と絶賛。「もちろん、ルックスの良さも無視できない要素です」と笑いを誘った。また、戦争映画に初挑戦した本作を「いままで私が描いてきた悲劇とは、本質的に異なる。人類最大の苦しみをいかに2時間に集約するか、非常に興味深い作業だったし、苦労が多かった分、手掛けることができて幸せでした。監督としてターニングポイントになった作品です」とこちらも自信のアピールだった。『戦火の中へ』は2月19日(土)より角川シネマ新宿ほか全国にて公開。■関連作品:戦火の中へ 2011年2月19日より角川シネマ新宿ほか全国にて公開© 2010 LOTTE ENTERTAINMENT & TAEWON ENTERTAINMENT. All Rights Reserved■関連記事:BIGBANGのT.O.Pことチェ・スンヒョン初主演作携え来日!舞台挨拶では…戦争アクション超大作『戦火の中へ』レッドカーペットイベントに15組30名様ご招待ビョンホン主演「アイリス」今度は映画化!韓国よりも早く日本で世界最速公開
2011年01月26日韓国の人気ダンスボーカルグループ「BIGBANG」のT.O.Pことチェ・スンヒョンが1月25日(火)、東京・丸の内の東京国際フォーラムで行われた初主演映画『戦火の中へ』のジャパンプレミアに、イ・ジェハン監督らと共に出席した。この日は有料試写会が実施され、約1,200人の熱心なファンを前に、まずは「コンニチワ、お久しぶりです」と日本語で挨拶。映画のPRでは初来日とあって「日本ではコンサートでステージに立つことはよくありましたか、こうして舞台挨拶をするのは珍しく、緊張して感慨深いです」と少々ぎこちない様子。と思いきや、本作の公開日がバレンタインウィークの19日(水)とあってMCから毎年たくさんのチョコをもらう?と聞かれると「僕はいつも自分で作って食べています…冗談です」とニンマリ。さらに「マイケル・ジョーダン!」とダンクシュートの振り付きで、持ちネタにしているギャグを飛ばし、会場の笑いを誘った。なかなかの受け具合に気を良くしたのか、その後、エグゼクティブ・プロデューサーのチョン・テウォン氏がスンヒョンのキャスティングについて「私の失敗だった…冗談です」と言った場面でも、すかさずスンヒョンは「マイケル・ジョーダン!」と同じギャグ。ビックリするチョン氏に礼儀正しくお辞儀して詫びてみせ、1回目よりも大きな笑いを取った。同作は、朝鮮戦争で散った学徒兵が母親宛に綴った手紙を基に、学徒兵たちの儚い生き様を描いた青春ドラマ。スンヒョンは演技経験が少ないながら今回、クォン・サンウら先輩役者陣3人と一緒に主演のひとりという大役をこなした。撮影をふり返ると「僕以外、みなさん先輩で結婚されているので、夕食とかを食べていると奥様から電話がかかってきて話している。そうやって家族を大切にしている姿をそばで見ていて、いままで思ったことはなかったけど、僕も結婚してあんな風に安定した生活をしてみたいな、と思いました」と演技以外でも重要な経験をした様子。結婚という言葉にファンからは悲鳴のような声が飛ぶと、「いつとかは言っていません。生まれて初めてそういうことを考えた、ということをお話しただけ」と言い、ファンを安心(?)させていた。試写会前にはレッドカーペットイベントが行われ、スンヒョンは駆けつけたファン約200人のサインや握手に応じた。途中、場内に入れず会場外に詰めかけた約600人に向けて手を振るなど細やかな気遣いを見せるひと幕も。手厚いファンサービスで、ますますファンらを虜にしていた。『戦火の中へ』は2月19日(土)、角川シネマ新宿ほか全国より公開。(photo/text:Yoko Saito)■関連作品:戦火の中へ 2011年2月19日より角川シネマ新宿ほか全国にて公開© 2010 LOTTE ENTERTAINMENT & TAEWON ENTERTAINMENT. All Rights Reserved■関連記事:戦争アクション超大作『戦火の中へ』レッドカーペットイベントに15組30名様ご招待ビョンホン主演「アイリス」今度は映画化!韓国よりも早く日本で世界最速公開
2011年01月25日